第六章 白駒の嘶〔一九〇〇〕
インフォメーション
著者:出口王仁三郎
巻:霊界物語 第75巻 天祥地瑞 寅の巻
篇:第1篇 玉野神業
よみ(新仮名遣い):たまのしんぎょう
章:第6章 白駒の嘶
よみ(新仮名遣い):しらこまのいななき
通し章番号:1900
口述日:1933(昭和8)年11月03日(旧09月16日)
口述場所:水明閣
筆録者:内崎照代
校正日:
校正場所:
初版発行日:1934(昭和9)年2月3日
概要:
舞台:
あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]:宇礼志穂の神の言霊に感じて集まってきた白馬たちが、輪になっていつまでも嘶き走り回る様を見て、顕津男の神をはじめ神々は、喜びと祝いの歌をそれぞれ歌った。
そして、再び玉野宮居に威儀を正し、真鶴国国土生みの神業成就を祈った。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :rm7506
愛善世界社版:
八幡書店版:第13輯 316頁
修補版:
校定版:103頁
普及版:
初版:
ページ備考:
001 宇礼志穂の神の言霊に感じて集り来れる駿馬は、002あたりを真白に染めながら、003列を正し玉藻山の尾の上の広所に月の輪をつくりて、004真鶴の国土の生り出でし瑞祥を祝ふものの如く、005嘶き廻ること一時に及べり。
006 顕津男の神はこの態をみそなはして、007喜びの余り御歌詠ませ給ふ。
008『真鶴の国始まりぬ駿馬は
009これの斎庭に輪をつくり躍るも
010ハホフヘヒ生言霊を宣りながら
011あはれ駿馬聖所に舞ふも
012ハホフヘヒの嘶き清く玉藻山の
013百谿千谷に響きわたらふ
014鬣を勇ましくふり尾をふりて
015駒はいさみぬ今日のよき日に』
016 真言厳の神は御歌詠ませ給ふ。
017『駿馬の嘶き高くなり出でて
018四方にひびかふ真鶴の国
019真鶴の国の前途を寿ぎて
021神々を送り助けて駿馬は
023 玉野比女の神は御歌詠ませ給ふ。
024『駿馬は玉藻の山の頂上に
025のぼりて貴の言霊宣るも
026ハホフヘヒの生言霊ゆ生れたる
027駒のいななき清くもあるかな』
028 生代比女の神は御歌詠ませ給ふ。
029『真鶴の国のはじめと駿馬は
031瑞御霊神の功に感じけむ
032駒のいななき冴え渡りつつ』
033 近見男の神は御歌詠ませ給ふ。
034『わが乗りし駒も交りて玉藻山の
035これの尾の上に言霊宣るも
036荒河を渡り大野を遠く越えて
037われを助けし駿馬あはれ』
038 圓屋比古の神は御歌詠ませ給ふ。
039『玉藻山清く冴えつつ常磐樹の
040樹下をかざる白き駒はや
041天界の塵にそまらぬ白駒の
042毛の艶ことに美しきかも』
043 宇礼志穂の神は御歌詠ませ給ふ。
044『駿馬も国土の創始を嬉しみて
046神々も勇み給へば駿馬も
047勇みて嘶く声のさやけき』
048 美波志比古の神は御歌詠ませ給ふ。
049『玉藻山の御橋なけれど駿馬は
050生言霊にのぼり来つるも
051国土生みの神業を助くる駿馬の
052嘶き聞けば神の声あり』
053 産玉の神は御歌詠ませ給ふ。
054『天界に生けることごと言霊の
056月の輪をつくりて駒は勇ましく
057躍りまはるも嘶きつづくも』
058 魂機張の神は御歌詠ませ給ふ。
059『たまきはる生命あるものことごとく
060国土の創始を喜ばぬはなし
061真鶴の国の栄えを寿ぎつ
062駒は勇むか嘶き高し
063見渡せば遠の御空に紫の
064雲たなびきて風澄みきらふ
065山も野も生言霊の幸ひに
066甦りたる今日ぞ目出度き
067主の神の天降り給ひて助けます
069常磐樹の松のみどりの玉露を
070照らして月は澄みきらひたり』
071 結比合の神は御歌詠ませ給ふ。
072『神と駒と結び合せて道を行く
073隈手にさやる醜神もなし
074醜神はよし忍ぶとも駿馬の
075蹄に蹴散らし安く進まむ
076駿馬の功は高し玉藻山の
077尾の上にのぼりて神世を寿ぐ』
078 美味素の神は御歌詠ませ給ふ。
079『見渡せば真鶴の国はうまし国
080元津御国よ神の食す国よ
081月も日も清くかがよふ真鶴の
082山の尾の上に国見するかも
083玉藻山尾の上の清き神社に
084祈るも清し国の栄えを
085駿馬と共に斎庭にひざまづき
086神世の栄えを祈りこそすれ』
087 真言厳の神は三度御歌詠ませ給ふ。
088『天の原ふりさけ見れば月も日も
090大空の雲のあなたに澄みきらふ
091月こそ瑞の御霊なるらむ
092天津日の輝き給ふ功績は
093厳の御霊の光なりけり』
094 待合比古の神は御歌詠ませ給ふ。
095『言霊の御稜威かしこき玉野比女の
097玉野比女の喜び給ふ顔を
098伏し拝みつつわれも栄ゆる
099真鶴の国はつばらに生り出でぬ
100待ちに待ちたる今日の嬉しさ
101迦陵頻伽梅の梢に春うたふ
102玉藻の山の風の清しも
103いかづちの轟き止みて稲妻は
105常磐樹の梢をもみし荒風も
106とまりて静けき玉藻山はも
107降りしきる雨はあとなく霽れにつつ
108御空の月はかがやき給へり
109非時に鳴り轟きしあらがねの
111かくの如静まりかへりし真鶴の
112国の栄は極みなからむ
113白梅の梢にうたふ鶯の
114啼く音清しも春心地して
115百木々の緑萠え立つ春の山に
116匂ふも清し白梅の花
117主の神の御水火に生れし白梅の
119駿馬は国の創始を寿ぐか
121玉泉清くあふれて滝となり
123玉泉あふれて千条の滝となり
124玉藻の山に襷かくるも
125高照の山にひとしく聳えたる
126玉藻の山は稚くあたらし
127言霊の水火を十字にふみなして
129アオウエイ神の御声に国原は
130栄え栄えて果なく美し
131カコクケキ厳の言霊かがやきて
133百木々の梢の露に久方の
134御空の月は宿らせ給へり
135夜もなく昼なきこれの国原に
136月日は一度にかがやき給ふ
137或は盈ち或いは虧くる月ながら
139まるまると御空に輝く月舟の
140渡らふ雲井ははろけかりけり』
141 斯く神々は各自に祝ぎ歌をうたひ給ひ、142再び玉野宮居の聖所に威儀を正して進ませ給ひ、143茲に国土生み神生みの神業成就を、144生言霊の声も清しく祈らせ給ふぞ畏けれ。
145(昭和八・一一・三 旧九・一六 於水明閣 内崎照代謹録)