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霊界物語
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第1巻(子の巻)
第2巻(丑の巻)
第3巻(寅の巻)
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第5巻(辰の巻)
第6巻(巳の巻)
第7巻(午の巻)
第8巻(未の巻)
第9巻(申の巻)
第10巻(酉の巻)
第11巻(戌の巻)
第12巻(亥の巻)
如意宝珠
第13巻(子の巻)
第14巻(丑の巻)
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第25巻(子の巻)
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第49巻(子の巻)
第50巻(丑の巻)
第51巻(寅の巻)
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第70巻(酉の巻)
第71巻(戌の巻)
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第75巻(寅の巻)
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第77巻(辰の巻)
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第31巻(午の巻)
序歌
総説
第1篇 千状万態
01 主一無適
〔867〕
02 大地震
〔868〕
03 救世神
〔869〕
04 不知恋
〔870〕
05 秋鹿の叫
〔871〕
06 女弟子
〔872〕
第2篇 紅裙隊
07 妻の選挙
〔873〕
08 人獣
〔874〕
09 誤神託
〔875〕
10 噂の影
〔876〕
11 売言買辞
〔877〕
12 冷い親切
〔878〕
13 姉妹教
〔879〕
第3篇 千里万行
14 樹下の宿
〔880〕
15 丸木橋
〔881〕
16 天狂坊
〔882〕
17 新しき女
〔883〕
18 シーズンの流
〔884〕
19 怪原野
〔885〕
20 脱皮婆
〔886〕
21 白毫の光
〔887〕
第4篇 言霊将軍
22 神の試
〔888〕
23 化老爺
〔889〕
24 魔違
〔890〕
25 会合
〔891〕
余白歌
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第31巻
> 第2篇 紅裙隊 > 第13章 姉妹教
<<< 冷い親切
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第一三章
姉妹教
(
しまいけう
)
〔八七九〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第31巻 海洋万里 午の巻
篇:
第2篇 紅裙隊
よみ(新仮名遣い):
こうくんたい
章:
第13章 姉妹教
よみ(新仮名遣い):
しまいきょう
通し章番号:
879
口述日:
1922(大正11)年08月19日(旧06月27日)
口述場所:
筆録者:
松村真澄
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1923(大正12)年9月15日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
ブールは、ユーズがエスを連れてくるものと思っていたが、ユーズはエスが牢から出ようとしないことを報告した。エリナに責められたユーズは、ブールの命によってエスを牢に入れて虐待していたのだ、と言い訳を始めた。
一行はブールとユーズの案内で、水牢のエスに会いに行った。国依別は牢内のエスに、三五教の味方をしてくれたことのお礼を述べた。
エスは国依別に挨拶とお礼を述べ、自分を教主に讒言して牢に入れ虐待していた張本人は、ユーズであることを明かした。エリナはエスの苦労話を聞いてわっと泣き伏した。ユーズはエリナに駆け寄って介抱しようとしたが、エリナに突き飛ばされて、水牢の中に落ちてしまった。
エスはその隙に水牢を出ると、外から鍵をかけてしまった。一行はユーズを牢に置いたまま、ブールの居間に戻ってきて歓談した。ブールは祭服を着けて一行を祭壇に導き、改心の意を表した。
ここに国依別の裁定によってエスをこの地の三五教の教主となした。そしてヒルの神館と提携してヒルの国・カルの国双方に三五教を広めることとなった。
アナンとユーズは牢内で修行の末助け出されて赦され、改心して神の道に仕え、一生を安く暮らすことができた。国依別は四五日逗留したのち、キジとマチを連れて日暮シ山に別れを告げ、ブラジル峠を指して宣伝歌を歌いながら進んで行く。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2022-04-06 17:53:32
OBC :
rm3113
愛善世界社版:
151頁
八幡書店版:
第6輯 97頁
修補版:
校定版:
154頁
普及版:
71頁
初版:
ページ備考:
001
ブールは
国依別
(
くによりわけ
)
一行
(
いつかう
)
と
共
(
とも
)
に
奥
(
おく
)
の
間
(
ま
)
に
端坐
(
たんざ
)
しキジ、
002
マチ、
003
エリナ、
004
などより
耳
(
みみ
)
の
痛
(
いた
)
い
様
(
やう
)
なくすぐつたい
様
(
やう
)
な
御
(
お
)
礼
(
れい
)
の
詞
(
ことば
)
を
受
(
う
)
け
乍
(
なが
)
ら、
005
どうぞ
早
(
はや
)
くユーズがエスを
此処
(
ここ
)
へ
連
(
つ
)
れて
来
(
き
)
て
甘
(
うま
)
くやつてくれないかなア……と
心待
(
こころま
)
ちに
待
(
ま
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
006
そこへユーズが
拍子
(
へうし
)
抜
(
ぬ
)
けのした
顔
(
かほ
)
をさげてやつて
来
(
き
)
たので、
007
ブールは
早
(
はや
)
くも
其
(
その
)
顔色
(
かほいろ
)
を
眺
(
なが
)
め、
008
エスがもしや
牢死
(
ろうし
)
でもしてゐたのではなからうか、
009
万々一
(
まんまんいち
)
そンな
事
(
こと
)
があろうものなら、
010
如何
(
どう
)
して
此
(
この
)
場
(
ば
)
を
甘
(
うま
)
く
切
(
き
)
り
抜
(
ぬ
)
けようか、
011
数百
(
すうひやく
)
人
(
にん
)
の
部下
(
ぶか
)
はあつても、
012
何
(
いづ
)
れも
国依別
(
くによりわけ
)
に
対
(
たい
)
しては、
013
無勢力
(
むせいりよく
)
の
腰抜
(
こしぬけ
)
計
(
ばか
)
りだ。
014
進退
(
しんたい
)
これ
谷
(
きは
)
まつた……と
心
(
こころ
)
の
中
(
うち
)
に
独
(
ひと
)
り
打案
(
うちあん
)
じ
乍
(
なが
)
ら、
015
ブールは
余所
(
よそ
)
余所
(
よそ
)
しく、
016
ブール
『オイ、
017
ユーズ、
018
エス
様
(
さま
)
は
御
(
ご
)
機嫌
(
きげん
)
ようゐらせられたかなア』
019
ユーズ
『
何時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
にやら
御
(
ご
)
歴々
(
れきれき
)
方
(
がた
)
の
御
(
ご
)
入来
(
じゆらい
)
、
020
ヤアこれはこれは
国依別
(
くによりわけ
)
様
(
さま
)
、
021
よくマア
此
(
この
)
茅屋
(
あばらや
)
へゐらせられました。
022
何分
(
なにぶん
)
親指
(
おやゆび
)
がなつてゐないものですから、
023
甘
(
うま
)
く
滑車
(
くわつしや
)
が
運転
(
うんてん
)
致
(
いた
)
しませぬ。
024
吾々
(
われわれ
)
も
殆
(
ほとん
)
ど
機関
(
きくわん
)
の
油
(
あぶら
)
が
切
(
き
)
れて、
025
声
(
こゑ
)
を
上
(
あ
)
げむ
計
(
ばか
)
りになつて
居
(
ゐ
)
ます……あなたは
素敵
(
すてき
)
滅法界
(
めつぽふかい
)
なナイスさま、
026
どこからお
越
(
こ
)
しになりましたか。
027
天
(
あま
)
の
河原
(
かはら
)
に
玉
(
たま
)
の
御舟
(
みふね
)
を
泛
(
うか
)
べ、
028
月
(
つき
)
の
鏡
(
かがみ
)
を
懐中
(
ふところ
)
に
入
(
い
)
れ、
029
黄金
(
こがね
)
の
棹
(
さを
)
をさして、
030
お
下
(
くだ
)
り
遊
(
あそ
)
ばした
棚機姫
(
たなばたひめ
)
様
(
さま
)
か、
031
但
(
ただし
)
は
天教山
(
てんけうざん
)
の
木
(
こ
)
の
花
(
はな
)
咲耶姫
(
さくやひめ
)
さまの
御
(
ご
)
降臨
(
かうりん
)
か、
032
松代姫
(
まつよひめ
)
様
(
さま
)
の
御
(
ご
)
再来
(
さいらい
)
か、
033
何
(
なん
)
とも
云
(
い
)
へぬ
立派
(
りつぱ
)
なお
方
(
かた
)
で
御座
(
ござ
)
いますなア』
034
と
追従
(
ついしやう
)
たらだら
述
(
の
)
べ
立
(
た
)
てる。
035
ブール
『
左様
(
さやう
)
の
事
(
こと
)
を
尋
(
たづ
)
ねて
居
(
を
)
るのでない。
036
エス
様
(
さま
)
は
御
(
ご
)
機嫌
(
きげん
)
うるはしくゐらせられたか……と
云
(
い
)
ふのだ』
037
ユーズ
『ハイ、
038
教主
(
けうしゆ
)
様
(
さま
)
のあなたが
発頭人
(
ほつとうにん
)
で
水牢
(
みづろう
)
へ
打込
(
うちこ
)
み
遊
(
あそ
)
ばした、
039
あのエスさまの
事
(
こと
)
ですかい。
040
斯
(
か
)
う
申
(
まを
)
したと
云
(
い
)
つて、
041
千座
(
ちくら
)
の
置戸
(
おきど
)
を
負
(
お
)
ふのは、
042
人
(
ひと
)
に
将
(
しやう
)
たる
者
(
もの
)
の
当然
(
たうぜん
)
負
(
お
)
ふべき
職掌
(
しよくしやう
)
ですから、
043
どうぞ
悪
(
わる
)
く
取
(
と
)
らない
様
(
やう
)
にして
下
(
くだ
)
さいませ。
044
吾々
(
われわれ
)
一統
(
いつとう
)
はそンな
残酷
(
ざんこく
)
なことをするものでないと
御
(
ご
)
意見
(
いけん
)
申上
(
まをしあ
)
げましたのに、
045
あなた
様
(
さま
)
は
首
(
くび
)
を
左右
(
さいう
)
に
傲然
(
ごうぜん
)
とお
振
(
ふ
)
り
遊
(
あそ
)
ばし、
046
ジヤイロコンパスの
様
(
やう
)
に
目玉
(
めだま
)
を
急速度
(
きふそくど
)
を
以
(
もつ
)
て
回転
(
くわいてん
)
させ、
047
チツともお
聞
(
き
)
き
遊
(
あそ
)
ばさぬものだから、
048
とうとうあの
様
(
やう
)
な
大惨事
(
だいさんじ
)
が
突発
(
とつぱつ
)
したので
御座
(
ござ
)
いますよ。
049
あなたの
仰有
(
おつしや
)
る
通
(
とほ
)
り、
050
吾々
(
われわれ
)
が
正直
(
しやうぢき
)
に
守
(
まも
)
つて
居
(
を
)
るものならば、
051
エスさまは
遠
(
とほ
)
の
昔
(
むかし
)
、
052
幽界
(
あのよ
)
の
人
(
ひと
)
になつてゐられるのですが、
053
見
(
み
)
えつ
隠
(
かく
)
れつ、
054
此
(
この
)
ユーズが
甘
(
うま
)
い
物
(
もの
)
を
持運
(
もちはこ
)
び……オツト、
055
ドツコイ
教主
(
けうしゆ
)
さま、
056
そンな
六
(
む
)
つかしい
顔
(
かほ
)
をしちやなりませぬぞ。
057
すべて
部下
(
ぶか
)
の
罪悪
(
ざいあく
)
を
一身
(
いつしん
)
に
引受
(
ひきう
)
け、
058
一言
(
ひとこと
)
も
呟
(
つぶや
)
かないのが
将
(
しやう
)
たる
者
(
もの
)
の
襟度
(
きんど
)
で
御座
(
ござ
)
いますよ。
059
マア
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
、
060
後
(
あと
)
は
云
(
い
)
はいでもお
察
(
さつ
)
しを
願
(
ねが
)
へば、
061
国依別
(
くによりわけ
)
さま、
062
エリナさま、
063
大体
(
だいたい
)
判断
(
はんだん
)
はつくで
御座
(
ござ
)
いませう』
064
国依別
『ブール
様
(
さま
)
、
065
随分
(
ずいぶん
)
エスさまは
苛酷
(
かこく
)
的
(
てき
)
な
御
(
ご
)
同情
(
どうじやう
)
を
蒙
(
かうむ
)
られたと
見
(
み
)
えますねい』
066
ブール
『さう
言
(
い
)
つて
貰
(
もら
)
ひますと、
067
何
(
なん
)
とも
御
(
ご
)
返事
(
へんじ
)
の
仕方
(
しかた
)
が
御座
(
ござ
)
いませぬが、
068
実
(
じつ
)
の
所
(
ところ
)
はユーズが……』
069
ユーズ
『モシモシ
教主
(
けうしゆ
)
さま、
070
さう
脱線
(
だつせん
)
しちやいけませぬよ。
071
それでは
教主
(
けうしゆ
)
たる
価値
(
かち
)
はサツパリ
零
(
ゼロ
)
ですよ。
072
モウ
斯
(
こ
)
うなる
上
(
うへ
)
は
旗色
(
はたいろ
)
の
好
(
よ
)
い
方
(
はう
)
へ
従
(
つ
)
くのが
利益
(
りえき
)
だ。
073
仮令
(
たとへ
)
ブールさまに
何々
(
なになに
)
せられても、
074
構
(
かま
)
ひませぬワイ。
075
国依別
(
くによりわけ
)
様
(
さま
)
に
何々
(
なになに
)
してドツとお
気
(
き
)
に
入
(
い
)
り、
076
結構
(
けつこう
)
な
宣伝使
(
せんでんし
)
にして
貰
(
もら
)
つて、
077
都合
(
つがふ
)
好
(
よ
)
くば、
078
エー○○を○○に
貰
(
もら
)
ふやうになるかも
知
(
し
)
れない。
079
それだから、
080
見
(
み
)
えつ
隠
(
かく
)
れつ、
081
お
父
(
と
)
うさまのエスさまを
大切
(
たいせつ
)
にして
来
(
き
)
たのだ。
082
なア、
083
エリナさま、
084
斯
(
か
)
う
見
(
み
)
えても、
085
表
(
おもて
)
は
表
(
おもて
)
、
086
裏
(
うら
)
には
真
(
しん
)
に
美
(
うる
)
はしい
慈愛
(
じあい
)
の
涙
(
なみだ
)
を
湛
(
たた
)
へて
居
(
ゐ
)
る
苦労人
(
くらうにん
)
で
御座
(
ござ
)
いますよ』
087
エリナは『ヘエン、
088
左様
(
さやう
)
ですかいナ』と
空
(
そら
)
にうそぶく。
089
ブール
『
何
(
なに
)
を
云
(
い
)
つてゐるのだ。
090
エス
様
(
さま
)
を
早
(
はや
)
く
迎
(
むか
)
へて
来
(
こ
)
ぬか』
091
ユーズ
『ハイ、
092
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
つても、
093
流石
(
さすが
)
はエスさまさまですよ。
094
ヤツパリ
私
(
わたくし
)
の
睨
(
にら
)
ンだ
通
(
とほ
)
り、
095
偉
(
えら
)
いですな、
096
見上
(
みあ
)
げたものですよ。
097
私
(
わたくし
)
が
何程
(
なにほど
)
申上
(
まをしあ
)
げてもビクとも
動
(
うご
)
かうともなさいませぬワイ。
098
丸
(
まる
)
で
死
(
し
)
ンだ
馬
(
うま
)
の
様
(
やう
)
ですワ』
099
エリナはサツと
顔色
(
かほいろ
)
を
変
(
か
)
へ、
100
エリナ
『エー、
101
お
父
(
と
)
うさまが
亡
(
な
)
くなつたのですか』
102
ユーズ
『イエイエどうしてどうして、
103
海老
(
えび
)
の
様
(
やう
)
にピンピンシヤンシヤン
撥
(
は
)
ねまはつてゐられます。
104
実
(
じつ
)
の
所
(
ところ
)
を
何
(
なに
)
もかもブチあけて
申上
(
まをしあ
)
げますが、
105
今日迄
(
こんにちまで
)
大変
(
たいへん
)
にブールさまの
命令
(
めいれい
)
に
依
(
よ
)
つて
虐待
(
ぎやくたい
)
をして
居
(
を
)
りましたが、
106
あなた
方
(
がた
)
がお
出
(
い
)
でになつたと
云
(
い
)
ふので、
107
レコの
大将
(
たいしやう
)
、
108
ブールブールと
地震
(
ぢしん
)
の
孫
(
まご
)
の
様
(
やう
)
にふるひ
出
(
だ
)
し、
109
大
(
おほい
)
に
蒟蒻
(
こんにやく
)
(
困惑
(
こんわく
)
)
致
(
いた
)
しまして、
110
俄
(
にはか
)
思
(
おも
)
ひ
付
(
つき
)
の
一芝居
(
ひとしばい
)
、
111
エスさまを、
112
あなた
方
(
がた
)
よりも
一足先
(
ひとあしさき
)
ここへ
出
(
で
)
て
来
(
き
)
て
貰
(
もら
)
ひ、
113
酒
(
さけ
)
でもドツサリ
呑
(
の
)
まして
篏口令
(
かんこうれい
)
を
布
(
し
)
き、
114
ヤツと
此
(
この
)
場
(
ば
)
の
芥
(
ごみ
)
を
濁
(
にご
)
さうと
遊
(
あそ
)
ばしたのですが、
115
お
前
(
まへ
)
さまの
来
(
き
)
やうが
余
(
あま
)
り
早
(
はや
)
かつたものだから、
116
すべての
計画
(
けいくわく
)
が
喰
(
く
)
ひちがひ、
117
たうとう
画餅
(
ぐわへい
)
になつて
了
(
しま
)
つたのです。
118
子供
(
こども
)
か
何
(
なん
)
ぞの
様
(
やう
)
に、
119
酒
(
さけ
)
位
(
くらゐ
)
呑
(
の
)
まして
機嫌
(
きげん
)
をとり、
120
今迄
(
いままで
)
の
虐待
(
ぎやくたい
)
振
(
ぶり
)
を
隠
(
かく
)
さうと
思
(
おも
)
つても、
121
駄目
(
だめ
)
なことはきまつてをるのに、
122
あわてた
時
(
とき
)
と
言
(
い
)
ふものはそれ
位
(
くらゐ
)
の
知慧
(
ちゑ
)
より
出
(
で
)
ませなンだワイ。
123
本当
(
ほんたう
)
に
余
(
あんま
)
り
教主
(
けうしゆ
)
様
(
さま
)
の
知慧
(
ちゑ
)
が
薄
(
うす
)
つぺらなのには、
124
部下
(
ぶか
)
一同
(
いちどう
)
こンにやく
否
(
いな
)
困惑
(
こんわく
)
の
体
(
てい
)
で
御座
(
ござ
)
います。
125
決
(
けつ
)
して
決
(
けつ
)
して
此
(
この
)
ユーズが
悪
(
わる
)
いのぢや
御座
(
ござ
)
いませぬ。
126
一番
(
いちばん
)
先
(
さき
)
にエスを
入
(
い
)
れようと
発起
(
ほつき
)
したのはユーズぢや
御座
(
ござ
)
いませぬから、
127
其
(
その
)
お
積
(
つも
)
りで
願
(
ねが
)
ひますよ。
128
そしてエスさまは
何
(
なに
)
もかもチヤンと
御存
(
ごぞん
)
じで、
129
あなたのここにお
出
(
い
)
でになつた
事
(
こと
)
も
とうし
だとか、
130
すいのうだとかで、
131
よく
御
(
ご
)
承知
(
しようち
)
で
御座
(
ござ
)
いましたよ。
132
こンな
結構
(
けつこう
)
な
御
(
お
)
みとの
中
(
なか
)
において
貰
(
もら
)
うて、
133
誰
(
たれ
)
が
出
(
で
)
るものか、
134
千
(
せん
)
年
(
ねん
)
万
(
まん
)
年
(
ねん
)
経
(
た
)
つたとて、
135
いつかな
動
(
うご
)
きは
致
(
いた
)
さぬと、
136
それはそれはエライ
頑張
(
ぐわんば
)
り
様
(
やう
)
で
御座
(
ござ
)
います。
137
察
(
さつ
)
する
所
(
ところ
)
教主
(
けうしゆ
)
のブールさまが、
138
エスさまのお
側
(
そば
)
へ
自
(
みづか
)
らお
出
(
い
)
でになり、
139
頭
(
あたま
)
を
下
(
さげ
)
てお
詫
(
わび
)
をなさらねば
到底
(
たうてい
)
お
出
(
で
)
ましになる
気遣
(
きづか
)
ひはありませぬワ』
140
国依別
『ブールさま
何
(
ど
)
うでせう。
141
国依別
(
くによりわけ
)
が
直接
(
ちよくせつ
)
エスさまの
居
(
ゐ
)
られる
所
(
ところ
)
へ
参
(
まゐ
)
りましたら……さうでなければ、
142
年寄
(
としより
)
の
片意地
(
かたいぢ
)
、
143
中々
(
なかなか
)
動
(
うご
)
きますまいで……』
144
ブール
『あンな
所
(
ところ
)
を
見
(
み
)
られましては、
145
誠
(
まこと
)
に
済
(
す
)
みませぬ。
146
是
(
これ
)
から
私
(
わたし
)
が
参
(
まゐ
)
つてお
連
(
つ
)
れ
申
(
まを
)
して
来
(
き
)
ますから、
147
どうぞ
此処
(
ここ
)
に
暫
(
しばら
)
く
待
(
ま
)
つてゐて
下
(
くだ
)
さいませ。
148
……サア、
149
ユーズお
前
(
まへ
)
も
出
(
で
)
て
来
(
こ
)
い、
150
又
(
また
)
せうもない
事
(
こと
)
を
喋
(
しやべ
)
ると
可
(
い
)
けないから……』
151
ユーズ
『さうでせう。
152
私
(
わたくし
)
がここに
居
(
を
)
りますのは、
153
定
(
さだ
)
めて
御
(
ご
)
都合
(
つがふ
)
が
悪
(
わる
)
い
事
(
こと
)
ぢやと、
154
前以
(
まへもつ
)
て
承知
(
しようち
)
致
(
いた
)
して
居
(
を
)
りますワ』
155
国依別
『サア
皆
(
みな
)
さま、
156
行
(
ゆ
)
きませう。
157
ユーズさま、
158
案内
(
あんない
)
して
下
(
くだ
)
さい、
159
エリナさま、
160
これから
恋
(
こひ
)
しいお
父
(
と
)
うさまに
会
(
あ
)
はして
上
(
あ
)
げませう。
161
御
(
お
)
喜
(
よろこ
)
びなさいや』
162
エリナ
『ハイ、
163
有難
(
ありがた
)
う
御座
(
ござ
)
います。
164
何分
(
なにぶん
)
宜
(
よろ
)
しく
御
(
お
)
願
(
ねがひ
)
申
(
まを
)
します』
165
茲
(
ここ
)
にユーズを
先頭
(
せんとう
)
に、
166
ブールを
始
(
はじ
)
め、
167
国依別
(
くによりわけ
)
の
一行
(
いつかう
)
は
地底
(
ちてい
)
の
薄暗
(
うすぐら
)
き
水牢
(
みづろう
)
の
傍
(
かたはら
)
に
探
(
さぐ
)
り
探
(
さぐ
)
り
立寄
(
たちよ
)
り、
168
国依別
『
私
(
わたくし
)
は
三五教
(
あななひけう
)
の
国依別
(
くによりわけ
)
と
申
(
まを
)
す
者
(
もの
)
で
御座
(
ござ
)
います。
169
あなたはウラル
教
(
けう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
であり
乍
(
なが
)
ら、
170
よくもマア
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
を
御
(
お
)
世話
(
せわ
)
して
下
(
くだ
)
さいました。
171
其
(
その
)
為
(
ため
)
あなたは
斯様
(
かやう
)
な
所
(
ところ
)
へ
押込
(
おしこ
)
められ、
172
さぞさぞ
御
(
ご
)
難儀
(
なんぎ
)
な
事
(
こと
)
で
御座
(
ござ
)
いましたでせう』
173
エスは
涙
(
なみだ
)
を
流
(
なが
)
し
乍
(
なが
)
ら、
174
エス
『ハイ、
175
有難
(
ありがた
)
う
御座
(
ござ
)
います。
176
よう
来
(
き
)
て
下
(
くだ
)
さいました。
177
実
(
じつ
)
は
昨日
(
きのふ
)
迄
(
まで
)
、
178
非常
(
ひじやう
)
な、
179
そこに
居
(
を
)
りまするユーズの
奴
(
やつ
)
、
180
虐待
(
ぎやくたい
)
を
加
(
くは
)
へましたが、
181
俄
(
にはか
)
に
態度
(
たいど
)
が
一変
(
いつぺん
)
し、
182
最前
(
さいぜん
)
も
最前
(
さいぜん
)
とて、
183
追従
(
つゐしやう
)
たらだら、
184
私
(
わたし
)
を
引出
(
ひきだ
)
し、
185
今迄
(
いままで
)
の
悪逆
(
あくぎやく
)
無道
(
ぶだう
)
の
帳消
(
ちやうけ
)
しの
材料
(
ざいれう
)
にせうと
云
(
い
)
ふ
様
(
やう
)
な、
186
ズルイ
事
(
こと
)
を
考
(
かんが
)
へて
来
(
き
)
た
事
(
こと
)
が
分
(
わか
)
りましたので、
187
ワザと
頑張
(
ぐわんば
)
つて、
188
千
(
せん
)
年
(
ねん
)
万
(
まん
)
年
(
ねん
)
もこんな
結構
(
けつこう
)
な
御
(
お
)
みとは
出
(
で
)
ないと
意地
(
いぢ
)
張
(
ば
)
つてやりました。
189
さうした
所
(
ところ
)
が、
190
それを
真
(
ま
)
に
受
(
う
)
けて
心配
(
しんぱい
)
を
致
(
いた
)
し、
191
頼
(
たの
)
むの
頼
(
たの
)
まないのつて、
192
実
(
じつ
)
に
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
なやうでした。
193
誰
(
たれ
)
だつて、
194
斯様
(
かやう
)
な
所
(
ところ
)
に
半時
(
はんとき
)
の
間
(
ま
)
も
居
(
を
)
りたいものが
御座
(
ござ
)
いませうか、
195
御
(
ご
)
推量
(
すゐりやう
)
下
(
くだ
)
さいませ』
196
と
云
(
い
)
ふ
声
(
こゑ
)
さへも、
197
涙
(
なみだ
)
に
湿
(
しめ
)
つて
聞
(
きこ
)
えて
居
(
を
)
る。
198
エリナは
之
(
これ
)
を
聞
(
き
)
くよりワツと
計
(
ばか
)
りに
其
(
その
)
場
(
ば
)
に
泣
(
な
)
き
伏
(
ふ
)
した。
199
ユーズは
周章
(
あわて
)
て
抱
(
だ
)
き
起
(
おこ
)
し、
200
ユーズ
『もしもしエリナ
様
(
さま
)
、
201
シツカリなさいませ。
202
此
(
この
)
親切
(
しんせつ
)
なユーズが
御
(
ご
)
介抱
(
かいほう
)
致
(
いた
)
しますれば、
203
モウ
大丈夫
(
だいぢやうぶ
)
で
御座
(
ござ
)
います』
204
エリナ
『エー
父
(
ちち
)
の
仇敵
(
かたき
)
、
205
物
(
もの
)
言
(
い
)
ふも
汚
(
けが
)
らはしい、
206
私
(
わたし
)
の
体
(
からだ
)
に
触
(
さわ
)
つてお
呉
(
く
)
れな』
207
と
言
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
らドンと
突
(
つ
)
き
放
(
はな
)
した。
208
途端
(
とたん
)
に
牢
(
ろう
)
の
入口
(
いりくち
)
が
折
(
をり
)
よく
開
(
あ
)
いてあつた
為
(
ため
)
、
209
忽
(
たちま
)
ち
牢
(
ろう
)
の
中
(
なか
)
の
水溜
(
みづたま
)
りへ
真逆
(
まつさか
)
様
(
さま
)
にドブンと
落込
(
おちこ
)
ンで
了
(
しま
)
つた。
210
エスは
其
(
その
)
隙
(
すき
)
に
早
(
はや
)
くも
牢内
(
ろうない
)
を
駆出
(
かけだ
)
し、
211
外
(
そと
)
から
入口
(
いりくち
)
の
戸
(
と
)
をピシヤリと
締
(
し
)
め、
212
錠
(
ぢやう
)
を
卸
(
おろ
)
して
了
(
しま
)
つた。
213
ユーズは
水溜
(
みづたま
)
りより
這
(
は
)
ひ
上
(
あが
)
り、
214
ユーズ
『モシモシ
開
(
あ
)
けて
下
(
くだ
)
さい、
215
私
(
わたくし
)
で
御座
(
ござ
)
います』
216
ブール
『お
前
(
まへ
)
だから、
217
放
(
ほ
)
り
込
(
こ
)
ンだのだよ。
218
サア
今迄
(
いままで
)
エス
様
(
さま
)
をいろいろと
讒言
(
ざんげん
)
致
(
いた
)
して
罪
(
つみ
)
におとした
其
(
その
)
方
(
はう
)
の
事
(
こと
)
だから、
219
今日
(
けふ
)
から
罪
(
つみ
)
亡
(
ほろ
)
ぼしにエス
様
(
さま
)
の
代
(
かは
)
りに
水牢
(
みづろう
)
住
(
ずま
)
ひを
致
(
いた
)
すのだ。
220
天罰
(
てんばつ
)
と
云
(
い
)
ふものは
恐
(
おそ
)
ろしいものだ。
221
現在
(
げんざい
)
エスさまの
娘
(
むすめ
)
エリナさまに
押込
(
おしこ
)
まれたぢやないか。
222
是
(
これ
)
も
決
(
けつ
)
してブールがしたのぢやない。
223
お
前
(
まへ
)
の
罪
(
つみ
)
が
重
(
かさ
)
なつて、
224
お
前
(
まへ
)
を
水牢
(
みづろう
)
へ
投込
(
なげこ
)
ンだのだよ』
225
ユーズ
『それは
余
(
あま
)
り
胴欲
(
どうよく
)
ぢや
厶
(
ござ
)
いませぬか。
226
一寸
(
ちよつと
)
外
(
そと
)
に
忘
(
わす
)
れた
物
(
もの
)
も
御座
(
ござ
)
いますなり、
227
アナンに
会
(
あ
)
うて
言
(
い
)
ひたい
事
(
こと
)
も
沢山
(
たくさん
)
ありますから、
228
這入
(
はい
)
れなら
這入
(
はい
)
りますから、
229
一遍
(
いつぺん
)
丈
(
だけ
)
出
(
だ
)
して
下
(
くだ
)
さいな』
230
ブール
『ならぬならぬ、
231
自分
(
じぶん
)
の
悪事
(
あくじ
)
を
残
(
のこ
)
らず、
232
教主
(
けうしゆ
)
は
千座
(
ちくら
)
の
置戸
(
おきど
)
を
負
(
お
)
ふべきものだなぞと
申
(
まを
)
して、
233
国依別
(
くによりわけ
)
様
(
さま
)
一統
(
いつとう
)
の
前
(
まへ
)
でブールの
讒言
(
ざんげん
)
を
致
(
いた
)
したであらう。
234
その
様
(
やう
)
な
大悪人
(
だいあくにん
)
を
外
(
そと
)
へ
放養
(
はうやう
)
するのは、
235
モールバンドを
野
(
の
)
に
放
(
はな
)
つたやうなものだからのウ』
236
エス
『お
前
(
まへ
)
さま、
237
チツと
其処
(
そこ
)
で
修行
(
しうげふ
)
をなさいませ。
238
何程
(
なにほど
)
弁解
(
べんかい
)
したつて
駄目
(
だめ
)
ですよ。
239
此
(
この
)
エスがお
前
(
まへ
)
さまの
部下
(
ぶか
)
に、
240
門
(
もん
)
の
入口
(
いりくち
)
で
捉
(
とら
)
まへられ、
241
教主
(
けうしゆ
)
様
(
さま
)
の
前
(
まへ
)
に
引出
(
ひきだ
)
された
時
(
とき
)
、
242
教主
(
けうしゆ
)
は
何
(
なん
)
と
仰有
(
おつしや
)
つたか、
243
覚
(
おぼ
)
えて
居
(
ゐ
)
るであらう。
244
あの
時
(
とき
)
の
御
(
お
)
言葉
(
ことば
)
に……ユーズ、
245
お
前
(
まへ
)
はエスをさう
悪
(
わる
)
く
言
(
い
)
ふけれど、
246
チツとは
考
(
かんが
)
へてやらねばなろまい。
247
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
は
相身
(
あひみ
)
互
(
たがひ
)
だから、
248
仮令
(
たとへ
)
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
の
宿
(
やど
)
をしたと
云
(
い
)
つて、
249
そンな
小
(
ちひ
)
さい
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
ふものでない、
250
許
(
ゆる
)
してやつたがよかろと
仰有
(
おつしや
)
つた
時
(
とき
)
には、
251
俺
(
おれ
)
も
有難
(
ありがた
)
涙
(
なみだ
)
が
澪
(
こぼ
)
れたのだ。
252
それに
貴様
(
きさま
)
が
駄々
(
だだ
)
をこねて、
253
教主
(
けうしゆ
)
からして、
254
そンな
規則
(
きそく
)
をお
破
(
やぶ
)
りになるのならば、
255
此
(
この
)
ユーズは
数多
(
あまた
)
の
信徒
(
しんと
)
を
一人
(
ひとり
)
も
残
(
のこ
)
らず
引率
(
いんそつ
)
して、
256
バラモン
教
(
けう
)
に
入信
(
にふしん
)
し、
257
此
(
この
)
館
(
やかた
)
を
転覆
(
てんぷく
)
させて
了
(
しま
)
ひますと
云
(
い
)
つて、
258
脅迫
(
けふはく
)
し、
259
遂
(
つひ
)
に
已
(
や
)
むを
得
(
え
)
ず、
260
教主
(
けうしゆ
)
も
俺
(
おれ
)
をこンな
所
(
ところ
)
へ
放
(
ほ
)
り
込
(
こ
)
む
事
(
こと
)
を
黙許
(
もくきよ
)
されたのだ。
261
さうだからお
前
(
まへ
)
が
悪
(
あく
)
の
張本人
(
ちやうほんにん
)
だ。
262
お
前
(
まへ
)
さへ
斯
(
こ
)
うして
何時迄
(
いつまで
)
も
茲
(
ここ
)
に
蟄居
(
ちつきよ
)
して
居
(
を
)
れば、
263
三五教
(
あななひけう
)
とウラル
教
(
けう
)
は
心
(
こころ
)
の
底
(
そこ
)
から
解
(
と
)
け
合
(
あ
)
うて、
264
互
(
たがひ
)
に
長
(
ちやう
)
を
採
(
と
)
り、
265
短
(
たん
)
を
補
(
おぎな
)
ひ、
266
姉妹教
(
しまいけう
)
となつて、
267
仲
(
なか
)
よく
神業
(
しんげふ
)
に
参加
(
さんか
)
する
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
るのだ。
268
サア
皆
(
みな
)
さま、
269
何時迄
(
いつまで
)
も
斯
(
こ
)
ンな
所
(
ところ
)
に
居
(
を
)
つても
仕方
(
しかた
)
がありませぬ。
270
どつかへ
参
(
まゐ
)
りませうか』
271
ブールは、
272
ブール
『どうぞ
私
(
わたくし
)
の
居間
(
ゐま
)
迄
(
まで
)
御
(
お
)
越
(
こ
)
し
下
(
くだ
)
さいませ。
273
御
(
ご
)
案内
(
あんない
)
致
(
いた
)
しませう』
274
と
先
(
さき
)
に
立
(
た
)
つて、
275
吾
(
わが
)
居間
(
ゐま
)
へ
帰
(
かへ
)
り
行
(
ゆ
)
く。
276
後
(
あと
)
にユーズは
声
(
こゑ
)
をあげ、
277
ユーズ
『オーイ オーイ、
278
助
(
たす
)
けて
呉
(
く
)
れ
助
(
たす
)
けて
呉
(
く
)
れ』
279
と
呼
(
よ
)
ばはつて
居
(
ゐ
)
る。
280
一同
(
いちどう
)
は
委細
(
ゐさい
)
構
(
かま
)
はず、
281
ブールの
居間
(
ゐま
)
に
帰
(
かへ
)
り
来
(
きた
)
つて、
282
葡萄酒
(
ぶだうしゆ
)
を
与
(
あた
)
へられ、
283
甘
(
うま
)
さうに、
284
四方山
(
よもやま
)
の
話
(
はなし
)
に
耽
(
ふけ
)
り
乍
(
なが
)
ら、
285
飲
(
の
)
ンでゐる。
286
少時
(
しば
)
らくあつて、
287
教主
(
けうしゆ
)
は
奥
(
おく
)
の
間
(
ま
)
よりいかめしき
祭服
(
さいふく
)
を
着
(
ちやく
)
し
来
(
きた
)
り、
288
ブール
『サア
御
(
ご
)
一同
(
いちどう
)
様
(
さま
)
、
289
私
(
わたし
)
は
是
(
これ
)
より
神殿
(
しんでん
)
へ
参
(
まゐ
)
ります。
290
どうぞあなた
方
(
がた
)
も
御
(
お
)
参
(
まゐ
)
り
下
(
くだ
)
さいませ』
291
国依別
(
くによりわけ
)
以下
(
いか
)
は
打
(
うち
)
うなづき
乍
(
なが
)
ら
神殿
(
しんでん
)
に
進
(
すす
)
み、
292
ブール
導師
(
だうし
)
の
下
(
もと
)
に
神言
(
かみごと
)
を
奏上
(
そうじやう
)
し、
293
終
(
をは
)
つて
再
(
ふたた
)
び
奥
(
おく
)
の
間
(
ま
)
に
引返
(
ひつかへ
)
し、
294
ブールは
心
(
こころ
)
の
底
(
そこ
)
より
改心
(
かいしん
)
の
意
(
い
)
を
表
(
へう
)
し、
295
国依別
(
くによりわけ
)
の
裁決
(
さいけつ
)
に
依
(
よ
)
つて、
296
エスを
教主
(
けうしゆ
)
となし、
297
エリナは
内事
(
ないじ
)
一切
(
いつさい
)
の
司
(
つかさ
)
に
任
(
にん
)
じ、
298
紅井姫
(
くれなゐひめ
)
は
暫
(
しばら
)
く
賓客
(
ひんきやく
)
として、
299
日暮
(
ひぐら
)
シ
山
(
やま
)
の
花
(
はな
)
と
謳
(
うた
)
はれ、
300
遂
(
つひ
)
に
三五教
(
あななひけう
)
を
樹
(
た
)
て、
301
ブールの
妻
(
つま
)
となり、
302
ヒルの
神館
(
かむやかた
)
と
相提携
(
あひていけい
)
して、
303
ヒル、
304
カル
両国
(
りやうごく
)
に
亘
(
わた
)
り、
305
大勢力
(
だいせいりよく
)
を
拡充
(
くわくじゆう
)
し、
306
万民
(
ばんみん
)
を
救
(
すく
)
ひ
助
(
たす
)
け
芳名
(
はうめい
)
を
轟
(
とどろ
)
かしける。
307
ユーズは
百
(
ひやく
)
日
(
にち
)
の
間
(
あひだ
)
の
苦行
(
くげう
)
をさされた
上
(
うへ
)
、
308
許
(
ゆる
)
されて、
309
再
(
ふたた
)
び
神
(
かみ
)
に
仕
(
つか
)
へ、
310
アナンも
亦
(
また
)
陥穽
(
おとしあな
)
の
底
(
そこ
)
より
救
(
すく
)
ひ
出
(
だ
)
され、
311
悔
(
く
)
い
改
(
あらた
)
めて
神
(
かみ
)
の
道
(
みち
)
に
清
(
きよ
)
く
仕
(
つか
)
へ、
312
一生
(
いつしやう
)
を
安
(
やす
)
く
送
(
おく
)
る
事
(
こと
)
とはなりぬ。
313
茲
(
ここ
)
に
国依別
(
くによりわけ
)
は
四五
(
しご
)
日
(
にち
)
逗留
(
とうりう
)
の
上
(
うへ
)
、
314
キジ、
315
マチの
両人
(
りやうにん
)
を
従
(
したが
)
へ、
316
日暮
(
ひぐら
)
シ
山
(
やま
)
に
別
(
わか
)
れを
告
(
つ
)
げ、
317
山野
(
さんや
)
河沼
(
かせう
)
を
渡
(
わた
)
り、
318
ブラジル
峠
(
たうげ
)
を
指
(
さ
)
して、
319
宣伝歌
(
せんでんか
)
を
歌
(
うた
)
ひ
乍
(
なが
)
ら
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
320
あゝ
惟神
(
かむながら
)
霊
(
たま
)
幸倍
(
ちはへ
)
坐世
(
ませ
)
。
321
(
大正一一・八・一九
旧六・二七
松村真澄
録)
322
(昭和九・一二・一八 王仁校正)
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