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第2巻(丑の巻)
第3巻(寅の巻)
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第8巻(未の巻)
第9巻(申の巻)
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第66巻(巳の巻)
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第68巻(未の巻)
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第70巻(酉の巻)
第71巻(戌の巻)
第72巻(亥の巻)
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天祥地瑞
第73巻(子の巻)
第74巻(丑の巻)
第75巻(寅の巻)
第76巻(卯の巻)
第77巻(辰の巻)
第78巻(巳の巻)
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第46巻(酉の巻)
序文
総説
第1篇 仕組の縺糸
01 榛並樹
〔1211〕
02 慰労会
〔1212〕
03 噛言
〔1213〕
04 沸騰
〔1214〕
05 菊の薫
〔1215〕
06 千代心
〔1216〕
07 妻難
〔1217〕
第2篇 狐運怪会
08 黒狐
〔1218〕
09 文明
〔1219〕
10 唖狐外れ
〔1220〕
11 変化神
〔1221〕
12 怪段
〔1222〕
13 通夜話
〔1223〕
第3篇 神明照赫
14 打合せ
〔1224〕
15 黎明
〔1225〕
16 想曖
〔1226〕
17 惟神の道
〔1227〕
18 エンゼル
〔1228〕
第4篇 謎の黄板
19 怪しの森
〔1229〕
20 金の力
〔1230〕
21 民の虎声
〔1231〕
22 五三嵐
〔1232〕
23 黄金華
〔1233〕
余白歌
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第一章
榛並樹
(
はんなみき
)
〔一二一一〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第46巻 舎身活躍 酉の巻
篇:
第1篇 仕組の縺糸
よみ(新仮名遣い):
しぐみのれんし
章:
第1章 榛並樹
よみ(新仮名遣い):
はんなみき
通し章番号:
1211
口述日:
1922(大正11)年12月15日(旧10月27日)
口述場所:
筆録者:
松村真澄
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1924(大正13)年9月25日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
五三公の一行はお民、蠑螈別、お寅、魔我彦の走って行った後を追いかけ、ようやく一本橋を渡り二三町ばかり北進し、榛の樹の道の両方に立ち並ぶ木蔭までやってきた。
お寅と魔我彦は互いにつまづいて重なり合い、唸っていた。五三公たちは二人をみつけてからかい、お寅と魔我彦はののしりあっている。万公とアクは、三五教の神力で逃げた二人が帰ってくるように祈ってやるから、ひとまず小北山へ帰ろうと連れて戻った。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2023-03-08 17:43:51
OBC :
rm4601
愛善世界社版:
7頁
八幡書店版:
第8輯 363頁
修補版:
校定版:
7頁
普及版:
3頁
初版:
ページ備考:
派生
[?]
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:
出口王仁三郎著作集 > 第三巻「愛と美といのち」 > [2] 人生 > [2-5] 仕事に生きる > [2-5-15] 働くということ
001
末
(
すゑ
)
遂
(
つひ
)
に
海
(
うみ
)
となるべき
山水
(
やまみづ
)
も
002
志
(
し
)
ばし
木
(
こ
)
の
葉
(
は
)
の
下
(
した
)
潜
(
くぐ
)
るなり。
003
此
(
この
)
世
(
よ
)
を
造
(
つく
)
り
固
(
かた
)
めたる
004
天地
(
てんち
)
の
御祖
(
みおや
)
と
現
(
あ
)
れませる
005
国治立
(
くにはるたち
)
の
大神
(
おほかみ
)
の
006
世人
(
よびと
)
を
救
(
すく
)
ふ
御教
(
みをしへ
)
は
007
天
(
あま
)
つ
御空
(
みそら
)
の
青雲
(
あをくも
)
の
008
棚引
(
たなび
)
くきはみ
白雲
(
しらくも
)
の
009
墜居
(
おりゐ
)
向伏
(
むかふ
)
す
其
(
その
)
極
(
きは
)
み
010
平和
(
へいわ
)
の
風
(
かぜ
)
は
吹
(
ふ
)
きすさみ
011
仁慈
(
じんじ
)
の
雨
(
あめ
)
は
降
(
ふ
)
りしきる
012
天地
(
あめつち
)
四方
(
よも
)
の
人草
(
ひとぐさ
)
や
013
草
(
くさ
)
の
片葉
(
かきは
)
に
至
(
いた
)
る
迄
(
まで
)
014
恵
(
めぐ
)
みの
露
(
つゆ
)
を
与
(
あた
)
へむと
015
豊栄昇
(
とよさかのぼ
)
る
日
(
ひ
)
の
御影
(
みかげ
)
016
大空
(
おほぞら
)
伝
(
つた
)
ふ
月
(
つき
)
の
影
(
かげ
)
017
きらめく
星
(
ほし
)
の
数多
(
かずおほ
)
く
018
世人
(
よびと
)
を
導
(
みちび
)
く
宣伝使
(
せんでんし
)
019
四方
(
よも
)
に
遣
(
つか
)
はし
三五
(
あななひ
)
の
020
教
(
をしへ
)
を
天下
(
てんか
)
に
宣
(
の
)
べ
給
(
たま
)
ふ
021
さはさりながら
曲津霊
(
まがつひ
)
の
022
神
(
かみ
)
も
同
(
おな
)
じく
神
(
かみ
)
の
御子
(
みこ
)
023
陰
(
いん
)
と
陽
(
やう
)
との
御水火
(
みいき
)
より
024
現
(
あら
)
はれ
出
(
い
)
でしものなれば
025
広
(
ひろ
)
き
尊
(
たふと
)
き
皇神
(
すめかみ
)
の
026
御目
(
みめ
)
より
之
(
これ
)
を
見給
(
みたま
)
へば
027
宇内
(
うだい
)
同胞
(
どうはう
)
神
(
かみ
)
の
御子
(
みこ
)
028
仁慈
(
じんじ
)
の
心
(
こころ
)
変
(
かは
)
るべき
029
日
(
ひ
)
はゆき
月
(
つき
)
はひた
走
(
はし
)
り
030
星
(
ほし
)
移
(
うつ
)
ろふに
従
(
したが
)
ひて
031
八岐
(
やまた
)
大蛇
(
をろち
)
や
醜神
(
しこがみ
)
の
032
彼方
(
かなた
)
此方
(
こなた
)
に
現
(
あら
)
はれて
033
軽生
(
けいせい
)
重死
(
ぢゆうし
)
の
教
(
をしへ
)
をば
034
四方
(
よも
)
に
開
(
ひら
)
くぞうたてけれ
035
バラモン
教
(
けう
)
やウラル
教
(
けう
)
036
ウラナイ
教
(
けう
)
と
各自
(
めいめい
)
に
037
体主
(
たいしゆ
)
霊従
(
れいじう
)
の
魂
(
たましひ
)
の
038
向
(
むか
)
ふ
所
(
ところ
)
に
従
(
したが
)
ひて
039
あらぬ
教
(
をしへ
)
を
拡充
(
くわくじう
)
し
040
神
(
かみ
)
の
御子
(
みこ
)
たる
神人
(
しんじん
)
を
041
惑
(
まど
)
はしゆくこそ
忌々
(
ゆゆ
)
しけれ
042
高姫司
(
たかひめつかさ
)
の
後
(
あと
)
をうけ
043
北山村
(
きたやまむら
)
を
立出
(
たちい
)
でて
044
小北
(
こぎた
)
の
山
(
やま
)
に
立籠
(
たてこも
)
り
045
支離
(
しり
)
滅裂
(
めつれつ
)
の
教理
(
けうり
)
をば
046
道理
(
だうり
)
を
知
(
し
)
らぬ
愚者
(
ぐしや
)
共
(
ども
)
に
047
有難
(
ありがた
)
さうに
説
(
と
)
きつけて
048
漸
(
やうや
)
う
茲
(
ここ
)
に
神殿
(
しんでん
)
や
049
教
(
をしへ
)
の
射場
(
いば
)
を
建並
(
たてなら
)
べ
050
蠑螈別
(
いもりわけ
)
を
教主
(
けうしゆ
)
とし
051
魔我彦
(
まがひこ
)
、お
寅
(
とら
)
に
文助
(
ぶんすけ
)
や
052
其
(
その
)
外
(
ほか
)
百
(
もも
)
の
幹部
(
かんぶ
)
たち
053
神
(
かみ
)
の
御
(
おん
)
為
(
ため
)
世
(
よ
)
の
為
(
ため
)
と
054
迷
(
まよ
)
ひ
切
(
き
)
つたる
心
(
こころ
)
より
055
一心
(
いつしん
)
不乱
(
ふらん
)
に
妖言
(
えうげん
)
を
056
コケ
徳利
(
どつくり
)
のドブドブと
057
吐
(
は
)
き
出
(
だ
)
し
世人
(
よびと
)
の
魂
(
たましひ
)
を
058
酔
(
よ
)
はせ
濁
(
にご
)
らせ
曇
(
くも
)
らせつ
059
世界
(
せかい
)
唯一
(
ゆゐいつ
)
の
御教
(
みをしへ
)
と
060
自
(
みづか
)
ら
信
(
しん
)
じ
又
(
また
)
迷
(
まよ
)
ひ
061
盲
(
めくら
)
聾
(
つんぼ
)
も
同様
(
どうやう
)
に
062
身
(
み
)
もたなしらに
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く
063
蠑螈別
(
いもりわけ
)
は
曲神
(
まがかみ
)
に
064
魂
(
たま
)
を
破
(
やぶ
)
られ
朝夕
(
あさゆふ
)
に
065
神
(
かみ
)
の
出入
(
でいり
)
の
肉宮
(
にくみや
)
と
066
言
(
い
)
ひつつ
酒
(
さけ
)
に
酔
(
よ
)
ひくらひ
067
呂律
(
ろれつ
)
もまはらぬ
舌
(
した
)
の
根
(
ね
)
で
068
数多
(
あまた
)
の
男女
(
だんじよ
)
を
根
(
ね
)
の
国
(
くに
)
や
069
底
(
そこ
)
の
国
(
くに
)
までおとしゆく
070
何
(
なん
)
にも
知
(
し
)
らぬ
信徒
(
まめひと
)
は
071
盲
(
めくら
)
の
手引
(
てびき
)
と
知
(
し
)
らずして
072
自分
(
じぶん
)
も
盲
(
めくら
)
となりすまし
073
尊
(
たふと
)
き
道
(
みち
)
と
信
(
しん
)
じつつ
074
随喜
(
ずいき
)
の
涙
(
なみだ
)
と
諸共
(
もろとも
)
に
075
暗黒界
(
あんこくかい
)
へ
一心
(
いつしん
)
に
076
知
(
し
)
らず
知
(
し
)
らずに
堕
(
お
)
ちて
行
(
ゆ
)
く
077
其
(
その
)
惨状
(
さんじやう
)
を
救
(
すく
)
はむと
078
神
(
かみ
)
の
御言
(
みこと
)
を
畏
(
かしこ
)
みて
079
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
080
治国別
(
はるくにわけ
)
に
仕
(
つか
)
へたる
081
万公
(
まんこう
)
、
五三公
(
いそこう
)
始
(
はじ
)
めとし
082
バラモン
教
(
けう
)
の
信徒
(
しんと
)
なる
083
松彦
(
まつひこ
)
、アク、タク、テク
四
(
よ
)
人
(
にん
)
084
神
(
かみ
)
のまにまに
河鹿川
(
かじかがは
)
085
一本橋
(
いつぽんばし
)
の
袂
(
たもと
)
にて
086
不思議
(
ふしぎ
)
の
綱
(
つな
)
にまとはれつ
087
小北
(
こぎた
)
の
山
(
やま
)
の
神殿
(
しんでん
)
に
088
登
(
のぼ
)
り
来
(
きた
)
れば
曲神
(
まがかみ
)
は
089
何
(
なん
)
とはなしに
怖
(
お
)
ぢ
恐
(
おそ
)
れ
090
次第
(
しだい
)
々々
(
しだい
)
に
逃
(
に
)
げ
去
(
さ
)
りて
091
蠑螈別
(
いもりわけ
)
や
魔我彦
(
まがひこ
)
や
092
お
寅
(
とら
)
婆
(
ば
)
さまを
飾
(
かざ
)
りたる
093
金箔
(
きんぱく
)
忽
(
たちま
)
ち
剥脱
(
はくだつ
)
し
094
思
(
おも
)
ひもよらぬ
醜状
(
しうじやう
)
を
095
演出
(
えんしゆつ
)
せしぞ
可笑
(
をか
)
しけれ
096
蠑螈別
(
いもりわけ
)
は
高姫
(
たかひめ
)
を
097
束
(
つか
)
の
間
(
あひだ
)
も
忘
(
わす
)
れ
得
(
え
)
ず
098
恋
(
こひ
)
の
焔
(
ほのほ
)
に
胸
(
むね
)
こがし
099
欝
(
うつ
)
を
散
(
さん
)
ぜむ
其
(
その
)
為
(
ため
)
に
100
毒
(
どく
)
と
知
(
し
)
りつつ
無理
(
むり
)
無体
(
むたい
)
101
酒
(
さけ
)
に
紛
(
まぎ
)
らす
果敢
(
はか
)
なさよ
102
箸
(
はし
)
とる
事
(
こと
)
にまめやかな
103
彼
(
かれ
)
は
又
(
また
)
もや
衣笠
(
きぬがさ
)
の
104
村
(
むら
)
より
来
(
きた
)
るお
民
(
たみ
)
をば
105
此上
(
こよ
)
なきナイスと
思
(
おも
)
ひつめ
106
お
寅
(
とら
)
婆
(
ば
)
さまの
目
(
め
)
を
忍
(
しの
)
び
107
互
(
たがひ
)
に
秋波
(
しうは
)
の
交換
(
かうくわん
)
を
108
開始
(
かいし
)
しゐたる
折
(
をり
)
もあれ
109
松彦
(
まつひこ
)
さまや
熊公
(
くまこう
)
が
110
突然
(
とつぜん
)
ここに
現
(
あら
)
はれて
111
身
(
み
)
の
置所
(
おきどころ
)
なきままに
112
お
寅
(
とら
)
の
隙
(
すき
)
を
窺
(
うかが
)
ひて
113
命
(
いのち
)
より
大事
(
だいじ
)
と
貯
(
たくは
)
へし
114
金
(
かね
)
を
懐中
(
くわいちゆう
)
に
托
(
たく
)
しこみ
115
恋
(
こひ
)
しきお
民
(
たみ
)
と
手
(
て
)
をとつて
116
暗
(
やみ
)
に
紛
(
まぎ
)
れて
随徳寺
(
ずゐとくじ
)
117
あと
白浪
(
しらなみ
)
と
消
(
き
)
えてゆく
118
お
寅
(
とら
)
婆
(
ば
)
さまは
腹
(
はら
)
を
立
(
た
)
て
119
髪
(
かみ
)
ふり
乱
(
みだ
)
し
阿修羅
(
あしゆら
)
王
(
わう
)
が
120
荒
(
あ
)
れたる
如
(
ごと
)
き
勢
(
いきほひ
)
で
121
言霊
(
ことたま
)
濁
(
にご
)
るひきがへる
122
ガアガア
声
(
こゑ
)
を
張上
(
はりあ
)
げて
123
尻
(
しり
)
ひつからげ
坂道
(
さかみち
)
を
124
おのれ
蠑螈別
(
いもりわけ
)
の
奴
(
やつ
)
125
どこの
何処
(
いづこ
)
に
潜
(
ひそ
)
むとも
126
後
(
あと
)
つけねらひ
素首
(
そつくび
)
を
127
とつつかまへて
泡
(
あわ
)
吹
(
ふ
)
かせ
128
思
(
おも
)
ふ
存分
(
ぞんぶん
)
鼻
(
はな
)
をねぢ
129
恨
(
うらみ
)
を
晴
(
は
)
らさにやおくべきか
130
それについてもお
民
(
たみ
)
奴
(
め
)
を
131
許
(
ゆる
)
しておいちや
身
(
み
)
の
破目
(
はめ
)
と
132
金
(
かね
)
と
恋
(
こひ
)
とに
村肝
(
むらきも
)
の
133
心
(
こころ
)
を
紊
(
みだ
)
しあとさきも
134
水音
(
みなおと
)
清
(
きよ
)
き
河鹿川
(
かじかがは
)
135
一本橋
(
いつぽんばし
)
を
打
(
う
)
ち
渡
(
わた
)
り
136
野中
(
のなか
)
の
森
(
もり
)
に
逃
(
に
)
げて
行
(
ゆ
)
く
137
二人
(
ふたり
)
の
後
(
あと
)
を
追
(
お
)
つかける
138
悪
(
わる
)
い
時
(
とき
)
には
悪
(
わる
)
いもの
139
蠑螈別
(
いもりわけ
)
が
逃
(
に
)
げしなに
140
道
(
みち
)
の
片方
(
かたへ
)
の
木
(
き
)
の
幹
(
みき
)
に
141
綱
(
つな
)
をしばりて
追
(
お
)
ひ
来
(
きた
)
る
142
お
寅
(
とら
)
婆
(
ば
)
さまの
足
(
あし
)
さらへ
143
こかして
泡
(
あわ
)
を
吹
(
ふ
)
かせむと
144
企
(
たく
)
みおいたる
其
(
その
)
罠
(
わな
)
に
145
もろくもかかりステンドと
146
こけた
拍子
(
ひやうし
)
に
鼻
(
はな
)
をうち
147
ウンウンウンと
唸
(
うな
)
りつつ
148
気絶
(
きぜつ
)
したるぞ
是非
(
ぜひ
)
なけれ
149
後
(
あと
)
に
残
(
のこ
)
りし
松彦
(
まつひこ
)
は
150
お
寅
(
とら
)
婆
(
ば
)
さまや
蠑螈別
(
いもりわけ
)
151
逃
(
に
)
げ
行
(
ゆ
)
く
後
(
あと
)
を
打眺
(
うちなが
)
め
152
五三公
(
いそこう
)
、
万公
(
まんこう
)
其
(
その
)
外
(
ほか
)
の
153
三人
(
みたり
)
の
男
(
をとこ
)
を
遣
(
つか
)
はして
154
二人
(
ふたり
)
の
後
(
あと
)
を
追
(
お
)
はしめぬ
155
又
(
また
)
魔我彦
(
まがひこ
)
は
恋慕
(
こひした
)
ふ
156
お
民
(
たみ
)
の
姿
(
すがた
)
の
消
(
き
)
えしより
157
仮令
(
たとへ
)
お
民
(
たみ
)
が
天
(
あま
)
かけり
158
地下
(
ちか
)
鉄道
(
てつだう
)
に
打乗
(
うちの
)
つて
159
何処
(
いづこ
)
の
果
(
はて
)
へかくるとも
160
探
(
さが
)
さにやおかぬと
気
(
き
)
をいらち
161
鼻息
(
はないき
)
荒
(
あら
)
くトントンと
162
これ
亦
(
また
)
後
(
あと
)
を
追
(
お
)
うてゆく
163
かかる
怪体
(
けたい
)
な
騒動
(
さうだう
)
を
164
無心
(
むしん
)
の
月
(
つき
)
は
山
(
やま
)
の
端
(
は
)
に
165
利鎌
(
とがま
)
のやうな
光
(
ひかり
)
なげ
166
遥
(
はるか
)
に
地上
(
ちじやう
)
を
瞰下
(
かんか
)
して
167
ニコニコ
笑
(
わら
)
ひ
眺
(
なが
)
めゐる
168
五三公
(
いそこう
)
、
万公
(
まんこう
)
外
(
ほか
)
三人
(
みたり
)
169
松彦
(
まつひこ
)
さまの
命令
(
めいれい
)
で
170
これ
亦
(
また
)
尻
(
しり
)
をひんまくり
171
三人
(
みたり
)
の
行衛
(
ゆくゑ
)
を
探
(
さが
)
さむと
172
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
汗
(
あせ
)
をかき
173
矢
(
や
)
を
射
(
い
)
る
如
(
ごと
)
く
大地
(
だいち
)
をば
174
ドンドンドンと
威喝
(
ゐかつ
)
させ
175
一本橋
(
いつぽんばし
)
をギクギクと
176
弓張月
(
ゆみはりづき
)
に
撓
(
たわ
)
ませつ
177
危
(
あやふ
)
く
渡
(
わた
)
る
大野原
(
おほのはら
)
178
野中
(
のなか
)
の
森
(
もり
)
を
目当
(
めあて
)
とし
179
月
(
つき
)
の
光
(
ひかり
)
を
浴
(
あ
)
びながら
180
ゲラゲラゲラと
笑
(
わら
)
ひつつ
181
くり
出
(
だ
)
し
進
(
すす
)
むぞ
可笑
(
をか
)
しけれ
182
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
183
此
(
この
)
面白
(
おもしろ
)
き
物語
(
ものがたり
)
184
洩
(
も
)
らさず
落
(
おと
)
さずまつぶさに
185
述
(
の
)
べさせ
給
(
たま
)
へ
惟神
(
かむながら
)
186
月照彦
(
つきてるひこ
)
の
御
(
おん
)
前
(
まへ
)
に
187
畏
(
かしこ
)
み
畏
(
かしこ
)
み
願
(
ね
)
ぎまつる。
188
五三公
(
いそこう
)
の
一行
(
いつかう
)
はお
民
(
たみ
)
、
189
蠑螈別
(
いもりわけ
)
、
190
お
寅
(
とら
)
、
191
魔我彦
(
まがひこ
)
の
遁走
(
とんそう
)
した
後
(
あと
)
を
追
(
お
)
つかけ、
192
漸
(
やうや
)
く
一本橋
(
いつぽんばし
)
を
渡
(
わた
)
り
二三
(
にさん
)
町
(
ちやう
)
ばかり
北進
(
ほくしん
)
し、
193
榛
(
はん
)
の
樹
(
き
)
の
道
(
みち
)
の
両方
(
りやうはう
)
に
立並
(
たちなら
)
ぶ
樹蔭
(
こかげ
)
までやつて
来
(
き
)
た。
194
ウンウンと
怪
(
あや
)
しき
声
(
こゑ
)
が
聞
(
きこ
)
えて
来
(
き
)
た。
195
万公
(
まんこう
)
『オイ
御
(
ご
)
一同
(
いちどう
)
、
196
どうやらお
寅
(
とら
)
婆
(
ば
)
アさまが
芋
(
いも
)
をいけてをるとみえて、
197
ウンウンと
気張
(
きば
)
つてゐるぢやないか。
198
どうもウンの
悪
(
わる
)
い
婆
(
ば
)
アさまと
見
(
み
)
えるワイ。
199
一寸
(
ちよつと
)
ここらでウン
動
(
どう
)
中止
(
ちうし
)
をやらうぢやないか』
200
アク『
中下
(
ちうげ
)
先生
(
せんせい
)
のお
言葉
(
ことば
)
に
従
(
したが
)
つて、
201
ここで
一先
(
ひとま
)
づ
停車
(
ていしや
)
する
事
(
こと
)
にしよう。
202
何
(
なん
)
だか
榛
(
はん
)
のかげでシツカリ
分
(
わか
)
らないが
二人
(
ふたり
)
ゐるやうだ』
203
万公
『そりや
大方
(
おほかた
)
蠑螈別
(
いもりわけ
)
さまと
此処
(
ここ
)
にやつてゐるのだらう、
204
そりや
都合
(
つがふ
)
が
好
(
よ
)
い、
205
オイ、
206
イヤもうし、
207
ウラナイ
教
(
けう
)
の
教主
(
けうしゆ
)
様
(
さま
)
、
208
立派
(
りつぱ
)
な
家
(
いへ
)
がありながら、
209
物好
(
ものずき
)
な、
210
こんな
所
(
とこ
)
まで
出
(
で
)
て
来
(
き
)
て
安眠
(
あんみん
)
するといふ
事
(
こと
)
がありますか、
211
サア
起
(
お
)
きたり
起
(
お
)
きたり』
212
と
側
(
そば
)
に
寄
(
よ
)
つてよく
顔
(
かほ
)
をのぞいて
見
(
み
)
れば
魔我彦
(
まがひこ
)
であつた。
213
魔我彦
(
まがひこ
)
はお
寅
(
とら
)
婆
(
ば
)
アさまの
倒
(
たふ
)
れた
体
(
からだ
)
に
躓
(
つまづ
)
いて、
214
ここに
足
(
あし
)
をひつかけ、
215
ひつくり
返
(
かへ
)
り、
216
膝
(
ひざ
)
をしたたか
打
(
う
)
つて
痛
(
いた
)
さをこらへ、
217
僅
(
わづか
)
にウンウンと
息
(
いき
)
をもらしてゐたのである。
218
お
寅
(
とら
)
婆
(
ば
)
アさまも
一旦
(
いつたん
)
気絶
(
きぜつ
)
してゐたが、
219
魔我彦
(
まがひこ
)
に
踏
(
ふ
)
まれてハツとして
気
(
き
)
がつき、
220
めしやげた
鼻
(
はな
)
を
両手
(
りやうて
)
で
押
(
おさ
)
へ
地上
(
ちじやう
)
に
倒
(
たふ
)
れて
居
(
ゐ
)
たので、
221
魔我彦
(
まがひこ
)
が
側
(
そば
)
にこけてゐることには
気
(
き
)
がつかなかつたのである。
222
タク『ヤア、
223
これはこれは
互
(
たがひ
)
違
(
ちが
)
ひの
御
(
ご
)
夫婦
(
ふうふ
)
だ。
224
これ
魔我彦
(
まがひこ
)
さま、
225
俺
(
わし
)
ぢやからよいが、
226
蠑螈別
(
いもりわけ
)
さまの
目
(
め
)
についたら、
227
それこそ
大変
(
たいへん
)
に
怒
(
おこ
)
られますよ。
228
お
寅
(
とら
)
さまと
枕
(
まくら
)
を
並
(
なら
)
べて、
229
草
(
くさ
)
の
褥
(
しとね
)
に
星
(
ほし
)
の
夜着
(
よぎ
)
、
230
余
(
あま
)
り
物好
(
ものずき
)
にも
程
(
ほど
)
があるぢやないか、
231
サア
起
(
お
)
きたり
起
(
お
)
きたり』
232
魔我彦
(
まがひこ
)
はお
寅
(
とら
)
婆
(
ば
)
アさまをお
民
(
たみ
)
だと
思
(
おも
)
ひつめ、
233
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
に
裾
(
すそ
)
を
握
(
にぎ
)
つて、
234
一方
(
いつぱう
)
の
手
(
て
)
で
膝
(
ひざ
)
を
撫
(
な
)
でて
居
(
を
)
つたが、
235
お
寅
(
とら
)
婆
(
ば
)
アさまと
聞
(
き
)
いて、
236
稍
(
やや
)
落胆
(
らくたん
)
失望
(
しつばう
)
的
(
てき
)
の
声
(
こゑ
)
をあげ、
237
魔我彦
『あゝあ、
238
何
(
なん
)
だ、
239
人違
(
ひとちが
)
ひか、
240
お
民
(
たみ
)
の
奴
(
やつ
)
、
241
どこへ
行
(
ゆ
)
きやがつた。
242
大方
(
おほかた
)
蠑螈別
(
いもりわけ
)
と
逐電
(
ちくでん
)
しやがつたのだろ。
243
何処
(
どこ
)
までも
追
(
お
)
つかけて、
244
とつつかまへねば
俺
(
おれ
)
の
男
(
をとこ
)
が
立
(
た
)
たぬ。
245
これお
寅
(
とら
)
さま、
246
お
前
(
まへ
)
は
蠑螈別
(
いもりわけ
)
を、
247
とつつかまへて、
248
十分
(
じふぶん
)
に
鼻
(
はな
)
でも
捻
(
ね
)
ぢて、
249
お
民
(
たみ
)
の
事
(
こと
)
を
思
(
おも
)
ひ
切
(
き
)
らして
下
(
くだ
)
さい。
250
さうすりや、
251
お
前
(
まへ
)
もよし、
252
私
(
わし
)
もよし、
253
かたみ
恨
(
うら
)
みもなし、
254
こんな
上分別
(
じやうふんべつ
)
はありませぬ』
255
と
半泣声
(
はんなきごゑ
)
で
膝
(
ひざ
)
の
疵
(
きず
)
を
撫
(
な
)
でながら
口説
(
くど
)
いてゐる。
256
お
寅
(
とら
)
『エヽ
残念
(
ざんねん
)
やな、
257
高姫
(
たかひめ
)
にお
民
(
たみ
)
、
258
た
のつく
奴
(
やつ
)
は
何処
(
どこ
)
までも
私
(
わし
)
に
祟
(
たた
)
ると
見
(
み
)
える。
259
仮令
(
たとへ
)
他国
(
たこく
)
へ
走
(
はし
)
るとも
尋
(
たづ
)
ね
出
(
だ
)
して
叩
(
たた
)
きつけ、
260
沢山
(
たくさん
)
膏
(
あぶら
)
を
取
(
と
)
つてやらねば、
261
ただでは
済
(
す
)
まされぬ。
262
エヽ
口惜
(
くちを
)
しい』
263
万公
(
まんこう
)
『ハツハヽヽヽ、
264
失恋党
(
しつれんたう
)
の
秘密
(
ひみつ
)
会議
(
くわいぎ
)
が
開催
(
かいさい
)
されてゐるワイ。
265
これお
寅
(
とら
)
さま、
266
みつともないぢやないか、
267
チツトしつかりせぬかい、
268
エヽー、
269
何
(
なに
)
をメソメソ
泣
(
な
)
いてゐるのだ。
270
海千
(
うみせん
)
山千
(
やません
)
川千
(
かはせん
)
の
下
(
した
)
つ
腹
(
ぱら
)
に
毛
(
け
)
のない
所
(
ところ
)
を
御覧
(
ごらん
)
なさいと
云
(
い
)
ふ
様
(
やう
)
なシタタカ
者
(
もの
)
の
癖
(
くせ
)
に、
271
さてもさても
戸惑
(
とまど
)
うたものだなア。
272
蠑螈別
(
いもりわけ
)
一人
(
ひとり
)
が
男
(
をとこ
)
ぢやあるまいし、
273
何
(
なん
)
ならここにテクが
一人
(
ひとり
)
、
274
お
前
(
まへ
)
さまの
事
(
こと
)
を
大変
(
たいへん
)
に
褒
(
ほ
)
めてゐたから、
275
一
(
ひと
)
つ
鞍替
(
くらがへ
)
をしたらどうだい。
276
河鹿川
(
かじかがは
)
でサツパリ
洗
(
あら
)
ひ
張
(
は
)
りと
云
(
い
)
ふ
幕
(
まく
)
を
開
(
ひら
)
くのだな。
277
さうすりや
恋
(
こひ
)
の
執着
(
しふちやく
)
もスツクリ
晴
(
は
)
れて、
278
新
(
あたら
)
しい
立派
(
りつぱ
)
な
若
(
わか
)
い
夫
(
をつと
)
が
持
(
も
)
てると
云
(
い
)
ふものだ。
279
なア、
280
テク
公
(
こう
)
、
281
お
前
(
まへ
)
もお
寅
(
とら
)
さまなら
満足
(
まんぞく
)
だらう』
282
テク『
馬鹿
(
ばか
)
にするない、
283
太平洋
(
たいへいやう
)
で
牛蒡
(
ごばう
)
洗
(
あら
)
つてる
様
(
やう
)
な
大
(
おほ
)
きな
代物
(
しろもの
)
は
御免
(
ごめん
)
だ。
284
一
(
ひと
)
つ
暴風
(
ばうふう
)
が
吹
(
ふ
)
いて
見
(
み
)
よ、
285
忽
(
たちま
)
ち
帆柱
(
ほばしら
)
まで
沈没
(
ちんぼつ
)
の
厄
(
やく
)
に
遭
(
あ
)
ふからなア』
286
万公
(
まんこう
)
『イツヒツヒツヒ、
287
これ
魔我
(
まが
)
さま、
288
チツトしつかりせぬかいな、
289
何時
(
なんどき
)
だと
思
(
おも
)
つてゐるのだい、
290
物好
(
ものずき
)
に、
291
こんな
老朽船
(
らうきうせん
)
の
後
(
あと
)
を
追
(
お
)
うて
来
(
く
)
るといふ
事
(
こと
)
があるものか、
292
サア
小北山
(
こぎたやま
)
へ
帰
(
かへ
)
らうぢやないか』
293
魔我
(
まが
)
『アイタヽヽ、
294
此
(
この
)
魔我彦
(
まがひこ
)
も
男
(
をとこ
)
だ。
295
トベラに
焼酎
(
せうちう
)
をふいたやうな
臭
(
にほひ
)
のするやうなお
婆
(
ば
)
アさまを、
296
何
(
なん
)
ぼ
俺
(
おれ
)
だつて
追跡
(
つゐせき
)
するものかい、
297
俺
(
おれ
)
はこんな
梅干婆
(
うめぼしば
)
アさまは
元
(
もと
)
より
眼中
(
がんちう
)
にないのだ』
298
お
寅
(
とら
)
はめしやげた
鼻
(
はな
)
で、
299
妙
(
めう
)
な
声
(
こゑ
)
を
出
(
だ
)
しながら、
300
お寅
『コリヤ、
301
魔我公
(
まがこう
)
、
302
失礼
(
しつれい
)
な
事
(
こと
)
申
(
まを
)
すと
承知
(
しようち
)
せぬぞ、
303
どこが
梅干
(
うめぼし
)
だ、
304
梅干
(
うめぼし
)
といふのは
皺苦茶
(
しわくちや
)
婆
(
ばば
)
の
事
(
こと
)
だよ。
305
まだ
此
(
この
)
通
(
とほ
)
りデツプリと
肉付
(
にくつき
)
のよい
白浪婆
(
しらなみば
)
アさま、
306
元気
(
げんき
)
盛
(
ざか
)
りを、
307
余
(
あま
)
り
見下
(
みさ
)
げるものぢやない。
308
そんな
失礼
(
しつれい
)
な
事
(
こと
)
申
(
まを
)
すと、
309
蠑螈別
(
いもりわけ
)
さまのやうに
鼻
(
はな
)
を
捻
(
ねぢ
)
つてやろか』
310
魔我
(
まが
)
『エヽ
滅相
(
めつさう
)
な、
311
梅干
(
うめぼし
)
……と
云
(
い
)
つたのは
粋人
(
すゐじん
)
と
云
(
い
)
つたのだ、
312
梅
(
うめ
)
位
(
くらゐ
)
すい
なものはないからな。
313
さう
悪取
(
わるど
)
りして
貰
(
もら
)
つちや、
314
魔我彦
(
まがひこ
)
もマガ
悪
(
わる
)
くて
困
(
こま
)
りますワイ』
315
お
寅
(
とら
)
『お
前
(
まへ
)
の
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
に
詐
(
いつは
)
りがなければ、
316
それでよい、
317
ヤツパリわたしは
粋人
(
すゐじん
)
だらうがな、
318
コラ
魔我
(
まが
)
、
319
そんな
甘
(
うま
)
い
事
(
こと
)
云
(
い
)
つても、
320
このお
寅
(
とら
)
さまは
駄目
(
だめ
)
だから
諦
(
あきら
)
めたがよからうぞ』
321
タク『ウワツハツハツハ、
322
自惚
(
うぬぼれ
)
とカサケのない
者
(
もの
)
はないと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
だが、
323
本当
(
ほんたう
)
に
妙
(
めう
)
チキ
珍
(
ちん
)
だ、
324
イツヒヽヽ』
325
魔我
(
まが
)
『
此
(
この
)
お
寅
(
とら
)
さまはエライものだよ、
326
横根
(
よこね
)
疳瘡
(
かんさう
)
骨
(
ほね
)
うづきの
関門
(
くわんもん
)
をとほの
昔
(
むかし
)
に
突破
(
とつぱ
)
し、
327
トベラ
峠
(
たうげ
)
を
打越
(
うちこ
)
え、
328
屏風
(
びやうぶ
)
ケ
岳
(
だけ
)
を
進行中
(
しんかうちう
)
だからなア、
329
何
(
なん
)
せよ
両屏風
(
りやうびやうぶ
)
の
豪傑
(
がうけつ
)
だからな、
330
ウツフツフフ、
331
フツフ』
332
タク『
両屏風
(
りやうびやうぶ
)
つて
何
(
なん
)
だい、
333
妙
(
めう
)
な
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
ふぢやないか、
334
家
(
いへ
)
の
中
(
なか
)
ぢやあるまいし、
335
こんな
所
(
ところ
)
へ
屏風
(
びやうぶ
)
持
(
も
)
つて
来
(
き
)
て
何
(
なん
)
にするのだい、
336
こんな
道
(
みち
)
の
真中
(
まんなか
)
で
屏風
(
びやうぶ
)
引
(
ひ
)
きまはして
結婚
(
けつこん
)
でもあるまいし』
337
魔我
(
まが
)
『ハツハヽヽヽ、
338
余程
(
よほど
)
世間見
(
せけんみ
)
ずだな、
339
貴様
(
きさま
)
は
未
(
ま
)
だ
おぼこ
いワイ、
340
両屏風
(
りやうびやうぶ
)
と
云
(
い
)
つたら
両方
(
りやうはう
)
の
横根
(
よこね
)
だ、
341
片
(
かた
)
つ
方
(
ぽう
)
の
横根
(
よこね
)
を
片屏風
(
かたびやうぶ
)
と
云
(
い
)
ふのだ。
342
そしてなア、
343
お
寅
(
とら
)
さまのやうに
毎木毒
(
まいぼくどく
)
で
頭髪
(
とうはつ
)
のうすくなつたのを、
344
トヤといふのだ。
345
此
(
この
)
道
(
みち
)
にかけたら
魔我
(
まが
)
さまもマガなスキがな
研究
(
けんきう
)
してゐるから
随分
(
ずゐぶん
)
博士
(
はかせ
)
だよ』
346
万公
(
まんこう
)
『
何時
(
いつ
)
までもこんな
所
(
ところ
)
でグヅグヅしてゐても
仕方
(
しかた
)
がないぢやないか、
347
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
、
348
小北山
(
こぎたやま
)
まで
帰
(
かへ
)
らう、
349
俺
(
おれ
)
が
神変
(
しんぺん
)
不思議
(
ふしぎ
)
の
神術
(
かむわざ
)
で、
350
お
民
(
たみ
)
や
蠑螈別
(
いもりわけ
)
の
足止
(
あしど
)
めをしてやるから、
351
安心
(
あんしん
)
せい』
352
アク『
三五教
(
あななひけう
)
の
神力
(
しんりき
)
で
足止
(
あしど
)
めのみならず、
353
小北山
(
こぎたやま
)
へ
両人
(
りやうにん
)
が
帰
(
かへ
)
つて
来
(
く
)
る
様
(
やう
)
に
神
(
かみ
)
さまに
願
(
ねが
)
つて
鎮魂
(
ちんこん
)
をしてやるワ、
354
サアお
寅
(
とら
)
婆
(
ば
)
アさま、
355
魔我
(
まが
)
さま、
356
帰
(
い
)
なう、
357
小北山
(
こぎたやま
)
の
狸
(
たぬき
)
も
足
(
あし
)
を
洗
(
あら
)
うて
寝
(
ね
)
る
時分
(
じぶん
)
だ、
358
モウ
子
(
ね
)
の
刻
(
こく
)
だ。
359
気
(
き
)
の
利
(
き
)
いた
化物
(
ばけもの
)
も
引込
(
ひつこ
)
む
時分
(
じぶん
)
だぞ。
360
サア
下腹
(
したはら
)
に
毛
(
け
)
のない
婆
(
ば
)
アさま、
361
帰
(
かへ
)
らう
帰
(
かへ
)
らう、
362
偕老
(
かいらう
)
同穴
(
どうけつ
)
だ。
363
アツハツハツハ』
364
お
寅
(
とら
)
『
何
(
なに
)
、
365
三五教
(
あななひけう
)
の
神力
(
しんりき
)
で
蠑螈別
(
いもりわけ
)
とお
民
(
たみ
)
を
返
(
かへ
)
してやらうと
云
(
い
)
ふのかい。
366
実際
(
じつさい
)
にそんな
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
るとすれば、
367
此
(
この
)
お
寅
(
とら
)
もこんなに
骨
(
ほね
)
を
折
(
を
)
る
必要
(
ひつえう
)
がない、
368
あ、
369
それなら
一先
(
ひとま
)
づ
帰
(
かへ
)
る
事
(
こと
)
にしよう。
370
併
(
しか
)
しお
民
(
たみ
)
はモウ
返
(
かへ
)
していらないから、
371
蠑螈別
(
いもりわけ
)
だけを
此方
(
こちら
)
へ
引寄
(
ひきよ
)
せて
貰
(
もら
)
ひたいものだ。
372
さうすりや、
373
私
(
わたし
)
も
三五教
(
あななひけう
)
にスツパリと
帰順
(
きじゆん
)
して
了
(
しま
)
ひますワ』
374
万公
(
まんこう
)
『ハヽヽヽヽ、
375
随分
(
ずゐぶん
)
現金
(
げんきん
)
な
婆
(
ば
)
アさまだな。
376
モシ
先生
(
せんせい
)
、
377
どうでせう、
378
蠑螈別
(
いもりわけ
)
を
引戻
(
ひきもど
)
す
予算
(
よさん
)
は
成立
(
せいりつ
)
してゐますかな』
379
五三
(
いそ
)
『
確
(
たし
)
かに
成立
(
せいりつ
)
してゐる、
380
併
(
しか
)
しこれも
婆
(
ば
)
アさまの
心次第
(
こころしだい
)
だ。
381
ヤアお
寅
(
とら
)
さま、
382
帰
(
い
)
なう
帰
(
い
)
なう』
383
お
寅
(
とら
)
『
何
(
なに
)
は
兎
(
と
)
もあれ、
384
旅装束
(
たびしやうぞく
)
もせず、
385
腹立紛
(
はらだちまぎ
)
れにまつ
跣足
(
ぱだし
)
でやつて
来
(
き
)
たのだから、
386
旅
(
たび
)
をしようと
云
(
い
)
つても
此
(
この
)
儘
(
まま
)
ではいかない、
387
一遍
(
いつぺん
)
帰
(
かへ
)
りませう。
388
コレ
魔我
(
まが
)
さま、
389
お
前
(
まへ
)
は
蠑螈別
(
いもりわけ
)
の
後
(
あと
)
を
追
(
お
)
うて、
390
お
民
(
たみ
)
の
手
(
て
)
を
取
(
と
)
りドツカの
山奥
(
やまおく
)
へでも
暫
(
しばら
)
く
隠
(
かく
)
れてゐなさい、
391
モウ
小北山
(
こぎたやま
)
へ
帰
(
かへ
)
る
必要
(
ひつえう
)
はないから……』
392
魔我
(
まが
)
『
俺
(
わし
)
だつて、
393
まつ
跣足
(
ぱだし
)
で、
394
此
(
この
)
通
(
とほ
)
り
帯取裸
(
おびとりはだか
)
だ。
395
一本橋
(
いつぽんばし
)
を
渡
(
わた
)
る
時
(
とき
)
に
履物
(
はきもの
)
をおとし、
396
帯
(
おび
)
も
褌
(
ふんどし
)
も
川
(
かは
)
の
中
(
なか
)
へおち
込
(
こ
)
んで
了
(
しま
)
つた、
397
懐中物
(
くわいちうもの
)
もドコで
落
(
おと
)
したか
分
(
わか
)
らぬ、
398
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
一遍
(
いつぺん
)
帰
(
かへ
)
らな
何
(
ど
)
うする
事
(
こと
)
も
出来
(
でき
)
ない。
399
私
(
わし
)
は
私
(
わし
)
でウラナイ
教
(
けう
)
の
副教主
(
ふくけうしゆ
)
といふ
絶対
(
ぜつたい
)
権威
(
けんゐ
)
を
持
(
も
)
つてゐるのだから、
400
是非
(
ぜひ
)
帰
(
かへ
)
らなくてはならない、
401
教主
(
けうしゆ
)
の
出
(
で
)
た
後
(
あと
)
は
副教主
(
ふくけうしゆ
)
が
教権
(
けうけん
)
を
掌握
(
しやうあく
)
するのは
当然
(
たうぜん
)
だ』
402
お
寅
(
とら
)
『それなら
仕方
(
しかた
)
が
無
(
な
)
い。
403
魔我
(
まが
)
さまもお
帰
(
かへ
)
りなさい』
404
万公
(
まんこう
)
『
魔我
(
まが
)
さまが
副教主
(
ふくけうしゆ
)
で、
405
之
(
これ
)
からは
全権
(
ぜんけん
)
を
握
(
にぎ
)
るのだから、
406
さうするとヤツパリお
寅
(
とら
)
さまは、
407
蠑螈別
(
いもりわけ
)
に
対
(
たい
)
する
同様
(
どうやう
)
の
待遇振
(
たいぐうぶり
)
を、
408
魔我
(
まが
)
さまに
対
(
たい
)
して
捧
(
ささ
)
ぐるのだな』
409
お
寅
(
とら
)
『ヘン、
410
阿呆
(
あはう
)
らしい、
411
玉
(
たま
)
が
違
(
ちが
)
ひますわいな、
412
ホツホヽヽヽ』
413
五三公
(
いそこう
)
、
414
お
寅
(
とら
)
外
(
ほか
)
五
(
ご
)
人
(
にん
)
は、
415
ヤツトの
事
(
こと
)
で
小北山
(
こぎたやま
)
の
教主館
(
けうしゆやかた
)
まで
帰
(
かへ
)
つて
来
(
き
)
た。
416
(
大正一一・一二・一五
旧一〇・二七
松村真澄
録)
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