霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一章 大山(だいせん)〔一四五一〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第57巻 真善美愛 申の巻 篇:第1篇 照門山颪 よみ(新仮名遣い):てるもんざんおろし
章:第1章 大山 よみ(新仮名遣い):だいせん 通し章番号:1451
口述日:1923(大正12)年03月24日(旧02月8日) 口述場所:皆生温泉 浜屋 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1925(大正14)年5月24日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
伯耆の国の大山は、日本台地の要である。八岐大蛇の憑依せる大黒主の曲津見が、簸の川上に割拠して風雨をおこし洪水をおこし、稲田姫を悩ませ人の命を取ろうとしたことこそうたてけれ。
大正十二年癸亥年の春、如月の日光輝く夜見ヶ浜、小松林の中央に堅磐常盤に築いた神の恵みの温泉場、浜屋旅館の二階の間にて、いつもの通りに横に臥し、真善美愛第九巻、波斯と月の国境にてテルモン山の館に住まう小国別けの物語。
三千年の末までもその功を残した三五教の三千彦が、難行苦行の経緯をいよいよ語り、ただ一言も洩らさじと万年筆を走らせる。五十七巻の物語を完全に委曲に述べ終えて、綾の聖地の家苞になさしめ給へと大神の御前に謹み願ぎまつる。
三五教は大神の直接内流を受けて、愛の善と信の真をもって唯一の教理となし、智愛勇親の四魂を活用させ、善のために善を行い、用のために用を勤め、真のために真を励む。
ゆえにその言行心は常に神に向かい、神と共にあり、いわゆる神の生き宮にして天地経綸の主宰者たるの実を挙げ、生きながら天国に籍を置き、神の意志そのままを地上の蒼生に宣伝し実行し、もって衆生一切を済度するをもって唯一の務めとしていたのである。
バラモン教やウラル教その他の数多の教派のごとく、自愛または世間愛に堕して知らず知らずに神にそむき、虚偽を真理と信じ、悪を善と誤解するがごとき行動はとらなかったのである。
自愛および世間愛に堕落せる教えはいわゆる外道である。外道とは天地惟神の大道に外れた教えを言う。これみな邪神界に精霊を蹂躙され、知らず知らずに地獄界および兇党界に堕落したものである。
外道には九十五の種類があって、その主なるものはカビラ・マハールシといい、大黒主のことである。三五教の真善美の言霊に追いまくられて自転倒島の要と湧出した伯耆の国の大山に八岐大蛇の霊と共に割拠し、六師外道という悪魔を引き連れて天下をかく乱し、ついに素盞嗚尊によって言向け和されたのである。
六師外道の悪魔たちとは、
君臣父子の道を軽んじ優勝劣敗をもって人生の本義となし、死後の霊魂を否定するブランジャーカーシャバ
人間の善悪・吉凶・禍福はすべて動かせない運命から来ると主張するマスカリー・ガーシャリーブトラ
人間の苦は何もしなくても八万劫が来れば自然に道を得ると主張するサンジャイーヴィ・ラチャーブトラ
現世の苦しみ・苦行こそが来世の歓楽・栄華を約束すると説くアザタケー・シャカムバラ
種々雑多の利己的・形体的・自然的・世界的愛を盛んに主張するカクダカー・トヤーヤナ
人間の苦楽はすべて宿命・運命によって因縁が決まっておりそれを研究すべきだと説くニルケラントー・ヂニヤー・ヂブトラである。
続いて人間の十二因縁を説く。
無明とは、過去一切の煩悩である。
行とは、過去煩悩の造作をいう。
識とは、現世母の体中に託する陰妄の意識をいう。
名識の名とは心の四蘊である。
色とは形質の一蘊である。
六入とは、母の体中にある中において六根を成するをいう。
触とは、三四才までに外的の塵埃の根源に触れるを覚える状態をいう。
愛(え)とは、生まれて五六才より十二三才までの間に強く外部の塵埃を受けて好悪の識別を起こすをいう。
愛(あい)とは、十四五才より十八九才までの間に外塵を貪り愛する念慮を生じるをいう。
取とはニ十才以後いっそう強く外塵に執着の念を生じるをいう。
有とは、未来三有の果を招くべき種々の業因を造作し、積集するをいう。
生とは未来六道または八衢の中に生じるをいう。
老死とは未来愛生の身体、またついに朽壞するをいう。
この十二因縁はどうしても人間として避けるべからざることである。しかしながら、この十二因縁の関門を通過して、初めて人間は神の生涯に入り、永遠無窮の真の生命に入って、天人的生活を送るべきものである。
しかるに総ての多くの人間は、九十五種外道のために心身を曇らされたちまち地獄道に進み入り、宇宙の大元霊たる神に背き、無限の苦をなめるに至る者が多い。ゆえに神は厳瑞二霊を地上に下し天国の福音をあまねく宣伝せしめ、一人も残らず天国の住民たらんと聖霊を充たして予言者に来らせ給うたのである。
いかに現世において聖人賢人、有徳者と称えられるとも、霊界の消息に通じず、神の恩恵を無みするものは、その心すでに神に背けるがゆえに、とうてい天国の生涯を送ることはでき難いものである。約束なき救いは決して求められないものである。
ゆえに神は前にシャキームニ・タダーガタを下して霊界の消息を世人に示し給い、またハリストスやマホメットその他の真人を予言者として地上に下し、万民を天国に救う約束を垂れさせられた。されど九十五種外道の跋扈はなはだしく、神の約束を信ずるものほとんど無きに至った。それゆえ世はますます暗黒となり、餓鬼、畜生、修羅の巷となってしまった。
ここに至仁至愛なる皇大神は、この惨状を救うために厳瑞二霊を地上に下し、万民に神約を垂れ給うたのである。アアされど、無明暗黒の中に沈める一切の衆生は、救世の慈音に耳に傾くる者は少ない。実に思ってみれば悲惨の極みである。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2022-04-04 09:07:52 OBC :rm5701
愛善世界社版:9頁 八幡書店版:第10輯 261頁 修補版: 校定版:9頁 普及版:3頁 初版: ページ備考:
派生[?]この文献を底本として書かれたと思われる文献です。[×閉じる]出口王仁三郎全集 > 第二巻 宗教・教育編 > 【宗教編】第一篇 既成宗教 > 第八章 三五教と六師外道
001金輪(こんりん)奈落(ならく)地底(ちてい)から
002風輪(ふうりん)水輪(すいりん)地輪(ちりん)をば
003(つらぬ)()でたる大高峰(だいかうほう)
004伯耆(はうき)(くに)大山(だいせん)
005日本(にほん)大地(だいち)(かなめ)なり
006白扇(はくせん)(そら)逆様(さかさま)
007(かか)りて(しづ)日本海(にほんかい)
008八岐(やまた)大蛇(をろち)憑依(ひようい)せる
009大黒主(おほくろぬし)曲津見(まがつみ)
010()川上(かはかみ)割拠(かつきよ)して
011風雨(ふうう)(おこ)洪水(みづ)おこし
012狭田(さだ)長田(ながた)()()ちし
013稲田(いなだ)(ひめ)年々(としどし)
014(なや)ませ(ひと)(いのち)をば
015()らむとせしぞ(うた)てけれ
016大正(たいしやう)十二(じふに)(みづのと)
017亥年(ゐどし)(はる)如月(きさらぎ)
018日光(につくわう)(かがや)夜見(よみ)(はま)
019小松林(こまつばやし)中央(まんなか)
020堅磐(かきは)常磐(ときは)(きづ)きたる
021(かみ)(めぐ)みの温泉場(をんせんば)
022浜屋(はまや)旅館(りよくわん)二階(にかい)()
023いつもの(とほ)(よこ)()
024真善(しんぜん)美愛(びあい)第九(だいく)(くわん)
025波斯(ペルシヤ)(つき)国境(くにざかひ)
026朝日(あさひ)もきらきらテルモンの
027(やま)(やかた)()まひたる
028小国別(をくにのわけ)物語(ものがたり)
029三千(さんぜん)(ねん)(すゑ)(まで)
030その(いさをし)(のこ)したる
031三五教(あななひけう)三千彦(みちひこ)
032難行(なんぎやう)苦行(くぎやう)経緯(いきさつ)
033いよいよカータルブラバーサ
034マハーダルマ・タダアガタ
035(ただ)一言(いちごん)()らさじと
036(ひがし)(まど)(むか)ひつつ
037万年筆(まんねんひつ)(はし)らせる
038夜見(よみ)浜風(はまかぜ)颯々(さつさつ)
039()()(たび)にカーテンが
040バタリバタリと拍子(ひやうし)()
041言霊車(ことたまぐるま)()(きた)
042アヽ惟神(かむながら)々々(かむながら)
043御霊(みたま)幸倍(さちはへ)ましまして
044五十(ごじふ)(なな)つの物語(ものがたり)
045完全(うまら)委曲(つばら)()()へて
046(あや)聖地(せいち)家苞(いへづと)
047なさしめ(たま)へと大神(おほかみ)
048御前(みまへ)(つつし)()ぎまつる
049朝日(あさひ)()るとも(くも)るとも
050(つき)()つとも()くるとも
051仮令(たとへ)大地(だいち)(しづ)むとも
052(まこと)(ひと)つの三五(あななひ)
053(をしへ)主意(しゆい)一通(ひととほ)
054(うつ)さにやならぬ(かみ)(のり)
055()にあてられて瑞月(ずゐげつ)
056(はら)をガラガラ(くだ)らせつ
057(くだ)らぬ理窟(りくつ)(こきま)ぜて
058浜辺(はまべ)()れた法螺貝(ほらがひ)
059止度(とめど)もなしに()()てる
060
061 三五教(あななひけう)大神(おほかみ)直接(ちよくせつ)内流(ないりう)()け、062(あい)(ぜん)と、063(しん)(しん)をもつて唯一(ゆゐいつ)教理(けうり)となし、064()(あい)(ゆう)(しん)四魂(しこん)活用(くわつよう)させ、065(ぜん)(ため)(ぜん)(おこな)ひ、066(よう)(ため)(よう)(つと)め、067(しん)(ため)(しん)(はげ)む。068(ゆゑ)(その)言行心(げんかうしん)(つね)(かみ)(むか)ひ、069(かみ)(とも)にあり、070所謂(いはゆる)(かみ)生宮(いきみや)にして天地(てんち)経綸(けいりん)主宰者(しゆさいしや)たるの(じつ)()げ、071()(なが)天国(てんごく)(せき)()き、072(あだか)黄金(わうごん)時代(じだい)天人(てんにん)(ごと)く、073(かみ)意志(いし)(その)(まま)地上(ちじやう)蒼生(さうせい)宣伝(せんでん)実行(じつかう)し、074(もつ)衆生(しゆじやう)一切(いつさい)済度(さいど)するをもつて唯一(ゆゐいつ)(つと)めとして()たのである。075(ゆゑ)にバラモン(けう)ウラル(けう)(その)()数多(あまた)教派(けうは)(ごと)く、076自愛(じあい)(また)世間愛(せけんあい)()して()らず()らずに(かみ)(そむ)き、077虚偽(きよぎ)真理(しんり)(しん)じ、078(あく)(ぜん)誤解(ごかい)するが(ごと)行動(かうどう)()らなかつたのである。079(かみ)より(きた)れる(あい)(およ)(ぜん)(ならび)信真(しんしん)(ひかり)(よく)し、080惟神(かむながら)(まま)(その)(じつ)(しめ)すが(ゆゑ)に、081麻柱(あななひ)(をしへ)(かみ)から(とな)へられたのである。082自愛(じあい)(およ)世間愛(せけんあい)堕落(だらく)せる(をしへ)所謂(いはゆる)外道(げだう)である。083外道(げだう)とは天地(てんち)惟神(かむながら)大道(だいだう)(はづ)れたる(をしへ)()ふ。084これ(みな)邪神界(じやしんかい)精霊(せいれい)蹂躙(じうりん)され、085()らず()らずに地獄界(ぢごくかい)(およ)兇党界(きようたうかい)堕落(だらく)したものである。086外道(げだう)には九十五の種類(しゆるゐ)があつて、087(その)(おも)なるものは、088カビラ・マハールシといふ。089このカビラ・マハールシは、090(すなは)大黒主(おほくろぬし)(こと)であり、091三五教(あななひけう)真善美(しんぜんび)言霊(ことたま)()(まく)られて自転倒(おのころ)(じま)(かなめ)湧出(ゆうしゆつ)したる伯耆(はうき)(くに)のマハールシ(大山(だいせん))に八岐(やまた)大蛇(をろち)(れい)(とも)割拠(かつきよ)し、092六師(ろくし)外道(げだう)()つて外道(げだう)(なか)にても(もつと)(すぐ)れたる悪魔(あくま)()()天下(てんか)攪乱(かくらん)し、093(つひ)素盞嗚(すさのをの)(みこと)のために言向(ことむ)(やは)されたのである。094六師(ろくし)外道(げだう)とは、095ブランナーカーシャバ、096マスカリー・ガーシャリーブトラ、097サンジャイーヴィ・ラチャーブトラ、098アザタケー・シャカムバラ、099カクダカー・トヤーヤナ、100ニルケラントー・ヂニヤー・ヂブトラの六大(ろくだい)外道(げだう)である。101(この)外道(げだう)古今(ここん)東西(とうざい)区別(くべつ)なく今日(こんにち)(いへど)(なほ)天下(てんか)横行(わうかう)濶歩(くわつぽ)し、102暴威(ばうゐ)(たくま)しうして()るのである。
103 ブランナーカーシャバとは君臣(くんしん)104父子(ふし)105夫婦(ふうふ)106兄弟(きやうだい)107朋友(ほういう)(など)(みち)(かろ)んじ、108現界(げんかい)一切(いつさい)無視(むし)し、109生存(せいぞん)競争(きやうそう)110優勝(いうしよう)劣敗(れつぱい)をもつて人生(じんせい)本義(ほんぎ)となし、111軽死(けいし)重生(ぢゆうせい)主義(しゆぎ)(さかん)主張(しゆちやう)し、112宇宙(うちう)一切(いつさい)(すべ)(くう)なり、113()なり、114人間(にんげん)肉体(にくたい)死滅(しめつ)するや(いな)(けむり)(ごと)()()て、115死後(しご)霊魂(れいこん)(など)(けつ)して(のこ)るものでない。116(はた)して死後(しご)霊魂(れいこん)ありとすれば、117(たと)へば唐辛子(たうがらし)()いて(はひ)となし、118()(その)(あと)にも唐辛子(たうがらし)辛味(しんみ)(そん)するや、119(けつ)して存在(そんざい)せざるべし。120(これ)(おも)へば人間(にんげん)死後(しご)生活(せいくわつ)(ろん)ずるは迂愚(うぐ)骨頂(こつちやう)なり、121迷妄(めいまう)(きは)みなりと断案(だんあん)(くだ)唯物論(ゆゐぶつろん)(しや)(ごと)きものである。122(つぎ)に、
123 マスカリー・ガーシャリーブトラは、124一切(いつさい)衆生(しゆじやう)苦悩(くなう)歓楽(くわんらく)(けつ)して人間(にんげん)行因(ぎやういん)()るものではない。125(いづ)れも自然(しぜん)苦楽(くらく)()るものである。126(たと)へば(ここ)(ひと)つの種子(しゆし)()くに、127(その)種子(しゆし)()えた(つち)日当(ひあた)りよき(ところ)()かれたのは、128()(すぐ)れて発達(はつたつ)し、129枚葉(しえう)繁茂(はんも)し、130(うるは)しき(はな)()かせ、131(うるは)しき()(むす)び、132(ひと)(あい)せらるるに()()へ、133(おな)種子(しゆし)でありながら、134()せた土地(とち)()かれ、135(あるひ)陰裏(かげうら)()かれた(とき)十分(じふぶん)光線(くわうせん)()くる(こと)(あた)はず(その)発育(はついく)()しく(はな)(ちひ)さく、136満足(まんぞく)()(むす)ばないやうなものである。137(しか)るに(その)種子(しゆし)善悪(ぜんあく)(けつ)してない。138(おな)()から()つた(おな)(たね)である。139(また)(その)(たね)には(けつ)して(ぜん)(おこな)ひも(あく)(おこな)ひもない。140(ただ)()かれた(ところ)場所(ばしよ)(すなは)境遇(きやうぐう)によつて、141(あるひ)歓喜(くわんき)(よく)し、142(あるひ)苦悩(くなう)(ひた)るのである。143(ゆゑ)人間(にんげん)は、144()かれた(ところ)(あし)ければ、145何程気張(きば)つてもよき場所(ばしよ)()かれた(たね)()(こと)出来(でき)ない。146(ゆゑ)人間(にんげん)苦楽(くらく)には(けつ)して行因(ぎやういん)はないものだ、147主張(しゆちやう)する無因(むいん)外道(げだう)である。148(また)(これ)自然(しぜん)外道(げだう)とも()ふ。149(つぎ)に、
150 サンジャイーヴィ・ラチャーブトラと()ふのは、151人間(にんげん)(けつ)して修業(しゆげふ)なんかする必要(ひつえう)がない。152天地(てんち)草木(くさき)()ても(はる)()れば自然(しぜん)(はな)()き、153(あき)()れば自然(しぜん)()()り、154(ふゆ)()れば自然(しぜん)()()(ごと)く、155八万劫(はちまんごふ)()れば自然(しぜん)人間(にんげん)()()きて(みち)()るとなすものである。156(えう)するに自暴(じばう)自棄(じき)157惟神(かむながら)中毒(ちうどく)外道(げだう)であつて、158(これ)無因(むいん)外道(げだう)一種(いつしゆ)となすのである。159二十(にじつ)世紀(せいき)三五教(あななひけう)には()(しゆ)(ひと)随分(ずいぶん)混入(こんにふ)して()るやうである。160(つぎ)に、
161 アザタケー・シャカムバラ、162(この)外道(げだう)現世(げんせ)(おい)て、163(なん)でも(かま)はぬ、164(くる)しみさへして()けば、165きつと他生(たしやう)(おい)て、166天国(てんごく)(うま)れ、167無限(むげん)歓楽(くわんらく)(よく)し、168百味(ひやくみ)飲食(おんじき)(あた)へられ、169栄耀(えいえう)栄華(えいぐわ)平和(へいわ)生活(せいくわつ)永遠(ゑいゑん)無限(むげん)(おく)られるものとなし、170人間(にんげん)として(いとな)むべき事業(じげふ)()さず深山(しんざん)幽谷(いうこく)()(ひそ)め、171火物断(ひものだち)をしたり、172穀食(こくじき)()け、173松葉(まつば)(しが)み、174(いも)などを()り、175空気(くうき)()ひ、176寒中(かんちう)真裸(まつぱだか)177真裸足(まつぱだし)となりて(さむ)さを(こら)へ、178(なつ)()()されて所有(あらゆる)(くる)しみをなし、179(その)()(むく)いを来世(らいせい)()むとする所謂(いはゆる)苦行(くぎやう)外道(げだう)である。180(この)外道(げだう)(また)今日(こんにち)随分(ずいぶん)彼方(あちら)此方(こちら)(あら)はれて()る。181さうして真理(しんり)(くら)現在(げんざい)人間(にんげん)はかかる苦行(くぎやう)外道(げだう)()して真人(しんじん)となし、182聖人(せいじん)(たふと)(かみ)(ほとけ)(ごと)尊敬(そんけい)するものである。183()かる苦行(くぎやう)外道(げだう)尊敬(そんけい)する人間(にんげん)(また)184同気(どうき)相求(あひもと)むるの()によつて()らず()らずに地獄道(ぢごくだう)(せき)()いて()小外道(せうげだう)である。185(つぎ)に、
186 カクダカー・トヤーヤナ、187この外道(げだう)はバンロギズム(汎理論(はんりろん))、188スピリチュアリスチック・バンセイズム(唯心(ゆゐしん)(てき)汎神論(はんしんろん))だとか、189バンフシギズム(汎心論(はんしんろん))だとか、190アーセイズム(無神論(むしんろん))だとか、191ブルラリズム(多元論(たげんろん))だとか、192モニズム(一元論(いちげんろん))だとか(あるひ)はソシアリズム(社会(しやくわい)主義(しゆぎ))アナーキズム(無政府(むせいふ)主義(しゆぎ))だとか、193ニヒリズム(虚無(きよむ)主義(しゆぎ))だとか、194コンミュニズム(共産(きようさん)主義(しゆぎ))だとか、195種々(しゆじゆ)雑多(ざつた)利己(りこ)(てき)196形体(けいたい)(てき)197自然(しぜん)(てき)198世界(せかい)(てき)(あい)(たい)して意見(いけん)(さかん)主張(しゆちやう)し、199無形(むけい)霊界(れいかい)(たい)して一瞥(いちべつ)()れず、200(かつ)霊界(れいかい)神仏(しんぶつ)無視(むし)しながらも、201現界(げんかい)(おい)ても徹底(てつてい)する(あた)はず、202霊界(れいかい)(おい)ては等閑(なほざり)ながらも、203(ある)(とき)(すこ)しく霊界(れいかい)存在(そんざい)(みと)めて()たり、204(ある)(とき)現界(げんかい)(ばか)りに執着(しふちやく)したり、205精神(せいしん)帰着点(きちやくてん)(うしな)ふたり、206二途(にと)不摂(ふせつ)異見(いけん)外道(げだう)である。207(つぎ)に、
208 ニルケラントー・ヂニヤー・ヂブトラ、209(この)外道(げだう)は、210人間(にんげん)苦楽(くらく)()ふものは(もと)から因縁(いんねん)(きま)つて()るものだ。211(たと)へば三碧(さんぺき)(ほし)はどうだとか、212九紫(きうし)(ほし)はどうだとか、213()(とし)(うま)れたからどうの、214(うし)(とし)(うま)れたからどうだとか、215身魂(みたま)因縁(いんねん)()いとか(わる)いとか、216宿命説(しゆくめいせつ)堕落(だらく)した宿命(しゆくめい)外道(げだう)である。217(かか)宿命(しゆくめい)外道(げだう)如何(いか)(ほど)神仏(しんぶつ)信仰(しんかう)するとも、218自分(じぶん)(さだ)まつた運命(うんめい)転換(てんくわん)する(こと)出来(でき)ない。219何事(なにごと)運命(うんめい)(あきら)めて(その)(みち)(じゆん)ずるより(ほか)はない。220オタマ杓子(じやくし)(なまづ)()てゐるが、221(すこ)(おほ)きくなると手足(てあし)()へて(かへる)になつて(しま)ふ。222どうしても(なまづ)になる(こと)出来(でき)ない。223それ(ゆゑ)因縁(いんねん)(わる)いものが(かみ)(しん)じた(ところ)(まこと)(つく)した(ところ)(けつ)して立派(りつぱ)なものになれさうな(こと)はない。224(なに)前世(ぜんせ)因縁(いんねん)性来(しやうらい)だと断定(だんてい)をくだす無明(むみやう)暗黒(あんこく)なる常見(じやうけん)外道(げだう)であるが、225(かく)(ごと)外道(げだう)は、226(いづ)れも(かみ)(あるひ)(ほとけ)以外(いぐわい)所見(しよけん)にして、227(おのおの)一派(いつぱ)学説(がくせつ)()て、228科学(くわがく)立脚(りつきやく)したる霊魂(れいこん)研究(けんきう)でなければ駄目(だめ)だとか、229(あるひ)神仏(しんぶつ)()標榜(へうぼう)する(こと)()(きら)ひ、230太霊道(たいれいだう)だとか、231二灯園(にとうゑん)だとか、232(あるひ)何々会(なになにくわい)だとか、233勝手(かつて)()()して霊界(れいかい)研究(けんきう)せむとする所謂(いはゆる)常見(じやうけん)外道(げだう)である。234現代(げんだい)(この)外道(げだう)(もつと)蔓延(まんえん)神仏(しんぶつ)()(とな)ふるよりも霊智学(れいちがく)とか、235神霊(しんれい)研究(けんきう)だとか、236霊学(れいがく)研究会(けんきうくわい)だとか()科学(くわがく)(てき)名称(めいしよう)(かく)るるを(もつ)文明人(ぶんめいじん)態度(たいど)らしく(よそほ)ひ、237(あり)(あま)きに(つど)ふが(ごと)(あつ)まり(きた)つて、238(くも)彼方(かなた)(ほし)(さぐ)らふとする(ごと)外道(げだう)である。239(かく)(ごと)きニルケラントー・ヂニヤー・ヂブトラは三五教(あななひけう)(うち)からも折々(をりをり)発生(はつせい)したものである。240(いづ)れも自尊(じそん)主義(しゆぎ)慢心(まんしん)から、241(かか)外道(げだう)()らず()らず堕落(だらく)するのである。
242 (ついで)十二(じふに)因縁(いんねん)略解(りやくかい)して()く、243人間(にんげん)には、
 
244 一、無明(むみやう)、  アヸドヤー
245 二、(ぎやう)、  サンスカーラ
246 三、(しき)、  ボヂニヤーナ
247 四、名色(みやうしき)、  ナーマルーバ
248 五、六入(ろくにふ)、  サダーヤタナ
249 六、(しよく)、  スバルシャ
250 七、()、  エータナー
251 八、(あい)、  ツルシューナー
252 九、(しゆ)、  ウバーダーナ
253 十、()、  バヷ
254 十一、(しやう)、  ヂャーチ
255 十二、老死(らうし)、  ヂャラー・マラナ
 
256十二(じふに)因縁(いんねん)がある。
257 無明(むみやう)とは、258過去(くわこ)一切(いつさい)煩悩(ぼんなう)()ひ、259(ぎやう)とは過去(くわこ)煩悩(ぼんなう)造作(ざうさ)()ひ、260(しき)とは現世(げんせ)(はは)体中(たいちう)(たく)する陰妄(いんばう)意識(いしき)()ふ。261名色(みやうしき)(みやう)とは(こころ)四蘊(しうん)であり、262(しき)とは形質(けいしつ)一蘊(いちうん)である。263六入(ろくにふ)とは、264(はは)体中(たいちう)にある(うち)(おい)六根(ろくこん)(じやう)ずるを()ふ。265(しよく)とは三四(さんし)(さい)(まで)外的(ぐわいてき)塵埃(ぢんあい)根元(こんげん)()るるを(おぼ)ゆる状態(じやうたい)()ふ。266()とは(うま)れて五六(ごろく)(さい)より十二三(じふにさん)(さい)(まで)(あひだ)(つよ)外部(ぐわいぶ)塵埃(ぢんあい)()けて、267好悪(かうを)識別(しきべつ)(おこ)すを()ふ。268(あい)とは十四五(じふしご)(さい)より十八九(じふはちく)(さい)までの(あひだ)外塵(ぐわいぢん)(むさぼ)(あい)する念慮(ねんりよ)(おこ)すを()ふ。269(しゆ)とは二十(にじつ)(さい)以後(いご)一層(いつそう)(つよ)く、270外塵(ぐわいぢん)執着(しふちやく)(ねん)(しやう)ずるを()ふ。271()とは、272未来(みらい)三有(さんう)(くわ)(まね)くべき種々(しゆじゆ)業因(ごふいん)造作(ざうさ)し、273積集(せきしふ)するを()ふ。274(しやう)とは未来(みらい)六道(ろくだう)(また)八衢(やちまた)(うち)(しやう)ずるを()ふ。275老死(らうし)とは未来(みらい)愛生(あいしやう)身体(からだ)276(また)(つひ)朽壊(きうくわい)するを()ふ。277この十二(じふに)因縁(いんねん)はどうしても人間(にんげん)として()くべからざる(こと)である。278(しか)(なが)ら、279(この)十二(じふに)因縁(いんねん)関門(くわんもん)通過(つうくわ)して(はじ)めて人間(にんげん)(かみ)生涯(しやうがい)()り、280永遠(ゑいゑん)無窮(むきう)(しん)生命(せいめい)()つて、281天人(てんにん)(てき)生活(せいくわつ)(おく)るべきものである。282(しか)るに(すべ)ての(おほ)くの人間(にんげん)九十五(くじふご)(しゆ)外道(げだう)のために身心(しんしん)(くも)らされ(たちま)地獄道(ぢごくだう)(すす)()り、283宇宙(うちう)大元霊(だいげんれい)たる(かみ)(そむ)き、284無限(むげん)()()むるに(いた)るものが(おほ)い。285(ゆゑ)(かみ)は、286厳瑞(げんずゐ)二霊(にれい)地上(ちじやう)(くだ)天国(てんごく)福音(ふくいん)(あまね)宣伝(せんでん)せしめ、287一人(ひとり)(のこ)らず天国(てんごく)住民(ぢゆうみん)たらしめむと、288聖霊(せいれい)(みた)して予言者(よげんしや)(きた)らせ(たま)ふたのである。289如何(いか)現世(げんせ)(おい)聖人(せいじん)賢人(けんじん)290有徳者(うとくしや)(とな)へらるる(とも)291霊界(れいかい)消息(せうそく)(つう)ぜず、292(かみ)恩恵(おんけい)()みするものは、293(その)(こころ)(すで)(かみ)(そむ)けるが(ゆゑ)に、294到底(たうてい)天国(てんごく)生涯(しやうがい)(おく)(こと)出来難(できがた)いものである。295約束(やくそく)なき(すく)ひは(けつ)して(もと)められないものである。296(ゆゑ)(かみ)(さき)にシャキャームニ・タダーガタを(くだ)して霊界(れいかい)消息(せうそく)世人(せじん)(しめ)(たま)ひ、297(また)ハリストスやマホメット(その)()真人(しんじん)予言者(よげんしや)として地上(ちじやう)(くだ)し、298万民(ばんみん)天国(てんごく)(すく)約束(やくそく)()れさせられた。299されど九十五(くじふご)(しゆ)外道(げだう)跋扈(ばつこ)(はなは)だしく、300(かみ)約束(やくそく)(しん)ずるもの(ほとん)()きに(いた)つた。301それ(ゆゑ)()益々(ますます)暗黒(あんこく)となり、302餓鬼(がき)303畜生(ちくしやう)304修羅(しゆら)(ちまた)となつて仕舞(しま)つた。305(ここ)至仁(しじん)至愛(しあい)なる(すめ)大神(おほかみ)は、306この惨状(さんじやう)(すく)はむが(ため)に、307厳瑞(げんずゐ)二霊(にれい)地上(ちじやう)(くだ)し、308万民(ばんみん)神約(しんやく)()(たま)ふたのである。309ああされど無明(むみやう)暗黒(あんこく)(うち)(しづ)める一切(いつさい)衆生(しゆじやう)救世(きうせい)慈音(じおん)(みみ)(かたむ)くる(もの)(すくな)い。310(じつ)(おも)うて()れば悲惨(ひさん)(きは)みである。311ああ惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
312大正一二・三・二四 旧二・八 於伯耆国皆生温泉浜屋 加藤明子録)
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10/22【霊界物語ネット】王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)』をテキスト化しました。
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