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第三章 地鎮祭(ぢちんさい)〔一二七七〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第49巻 真善美愛 子の巻 篇:第1篇 神示の社殿 よみ(新仮名遣い):しんじのしゃでん
章:第3章 地鎮祭 よみ(新仮名遣い):じちんさい 通し章番号:1277
口述日:1923(大正12)年01月16日(旧11月30日) 口述場所: 筆録者:北村隆光 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年11月5日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
今を去ること三十五万年の昔、波斯の国ウブスナ山脈の山頂に、神素盞嗚大神は神臨し玉ひて、地上の天国を建設し、三五教を開いて数多の宣伝使を養成した。地上の人間に愛善の徳と信真の光を与え、地上天国を建設し、ミロクの世を開こうと御身を地上に降して肉体的活動を続け玉ふた。
このとき、印度の国ハルナの都に八岐大蛇の悪霊に心魂を占領されたバラモン教の神司大黒主は、数多の宣伝使を従えて右手に剣を持ち左手にコーランを携えて、武力をもって無理に大自在天の教えに帰順させつつあった。
バラモン教の教義は生を軽んじ死を重んじ、肉体を苦しめて損ない破り出血させて修業の蘊奥となす暗迷非道の邪教である。
神素盞嗚尊はコーカス山、トルコのエルサレム、自転倒島の綾の聖地や天教山など各地の霊山に霊国を開き、宣伝使を下して救済の任に当たらしめた。
玉国別は大神の命を奉じてハルナの都へ大黒主を言向け和しに行く征途、河鹿峠のけわしい坂道で暴風に吹かれて懐谷に難を避けたところ、山猿の群れに襲われて目に傷を負った(第43巻参照)。祠の森で治国別宣伝使一行と出くわして、目が平癒するまで特別の使命によってここに大神の御舎を建設することになった(第44巻参照)。
玉国別の総監督の元、五十子姫、今子姫、道公、純公、伊太公、イル、イク、サール、ヨル、テルハルおよび晴公、珍彦、静子、楓などの人々は木を伐り土をひきならし、神殿建築の準備を着手し始めた。
このとき、浮木の森に駐屯していたランチ将軍が三五教に帰順して陣営を解散し、そのためこの地域に平和が戻ったため、国人たちは三五教の神の神恩に感じて祠の森の神殿建設に献金したり労働を申し出る者が四方から集り、さびしかった谷合は建造の音、人々の歌や喜びの声に充たされた。
道公は土木監督となり、石搗き歌にこれまでの経緯と、三五教の神の恩を歌いこんだ。バラモン軍からやってきた者たちも、骨身を惜しまず石搗きに活動した。三日三夜を経て基礎工事はまったく完成した。一同は石搗きの祝と神恩への感謝として祝宴を開いた。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2023-06-07 14:51:48 OBC :rm4903
愛善世界社版:31頁 八幡書店版:第9輯 43頁 修補版: 校定版:33頁 普及版:17頁 初版: ページ備考:
001 (いま)()(こと)三十五万(さんじふごまん)(ねん)(むかし)002波斯(ペルシヤ)(くに)ウブスナ山脈(さんみやく)頂上(ちやうじやう)地上(ちじやう)天国(てんごく)建設(けんせつ)し、003(かむ)素盞嗚(すさのをの)大神(おほかみ)はここに神臨(しんりん)(たま)ひて、004三五教(あななひけう)(ひら)かせ(たま)ひ、005数多(あまた)宣伝使(せんでんし)養成(やうせい)して地上(ちじやう)国土(こくど)群棲(ぐんせい)する数多(あまた)人間(にんげん)愛善(あいぜん)(とく)信真(しんしん)(ひかり)(あた)へ、006地上(ちじやう)天国(てんごく)建設(けんせつ)(たま)はむとし、007八岐(やまた)大蛇(をろち)醜狐(しこぎつね)008邪鬼(じやき)身魂(みたま)(きよ)天地(てんち)(あひだ)には一点(いつてん)虚偽(きよぎ)もなく、009罪悪(ざいあく)もなきミロクの()(ひら)かむと(たふと)(おん)()地上(ちじやう)(くだ)し、010肉体(にくたい)(てき)活動(くわつどう)(つづ)(たま)ひしこそ、011()(たふと)さの(かぎ)りである。012(この)(とき)印度(ツキ)(くに)ハルナの(みやこ)八岐(やまた)大蛇(をろち)悪霊(あくれい)(その)身魂(しんこん)占領(せんりやう)されたるバラモン(けう)神司(かむつかさ)大黒主(おほくろぬし)数多(あまた)宣伝使(せんでんし)(したが)へ、013右手(めて)(つるぎ)()左手(ゆんで)にコーランを(たづさ)へて、014大自在天(だいじざいてん)大国彦(おほくにひこの)(みこと)(をしへ)(あまね)天下(てんか)宣伝(せんでん)無理(むり)無体(むたい)(つるぎ)(もつ)(その)(みち)帰順(きじゆん)せしめむとなしつつあつた。015さうしてバラモン(けう)信条(しんでう)(せい)(かろ)んじ、016()(おも)んじ、017現肉体(げんにくたい)(くる)しめ(そこな)(やぶ)出血(しゆつけつ)なさしめて(これ)修行(しうぎやう)蘊奥(うんあう)となす(ところ)暗迷(あんめい)非道(ひだう)邪教(じやけう)である。018数多(あまた)人間(にんげん)(この)(をしへ)(くる)しめられ、019阿鼻(あび)叫喚(けうくわん)(こゑ)020山野(さんや)()(その)惨状(さんじやう)()くに()へざれば、021至仁(しじん)至愛(しあい)大神(おほかみ)(その)神格(しんかく)一部(いちぶ)地上(ちじやう)(くだ)(かむ)素盞嗚(すさのをの)(みこと)(あら)はれて中有界(ちううかい)地獄界(ぢごくかい)(まよ)へる精霊(せいれい)(およ)人間(にんげん)(すく)ふべく、022此処(ここ)地上(ちじやう)霊国(れいごく)023天国(てんごく)(きづ)かせ(たま)ふたのである。024(これ)(くは)ふるにコーカス(ざん)(はじ)土耳古(トルコ)のエルサレム、025(およ)自転倒(おのころ)(じま)(あや)聖地(せいち)天教山(てんけうざん)(その)(ほか)各地(かくち)霊山(れいざん)霊国(れいごく)(ひら)き、026宣伝使(せんでんし)(くだ)して(これ)(にん)(あた)らしめ(たま)うた。027玉国別(たまくにわけ)大神(おほかみ)(めい)(ほう)宣伝使(せんでんし)として道公(みちこう)028伊太公(いたこう)029純公(すみこう)(さん)(にん)従者(じゆうしや)(したが)へ、030ウブスナ(やま)聖場(せいぢやう)(あと)にして河鹿(かじか)(たうげ)峻坂(しゆんぱん)()え、031懐谷(ふところだに)暴風(ばうふう)(ふせ)(をり)しも山猿(やまざる)(むれ)(おそ)はれて()(きず)つけ(やうや)(ほこら)(もり)辿(たど)()き、032ここに治国別(はるくにわけ)宣伝使(せんでんし)一行(いつかう)出会(でつくは)し、033眼病(がんびやう)平癒(へいゆ)するまで特別(とくべつ)使命(しめい)によつて大神(おほかみ)御舎(みあらか)建設(けんせつ)する(こと)となつた。034(ほこら)(もり)には(すぎ)035(ひのき)036(まつ)(その)()立派(りつぱ)用材(ようざい)惟神(かむながら)(てき)立並(たちなら)んでゐた。037(この)河鹿(かじか)(たうげ)(つね)(かぜ)(はげ)しく、038()(やま)一面(いちめん)岩石(がんせき)にて大木(たいぼく)(そだ)たず、039(わづか)二三尺(にさんじやく)ばかりの()せこけた古木(こぼく)岩石(がんせき)(あひだ)点綴(てんてつ)するに()ぎない。040(しか)るに(この)河鹿山(かじかやま)一部(いちぶ)なる(ほこら)(もり)(たに)(たに)との(ふところ)(あた)り、041あまり烈風(れつぷう)(がい)もなく地味(ちみ)(また)比較(ひかく)(てき)(こえ)たれば、042()くも樹木(じゆもく)繁茂(はんも)して相当(さうたう)(ひろ)森林(しんりん)をなしてゐたのである。
043 国照姫(くにてるひめ)神勅(しんちよく)により、044(いよいよ)大神(おほかみ)神殿(しんでん)建設(けんせつ)する(こと)となり、045玉国別(たまくにわけ)総監督(そうかんとく)(もと)五十子(いそこ)(ひめ)046今子姫(いまこひめ)047道公(みちこう)048純公(すみこう)049伊太公(いたこう)(およ)びバラモンの軍人(いくさびと)なりしイル、050イク、051サール、052ヨル、053テル、054ハル(およ)晴公(はるこう)055珍彦(うづひこ)056静子(しづこ)057(かへで)(など)昼夜(ちうや)(べつ)なく忌鋤(いむすき)忌斧(いむをの)(もつ)()()(たふ)し、058(つち)ひき(なら)し、059地盤(ぢばん)(かた)めて(いよいよ)神殿(しんでん)建築(けんちく)準備(じゆんび)着手(ちやくしゆ)する(こと)となつた。060(この)(とき)浮木(うきき)(もり)陣営(ぢんえい)にありしランチ将軍(しやうぐん)061片彦(かたひこ)将軍(しやうぐん)以下(いか)(いづ)れも三五教(あななひけう)帰順(きじゆん)し、062数多(あまた)軍卒(ぐんそつ)四方(しはう)八方(はつぱう)散乱(さんらん)(この)(あた)りは(やうや)平和(へいわ)()したれば、063(その)国人(くにびと)(これ)(まつた)三五(あななひ)(かみ)(めぐ)みと打喜(うちよろこ)(その)神恩(しんおん)(はう)ずるためとて(ほこら)(もり)神殿(しんでん)建設(けんせつ)(たい)金額(きんがく)(けん)じ、064(あるひ)献労(けんらう)をなすもの四方(しはう)より(あつ)まり(きた)り、065(じつ)(さび)しき(この)谷間(たにあひ)(くは)(おと)066忌鋤(いむすき)067忌斧(いむをの)(おと)068(なら)びに石搗歌(いしつきうた)(ひと)(よろこ)(ごゑ)にて(みた)され、069(ゐのしし)070(さる)(など)(けだもの)(とほ)()()りて(かげ)をも(とど)めなくなつた。
071 道公(みちこう)土木(どぼく)主任者(しゆにんしや)となり工事(こうじ)監督(かんとく)(にん)(あた)つた。072(しか)玉国別(たまくにわけ)総監督(そうかんとく)たる(こと)前述(ぜんじゆつ)(とほ)りである。073石搗(いしつき)(うた)(さかん)木精(こだま)(ひび)(きた)る。074その(うた)
075(石搗歌)高天原(たかあまはら)()れませる
076(すめ)大神(おほかみ)御言(みこと)もて
077(かむ)素盞嗚(すさのを)大神(おほかみ)
078ウブスナ(やま)聖場(せいぢやう)
079斎苑(いそ)(やかた)()(たま)
080(あまね)世人(よびと)(すく)はむと
081(うづ)(をしへ)遠近(をちこち)
082(ひら)かせ(たま)ふぞ有難(ありがた)
083玉国別(たまくにわけ)宣伝使(せんでんし)
084(かみ)御言(みこと)(かうむ)りて
085(さむ)けき(ふゆ)初空(はつぞら)
086沐雨(もくう)櫛風(しつぷう)(いと)ひなく
087河鹿(かじか)(たうげ)()()れば
088()きしにまさる(あら)(かぜ)
089一歩(ひとあし)さへも(すす)()
090懐谷(ふところだに)()()せて
091(かぜ)()ぐるを()(うち)
092(おも)ひもかけぬ山猿(やまざる)
093(みぎ)(まなこ)(やぶ)られて
094(くる)しみ(たま)(かな)しさよ
095(たふと)(かみ)御使(みつかひ)
096()かる(なや)みに()ひますは
097(まつた)(かみ)(いまし)めか
098(ただし)(なに)かのお仕組(しぐみ)
099(たがひ)(かほ)見合(みあは)せて
100(かみ)(こころ)(はか)りかね
101中有(ちうう)(まよ)(をり)もあれ
102治国別(はるくにわけ)宣伝使(せんでんし)
103(あら)はれまして()らすやう
104玉国別(たまくにわけ)宣伝使(せんでんし)
105貴方(あなた)(かみ)のお仕組(しぐみ)
106(なや)みに()はせ(たま)ひなむ
107(こころ)(やす)けく(たひ)らけく
108思召(おぼしめ)されと()りつつも
109(なぐさ)(たま)(とき)もあれ
110五十子(いそこ)(ひめ)今子姫(いまこひめ)
111遥々(はるばる)ここに(きた)りまし
112国照姫(くにてるひめ)神懸(かむがかり)
113(つた)(たま)ひし(こと)()
114(ほこら)(もり)皇神(すめかみ)
115(みづ)御舎(みあらか)(つか)へまし
116高天原(たかあまはら)宮柱(みやはしら)
117(ふと)しく()てて()(ひと)
118(あまね)(すく)曲神(まがかみ)
119進路(しんろ)(ふせ)ぎまつれよと
120(その)神言(かみごと)(かしこ)みて
121上津(うはつ)岩根(いはね)搗固(つきかた)
122下津(したつ)岩根(いはね)(つき)こらし
123(いし)()(ひら)(つち)(なら)
124信徒(まめひと)どもが()()ひて
125(あつ)(さむ)さも打忘(うちわす)
126()もたなしらに(つか)()
127(この)有様(ありさま)天国(てんごく)
128天人(てんにん)どもも(ゑら)ぎつつ
129(わざ)(よろこ)(ごと)くなり
130神世(かみよ)(もと)(かへ)りなば
131(てん)(たか)しと()ふけれど
132(てん)(きは)めて(ちか)くなる
133天地(てんち)和合(わがふ)のミロクの()
134神人(しんじん)(とも)(たの)しみて
135常世(とこよ)(はる)(むか)へなむ
136(はや)身魂(みたま)(みが)けよと
137()らせ(たま)ひし三五(あななひ)
138(いづ)(みたま)()神勅(しんちよく)
139(いま)()のあたりに(あら)はれて
140()にも(たふと)(かぎ)りなり
141アヽ諸人(もろびと)諸人(もろびと)
142(この)()(ひと)(うま)()
143(たふと)(かみ)神業(しんげふ)
144(あせ)をたらして(つか)ふるは
145これに()ぎたる功徳(くどく)なし
146()きては地上(ちじやう)(かみ)となり
147()しては(きよ)天界(てんかい)
148(うづ)団体(かため)(くは)はりて
149至喜(しき)至楽(しらく)生涯(しやうがい)
150(たの)しむ身魂(みたま)となりぬべし
151(おも)へば(おも)へば有難(ありがた)
152(この)()(うへ)()むものは
153(かず)(かぎ)りなくあるとても
154(かみ)(かたち)(つく)られて
155(かみ)(かは)りて神業(しんげふ)
156(つと)むる(ひと)(うま)れたる
157(われ)()()にも万物(ばんぶつ)
158霊長(れいちやう)なりと(よろこ)びて
159(まこと)(かみ)をよく(あい)
160(ぜん)(とく)をば蓄積(ちくせき)
161(すめ)大神(おほかみ)神格(しんかく)
162(みた)して(くだ)りましませる
163(かむ)素盞嗚(すさのをの)大神(おほかみ)
164(すく)ひの(かみ)(した)ひつつ
165(まこと)(ひと)つを(つく)すべし
166()てよ()()てよく()てよ
167下津(したつ)岩根(いはね)(そこ)までも
168竜宮(りうぐう)(かま)()れる(まで)
169地獄(ぢごく)(はし)()ちるまで
170(よろこ)(いさ)(とき)(こゑ)
171高天原(たかあまはら)天国(てんごく)
172各団体(かくだんたい)によく(ひび)
173(もも)天人(てんにん)(よろこ)びて
174(この)石搗(いしつき)完全(くわんぜん)
175(つか)へまつらむ(その)()めに
176(ところ)()きまで(くだ)りまし
177天地(てんち)神人(しんじん)和合(わがふ)して
178(この)神業(しんげふ)(つか)へつつ
179(かみ)(こころ)(かな)はなむ
180あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
181御魂(みたま)(さちは)ひましませよ』
182音頭(おんど)をとり、183ドンドンと(ひろ)敷地(しきち)四方(しはう)より()(はじ)めたり。
184(石搗歌)河鹿山(かじかやま)から(ほこら)(もり)()れば
185ヨイトシヨ ヨイトシヨ
186(すめ)大神(おほかみ)御舎(みあらか)
187ドツコイシヨ ドツコイシヨ
188ヨイトサ ヨイトサ
189(まこと)(ひと)(あつ)まつて
190(あせ)(なが)して御用(ごよう)する
191ヨイトセ ヨイトセ
192ハーア、ヨーイトセー
193ヨーイヤナー
194大黒主(おほくろぬし)(かみ)さまは
195ヨイトセ ヨイトセ
196印度(ツキ)(みやこ)()しまして
197バラモン(けう)大棟梁(だいとうりやう)
198ヨイトサ、ヨイトセ
199ヨイトサ、ヨイトシヨ
200鬼雲姫(おにくもひめ)(おく)さまを
201愛憎(あいそ)もなしに()()して
202ドツコイシヨ ドツコイシヨ
203天女(てんによ)(やう)石生能(いその)(ひめ)
204(その)(ほか)数多(あまた)のナイスをば
205ヨイトシヨ、ヨイトセ
206(あさ)から(ばん)まで(はべ)らせて
207()めよ(うた)へと散財(さんざい)
208ウントコシヨ、ドツコイシヨ
209(ひと)難儀(なんぎ)は、うわの(そら)
210七千(しちせん)余国(よこく)(つき)(くに)
211ヨイトセ ヨイトセ
212阿鼻(あび)叫喚(けうくわん)(こゑ)()
213修羅(しゆら)(ちまた)となつて()
214ヨイトセ ヨイトセ
215(この)(やう)(こと)(じふ)(ねん)
216(つづ)いたならば()(なか)
217ヤツトコセー ヤツトコセー
218サツパリ(やみ)になるだらう
219如何(どう)したらよからうかと(おも)ふたら
220ア、ウントコシヨ、ドツコイシヨ
221天道(てんだう)さまは吾々(われわれ)
222(けつ)して見捨(みす)(たま)はない
223ドツコイシヨ ドツコイシヨ
224イソの(やかた)天国(てんごく)
225姿(すがた)(うつ)して神柱(かむばしら)
226ウントコシヨ、ドツコイシヨ
227(すく)ひの(かみ)()れませる
228(かむ)素盞嗚(すさのを)大神(おほかみ)
229ヤツトコセ、ドツコイセ
230仁慈(じんじ)無限(むげん)神心(みこころ)
231(つか)はし(たま)宣伝使(せんでんし)
232ヨイトサ、ヨイトサ
233天地(てんち)(ふさ)がる村雲(むらくも)
234(これ)にてサツパリ()れるだろ
235ドツコイシヨ ドツコイシヨ
236バラモン(けう)(つか)へたる
237(われ)()(かみ)(めぐ)みにて
238ドツコイシヨ ドツコイシヨ
239三五教(あななひけう)(たす)けられ
240(ほこら)(もり)()普請(ふしん)
241ヤツトコセー ヤツトコセー
242使(つか)うて(いただ)(うれ)しさよ
243使(つか)うて(もら)ふた(たの)しさよ
244ア、ドツコイシヨ ドツコイシヨ
245ヨイトセー ヨイトセー
246ヨイヤサー ヨイヤサー
247()てよ()()てドンドン()てよ
248地獄(ぢごく)(かま)()れるまで
249竜宮(りうぐう)(しろ)(ゆる)ぐまで
250ドツコイシヨ ドツコイシヨ
251ヨイトセー ヨイトセー』
252一生(いつしやう)懸命(けんめい)にバラモン()連中(れんちう)躍起(やくき)となつて骨身(ほねみ)()しまず石搗(いしつき)活動(くわつどう)した。253(やうや)くにして三日(みつか)三夜(みよさ)()基礎(きそ)工事(こうじ)(まつた)完結(くわんけつ)()げた。
254 (これ)より一同(いちどう)石搗(いしつき)(いはひ)として、255四方(よも)人々(ひとびと)より神恩(しんおん)感謝(かんしや)()ね、256(いはひ)として(たてまつ)りたる(さけ)やパン(その)(ほか)(めずら)しき果物(くだもの)(ところ)()(まで)()(なら)祝宴(しゆくえん)(ひら)神恩(しんおん)感謝(かんしや)したりける。
257大正一二・一・一六 旧一一・一一・三〇 北村隆光録)
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