霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
目 次設 定
設定
印刷用画面を開く [?]プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。[×閉じる]
話者名の追加表示 [?]セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。[×閉じる]
表示できる章
テキストのタイプ [?]ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。[×閉じる]

文字サイズ
フォント

ルビの表示



アンカーの表示 [?]本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。[×閉じる]


宣伝歌 [?]宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。[×閉じる]
脚注 [?][※]や[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。まだ少ししか付いていませんが、目障りな場合は「表示しない」設定に変えて下さい。ただし[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。[×閉じる]


文字の色
背景の色
ルビの色
傍点の色 [?]底本で傍点(圏点)が付いている文字は、『霊界物語ネット』では太字で表示されますが、その色を変えます。[×閉じる]
外字1の色 [?]この設定は現在使われておりません。[×閉じる]
外字2の色 [?]文字がフォントに存在せず、画像を使っている場合がありますが、その画像の周囲の色を変えます。[×閉じる]

  

表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。


【新着情報】サブスクのお知らせ
マーキングパネル
設定パネルで「全てのアンカーを表示」させてアンカーをクリックして下さい。

【引数の設定例】 &mky=a010-a021a034  アンカー010から021と、034を、イエローでマーキング。

          

第一二章 お(きやく)さん〔一二八六〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第49巻 真善美愛 子の巻 篇:第3篇 暁山の妖雲 よみ(新仮名遣い):ぎょうざんのよううん
章:第12章 お客さん よみ(新仮名遣い):おきゃくさん 通し章番号:1286
口述日:1923(大正12)年01月18日(旧12月2日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年11月5日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
祠の森の玄関口にはヨルが受付をしていた。そこへ、深編笠をかぶった大男が現れ、ウブスナ山の斎苑館から来たと告げた。そして自分は斎苑館の高級な職務に就いている「ト」の付く者だと高姫に取り次ぎを依頼した。
ヨルから報告を聞いた高姫は、てっきり元夫の東助が訪ねてきたと思ってうれしげに身づくろいをなし、ヨルに訪問者を呼んでくるように言いつけた。訪問者の男はヨルに案内されて高姫の奥室に迎えられた。
男が被り物を取ると、それは東助ではなく時置師の神・杢助だった。杢助は、自分は東助と争いごとになり、斎苑館を放り出されたのだ、と高姫に語った。杢助は東助の悪口を高姫に吹き込み、高姫と気脈を通じてしまった。
高姫は東助に一泡ふかせたい気持ちから、杢助にここで一旗揚げようではないかと持ちかけた。杢助も乗り気になり、高姫と杯を交わし祝酒を交わして歌いだした。
ヨルをはじめ、祠の森に仕える者たちも高姫と杢助の関係を隣室で聞いてしまったが、高姫も杢助も夫婦を公言してしまった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2023-06-24 20:34:25 OBC :rm4912
愛善世界社版:164頁 八幡書店版:第9輯 91頁 修補版: 校定版:170頁 普及版:75頁 初版: ページ備考:
001 (ほこら)(もり)玄関口(げんくわんぐち)には、002(れい)(ごと)くヨルが受付(うけつけ)をやつてゐる。003そこへ深編笠(ふかあみがさ)(かぶ)つた(くも)()(ばか)りの(だい)(をとこ)(あら)はれ(きた)り、004(そこ)づつた(ふと)(こゑ)で、
005(をとこ)拙者(せつしや)はウブスナ(やま)のイソの(やかた)より(まゐ)りし(もの)(ござ)る。006高姫(たかひめ)殿(どの)はここにゐられる(はず)007一寸(ちよつと)内々(ないない)()にかかりたいと(まを)(つた)へて(くだ)さい』
008ヨル『ハイ、009申伝(まをしつた)へぬ(こと)(ござ)いませぬが、010()姓名(せいめい)(うけたま)はらなくては、011(なん)()つても義理(ぎり)天上(てんじやう)日出(ひのでの)(かみ)生宮(いきみや)(さま)(ござ)いますから……』
012(をとこ)如何(いか)にも(まをし)(おく)れました。013(いま)(すこ)様子(やうす)があつて名乗(なの)(がた)場合(ばあひ)(ござ)いますから、014(ただ)一口(ひとくち)トといふ()のつく(をとこ)だといつて(もら)へば(よろ)しい。015そしてイソの(やかた)重要(ぢうえう)なる(しよく)()いている(もの)だと()(つた)(くだ)さらば、016高姫(たかひめ)殿(どの)には成程(なるほど)合点(がてん)がゆくでせう』
017ヨル『あなたはイソの(やかた)重要(ぢうえう)なる役人(やくにん)(さま)()きましたが、018(わたし)はバラモン(けう)から帰順(きじゆん)(いた)しましたヨルと(まを)すもので(ござ)います、019何分(なにぶん)(よろ)しく()(ねがひ)いたします』
020(をとこ)『あゝヨルといふ(をとこ)はお(まへ)であつたか、021五十子(いそこ)(ひめ)殿(どの)より(たしか)(うけたま)はつてゐる。022それは()苦労(くらう)だ。023一度(いちど)イソ(やかた)へお(まゐ)りなさるがよからう』
024ヨル『ハイ、025有難(ありがた)(ござ)います。026かうして御用(ごよう)をさして(いただ)いてゐるものの、027肝腎(かんじん)()本山(ほんざん)()らいでは(はなし)出来(でき)ませぬので、028(まゐ)りたいのは山々(やまやま)(ござ)いますが、029日出(ひのでの)(かみ)生宮(いきみや)(さま)が……まだ身魂(みたま)(みが)けないから、030(この)(はう)(ゆる)(まで)参拝(さんぱい)してはならぬと(おほ)せられますので差控(さしひか)えてをります。031どうぞ(はや)(みたま)(みが)いて聖地(せいち)のお(には)()まして(いただ)きたいもので(ござ)います。032聖地(せいち)()らずに受付(うけつけ)をして()りましては(なん)だか気掛(きがか)りでなりませぬ』
033(をとこ)()(かく)も、034トといふ()のついたものが内証(ないしよう)折入(をりい)つて(はなし)のしたい(こと)があると()つて()ると(つた)へて(くだ)さい』
035 ヨルは、
036ヨル承知(しようち)(いた)しました。037(しばら)くここにお(まち)(ねが)ひます』
038()ひすて、039高姫(たかひめ)居間(ゐま)(いそ)ぎ、040(おく)()(ふすま)をソツと(ひら)き、041()れば高姫(たかひめ)脇息(けふそく)(もた)れ、042(なに)思案(しあん)にくれてゐる最中(さいちう)であつた。
043ヨル『もし、044日出(ひのでの)(かみ)(さま)045貴女(あなた)にお()にかかりたいと()つて、046イソの(やかた)からトと()のついた(おほ)きなお(かた)()えました、047内証(ないしよう)でお(はなし)(まを)()げたい(こと)があると()つてお(いで)になりましたから、048一寸(ちよつと)()報告(はうこく)申上(まをしあ)げます』
049高姫(たかひめ)『ナニツ、050イソの(やかた)から、051(おほ)きな(をとこ)の、052トといふ()()いたお(かた)がお()でになつたと(まを)すのか』
053ヨル『ハイ、054それはそれは(おほ)きな(をとこ)(ござ)います。055そして聖地(せいち)(もつと)高級(かうきふ)職務(しよくむ)(つか)へて()るお(かた)だと仰有(おつしや)いました』
056 高姫(たかひめ)(うれ)しげに()ちうなづき、
057高姫(たかひめ)『ヤア、058ヨル殿(どの)059()にかかると()つておくれ。060(しか)(しばら)(つぎ)()(ひか)えて()つて(くだ)さい、061(いま)すぐ()つて(もら)ふと、062此方(こちら)準備(じゆんび)出来(でき)ぬから、063(わたし)(この)(りん)(たた)いたら、064ソロソロと()てゆくのだよ、065それ(まで)控室(ひかへしつ)煙草(たばこ)でも()んで()つて()(くだ)さい』
066ヨル『ハイ、067承知(しようち)(いた)しました。068どうぞ(りん)をしつかり(たた)いて(くだ)さい、069さうすれば(その)(おと)合図(あひづ)にお(むか)へに(まゐ)りますから……』
070高姫(たかひめ)『あゝさう(たの)む。071(しか)しヨルや、072日出(ひのでの)(かみ)(ゆる)(まで)073(たれ)にもトと()ふお(かた)がみえたとは()つてはなりませぬぞや』
074ヨル『エヘヽヽヽ、075どんな秘密(ひみつ)でも(まを)すよなヨルぢや(ござ)いませぬ、076まづ()安心(あんしん)なさいませ。077貴女(あなた)()()()守護(しゆご)078(わたし)はヨルの守護(しゆご)(ござ)いますから、079ヨルのお(たのし)みも結構(けつこう)(ござ)いますワイ』
080高姫(たかひめ)『コレコレ、081ヨル、082いらぬ(こと)()ふものぢやありませぬ。083(つぎ)()に、084サア(はや)(ひか)えなさい。085そして受付(うけつけ)(たれ)(たの)んでおいたのだい』
086ヨル『ハイ、087ハル(こう)(たの)んでおきました』
088高姫(たかひめ)『ウンよしよし、089それで()い、090あの(をとこ)()()いた人間(にんげん)だからなア。091(まへ)もトといふ(ひと)がお()でになつたら()()かすのだよ』
092ヨル『ヘヽヽヽ、093委細(ゐさい)承知(しようち)(いた)しました』
094(あたま)()(なが)ら、095(つぎ)()()つて、096高姫(たかひめ)合図(あひづ)()(こと)とした。097高姫(たかひめ)はツツと()つて、098そこらの(まど)(のぞ)(なが)ら、099一人(ひとり)(ひと)のゐないのにヤツと安心(あんしん)したものの(ごと)く、100(むね)をなでおろし独言(ひとりごと)
101高姫(たかひめ)(なん)()つても、102ヤツパリ(をとこ)だなア、103あのよな気強(きづよ)(こと)を、104東助(とうすけ)さまは仰有(おつしや)つたので、105チツと(ばか)(うら)んで()つたが、106ヤツパリ大勢(おほぜい)(ひと)(まへ)だと(おも)つて、107あのよにつれなく()はんしたのだろ。108あゝあ、109(をとこ)(こころ)()らずにすまぬ(こと)(いた)しました。110なア東助(とうすけ)さま、111その(やさ)しいお(こころ)(うけたま)はれば、112最早(もはや)高姫(たかひめ)はこれで()んでも得心(とくしん)(ござ)んす。113ドレ、114(かほ)でも(つく)つて(かみ)をなであげ、115着物(きもの)着替(きがへ)にやなるまい』
116(にはか)(しろ)いものをコテコテと、117念入(ねんい)りにぬり()て、118(かみ)政岡(まさおか)(むす)び、119着物(きもの)(あたら)しいのと着替(きか)へ、120(むらさき)(はかま)をゾロリとつけ、121(あか)(えり)一寸(ちよつと)()し、122鏡台(きやうだい)(まへ)()つたり(すわ)つたりし(なが)ら、
123高姫(たかひめ)『あゝこれでよい これでよい、124三国一(さんごくいち)の、125()はば婿(むこ)どのが()るやうなものだ。126これで高姫(たかひめ)もいよいよ願望(ぐわんまう)成就(じやうじゆ)だ。127なア東助(とうすけ)さま、128ヤツパリ幼馴染(をさななじみ)はよいものですなア。129マア()()(くだ)さつた。130(えん)あればこそ()(まで)なした(なか)(ござ)んせぬかい。131本当(ほんたう)枯木(かれき)(はな)()いたよな心持(こころもち)(いた)しますぞや。132ドコともなしに(をとこ)らしいお(かた)133さすが高姫(たかひめ)(おも)(だけ)あつて、134杢助(もくすけ)さまの一段上(いちだんうへ)となり、135副教主(ふくけうしゆ)地位(ちゐ)(まで)(すす)ましやんしたお(かた)だもの、136高姫(たかひめ)()をもむのも無理(むり)(ござ)いませぬわいの。137ドレドレいつ(まで)もおまたせ(まを)してはすまない、138モウこれ(だけ)化粧(けしやう)した(うへ)は、139何時(なんどき)()しになつても差支(さしつかへ)ない。140(しか)(なん)とはなしに(はづ)かしいやうな()がして()た。141ホヽヽヽヽ、142(とし)はよつても(なん)だか(むかし)(こと)(しの)ばれて、143(かほ)がパツとあつくなつたやうだ。144ホンに(をんな)(こころ)()ふものは(やさ)しいものだ。145(この)初心(うぶ)(こころ)東助(とうすけ)(さま)御覧(ごらん)になれば、146キツと()満足(まんぞく)なさるだろ、147イヒヽヽヽヽ、148あゝコレコレ、149ヨル(こう)や、150モウ()いから、151トと()ふお(かた)に、152さういつて()(くだ)さい』
153(りん)(たた)くのを(わす)れて(しま)ひ、154なまめかしい(こゑ)()んでゐる。155ヨルは、156モウ(りん)がなるかなるかと()つてゐたのに、157(おも)()けない高姫(たかひめ)(こゑ)()いて、158(ふすま)(ひら)(おそ)(おそ)(くび)をニユツと()し、
159ヨル日出(ひのでの)(かみ)(さま)160(なん)御用(ごよう)(ござ)いますか』
161()(なが)ら、162(かほ)をあげて()ると、163高姫(たかひめ)はうつて(かは)つて、164立派(りつぱ)装束(しやうぞく)をつけ、165(しろ)いものをコテコテとぬり、166頬辺(ほほべた)(しわ)(なに)もツルツルに(うづ)まつてゐる。167ヨルは(おどろ)いて、
168ヨル『イヤア、169これはこれは、170日出(ひのでの)(かみ)(さま)171(なん)とお(わか)うおなりなさいましたなア。172ヤアこれでよめました。173ヤツパリ(かみ)(さま)でも、174ありますかいな、175ヘーン、176浦山吹(うらやまぶ)きで(ござ)います』
177高姫(たかひめ)『コレ、178ヨル、179(あま)(ひや)かすものぢやありませぬよ。180(はや)く、181(さま)()案内(あんない)してお()で』
182ヨル『(芝居(しばゐ)口調(くてう))エツヘヽヽヽ、183(たしか)に……承知(しようち)……(つかまつ)りました、184(いそ)参上(さんじやう)(つかまつ)ります』
185高姫(たかひめ)『コレ、186ヨル、187(なに)()つてゐるのだい、188(はや)()つて()なさいよ。189ホンにホンに、190()()かぬ(をとこ)だなア』
191ヨル『日出(ひのでの)(かみ)さま、192マア使(つか)つてみて(くだ)さい、193中々(なかなか)()()()きますで……』
194()ひすて、195(おもて)へかけ()し、196(だい)(をとこ)(むか)ひ、
197ヨル『これは これは、198(さま)199日出(ひのでの)(かみ)(さま)申上(まをしあ)げました(ところ)200一寸(ちよつと)少時(しばらく)()思案(しあん)(あそ)ばし、201容易(ようい)()返事(へんじ)(あそ)ばしませぬので、202(この)ヨルがいろいろと申上(まをしあ)げました(ところ)203折角(せつかく)はるばるお()(くだ)さつたのだから、204義理(ぎり)にでも()はねばなるまい。205(なに)()つても、206義理(ぎり)(おも)んずる義理(ぎり)天上(てんじやう)日出(ひのでの)(かみ)だと仰有(おつしや)いまして、207(おく)()案内(あんない)せいとの(おほ)せ……サア(わたし)についてお()(くだ)さいませ。208随分(ずいぶん)きれいな(かた)(ござ)いますよ』
209(をとこ)『ハイ有難(ありがた)う、210(しか)(すこ)しく内密(ないみつ)(よう)(まゐ)つたのですから、211被物(かづき)(この)(まま)(ねが)ひたい、212差支(さしつかへ)(ござ)らぬかなア』
213ヨル『そんな(こと)()()かぬようなヨルぢや(ござ)いませぬ。214ヨルの守護(しゆご)のヨル(こう)(ござ)いますよ。215ヘツヘヽヽ』
216(をとこ)『アハヽヽヽ、217(しか)らば()案内(あんない)218(たの)(まを)す』
219とヨルに(みちび)かれ、220高姫(たかひめ)居間(ゐま)足音(あしおと)(たか)く、221ドシンドシンと(すす)()く。222高姫(たかひめ)一足(ひとあし)一足(ひとあし)近付(ちかづ)足音(あしおと)(むね)をドキ……ドキとさせ(なが)ら、223恋人(こひびと)()(きた)るを、224一息(ひといき)千秋(せんしう)(おも)ひにて()つてゐた。225そして大男(おほをとこ)(ふすま)(ひら)いた(とき)は、226(はづ)かしさが(いち)()()()げて()たと()え、227グタリと(うつむ)いてゐた。
228(をとこ)御免(ごめん)なさいませ、229高姫(たかひめ)さま、230先日(せんじつ)失礼(しつれい)(いた)しました、231(さだ)めて()立腹(りつぷく)(ござ)いませうな』
232 高姫(たかひめ)はやうやう(くち)(ひら)き、
233高姫東助(とうすけ)(さま)234()(たづ)ねて()(くだ)さいました。235本当(ほんたう)女子(をなご)(いた)らぬ(こころ)から、236(うら)(まを)しまして(まこと)()みませぬ……コレお(まへ)はヨルぢやありませぬか、237()()かすと()つたぢやないか』
238ヨル『ハーイ、239承知(しようち)(いた)しました。240どうぞ、241シツポリとねえ、242(たのし)(あそ)ばせ、243(さま)と……』
244高姫(たかひめ)『エヽいらぬ(こと)()ふものぢやありませぬ。245客様(きやくさま)失礼(しつれい)ぢやありませぬか』
246 ヨルは両手(りやうて)(あたま)(かか)(なが)ら、247(こし)(かが)めて、248スゴスゴとここを立去(たちさ)つた。
249高姫(たかひめ)『モシ、250東助(とうすけ)(さま)251どうぞ被物(かづき)()つて(くだ)さいませ、252そして(この)居間(ゐま)(たれ)()ませぬから、253どうぞ打寛(うちくつろ)いで、254()ゆるりと()(はなし)(ねが)ひます』
255(をとこ)(なん)だか体裁(ていさい)(わる)くつて、256(むかし)(こと)(おも)()し、257(とし)がよつても(はづ)かしくなりましたよ、258アツハヽヽヽ』
259高姫(たかひめ)『モシ東助(とうすけ)さま、260(わたし)だつて、261ヤツパリ(はづか)しいワ、262エルサレムの山道(やまみち)でねえ、263ホヽヽヽ』
264 (をとこ)は『高姫(たかひめ)殿(どの)265御免(ごめん)(かうむ)ります』と被物(かづき)をパツと()つた。266()れば東助(とうすけ)にはあらで、267時置師(ときおかし)(かみ)杢助(もくすけ)であつた。
268高姫(たかひめ)『ヤ、269貴方(あなた)時置師(ときおかしの)(かみ)(さま)……マアマア、270(はら)(わる)いこと……』
271時置(ときおか)『アハヽヽ、272東助(とうすけ)さまだと(よろ)しいに、273(まこと)不粋(ぶすゐ)(をとこ)(まゐ)りまして、274さぞ()迷惑(めいわく)(ござ)いませう』
275高姫(たかひめ)『これはこれは()くこそ()入来(じゆらい)(くだ)さいました。276(たづ)(くだ)さいました御用(ごよう)(すぢ)は、277如何(いかが)(こと)(ござ)います』
278時置(ときおか)(じつ)(ところ)は、279(わたし)はイソの(やかた)をお(ひま)(いただ)き、280此処(ここ)(まゐ)つたのです』
281高姫(たかひめ)『それは(また)282神徳(しんとく)(たか)貴方(あなた)が、283()うして左様(さやう)(こと)にお()(あそ)ばしたので(ござ)ります』
284時置(ときおか)『お(まへ)さまの(まへ)で、285こんな(こと)(まを)()げにくいが、286(じつ)(ところ)東助(とうすけ)(さま)事務(じむ)(じやう)(あらそ)ひから、287()むを()ず、288拙者(せつしや)辞職(じしよく)したといふのは表向(おもてむき)289(じつ)東助(とうすけ)さまに()()されたのですよ』
290高姫(たかひめ)『それはマアマア(なん)とした()(どく)(こと)(ござ)いませう。291東助(とうすけ)さまもそんな(わる)(かた)ぢや(ござ)いませなんだのになア、292どうしてそんな気強(きづよ)いお(こころ)になられたのでせうか、293人間(にんげん)(こころ)といふものは(わか)らぬもので(ござ)いますなア』
294時置(ときおか)高姫(たかひめ)さま、295貴女(あなた)だつてさうでせう。296はるばると自転倒(おのころ)(じま)から(あと)(した)つてお(いで)なさつた親切(しんせつ)()にして、297あの(とほ)大勢(おほぜい)(まへ)肱鉄(ひぢてつ)をかまし、298(はぢ)をかかすやうな(ひと)だもの、299大抵(たいてい)(わか)つたものでせう。300(わたし)だつたら、301貴女(あなた)のやうな親切(しんせつ)()(かた)なら、302()うしてあんな気強(きづよ)(こと)出来(でき)ませう』
303高姫(たかひめ)『そらさうですなア、304本当(ほんたう)東助(とうすけ)さまは無情(むじやう)(かた)ですワ。305(わか)(とき)はあんな水臭(みづくさ)いお(かた)だなかつたですがなア』
306時置(ときおか)『あれ(だけ)307東助(とうすけ)さまのやうに沢山(たくさん)(をんな)があつてはたまりませぬワイ。308イソ(やかた)今子姫(いまこひめ)さまだつて、309五十子(いそこ)(ひめ)さまだつて、310(をつと)のある()でゐ(なが)秋波(しうは)(おく)り、311(その)(ほか)聖地(せいち)(をんな)老若(らうにやく)(きら)ひなく、312(はし)まめな(かた)だから、313(みな)つまんでゐられるのです、314それをお(まへ)さまが御存(ごぞん)じないものだから、315あんな不覚(ふかく)()つたのです。316(わたし)などは御存(ごぞん)じの(とほ)不粋(ぶすゐ)鰥鳥(やもめどり)ですから、317牝猫(めんねこ)一匹(いつぴき)だつて、318見向(みむ)いてもくれませぬワ。319アツハヽヽヽ』
320高姫(たかひめ)貴方(あなた)本当(ほんたう)にお(えら)いですな。321よう独身(どくしん)(いま)(まで)()辛抱(しんばう)なさいました。322(わたし)貴方(あなた)のやうな(をつと)があつたら、323何程(なにほど)(ちから)になるか()れませぬがなア、324ホツホヽヽ』
325(かほ)(あか)らめ、326(そで)()をかくす。
327時置(ときおか)『イヤもう、328高姫(たかひめ)(さま)にきつう(ひや)かされました。329(はら)(わる)(こと)いつて(くだ)さるな、330(なん)だか(この)時置師(ときおかし)(めう)気分(きぶん)になりますワ』
331高姫(たかひめ)『どうぞ、332貴方(あなた)333今晩(こんばん)ゆつくりとお(とま)(くだ)さいませ。334そして(ほか)()役員(やくゐん)(ども)(やす)みますので、335不都合(ふつがふ)(ござ)います。336どうぞ(わたし)居間(ゐま)で、337失礼(しつれい)(なが)ら、338おやすみ(くだ)されば、339(みや)でも()まして(いただ)きます。340サ、341マア一杯(いつぱい)(さけ)でもおあがり(くだ)さいませ』
342時置(ときおか)『ヤア、343これは有難(ありがた)い、344(しばら)(かみ)(さま)のお(みち)(はい)つて、345(さけ)心得(こころえ)()りましたが、346今晩(こんばん)はここでゆつくりと(いただ)きませう。347高姫(たかひめ)(さま)のお(しやく)で、348(なん)とマア、349こんな結構(けつこう)(こと)近年(きんねん)(ござ)りませぬワ、350アツハツハヽヽ』
351高姫(たかひめ)『モシ時置師(ときおかし)(さま)352貴方(あなた)三五教(あななひけう)三羽烏(さんばがらす)といはれたお(かた)でせう、353バカらしい、354東助(とうすけ)(ごと)きに()()されて、355(この)(のち)()うなさる(つも)りですか、356一寸(いつすん)(むし)五分(ごぶ)(たましひ)といふ(こと)(ござ)りませう』
357時置(ときおか)『それで(じつ)(ところ)は、358ソツと()相談(さうだん)(まゐ)つたのですよ。359何分(なにぶん)生田(いくた)(もり)以来(いらい)360特別(とくべつ)()昵懇(じつこん)(ねが)つた(なか)なのですからなア』
361高姫(たかひめ)左様(さやう)左様(さやう)362(わたし)(また)貴方(あなた)のお(やかた)守役(もりやく)となりましたのも、363(なに)かの因縁(いんねん)(ござ)いませう。364どうぞ杢助(もくすけ)(さま)365(わたし)(ちから)(あは)せて、366東助(とうすけ)高慢(かうまん)(はな)(くじ)き、367三五教(あななひけう)(ため)(かれ)改心(かいしん)さしてやる()はありませぬか』
368時置(ときおか)『さうですなア、369貴方(あなた)一所(いつしよ)(ねが)へば、370大変(たいへん)面白(おもしろ)いでせう。371(しか)生田(いくた)(もり)()うなさる(つもり)ですか』
372高姫(たかひめ)『ハイ生田(いくた)(もり)は、373駒彦(こまひこ)一任(いちにん)しておきましたから、374(わたし)仮令(たとへ)(いち)(ねん)()(ねん)(かへ)らなくても大丈夫(だいぢやうぶ)ですよ。375(ひと)貴方(あなた)376此処(ここ)で○○になり一旗(ひとはた)()げちや()うで(ござ)いませうかな』
377時置(ときおか)『イヤ此奴(こいつ)妙案(めうあん)です。378(わたし)(やう)(おい)ぼれでもお(かま)ひなくば()世話(せわ)になりませう。379(しか)(わたし)には初稚姫(はつわかひめ)といふ一人(ひとり)(むすめ)(ござ)いますが、380それは()承知(しようち)(ござ)いませうな。381(じつ)(ところ)(むすめ)可愛(かあい)いので、382継母(ままはは)にかけまいと(おも)ひ、383(いま)(まで)独身(どくしん)生活(せいくわつ)をやつて()たのですが、384最早(もはや)(むすめ)一人前(いちにんまへ)宣伝使(せんでんし)となりましたので、385(わたし)(かみ)(さま)御用(ごよう)(つと)(なが)ら、386気楽(きらく)余生(よせい)(おく)りたいのです』
387高姫(たかひめ)『あの可愛(かあい)らしい初稚姫(はつわかひめ)さまの……(わたし)仮令(たとへ)継母(ままはは)にもせよ、388(はは)となるのは満足(まんぞく)(ござ)います。389キツト大切(たいせつ)(いた)しますから、390()安心(あんしん)(くだ)さいませ』
391(めう)()をして、392(はす)かいに時置師(ときおかし)(かほ)(にら)んでゐる。
393時置(ときおか)『サア高姫(たかひめ)さま、394一杯(いつぱい)()きませう』
395(さかづき)をわたし、396ドブドブと徳利(とくり)から()いでやる。397高姫(たかひめ)はえもいはれぬ(うれ)しさうな(かほ)をして、398キチンと両手(りやうて)(さかづき)()ち、399(ねづみ)のやうな(しわ)のよつた(くち)で、400グーツと()み、401(ふところ)から(かみ)()して(さかづき)をソツと()き、402(くび)(ふた)()()つて、403(さかづき)両手(りやうて)にささげ、404()左右左(さいうさ)(からだ)グチふり(なが)ら、
405高姫(たかひめ)『モシこちの(ひと)406返盃(へんぱい)(いた)しませう』
407とさし()す。408時置師(ときおかし)は、
409時置(ときおか)『アツハヽヽヽ』
410(わら)ひながら(さかづき)受取(うけと)り、411なみなみとつがしてグツと()み、
 
412時置(ときおか)『○せう○せうと()つて()(とり)
413  (とり)(なか)でも鰥鳥(やもめどり)
414 あゝコリヤコリヤ』
 
415調子(てうし)にのつて()()(うた)()した。416高姫(たかひめ)杢助(もくすけ)のこんな打解(うちと)けた姿(すがた)()(こと)(はじ)めてである。417『なんと面白(おもしろ)可愛(かあい)(ひと)だなあ』と(おも)(なが)ら、
418高姫(たかひめ)三五教(あななひけう)大元(おほもと)
419三羽烏(さんばがらす)杢助(もくすけ)さまは
420(つき)(はな)かよ、はた(ゆき)
421()れば()(ほど)(うつく)しい
422こんな殿御(とのご)()ひぶしの
423(をんな)はさぞや(うれ)しかろ
424ヨイトナ ヨイトナ
425ドツコイシヨ ドツコイシヨ』
426()()つて、427調子(てうし)()(うた)()したり。
 
428杢助(もくすけ)()ふては(ねむ)窈窕(えうてう)高姫(たかひめ)(ひざ)
429  ()めては(にぎ)堂々(だうだう)天下(てんか)(けん)
 
430博文(はくぶん)もどきに高姫(たかひめ)(ひざ)(まくら)に、431(あし)()げ、432()()打解(うちと)けて(うた)()した。
433高姫(たかひめ)三五教(あななひけう)(その)(なか)
434(わし)ほど仕合(しあは)(もの)(また)あろか
435三羽烏(さんばがらす)(いち)(にん)
436(とき)めき(わた)(とき)さまを
437(をつと)()つて意地悪(いぢわる)
438東助(とうすけ)さまの(むか)()
439これから(ひと)堂々(だうだう)
440旗挙(はたあげ)(いた)してみせませう
441日出(ひのでの)(かみ)義理(ぎり)天上(てんじやう)
442(その)神徳(しんとく)(この)(とほ)
443(わけ)(わか)らぬ(やつ)(ども)
444アフンとさせねばなりませぬ
445ホンに(うれ)しい(こと)だなア
446こんな結構(けつこう)(ところ)をば
447高山彦(たかやまひこ)黒姫(くろひめ)
448()にかけたら()うだらう
449(なん)でもかんでも(かま)やせぬ
450ホンに目出(めで)たいお目出(めで)たい
451サアサア(とき)さま ねよかいな
452遠音(とほね)(ひび)(くれ)(かね)
453(ねぐら)(もと)める群烏(むれがらす)
454小鳥(ことり)(わが)()(かへ)るのに
455いつ(まで)()きてゐたとてせうがない
456ヤートコセーヨーイヤナ
457アレワイセー、コレワイセー
458サツサ、ヤツトコセー』
459 かかる(ところ)へヨルは(はし)(きた)り、
460ヨル『モシ、461高姫(たかひめ)(さま)462()びになりましたか、463(なん)とマアお(たのし)みの最中(さいちう)失礼(しつれい)(いた)しました』
464 高姫(たかひめ)はビツクリして頓狂(とんきやう)(こゑ)()し、
465高姫『コレ、466ヨル、467(たれ)()んだのだい、468彼方(あつちや)へいつてなさい、469本当(ほんたう)()()かぬ(かた)だなア』
470ヨル『ハイ、471(じつ)(ところ)(つぎ)()(ひか)えて()様子(やうす)(うけたま)はつてゐました。472あんな(こと)()つて貴方(あなた)危害(きがい)(くは)へるのぢやあるまいかと、473受付(うけつけ)はそつちのけにして、474イル、475イク、476サール、477テル、478ハル、479(かへで)さま(まで)が、480(つぎ)()貴方(あなた)(がた)()(はなし)一伍(いちぶ)一什(しじふ)()いてゐましたよ。481マア(この)(ぶん)ならば結構(けつこう)(ござ)いますワ、482目出(めで)たう』
483 高姫(たかひめ)焼糞(やけくそ)になり、
484高姫(たかひめ)(この)(かた)(わたし)(をつと)だよ。485(まへ)()いてをつただらうが、486(むかし)からの許嫁(いひなづけ)だから、487(べつ)(かく)必要(ひつえう)もないのだ、488サア彼方(あつち)()かつしやれ』
489ヨル『ハイ、490承知(しようち)(いた)しました。491(うま)(こと)仰有(おつしや)いますワイ、492コレコレ(かへで)さま、493イル、494イク、495サール、496ハル、497テル、498彼方(あつち)()かう、499グヅグヅしてると、500高姫(たかひめ)(さま)が、501(こと)にヨルと、502(あたま)をハルと、503いふテル……でもない。504これから、505(よる)にイルと、506高姫(たかひめ)さまとトさまのイクサールが(はじ)まるのだから、507サアサアあちらへ(ひか)えたり(ひか)えたり、508ホンにホンに、509(なか)のいい(こと)だ、510目出(めで)たいなア』
511()ひながら、512(しち)(にん)足音(あしおと)(たか)く、513ドスドスドスと(おもて)()()した。
514高姫(たかひめ)『コレ(とき)さま、515()きなさらぬかいな、516意地(いぢ)(わる)い、517(わか)(やつ)といふ(もの)は、518物珍(ものめづら)(さう)仕方(しかた)のないものですよ。519最前(さいぜん)から貴方(あなた)との(はなし)を、520(みな)(つぎ)()()いてゐたのですもの』
521時置(ときおか)『アハヽヽヽ、522そりや面白(おもしろ)い、523(いづ)(とし)()つて、524結婚(けつこん)をせうと()ふのだから、525チツと度胸(どきよう)がなくちや駄目(だめ)だ。526一層(いつそう)(こと)いいぢやないか、527披露(ひろう)する必要(ひつえう)もなくて……なア、528(たか)ちやん』
529高姫(たかひめ)『さうですなア、530(わたし)もトちやんがお()でになつてから、531(なん)だか()がイソイソして心強(こころづよ)くなりましたワ。532就寝(やす)みませう』
533時置(ときおか)『それだと()つて、534(いま)すぐに(やす)(わけ)にや()くまい。535()神殿(しんでん)()つて()(れい)申上(まをしあ)げ、536そして時置師(ときおかし)高姫(たかひめ)臨時(りんじ)結婚(けつこん)(いた)しますと申上(まをしあ)げて()たら()うだらうなア』
537 高姫(たかひめ)はプリンと背中(せなか)をそむけ、
538高姫(たかひめ)『コレ(とき)さま、539臨時(りんじ)結婚(けつこん)なんて、540(いや)ですよ、541永遠(ゑいゑん)無窮(むきう)結婚(けつこん)でなくちや(うそ)ですわ』
542時置(ときおか)『さうだと()つて、543さう(にはか)大層(たいそう)婚礼式(こんれいしき)出来(でき)ぬぢやないか、544今晩(こんばん)一寸(ちよつと)仮結婚(かりけつこん)としておいて、545(たがひ)()()つたら玉椿(たまつばき)八千代(やちよ)(まで)(ちぎ)るのだ。546想思(さうし)男女(だんぢよ)(こと)だから、547マアゆつくりと(たの)しんで、548婚礼(こんれい)(まで)(たがひ)長短(ちやうたん)調(しら)べて、549いよいよ両方(りやうはう)から、550これならば偕老(かいらう)同穴(どうけつ)(ちぎ)つてもよいといふやうになつたら、551それこそ(あらた)めて公々然(こうこうぜん)結婚式(けつこんしき)()げやうぢやないか』
552高姫(たかひめ)『あてえ今晩(こんばん)は、553(からだ)都合(つがふ)(わる)(ござ)いますから、554()(れい)はこらへて(いただ)きます、555(きやく)さまのある(とき)(かみ)(さま)(まゐ)るものぢやありませぬからな』
556時置(ときおか)(つき)七日(なぬか)のお(きやく)さまがあるといふのかな、557ソリヤ仮結婚式(かりけつこんしき)駄目(だめ)だないか』
558高姫(たかひめ)『ホツホヽヽ、559合点(がつてん)(わる)いお(かた)だこと、560(きやく)さまといへば(この)(ひと)だよ』
561(ほそ)()をし(なが)ら、562時置師(ときおかし)(かた)をポンと(たた)いた。563時置師(ときおかし)はワザとグナリとし(なが)ら、564(ほそ)()をして、
565時置(ときおか)『エヘツヘヽヽ』
566 こんな(はなし)をし(なが)二人(ふたり)灯火(あかり)()して、567(むつま)じく一夜(いちや)(あか)しける。
568大正一二・一・一八 旧一一・一二・二 松村真澄録)
ロシアのプーチン大統領が霊界物語に予言されていた!?<絶賛発売中>
逆リンク(このページにリンクが張られているページ)
オニド関連サイト最新更新情報
10/22【霊界物語ネット】王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)』をテキスト化しました。
5/8【霊界物語ネット】霊界物語ネットに出口王仁三郎の第六歌集『霧の海』を掲載しました。
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【メールアドレス
合言葉「みろく」を入力して下さい→  
霊界物語ネットは飯塚弘明が運営しています。【メールアドレス】 / 動作に不具合や誤字脱字等を発見されましたら是非お知らせ下さるようお願い申し上げます。 / 本サイトに掲載されている霊界物語等の著作物の電子データは飯塚弘明ほか、多数の方々の協力によって作られました。(スペシャルサンクス) / 本サイトの著作権(デザイン、プログラム、凡例等)は飯塚弘明にあります。出口王仁三郎の著作物(霊界物語等)の著作権は保護期間が過ぎていますのでご自由にお使いいただいて構いません。ただし一部分を引用するのではなく、本サイト掲載の大部分を利用して電子書籍等に転用する場合には、必ず出典と連絡先を記して下さい。→「本サイト掲載文献の利用について」 / 出口王仁三郎の著作物は明治~昭和初期に書かれたものです。現代においては差別的と見なされる言葉や表現もありますが、当時の時代背景を鑑みてそのままにしてあります。 / プライバシーポリシー
(C) 2007-2024 Iizuka Hiroaki