霊界物語.ネット
~出口王仁三郎 大図書館~
目 次
設 定
閉じる
×
霊界物語
三鏡
大本神諭
伊都能売神諭
出口王仁三郎全集
出口王仁三郎著作集
王仁文庫
惟神の道
幼ながたり
開祖伝
聖師伝
霧の海(第六歌集)
大本七十年史
大本史料集成
神霊界
新聞記事
新月の光
その他
王仁文献考証
検索は「
王仁DB
」で
←
戻る
霊界物語
霊主体従
第1巻(子の巻)
第2巻(丑の巻)
第3巻(寅の巻)
第4巻(卯の巻)
第5巻(辰の巻)
第6巻(巳の巻)
第7巻(午の巻)
第8巻(未の巻)
第9巻(申の巻)
第10巻(酉の巻)
第11巻(戌の巻)
第12巻(亥の巻)
如意宝珠
第13巻(子の巻)
第14巻(丑の巻)
第15巻(寅の巻)
第16巻(卯の巻)
第17巻(辰の巻)
第18巻(巳の巻)
第19巻(午の巻)
第20巻(未の巻)
第21巻(申の巻)
第22巻(酉の巻)
第23巻(戌の巻)
第24巻(亥の巻)
海洋万里
第25巻(子の巻)
第26巻(丑の巻)
第27巻(寅の巻)
第28巻(卯の巻)
第29巻(辰の巻)
第30巻(巳の巻)
第31巻(午の巻)
第32巻(未の巻)
第33巻(申の巻)
第34巻(酉の巻)
第35巻(戌の巻)
第36巻(亥の巻)
舎身活躍
第37巻(子の巻)
第38巻(丑の巻)
第39巻(寅の巻)
第40巻(卯の巻)
第41巻(辰の巻)
第42巻(巳の巻)
第43巻(午の巻)
第44巻(未の巻)
第45巻(申の巻)
第46巻(酉の巻)
第47巻(戌の巻)
第48巻(亥の巻)
真善美愛
第49巻(子の巻)
第50巻(丑の巻)
第51巻(寅の巻)
第52巻(卯の巻)
第53巻(辰の巻)
第54巻(巳の巻)
第55巻(午の巻)
第56巻(未の巻)
第57巻(申の巻)
第58巻(酉の巻)
第59巻(戌の巻)
第60巻(亥の巻)
山河草木
第61巻(子の巻)
第62巻(丑の巻)
第63巻(寅の巻)
第64巻(卯の巻)上
第64巻(卯の巻)下
第65巻(辰の巻)
第66巻(巳の巻)
第67巻(午の巻)
第68巻(未の巻)
第69巻(申の巻)
第70巻(酉の巻)
第71巻(戌の巻)
第72巻(亥の巻)
特別編 入蒙記
天祥地瑞
第73巻(子の巻)
第74巻(丑の巻)
第75巻(寅の巻)
第76巻(卯の巻)
第77巻(辰の巻)
第78巻(巳の巻)
第79巻(午の巻)
第80巻(未の巻)
第81巻(申の巻)
←
戻る
第54巻(巳の巻)
序文
総説
第1篇 神授の継嗣
01 子宝
〔1387〕
02 日出前
〔1388〕
03 懸引
〔1389〕
04 理妻
〔1390〕
05 万違
〔1391〕
06 執念
〔1392〕
第2篇 恋愛無涯
07 婚談
〔1393〕
08 祝莚
〔1394〕
09 花祝
〔1395〕
10 万亀柱
〔1396〕
第3篇 猪倉城寨
11 道晴別
〔1397〕
12 妖瞑酒
〔1398〕
13 岩情
〔1399〕
14 暗窟
〔1400〕
第4篇 関所の玉石
15 愚恋
〔1401〕
16 百円
〔1402〕
17 火救団
〔1403〕
第5篇 神光増進
18 真信
〔1404〕
19 流調
〔1405〕
20 建替
〔1406〕
21 鼻向
〔1407〕
22 凱旋
〔1408〕
附録 神文
余白歌
このサイトは『霊界物語』を始めとする出口王仁三郎等の著書を無料で公開しています。
(注・出口王仁三郎の全ての著述を収録しているわけではありません。未収録のものも沢山あります)
閉じる
×
この文献を王仁DBで開く
印刷用画面を開く
[?]
プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。
[×閉じる]
話者名の追加表示
[?]
セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。
[×閉じる]
追加表示する
追加表示しない
【標準】
表示できる章
テキストのタイプ
[?]
ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。
[×閉じる]
通常のテキスト
【標準】
コピー用のテキスト
その他の設定項目を表示する
ここから下を閉じる
文字サイズ
S
【標準】
M
L
フォント
フォント1
【標準】
フォント2
ルビの表示
通常表示
【標準】
括弧の中に表示
表示しない
古いブラウザでうまく表示されない時はこの設定を試してみて下さい
アンカーの表示
[?]
本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。
[×閉じる]
左側にだけ表示する
【標準】
表示しない
全てのアンカーを表示
宣伝歌
[?]
宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。
[×閉じる]
一段組
【標準】
二段組
脚注
[?]
[※]や[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。まだ少ししか付いていませんが、目障りな場合は「表示しない」設定に変えて下さい。ただし[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
全ての脚注を開く
全ての脚注を閉じる(マーク表示)
【標準】
脚注マークを表示しない
文字の色
背景の色
ルビの色
傍点の色
[?]
底本で傍点(圏点)が付いている文字は、『霊界物語ネット』では太字で表示されますが、その色を変えます。
[×閉じる]
外字1の色
[?]
この設定は現在使われておりません。
[×閉じる]
外字2の色
[?]
文字がフォントに存在せず、画像を使っている場合がありますが、その画像の周囲の色を変えます。
[×閉じる]
→
表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。
【新着情報】
サブスクのお知らせ
霊界物語
>
第54巻
> 第1篇 神授の継嗣 > 第2章 日出前
<<< 子宝
(B)
(N)
懸引 >>>
マーキングパネル
設定パネルで「全てのアンカーを表示」させてアンカーをクリックして下さい。
【引数の設定例】 &mky=a010-a021a034 アンカー010から021と、034を、イエローでマーキング。
第二章
日出前
(
ひのでまへ
)
〔一三八八〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第54巻 真善美愛 巳の巻
篇:
第1篇 神授の継嗣
よみ(新仮名遣い):
しんじゅのけいし
章:
第2章 日出前
よみ(新仮名遣い):
ひのでまえ
通し章番号:
1388
口述日:
1923(大正12)年02月21日(旧01月6日)
口述場所:
竜宮館
筆録者:
松村真澄
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1925(大正14)年3月26日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
[×閉じる]
:
松彦たち三人は、深山を踏み分けて刹帝利の王子・王女たちが隠れ住んでいる洞窟にやって来た。オークスとダイヤは、松彦たちがビク国王子奉迎の旗をかざしているのを見て、父王が自分たちを捕えに寄越した捕り手かもしれないと警戒した。
そこへ兄王子たちが帰ってきた。兄王子たちは、松彦たちがビクトリヤ城からやってきたと知ると、問答無用で槍を構えて突いてかかった。三人は大木の幹を盾にして天津祝詞を奏上した。すると兄王子たち四人は身体しびれ、その場に倒れてしまった。
長兄のアールは、体がしびれながらも松彦たちを父の捕り手だとみなして口で抵抗している。松彦は千言万語を尽くして、現在のビクトリヤ城の様子や、刹帝利の改心の様を説きたてた。
四人の王子はやっと安心した様子であった。六人の王子と王女は、松彦の言を聞いて兄妹会議を開くことになった。松彦たちは四五十間ばかりかたわらの山腹に退き、六人は相談を開始した。
喧々諤々の会議の結果、六人は松彦たちを警戒しながらも信用することとし、ビクトリヤ城への帰還を決めた。六人の王子・王女たちは、松彦、竜彦、万公に導かれ、まずはビク国の治国別の館に人知れず帰還することになった。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2024-03-29 17:05:50
OBC :
rm5402
愛善世界社版:
23頁
八幡書店版:
第9輯 627頁
修補版:
校定版:
21頁
普及版:
10頁
初版:
ページ備考:
001
治国別
(
はるくにわけ
)
の
命令
(
めいれい
)
で
002
ビクトリヤ
王
(
わう
)
の
御子
(
みこ
)
達
(
たち
)
を
003
照国岳
(
てるくにだけ
)
の
山谷
(
さんこく
)
に
004
尋
(
たづ
)
ねて
迎
(
むか
)
へ
帰
(
かへ
)
らむと
005
館
(
やかた
)
を
後
(
あと
)
に
竜彦
(
たつひこ
)
や
006
嬉
(
うれ
)
しき
便
(
たよ
)
りを
松彦
(
まつひこ
)
が
007
万公司
(
まんこうつかさ
)
を
伴
(
ともな
)
ひて
008
音
(
おと
)
に
名高
(
なだか
)
きビクトリヤ
009
山野
(
さんや
)
を
渡
(
わた
)
り
谷
(
たに
)
を
越
(
こ
)
え
010
猿
(
ましら
)
の
声
(
こゑ
)
におどされつ
011
岩
(
いは
)
の
根
(
ね
)
木
(
き
)
の
根
(
ね
)
踏
(
ふ
)
みさくみ
012
辷
(
すべ
)
る
足許
(
あしもと
)
危
(
あやふ
)
くも
013
木々
(
きぎ
)
の
梢
(
こずゑ
)
を
掴
(
つか
)
まへて
014
道
(
みち
)
なき
路
(
みち
)
を
辿
(
たど
)
り
行
(
ゆ
)
く
015
荊蕀
(
けいきよく
)
茂
(
しげ
)
る
山
(
やま
)
の
中
(
なか
)
016
アール、イースや
外
(
ほか
)
四
(
よ
)
人
(
にん
)
017
潜
(
ひそ
)
む
土窟
(
いはや
)
にやうやうと
018
息
(
いき
)
もスタスタ
着
(
つ
)
きにけり。
019
オークス、
020
ダイヤの
二人
(
ふたり
)
は
土窟
(
いはや
)
の
入口
(
いりぐち
)
に
日
(
ひ
)
なたぼつこりをして、
021
獣
(
けだもの
)
の
皮
(
かは
)
を
干
(
ほ
)
したり、
022
洗濯
(
せんたく
)
をしたりして、
023
乾
(
かわ
)
くのを
待
(
ま
)
つてゐた。
024
忽
(
たちま
)
ち
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
姿
(
すがた
)
を
見
(
み
)
るより、
025
驚
(
おどろ
)
きの
眼
(
まなこ
)
を
瞠
(
みは
)
り、
026
山刀
(
やまがたな
)
を
手
(
て
)
にして、
027
何者
(
なにもの
)
の
襲来
(
しふらい
)
かと
身構
(
みがま
)
へした。
028
よくよく
見
(
み
)
れば、
029
『
刹帝利
(
せつていり
)
の
御
(
おん
)
子
(
こ
)
奉迎
(
ほうげい
)
』といふ
手旗
(
てばた
)
を
各
(
おのおの
)
翳
(
かざ
)
してゐる。
030
オークスは
双手
(
もろて
)
を
組
(
く
)
んで、
031
暫
(
しば
)
し
思案
(
しあん
)
にくれてゐたが、
032
心
(
こころ
)
の
中
(
なか
)
に
思
(
おも
)
ふやう、
033
オークス『あの
手旗
(
てばた
)
には
自分
(
じぶん
)
等
(
たち
)
を
迎
(
むか
)
へに
来
(
き
)
たやうに
記
(
しる
)
してあるが、
034
父
(
ちち
)
と
云
(
い
)
ひ、
035
近侍
(
きんじ
)
の
頑固
(
ぐわんこ
)
連
(
れん
)
が
自分
(
じぶん
)
達
(
たち
)
の
所在
(
ありか
)
を
探
(
さぐ
)
り、
036
奉迎
(
ほうげい
)
と
佯
(
いつ
)
はつて、
037
召捕
(
めしと
)
らへに
来
(
き
)
たのではあるまいか。
038
之
(
これ
)
はウツカリ
名乗
(
なの
)
る
訳
(
わけ
)
には
行
(
ゆ
)
かぬ』
039
と
心
(
こころ
)
を
定
(
さだ
)
め、
040
妹
(
いもうと
)
のダイヤに
目配
(
めくば
)
せした。
041
ダイヤはオークスの
意思
(
いし
)
を
早
(
はや
)
くも
悟
(
さと
)
り、
042
さあらぬ
態
(
てい
)
にて
細谷川
(
ほそたにがは
)
の
水
(
みづ
)
をいぢり、
043
あどけない
態
(
てい
)
にて、
044
ワザとに
遊
(
あそ
)
んでゐた。
045
そこへ
近付
(
ちかづ
)
いたのは
迎
(
むか
)
ひの
三
(
さん
)
人
(
にん
)
、
046
松彦
(
まつひこ
)
は
両手
(
りやうて
)
をついて、
047
松彦
(
まつひこ
)
『
一寸
(
ちよつと
)
お
尋
(
たづ
)
ね
致
(
いた
)
します。
048
貴方
(
あなた
)
は、
049
ビクトリヤ
城
(
じやう
)
の
刹帝利
(
せつていり
)
様
(
さま
)
のお
子様
(
こさま
)
では
厶
(
ござ
)
いませぬか』
050
オークスはワザと
空呆
(
そらとぼ
)
けて、
051
オークス『
俺
(
おれ
)
は
此
(
この
)
山
(
やま
)
に
昔
(
むかし
)
から
住居
(
ぢうきよ
)
をしてをる
山男
(
やまをとこ
)
だ。
052
そんな
尊
(
たふと
)
い
者
(
もの
)
ではない。
053
此
(
この
)
谷
(
たに
)
には
左様
(
さやう
)
な
方
(
かた
)
は
一人
(
ひとり
)
もみえたことはないから、
054
外
(
ほか
)
を
尋
(
たづ
)
ねて
貰
(
もら
)
ひたいものだなア』
055
松彦
(
まつひこ
)
『ヤ、
056
何
(
なん
)
と
仰
(
おほ
)
せられましても、
057
貴方
(
あなた
)
はお
子様
(
こさま
)
に
間違
(
まちがひ
)
ありませぬ。
058
サ、
059
何卒
(
どうぞ
)
私
(
わたくし
)
と
一緒
(
いつしよ
)
に
城内
(
じやうない
)
までお
帰
(
かへ
)
り
下
(
くだ
)
さいませ。
060
キツと
貴方
(
あなた
)
のお
為
(
ため
)
に
悪
(
わる
)
い
事
(
こと
)
は
致
(
いた
)
しませぬ』
061
ダイヤは
側
(
そば
)
へ
寄
(
よ
)
つて
来
(
き
)
て、
062
ダイヤ『どこの
方
(
かた
)
か
知
(
し
)
りませぬが、
063
妾
(
わたし
)
はここに
二人
(
ふたり
)
夫婦暮
(
ふうふぐら
)
しをしてゐる
山男
(
やまをとこ
)
山女
(
やまをんな
)
で
厶
(
ござ
)
います。
064
決
(
けつ
)
して
左様
(
さやう
)
な
者
(
もの
)
ぢやありませぬから、
065
外
(
ほか
)
をお
尋
(
たづ
)
ね
下
(
くだ
)
さいませ』
066
松彦
(
まつひこ
)
『
何
(
なん
)
と
仰
(
おほ
)
せられても、
067
吾々
(
われわれ
)
の
目
(
め
)
では
刹帝利
(
せつていり
)
様
(
さま
)
の
御
(
ご
)
子女
(
しぢよ
)
に
違
(
ちが
)
ひはありませぬ。
068
左様
(
さやう
)
な
事
(
こと
)
を
仰
(
おほ
)
せられずに、
069
吾々
(
われわれ
)
の
申
(
まを
)
す
通
(
とほ
)
りに
城内
(
じやうない
)
へ
御
(
お
)
帰
(
かへ
)
りを
願
(
ねが
)
ひたい』
070
ダイヤ『ホホホホ
何
(
なん
)
とマア
分
(
わか
)
らぬ
人
(
ひと
)
だこと、
071
木樵
(
きこり
)
の
娘
(
むすめ
)
が
堕落
(
だらく
)
して、
072
村
(
むら
)
の
男
(
をとこ
)
と
手
(
て
)
に
手
(
て
)
を
取
(
と
)
つて、
073
斯様
(
かやう
)
な
処
(
ところ
)
へ
逃
(
に
)
げ
来
(
きた
)
り、
074
山男
(
やまをとこ
)
山女
(
やまをんな
)
となつて、
075
恋
(
こひ
)
を
味
(
あぢ
)
はつてゐるのに、
076
畏
(
おそ
)
れ
多
(
おほ
)
くも
刹帝利
(
せつていり
)
様
(
さま
)
の
娘
(
むすめ
)
だなどとは、
077
勿体
(
もつたい
)
ない
罰
(
ばち
)
が
当
(
あた
)
りますぞや。
078
妾
(
わたし
)
が
左様
(
さやう
)
な
尊
(
たふと
)
い
方
(
かた
)
の
娘
(
むすめ
)
なれば、
079
どうしてこんな
所
(
ところ
)
へ
出
(
で
)
て
来
(
き
)
ませうか、
080
誰
(
たれ
)
がこんな
不便
(
ふべん
)
な
山住居
(
やまずまゐ
)
を
致
(
いた
)
しませうか。
081
よく
考
(
かんが
)
へて
御覧
(
ごらん
)
なさいませ』
082
松彦
(
まつひこ
)
『
貴女
(
あなた
)
は
今
(
いま
)
、
083
ここへ
男
(
をとこ
)
と
駆落
(
かけおち
)
をしたと
仰有
(
おつしや
)
るが、
084
比較
(
ひかく
)
的
(
てき
)
体
(
からだ
)
は
大
(
おほ
)
きうても、
085
まだお
年
(
とし
)
は
十
(
じつ
)
才
(
さい
)
か
十一
(
じふいつ
)
才
(
さい
)
位
(
ぐらゐ
)
にしか
見
(
み
)
えませぬ。
086
そんな
事
(
こと
)
云
(
い
)
つたつて、
087
此
(
この
)
松彦
(
まつひこ
)
は
騙
(
だま
)
されませぬよ。
088
刹帝利
(
せつていり
)
様
(
さま
)
が
大変
(
たいへん
)
後悔
(
こうくわい
)
遊
(
あそ
)
ばして、
089
六
(
ろく
)
人
(
にん
)
の
子女
(
しぢよ
)
を
恋慕
(
こひした
)
ひ……あああの
時
(
とき
)
は
悪神
(
あくがみ
)
に
誑惑
(
けうわく
)
されて
居
(
を
)
つたのだ。
090
追々
(
おひおひ
)
年
(
とし
)
はよつてくるなり、
091
あの
六
(
ろく
)
人
(
にん
)
の
子女
(
しぢよ
)
が
居
(
を
)
つてくれたらどれ
丈
(
だけ
)
嬉
(
うれ
)
しいだらう……と、
092
朝夕
(
あさゆふ
)
お
悔
(
くや
)
みなさるので、
093
新参者
(
しんざんもの
)
の
吾々
(
われわれ
)
が、
094
王
(
わう
)
様
(
さま
)
の
命令
(
めいれい
)
を
受
(
う
)
けてお
迎
(
むか
)
ひに
参
(
まゐ
)
りました、
095
何
(
なん
)
とお
隠
(
かく
)
しなされましても
間違
(
まちが
)
ひありませぬ、
096
そして
四
(
よ
)
人
(
にん
)
の
御
(
ご
)
兄弟
(
きやうだい
)
はどちらへお
出
(
い
)
でになりました。
097
何卒
(
どうぞ
)
それを
御
(
お
)
知
(
し
)
らせ
願
(
ねが
)
ひたいものです』
098
オークス『
決
(
けつ
)
して
決
(
けつ
)
して、
099
何
(
なん
)
と
仰有
(
おつしや
)
つても、
100
左様
(
さやう
)
な
者
(
もの
)
ぢや
厶
(
ござ
)
いませぬ。
101
外
(
ほか
)
を
尋
(
たづ
)
ねて
下
(
くだ
)
さいませ』
102
と
言
(
い
)
つてる
所
(
ところ
)
へ
四
(
よ
)
人
(
にん
)
の
兄
(
あに
)
は
猪
(
いのしし
)
を
担
(
かつ
)
いで、
103
きつい
谷路
(
たにみち
)
を
下
(
くだ
)
つて
来
(
き
)
た。
104
余
(
あま
)
り
足元
(
あしもと
)
に
気
(
き
)
を
取
(
と
)
られて
居
(
を
)
つたので、
105
三
(
さん
)
人
(
にん
)
が
此処
(
ここ
)
に
来
(
き
)
て
弟妹
(
きやうだい
)
と
話
(
はなし
)
をしてるのに
気
(
き
)
がつかなかつた。
106
入口
(
いりぐち
)
の
前
(
まへ
)
に
猪
(
しし
)
を
下
(
お
)
ろし、
107
汗
(
あせ
)
を
拭
(
ぬぐ
)
ひ
拭
(
ぬぐ
)
ひ、
108
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
男
(
をとこ
)
が
地上
(
ちじやう
)
に
平伏
(
へいふく
)
してるのを
見
(
み
)
て、
109
四
(
よ
)
人
(
にん
)
は
驚
(
おどろ
)
いた。
110
アールはオークスに
向
(
むか
)
ひ、
111
アール『オイ、
112
此処
(
ここ
)
へ
来
(
き
)
てゐる
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
男
(
をとこ
)
は
何者
(
なにもの
)
だ』
113
オークス『ビクトリヤ
城
(
じやう
)
の
刹帝利
(
せつていり
)
様
(
さま
)
から、
114
お
迎
(
むか
)
へに
来
(
き
)
たのだ。
115
貴方
(
あなた
)
は
其
(
その
)
御
(
ご
)
子女
(
しぢよ
)
に
違
(
ちが
)
ひないからお
迎
(
むか
)
ひに
来
(
き
)
たのだ……と
云
(
い
)
つて
聞
(
き
)
かないのですよ。
116
親方
(
おやかた
)
何
(
ど
)
う
致
(
いた
)
しませうかね』
117
アール『どうも
斯
(
か
)
うもない、
118
吾々
(
われわれ
)
の
規定
(
きてい
)
通
(
どほ
)
り
実行
(
じつかう
)
すれば
可
(
い
)
いぢやないか』
119
オークス『それは
一寸
(
ちよつと
)
待
(
ま
)
つて
頂
(
いただ
)
きたう
厶
(
ござ
)
います』
120
アール『ナニ、
121
グヅグヅしてゐると
発覚
(
はつかく
)
する
虞
(
おそれ
)
がある、
122
此奴
(
こいつ
)
等
(
ら
)
三
(
さん
)
人
(
にん
)
をやつつけて
了
(
しま
)
へ』
123
と
言
(
い
)
ふより
早
(
はや
)
く
一同
(
いちどう
)
の
兄弟
(
きやうだい
)
に
目配
(
めくば
)
せした。
124
一同
(
いちどう
)
は
猪突槍
(
ゐつきやり
)
を
持
(
も
)
つて、
125
物
(
もの
)
をも
言
(
い
)
はず
三
(
さん
)
人
(
にん
)
に
突
(
つ
)
いてかかる。
126
オークス、
127
ダイヤの
両人
(
りやうにん
)
は
双方
(
さうはう
)
の
中
(
なか
)
に
割
(
わ
)
つて
入
(
い
)
り、
128
オークス、ダイヤ
『
兄
(
にい
)
さま
待
(
ま
)
つて
下
(
くだ
)
さい……お
兄
(
にい
)
さま
暫
(
しばら
)
く』
129
と
両人
(
りやうにん
)
が
制止
(
せいし
)
するを
聞
(
き
)
かばこそ、
130
四
(
よ
)
人
(
にん
)
の
兄
(
あに
)
は、
131
四人
『エエ
邪魔
(
じやま
)
ひろぐと
其
(
その
)
方
(
はう
)
も
犠牲
(
ぎせい
)
にするぞ』
132
と
云
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら、
133
バラバラと
三
(
さん
)
人
(
にん
)
を
囲
(
かこ
)
んだ。
134
三
(
さん
)
人
(
にん
)
は
大木
(
たいぼく
)
の
幹
(
みき
)
を
楯
(
たて
)
に
取
(
と
)
り、
135
天津
(
あまつ
)
祝詞
(
のりと
)
を
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
に
奏上
(
そうじやう
)
するや、
136
猛
(
たけ
)
り
狂
(
くる
)
うた
四
(
よ
)
人
(
にん
)
は
身体
(
しんたい
)
痺
(
しび
)
れ、
137
其
(
その
)
場
(
ば
)
にドツト
尻餅
(
しりもち
)
を
搗
(
つ
)
いた。
138
そして
首
(
くび
)
計
(
ばか
)
り
振
(
ふ
)
つてゐる。
139
アール『
其
(
その
)
方
(
はう
)
は
吾々
(
われわれ
)
六
(
ろく
)
人
(
にん
)
を
刹帝利
(
せつていり
)
の
迎
(
むか
)
へと
佯
(
いつは
)
り、
140
甘
(
うま
)
く
城内
(
じやうない
)
につれ
帰
(
かへ
)
り、
141
生命
(
せいめい
)
を
奪
(
うば
)
はむとの
企
(
たく
)
みであらう。
142
左様
(
さやう
)
な
事
(
こと
)
を
真
(
ま
)
に
受
(
う
)
けて、
143
うまうまと
計略
(
けいりやく
)
に
乗
(
の
)
る
様
(
やう
)
な
吾々
(
われわれ
)
でない。
144
サ
早
(
はや
)
く
帰
(
かへ
)
つたがよからう』
145
と
手足
(
てあし
)
も
動
(
うご
)
かぬくせに
流石
(
さすが
)
は
刹帝利
(
せつていり
)
の
胤
(
たね
)
丈
(
だけ
)
あつて、
146
気丈夫
(
きぢやうぶ
)
なものである。
147
松彦
(
まつひこ
)
は、
148
千言
(
せんげん
)
万語
(
まんご
)
を
費
(
つひや
)
して、
149
刹帝利
(
せつていり
)
の
真心
(
まごころ
)
や
或
(
あるひ
)
はホーフス(
宮中
(
きうちう
)
)の
様子
(
やうす
)
を
細々
(
こまごま
)
と
述
(
の
)
べ
立
(
た
)
てた。
150
四
(
よ
)
人
(
にん
)
は
漸
(
やうや
)
くにしてヤツと
安心
(
あんしん
)
した。
151
アール『それに
間違
(
まちがひ
)
なくば、
152
吾々
(
われわれ
)
兄妹
(
きやうだい
)
は
茲
(
ここ
)
でラートを
開
(
ひら
)
き、
153
其
(
その
)
結果
(
けつくわ
)
御
(
ご
)
返事
(
へんじ
)
を
致
(
いた
)
しませう。
154
少時
(
しばら
)
く
御
(
ご
)
猶予
(
いうよ
)
を
願
(
ねが
)
ふ』
155
松彦
(
まつひこ
)
『ヤ、
156
早速
(
さつそく
)
の
御
(
ご
)
承知
(
しようち
)
、
157
可成
(
なるべく
)
早
(
はや
)
くラートをお
開
(
ひら
)
きの
上
(
うへ
)
、
158
吾々
(
われわれ
)
と
一緒
(
いつしよ
)
にホーフスへ
御
(
お
)
帰
(
かへ
)
り
下
(
くだ
)
さいませ』
159
アール『
然
(
しか
)
らば
暫
(
しばら
)
くここを
遠
(
とほ
)
ざかつて
貰
(
もら
)
ひたい、
160
決
(
けつ
)
して
逃
(
に
)
げも
隠
(
かく
)
れも
致
(
いた
)
しませぬ』
161
松彦
(
まつひこ
)
は『
宜
(
よろ
)
しい』と
四五十
(
しごじつ
)
間
(
けん
)
許
(
ばか
)
り
傍
(
かたはら
)
の
山腹
(
さんぷく
)
に
退
(
しりぞ
)
き、
162
六
(
ろく
)
人
(
にん
)
の
様子
(
やうす
)
を
監視
(
かんし
)
してゐた。
163
六
(
ろく
)
人
(
にん
)
は
声
(
こゑ
)
を
秘
(
ひそ
)
めて、
164
相談会
(
さうだんくわい
)
を
開
(
ひら
)
いた。
165
アール『オイ、
166
弟
(
おとうと
)
、
167
お
前
(
まへ
)
達
(
たち
)
はどう
思
(
おも
)
ふか。
168
あの
三
(
さん
)
人
(
にん
)
は
父
(
ちち
)
の
家来
(
けらい
)
だと
云
(
い
)
つたが、
169
どうも
体
(
からだ
)
の
様子
(
やうす
)
を
考
(
かんが
)
へてみると、
170
モンク(
修道師
(
しうだうし
)
)の
様
(
やう
)
だ。
171
あんな
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
つて、
172
父
(
ちち
)
の
命
(
めい
)
を
受
(
う
)
け
吾々
(
われわれ
)
の
兄妹
(
きやうだい
)
の
此処
(
ここ
)
にゐる
事
(
こと
)
を
恐
(
おそ
)
れて、
173
甘
(
うま
)
くゴマかし、
174
連
(
つ
)
れ
帰
(
かへ
)
り、
175
牢獄
(
らうごく
)
へブチ
込
(
こ
)
む
考
(
かんが
)
へではあるまいか、
176
ここは
余程
(
よほど
)
考
(
かんが
)
へねばなるまいぞ』
177
イース『あれは
決
(
けつ
)
してモンクではありますまい。
178
父
(
ちち
)
の
命
(
めい
)
を
受
(
う
)
けてやつて
来
(
き
)
たグレナジアーでせう。
179
さうでなければ、
180
吾々
(
われわれ
)
猪
(
いのしし
)
武者
(
むしや
)
が
六
(
ろく
)
人
(
にん
)
居
(
ゐ
)
る
所
(
ところ
)
へ、
181
只
(
ただ
)
の
三
(
さん
)
人
(
にん
)
位
(
ぐらゐ
)
で
来
(
こ
)
られるものぢやありませぬワ』
182
オークス『
兄上
(
あにうへ
)
様
(
さま
)
のお
考
(
かんが
)
へも
一応
(
いちおう
)
尤
(
もつと
)
も
乍
(
なが
)
ら、
183
私
(
わたし
)
が
夜前
(
やぜん
)
夢
(
ゆめ
)
を
見
(
み
)
ましたのには、
184
或
(
ある
)
尊
(
たふと
)
い
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
のプロパガンデストが
三
(
さん
)
人
(
にん
)
吾々
(
われわれ
)
をホーフスへ
迎
(
むか
)
へ
帰
(
かへ
)
り、
185
大切
(
たいせつ
)
にしてくれる
事
(
こと
)
をみましたが、
186
夢
(
ゆめ
)
の
事
(
こと
)
だから
当
(
あて
)
にならないと
思
(
おも
)
うて、
187
実
(
じつ
)
の
所
(
ところ
)
はお
話
(
はなし
)
もせずに
居
(
を
)
つたのです。
188
そした
所
(
ところ
)
が
夢
(
ゆめ
)
にみたと
同様
(
どうやう
)
のモンクがやつて
来
(
き
)
ました。
189
キツと
間違
(
まちが
)
ひありますまい。
190
そんな
事
(
こと
)
仰有
(
おつしや
)
らずに
三
(
さん
)
人
(
にん
)
に
従
(
したが
)
つて
帰
(
かへ
)
らうぢやありませぬか、
191
父
(
ちち
)
も
老年
(
らうねん
)
に
及
(
およ
)
び、
192
余程
(
よほど
)
気
(
き
)
も
弱
(
よわ
)
つて
居
(
を
)
りませうから、
193
滅多
(
めつた
)
な
事
(
こと
)
は
厶
(
ござ
)
いますまい』
194
アール『あれ
丈
(
だけ
)
頑固
(
ぐわんこ
)
な
迷信
(
めいしん
)
深
(
ふか
)
い
父上
(
ちちうへ
)
だから、
195
何
(
なん
)
とも
安心
(
あんしん
)
する
訳
(
わけ
)
には
行
(
ゆ
)
くまい。
196
のうウエルス、
197
お
前
(
まへ
)
は
何
(
ど
)
う
思
(
おも
)
ふか』
198
ウエルス『ハイ、
199
私
(
わたし
)
の
考
(
かんが
)
へでは、
200
どうも
当
(
あた
)
り
前
(
まへ
)
の
人間
(
にんげん
)
とは
思
(
おも
)
ひませぬ。
201
又
(
また
)
父
(
ちち
)
の
命令
(
めいれい
)
で
来
(
き
)
たのとも
考
(
かんが
)
へませぬ。
202
妖幻坊
(
えうげんばう
)
といふモンスターが
此
(
この
)
辺
(
へん
)
を
徘徊
(
はいくわい
)
するといふ
事
(
こと
)
は、
203
昔
(
むかし
)
から
聞
(
き
)
いて
居
(
を
)
りますが、
204
其奴
(
そいつ
)
が
化
(
ば
)
けて
来
(
き
)
たのではありますまいか。
205
ホーフスだと
思
(
おも
)
うて
泥田
(
どろた
)
の
中
(
なか
)
へでも
突
(
つ
)
つ
込
(
こ
)
まれるやうな
事
(
こと
)
はありますまいかな。
206
コレヤ、
207
うつかりして
居
(
を
)
つたら、
208
どんな
目
(
め
)
に
会
(
あ
)
ふか
知
(
し
)
れませぬぞ』
209
アール『ヤ、
210
決
(
けつ
)
してモンスターではあるまい。
211
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
危
(
あやふ
)
きに
近
(
ちか
)
よらずと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
があるから、
212
ここで
能
(
あた
)
ふ
限
(
かぎ
)
りの
抵抗
(
ていかう
)
を
試
(
こころ
)
み、
213
どうしてもゆかねば
住家
(
すみか
)
を
変
(
か
)
へるより、
214
仕様
(
しやう
)
がないぢやないか』
215
エリナン『
兄上
(
あにうへ
)
に
申上
(
まをしあ
)
げます。
216
私
(
わたし
)
はどう
考
(
かんが
)
へても、
217
彼
(
かれ
)
等
(
ら
)
三
(
さん
)
人
(
にん
)
は
妖怪
(
えうくわい
)
でもなければ
悪人
(
あくにん
)
でもない、
218
オークスの
云
(
い
)
つた
様
(
やう
)
に、
219
父
(
ちち
)
が
改心
(
かいしん
)
の
結果
(
けつくわ
)
吾々
(
われわれ
)
を
迎
(
むか
)
へに
来
(
き
)
てくれた
者
(
もの
)
と
考
(
かんが
)
へます。
220
取越
(
とりこし
)
苦労
(
くらう
)
をせずに、
221
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
跟
(
つ
)
いて
行
(
い
)
つたら
如何
(
どう
)
でせう。
222
怪
(
あや
)
しとみたら
又
(
また
)
其
(
その
)
時
(
とき
)
の
処置
(
しよち
)
を
取
(
と
)
れば
可
(
い
)
いぢやありませぬか』
223
ダイヤ『
五
(
ご
)
人
(
にん
)
の
兄
(
にい
)
さま、
224
私
(
わたし
)
はどうもあの
方
(
かた
)
は
本当
(
ほんたう
)
だと
思
(
おも
)
ひます。
225
一層
(
いつそう
)
の
事
(
こと
)
、
226
帰
(
かへ
)
らうぢやありませぬか』
227
アールは
思
(
おも
)
ひ
切
(
き
)
つて、
228
アール
『エエ
怖
(
こは
)
い
所
(
ところ
)
へ
行
(
ゆ
)
かねば
熟柿
(
じゆくし
)
はくへぬと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
だ、
229
運
(
うん
)
を
天
(
てん
)
に
任
(
まか
)
して
帰
(
かへ
)
ることにしようかい。
230
併
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
らヒルナ
姫
(
ひめ
)
とやら
云
(
い
)
ふハイエナ・イン・ベテコーツが
扣
(
ひか
)
へてゐるから、
231
余程
(
よほど
)
気
(
き
)
をつけて
帰
(
かへ
)
らなくてはなるまいぞ。
232
サア
思
(
おも
)
ひ
切
(
き
)
つて
帰
(
かへ
)
る
事
(
こと
)
にしよう』
233
といよいよ
評議
(
ひやうぎ
)
一決
(
いつけつ
)
して、
234
三
(
さん
)
人
(
にん
)
を
手招
(
てまね
)
きした。
235
三
(
さん
)
人
(
にん
)
は
喜
(
よろこ
)
んで
六
(
ろく
)
人
(
にん
)
の
前
(
まへ
)
に
駆
(
か
)
け
来
(
きた
)
り、
236
松彦
(
まつひこ
)
『いよいよ
御
(
お
)
帰
(
かへ
)
りと
決定
(
けつてい
)
した
様子
(
やうす
)
で
厶
(
ござ
)
います。
237
吾々
(
われわれ
)
も
大慶
(
たいけい
)
に
存
(
ぞん
)
じます。
238
サ、
239
帰
(
かへ
)
りませう。
240
お
察
(
さつ
)
しの
通
(
とほ
)
り、
241
拙者
(
せつしや
)
は
三五教
(
あななひけう
)
のプロパガンデストで
厶
(
ござ
)
います。
242
実
(
じつ
)
の
所
(
ところ
)
はビクトリヤ
城
(
じやう
)
は
右守司
(
うもりのかみ
)
のベルツの
為
(
ため
)
に
殆
(
ほとん
)
ど
落城
(
らくじやう
)
せむとする
間際
(
まぎは
)
に、
243
吾
(
わが
)
師
(
し
)
の
君
(
きみ
)
治国別
(
はるくにわけ
)
宣伝使
(
せんでんし
)
が
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
をつれて
現
(
あら
)
はれ、
244
お
救
(
すく
)
ひ
申
(
まを
)
し、
245
城内
(
じやうない
)
は
稍
(
やや
)
小康
(
せうかう
)
を
得
(
え
)
た
所
(
ところ
)
で
厶
(
ござ
)
います。
246
刹帝利
(
せつていり
)
様
(
さま
)
も
貴方
(
あなた
)
方
(
がた
)
の
命
(
いのち
)
を
取
(
と
)
らむとした
事
(
こと
)
を
非常
(
ひじやう
)
に
後悔
(
こうくわい
)
して、
247
吐息
(
といき
)
を
洩
(
も
)
らしてお
歎
(
なげ
)
き
遊
(
あそ
)
ばしたので、
248
吾
(
わが
)
師
(
し
)
の
君
(
きみ
)
が、
249
貴方
(
あなた
)
方
(
がた
)
がここにゐられる
事
(
こと
)
を
看破
(
かんぱ
)
し、
250
刹帝利
(
せつていり
)
様
(
さま
)
にお
話
(
はなし
)
になつて、
251
吾々
(
われわれ
)
を
遣
(
つか
)
はされたので
厶
(
ござ
)
います。
252
必
(
かなら
)
ず
御
(
ご
)
心配
(
しんぱい
)
遊
(
あそ
)
ばすな、
253
サ、
254
帰
(
かへ
)
りませう』
255
此
(
この
)
言葉
(
ことば
)
に
六
(
ろく
)
人
(
にん
)
の
兄妹
(
きやうだい
)
はやつと
安心
(
あんしん
)
し、
256
松彦
(
まつひこ
)
、
257
竜彦
(
たつひこ
)
、
258
万公
(
まんこう
)
の
後
(
あと
)
に
従
(
したが
)
ひ、
259
八男
(
はちなん
)
一女
(
いちによ
)
の
道連
(
みちづ
)
れは
山
(
やま
)
を
越
(
こ
)
え、
260
谷
(
たに
)
を
渡
(
わた
)
り、
261
漸
(
やうや
)
くにしてフオール・ゾンネン・アウフ・ガンダの
時刻
(
じこく
)
に
治国別
(
はるくにわけ
)
の
館
(
やかた
)
にソツと
帰
(
かへ
)
り
来
(
き
)
たりける。
262
(
大正一二・二・二一
旧一・六
於竜宮館
松村真澄
録)
Δこのページの一番上に戻るΔ
<<< 子宝
(B)
(N)
懸引 >>>
霊界物語
>
第54巻
> 第1篇 神授の継嗣 > 第2章 日出前
Tweet
目で読むのに疲れたら耳で聴こう!霊界物語の朗読ユーチューブ
オニド関連サイト
最新更新情報
10/22
【霊界物語ネット】
『
王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)
』をテキスト化しました。
9/18
【
飯塚弘明.com
】
飯塚弘明著『
PTC2 出口王仁三郎の霊界物語で透見する世界現象 T之巻
』発刊!
5/8
【霊界物語ネット】
霊界物語ネットに出口王仁三郎の
第六歌集『霧の海』
を掲載しました。
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【
メールアドレス
】
【02 日出前|第54巻(巳の巻)|霊界物語/rm5402】
合言葉「みろく」を入力して下さい→