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天祥地瑞
第73巻(子の巻)
第74巻(丑の巻)
第75巻(寅の巻)
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第77巻(辰の巻)
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第52巻(卯の巻)
序文
総説代用
第1篇 鶴首専念
01 真と偽
〔1337〕
02 哀別の歌
〔1338〕
03 楽屋内
〔1339〕
04 俄狂言
〔1340〕
05 森の怪
〔1341〕
06 梟の笑
〔1342〕
第2篇 文明盲者
07 玉返志
〔1343〕
08 巡拝
〔1344〕
09 黄泉帰
〔1345〕
10 霊界土産
〔1346〕
11 千代の菊
〔1347〕
第3篇 衡平無死
12 盲縞
〔1348〕
13 黒長姫
〔1349〕
14 天賊
〔1350〕
15 千引岩
〔1351〕
16 水車
〔1352〕
17 飴屋
〔1353〕
第4篇 怪妖蟠離
18 臭風
〔1354〕
19 屁口垂
〔1355〕
20 険学
〔1356〕
21 狸妻
〔1357〕
22 空走
〔1358〕
第5篇 洗判無料
23 盲動
〔1359〕
24 応対盗
〔1360〕
25 恋愛観
〔1361〕
26 姑根性
〔1362〕
27 胎蔵
〔1363〕
余白歌
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> 第4篇 怪妖蟠離 > 第19章 屁口垂
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(B)
(N)
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第一九章
屁口垂
(
へこたれ
)
〔一三五五〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第52巻 真善美愛 卯の巻
篇:
第4篇 怪妖蟠離
よみ(新仮名遣い):
かいようばんり
章:
第19章 屁口垂
よみ(新仮名遣い):
へこたれ
通し章番号:
1355
口述日:
1923(大正12)年02月09日(旧12月24日)
口述場所:
筆録者:
北村隆光
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1925(大正14)年1月28日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
四人はおならと名乗るイタチの妖怪の屁に吹き飛ばされて負傷し、やけになって互いに川柳を口ずさんで体の痛みを紛らわそうとした。
それぞれひとしきり屁についての川柳をひねると、苦痛を忘れて笑い興じた。それから題なしの川柳にかかり、口々に思い思いのことをしゃべりだし笑いに紛らわした。
一同が出放題の句をひねり出して笑い興じていると、大きな足音をさせて、曲輪城の城主・高宮彦がやってきた。四人は、巨大な男が睨みつけているので驚いて内心打ちふるえている。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2023-12-16 19:59:47
OBC :
rm5219
愛善世界社版:
233頁
八幡書店版:
第9輯 463頁
修補版:
校定版:
241頁
普及版:
104頁
初版:
ページ備考:
001
浮木
(
うきき
)
の
森
(
もり
)
の
物見櫓
(
ものみやぐら
)
の
上
(
うへ
)
から、
002
おならと
名告
(
なの
)
る
妖怪
(
えうくわい
)
の
屁
(
へ
)
に
吹
(
ふ
)
き
飛
(
と
)
ばされて
階段
(
かいだん
)
から
転
(
ころ
)
げ
落
(
お
)
ち、
003
頭
(
あたま
)
や
脛
(
すね
)
等
(
など
)
をしたたか
負傷
(
ふしやう
)
したガリヤ、
004
ケース、
005
初
(
はつ
)
、
006
徳
(
とく
)
の
四
(
よ
)
人
(
にん
)
はヤケ
糞
(
くそ
)
になり、
007
互
(
たがひ
)
に
川柳
(
せんりう
)
を
口
(
くち
)
ずさみ、
008
身体
(
からだ
)
の
痛
(
いた
)
みを
笑
(
わら
)
ひに
紛
(
まぎ
)
らさむと
力
(
つと
)
めてゐた。
009
ガリヤ『どうも
俺
(
おれ
)
達
(
たち
)
は
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
に
戒
(
いまし
)
めを
食
(
く
)
つたと
見
(
み
)
えて、
010
散々
(
さんざん
)
の
目
(
め
)
に
遇
(
あ
)
つたぢやないか。
011
実
(
じつ
)
に
閉口
(
へいこう
)
頓首
(
とんしゆ
)
だ。
012
一
(
ひと
)
つ
川柳会
(
せんりうくわい
)
でも
催
(
もよほ
)
して
笑
(
わら
)
はなくちや、
013
やりきれぬぢやないか。
014
凡
(
すべ
)
て
人間
(
にんげん
)
が
他愛
(
たあい
)
もなく
笑
(
わら
)
ふ
時
(
とき
)
は、
015
凡
(
すべ
)
ての
苦痛
(
くつう
)
の
去
(
さ
)
る
時
(
とき
)
だからな』
016
ケース『
狸
(
たぬき
)
につままれ
屁
(
へ
)
に
吹
(
ふ
)
き
飛
(
と
)
ばされたのだから、
017
屁
(
へ
)
と
云
(
い
)
ふ
題
(
だい
)
を
出
(
だ
)
して、
018
一
(
ひと
)
つ
駄句
(
だく
)
らうぢやないか』
019
ガリヤ、
020
初
(
はつ
)
、
021
徳
(
とく
)
の
三
(
さん
)
人
(
にん
)
は
手
(
て
)
を
拍
(
う
)
つて
賛成
(
さんせい
)
した。
022
ガリヤ『
狸
(
たぬき
)
には
騙
(
だま
)
されおならには
臭
(
くさ
)
い
屁
(
へ
)
を
023
嗅
(
か
)
がされ
何処
(
どこ
)
で
男
(
をとこ
)
が
立
(
た
)
たう』
024
ケース『
臭
(
くさ
)
い
屁
(
へ
)
に
屁古垂
(
へこた
)
れよつて
四人
(
よにん
)
連
(
づ
)
れ
025
物見櫓
(
ものみやぐら
)
で
又
(
また
)
も
閉口
(
へいこう
)
』
026
初
(
はつ
)
『おならとは
名
(
な
)
を
聞
(
き
)
いてさへ
臭
(
くさ
)
い
奴
(
やつ
)
』
027
徳
(
とく
)
『
尻
(
しり
)
の
毛
(
け
)
を
臭
(
くさ
)
い
曲津
(
まがつ
)
に
引
(
ひ
)
き
抜
(
ぬ
)
かれ
028
屁
(
へ
)
つ
放
(
ぴ
)
り
腰
(
ごし
)
の
態
(
ざま
)
の
悪
(
わる
)
さよ』
0281
ガリヤ『おい、
0282
屁
(
へ
)
に
関
(
くわん
)
する
事
(
こと
)
なら
何
(
なん
)
でもよいから、
0283
思
(
おも
)
ひきり
面白
(
おもしろ
)
い
奴
(
やつ
)
を
駄句
(
だく
)
らうぢやないか。
0284
其処
(
そこ
)
ら
中
(
ぢう
)
が
之
(
これ
)
だけ
痛
(
いた
)
くちや、
0285
やりきれない。
0286
先
(
ま
)
づ
屁
(
へ
)
と
笑
(
わら
)
ひで
吹
(
ふ
)
き
散
(
ち
)
らすのだな』
029
ケース『グルグルと
腹
(
はら
)
の
中
(
なか
)
にて
模様
(
もやう
)
なし。
030
おとなしう
見
(
み
)
せて
踵
(
かがと
)
で
屁
(
へ
)
を
殺
(
ころ
)
し』
031
初
(
はつ
)
『
屁
(
へ
)
を
放
(
ひ
)
りに
屋根
(
やね
)
から
下
(
お
)
りる
宮大工
(
みやだいく
)
。
032
貴様
(
きさま
)
等
(
ら
)
は
何
(
なに
)
を
笑
(
わら
)
ふと
隠居
(
いんきよ
)
の
屁
(
へ
)
』
033
徳
(
とく
)
『
屁
(
へ
)
の
論
(
ろん
)
に
泣
(
な
)
くも
流石
(
さすが
)
は
女
(
をんな
)
なり。
034
屁
(
へ
)
を
放
(
ひ
)
つて
嫁
(
よめ
)
は
雪隠
(
せつちん
)
出
(
で
)
にくがり。
035
屁
(
へ
)
を
放
(
ひ
)
つたより
臭
(
くさ
)
いのはおならなり』
036
ガリヤ『
風呂中
(
ふろなか
)
の
屁
(
へ
)
は
偶然
(
ぐうぜん
)
の
軽気球
(
けいききう
)
。
037
念仏
(
ねんぶつ
)
も
唱
(
とな
)
へ
屁
(
へ
)
も
放
(
ひ
)
る
炬燵
(
こたつ
)
かな』
038
ケース『
屁
(
へ
)
を
放
(
ひ
)
つて
裾
(
すそ
)
あふぎたる
団扇
(
うちは
)
かな。
039
俺
(
おれ
)
よりも
遙
(
はる
)
か
上手
(
じやうず
)
な
屁放
(
へひ
)
り
虫
(
むし
)
』
040
初
(
はつ
)
『
長
(
なが
)
き
日
(
ひ
)
や
沈香
(
ちんかう
)
も
焚
(
た
)
かず
屁
(
へ
)
も
放
(
ひ
)
らず。
041
馬
(
うま
)
が
屁
(
へ
)
を
放
(
ひ
)
りながら
行
(
ゆ
)
く
春野
(
はるの
)
かな。
042
賑
(
にぎや
)
かさ
浮木
(
うきき
)
の
森
(
もり
)
に
屁
(
へ
)
が
絶
(
た
)
えず』
043
徳
(
とく
)
『
屁
(
へ
)
を
放
(
ひ
)
つた
長太郎
(
ちやうたらう
)
探
(
さが
)
すお
師匠
(
ししやう
)
さん。
044
大笑
(
おほわら
)
ひ
下女
(
げぢよ
)
の
寝言
(
ねごと
)
に
屁
(
へ
)
が
交
(
まじ
)
り。
045
幇間
(
たいこもち
)
金
(
かね
)
になる
屁
(
へ
)
を
三
(
みつ
)
つ
放
(
ひ
)
り』
046
ガリヤ『
姑
(
しうとめ
)
が
屁
(
へ
)
を
放
(
ひ
)
つたので
気
(
き
)
がほどけ。
047
屁
(
へ
)
を
放
(
ひ
)
つて
可笑
(
をか
)
しくもない
独身者
(
ひとりもの
)
。
048
姑
(
しうとめ
)
の
屁
(
へ
)
を
喜
(
よろこ
)
ぶも
家
(
いへ
)
大切
(
だいじ
)
』
049
ケース『
女礼式
(
ぢよれいしき
)
虫
(
むし
)
も
殺
(
ころ
)
さず
屁
(
へ
)
を
殺
(
ころ
)
し。
050
屁
(
へ
)
を
殺
(
ころ
)
し
四辺
(
あたり
)
四五
(
しご
)
人
(
にん
)
かかり
合
(
あ
)
ひ』
051
初
(
はつ
)
『
己
(
おの
)
が
屁
(
へ
)
をオヤオヤオヤと
子
(
こ
)
にかづけ。
052
外
(
そと
)
で
屁
(
へ
)
を
放
(
ひ
)
る
雪隠
(
せつちん
)
の
居催促
(
ゐざいそく
)
』
053
徳
(
とく
)
『
風呂
(
ふろ
)
の
屁
(
へ
)
で
発明
(
はつめい
)
したか
水雷火
(
すゐらいくわ
)
。
054
紙張
(
かみばり
)
の
放屁
(
はうひ
)
風船
(
ふうせん
)
に
入
(
い
)
る
空気
(
くうき
)
かな。
055
屁
(
へ
)
を
放
(
ひ
)
つてもう
十二
(
じふに
)
時
(
じ
)
とシヤレて
居
(
ゐ
)
る。
056
屁
(
へ
)
の
様
(
やう
)
な
理窟
(
りくつ
)
に
俺
(
おれ
)
も
鼻
(
はな
)
抓
(
つま
)
み』
057
ガリヤ『
炬燵
(
こたつ
)
から
猫
(
ねこ
)
も
呆
(
あき
)
れて
飛
(
と
)
んで
出
(
で
)
る。
058
蝋燭
(
らふそく
)
の
火
(
ひ
)
を
屁
(
へ
)
で
消
(
け
)
した
自慢振
(
じまんぶ
)
り。
059
よい
機嫌
(
きげん
)
便所
(
べんじよ
)
で
謡
(
うた
)
ひ
屁
(
へ
)
を
放
(
ひ
)
りつ。
060
花嫁
(
はなよめ
)
の
屁
(
へ
)
は
自動車
(
じどうしや
)
に
弁護
(
べんご
)
され。
061
屁
(
へ
)
の
種子
(
たね
)
も
最早
(
もはや
)
之
(
これ
)
にてきれにけり』
062
一同
『アハハハハ』
063
と
一同
(
いちどう
)
は
苦痛
(
くつう
)
を
忘
(
わす
)
れて
笑
(
わら
)
ひ
興
(
きよう
)
じた。
064
それより
題
(
だい
)
なしの
川柳
(
せんりう
)
にかかり、
065
口々
(
くちぐち
)
に
思
(
おも
)
ひ
思
(
おも
)
ひの
事
(
こと
)
を
喋
(
しや
)
べり
出
(
だ
)
し
笑
(
わら
)
ひに
紛
(
まぎ
)
らした。
066
ガリヤ『
鉄道
(
てつだう
)
の
議事
(
ぎじ
)
速
(
すみや
)
かに
進行
(
しんかう
)
し。
067
手
(
て
)
にあまる
子
(
こ
)
は
両親
(
ふたおや
)
の
脛
(
すね
)
かじり。
068
身代
(
しんだい
)
が
痩
(
や
)
せて
壁
(
かべ
)
まで
骨
(
ほね
)
を
出
(
だ
)
し。
069
転
(
ころ
)
ぶ
筈
(
はず
)
銀杏返
(
いてふがへ
)
しに
結
(
ゆ
)
うた
髪
(
かみ
)
』
070
ケース『
忍
(
しの
)
ぶ
仲
(
なか
)
竹藪
(
たけやぶ
)
だけが
知
(
し
)
つて
居
(
を
)
り。
071
辻堂
(
つじだう
)
の
地蔵
(
ぢざう
)
は
横目
(
よこめ
)
で
涎
(
よだれ
)
くり。
072
脱線
(
だつせん
)
の
一座
(
いちざ
)
に
下戸
(
げこ
)
は
折
(
をり
)
を
下
(
さ
)
げ。
073
貴方
(
あなた
)
だと
屁
(
へ
)
を
譲
(
ゆづ
)
り
合
(
あ
)
ふ
睦
(
むつま
)
じさ。
074
痩
(
や
)
せた
蚊
(
か
)
は
戸棚
(
とだな
)
の
隅
(
すみ
)
に
愚痴
(
ぐち
)
を
云
(
い
)
ひ。
075
夕立
(
ゆふだち
)
や
座敷
(
ざしき
)
の
中
(
なか
)
の
大盥
(
おほだらひ
)
。
076
芸
(
げい
)
なしは
末座
(
まつざ
)
で
茶碗
(
ちやわん
)
叩
(
たた
)
くなり』
077
初
(
はつ
)
『
馴
(
な
)
れ
初
(
そ
)
めを
話
(
はな
)
せば
女房
(
にようぼう
)
目
(
め
)
で
叱
(
しか
)
り。
078
暢気者
(
のんきもの
)
欠伸
(
あくび
)
に
節
(
ふし
)
をつけてゐる。
079
酒機嫌
(
さけきげん
)
等
(
など
)
とごまかす
翌
(
あ
)
くる
朝
(
あさ
)
』
080
徳
(
とく
)
『
高島田
(
たかしまだ
)
又
(
また
)
蚊
(
か
)
を
蚊帳
(
かや
)
の
中
(
なか
)
へ
入
(
い
)
れ。
081
一方
(
いつぱう
)
の
足
(
あし
)
が
長
(
なが
)
いと
跛足
(
びつこ
)
云
(
い
)
ひ。
082
小説
(
せうせつ
)
は
謀反人
(
むほんにん
)
かと
下女
(
げぢよ
)
が
由井
(
ゆゐ
)
』
083
ガリヤ『
昼花火
(
ひるはなび
)
物干竿
(
ものほしざを
)
が
追駆
(
おつか
)
ける。
084
脱線
(
だつせん
)
の
汽車
(
きしや
)
が
寝転
(
ねころ
)
ぶ
春
(
はる
)
の
土手
(
どて
)
』
085
初
(
はつ
)
『
戸棚
(
とだな
)
から
猫
(
ねこ
)
が
真面目
(
まじめ
)
な
顔
(
かほ
)
を
出
(
だ
)
し。
086
戸棚
(
とだな
)
から
臭
(
くさ
)
いおならが
顔
(
かほ
)
を
出
(
だ
)
し』
087
徳
(
とく
)
『その
芸
(
げい
)
に
惚
(
ほ
)
れたと
息子
(
むすこ
)
負惜
(
まけをし
)
み』
088
ガリヤ『アカンベエをさせて
眼医者
(
めいしや
)
は
金貰
(
かねもら
)
ひ』
089
ケース『
釣竿
(
つりざを
)
や
暢気
(
のんき
)
な
顔
(
かほ
)
で
話
(
はな
)
し
合
(
あ
)
ひ。
090
洋服
(
やうふく
)
で
職工
(
しよくこう
)
下駄
(
げた
)
を
穿
(
は
)
いて
来
(
く
)
る。
091
芸者論
(
げいしやろん
)
浮世
(
うきよ
)
の
馬鹿
(
ばか
)
が
喧嘩腰
(
けんくわごし
)
』
092
ガリヤ『
家柄
(
いへがら
)
と
目方
(
めかた
)
にかける
持参金
(
ぢさんきん
)
。
093
新聞
(
しんぶん
)
で
見
(
み
)
た
事
(
こと
)
にする
遠
(
とほ
)
い
火事
(
くわじ
)
』
094
ケース『
強情
(
がうじやう
)
を
線香
(
せんかう
)
と
灸
(
きう
)
がおつかける。
095
死顔
(
しにがほ
)
へ
碁石
(
ごいし
)
握
(
にぎ
)
つてかけつける』
096
初
(
はつ
)
『
食卓
(
しよくたく
)
で
又
(
また
)
もめて
居
(
ゐ
)
る
子沢山
(
こだくさん
)
。
097
お
話中
(
はなしちう
)
受話器
(
じゆわき
)
をヤケにひきかける。
098
欠伸
(
あくび
)
から
欠伸
(
あくび
)
へ
移
(
うつ
)
る
夜
(
よ
)
の
長
(
なが
)
さ。
099
似
(
に
)
た
顔
(
かほ
)
へキマリの
悪
(
わる
)
い
挨拶
(
あいさつ
)
し』
100
徳
(
とく
)
『
牛肉屋
(
ぎうにくや
)
下駄
(
げた
)
を
並
(
なら
)
べて
客
(
きやく
)
を
引
(
ひ
)
き。
101
三味
(
しやみ
)
太鼓
(
たいこ
)
故
(
ゆゑ
)
に
浮世
(
うきよ
)
は
捨
(
す
)
てられぬ』
102
ガリヤ『
失敗
(
しつぱい
)
が
虫
(
むし
)
を
殺
(
ころ
)
して
持参金
(
ぢさんきん
)
。
103
物干
(
ものほし
)
と
屋根
(
やね
)
と
話
(
はな
)
すは
遠
(
とほ
)
い
火事
(
くわじ
)
』
104
ケース『
強情
(
がうじやう
)
を
直
(
なほ
)
すに
乳母
(
うば
)
の
智慧
(
ちゑ
)
を
借
(
か
)
り。
105
食
(
く
)
ひ
足
(
た
)
らぬ
団子
(
だんご
)
に
子供
(
こども
)
串
(
くし
)
をなめ。
106
食卓
(
しよくたく
)
が
机
(
つくゑ
)
に
代
(
かは
)
る
二階借
(
にかいがり
)
』
107
初
(
はつ
)
『
立聞
(
たちぎき
)
の
話
(
はなし
)
がすむと
咳払
(
せきばら
)
ひ。
108
夜長
(
よなが
)
さや
盗人
(
ぬすびと
)
飯
(
めし
)
を
食
(
く
)
つて
逃
(
に
)
げ。
109
顔
(
かほ
)
だけは
見
(
み
)
ぬいても
写真
(
しやしん
)
物
(
もの
)
云
(
い
)
はず』
110
徳
(
とく
)
『
茶柱
(
ちやばしら
)
にすねて
居
(
ゐ
)
る
程
(
ほど
)
よい
女
(
をんな
)
。
111
湯
(
ゆ
)
に
行
(
ゆ
)
くと
出
(
で
)
た
儘
(
まま
)
亭主
(
ていしゆ
)
帰
(
かへ
)
り
来
(
こ
)
ず。
112
炬燵
(
こたつ
)
から
手
(
て
)
を
出
(
だ
)
してゐる
年賀状
(
ねんがじやう
)
。
113
初夢
(
はつゆめ
)
に
追駆
(
おつか
)
けられて
汗
(
あせ
)
をかき』
114
ガリヤ『
蚤
(
のみ
)
が
飛
(
と
)
ぶ
後
(
あと
)
から
後
(
あと
)
へ
指
(
ゆび
)
が
飛
(
と
)
び。
115
乞食
(
こじき
)
にはデモクラシーでくれぬなり。
116
意気地
(
いくぢ
)
なし
屁
(
へ
)
に
散
(
ち
)
らされて
顛落
(
てんらく
)
し』
117
ケース『
一笑
(
ひとわら
)
ひさせて
弁士
(
べんし
)
は
暗
(
やみ
)
に
消
(
き
)
え。
118
湯豆腐
(
ゆどうふ
)
も
粉々
(
こなごな
)
になつて
酔
(
よ
)
ひつぶれ。
119
茶柱
(
ちやばしら
)
に
無線
(
むせん
)
電話
(
でんわ
)
の
装置
(
さうち
)
あり』
120
初
(
はつ
)
『
湯
(
ゆ
)
の
礼
(
れい
)
に
背中
(
せなか
)
を
流
(
なが
)
す
賑
(
にぎ
)
やかさ。
121
諦
(
あきら
)
めの
悪
(
わる
)
い
男
(
をとこ
)
の
年賀状
(
ねんがじやう
)
』
122
徳
(
とく
)
『
勝手
(
かつて
)
から
八百屋
(
やほや
)
が
汗
(
あせ
)
の
首
(
くび
)
を
出
(
だ
)
し。
123
蚤
(
のみ
)
が
出
(
で
)
て
話
(
はなし
)
も
他所
(
よそ
)
へ
飛
(
と
)
んで
了
(
しま
)
ひ。
124
終
(
しま
)
ひ
風呂
(
ぶろ
)
デモクラシー
風邪
(
かぜ
)
を
引
(
ひ
)
き』
125
初
(
はつ
)
『
地団駄
(
ぢだんだ
)
を
他人
(
たにん
)
にふます
意気地
(
いくぢ
)
なし。
126
悲劇物
(
ひげきもの
)
泣
(
な
)
く
程
(
ほど
)
弁士
(
べんし
)
褒
(
ほ
)
められる』
127
徳
(
とく
)
『
湯豆腐
(
ゆどうふ
)
の
皿
(
さら
)
へ
盲
(
めくら
)
の
箸
(
はし
)
が
外
(
そ
)
れ。
128
居催促
(
ゐざいそく
)
どつちも
飽
(
あ
)
きたやうな
顔
(
かほ
)
。
129
四股
(
しこ
)
踏
(
ふ
)
んで
嬶
(
かかあ
)
が
塵紙
(
ちりがみ
)
倹約
(
けんやく
)
し。
130
前垂
(
まへだれ
)
が
塵紙
(
ちりがみ
)
さんの
代理
(
だいり
)
をし。
131
居催促
(
ゐざいそく
)
煙管
(
きせる
)
をむごい
目
(
め
)
に
遇
(
あ
)
はし』
132
斯
(
か
)
く
出放題
(
ではうだい
)
の
句
(
く
)
を
捻
(
ひね
)
り
出
(
だ
)
し
笑
(
わら
)
ひ
興
(
きよう
)
じてゐる。
133
そこへドシン ドシンと
大
(
おほ
)
きな
足音
(
あしおと
)
をさせてやつて
来
(
き
)
たのは
曲輪城
(
まがわじやう
)
の
城主
(
じやうしゆ
)
高宮彦
(
たかみやひこ
)
であつた。
134
高宮彦
(
たかみやひこ
)
は
四
(
よ
)
人
(
にん
)
の
姿
(
すがた
)
を
見
(
み
)
て、
135
口
(
くち
)
をモヂモヂさせながら
無言
(
むごん
)
の
儘
(
まま
)
睨
(
にら
)
みつけてゐた。
136
四
(
よ
)
人
(
にん
)
はあまり
巨大
(
きよだい
)
な
男
(
をとこ
)
の
姿
(
すがた
)
に
稍
(
やや
)
驚
(
おどろ
)
きを
感
(
かん
)
じ、
137
内心
(
ないしん
)
私
(
ひそ
)
かに
打慄
(
うちふる
)
うてゐる。
138
(
大正一二・二・九
旧一一・一二・二四
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録)
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