霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一九章 屁口垂(へこたれ)〔一三五五〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第52巻 真善美愛 卯の巻 篇:第4篇 怪妖蟠離 よみ(新仮名遣い):かいようばんり
章:第19章 屁口垂 よみ(新仮名遣い):へこたれ 通し章番号:1355
口述日:1923(大正12)年02月09日(旧12月24日) 口述場所: 筆録者:北村隆光 校正日: 校正場所: 初版発行日:1925(大正14)年1月28日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
四人はおならと名乗るイタチの妖怪の屁に吹き飛ばされて負傷し、やけになって互いに川柳を口ずさんで体の痛みを紛らわそうとした。
それぞれひとしきり屁についての川柳をひねると、苦痛を忘れて笑い興じた。それから題なしの川柳にかかり、口々に思い思いのことをしゃべりだし笑いに紛らわした。
一同が出放題の句をひねり出して笑い興じていると、大きな足音をさせて、曲輪城の城主・高宮彦がやってきた。四人は、巨大な男が睨みつけているので驚いて内心打ちふるえている。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2023-12-16 19:59:47 OBC :rm5219
愛善世界社版:233頁 八幡書店版:第9輯 463頁 修補版: 校定版:241頁 普及版:104頁 初版: ページ備考:
001 浮木(うきき)(もり)物見櫓(ものみやぐら)(うへ)から、002おならと名告(なの)妖怪(えうくわい)()()()ばされて階段(かいだん)から(ころ)()ち、003(あたま)(すね)(など)をしたたか負傷(ふしやう)したガリヤ、004ケース、005(はつ)006(とく)()(にん)はヤケ(くそ)になり、007(たがひ)川柳(せんりう)(くち)ずさみ、008身体(からだ)(いた)みを(わら)ひに(まぎ)らさむと(つと)めてゐた。
009ガリヤ『どうも(おれ)(たち)(かみ)(さま)(いまし)めを()つたと()えて、010散々(さんざん)()()つたぢやないか。011(じつ)閉口(へいこう)頓首(とんしゆ)だ。012(ひと)川柳会(せんりうくわい)でも(もよほ)して(わら)はなくちや、013やりきれぬぢやないか。014(すべ)人間(にんげん)他愛(たあい)もなく(わら)(とき)は、015(すべ)ての苦痛(くつう)()(とき)だからな』
016ケース『(たぬき)につままれ()()()ばされたのだから、017()()(だい)()して、018(ひと)駄句(だく)らうぢやないか』
019 ガリヤ、020(はつ)021(とく)(さん)(にん)()()つて賛成(さんせい)した。
022ガリヤ『(たぬき)には(だま)されおならには(くさ)()
023()がされ何処(どこ)(をとこ)()たう』
024ケース『(くさ)()屁古垂(へこた)れよつて四人(よにん)()
025物見櫓(ものみやぐら)(また)閉口(へいこう)
026(はつ)『おならとは()()いてさへ(くさ)(やつ)
027(とく)(しり)()(くさ)曲津(まがつ)()()かれ
028()()(ごし)(ざま)(わる)さよ』
0281ガリヤ『おい、0282()(くわん)する(こと)なら(なん)でもよいから、0283(おも)ひきり面白(おもしろ)(やつ)駄句(だく)らうぢやないか。0284其処(そこ)(ぢう)(これ)だけ(いた)くちや、0285やりきれない。0286()()(わら)ひで()()らすのだな』
029ケース『グルグルと(はら)(なか)にて模様(もやう)なし。
030おとなしう()せて(かがと)()(ころ)し』
031(はつ)()()りに屋根(やね)から()りる宮大工(みやだいく)
032貴様(きさま)()(なに)(わら)ふと隠居(いんきよ)()
033(とく)()(ろん)()くも流石(さすが)(をんな)なり。
034()()つて(よめ)雪隠(せつちん)()にくがり。
035()()つたより(くさ)いのはおならなり』
036ガリヤ『風呂中(ふろなか)()偶然(ぐうぜん)軽気球(けいききう)
037念仏(ねんぶつ)(とな)()()炬燵(こたつ)かな』
038ケース『()()つて(すそ)あふぎたる団扇(うちは)かな。
039(おれ)よりも(はる)上手(じやうず)屁放(へひ)(むし)
040(はつ)(なが)()沈香(ちんかう)()かず()()らず。
041(うま)()()りながら()春野(はるの)かな。
042(にぎや)かさ浮木(うきき)(もり)()()えず』
043(とく)()()つた長太郎(ちやうたらう)(さが)すお師匠(ししやう)さん。
044大笑(おほわら)下女(げぢよ)寝言(ねごと)()(まじ)り。
045幇間(たいこもち)(かね)になる()(みつ)()り』
046ガリヤ『(しうとめ)()()つたので()がほどけ。
047()()つて可笑(をか)しくもない独身者(ひとりもの)
048(しうとめ)()(よろこ)ぶも(いへ)大切(だいじ)
049ケース『女礼式(ぢよれいしき)(むし)(ころ)さず()(ころ)し。
050()(ころ)四辺(あたり)四五(しご)(にん)かかり()ひ』
051(はつ)(おの)()をオヤオヤオヤと()にかづけ。
052(そと)()()雪隠(せつちん)居催促(ゐざいそく)
053(とく)風呂(ふろ)()発明(はつめい)したか水雷火(すゐらいくわ)
054紙張(かみばり)放屁(はうひ)風船(ふうせん)()空気(くうき)かな。
055()()つてもう十二(じふに)()とシヤレて()る。
056()(やう)理窟(りくつ)(おれ)(はな)(つま)み』
057ガリヤ『炬燵(こたつ)から(ねこ)(あき)れて()んで()る。
058蝋燭(らふそく)()()()した自慢振(じまんぶ)り。
059よい機嫌(きげん)便所(べんじよ)(うた)()()りつ。
060花嫁(はなよめ)()自動車(じどうしや)弁護(べんご)され。
061()種子(たね)最早(もはや)(これ)にてきれにけり』
062一同『アハハハハ』
063一同(いちどう)苦痛(くつう)(わす)れて(わら)(きよう)じた。064それより(だい)なしの川柳(せんりう)にかかり、065口々(くちぐち)(おも)(おも)ひの(こと)(しや)べり()(わら)ひに(まぎ)らした。
066ガリヤ『鉄道(てつだう)議事(ぎじ)(すみや)かに進行(しんかう)し。
067()にあまる()両親(ふたおや)(すね)かじり。
068身代(しんだい)()せて(かべ)まで(ほね)()し。
069(ころ)(はず)銀杏返(いてふがへ)しに()うた(かみ)
070ケース『(しの)(なか)竹藪(たけやぶ)だけが()つて()り。
071辻堂(つじだう)地蔵(ぢざう)横目(よこめ)(よだれ)くり。
072脱線(だつせん)一座(いちざ)下戸(げこ)(をり)()げ。
073貴方(あなた)だと()(ゆづ)()(むつま)じさ。
074()せた()戸棚(とだな)(すみ)愚痴(ぐち)()ひ。
075夕立(ゆふだち)座敷(ざしき)(なか)大盥(おほだらひ)
076(げい)なしは末座(まつざ)茶碗(ちやわん)(たた)くなり』
077(はつ)()()めを(はな)せば女房(にようぼう)()(しか)り。
078暢気者(のんきもの)欠伸(あくび)(ふし)をつけてゐる。
079酒機嫌(さけきげん)(など)とごまかす()くる(あさ)
080(とく)高島田(たかしまだ)(また)()蚊帳(かや)(なか)()れ。
081一方(いつぱう)(あし)(なが)いと跛足(びつこ)()ひ。
082小説(せうせつ)謀反人(むほんにん)かと下女(げぢよ)由井(ゆゐ)
083ガリヤ『昼花火(ひるはなび)物干竿(ものほしざを)追駆(おつか)ける。
084脱線(だつせん)汽車(きしや)寝転(ねころ)(はる)土手(どて)
085(はつ)戸棚(とだな)から(ねこ)真面目(まじめ)(かほ)()し。
086戸棚(とだな)から(くさ)いおならが(かほ)()し』
087(とく)『その(げい)()れたと息子(むすこ)負惜(まけをし)み』
088ガリヤ『アカンベエをさせて眼医者(めいしや)金貰(かねもら)ひ』
089ケース『釣竿(つりざを)暢気(のんき)(かほ)(はな)()ひ。
090洋服(やうふく)職工(しよくこう)下駄(げた)穿()いて()る。
091芸者論(げいしやろん)浮世(うきよ)馬鹿(ばか)喧嘩腰(けんくわごし)
092ガリヤ『家柄(いへがら)目方(めかた)にかける持参金(ぢさんきん)
093新聞(しんぶん)()(こと)にする(とほ)火事(くわじ)
094ケース『強情(がうじやう)線香(せんかう)(きう)がおつかける。
095死顔(しにがほ)碁石(ごいし)(にぎ)つてかけつける』
096(はつ)食卓(しよくたく)(また)もめて()子沢山(こだくさん)
097話中(はなしちう)受話器(じゆわき)をヤケにひきかける。
098欠伸(あくび)から欠伸(あくび)(うつ)()(なが)さ。
099()(かほ)へキマリの(わる)挨拶(あいさつ)し』
100(とく)牛肉屋(ぎうにくや)下駄(げた)(なら)べて(きやく)()き。
101三味(しやみ)太鼓(たいこ)(ゆゑ)浮世(うきよ)()てられぬ』
102ガリヤ『失敗(しつぱい)(むし)(ころ)して持参金(ぢさんきん)
103物干(ものほし)屋根(やね)(はな)すは(とほ)火事(くわじ)
104ケース『強情(がうじやう)(なほ)すに乳母(うば)智慧(ちゑ)()り。
105()()らぬ団子(だんご)子供(こども)(くし)をなめ。
106食卓(しよくたく)(つくゑ)(かは)二階借(にかいがり)
107(はつ)立聞(たちぎき)(はなし)がすむと咳払(せきばら)ひ。
108夜長(よなが)さや盗人(ぬすびと)(めし)()つて()げ。
109(かほ)だけは()ぬいても写真(しやしん)(もの)()はず』
110(とく)茶柱(ちやばしら)にすねて()(ほど)よい(をんな)
111()()くと()(まま)亭主(ていしゆ)(かへ)()ず。
112炬燵(こたつ)から()()してゐる年賀状(ねんがじやう)
113初夢(はつゆめ)追駆(おつか)けられて(あせ)をかき』
114ガリヤ『(のみ)()(あと)から(あと)(ゆび)()び。
115乞食(こじき)にはデモクラシーでくれぬなり。
116意気地(いくぢ)なし()()らされて顛落(てんらく)し』
117ケース『一笑(ひとわら)ひさせて弁士(べんし)(やみ)()え。
118湯豆腐(ゆどうふ)粉々(こなごな)になつて()ひつぶれ。
119茶柱(ちやばしら)無線(むせん)電話(でんわ)装置(さうち)あり』
120(はつ)()(れい)背中(せなか)(なが)(にぎ)やかさ。
121(あきら)めの(わる)(をとこ)年賀状(ねんがじやう)
122(とく)勝手(かつて)から八百屋(やほや)(あせ)(くび)()し。
123(のみ)()(はなし)他所(よそ)()んで(しま)ひ。
124(しま)風呂(ぶろ)デモクラシー風邪(かぜ)()き』
125(はつ)地団駄(ぢだんだ)他人(たにん)にふます意気地(いくぢ)なし。
126悲劇物(ひげきもの)()(ほど)弁士(べんし)()められる』
127(とく)湯豆腐(ゆどうふ)(さら)(めくら)(はし)()れ。
128居催促(ゐざいそく)どつちも()きたやうな(かほ)
129四股(しこ)()んで(かかあ)塵紙(ちりがみ)倹約(けんやく)し。
130前垂(まへだれ)塵紙(ちりがみ)さんの代理(だいり)をし。
131居催促(ゐざいそく)煙管(きせる)をむごい()()はし』
132 ()出放題(ではうだい)()(ひね)()(わら)(きよう)じてゐる。133そこへドシン ドシンと(おほ)きな足音(あしおと)をさせてやつて()たのは曲輪城(まがわじやう)城主(じやうしゆ)高宮彦(たかみやひこ)であつた。134高宮彦(たかみやひこ)()(にん)姿(すがた)()て、135(くち)をモヂモヂさせながら無言(むごん)(まま)(にら)みつけてゐた。136()(にん)はあまり巨大(きよだい)(をとこ)姿(すがた)(やや)(おどろ)きを(かん)じ、137内心(ないしん)(ひそ)かに打慄(うちふる)うてゐる。
138大正一二・二・九 旧一一・一二・二四 北村隆光録)
絶賛発売中『超訳霊界物語2/出口王仁三郎の「身魂磨き」実践書/一人旅するスサノオの宣伝使たち』
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10/22【霊界物語ネット】王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)』をテキスト化しました。
5/8【霊界物語ネット】霊界物語ネットに出口王仁三郎の第六歌集『霧の海』を掲載しました。
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