霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第二一章 (たみ)虎声(こゑ)〔一二三一〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第46巻 舎身活躍 酉の巻 篇:第4篇 謎の黄板 よみ(新仮名遣い):なぞのおうばん
章:第21章 民の虎声 よみ(新仮名遣い):たみのこえ 通し章番号:1231
口述日:1922(大正11)年12月16日(旧10月28日) 口述場所: 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年9月25日
概要: 舞台:怪志の森/河鹿川の一本橋 あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
コー、ワク、エムらバラモン軍の目付たちは再び怪しの森の警護に戻った。すると遠くから宣伝歌が雷のごとく響いてきた。一同は耳を抑えて木蔭にブルブルと震え、声が過ぎるのを待っている。
松彦と万公は、それぞれこれまでの経緯を宣伝歌に歌いながら道をやってくる。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2023-03-23 19:05:18 OBC :rm4621
愛善世界社版:261頁 八幡書店版:第8輯 452頁 修補版: 校定版:274頁 普及版:109頁 初版: ページ備考:
001小北(こぎた)(やま)霊域(れゐゐき)
002(やみ)(まぎ)れて()(いだ)
003(こひ)欲望(よくばう)(たつ)せむと
004蠑螈別(いもりわけ)(かた)らひつ
005河鹿(かじか)(はし)()(わた)
006野中(のなか)(もり)()()れば
007(おも)ひがけなき(ひと)(こゑ)
008幾十(いくじふ)(にん)ともわかぬ(ほど)
009ザワザワザワと(きこ)()
010(たみ)(おどろ)倉皇(さうくわう)
011元来(もとき)(みち)()(かへ)
012(いき)をはづましノソノソと
013野中(のなか)(もり)目当(めあて)にて
014河鹿(かじか)(たうげ)本道(ほんだう)
015(まは)らむものと(すす)()
016(あや)しき(もり)木下蔭(こしたかげ)
017四五(しご)(をとこ)胡床座(あぐらざ)
018なりてヒソヒソ雑談(ざつだん)
019(ふけ)りて(ふゆ)夜寒(よさむ)をば
020(ふる)ひながらも(あか)()
021()かる(こと)とは(かみ)ならぬ
022()()るよしも()きながら
023(さび)しさ()にしむ(ふゆ)(みち)
024(あと)(こころ)()かれつつ
025すたすた(きた)(ひと)(かげ)
026コー、ワク、エムの(さん)(にん)
027(をんな)(むか)つて(こゑ)をかけ
028いづくの(やつ)()らねども
029バラモン(ぐん)(おん)関所(せきしよ)
030通行(つうかう)(まか)りならぬぞと
031呶鳴(どな)れば(をんな)()(わら)
032天下(てんか)御免(ごめん)大道(だいだう)
033通行(つうかう)するのが何悪(なにわる)
034邪魔(じやま)ひろぐなと()ひながら
035一切(いつさい)かまはず()かむとす
036(をとこ)両手(りやうて)()(ひろ)
037一歩(いつぽ)もやらじといきまけば
038(たみ)(こゑ)(あら)らげて
039小童(こわつぱ)武者(むしや)(のち)のため
040(こら)しめ()れむと()ひながら
041前後(ぜんご)左右(さいう)()()せる
042(をとこ)素首(そつくび)ひん(にぎ)
043(みぎ)(ひだり)()(たふ)
044(いど)(たたか)(をり)もあれ
045大地(だいち)をどんどん(ひび)かせて
046枯草(かれくさ)しげる細道(ほそみち)
047(はし)つて(きた)(をとこ)あり
048(この)有様(ありさま)()るよりも
049(まへ)はお(たみ)()つたきり
050(こし)()かして(みち)()
051ウンと(たふ)れた可笑(をか)しさよ
052(たみ)(あと)()()いて
053(まへ)蠑螈別(いもりわけ)さまか
054ようまあお()(くだ)さつた
055どうぞ助太刀(すけだち)(たの)みます
056蠑螈別(いもりわけ)()()いて
057アハヽヽヽヽヽヽアハヽヽヽ
058御供(ごく)にも()たぬ蠅虫(はへむし)
059相手(あひて)になすとは何事(なにごと)
060(おれ)此処(ここ)にゆつくりと
061さも(いさ)ましい活劇(くわつげき)
062見物(けんぶつ)(いた)(せい)()して
063愉快(ゆくわい)芝居(しばゐ)()せて()
064あゝ面白(おもしろ)面白(おもしろ)
065(なん)ぞと(にはか)負惜(まけを)しみ
066(その)()(つくら)ふをかしさよ
067(たみ)相手(あひて)(つか)()
068(たがひ)路傍(ろばう)(いき)やすめ
069(つひ)和睦(わぼく)曙光(しよくわう)をば
070(みと)めた(うへ)蠑螈別(いもりわけ)
071所持(しよぢ)大金(たいきん)()()して
072賠償(ばいしやう)気取(きど)りになつて()
073かかる(ところ)へバラモンの
074目附(めつけ)(やく)(えら)ばれし
075エキスが一人(ひとり)(あら)はれて
076(また)もや(ここ)談判(だんぱん)
077開設(かいせつ)せしぞ面白(おもしろ)
078無欲(むよく)恬淡(てんたん)金銭(きんせん)
079(こころ)()せぬ蠑螈別(いもりわけ)
080有金(ありがね)すつぽり()()して
081エキス目附(めつけ)のお()()
082(たみ)諸共(もろとも)陣中(ぢんちう)
083駕籠(かご)()せられ将軍(しやうぐん)
084帷幕(ゐばく)(さん)三五(あななひ)
085(をしへ)(たた)きやぶらむと
086(むね)一物(いちもつ)(いだ)きつつ
087本陣(ほんぢん)さして(すす)()
088コー、ワク、エムの(さん)(にん)
089(あや)しの(もり)(もと)(ごと)
090警固(けいご)(つと)むる(をり)もあれ
091(とほ)(きこ)ゆる宣伝歌(せんでんか)
092(らい)(ごと)くに(ひび)()
093一同(いちどう)両手(りやうて)(みみ)(おさ)
094木蔭(こかげ)(ひそ)んでブルブルと
095(こゑ)()ぐるを()ちにける。
096
097 松彦(まつひこ)小北山(こぎたやま)聖地(せいち)(はな)れ、098一本橋(いつぽんばし)(わた)り、099(ただち)宣伝歌(せんでんか)(うた)()した。
100松彦(かみ)(おもて)(あら)はれて
101善神(ぜんしん)邪神(じやしん)()てわける
102(この)()(つく)りし神直日(かむなほひ)
103(こころ)(ひろ)大直日(おほなほひ)
104(ただ)何事(なにごと)(ひと)()
105直日(なほひ)見直(みなほ)()(なほ)
106()(あやまち)()(なほ)
107三五教(あななひけう)(かみ)(みち)
108国治立(くにはるたちの)大神(おほかみ)
109(いづ)(をしへ)(かしこ)みて
110産土山(うぶすなやま)高原(かうげん)
111(かむ)素盞嗚(すさのをの)大神(おほかみ)
112(うづ)御舎(みあらか)千木(ちぎ)(たか)
113(つか)へまつりて永久(とこしへ)
114(しづ)まりいまし(あめ)(した)
115四方(よも)国々(くにぐに)蒼生(たみぐさ)
116(すく)ひの(みち)()べたまふ
117(をしへ)にまつらふ宣伝使(せんでんし)
118治国別(はるくにわけ)一行(いつかう)
119河鹿(かじか)(たうげ)()()えて
120(みなみ)(さか)(くだ)(ぐち)
121(すす)()ませる(をり)もあれ
122バラモン(けう)片彦(かたひこ)
123久米彦(くめひこ)将軍(しやうぐん)()()して
124ランチの先鋒(せんぽう)とつかへつつ
125河鹿(かじか)(たうげ)八合目(はちがふめ)
126(すす)(をり)しも三五(あななひ)
127治国別(はるくにわけ)言霊(ことたま)
128()ちなやまされ散々(さんざん)
129(あき)()()()(ごと)
130()()()くぞ果敢(はか)なけれ
131(われ)片彦(かたひこ)将軍(しやうぐん)
132帷幕(ゐばく)(さん)秘書(ひしよ)となり
133斎苑(いそ)(やかた)征討(せいたう)
134(むか)(をり)しも皇神(すめかみ)
135慈光(じくわう)()れて(よみがへ)
136不思議(ふしぎ)(えん)にて恋慕(こひした)
137(あに)亀彦(かめひこ)にめぐり()
138(わか)れて程経(ほどへ)物語(ものがたり)
139(ここ)兄弟(きやうだい)名告(なの)()
140玉国別(たまくにわけ)(いとま)()
141(ほこら)(もり)()()でて
142(けは)しき(さか)(くだ)りつつ
143山口(やまぐち)(もり)一泊(いつぱく)
144不思議(ふしぎ)(かみ)経綸(けいりん)
145驚異(きやうい)(まなこ)見張(みは)りつつ
146野中(のなか)(もり)()()れば
147(また)(あや)しき(こと)ばかり
148一夜(いちや)(あか)(その)(うち)
149治国別(はるくにわけ)()(わか)
150(なん)詮方(せんかた)()()くも
151五三公(いそこう)万公(まんこう)(はじ)めとし
152アク、タク、テクの(さん)(にん)
153(したが)野路(のぢ)(すす)みつつ
154小北(こぎた)(やま)向岸(むかふぎし)
155一本橋(いつぽんばし)()()れば
156(また)もや不思議(ふしぎ)神縁(しんえん)
157()かれて(のぼ)小北山(こぎたやま)
158(ひそ)曲津(まがつ)言向(ことむ)けて
159(ただ)しき(かみ)(まつ)()
160(おも)ひも()らぬ(わが)(つま)
161(むすめ)(めぐ)()ひつつも
162(かみ)仁慈(じんじ)(よろこ)びて
163感謝(かんしや)(なみだ)せきあへず
164(ふたた)びここを()()でて
165治国別(はるくにわけ)(あと)()
166浮木(うきき)(もり)敵陣(てきぢん)
167旗鼓(きこ)堂々(だうだう)(すす)()
168あゝ面白(おもしろ)面白(おもしろ)
169正義(せいぎ)刄向(はむか)(かみ)はなし
170(かむ)素盞嗚(すさのをの)大神(おほかみ)
171無限(むげん)神力(しんりき)(たまは)りて
172これの使命(しめい)(つつが)なく
173()へさせ(たま)惟神(かむながら)
174(いづ)御前(みまへ)()ぎまつる
175朝日(あさひ)()るとも(くも)るとも
176(つき)()つとも()くるとも
177仮令(たとへ)大地(だいち)(しづ)むとも
178(かみ)(まか)せし(この)(からだ)
179たとへ()なうが(たふ)れうが
180(けつ)して(くや)(こと)はない
181(ただ)何事(なにごと)(かみ)(さま)
182(こころ)のままに()(まか)
183(すす)()()大丈夫(だいぢやうぶ)
184大和(やまと)(ごころ)(むね)()
185(かひな)(うな)(にく)(をど)
186幾百万(いくひやくまん)敵軍(てきぐん)
187()めず(おそ)れず堂々(だうだう)
188(すす)みて()かむ(たましひ)
189(はや)くも(うま)(かは)りけり
190あゝ(いさ)ましし(いさ)ましし
191(かみ)(ちから)()のあたり
192いやしき(わが)()()ひたまひ
193(むら)がる(てき)陣中(ぢんちう)
194無人(むじん)()をば()くごとし
195あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
196御霊(みたま)幸倍(さちはへ)ましませよ』
197 万公(まんこう)(また)(うた)ふ。
198万公斎苑(いそ)(やかた)()()でて
199(やうや)此処(ここ)()()れば
200(おも)ひもよらぬお(とら)さま
201(きく)にまでも(めぐ)()
202()るに()られぬ宿縁(しゆくえん)
203(なみだ)(ぬぐ)(をり)もあれ
204(かみ)(めぐみ)()かされて
205小北(こぎた)(やま)聖場(せいぢやう)
206(ふたた)(はる)花盛(はなざか)
207常世(とこよ)(やみ)()()きて
208月日(つきひ)(きよ)()(わた)
209空気(くうき)はいとも()みきりて
210今迄(いままで)悪魔(あくま)()ぐひたる
211みやまも(いま)(かみ)(くに)
212天国(てんごく)浄土(じやうど)となりにけり
213松彦司(まつひこつかさ)(したが)ひて
214悪魔(あくま)征途(せいと)(のぼ)()
215(かみ)下僕(しもべ)万公(まんこう)
216()にも(まれ)なる宣伝使(せんでんし)
217治国別(はるくにわけ)のお(とも)して
218ハルナの(みやこ)()(おろ)
219(かみ)(しづ)まるエルサレム
220黄金山(わうごんざん)(むか)ひたる
221鬼春別(おにはるわけ)軍隊(ぐんたい)
222一人(ひとり)(のこ)らず三五(あななひ)
223(まこと)(みち)言向(ことむ)けて
224(すく)(たす)けむこの首途(かどで)
225あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
226(かみ)(めぐみ)(さち)はひて
227一日(ひとひ)(はや)片時(かたとき)
228(かみ)()さしの神業(かむわざ)
229(つく)させたまへ天地(あめつち)
230(うづ)御前(みまへ)万公(まんこう)
231(かしこ)(かしこ)()ぎまつる』
232大正一一・一二・一六 旧一〇・二八 加藤明子録)
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