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第71巻(戌の巻)
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第73巻(子の巻)
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第75巻(寅の巻)
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第77巻(辰の巻)
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第31巻(午の巻)
序歌
総説
第1篇 千状万態
01 主一無適
〔867〕
02 大地震
〔868〕
03 救世神
〔869〕
04 不知恋
〔870〕
05 秋鹿の叫
〔871〕
06 女弟子
〔872〕
第2篇 紅裙隊
07 妻の選挙
〔873〕
08 人獣
〔874〕
09 誤神託
〔875〕
10 噂の影
〔876〕
11 売言買辞
〔877〕
12 冷い親切
〔878〕
13 姉妹教
〔879〕
第3篇 千里万行
14 樹下の宿
〔880〕
15 丸木橋
〔881〕
16 天狂坊
〔882〕
17 新しき女
〔883〕
18 シーズンの流
〔884〕
19 怪原野
〔885〕
20 脱皮婆
〔886〕
21 白毫の光
〔887〕
第4篇 言霊将軍
22 神の試
〔888〕
23 化老爺
〔889〕
24 魔違
〔890〕
25 会合
〔891〕
余白歌
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第三章
救世神
(
きうせいしん
)
〔八六九〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第31巻 海洋万里 午の巻
篇:
第1篇 千状万態
よみ(新仮名遣い):
せんじょうばんたい
章:
第3章 救世神
よみ(新仮名遣い):
きゅうせいしん
通し章番号:
869
口述日:
1922(大正11)年08月18日(旧06月26日)
口述場所:
筆録者:
松村真澄
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1923(大正12)年9月15日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2022-03-08 18:57:13
OBC :
rm3103
愛善世界社版:
27頁
八幡書店版:
第6輯 50頁
修補版:
校定版:
27頁
普及版:
11頁
初版:
ページ備考:
001
天気
(
てんき
)
晴朗
(
せいらう
)
にして
002
蒼空
(
さうくう
)
一点
(
いつてん
)
の
雲翳
(
うんえい
)
もなく
003
士
(
し
)
農
(
のう
)
工
(
こう
)
商
(
しやう
)
は
各
(
おのおの
)
其
(
その
)
業
(
げふ
)
を
楽
(
たのし
)
み
004
常世
(
とこよ
)
の
春
(
はる
)
を
祝
(
いは
)
ひつつ
005
或
(
あるひ
)
は
娶
(
めと
)
り
或
(
あるひ
)
は
舞
(
ま
)
ひ
歌
(
うた
)
ひ
006
山河
(
さんか
)
は
清
(
きよ
)
くさやけく
007
樹木
(
じゆもく
)
は
天然
(
てんねん
)
の
舞踏
(
ぶたふ
)
をなし
008
渓流
(
けいりう
)
は
自然
(
しぜん
)
の
音楽
(
おんがく
)
を
奏
(
そう
)
し
009
鳥
(
とり
)
は
梢
(
こづゑ
)
に
唄
(
うた
)
ひ
蝶
(
てふ
)
は
野
(
の
)
に
舞
(
ま
)
ひ
010
花
(
はな
)
に
戯
(
たはむ
)
れ、
嬉々
(
きき
)
として
遊
(
あそ
)
べる
011
平安
(
へいあん
)
無事
(
ぶじ
)
の
天地
(
てんち
)
の
現象
(
げんしやう
)
012
さながら
神代
(
かみよ
)
の
如
(
ごと
)
くなり
013
瞬
(
またた
)
く
間
(
うち
)
に
一天
(
いつてん
)
俄
(
にはか
)
に
掻
(
か
)
き
曇
(
くも
)
り
014
満天
(
まんてん
)
墨
(
すみ
)
を
流
(
なが
)
せし
如
(
ごと
)
く
015
洋々
(
やうやう
)
として
紺碧
(
こんぺき
)
の
016
空
(
そら
)
を
翔
(
かけ
)
る
諸鳥
(
もろとり
)
は
017
忽
(
たちま
)
ち
地上
(
ちじやう
)
に
向
(
むか
)
つて
018
矢
(
や
)
を
射
(
い
)
る
如
(
ごと
)
く
落
(
お
)
ち
来
(
きた
)
り
019
大地
(
だいち
)
忽
(
たちま
)
ち
震動
(
しんどう
)
し
020
天国
(
てんごく
)
浄土
(
じやうど
)
は
忽
(
たちま
)
ちに
021
地獄
(
ぢごく
)
餓鬼道
(
がきだう
)
畜生道
(
ちくしやうだう
)
022
修羅
(
しゆら
)
の
巷
(
ちまた
)
と
一変
(
いつぺん
)
し
023
時々
(
じじ
)
刻々
(
こくこく
)
に
大地
(
だいち
)
の
震動
(
しんどう
)
024
猛烈
(
まうれつ
)
を
加
(
くは
)
へ
来
(
きた
)
る
而已
(
のみ
)
025
山岳
(
さんがく
)
は
崩
(
くづ
)
れ、
原野
(
げんや
)
は
裂
(
さ
)
け
026
民家
(
みんか
)
は
倒
(
たふ
)
れ
橋梁
(
けうりやう
)
忽
(
たちま
)
ち
墜落
(
つゐらく
)
し
027
彼方
(
あなた
)
此方
(
こなた
)
に
炎々
(
えんえん
)
と
028
天
(
てん
)
をこがして
燃
(
も
)
えあがる
029
空前
(
くうぜん
)
絶後
(
ぜつご
)
の
大火災
(
だいくわさい
)
030
身
(
み
)
の
毛
(
け
)
もよだつ
凄
(
すさま
)
じさ
031
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
の
天国
(
てんごく
)
も
032
天
(
あめ
)
の
下
(
した
)
なる
神人
(
かみびと
)
が
033
佞
(
ねぢ
)
け
曲
(
まが
)
れる
魂
(
たましひ
)
や
034
醜
(
しこ
)
の
言霊
(
ことたま
)
重
(
かさ
)
なりて
035
妖邪
(
ようじや
)
の
空気
(
くうき
)
鬱積
(
うつせき
)
し
036
天地
(
てんち
)
主宰
(
しゆさい
)
の
大神
(
おほかみ
)
の
037
大御心
(
おほみこころ
)
を
曇
(
くも
)
らせて
038
忽
(
たちま
)
ち
起
(
おこ
)
る
天変
(
てんぺん
)
地妖
(
ちよう
)
039
慎
(
つつし
)
むべきは
世
(
よ
)
の
人
(
ひと
)
の
040
耳
(
みみ
)
に
鼻
(
はな
)
、
口
(
くち
)
、
村肝
(
むらきも
)
の
041
心
(
こころ
)
の
持様
(
もちやう
)
一
(
ひと
)
つなり
042
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
043
此
(
こ
)
れの
惨状
(
さんじやう
)
見
(
み
)
るにつけ
044
高砂島
(
たかさごじま
)
の
国人
(
くにびと
)
は
045
神
(
かみ
)
の
尊
(
たふと
)
き
御心
(
みこころ
)
を
046
完美
(
うまら
)
に
委曲
(
つばら
)
に
体得
(
たいとく
)
し
047
いよいよ
茲
(
ここ
)
に
天地
(
あめつち
)
の
048
神
(
かみ
)
の
権威
(
けんゐ
)
に
畏服
(
ゐふく
)
して
049
心
(
こころ
)
を
直
(
なほ
)
し
行
(
おこな
)
ひを
050
改
(
あらた
)
め
神
(
かみ
)
に
仕
(
つか
)
へたる
051
尊
(
たふと
)
き
昔
(
むかし
)
の
物語
(
ものがたり
)
052
神
(
かみ
)
のまにまに
述
(
の
)
べ
立
(
た
)
つる
053
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
054
神
(
かみ
)
の
御霊
(
みたま
)
の
幸
(
さち
)
はひて
055
遠
(
とほ
)
き
神代
(
かみよ
)
に
住
(
す
)
まひたる
056
高砂島
(
たかさごじま
)
の
人々
(
ひとびと
)
は
057
云
(
い
)
ふも
更
(
さら
)
なり
天
(
あめ
)
の
下
(
した
)
058
四方
(
よも
)
の
御国
(
みくに
)
に
大空
(
おほぞら
)
の
059
きらめく
星
(
ほし
)
の
数
(
かず
)
の
如
(
ごと
)
060
生
(
うま
)
れ
会
(
あ
)
ひたる
人々
(
ひとびと
)
は
061
昔
(
むかし
)
の
事
(
こと
)
と
思
(
おも
)
ふまじ
062
心
(
こころ
)
を
清
(
きよ
)
め
身
(
み
)
を
清
(
きよ
)
め
063
転迷
(
てんめい
)
開悟
(
かいご
)
の
栞
(
しをり
)
にと
064
心
(
こころ
)
に
刻
(
きざ
)
みて
惟神
(
かむながら
)
065
神
(
かみ
)
の
御
(
おん
)
子
(
こ
)
と
生
(
うま
)
れたる
066
我
(
わが
)
天職
(
てんしよく
)
を
尽
(
つく
)
せかし。
067
そもそも
神
(
かみ
)
は
万物
(
ばんぶつ
)
に
068
普遍
(
ふへん
)
し
玉
(
たま
)
ふ
神霊
(
しんれい
)
ぞ
069
人
(
ひと
)
は
天地
(
てんち
)
の
御水火
(
みいき
)
より
070
生
(
うま
)
れ
出
(
い
)
でたる
神
(
かみ
)
の
御子
(
みこ
)
071
尊
(
たふと
)
き
神
(
かみ
)
の
肉
(
にく
)
の
宮
(
みや
)
072
皇
(
すめ
)
大神
(
おほかみ
)
の
神力
(
しんりき
)
を
073
発揮
(
はつき
)
し
玉
(
たま
)
ひて
天地
(
あめつち
)
を
074
開
(
ひら
)
かせ
給
(
たま
)
ふ
司宰者
(
しさいしや
)
と
075
生
(
うま
)
れ
来
(
きた
)
りし
人
(
ひと
)
の
身
(
み
)
の
076
其
(
その
)
天職
(
てんしよく
)
を
自覚
(
じかく
)
して
077
誠
(
まこと
)
の
神
(
かみ
)
に
服
(
ふく
)
せよや
078
旭
(
あさひ
)
は
照
(
て
)
る
共
(
とも
)
曇
(
くも
)
る
共
(
とも
)
079
月
(
つき
)
は
盈
(
み
)
つ
共
(
とも
)
虧
(
か
)
くる
共
(
とも
)
080
仮令
(
たとへ
)
大地
(
だいち
)
は
震
(
ふる
)
ふ
共
(
とも
)
081
山
(
やま
)
裂
(
さ
)
け
海
(
うみ
)
は
涸
(
かは
)
く
共
(
とも
)
082
此
(
この
)
世
(
よ
)
を
造
(
つく
)
り
玉
(
たま
)
ひたる
083
神
(
かみ
)
の
御前
(
みまへ
)
に
真心
(
まごころ
)
を
084
尽
(
つく
)
しまつりて
人
(
ひと
)
たるの
085
努
(
つと
)
めを
尽
(
つく
)
せ
惟神
(
かむながら
)
086
神
(
かみ
)
は
汝
(
なんぢ
)
と
共
(
とも
)
にあり
087
此
(
この
)
世
(
よ
)
を
造
(
つく
)
りし
神直日
(
かむなほひ
)
088
心
(
こころ
)
も
広
(
ひろ
)
き
大直日
(
おほなほひ
)
089
汚
(
けが
)
れ
果
(
は
)
てたる
人
(
ひと
)
の
身
(
み
)
も
090
罪
(
つみ
)
を
見直
(
みなほ
)
し
聞直
(
ききなほ
)
し
091
宣
(
の
)
り
直
(
なほ
)
します
天津
(
あまつ
)
神
(
かみ
)
092
国津
(
くにつ
)
神
(
かみ
)
等
(
たち
)
八百万
(
やほよろづ
)
093
国魂神
(
くにたまがみ
)
を
始
(
はじ
)
めとし
094
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
を
親
(
した
)
しく
守
(
まも
)
ります
095
産土神
(
うぶすながみ
)
を
敬
(
うやま
)
ひて
096
此
(
この
)
美
(
うる
)
はしき
天地
(
あめつち
)
に
097
暴風
(
ばうふう
)
洪水
(
こうずゐ
)
大火
(
たいくわ
)
なく
098
饑饉
(
ききん
)
戦争
(
せんそう
)
病気
(
びやうき
)
なく
099
四海
(
しかい
)
同胞
(
どうはう
)
の
御
(
ご
)
神慮
(
しんりよ
)
を
100
朝
(
あさ
)
な
夕
(
ゆふ
)
なに
省
(
かへり
)
みて
101
神
(
かみ
)
の
依
(
よ
)
さしの
天職
(
てんしよく
)
に
102
尽
(
つく
)
させ
玉
(
たま
)
へと
祈
(
いの
)
れかし
103
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
104
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はひましませよ。
105
ヒルの
都
(
みやこ
)
の
楓別
(
かえでわけの
)
命
(
みこと
)
の
妹
(
いもうと
)
に
紅井姫
(
くれなゐひめ
)
と
云
(
い
)
ふ
容色
(
ようしよく
)
並
(
なら
)
びなき、
106
今年
(
ことし
)
十九
(
じふく
)
の
春
(
はる
)
を
迎
(
むか
)
へた
美人
(
びじん
)
ありけり。
107
日暮
(
ひぐら
)
シ
河
(
がは
)
の
水
(
みづ
)
は
大
(
おほい
)
に
減少
(
げんせう
)
し、
108
数多
(
あまた
)
の
溌溂
(
はつらつ
)
たる
鮮魚
(
せんぎよ
)
は
何
(
いづ
)
れも
下流
(
かりう
)
のヒルの
都
(
みやこ
)
附近
(
ふきん
)
に、
109
大部分
(
だいぶぶん
)
集
(
あつ
)
まり
来
(
きた
)
り、
110
鵜飼
(
うがひ
)
の
遊
(
あそ
)
びは
昼夜
(
ちうや
)
の
区別
(
くべつ
)
なく、
111
盛
(
さかん
)
に
行
(
おこな
)
はれける。
112
紅井姫
(
くれなゐひめ
)
の
侍女
(
じぢよ
)
として
仕
(
つか
)
へまつれる、
113
アリー、
114
サールの
二女
(
にぢよ
)
は
館
(
やかた
)
の
内事
(
ないじ
)
を
司
(
つかさど
)
るモリスと
共
(
とも
)
に、
115
一度
(
いちど
)
此
(
この
)
鵜飼
(
うがひ
)
の
遊
(
あそ
)
びを
試
(
こころ
)
みたく
希望
(
きばう
)
しゐたりしが、
116
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
つても
勤
(
つと
)
めの
身
(
み
)
の
上
(
うへ
)
、
117
自由
(
じいう
)
にならぬ
悲
(
かな
)
しさに、
118
折
(
を
)
りある
毎
(
ごと
)
に
紅井姫
(
くれなゐひめ
)
の
前
(
まへ
)
に
出
(
い
)
で、
119
日暮
(
ひぐら
)
シ
河
(
がは
)
の
鵜飼
(
うがひ
)
の
最
(
もつと
)
も
壮快
(
さうくわい
)
なる
事
(
こと
)
を
話
(
はな
)
し
居
(
ゐ
)
たりける。
120
紅井姫
(
くれなゐひめ
)
は
侍女
(
じぢよ
)
の
面白
(
おもしろ
)
さうな
話
(
はなし
)
に
稍
(
やや
)
心
(
こころ
)
を
傾
(
かたむ
)
け、
121
自
(
みづか
)
ら
兄
(
あに
)
の
楓別
(
かえでわけの
)
命
(
みこと
)
に
向
(
むか
)
つて
一
(
いち
)
日
(
にち
)
の
清遊
(
せいいう
)
を
許
(
ゆる
)
されむ
事
(
こと
)
を
請
(
こ
)
ひければ、
122
楓別
(
かえでわけの
)
命
(
みこと
)
は
何時
(
いつ
)
も
深窓
(
しんそう
)
にのみ
在
(
あ
)
りて、
123
外出
(
ぐわいしゆつ
)
せざる
紅井姫
(
くれなゐひめ
)
のたまたまの
希望
(
きばう
)
なれば、
124
否
(
いな
)
むに
由
(
よし
)
なく、
125
快
(
こころよ
)
く
之
(
これ
)
を
許
(
ゆる
)
し、
126
内事
(
ないじ
)
の
司
(
つかさ
)
モリスを
始
(
はじ
)
め、
127
アリー、
128
サールの
侍女
(
じぢよ
)
を
従
(
したが
)
へ、
129
其
(
その
)
他
(
た
)
四五
(
しご
)
の
従者
(
じゆうしや
)
と
共
(
とも
)
に、
130
城外
(
じやうぐわい
)
を
流
(
なが
)
るる
日暮
(
ひぐら
)
シ
河
(
がは
)
に
鵜飼
(
うがひ
)
の
遊
(
あそ
)
びを
許
(
ゆる
)
したりける。
131
茲
(
ここ
)
に
紅井姫
(
くれなゐひめ
)
は
天
(
てん
)
にも
昇
(
のぼ
)
る
心地
(
ここち
)
して、
132
モリス
以下
(
いか
)
を
従
(
したが
)
へ、
133
鵜飼
(
うがひ
)
の
遊
(
あそ
)
びを
終
(
をは
)
り、
134
数多
(
あまた
)
の
鮮魚
(
せんぎよ
)
を
生捕
(
いけど
)
り、
135
勝誇
(
かちほこ
)
つたる
面色
(
おももち
)
にて
城下
(
じやうか
)
に
帰
(
かへ
)
り
来
(
きた
)
る
折
(
をり
)
しもあれや、
136
俄
(
にはか
)
に
天地
(
てんち
)
震動
(
しんどう
)
し、
137
大地
(
だいち
)
は
上下
(
じやうげ
)
左右
(
さいう
)
に
動揺
(
どうえう
)
し
始
(
はじ
)
め、
138
家屋
(
かをく
)
はベタベタと
将棋倒
(
しやうぎだふ
)
しになり、
139
紅井姫
(
くれなゐひめ
)
の
一行
(
いつかう
)
も
亦
(
また
)
市内
(
しない
)
の
家屋
(
かをく
)
に
圧
(
あつ
)
せられ、
140
煙
(
けむり
)
に
包
(
つつ
)
まれ
見
(
み
)
へずなりける。
141
火災
(
くわさい
)
は
各所
(
かくしよ
)
に
起
(
おこ
)
り、
142
忽
(
たちま
)
ちヒルの
都
(
みやこ
)
は
阿鼻
(
あび
)
叫喚
(
けうくわん
)
の
巷
(
ちまた
)
と
化
(
くわ
)
しぬ。
143
斯
(
か
)
かる
所
(
ところ
)
へ
宣伝歌
(
せんでんか
)
を
歌
(
うた
)
ひ
乍
(
なが
)
ら
悠々
(
いういう
)
として
進
(
すす
)
み
来
(
きた
)
る
一人
(
ひとり
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
は、
144
国依別
(
くによりわけ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
なりける。
145
両側
(
りやうがは
)
の
家屋
(
かをく
)
は
街路
(
がいろ
)
に
無惨
(
むざん
)
にも
滅茶
(
めつちや
)
々々
(
めつちや
)
に
倒
(
たふ
)
れ、
146
火
(
ひ
)
は
追々
(
おひおひ
)
に
前後
(
ぜんご
)
左右
(
さいう
)
より
燃
(
も
)
え
来
(
きた
)
る
其
(
その
)
物凄
(
ものすご
)
さ。
147
忽
(
たちま
)
ち
煙
(
けぶり
)
に
包
(
つつ
)
まれて、
148
咫尺
(
しせき
)
も
弁
(
べん
)
ぜざるに
至
(
いた
)
れり。
149
間近
(
まじか
)
の
足許
(
あしもと
)
に
聞
(
きこ
)
ゆる
女
(
をんな
)
の
悲鳴
(
ひめい
)
、
150
国依別
(
くによりわけ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
は、
151
其
(
その
)
声
(
こゑ
)
を
目当
(
めあ
)
てに
探
(
さぐ
)
り
寄
(
よ
)
り、
152
押
(
おさ
)
へられたる
柱
(
はしら
)
を
剛力
(
がうりき
)
に
任
(
まか
)
せて
取
(
と
)
り
除
(
のぞ
)
き、
153
何人
(
なにびと
)
かは
知
(
し
)
らね
共
(
ども
)
、
154
矢庭
(
やには
)
に
背
(
せ
)
に
負
(
お
)
ひ、
155
国依別
『
天津
(
あまつ
)
神
(
かみ
)
、
156
国津
(
くにつ
)
神
(
かみ
)
、
157
国魂
(
くにたま
)
の
神
(
かみ
)
、
158
産土
(
うぶすな
)
の
神
(
かみ
)
、
159
一
(
いち
)
時
(
じ
)
も
早
(
はや
)
く
此
(
この
)
惨状
(
さんじやう
)
を
助
(
たす
)
け
玉
(
たま
)
へ……』
160
と
祈
(
いの
)
りつつ
宣伝歌
(
せんでんか
)
をうたひ、
161
煙
(
けぶり
)
の
中
(
なか
)
をかきわけて、
162
ヒルの
都
(
みやこ
)
の
中央
(
ちうおう
)
に
下津
(
したつ
)
岩根
(
いはね
)
の
岩石
(
がんせき
)
の
布
(
し
)
き
並
(
なら
)
べたる
自然
(
しぜん
)
の
要害地
(
えうがいち
)
、
163
楓別
(
かえでわけの
)
命
(
みこと
)
の
神館
(
かむやかた
)
に
思
(
おも
)
はず
知
(
し
)
らず
走
(
は
)
せ
着
(
つ
)
きぬ。
164
国依別
(
くによりわけ
)
はヤツと
胸
(
むね
)
を
撫
(
な
)
で
卸
(
おろ
)
し、
165
女
(
をんな
)
を
背
(
せ
)
より
其
(
その
)
場
(
ば
)
におろし、
166
ホツト
息
(
いき
)
をつぎにける。
167
女
(
をんな
)
は
細
(
ほそ
)
き
声
(
こゑ
)
にて、
168
女(紅井姫)
『
何処
(
どこ
)
の
方
(
かた
)
かは
存
(
ぞん
)
じませぬが、
169
危
(
あやふ
)
き
所
(
ところ
)
を
御
(
お
)
助
(
たす
)
け
下
(
くだ
)
さいまして、
170
有難
(
ありがた
)
う
御座
(
ござ
)
います。
171
全
(
まつた
)
くあなた
様
(
さま
)
は
妾
(
わらは
)
の
命
(
いのち
)
をお
助
(
たす
)
け
下
(
くだ
)
さいました
誠
(
まこと
)
の
生神
(
いきがみ
)
様
(
さま
)
で
御座
(
ござ
)
いませう』
172
と
感謝
(
かんしや
)
の
涙
(
なみだ
)
を
絞
(
しぼ
)
り、
173
手
(
て
)
を
合
(
あは
)
せ
伏
(
ふ
)
し
拝
(
をが
)
む。
174
国依別
(
くによりわけ
)
は
言葉
(
ことば
)
静
(
しづ
)
かに、
175
国依別
『
私
(
わたし
)
は
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
で
御座
(
ござ
)
います。
176
これの
神館
(
かむやかた
)
にまします
楓別
(
かえでわけの
)
命
(
みこと
)
様
(
さま
)
に
一度
(
いちど
)
お
目
(
め
)
に
掛
(
かか
)
りたく、
177
遥々
(
はるばる
)
尋
(
たづ
)
ねて
参
(
まゐ
)
る
途中
(
とちう
)
に
於
(
おい
)
て、
178
今
(
いま
)
の
大震害
(
だいしんがい
)
、
179
思
(
おも
)
はずあなたを
御
(
お
)
助
(
たす
)
けしたのも、
180
全
(
まつた
)
く
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
御
(
お
)
引合
(
ひきあは
)
せで
御座
(
ござ
)
いませう。
181
御
(
お
)
礼
(
れい
)
をいはれては
却
(
かへつ
)
て
迷惑
(
めいわく
)
に
存
(
ぞん
)
じます』
182
紅井姫
『
妾
(
わらは
)
は
楓別
(
かえでわけの
)
命
(
みこと
)
の
妹
(
いもうと
)
紅井姫
(
くれなゐひめ
)
と
申
(
まを
)
す
者
(
もの
)
、
183
日暮
(
ひぐら
)
シ
河
(
がは
)
の
鵜飼
(
うがひ
)
遊
(
あそ
)
びの
帰
(
かへ
)
るさ、
184
思
(
おも
)
ひもかけぬ
大地震
(
だいぢしん
)
の
厄
(
やく
)
に
遭
(
あ
)
ひ、
185
命
(
いのち
)
危
(
あやふ
)
き
所
(
ところ
)
、
186
あなたに
助
(
たす
)
けられた
者
(
もの
)
で
御座
(
ござ
)
います。
187
サアサア
早
(
はや
)
く
御
(
お
)
通
(
とほ
)
り
下
(
くだ
)
さいませ。
188
兄
(
あに
)
もさぞ
喜
(
よろこ
)
ぶ
事
(
こと
)
で
御座
(
ござ
)
いませう』
189
国依別
『あゝ
左様
(
さやう
)
で
御座
(
ござ
)
いましたか。
190
不思議
(
ふしぎ
)
な
御縁
(
ごえん
)
で
御座
(
ござ
)
いますなア。
191
併
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら……アレ
御覧
(
ごらん
)
なさいませ。
192
四方
(
よも
)
の
山々
(
やまやま
)
は
盛
(
さかん
)
に
噴火
(
ふんくわ
)
を
始
(
はじ
)
め、
193
黒雲
(
こくうん
)
天
(
てん
)
を
封
(
ふう
)
じ、
194
地
(
ち
)
は
裂
(
さ
)
け、
195
各所
(
かくしよ
)
より
濁水
(
だくすい
)
を
吐
(
は
)
き
出
(
だ
)
し、
196
早
(
はや
)
くも
低地
(
ていち
)
は
大洪水
(
だいこうずゐ
)
となり、
197
人々
(
ひとびと
)
の
泣
(
な
)
き
叫
(
さけ
)
ぶ
声
(
こゑ
)
は、
198
刻々
(
こくこく
)
に
高
(
たか
)
まりて
参
(
まゐ
)
りました。
199
私
(
わたくし
)
は
是
(
これ
)
より
球
(
きう
)
の
玉
(
たま
)
の
神力
(
しんりき
)
を
以
(
もつ
)
て、
200
此
(
この
)
天変
(
てんぺん
)
地妖
(
ちえう
)
を
鎮
(
しづ
)
め、
201
万民
(
ばんみん
)
を
助
(
たす
)
けねばなりませぬ。
202
貴女
(
あなた
)
はどうか
早
(
はや
)
くお
館
(
やかた
)
へ
御
(
お
)
這入
(
はい
)
り
下
(
くだ
)
さいませ。
203
後程
(
のちほど
)
参
(
まゐ
)
りますから……』
204
紅井姫
『
左様
(
さやう
)
ならばお
先
(
さき
)
へ
失礼
(
しつれい
)
致
(
いた
)
します。
205
キツと
御
(
お
)
待
(
ま
)
ち
申
(
まを
)
して
居
(
を
)
りますから、
206
必
(
かなら
)
ずお
這入
(
はい
)
り
下
(
くだ
)
さいませや』
207
と
云
(
い
)
ひすてて、
208
館
(
やかた
)
の
内
(
うち
)
へ
慌
(
あはた
)
だしく
駆入
(
かけい
)
りにける。
209
国依別
(
くによりわけ
)
は
一心
(
いつしん
)
に、
210
国依別
『
国
(
くに
)
の
大御祖
(
おほみおや
)
国治立
(
くにはるたちの
)
命
(
みこと
)
、
211
豊国姫
(
とよくにひめの
)
命
(
みこと
)
、
212
国魂
(
くにたま
)
の
神
(
かみ
)
、
213
一
(
いち
)
時
(
じ
)
も
早
(
はや
)
く
此
(
この
)
地異
(
ちい
)
天変
(
てんぺん
)
を
鎮
(
しづ
)
め、
214
青人草
(
あをひとぐさ
)
は
申
(
まを
)
すも
更
(
さら
)
なり、
215
一切
(
いつさい
)
の
生物
(
せいぶつ
)
を
御
(
お
)
救
(
すく
)
ひ
下
(
くだ
)
さりませ……』
216
と
念
(
ねん
)
じ、
217
全身
(
ぜんしん
)
の
霊力
(
れいりよく
)
を
籠
(
こ
)
め、
218
天
(
あま
)
の
数歌
(
かずうた
)
を
声
(
こゑ
)
高々
(
たかだか
)
と
宣
(
の
)
りあげ、
219
『ウーウー』とウの
言霊
(
ことたま
)
を
発射
(
はつしや
)
すれば、
220
不思議
(
ふしぎ
)
や
大地
(
だいち
)
の
震動
(
しんどう
)
忽
(
たちま
)
ち
休止
(
きうし
)
し、
221
諸山
(
しよざん
)
の
噴火
(
ふんくわ
)
は
従
(
したが
)
つて
止
(
とどま
)
り、
222
噴出
(
ふんしゆつ
)
する
洪水
(
こうずゐ
)
はピタリと
止
(
と
)
まつて、
223
見
(
み
)
る
見
(
み
)
る
内
(
うち
)
に
減水
(
げんすい
)
し
始
(
はじ
)
めたり。
224
言霊
(
ことたま
)
の
伊吹
(
いぶき
)
の
力
(
ちから
)
著
(
いちじる
)
しく、
225
満天
(
まんてん
)
を
包
(
つつ
)
みし
黒雲
(
くろくも
)
は
拭
(
ぬぐ
)
ふが
如
(
ごと
)
く
晴
(
は
)
れ
渡
(
わた
)
り、
226
歓喜
(
くわんき
)
の
太陽
(
たいやう
)
は
煌々
(
くわうくわう
)
として
中天
(
ちうてん
)
に
輝
(
かがや
)
き、
227
下界
(
げかい
)
の
惨状
(
さんじやう
)
を
憐
(
あは
)
れげに
照
(
てら
)
し
玉
(
たま
)
うた。
228
楓別
(
かえでわけの
)
命
(
みこと
)
は
高殿
(
たかどの
)
に
上
(
あが
)
り、
229
此
(
この
)
惨状
(
さんじやう
)
を
救
(
すく
)
はむと、
230
一心
(
いつしん
)
不乱
(
ふらん
)
に
紅井姫
(
くれなゐひめ
)
の
身
(
み
)
の
上
(
うへ
)
の
事
(
こと
)
などは、
231
スツカリ
念頭
(
ねんとう
)
より
忘却
(
ばうきやく
)
して、
232
只々
(
ただただ
)
天下
(
てんか
)
万民
(
ばんみん
)
の
為
(
ため
)
に
祈願
(
きぐわん
)
をこらしつつありき。
233
斯
(
か
)
かる
所
(
ところ
)
へ
国依別
(
くによりわけ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
現
(
あら
)
はれ
来
(
きた
)
りて、
234
天津
(
あまつ
)
祝詞
(
のりと
)
や
生言霊
(
いくことたま
)
を
円満
(
ゑんまん
)
清朗
(
せいらう
)
に
宣
(
の
)
り
上
(
あ
)
げければ、
235
一切
(
いつさい
)
の
地異
(
ちい
)
天変
(
てんぺん
)
は
言霊
(
ことたま
)
の
神力
(
しんりき
)
に
依
(
よ
)
りて、
236
再
(
ふたた
)
び
安静
(
あんせい
)
に
帰
(
き
)
し、
237
天日
(
てんじつ
)
の
光
(
ひか
)
りを
仰
(
あふ
)
ぐに
至
(
いた
)
り、
238
万民
(
ばんみん
)
歓喜
(
くわんき
)
の
声
(
こゑ
)
、
239
天地
(
てんち
)
に
充
(
み
)
ち
渡
(
わた
)
りける。
240
アヽ
惟神
(
かむながら
)
、
241
惟神
(
かむながら
)
、
242
生言霊
(
いくことたま
)
の
神力
(
しんりき
)
、
243
実
(
げ
)
に
尊
(
たふと
)
さの
限
(
かぎ
)
りと
云
(
い
)
ふべし。
244
紅井姫
(
くれなゐひめ
)
の
報告
(
はうこく
)
に
依
(
よ
)
り、
245
楓別
(
かえでわけの
)
命
(
みこと
)
は
驚喜
(
きやうき
)
し
乍
(
なが
)
ら、
246
慌
(
あはた
)
だしく
国依別
(
くによりわけ
)
が
立
(
た
)
てる
前
(
まへ
)
に
来
(
きた
)
りて、
247
其
(
その
)
神力
(
しんりき
)
を
感賞
(
かんしやう
)
し、
248
且
(
か
)
つ、
249
楓別命
『
紅井姫
(
くれなゐひめ
)
の
命
(
いのち
)
迄
(
まで
)
救
(
すく
)
ひ
玉
(
たま
)
ひし
事
(
こと
)
の
有難
(
ありがた
)
さよ、
250
御
(
お
)
礼
(
れい
)
は
言辞
(
ことば
)
に
尽
(
つく
)
し
難
(
がた
)
し……』
251
と
感涙
(
かんるい
)
に
咽
(
むせ
)
び
乍
(
なが
)
ら、
252
国依別
(
くによりわけ
)
を
伴
(
ともな
)
ひて、
253
奥殿
(
おくでん
)
指
(
さ
)
して
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
254
先
(
ま
)
づ
第一
(
だいいち
)
に
国依別
(
くによりわけ
)
の
言葉
(
ことば
)
を
容
(
い
)
れ、
255
非常時
(
ひじやうじ
)
の
為
(
ため
)
とて、
256
蓄
(
たくは
)
へおきたる
五穀
(
ごこく
)
の
倉
(
くら
)
を
開
(
ひら
)
き、
257
楓別
(
かえでわけの
)
命
(
みこと
)
、
258
国依別
(
くによりわけ
)
、
259
紅井姫
(
くれなゐひめ
)
を
始
(
はじ
)
めとし、
260
秋山別
(
あきやまわけ
)
、
261
科山別
(
しなやまわけ
)
は
駿馬
(
しゆんめ
)
に
跨
(
またが
)
り、
262
城下
(
じやうか
)
を
隈
(
くま
)
なく
駆
(
か
)
け
巡
(
めぐ
)
り、
263
大音声
(
だいおんじやう
)
にて、
264
『
市中
(
しちう
)
の
人々
(
ひとびと
)
よ、
265
一刻
(
いつこく
)
も
早
(
はや
)
くヒルの
城
(
しろ
)
の
神館
(
かむやかた
)
に
集
(
よ
)
り
来
(
きた
)
れ。
266
汝
(
なんぢ
)
等
(
ら
)
一同
(
いちどう
)
を
助
(
たす
)
け
遣
(
つか
)
はさむ!』
267
と
市中
(
しちう
)
隈
(
くま
)
なく、
268
泥濘
(
でいねい
)
の
道
(
みち
)
を
駆
(
か
)
け
巡
(
めぐ
)
りけるにぞ、
269
柱
(
はしら
)
に
圧
(
あつ
)
せられて
半死
(
はんし
)
半生
(
はんしやう
)
となりし
者
(
もの
)
、
270
水
(
みづ
)
に
溺
(
おぼ
)
れて、
271
早
(
はや
)
くも
死亡
(
しぼう
)
せし
者
(
もの
)
、
272
火
(
ひ
)
に
焼
(
や
)
かれたる
者
(
もの
)
など、
273
其
(
その
)
惨状
(
さんじやう
)
目
(
め
)
も
当
(
あて
)
られぬ
計
(
ばか
)
りなりけり。
274
楓別
(
かえでわけの
)
命
(
みこと
)
は
秋山別
(
あきやまわけ
)
、
275
科山別
(
しなやまわけ
)
に
命
(
めい
)
じ、
276
俄
(
にはか
)
に
館内
(
くわんない
)
の
男女
(
だんぢよ
)
をして
炊
(
た
)
き
出
(
だ
)
しをなさしめ、
277
日夜
(
にちや
)
救済
(
きうさい
)
に
努
(
つと
)
め、
278
負傷者
(
ふせうしや
)
は
鎮魂
(
ちんこん
)
を
以
(
もつ
)
て
之
(
これ
)
を
治
(
なを
)
しやり、
279
普
(
あまね
)
く
数多
(
あまた
)
の
人々
(
ひとびと
)
に
仁恵
(
じんけい
)
を
施
(
ほどこ
)
し、
280
国依別
(
くによりわけ
)
の
神力
(
しんりき
)
と
楓別
(
かえでわけの
)
命
(
みこと
)
の
仁愛
(
じんあい
)
の
真心
(
まごころ
)
は
洽
(
あまね
)
く
国内
(
こくない
)
に
喧伝
(
けんでん
)
さるるに
至
(
いた
)
れり。
281
是
(
これ
)
より
国依別
(
くによりわけ
)
は
楓別
(
かえでわけの
)
命
(
みこと
)
の
勧
(
すす
)
むる
儘
(
まま
)
に、
282
暫
(
しばら
)
く
神館
(
かむやかた
)
に
足
(
あし
)
を
止
(
とど
)
め、
283
数多
(
あまた
)
の
国人
(
くにびと
)
に
神教
(
しんけう
)
を
新
(
あらた
)
に
伝
(
つた
)
へけるが、
284
今迄
(
いままで
)
ウラル
教
(
けう
)
やバラモン
教
(
けう
)
を
信
(
しん
)
じ
居
(
ゐ
)
たる
人々
(
ひとびと
)
も、
285
此
(
この
)
度
(
たび
)
の
地異
(
ちい
)
天変
(
てんぺん
)
に
依
(
よ
)
つて、
286
三五教
(
あななひけう
)
に
救
(
すく
)
はれたるを
心
(
こころ
)
の
底
(
そこ
)
より
打喜
(
うちよろこ
)
び、
287
国内
(
こくない
)
挙
(
こぞ
)
つて
三五
(
あななひ
)
の
誠
(
まこと
)
の
信徒
(
しんと
)
となりにける。
288
(
大正一一・八・一八
旧六・二六
松村真澄
録)
289
(昭和九・一二・一六 王仁校正)
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