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第10巻(酉の巻)
第11巻(戌の巻)
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第73巻(子の巻)
第74巻(丑の巻)
第75巻(寅の巻)
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第77巻(辰の巻)
第78巻(巳の巻)
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第46巻(酉の巻)
序文
総説
第1篇 仕組の縺糸
01 榛並樹
〔1211〕
02 慰労会
〔1212〕
03 噛言
〔1213〕
04 沸騰
〔1214〕
05 菊の薫
〔1215〕
06 千代心
〔1216〕
07 妻難
〔1217〕
第2篇 狐運怪会
08 黒狐
〔1218〕
09 文明
〔1219〕
10 唖狐外れ
〔1220〕
11 変化神
〔1221〕
12 怪段
〔1222〕
13 通夜話
〔1223〕
第3篇 神明照赫
14 打合せ
〔1224〕
15 黎明
〔1225〕
16 想曖
〔1226〕
17 惟神の道
〔1227〕
18 エンゼル
〔1228〕
第4篇 謎の黄板
19 怪しの森
〔1229〕
20 金の力
〔1230〕
21 民の虎声
〔1231〕
22 五三嵐
〔1232〕
23 黄金華
〔1233〕
余白歌
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> 第3篇 神明照赫 > 第14章 打合せ
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第一四章
打合
(
うちあは
)
せ〔一二二四〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第46巻 舎身活躍 酉の巻
篇:
第3篇 神明照赫
よみ(新仮名遣い):
しんめいしょうかく
章:
第14章 打合せ
よみ(新仮名遣い):
うちあはせ
通し章番号:
1224
口述日:
1922(大正11)年12月15日(旧10月27日)
口述場所:
筆録者:
外山豊二
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1924(大正13)年9月25日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
松姫館では、三五教の一行が小北山の祀り替えについて相談を行っていた。松彦一行はエルサレムに進んだバラモン軍を追っていくという任務があるため、なかなかどのように小北山を片付けて行くか決まらなかった。
松姫が五三公に頼んで神様にうかがってみたところ、まだ三日ほどは時間があるとのことだった。そこで明日の朝から祀り替えを始めることとし、お寅と魔我彦に承認を得るようテクに呼びにいかせた。
松姫は、最初は変性女子の悪口を言って攻撃していたウラナイ教も、変性男子が昇天してからは、義理天上日の出神が世界のことを変性女子に教えて聞かせるのだと教えを変えてきていたという。それも、変性女子の信者をうまくひかっけるための策略だったという。
そして変性女子の手の者が多く小北山にやってきて、教祖が信者の女と駆け落ちしてしまったのも、神罰があたったためであろうと結んだ。一同は述懐の歌をそれぞれ歌った。
お寅、魔我彦、お菊、文助などを集めて、松姫館の奥の間で明日の朝早くから三五の大神を鎮祭すべく修祓、遷座式を打ち合わせ、各自今に帰ってその夜を明かすことになった。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2023-03-15 19:34:43
OBC :
rm4614
愛善世界社版:
183頁
八幡書店版:
第8輯 424頁
修補版:
校定版:
193頁
普及版:
73頁
初版:
ページ備考:
001
松姫館
(
まつひめやかた
)
には
夜
(
よ
)
の
更
(
ふ
)
くるまで
雑談
(
ざつだん
)
が
始
(
はじ
)
まつてゐる。
002
五三
(
いそ
)
『モシ
松彦
(
まつひこ
)
さま、
003
思
(
おも
)
はず、
004
暇
(
ひま
)
を
小北山
(
こぎたやま
)
で
費
(
つひや
)
しましたなア。
005
治国別
(
はるくにわけ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
は、
006
さぞ
待
(
ま
)
つてゐられますでせうなア。
007
何
(
ど
)
うです、
008
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
をスツパリ
祀
(
まつ
)
りかへて
行
(
ゆ
)
くといふお
話
(
はなし
)
ださうですが、
009
これだけ
沢山
(
たくさん
)
のお
宮
(
みや
)
さまを
一々
(
いちいち
)
祀
(
まつ
)
りかへて
居
(
を
)
つた
日
(
ひ
)
には、
010
二日
(
ふつか
)
や
三日
(
みつか
)
では
埒
(
らち
)
があきますまい。
011
そんな
事
(
こと
)
をしとつたら
肝腎
(
かんじん
)
の
御用
(
ごよう
)
が
後
(
おく
)
れるぢやありませぬか』
012
松彦
(
まつひこ
)
『ソレもさうですが
此
(
この
)
儘
(
まま
)
にして
行
(
ゆ
)
く
訳
(
わけ
)
にも
行
(
ゆ
)
かず、
013
困
(
こま
)
つたものです。
014
私
(
わたし
)
達
(
たち
)
は
都合
(
つがふ
)
によつたらエルサレム
迄
(
まで
)
行
(
い
)
つて
来
(
こ
)
なくてはなりませぬ。
015
さうすれば
一
(
いち
)
年
(
ねん
)
位
(
くらゐ
)
は
早
(
はや
)
くてもかかりますから、
016
イツソの
事
(
こと
)
、
017
松姫
(
まつひめ
)
に
一任
(
いちにん
)
しておいたら
何
(
ど
)
うでせうなア』
018
五三
(
いそ
)
『
万公
(
まんこう
)
さまも
一緒
(
いつしよ
)
に
暫
(
しばら
)
く
残
(
のこ
)
しといたら
何
(
ど
)
うでせうか』
019
アク『モシ
先生
(
せんせい
)
、
020
こんな
男
(
をとこ
)
を
残
(
のこ
)
しておかうものなら、
021
又
(
また
)
狐
(
きつね
)
につままれて
駄目
(
だめ
)
ですよ。
022
お
寅
(
とら
)
さまに
魔我彦
(
まがひこ
)
、
023
万公
(
まんこう
)
の
欺
(
だま
)
され
三幅対
(
さんぷくつゐ
)
です。
024
が、
025
欺
(
だま
)
され
三幅対
(
さんぷくつゐ
)
をこんな
処
(
ところ
)
へ
置
(
お
)
いておかうものなら、
026
又候
(
またぞろ
)
狐狸
(
こり
)
の
巣窟
(
さうくつ
)
となつて
了
(
しま
)
ひます。
027
而
(
さう
)
して
万公
(
まんこう
)
さまは
斎苑
(
いそ
)
の
館
(
やかた
)
からお
供
(
とも
)
に
連
(
つ
)
れて
治国別
(
はるくにわけ
)
さまが
厶
(
ござ
)
つたのだから、
028
貴方
(
あなた
)
の
勝手
(
かつて
)
にはなりますまい』
029
松姫
(
まつひめ
)
『ソラさうですなア、
030
五三公
(
いそこう
)
さま、
031
一
(
ひと
)
つ
貴方
(
あなた
)
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
に
伺
(
うかが
)
つて
見
(
み
)
て
下
(
くだ
)
さらぬか』
032
五三
(
いそ
)
『ハイ
承知
(
しようち
)
致
(
いた
)
しました。
033
それなら
一
(
ひと
)
つ
伺
(
うかが
)
つて
見
(
み
)
ませう』
034
と
言
(
い
)
ひながら
手
(
て
)
を
組
(
く
)
んで
暫
(
しばら
)
く
無我
(
むが
)
の
境
(
きやう
)
に
入
(
い
)
つた。
035
五三
(
いそ
)
『ヤア
解
(
わか
)
りました。
036
未
(
ま
)
だ
三日
(
みつか
)
ばかしは
差支
(
さしつかへ
)
ない
様
(
やう
)
です。
037
明日
(
あす
)
早朝
(
さうてう
)
から
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
御
(
お
)
祀
(
まつ
)
りかへをする
事
(
こと
)
に
致
(
いた
)
しませう、
038
それに
就
(
つい
)
てはお
寅
(
とら
)
さま、
039
魔我彦
(
まがひこ
)
さまの
承諾
(
しようだく
)
をうけておく
必要
(
ひつえう
)
はありますまいかなア』
040
松姫
(
まつひめ
)
『それが
第一
(
だいいち
)
です。
041
テクさま、
042
すまないが
一
(
ひと
)
つお
寅
(
とら
)
さまと
魔我彦
(
まがひこ
)
さまを
此処
(
ここ
)
へ
来
(
き
)
て
頂
(
いただ
)
くやうに
頼
(
たの
)
んで
下
(
くだ
)
さいなア』
043
テク『
承知
(
しようち
)
致
(
いた
)
しました』
044
と
座
(
ざ
)
を
立
(
た
)
つて
階段
(
かいだん
)
を
下
(
くだ
)
り
行
(
ゆ
)
く。
045
アク『
松姫
(
まつひめ
)
さま、
046
随分
(
ずゐぶん
)
貴女
(
あなた
)
は
此処
(
ここ
)
へおいでになつてから
日日
(
ひにち
)
が
経
(
た
)
つたやうですが、
047
妙
(
めう
)
な
神
(
かみ
)
さまばかり
祀
(
まつ
)
つたものですなア』
048
松姫
(
まつひめ
)
『
本当
(
ほんたう
)
にをかしくて
怺
(
たま
)
らぬのです。
049
幾何
(
いくら
)
にでもへぐれて へぐれて へぐれ
廻
(
まは
)
す
神
(
かみ
)
さまですからなア』
050
アク
『へぐれ
神社
(
じんしや
)
に
種物
(
たねもの
)
神社
(
じんしや
)
、
051
生羽
(
いきば
)
神社
(
じんしや
)
に
大門
(
おほもん
)
神社
(
じんしや
)
、
052
其
(
その
)
他
(
た
)
随分
(
ずゐぶん
)
妙
(
めう
)
な
名
(
な
)
があるぢやありませぬか。
053
ヨウマアこんな
出放題
(
ではうだい
)
な
神名
(
しんめい
)
や
神社
(
じんしや
)
名
(
めい
)
がつけられたものですなア』
054
松姫
『ソレでも
世間
(
せけん
)
は
広
(
ひろ
)
いものですよ。
055
誰
(
たれ
)
も
彼
(
かれ
)
も
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
になつて
詣
(
まゐ
)
つて
来
(
く
)
るのですから、
056
不思議
(
ふしぎ
)
なものですわ』
057
アク
『
大変
(
たいへん
)
に
変性
(
へんじやう
)
男子
(
なんし
)
をほめて
変性
(
へんじやう
)
女子
(
によし
)
をくさしてゐるぢやありませぬか』
058
松姫
『
二三
(
にさん
)
年前
(
ねんまへ
)
迄
(
まで
)
は
極力
(
きよくりよく
)
変性
(
へんじやう
)
女子
(
によし
)
を
悪
(
あく
)
の
鏡
(
かがみ
)
だとか
言
(
い
)
つて
攻撃
(
こうげき
)
して
居
(
を
)
りましたが、
059
此
(
この
)
頃
(
ごろ
)
は
変性
(
へんじやう
)
男子
(
なんし
)
の
生宮
(
いきみや
)
が
昇天
(
しようてん
)
遊
(
あそ
)
ばしたので、
060
仕方
(
しかた
)
がなく
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
に
変性
(
へんじやう
)
女子
(
によし
)
の
弁解
(
べんかい
)
ばつかりしてゐるのですよ。
061
男子
(
なんし
)
と
女子
(
によし
)
とが
経
(
たて
)
と
緯
(
よこ
)
とで
錦
(
にしき
)
の
機
(
はた
)
を
織
(
お
)
るのだ。
062
而
(
しか
)
して
義理
(
ぎり
)
天上
(
てんじやう
)
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
が
世界中
(
せかいぢう
)
の
事
(
こと
)
を
調
(
しら
)
べて、
063
変性
(
へんじやう
)
女子
(
によし
)
にソツと
言
(
い
)
うて
聞
(
き
)
かすのだと、
064
ソレハソレハ
偉
(
えら
)
い
権幕
(
けんまく
)
でしたわ』
065
万公
(
まんこう
)
『
余程
(
よほど
)
改心
(
かいしん
)
が
出来
(
でけ
)
たと
見
(
み
)
えますねえ』
066
松姫
(
まつひめ
)
『イエイエさうではありますまい。
067
三五教
(
あななひけう
)
の
信者
(
しんじや
)
を
占領
(
せんりやう
)
しようと
思
(
おも
)
へば、
068
此
(
この
)
頃
(
ごろ
)
は
女子
(
によし
)
の
勢力
(
せいりよく
)
が
強
(
つよ
)
いのだから、
069
両方
(
りやうはう
)
をうまく
言
(
い
)
はねばひつかかつて
来
(
こ
)
ないものですから、
070
策略
(
さくりやく
)
であんな
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
つとるのですよ。
071
九分
(
くぶ
)
九厘
(
くりん
)
行
(
い
)
つたとこで
女子
(
によし
)
は
悪
(
あく
)
の
鏡
(
かがみ
)
だと
云
(
い
)
つてクレンとひつくり
返
(
かへ
)
すのですから
油断
(
ゆだん
)
は
出来
(
でき
)
ませぬよ。
072
併
(
しか
)
しながら
変性
(
へんじやう
)
女子
(
によし
)
の
眷属
(
けんぞく
)
がかうして
沢山
(
たくさん
)
やつて
来
(
き
)
たものだから、
073
肝腎
(
かんじん
)
の
教祖
(
けうそ
)
が
女
(
をんな
)
と
手
(
て
)
に
手
(
て
)
をとつて
駆落
(
かけおち
)
したのも、
074
つまり
神罰
(
しんばつ
)
が
当
(
あた
)
つたのでせう』
075
松彦
(
まつひこ
)
『
曲神
(
まがかみ
)
は
善
(
ぜん
)
の
仮面
(
かめん
)
を
被
(
かぶ
)
りつつ
076
世
(
よ
)
を
欺
(
あざむ
)
くぞゆゆしかりける。
077
表
(
おもて
)
には
愛
(
あい
)
と
善
(
ぜん
)
とを
標榜
(
へうぼう
)
し
078
裏
(
うら
)
に
曲
(
まが
)
をば
包
(
つつ
)
む
醜道
(
しこみち
)
。
079
何時
(
いつ
)
の
世
(
よ
)
にも
栄
(
さか
)
ゆるものは
偽善者
(
きぜんしや
)
よ
080
正
(
ただ
)
しきものは
衰
(
おとろ
)
へて
行
(
ゆ
)
く。
081
さりながら
五六七
(
みろく
)
の
神
(
かみ
)
の
生
(
あ
)
れし
上
(
うへ
)
は
082
最早
(
もはや
)
悪魔
(
あくま
)
の
栄
(
さか
)
ゆ
術
(
すべ
)
なし』
083
松姫
(
まつひめ
)
『
蠑螈別
(
いもりわけ
)
、
魔我彦
(
まがひこ
)
、お
寅婆
(
とらばあ
)
さまの
084
心
(
こころ
)
は
猫
(
ねこ
)
の
眼
(
まなこ
)
なりけり。
085
夜
(
よ
)
も
昼
(
ひる
)
も
酒
(
さけ
)
に
腸
(
はらわた
)
くさらせつ
086
曲
(
まが
)
の
宮居
(
みやゐ
)
となれる
憐
(
あは
)
れさ。
087
艮
(
うしとら
)
の
婆
(
ば
)
さまと
自
(
みづか
)
ら
称
(
とな
)
へつつ
088
坤神
(
ひつじさるがみ
)
何時
(
いつ
)
もこぼちつ。
089
曲津見
(
まがつみ
)
の
醜
(
しこ
)
の
教
(
をしへ
)
に
迷
(
まよ
)
ひけり
090
何
(
なに
)
を
言
(
い
)
うてもきくらげの
耳
(
みみ
)
。
091
これだけによくも
迷
(
まよ
)
ひしものぞかし
092
誠
(
まこと
)
の
教
(
のり
)
は
一言
(
ひとこと
)
もきこえず』
093
五三
(
いそ
)
『
斎苑
(
いそ
)
館
(
やかた
)
珍
(
うづ
)
の
宮居
(
みやゐ
)
に
比
(
くら
)
ぶれば
094
天
(
あめ
)
と
地
(
つち
)
との
如
(
ごと
)
くなりけり。
095
小北山
(
こぎたやま
)
峰
(
みね
)
の
嵐
(
あらし
)
はつよくとも
096
早
(
はや
)
をさまりて
松風
(
まつかぜ
)
の
音
(
おと
)
』
097
万公
(
まんこう
)
『ここへ
来
(
き
)
て
怪
(
あや
)
しき
事
(
こと
)
の
数々
(
かずかず
)
を
098
たこ
になるまで
耳
(
みみ
)
に
入
(
い
)
れける。
099
耳
(
みみ
)
も
目
(
め
)
も
口
(
くち
)
鼻
(
はな
)
迄
(
まで
)
も
痺
(
しび
)
れける
100
曲
(
まが
)
と
曲
(
まが
)
とに
囲
(
かこ
)
まれし
身
(
み
)
は。
101
さりながら
神
(
かみ
)
の
御稜威
(
みいづ
)
は
灼乎
(
いやちこ
)
に
102
逃
(
に
)
げ
失
(
う
)
せにけり
醜
(
しこ
)
の
曲神
(
まがかみ
)
』
103
アク『あくせくと
心
(
こころ
)
なやむる
事
(
こと
)
勿
(
なか
)
れ
104
ただ
何事
(
なにごと
)
も
神
(
かみ
)
に
任
(
まか
)
せて。
105
悪神
(
あくがみ
)
を
追
(
お
)
ひそけちらし
根本
(
こつぽん
)
の
106
神
(
かみ
)
祀
(
まつ
)
るとて
世人
(
よびと
)
あざむく』
107
タク『ユラリ
彦
(
ひこ
)
、
上義
(
じやうぎ
)
の
姫
(
ひめ
)
の
生宮
(
いきみや
)
と
108
信
(
しん
)
じゐるこそ
可笑
(
をか
)
しかりけれ。
109
さりながら
信
(
しん
)
じてくれたそのために
110
小北
(
こぎた
)
の
山
(
やま
)
を
立直
(
たてなほ
)
すなり。
111
高姫
(
たかひめ
)
や
黒姫司
(
くろひめつかさ
)
がきくならば
112
さぞ
懐旧
(
くわいきう
)
の
念
(
ねん
)
に
燃
(
も
)
ゆべし』
113
テク『
尾
(
を
)
白
(
しろ
)
し
頭
(
あたま
)
も
白
(
しろ
)
し
古狐
(
ふるぎつね
)
114
騙
(
だま
)
しけるかな
三人
(
みたり
)
の
人
(
ひと
)
を。
115
蠑螈別
(
いもりわけ
)
今
(
いま
)
は
何処
(
いづこ
)
にひそむらむ
116
お
民
(
たみ
)
の
後
(
あと
)
を
慕
(
した
)
ひ
慕
(
した
)
ひて。
117
魔我彦
(
まがひこ
)
の
心
(
こころ
)
はさぞやもめぬらむ
118
恋
(
こひ
)
にこがれしお
民
(
たみ
)
とられて』
119
これよりお
寅
(
とら
)
、
120
魔我彦
(
まがひこ
)
、
121
お
菊
(
きく
)
、
122
文助
(
ぶんすけ
)
などを
加
(
くは
)
へ、
123
松姫館
(
まつひめやかた
)
の
奥
(
おく
)
の
間
(
ま
)
で
明朝
(
みやうてう
)
早
(
はや
)
くより
三五
(
あななひ
)
の
大神
(
おほかみ
)
を
鎮祭
(
ちんさい
)
すべく
修祓
(
しうばつ
)
、
124
遷座式
(
せんざしき
)
其
(
その
)
他
(
た
)
の
件
(
けん
)
に
就
(
つい
)
て
打合
(
うちあは
)
せをなし、
125
各自
(
かくじ
)
の
居間
(
ゐま
)
に
帰
(
かへ
)
つて
其
(
その
)
夜
(
よ
)
を
明
(
あ
)
かす
事
(
こと
)
となつた。
126
あゝ
惟神
(
かむながら
)
霊
(
たま
)
幸倍
(
ちはへ
)
坐世
(
ませ
)
。
127
(
大正一一・一二・一五
旧一〇・二七
外山豊二
録)
128
因に、
129
本日午前九時より午後十一時まで十四時間に原稿紙八百一枚を口述し終れり。
130
これ今日までのレコード也。
131
(瑞月)
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