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第57巻(申の巻)
序文
総説歌
第1篇 照門山颪
01 大山
〔1451〕
02 煽動
〔1452〕
03 野探
〔1453〕
04 妖子
〔1454〕
05 糞闘
〔1455〕
06 強印
〔1456〕
07 暗闇
〔1457〕
08 愚摺
〔1458〕
第2篇 顕幽両通
09 婆娑
〔1459〕
10 転香
〔1460〕
11 鳥逃し
〔1461〕
12 三狂
〔1462〕
13 悪酔怪
〔1463〕
14 人畜
〔1464〕
15 糸瓜
〔1465〕
16 犬労
〔1466〕
第3篇 天上天下
17 涼窓
〔1467〕
18 翼琴
〔1468〕
19 抱月
〔1469〕
20 犬闘
〔1470〕
21 言触
〔1471〕
22 天葬
〔1472〕
23 薬鑵
〔1473〕
24 空縛
〔1474〕
25 天声
〔1475〕
余白歌
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第九章
婆娑
(
ばしや
)
〔一四五九〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第57巻 真善美愛 申の巻
篇:
第2篇 顕幽両通
よみ(新仮名遣い):
けんゆうりょうつう
章:
第9章 婆娑
よみ(新仮名遣い):
ばしゃ
通し章番号:
1459
口述日:
1923(大正12)年03月25日(旧02月9日)
口述場所:
皆生温泉 浜屋
筆録者:
加藤明子
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1925(大正14)年5月24日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
高姫はシャルと共にあばら家でさ湯を飲みながら、ブツブツ不機嫌な顔で小言をつぶやいている。日の出神なら陽気を温かくしてほしいとシャルが口答えすると、高姫はいつもの屁理屈で説教しにかかった。
口答えするのも面倒になったシャルは、高姫の言うとおりに四つ辻に新しい見込み信者を引っ張り込みに文句をブツブツ言いながら出かけて行った。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
rm5709
愛善世界社版:
119頁
八幡書店版:
第10輯 302頁
修補版:
校定版:
125頁
普及版:
55頁
初版:
ページ備考:
001
霜
(
しも
)
に
打
(
う
)
たれて
茶滓
(
ちやかす
)
のやうになつた
椋
(
むく
)
の
葉
(
は
)
は、
002
凩
(
こがらし
)
に
吹
(
ふ
)
かれてハラハラと
小鳥
(
ことり
)
の
群
(
むれ
)
立
(
た
)
つやうに
四辺
(
あたり
)
に
飛
(
と
)
び
散
(
ち
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
003
木
(
こ
)
の
葉
(
は
)
の
羽衣
(
はごろも
)
を
脱
(
ぬ
)
いだ
栗
(
くり
)
の
梢
(
こずゑ
)
には
成育
(
せいいく
)
悪
(
あ
)
しき
虫
(
むし
)
の
綴
(
つづ
)
つた
毬栗
(
いがぐり
)
が
二
(
ふた
)
つ
三
(
み
)
つ
蜘蛛
(
くも
)
の
巣
(
す
)
と
共
(
とも
)
に
中空
(
ちうくう
)
に
慄
(
ふる
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
004
鴉
(
からす
)
は
皺嗄声
(
しわがれごゑ
)
を
出
(
だ
)
して
岩窟
(
いはや
)
の
麓
(
ふもと
)
の
屑屋葺
(
くづやぶき
)
の
屋根
(
やね
)
にとまつて
悲
(
かな
)
しげに
鳴
(
な
)
き
立
(
た
)
てる。
005
どこともなしにボーンボーンと
諸行
(
しよぎやう
)
無常
(
むじやう
)
を
告
(
つ
)
ぐる
梵鐘
(
ぼんしよう
)
が
聞
(
きこ
)
えて
来
(
く
)
る。
006
鬼哭
(
きこく
)
耿々
(
しうしう
)
として
寂寥
(
せきれう
)
身
(
み
)
に
迫
(
せま
)
り、
007
歯
(
は
)
の
根
(
ね
)
も
合
(
あ
)
はぬガタガタ
慄
(
ぶる
)
ひ、
008
破
(
やぶ
)
れ
障子
(
しやうじ
)
の
隙間
(
すきま
)
から
耳
(
みみ
)
を
射
(
さ
)
すやうな
凩
(
こがらし
)
がピウピウと
矢
(
や
)
のやうに
這入
(
はい
)
つて
来
(
く
)
る。
009
黒
(
くろ
)
ずんだ
破
(
やぶ
)
れ
畳
(
だたみ
)
は
歩
(
ある
)
く
度
(
たび
)
毎
(
ごと
)
に
足
(
あし
)
にもつれつき、
010
幾度
(
いくたび
)
となく
人
(
ひと
)
を
転
(
ころ
)
ばして
笑
(
わら
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
011
霜柱
(
しもばしら
)
は
覚束
(
おぼつか
)
なげに
一本橋
(
いつぽんばし
)
を
真白
(
まつしろ
)
けに
染
(
そ
)
め、
012
川水
(
かはみづ
)
は
直濁
(
ひたにごり
)
に
濁
(
にご
)
り、
013
岩
(
いは
)
を
噛
(
か
)
んでは
吠猛
(
ほえたけ
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
014
高姫
(
たかひめ
)
はシャルと
共
(
とも
)
に
裏
(
うら
)
の
岩山
(
いはやま
)
から
小柴
(
こしば
)
の
朽
(
く
)
ちた、
015
半
(
なかば
)
水
(
みづ
)
を
含
(
ふく
)
んだ
枯枝
(
かれえだ
)
を
拾
(
ひろ
)
ひ
来
(
きた
)
り、
016
縁
(
ふち
)
の
欠
(
か
)
けた
囲爐裏
(
ゐろり
)
に
燻
(
くす
)
べ、
017
耳
(
みみ
)
の
欠
(
か
)
けた
四角
(
しかく
)
い
湯釜
(
ゆがま
)
を
天釣
(
てんどり
)
に
釣
(
つ
)
り
下
(
さ
)
げ、
018
真黒
(
まつくろ
)
けの
竹
(
たけ
)
の
柄杓
(
ひしやく
)
で
汲
(
く
)
んでは
飲
(
の
)
み、
019
汲
(
く
)
んでは
飲
(
の
)
み、
020
燻
(
くすぶ
)
つた
顔
(
かほ
)
をつき
合
(
あは
)
せ
乍
(
なが
)
ら
目玉
(
めだま
)
計
(
ばか
)
りを
キヨロ
づかせ、
021
又
(
また
)
煽
(
あふ
)
り
乍
(
なが
)
ら、
022
何
(
なに
)
かブツブツ
不機嫌
(
ふきげん
)
な
顔
(
かほ
)
をして
囁
(
ささや
)
いて
居
(
ゐ
)
る。
023
高姫
(
たかひめ
)
『これシャル、
024
お
前
(
まへ
)
も
此処
(
ここ
)
へ
来
(
き
)
てから
大分
(
だいぶ
)
日日
(
ひにち
)
が
立
(
た
)
つたやうだが、
025
もう
些
(
ちつ
)
と
此
(
この
)
生宮
(
いきみや
)
の
精神
(
せいしん
)
が
分
(
わか
)
りさうなものぢやないか。
026
朝
(
あさ
)
から
晩
(
ばん
)
迄
(
まで
)
灰猫
(
はひねこ
)
のやうに
囲炉裏
(
ゐろり
)
の
傍
(
そば
)
にヘバリついて、
027
湯
(
ゆ
)
ばかり
餓鬼
(
がき
)
の
様
(
やう
)
にガブガブ
呑
(
の
)
んで
居
(
ゐ
)
ないで、
028
些
(
ちつ
)
と
外
(
そと
)
へ
出
(
で
)
て
活動
(
くわつどう
)
しては
如何
(
どう
)
だい。
029
第一
(
だいいち
)
霊国
(
れいごく
)
の
天人
(
てんにん
)
の
身魂
(
みたま
)
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
の
生宮
(
いきみや
)
に
亡者引
(
もさひき
)
をさして、
030
お
前
(
まへ
)
は
灰猫爺
(
はひねこおやぢ
)
の
様
(
やう
)
に
燻
(
くすぶ
)
つて
居
(
ゐ
)
ても、
031
社会
(
しやくわい
)
の
為
(
ため
)
貢献
(
こうけん
)
する
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
ないぢやないか。
032
些
(
ちつ
)
と
活動
(
くわつどう
)
して
貰
(
もら
)
はなくては、
033
どうしてウラナイ
教
(
けう
)
のお
道
(
みち
)
が
開
(
ひら
)
けますかい。
034
お
前
(
まへ
)
サンも
見掛
(
みかけ
)
によらぬ
どたふし
ものだなア』
035
シャル『そりや
何
(
なに
)
をおつシャールのだ、
036
よう
考
(
かんが
)
へて
御覧
(
ごらん
)
なさい。
037
斯
(
か
)
う
俄
(
にはか
)
に
陽気
(
やうき
)
が
悪
(
わる
)
くなり
夜
(
よる
)
とも
昼
(
ひる
)
とも
分
(
わか
)
らぬやうな
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
にどうして
活動
(
くわつどう
)
が
出来
(
でき
)
ますか。
038
外
(
そと
)
はビユウビユウと
凩
(
こがらし
)
が
吹
(
ふ
)
き、
039
霜柱
(
しもばしら
)
が
立
(
た
)
つて
鴉
(
からす
)
さへも
怖
(
こは
)
さうに
啼
(
な
)
いて
居
(
ゐ
)
るぢやありませぬか。
040
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
の
生宮
(
いきみや
)
なら
些
(
ちつ
)
と
日輪
(
にちりん
)
様
(
さま
)
でも
昇
(
のぼ
)
つて
貰
(
もら
)
つて
陽気
(
やうき
)
が
暖
(
あたた
)
かくなるやうにして
下
(
くだ
)
さい。
041
どれ
程
(
ほど
)
活動
(
くわつどう
)
しようと
思
(
おも
)
うても
体
(
からだ
)
が
縮
(
ちぢ
)
こまつて、
042
寒
(
さむ
)
うて
淋
(
さび
)
しうて
何
(
なん
)
だか
怖
(
おそ
)
ろしうて
手
(
て
)
も
足
(
あし
)
も
出
(
だ
)
せないぢやありませぬか。
043
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
様
(
さま
)
も
好
(
よ
)
い
加減
(
かげん
)
なものですよ。
044
これ
程
(
ほど
)
毎日
(
まいにち
)
日日
(
ひにち
)
頼
(
たの
)
むのに
日一日
(
ひいちにち
)
と
寒
(
さむ
)
くなる
計
(
ばか
)
り、
045
こんな
薄着
(
うすぎ
)
でどうして
日
(
ひ
)
が
越
(
こ
)
せませうか』
046
高姫
(
たかひめ
)
『エエ
訳
(
わけ
)
の
分
(
わか
)
らぬ
トマ
助
(
すけ
)
だなア。
047
いつも
云
(
い
)
ふ
通
(
とほ
)
り
苦労
(
くらう
)
の
塊
(
かたまり
)
の
花
(
はな
)
が
咲
(
さ
)
く
御教
(
みをしへ
)
だ。
048
寒
(
さむ
)
い
目
(
め
)
をするのも
飢
(
ひだる
)
い
目
(
め
)
をするのも
苦
(
くるし
)
い
目
(
め
)
をするのも
皆
(
みな
)
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
のお
恵
(
めぐみ
)
だよ。
049
現世
(
げんせ
)
は
仮
(
かり
)
の
世
(
よ
)
と
云
(
い
)
うて、
050
限
(
かぎ
)
りがある。
051
どうせ
一度
(
いちど
)
は
死
(
し
)
なねばなりませぬよ。
052
死
(
し
)
んでから、
053
エターナルに
無上
(
むじやう
)
の
歓喜
(
くわんき
)
を
摂受
(
せつじゆ
)
し、
054
天国
(
てんごく
)
の
住民
(
ぢゆうみん
)
として
暮
(
くら
)
さうと
思
(
おも
)
へば、
055
五十
(
ごじふ
)
年
(
ねん
)
や
百
(
ひやく
)
年
(
ねん
)
寒
(
さむ
)
い
目
(
め
)
をしたつて
飢
(
ひだる
)
い
目
(
め
)
をしたつて
易
(
やす
)
いものだ。
056
肉体
(
にくたい
)
を
苦
(
くる
)
しめて、
057
霊
(
みたま
)
を
鍛
(
きた
)
へ
上
(
あ
)
げ、
058
立派
(
りつぱ
)
な
立派
(
りつぱ
)
な
神
(
かみ
)
の
生宮
(
いきみや
)
となるのだよ。
059
此
(
この
)
高姫
(
たかひめ
)
の
事
(
こと
)
を
考
(
かんが
)
へて
御覧
(
ごらん
)
なさい。
060
何程
(
なにほど
)
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
の
生宮
(
いきみや
)
と
云
(
い
)
うたつて、
061
肉体
(
にくたい
)
が
有
(
あ
)
る
限
(
かぎ
)
り
矢張
(
やつぱ
)
りお
前
(
まへ
)
サンと
同
(
おな
)
じやうに
寒
(
さむ
)
い
時
(
とき
)
には
寒
(
さむ
)
い、
062
飢
(
ひだる
)
い
時
(
とき
)
には
飢
(
ひだる
)
いのだ。
063
結構
(
けつこう
)
な
火
(
ひ
)
と
水
(
みづ
)
とを
戴
(
いただ
)
いて
喉
(
のど
)
が
乾
(
かわ
)
けば
水
(
みづ
)
を
頂
(
いただ
)
き
寒
(
さむ
)
ければ
火
(
ひ
)
を
戴
(
いただ
)
いて
暖
(
あたた
)
まる、
064
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
ふ
勿体
(
もつたい
)
ない
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
ふのだえ。
065
火
(
ひ
)
と
水
(
みづ
)
とお
土
(
つち
)
との
御恩
(
ごおん
)
を
忘
(
わす
)
れては
人間
(
にんげん
)
は
此
(
この
)
世
(
よ
)
に
立
(
た
)
つてゆけないと
何時
(
いつ
)
も
云
(
い
)
ふぢやありませぬか。
066
扨
(
さて
)
も
扨
(
さて
)
も
覚
(
おぼ
)
えの
悪
(
わる
)
い
健忘症
(
けんばうしやう
)
だなア、
067
苦
(
くる
)
しいのが
結構
(
けつこう
)
だよ。
068
苦
(
くる
)
しみの
後
(
あと
)
には
屹度
(
きつと
)
楽
(
たの
)
しみが
来
(
く
)
る、
069
寒
(
さむ
)
い
冬
(
ふゆ
)
の
後
(
あと
)
には
春
(
はる
)
が
来
(
く
)
る、
070
何程
(
なにほど
)
冬
(
ふゆ
)
を
春
(
はる
)
にしようとしても、
071
それは
天地
(
てんち
)
のお
規則
(
きそく
)
だから、
072
人間
(
にんげん
)
が
左右
(
さいう
)
する
事
(
こと
)
は
出来
(
でき
)
ませぬぞや』
073
シャル『
何
(
なに
)
程
(
ほど
)
、
074
火
(
ひ
)
の
御恩
(
ごおん
)
と
仰有
(
おつしや
)
つても、
075
こう
日月
(
じつげつ
)
の
光
(
ひかり
)
もなく、
076
四面
(
しめん
)
暗澹
(
あんたん
)
として
闇
(
やみ
)
が
砕
(
くだ
)
けたやうに、
077
空
(
そら
)
から
落
(
お
)
ちて
来
(
き
)
ては
根
(
ね
)
つから
火
(
ひ
)
も
暖
(
あたた
)
かうないぢやありませぬか。
078
此処
(
ここ
)
の
火
(
ひ
)
は、
079
何
(
なん
)
だか
水
(
みづ
)
の
中
(
なか
)
に
屁
(
へ
)
を
放
(
ひ
)
つたやうに
力
(
ちから
)
がありませぬわ。
080
何程
(
なんぼ
)
焚
(
た
)
いても
焚
(
た
)
いても
体
(
からだ
)
が
暖
(
あたた
)
まる
所
(
とこ
)
へはゆかず、
081
煙
(
けむ
)
たい
計
(
ばか
)
りで、
082
焚物
(
たきもの
)
迄
(
まで
)
が
腹
(
はら
)
を
立
(
た
)
てて、
083
ブツブツ
小言
(
こごと
)
を
云
(
い
)
ひ、
084
シユンシユンと
涙
(
なみだ
)
迄
(
まで
)
澪
(
こぼ
)
して
居
(
ゐ
)
るぢありませぬか。
085
こんな
火
(
ひ
)
にあたつたところで
燈明
(
とうみやう
)
の
火
(
ひ
)
で
尻
(
しり
)
を
炙
(
あぶ
)
つて
居
(
ゐ
)
るやうなものです。
086
此
(
この
)
頃
(
ごろ
)
の
火
(
ひ
)
は
老耄
(
おいぼれ
)
たのでせうか、
087
テント
勢力
(
せいりよく
)
がありませぬわ』
088
高姫
(
たかひめ
)
『コレ、
089
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
ふ
勿体
(
もつたい
)
ない
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
ふのだい。
090
お
燈明
(
とうみやう
)
で
尻
(
しり
)
を
炙
(
あぶ
)
つたやうだなどとは
怪体
(
けたい
)
の
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
ふぢやないか。
091
お
前
(
まへ
)
さまは
霊
(
みたま
)
が
悪
(
わる
)
いから、
092
精霊
(
せいれい
)
が
籍
(
せき
)
を
八寒
(
はつかん
)
地獄
(
ぢごく
)
に
置
(
お
)
いて
居
(
ゐ
)
るから、
093
それで
寒
(
さむ
)
いのだよ。
094
妾
(
わたし
)
のやうに
御
(
ご
)
神徳
(
しんとく
)
を
頂
(
いただ
)
きなさい。
095
精霊
(
せいれい
)
は
地獄
(
ぢごく
)
、
096
肉体
(
にくたい
)
は
八衢
(
やちまた
)
に
彷徨
(
さまよ
)
うて
居
(
を
)
るやうな
事
(
こと
)
で、
097
どうして
神
(
かみ
)
の
生宮
(
いきみや
)
と
云
(
い
)
へますか』
098
シャル『
何
(
なん
)
だか
知
(
し
)
りませぬが、
099
高姫
(
たかひめ
)
さまの
仰有
(
おつしや
)
る
事
(
こと
)
は
些
(
ちつ
)
とも
腹
(
はら
)
に
這入
(
はい
)
りませぬがなア』
100
高姫
(
たかひめ
)
『
定
(
きま
)
つた
事
(
こと
)
だよ、
101
そこら
中
(
ぢう
)
泥坊
(
どろばう
)
に
歩
(
ある
)
いて
居
(
ゐ
)
たやうな
悪党者
(
あくたうもの
)
だから、
102
一旦
(
いつたん
)
染
(
し
)
み
込
(
こ
)
んだ
灰汁
(
あく
)
は
容易
(
ようい
)
に
落
(
お
)
ちはせぬワイ。
103
誠水晶
(
まことすゐしやう
)
の
塊
(
かたまり
)
の
日本
(
やまと
)
魂
(
だましひ
)
の
結構
(
けつこう
)
な
結構
(
けつこう
)
な
生宮
(
いきみや
)
さまの
身魂
(
みたま
)
と、
104
蛆虫
(
うじ
)
の
生
(
わ
)
いた
糞
(
くそ
)
まぶれの
身魂
(
みたま
)
とはどうしてもバツが
合
(
あ
)
はないのは
当然
(
たうぜん
)
だ。
105
何
(
なに
)
を
云
(
い
)
うても
最奥
(
さいあう
)
第一
(
だいいち
)
霊国
(
れいごく
)
と
最下層
(
さいかそう
)
地獄
(
ぢごく
)
に
霊
(
みたま
)
を
置
(
お
)
いて
居
(
ゐ
)
る
者
(
もの
)
との
応対
(
おうたい
)
だから、
106
妾
(
わし
)
が
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
が
分
(
わか
)
らぬのも
無理
(
むり
)
はないが、
107
併
(
しか
)
しこう
永
(
なが
)
らく
妾
(
わし
)
の
傍
(
そば
)
に
居
(
を
)
るのだから、
108
も
少
(
すこ
)
しは
身魂
(
みたま
)
が
研
(
みが
)
けさうなものだが
矢張
(
やつぱり
)
身魂
(
みたま
)
が
我羅苦多
(
がらくた
)
だから
骨
(
ほね
)
の
折
(
を
)
れる
事
(
こと
)
だよ。
109
毎日
(
まいにち
)
日日
(
ひにち
)
お
前
(
まへ
)
一人
(
ひとり
)
にかかつて
言霊
(
ことたま
)
の
原料
(
げんれう
)
が
無
(
な
)
くなるほど
説
(
と
)
き
諭
(
さと
)
して
居
(
ゐ
)
るのに、
110
鵜
(
う
)
の
毛
(
け
)
の
露
(
つゆ
)
程
(
ほど
)
も
改心
(
かいしん
)
が
出来
(
でき
)
てゐないぢやないか、
111
盲
(
めくら
)
聾
(
つんぼ
)
と
云
(
い
)
ふものは、
112
どうにもかうにも
料理
(
れうり
)
の
仕様
(
しやう
)
が
無
(
な
)
いものぢやなア。
113
天人
(
てんにん
)
の
霊
(
みたま
)
にこの
高姫
(
たかひめ
)
が
一言
(
ひとこと
)
云
(
い
)
うて
分
(
わか
)
る
事
(
こと
)
を、
114
地獄霊
(
ぢごくみたま
)
のお
前
(
まへ
)
には
数百万
(
すうひやくまん
)
言
(
げん
)
を
費
(
つひや
)
さねばならぬのだから、
115
本当
(
ほんたう
)
に
厄介者
(
やつかいもの
)
を
引張
(
ひつぱり
)
込
(
こ
)
んだものだ。
116
是
(
これ
)
でも
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
は
至仁
(
しじん
)
至愛
(
しあい
)
だからトコトン
改心
(
かいしん
)
させねばならぬ。
117
お
前
(
まへ
)
さへ
改心
(
かいしん
)
して
呉
(
く
)
れたなら、
118
世界中
(
せかいぢう
)
一遍
(
いつぺん
)
に
改心
(
かいしん
)
すると
底津
(
そこつ
)
岩根
(
いはね
)
の
大神
(
おほかみ
)
様
(
さま
)
が
仰有
(
おつしや
)
るのだから
何卒
(
どうぞ
)
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
が
手
(
て
)
を
合
(
あは
)
して
頼
(
たの
)
むから、
119
聞
(
き
)
いて
下
(
くだ
)
さい。
120
神
(
かみ
)
も
人
(
ひと
)
一人
(
ひとり
)
改心
(
かいしん
)
させようと
思
(
おも
)
へば
骨
(
ほね
)
が
折
(
を
)
れるぞよ。
121
チト
神
(
かみ
)
の
心
(
こころ
)
も
察
(
さつ
)
して
下
(
くだ
)
されよ。
122
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
の
生宮
(
いきみや
)
の
申
(
まを
)
した
事
(
こと
)
は
一分
(
いちぶ
)
一厘
(
いちりん
)
毛筋
(
けすぢ
)
の
横巾
(
よこはば
)
程
(
ほど
)
も
間違
(
まちが
)
ひは
厶
(
ござ
)
らぬぞよ』
123
シャル『
高姫
(
たかひめ
)
さま
貴女
(
あなた
)
の
仰有
(
おつしや
)
る
事
(
こと
)
は、
124
一
(
いち
)
から
十
(
じふ
)
迄
(
まで
)
間違
(
まちが
)
ひだらけぢやありませぬか。
125
一
(
ひと
)
つだつて
貴女
(
あなた
)
の
仰有
(
おつしや
)
つた
事
(
こと
)
が
的中
(
てきちう
)
した
事
(
こと
)
が
無
(
な
)
いぢやありませぬか。
126
よう
其
(
そ
)
れ
程
(
ほど
)
間違
(
まちが
)
つた
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
うて
置
(
お
)
いて、
127
自分
(
じぶん
)
から
愛想
(
あいそ
)
が
尽
(
つ
)
きない
事
(
こと
)
ですな。
128
……
明日
(
あす
)
は
日輪
(
にちりん
)
さまを
出
(
だ
)
してやらう、
129
若
(
も
)
しこれが
間違
(
まちが
)
つたら
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
は
此
(
この
)
世
(
よ
)
に
居
(
を
)
らぬぞよ……と
啖呵
(
たんか
)
を
切
(
き
)
つて
置
(
お
)
きながら、
130
其
(
その
)
日
(
ひ
)
になるとザアザアと
雨
(
あめ
)
が
降
(
ふ
)
り、
131
そこらが
真黒
(
まつくろ
)
けになつたぢやありませぬか。
132
其
(
その
)
時
(
とき
)
になつてお
前
(
まへ
)
さまは
何
(
ど
)
んな
顔
(
かほ
)
をなさるかと
考
(
かんが
)
へて
居
(
を
)
れば……アア
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
様
(
さま
)
御
(
ご
)
苦労
(
くらう
)
様
(
さま
)
で
厶
(
ござ
)
います。
133
日輪
(
にちりん
)
様
(
さま
)
がお
上
(
あが
)
りなさらないのも
御
(
ご
)
無理
(
むり
)
は
厶
(
ござ
)
いませぬ。
134
此
(
この
)
高姫
(
たかひめ
)
の
傍
(
そば
)
には
身魂
(
みたま
)
の
曇
(
くも
)
つたものが
シヤツ
ついて
居
(
を
)
るから、
135
仕様
(
しやう
)
が
厶
(
ござ
)
いませぬ……とか
何
(
なん
)
とか
甘
(
うま
)
い
理窟
(
りくつ
)
をつけて
澄
(
す
)
まし
込
(
こ
)
んで
厶
(
ござ
)
るのだから、
136
私
(
わたし
)
も
愛想
(
あいそ
)
が
尽
(
つ
)
きました。
137
よう
考
(
かんが
)
へて
御覧
(
ごらん
)
なさい、
138
仮令
(
たとへ
)
私
(
わたし
)
が
極悪人
(
ごくあくにん
)
であらうとも
一人
(
ひとり
)
の
為
(
ため
)
にお
日様
(
ひいさま
)
が
出
(
で
)
なかつたり、
139
空
(
そら
)
が
曇
(
くも
)
つたりするやうな
道理
(
だうり
)
がありますか、
140
万一
(
まんいち
)
私
(
わたし
)
に
曇
(
くも
)
りがある
為
(
ため
)
に
天地
(
てんち
)
が
曇
(
くも
)
るのなら
私
(
わたし
)
の
一挙
(
いつきよ
)
一動
(
いちどう
)
は
天地
(
てんち
)
に
感動
(
かんどう
)
して
居
(
を
)
るやうなもの、
141
そんな
偉
(
えら
)
い
者
(
もの
)
ぢやありますまい。
142
お
前
(
まへ
)
さまは
私
(
わたし
)
の
悪口
(
わるくち
)
を
云
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら
私
(
わたし
)
を
天地
(
てんち
)
稀
(
まれ
)
なる
比類
(
たぐひ
)
無
(
な
)
き
英雄
(
えいゆう
)
豪傑
(
がうけつ
)
にして
下
(
くだ
)
さつたやうなものだ。
143
其処辺
(
そこら
)
の
点
(
てん
)
がどうしても
私
(
わたし
)
には
合点
(
がつてん
)
がゆかないのですよ』
144
高姫
(
たかひめ
)
『エエ
何
(
なに
)
をつべこべと
下
(
くだ
)
らぬ
理窟
(
りくつ
)
を
云
(
い
)
ふのだえ。
145
お
前
(
まへ
)
は
因縁
(
いんねん
)
の
悪
(
わる
)
い
身魂
(
みたま
)
だからバラモン
教
(
けう
)
からは
追出
(
おひだ
)
され
小盗人
(
こぬすと
)
からは
除
(
は
)
ね
出
(
だ
)
され、
146
しよう
事
(
こと
)
なしにこの
高姫
(
たかひめ
)
の
尻
(
しり
)
に
喰
(
くら
)
ひついて
居
(
ゐ
)
るのぢやないか。
147
お
前
(
まへ
)
のやうな
我羅苦多
(
がらくた
)
が
天地
(
てんち
)
を
動
(
うご
)
かすやうな
力
(
ちから
)
はありさうな
事
(
こと
)
はない。
148
併
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
がお
前
(
まへ
)
を
世界悪
(
せかいあく
)
の
映象
(
えいぞう
)
として
三五教
(
あななひけう
)
の
変性
(
へんじやう
)
女子
(
によし
)
のやうに
型
(
かた
)
に
出
(
だ
)
して
厶
(
ござ
)
るのだから、
149
世界
(
せかい
)
の
悪身魂
(
あくみたま
)
がお
前
(
まへ
)
に
写
(
うつ
)
り、
150
お
前
(
まへ
)
の
悪身魂
(
あくみたま
)
が
世界
(
せかい
)
に
写
(
うつ
)
るのだ。
151
それだからお
前
(
まへ
)
さへ
改心
(
かいしん
)
して
呉
(
く
)
れたら
世界中
(
せかいぢう
)
が
改心
(
かいしん
)
致
(
いた
)
すと
云
(
い
)
ふのだよ。
152
この
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
は
天
(
てん
)
も
構
(
かま
)
へば
地
(
ち
)
も
構
(
かま
)
ふ、
153
又
(
また
)
八衢
(
やちまた
)
も
構
(
かま
)
ふ
大
(
おほ
)
ミロク
様
(
さま
)
の
太柱
(
ふとばしら
)
だから、
154
零落
(
おちぶ
)
れて
居
(
を
)
ると
思
(
おも
)
うて
侮
(
あなど
)
りて
居
(
を
)
ると、
155
スコタンを
喰
(
く
)
ふ
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
ますぞや。
156
先
(
さき
)
を
見
(
み
)
て
居
(
ゐ
)
て
下
(
くだ
)
され、
157
先
(
さき
)
になりてから、
158
……アア
高姫
(
たかひめ
)
さまは
立派
(
りつぱ
)
なお
方
(
かた
)
だつた、
159
こんな
事
(
こと
)
なら、
160
口答
(
くちごたへ
)
も
致
(
いた
)
さず、
161
も
些
(
ちつ
)
と
許
(
ばか
)
り
大事
(
だいじ
)
に
敬
(
うやま
)
うて
居
(
ゐ
)
たらよかつた……と
地団駄
(
ぢだんだ
)
踏
(
ふ
)
んでも
後
(
あと
)
の
祭
(
まつ
)
り、
162
何程
(
なにほど
)
其処
(
そこ
)
になりて……
改心
(
かいしん
)
致
(
いた
)
しますから
助
(
たす
)
けて
下
(
くだ
)
され……と
云
(
い
)
つても
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
は
知
(
し
)
りませぬぞや。
163
さうだから
今
(
いま
)
の
間
(
うち
)
に
柔順
(
おとな
)
しう
致
(
いた
)
して
素直
(
すなほ
)
になさるがお
主
(
ぬし
)
のお
得
(
とく
)
だ。
164
此
(
この
)
世
(
よ
)
でさへも
切替
(
きりかへ
)
があるのに
何
(
なに
)
をグヅグヅして
厶
(
ござ
)
るのだ。
165
早
(
はや
)
く
心
(
こころ
)
の
切替
(
きりかへ
)
をなさらぬかいナ』
166
シャル『
高姫
(
たかひめ
)
さま
本当
(
ほんたう
)
ですかいな。
167
そんな
事
(
こと
)
云
(
い
)
つて
大法螺
(
おほぼら
)
を
吹
(
ふ
)
くのぢやありませぬか、
168
口
(
くち
)
から
法螺
(
ほら
)
を
吹
(
ふ
)
き、
169
尻
(
しり
)
から
喇叭
(
ラツパ
)
を
吹
(
ふ
)
くのは
当世
(
たうせい
)
の
流行
(
りうかう
)
ものですからなア』
170
高姫
(
たかひめ
)
『それはお
前
(
まへ
)
の
悪
(
あく
)
が
水晶
(
すいしやう
)
の
鏡
(
かがみ
)
の
此
(
この
)
生宮
(
いきみや
)
に
写
(
うつ
)
つて
居
(
を
)
るのだよ。
171
……
人
(
ひと
)
の
事
(
こと
)
だと
思
(
おも
)
うて
居
(
を
)
ると
皆
(
みな
)
吾
(
わが
)
事
(
こと
)
だぞよ……と
変性
(
へんじやう
)
男子
(
なんし
)
のお
筆
(
ふで
)
に
出
(
で
)
て
居
(
を
)
るぢやありませぬか、
172
犬
(
いぬ
)
が
魚
(
さかな
)
を
銜
(
くわ
)
へて
一本橋
(
いつぽんばし
)
の
上
(
うへ
)
を
渡
(
わた
)
ると、
173
水
(
みづ
)
の
底
(
そこ
)
にも
亦
(
また
)
一匹
(
いつぴき
)
の
犬
(
いぬ
)
が
居
(
ゐ
)
て
魚
(
さかな
)
を
銜
(
くわ
)
へ
倒
(
さかさ
)
に
立
(
た
)
てつて
歩
(
ある
)
いて
居
(
ゐ
)
るのを
見
(
み
)
て……
此奴
(
こいつ
)
怪
(
け
)
しからぬ
奴
(
やつ
)
だ、
174
足
(
あし
)
を
天
(
てん
)
にし
背中
(
せなか
)
を
地
(
ち
)
にして
歩
(
ある
)
いて
居
(
ゐ
)
る。
175
一
(
ひと
)
つ
叱
(
しか
)
つてやれ……と、
176
ワンと
云
(
い
)
うた
途端
(
とたん
)
に
口
(
くち
)
に
銜
(
くわ
)
へて
居
(
ゐ
)
た
魚
(
さかな
)
がバツサリと
水
(
みづ
)
の
中
(
なか
)
へ
落
(
お
)
ちたと
云
(
い
)
ふ
話
(
はなし
)
があるだらう。
177
恰度
(
ちやうど
)
お
前
(
まへ
)
さまは
橋
(
はし
)
の
上
(
うへ
)
の
犬
(
いぬ
)
だ。
178
水晶
(
すいしやう
)
の
水鏡
(
みづかがみ
)
、
179
即
(
すなは
)
ち
高姫
(
たかひめ
)
の
霊
(
みたま
)
にお
前
(
まへ
)
の
醜
(
みにく
)
い
霊
(
みたま
)
が
写
(
うつ
)
つて
何事
(
なにごと
)
も
逆様
(
さかさま
)
に
取
(
と
)
られるのだぞよ。
180
蟇蛙
(
ひきがへる
)
の
膏
(
あぶら
)
を
取
(
と
)
る
時
(
とき
)
には
四方
(
しはう
)
八方
(
はつぱう
)
ガラスを
立
(
た
)
てた
箱
(
はこ
)
に
入
(
い
)
れて
置
(
お
)
くと、
181
四方
(
しはう
)
八方
(
はつぱう
)
に
自分
(
じぶん
)
の
醜
(
みにく
)
い
姿
(
すがた
)
が
写
(
うつ
)
るので、
182
自分
(
じぶん
)
の
敵
(
かたき
)
と
思
(
おも
)
ひ、
183
彼方
(
あつち
)
へ
突
(
つ
)
き
当
(
あた
)
り、
184
此方
(
こつち
)
に
飛
(
と
)
びつき、
185
終
(
しまひ
)
の
果
(
はて
)
にはすつかり
疲
(
つか
)
れて
膏
(
あぶら
)
を
出
(
だ
)
してカンピンタンになつて
死
(
し
)
ぬものだ。
186
この
高姫
(
たかひめ
)
が
悪
(
わる
)
く
見
(
み
)
えるのは
約
(
つま
)
りお
前
(
まへ
)
さまの
霊
(
みたま
)
が
悪
(
わる
)
いのだ。
187
立
(
た
)
ち
向
(
むか
)
ふ
人
(
ひと
)
の
姿
(
すがた
)
は
鏡
(
かがみ
)
なり
188
己
(
おの
)
が
心
(
こころ
)
を
写
(
うつ
)
してや
見
(
み
)
む。
189
と
云
(
い
)
ふ
道歌
(
だうか
)
を
考
(
かんが
)
へて
御覧
(
ごらん
)
なさい、
190
皆
(
みな
)
人
(
ひと
)
が
悪
(
わる
)
く
見
(
み
)
えるのは
自分
(
じぶん
)
が
悪
(
わる
)
いからぢやぞえ。
191
ても
扨
(
さ
)
ても
犬蛙人種
(
いぬかわづ
)
と
云
(
い
)
ふものは
仕方
(
しかた
)
のないものだなア』
192
シャル『
高姫
(
たかひめ
)
さま、
193
善言
(
ぜんげん
)
美辞
(
びじ
)
の
教
(
をしへ
)
だと
何時
(
いつ
)
も
仰有
(
おつしや
)
るが、
194
随分
(
ずゐぶん
)
悪言
(
あくげん
)
暴語
(
ばうご
)
を
放出
(
はうしゆつ
)
なさるぢやありませぬか。
195
それでは
神
(
かみ
)
の
資格
(
しかく
)
はゼロですよ』
196
高姫
(
たかひめ
)
『それは
又
(
また
)
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
ふ
分
(
わか
)
らぬ
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
ふのだえ、
197
最前
(
さいぜん
)
からあれ
程
(
ほど
)
鏡
(
かがみ
)
の
喩
(
たとへ
)
を
引
(
ひ
)
いて
説明
(
せつめい
)
してやつたぢやないか。
198
エエ
鈍
(
どん
)
な
身魂
(
みたま
)
は
困
(
こま
)
つたものだなア。
199
高姫
(
たかひめ
)
が
悪言
(
あくげん
)
暴語
(
ばうご
)
するのはお
前
(
まへ
)
さまの
霊
(
みたま
)
が
写
(
うつ
)
つて
居
(
を
)
るのだ。
200
いやお
前
(
まへ
)
さまのためだ。
201
此
(
この
)
高姫
(
たかひめ
)
は
半鐘
(
はんしよう
)
のやうなものだ。
202
柔
(
やはら
)
かく
打
(
う
)
てば
柔
(
やはら
)
かく
響
(
ひび
)
く、
203
強
(
つよ
)
く
打
(
う
)
てば
強
(
つよ
)
く
響
(
ひび
)
く、
204
高
(
たか
)
く
打
(
う
)
てば
高
(
たか
)
く
響
(
ひび
)
く、
205
低
(
ひく
)
く
打
(
う
)
てば
低
(
ひく
)
い
音
(
ね
)
が
出
(
で
)
るのだ。
206
お
前
(
まへ
)
さまが
下
(
くだ
)
らぬ
口
(
くち
)
を
叩
(
たた
)
くからこんな
言葉
(
ことば
)
が
出
(
で
)
るのだよ。
207
お
前
(
まへ
)
さまがモ
些
(
ちつ
)
と
素直
(
すなほ
)
になり、
208
長上
(
ちやうじやう
)
を
敬
(
うやま
)
ひ、
209
もつと
柔
(
やさ
)
しき
言葉
(
ことば
)
を
使
(
つか
)
へば
柔
(
やさ
)
しくなるのだ、
210
……
此
(
この
)
神
(
かみ
)
は
従
(
したが
)
つて
来
(
く
)
れば
誠
(
まこと
)
に
柔
(
やさ
)
しき
神
(
かみ
)
であるなれど、
211
敵対心
(
てきたいごころ
)
で
神
(
かみ
)
の
前
(
まへ
)
に
来
(
き
)
て
見
(
み
)
よれ、
212
鬼
(
おに
)
か
蛇
(
じや
)
の
相好
(
さうがう
)
になるぞや……』
213
シャル『モシ
高姫
(
たかひめ
)
さま、
214
それや
現界
(
げんかい
)
の
理窟
(
りくつ
)
ぢやありませぬか、
215
至仁
(
しじん
)
至愛
(
しあい
)
の
大
(
おほ
)
ミロク
様
(
さま
)
なら、
216
悪人
(
あくにん
)
が
来
(
く
)
れば
尚
(
なほ
)
可愛
(
かあい
)
がり、
217
善人
(
ぜんにん
)
が
来
(
く
)
れば
又
(
また
)
可愛
(
かあい
)
がり、
218
決
(
けつ
)
して
憎悪
(
ぞうを
)
の
念
(
ねん
)
をお
持
(
も
)
ちなさらないのが
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
でせう。
219
己
(
おのれ
)
に
敵
(
てき
)
する
者
(
もの
)
に
対
(
たい
)
して
鬼畜
(
きちく
)
の
相
(
さう
)
を
現
(
あら
)
はし、
220
己
(
おのれ
)
に
従
(
したが
)
ふ
者
(
もの
)
には
柔和
(
にうわ
)
の
相
(
さう
)
を
現
(
あら
)
はすと
云
(
い
)
ふのなら、
221
お
前
(
まへ
)
さまを
尊敬
(
そんけい
)
することが
出来
(
でき
)
ませぬわ。
222
何
(
ど
)
んな
悪
(
わる
)
い
者
(
もの
)
でも
此方
(
こつち
)
が
親切
(
しんせつ
)
にしてやれば
喜
(
よろこ
)
んで
従
(
したが
)
ひ、
223
キツト
恩返
(
おんがへ
)
しをするものです。
224
己
(
おのれ
)
に
従
(
したが
)
ふものを
愛
(
あい
)
し、
225
敵
(
てき
)
するものを
憎
(
にく
)
むのなら、
226
それは
自愛
(
じあい
)
であつて、
227
八衢
(
やちまた
)
人足
(
にんそく
)
や、
228
地獄界
(
ぢごくかい
)
の
邪気
(
じやき
)
のする
業
(
わざ
)
でせう。
229
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
は
決
(
けつ
)
して
憤慨
(
ふんがい
)
したり
憎悪
(
ぞうを
)
したりなさるものぢやありませぬぞ。
230
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
がもし
憎悪
(
ぞうを
)
の
念
(
ねん
)
を
起
(
おこ
)
したりなさるとすれば、
231
神
(
かみ
)
自体
(
じたい
)
が
既
(
すで
)
に
亡
(
ほろ
)
ぶぢやありませぬか』
232
高姫
(
たかひめ
)
『エエ、
233
第一
(
だいいち
)
霊国
(
れいごく
)
の
天人
(
てんにん
)
の
申
(
まを
)
す
事
(
こと
)
がお
前
(
まへ
)
等
(
ら
)
に
分
(
わか
)
るものか、
234
モ
些
(
ちつ
)
と
修業
(
しうげふ
)
なされ。
235
器
(
うつは
)
が
大
(
おほ
)
きくなつたら
此
(
この
)
高姫
(
たかひめ
)
の
申
(
まを
)
す
事
(
こと
)
が
明白
(
はつきり
)
分
(
わか
)
るだらう。
236
夫
(
それ
)
よりも
早
(
はや
)
く
四辻
(
よつつじ
)
に
出
(
で
)
て
旅人
(
たびびと
)
を
引張
(
ひつぱ
)
つて
来
(
き
)
なさい。
237
こう
毎日
(
まいにち
)
日日
(
ひにち
)
結構
(
けつこう
)
な
光陰
(
くわういん
)
を
空費
(
くうひ
)
して
居
(
ゐ
)
ては、
238
天地
(
てんち
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
に
勿体
(
もつたい
)
ない、
239
一人
(
ひとり
)
でも
改心
(
かいしん
)
さしてウラナイ
教
(
けう
)
の
信者
(
しんじや
)
を
拵
(
こしら
)
へねば、
240
天地
(
てんち
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
に
済
(
す
)
まない。
241
お
前
(
まへ
)
も
此
(
この
)
世
(
よ
)
に
生
(
うま
)
れて
来
(
き
)
た
甲斐
(
かひ
)
があるまい。
242
サア、
243
トツトと
四辻
(
よつつじ
)
迄
(
まで
)
行
(
い
)
つて
来
(
き
)
なさい』
244
シャル『
高姫
(
たかひめ
)
さま
貴女
(
あなた
)
も
一緒
(
いつしよ
)
に
来
(
き
)
て
下
(
くだ
)
さらぬか。
245
又
(
また
)
文治別
(
あやはるわけ
)
とか
云
(
い
)
ふエンゼルがやつて
来
(
き
)
たら
困
(
こま
)
りますからなア』
246
高姫
(
たかひめ
)
『エエ
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
ふ
気
(
き
)
の
弱
(
よわ
)
い
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
ふのだい。
247
文治別
(
あやはるわけ
)
なんて、
248
あんな
者
(
もの
)
が
千
(
せん
)
人
(
にん
)
や
万
(
まん
)
人
(
にん
)
束
(
たば
)
に
結
(
ゆ
)
うて
来
(
き
)
た
所
(
とこ
)
が、
249
こたへるやうな
生宮
(
いきみや
)
ぢやありませぬぞや』
250
シャル『ハハハハハ、
251
どこ
迄
(
まで
)
も
我執
(
がしふ
)
の
念
(
ねん
)
の
強
(
つよ
)
い
人
(
ひと
)
ですなア。
252
山
(
やま
)
を
越
(
こ
)
え、
253
谷
(
たに
)
を
越
(
こ
)
え
荊棘掻
(
いばらがき
)
をしながら、
254
のたくつて
逃
(
に
)
げたぢやありませぬか。
255
なぜ
夫
(
それ
)
程
(
ほど
)
偉
(
えら
)
いお
方
(
かた
)
なら、
256
あのエンゼルを
此処
(
ここ
)
にじつとして
居
(
ゐ
)
て
凹
(
へこ
)
ませてやらぬのですか』
257
高姫
(
たかひめ
)
『エエ
分
(
わか
)
らぬ
男
(
をとこ
)
だなア。
258
国治立
(
くにはるたちの
)
尊
(
みこと
)
様
(
さま
)
さへも
謙譲
(
けんじやう
)
の
徳
(
とく
)
を
守
(
まも
)
り
悪神
(
あくがみ
)
に
世
(
よ
)
を
譲
(
ゆづ
)
つて
艮
(
うしとら
)
へ
退却
(
たいきやく
)
なさつたぢやないか、
259
そこが
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
尊
(
たふと
)
い
所
(
とこ
)
だよ。
260
此
(
この
)
生宮
(
いきみや
)
も
変性
(
へんじやう
)
男子
(
なんし
)
の
系統
(
ひつぽう
)
ぢやから、
261
謙譲
(
けんじやう
)
の
徳
(
とく
)
を
守
(
まも
)
つてエンゼルに
花
(
はな
)
を
持
(
も
)
たせて
逃
(
に
)
げてやつたのだよ。
262
救世主
(
きうせいしゆ
)
の
仁慈
(
じんじ
)
無限
(
むげん
)
の
精神
(
せいしん
)
が
小盗人
(
こぬすと
)
上
(
あが
)
りのお
前
(
まへ
)
に
分
(
わか
)
らうか。
263
「
物
(
もの
)
言
(
い
)
へば
唇
(
くちびる
)
寒
(
さむ
)
し
秋
(
あき
)
の
風
(
かぜ
)
」と、
264
可惜
(
あたら
)
口
(
くち
)
に
風
(
かぜ
)
を
引
(
ひ
)
かすより、
265
ここは
一
(
ひと
)
つ
沈黙
(
ちんもく
)
を
守
(
まも
)
らう。
266
サア
早
(
はや
)
く
四辻
(
よつつじ
)
に
行
(
い
)
つて
来
(
き
)
なさい』
267
シャル『エ
仕方
(
しかた
)
がありませぬ、
268
そんなら
暫
(
しばら
)
く
行
(
い
)
つて
参
(
まゐ
)
ります。
269
アア
寒
(
さむ
)
い
事
(
こと
)
だなア。
270
こんな
事
(
こと
)
なら
高姫
(
たかひめ
)
さまの
傍
(
そば
)
に
居
(
を
)
るのぢやなかつたに。
271
今更
(
いまさら
)
ベル、
272
ヘルの
仲間
(
なかま
)
に
逆転
(
ぎやくてん
)
すると
云
(
い
)
うても
寄
(
よ
)
せても
呉
(
く
)
れまい。
273
毎日
(
まいにち
)
日日
(
ひにち
)
亡者引
(
もさひき
)
をやつては
撥
(
は
)
ね
飛
(
と
)
ばされ、
274
云
(
い
)
ひ
負
(
まか
)
されて
耐
(
たま
)
つたものぢやないわ』
275
とブツブツ
小言
(
こごと
)
を
云
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら、
276
霜柱
(
しもばしら
)
の
置
(
お
)
いた
一本橋
(
いつぽんばし
)
を
怖
(
こは
)
さうに
跨
(
また
)
げながら
出
(
い
)
でて
行
(
ゆ
)
く。
277
(
大正一二・三・二五
旧二・九
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加藤明子
録)
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