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第73巻(子の巻)
第74巻(丑の巻)
第75巻(寅の巻)
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第77巻(辰の巻)
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第54巻(巳の巻)
序文
総説
第1篇 神授の継嗣
01 子宝
〔1387〕
02 日出前
〔1388〕
03 懸引
〔1389〕
04 理妻
〔1390〕
05 万違
〔1391〕
06 執念
〔1392〕
第2篇 恋愛無涯
07 婚談
〔1393〕
08 祝莚
〔1394〕
09 花祝
〔1395〕
10 万亀柱
〔1396〕
第3篇 猪倉城寨
11 道晴別
〔1397〕
12 妖瞑酒
〔1398〕
13 岩情
〔1399〕
14 暗窟
〔1400〕
第4篇 関所の玉石
15 愚恋
〔1401〕
16 百円
〔1402〕
17 火救団
〔1403〕
第5篇 神光増進
18 真信
〔1404〕
19 流調
〔1405〕
20 建替
〔1406〕
21 鼻向
〔1407〕
22 凱旋
〔1408〕
附録 神文
余白歌
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第一五章
愚恋
(
ぐれん
)
〔一四〇一〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第54巻 真善美愛 巳の巻
篇:
第4篇 関所の玉石
よみ(新仮名遣い):
せきしょのぎょくせき
章:
第15章 愚恋
よみ(新仮名遣い):
ぐれん
通し章番号:
1401
口述日:
1923(大正12)年02月23日(旧01月8日)
口述場所:
竜宮館
筆録者:
松村真澄
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1925(大正14)年3月26日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
八衢の関所にトボトボとやってきた一人の男は赤と白の守衛に呼び止められた。男は主人の娘と心中して自分だけが命を落とした六助という男だった。六助は自分のもてぶりを自慢し、悪びれもせずに審判庭内に入って行った。
次にやってきたのは、六助と心中した鎌子という女の精霊で、これはまだ現界に肉体があるが精霊だけが中有界にやってきたのだった。守衛たちは不貞の罪を責めたが、鎌子は弁舌をふるって守衛たちに反論し、元の肉体に帰って行った。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2024-04-13 18:00:42
OBC :
rm5415
愛善世界社版:
181頁
八幡書店版:
第9輯 686頁
修補版:
校定版:
183頁
普及版:
84頁
初版:
ページ備考:
派生
[?]
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:
出口王仁三郎著作集 > 第二巻「変革と平和」 > 第三部 『霊界物語』の思想 > 愚恋
001
晴曇
(
せいどん
)
常
(
つね
)
なき
晩秋
(
ばんしう
)
の
空
(
そら
)
、
002
冷
(
つめ
)
たき
風
(
かぜ
)
に
裳裾
(
もすそ
)
をあふられて、
003
トボトボとやつて
来
(
き
)
た
一人
(
ひとり
)
の
男
(
をとこ
)
がある。
004
ここはブルガリオの
八衢
(
やちまた
)
の
関所
(
せきしよ
)
である。
005
例
(
れい
)
の
如
(
ごと
)
く
白赤
(
しろあか
)
二人
(
ふたり
)
の
守衛
(
しゆゑい
)
が
厳然
(
げんぜん
)
と
門
(
もん
)
に
立
(
た
)
つてゐた。
006
一人
(
ひとり
)
の
男
(
をとこ
)
は
何気
(
なにげ
)
なく
此
(
この
)
門
(
もん
)
を
潜
(
くぐ
)
らむとした。
007
赤
(
あか
)
の
守衛
(
しゆゑい
)
は、
008
赤
(
あか
)
『
旅人
(
たびびと
)
暫
(
しばら
)
く
待
(
ま
)
てツ』
009
と
呼
(
よ
)
びとめた。
010
男
(
をとこ
)
は
立止
(
たちど
)
まつて、
011
男
(
をとこ
)
(六助)
『ハイ、
012
何
(
なん
)
ぞ
用
(
よう
)
で
厶
(
ござ
)
いますか』
013
赤
(
あか
)
『
其
(
その
)
方
(
はう
)
は
何者
(
なにもの
)
だ。
014
そして
姓名
(
せいめい
)
を
名乗
(
なの
)
れ』
015
男
(
をとこ
)
(六助)
『ハイ、
016
私
(
わたし
)
は
自動車
(
じどうしや
)
の
運転手
(
うんてんしゆ
)
で
六助
(
ろくすけ
)
と
申
(
まを
)
します』
017
赤
(
あか
)
『あの
有名
(
いうめい
)
なカウンテスの
悪川
(
あしかは
)
鎌子
(
かまこ
)
の
情夫
(
じやうふ
)
だな』
018
六助
(
ろくすけ
)
『
左様
(
さやう
)
で
厶
(
ござ
)
います、
019
それが
又
(
また
)
何
(
なん
)
と
致
(
いた
)
しましたか、
020
別
(
べつ
)
に
貴方
(
あなた
)
方
(
がた
)
にお
咎
(
とがめ
)
を
蒙
(
かうむ
)
る
理由
(
りいう
)
は
毛頭
(
まうとう
)
厶
(
ござ
)
いませぬがな』
021
赤
(
あか
)
『
其
(
その
)
方
(
はう
)
はここを
何処
(
どこ
)
と
心得
(
こころえ
)
て
居
(
を
)
る』
022
六助
(
ろくすけ
)
『
現界
(
げんかい
)
でもなければ、
023
霊界
(
れいかい
)
でもなし、
024
死
(
し
)
んだやうにも
思
(
おも
)
ひますし、
025
死
(
し
)
んでゐないやうだし、
026
つまり
五里
(
ごり
)
霧中
(
むちゆう
)
に
逍
(
さま
)
よつて
居
(
を
)
ります。
027
併
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら
此
(
この
)
途中
(
とちう
)
で
妙
(
めう
)
な
歌
(
うた
)
を
聞
(
き
)
きましたので、
028
ヤツパリ
死
(
し
)
んだのではあるまいかと
考
(
かんが
)
へます』
029
赤
(
あか
)
『どんな
歌
(
うた
)
を
聞
(
き
)
いたのだ、
030
ここで
一
(
ひと
)
つ
言
(
い
)
つて
見
(
み
)
よ』
031
六助
(
ろくすけ
)
『ハイ、
032
何卒
(
どうぞ
)
お
笑
(
わら
)
ひ
下
(
くだ
)
さいませぬやうに、
033
判然
(
はつきり
)
は
覚
(
おぼ
)
えてゐませぬが、
034
あの
歌
(
うた
)
によると
何
(
ど
)
うやら
死
(
し
)
んだやうで
厶
(
ござ
)
います。
035
そして
愛人
(
あいじん
)
の
鎌子
(
かまこ
)
は
後
(
あと
)
に
残
(
のこ
)
つてるやうな
気
(
き
)
が
致
(
いた
)
します』
036
赤
(
あか
)
『
愛人
(
あいじん
)
の
事
(
こと
)
を
尋
(
たづ
)
ねて
居
(
ゐ
)
るのでない、
037
歌
(
うた
)
を
聞
(
き
)
かせといふのだ』
038
六助
(
ろくすけ
)
『ハイ、
039
先
(
ま
)
づザツと
左
(
さ
)
の
次第
(
しだい
)
で
厶
(
ござ
)
います。
040
命
(
いのち
)
からるる
鎌子
(
かまこ
)
ぞと
041
知
(
し
)
らぬが
仏
(
ほとけ
)
の
六助
(
ろくすけ
)
を
042
犬死
(
いぬじ
)
にさせたは
誰
(
たれ
)
が
罪
(
つみ
)
043
親馬鹿
(
おやばか
)
子馬鹿
(
こばか
)
に
亭主
(
ていしゆ
)
馬鹿
(
ばか
)
044
といふ
様
(
やう
)
な
歌
(
うた
)
で
厶
(
ござ
)
いました』
045
赤
(
あか
)
『
親馬鹿
(
おやばか
)
、
046
子馬鹿
(
こばか
)
に
六助
(
ろくすけ
)
馬鹿
(
ばか
)
といふのだらう、
047
本当
(
ほんたう
)
にあつたら
命
(
いのち
)
を
棄
(
す
)
てて、
048
六
(
ろく
)
でもない
事
(
こと
)
をする
奴
(
やつ
)
だなア』
049
六助
(
ろくすけ
)
『どうせ
六助
(
ろくすけ
)
ですから、
050
六
(
ろく
)
な
事
(
こと
)
は
致
(
いた
)
しますまいて、
051
併
(
しか
)
しモ
一
(
ひと
)
つふるつた
奴
(
やつ
)
が
厶
(
ござ
)
います。
052
死
(
し
)
なず
共
(
とも
)
よいお
前
(
まへ
)
は
死
(
し
)
んで
053
死
(
し
)
なにやならない
私
(
わし
)
や
死
(
し
)
ねぬ
054
ホンに
浮世
(
うきよ
)
は
侭
(
まま
)
ならぬ
055
どしたら
此
(
この
)
苦
(
く
)
が
逃
(
のが
)
れようか
056
六助
(
ろくすけ
)
さまは
嘸
(
さぞ
)
やさぞ
057
蓮華
(
れんげ
)
の
花
(
はな
)
の
台
(
うてな
)
にて
058
半座
(
はんざ
)
をわけて
吾
(
わが
)
行
(
ゆ
)
くを
059
待
(
ま
)
つて
厶
(
ござ
)
るであろ
程
(
ほど
)
に
060
いやな
亭主
(
ていしゆ
)
が
介抱
(
かいはう
)
する
061
といふ
様
(
やう
)
な
歌
(
うた
)
が
道々
(
みちみち
)
聞
(
きこ
)
えて
居
(
を
)
りましたよ。
062
六助
(
ろくすけ
)
鎌子
(
かまこ
)
と
云
(
い
)
つたら、
063
大抵
(
たいてい
)
私
(
わたし
)
の
事
(
こと
)
だらうと
考
(
かんが
)
へて
居
(
を
)
ります』
064
赤
(
あか
)
『
汝
(
きさま
)
は
主人
(
しゆじん
)
の
娘
(
むすめ
)
を
左様
(
さやう
)
な
事
(
こと
)
致
(
いた
)
して
何
(
なん
)
とも
責任
(
せきにん
)
を
感
(
かん
)
じないのか』
065
六助
(
ろくすけ
)
『
決
(
けつ
)
して
私
(
わたし
)
は
悪
(
わる
)
い
事
(
こと
)
だとは
思
(
おも
)
ひませぬ。
066
双方
(
さうはう
)
納得
(
なつとく
)
の
上
(
うへ
)
、
067
而
(
しか
)
も
女
(
をんな
)
の
方
(
はう
)
から
熱烈
(
ねつれつ
)
なる
情波
(
じやうは
)
を
送
(
おく
)
られ、
068
ラブの
雨
(
あめ
)
を
誕生
(
たんじやう
)
の
釈迦
(
しやか
)
さま
程
(
ほど
)
浴
(
あ
)
びせかけられ、
069
止
(
や
)
むを
得
(
え
)
ず……でもなく、
070
ヘヘヘヘヘ、
071
つい
嬉
(
うれ
)
しい
仲
(
なか
)
になりました。
072
併
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら
現代
(
げんだい
)
は
比較
(
ひかく
)
的
(
てき
)
愚物
(
ぐぶつ
)
が
多
(
おほ
)
いので、
073
……カウンテスに
自動車
(
じどうしや
)
の
運転手
(
うんてんしゆ
)
などがラブ
関係
(
くわんけい
)
を
結
(
むす
)
ぶとは
怪
(
け
)
しからぬ……などと、
074
法界
(
はふかい
)
悋気
(
りんき
)
を
致
(
いた
)
すので、
075
一層
(
いつそ
)
の
事
(
こと
)
第二
(
だいに
)
の
世界
(
せかい
)
を
求
(
もと
)
めて、
076
両人
(
りやうにん
)
仲能
(
なかよ
)
く
理想
(
りさう
)
生活
(
せいくわつ
)
を
営
(
いとな
)
まむが
為
(
ため
)
、
077
情死
(
じやうし
)
を
致
(
いた
)
した
所
(
ところ
)
、
078
どうやら
鎌子
(
かまこ
)
は
後
(
あと
)
に
残
(
のこ
)
つた
様
(
やう
)
な
塩梅
(
あんばい
)
で
厶
(
ござ
)
います。
079
イー、
080
何時
(
いつ
)
頃
(
ごろ
)
鎌子
(
かまこ
)
が
此処
(
ここ
)
へ
来
(
く
)
るでせうか。
081
お
手数
(
てすう
)
をかけますが、
082
一寸
(
ちよつと
)
生死簿
(
せいしぼ
)
をくつて
下
(
くだ
)
さいますまいか』
083
赤
(
あか
)
『
汝
(
きさま
)
は
世間
(
せけん
)
を
恥
(
は
)
づかしいとは
思
(
おも
)
はぬか』
084
六助
(
ろくすけ
)
『
決
(
けつ
)
して
恥
(
は
)
づかしとは
思
(
おも
)
ひませぬ、
085
男
(
をとこ
)
として
是
(
こ
)
れ
位
(
くらゐ
)
名誉
(
めいよ
)
はないと
心得
(
こころえ
)
てゐます。
086
よく
考
(
かんが
)
へて
御覧
(
ごらん
)
なさい。
087
貴族
(
きぞく
)
だとか、
088
門閥
(
もんばつ
)
だとか、
089
富豪
(
ふうがう
)
だとか、
090
人為
(
じんゐ
)
的
(
てき
)
の
階級
(
かいきふ
)
を
楯
(
たて
)
に
取
(
と
)
り
威張
(
ゐば
)
り
散
(
ち
)
らしてる、
091
一方
(
いつぱう
)
には
没分暁漢
(
わからずや
)
があり、
092
驕慢
(
けうまん
)
不遜
(
ふそん
)
の
奴
(
やつ
)
があり、
093
一方
(
いつぱう
)
には
泥坊
(
どろばう
)
にも
等
(
ひと
)
しき
上流
(
じやうりう
)
社会
(
しやくわい
)
を、
094
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
に
尊敬
(
そんけい
)
し、
095
一文
(
いちもん
)
の
御
(
ご
)
厄介
(
やくかい
)
にもならぬ
貴族
(
きぞく
)
に
対
(
たい
)
して、
096
米搗
(
こめつき
)
バツタ
宜
(
よろ
)
しく、
097
頭
(
あたま
)
を
下
(
さ
)
げ
腰
(
こし
)
を
曲
(
ま
)
げ
尾
(
を
)
をふり、
098
追従
(
つゐしよう
)
タラダラ
至
(
いた
)
らざるなき
愚痴
(
ぐち
)
妄眛
(
まうまい
)
の
人間
(
にんげん
)
に
対
(
たい
)
し、
099
一種
(
いつしゆ
)
の
刺激剤
(
しげきざい
)
ともなり、
100
覚醒剤
(
かくせいざい
)
ともなり、
101
興奮剤
(
こうふんざい
)
ともなりませう。
102
決
(
けつ
)
して
男女
(
だんぢよ
)
の
関係
(
くわんけい
)
は
権門
(
けんもん
)
や
門閥
(
もんばつ
)
や
財産
(
ざいさん
)
や
地位
(
ちゐ
)
や
古
(
ふる
)
き
道徳
(
だうとく
)
に
仍
(
よ
)
つて、
103
左右
(
さいう
)
し
得
(
う
)
べきものでないと
云
(
い
)
ふ
標本
(
へうほん
)
を
示
(
しめ
)
した
犠牲者
(
ぎせいしや
)
で
厶
(
ござ
)
いますから、
104
世間
(
せけん
)
の
人間
(
にんげん
)
は、
105
……
此
(
この
)
六助
(
ろくすけ
)
を
男
(
をとこ
)
の
中
(
なか
)
の
男
(
をとこ
)
だ。
106
大丈夫
(
だいぢやうぶ
)
の
典型
(
てんけい
)
だ。
107
ラブ・イズ・ベストの
擁護者
(
ようごしや
)
だ。
108
貴族
(
きぞく
)
に
対
(
たい
)
する
警戒
(
けいかい
)
だ……と
云
(
い
)
つて
賞讃
(
しやうさん
)
してくれてるでせう。
109
今回
(
こんくわい
)
の
六助
(
ろくすけ
)
の
行動
(
かうどう
)
に
依
(
よ
)
つて、
110
キツと
社会
(
しやくわい
)
の
亡者
(
まうじや
)
連
(
れん
)
も
稍
(
やや
)
目
(
め
)
を
醒
(
さ
)
ました
事
(
こと
)
でせう。
111
貴族
(
きぞく
)
だつて、
112
平民
(
へいみん
)
だつて、
113
運転手
(
うんてんしゆ
)
だつて、
114
同
(
おな
)
じ
人間
(
にんげん
)
です。
115
思想
(
しさう
)
観念
(
くわんねん
)
に
決
(
けつ
)
して
変
(
かは
)
りはありますまい。
116
それ
故
(
ゆゑ
)
私
(
わたし
)
は
暗黒
(
あんこく
)
なる
社会
(
しやくわい
)
の
光明
(
くわうみやう
)
となつた
考
(
かんが
)
へで
厶
(
ござ
)
います』
117
赤
(
あか
)
『
何
(
なん
)
とマア
偉
(
えら
)
い
権幕
(
けんまく
)
だなア。
118
余程
(
よほど
)
娑婆
(
しやば
)
の
教育
(
けういく
)
も、
119
デモクラチツク
化
(
くわ
)
したと
見
(
み
)
えるワイ』
120
六助
(
ろくすけ
)
『
私
(
わたし
)
は
恋愛
(
れんあい
)
に
悩
(
なや
)
む
世間
(
せけん
)
の
男女
(
だんぢよ
)
の
為
(
ため
)
に
犠牲
(
ぎせい
)
になつたのです。
121
平民
(
へいみん
)
階級
(
かいきふ
)
の
娘
(
むすめ
)
ならば
少
(
すこ
)
し
許
(
ばか
)
り
自由
(
じいう
)
が
利
(
き
)
きますが、
122
上流
(
じやうりう
)
階級
(
かいきふ
)
の
娘
(
むすめ
)
と
来
(
く
)
ると、
123
夫
(
そ
)
れは
夫
(
そ
)
れは
悲惨
(
ひさん
)
な
者
(
もの
)
で
厶
(
ござ
)
います。
124
上流
(
じやうりう
)
の
娘
(
むすめ
)
の
為
(
ため
)
に
今
(
いま
)
迄
(
まで
)
閉
(
と
)
ざされたる
天国
(
てんごく
)
の
道
(
みち
)
を
開鑿
(
かいさく
)
した
大
(
だい
)
慈善者
(
じぜんしや
)
で
厶
(
ござ
)
います』
125
赤
(
あか
)
『
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
理窟
(
りくつ
)
は
抜
(
ぬ
)
きにして、
126
主人
(
しゆじん
)
の
娘
(
むすめ
)
と
心中
(
しんちう
)
せむと
致
(
いた
)
した
其
(
その
)
行動
(
かうどう
)
は
許
(
ゆる
)
す
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
ぬ。
127
先
(
ま
)
づ
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
乍
(
なが
)
ら
色欲道
(
しきよくだう
)
の
地獄
(
ぢごく
)
へ
行
(
ゆ
)
かねばなるまいぞ』
128
六助
(
ろくすけ
)
『
止
(
や
)
むに
止
(
や
)
まれぬ
破目
(
はめ
)
に
陥
(
おちい
)
つて、
129
情死
(
じやうし
)
沙汰
(
ざた
)
迄
(
まで
)
引起
(
ひきおこ
)
したのは、
130
所謂
(
いはゆる
)
社会
(
しやくわい
)
の
強迫
(
きやうはく
)
と
暴虐
(
ばうぎやく
)
なる
圧制
(
あつせい
)
に
堪
(
た
)
へかねて
決行
(
けつかう
)
したのですから、
131
そこはチツと
御
(
ご
)
推量
(
すゐりやう
)
を
願
(
ねが
)
ひたいものですな』
132
赤
(
あか
)
『
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
伊吹戸主
(
いぶきどぬし
)
様
(
さま
)
の
審判廷
(
しんぱんてい
)
で
事情
(
じじやう
)
を
申述
(
まをしの
)
べたがよからう。
133
サ、
134
奥
(
おく
)
へ
通
(
とほ
)
れ、
135
社会
(
しやくわい
)
道徳
(
だうとく
)
の
攪乱者
(
かくらんしや
)
奴
(
め
)
』
136
と
云
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら、
137
ポンと
尻
(
しり
)
を
叩
(
たた
)
いて
門内
(
もんない
)
へつつ
込
(
こ
)
んだ。
138
六助
(
ろくすけ
)
は
門内
(
もんない
)
にツと
立止
(
たちど
)
まり、
139
目
(
め
)
をギヨロつかせ
乍
(
なが
)
ら、
140
小声
(
こごゑ
)
になつて、
141
六助
(
ろくすけ
)
『
何
(
なん
)
とマア、
142
何処
(
どこ
)
へ
行
(
い
)
つても
没分暁漢
(
わからずや
)
の
多
(
おほ
)
い
事
(
こと
)
だなア。
143
八衢
(
やちまた
)
の
守衛
(
しゆゑい
)
迄
(
まで
)
が
俺
(
おれ
)
達
(
たち
)
のローマンスを
羨望
(
せんばう
)
嫉妬
(
しつと
)
の
余
(
あま
)
り、
144
ゴテつきやがる。
145
エエ、
146
これから
審判廷
(
しんぱんてい
)
で
滔々
(
たうたう
)
と
公平
(
こうへい
)
な
議論
(
ぎろん
)
をまくし
立
(
た
)
て、
147
審判廷
(
しんぱんてい
)
の
空気
(
くうき
)
を
一洗
(
いつせん
)
してやらうかい』
148
と
云
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら、
149
一方
(
いつぱう
)
の
肩
(
かた
)
を
高
(
たか
)
くし、
150
一方
(
いつぱう
)
の
肩
(
かた
)
をさげ、
151
懐手
(
ふところで
)
し
乍
(
なが
)
ら、
152
のそりのそりと
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
153
面
(
かほ
)
に
白粉
(
おしろい
)
をペツタリとつけ、
154
背
(
せ
)
の
高
(
たか
)
い
一寸
(
ちよつと
)
渋皮
(
しぶかは
)
の
剥
(
む
)
けた
二十四五
(
にじふしご
)
才
(
さい
)
と
見
(
み
)
ゆる
女
(
をんな
)
が、
155
シヨナシヨナとやつて
来
(
き
)
た。
156
赤
(
あか
)
は、
157
赤
(
あか
)
『ハハア
此奴
(
こいつ
)
ア、
158
今
(
いま
)
行
(
い
)
つた
六助
(
ろくすけ
)
のアモリヨーズだなア。
159
まだ
肉体
(
にくたい
)
は
現界
(
げんかい
)
にある
精霊
(
せいれい
)
らしい、
160
どこ
共
(
とも
)
なしに
元気
(
げんき
)
がないワ』
161
と
独言
(
ひとりごと
)
云
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら、
162
近付
(
ちかづ
)
くのを
待
(
ま
)
つてゐた。
163
女
(
をんな
)
は
開
(
あ
)
け
放
(
はな
)
れた
門
(
もん
)
の
閾
(
しきゐ
)
を
跨
(
また
)
げようとした
途端
(
とたん
)
に
白
(
しろ
)
の
守衛
(
しゆゑい
)
は
大手
(
おほで
)
を
拡
(
ひろ
)
げ、
164
白
(
しろ
)
『モシモシお
女中
(
ぢよちう
)
、
165
暫
(
しばら
)
くお
待
(
ま
)
ちなさい。
166
貴方
(
あなた
)
は
此処
(
ここ
)
へ
来
(
く
)
る
所
(
ところ
)
ぢやありませぬ』
167
女
(
をんな
)
(鎌子)
『
私
(
わたし
)
はアマンの
後
(
あと
)
を
慕
(
した
)
うて
参
(
まゐ
)
りました
者
(
もの
)
で
厶
(
ござ
)
います。
168
何卒
(
どうぞ
)
そんな
意地
(
いぢ
)
の
悪
(
わる
)
い
事
(
こと
)
を
仰有
(
おつしや
)
らずに、
169
此処
(
ここ
)
を
通
(
とほ
)
して
下
(
くだ
)
さい』
170
赤
(
あか
)
『コレヤ
女
(
をんな
)
、
171
其
(
その
)
方
(
はう
)
のネームは
何
(
なん
)
と
申
(
まを
)
すか』
172
女
(
をんな
)
(鎌子)
『ハイ、
173
鎌子
(
かまこ
)
と
申
(
まを
)
します』
174
赤
(
あか
)
『ウーン、
175
さうすると、
176
カウント
悪川
(
あしかは
)
不顕正
(
ふけんせい
)
の
娘
(
むすめ
)
だな』
177
女
(
をんな
)
(鎌子)
『ハイ、
178
お
察
(
さつ
)
しの
通
(
とほ
)
り、
179
カウンテスで
厶
(
ござ
)
います』
180
赤
(
あか
)
『
其
(
その
)
方
(
はう
)
は
貴族
(
きぞく
)
の
家
(
いへ
)
に
生
(
うま
)
れ
乍
(
なが
)
ら、
181
世間
(
せけん
)
の
義理
(
ぎり
)
も
考
(
かんが
)
へず、
182
祖先
(
そせん
)
の
家名
(
かめい
)
をも
省
(
かへり
)
みず、
183
雇人
(
やとひにん
)
の
六助
(
ろくすけ
)
と
情交
(
じやうかう
)
を
通
(
つう
)
じ、
184
道徳
(
だうとく
)
を
紊
(
みだ
)
したあばずれ
女
(
をんな
)
だな』
185
鎌子
(
かまこ
)
『ホホホホ、
186
何
(
なん
)
とマアこれ
丈
(
だけ
)
開
(
ひら
)
けた
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
に、
187
古
(
ふる
)
い
頭
(
あたま
)
を
持
(
も
)
つてゐられますなア。
188
チツと
頭
(
あたま
)
のキルクを
抜
(
ぬ
)
いて、
189
新
(
あたら
)
しい
空気
(
くうき
)
を
注入
(
ちうにふ
)
なさいませ』
190
赤
(
あか
)
『コレヤ
怪
(
け
)
しからぬ、
191
豪胆
(
がうたん
)
不敵
(
ふてき
)
の
曲者
(
くせもの
)
奴
(
め
)
。
192
其
(
その
)
方
(
はう
)
は
夫
(
をつと
)
のある
身
(
み
)
を
以
(
もつ
)
て
不義
(
ふぎ
)
の
快楽
(
けらく
)
に
耽
(
ふけ
)
り、
193
家庭
(
かてい
)
を
紊
(
みだ
)
し、
194
上流
(
じやうりう
)
社会
(
しやくわい
)
の
名誉
(
めいよ
)
を
傷
(
きずつ
)
けた
大罪人
(
だいざいにん
)
だ』
195
鎌子
(
かまこ
)
『ヘーエ、
196
私
(
わたし
)
が
六
(
ろく
)
さまと
密通
(
みつつう
)
したのが、
197
それ
程
(
ほど
)
罪
(
つみ
)
になりますか。
198
今日
(
こんにち
)
の
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
を
御覧
(
ごらん
)
なさい。
199
すべて
貴婦人
(
きふじん
)
といふ
者
(
もの
)
は
役者
(
やくしや
)
を
買
(
か
)
ひ、
200
或
(
あるひ
)
は
情夫
(
じやうふ
)
を
拵
(
こしら
)
へる
為
(
ため
)
に
夜会
(
やくわい
)
といふものが
出来
(
でき
)
て
居
(
ゐ
)
るのです。
201
女
(
をんな
)
は
交際界
(
かうさいかい
)
の
花
(
はな
)
ですから、
202
花
(
はな
)
にはキツと
蝶
(
てふ
)
がとまつて
来
(
く
)
るものです。
203
今日
(
こんにち
)
の
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
に
情夫
(
じやうふ
)
の
一人
(
ひとり
)
も
能
(
よ
)
う
持
(
も
)
たない
様
(
やう
)
な
女
(
をんな
)
だつたら、
204
決
(
けつ
)
して
貴婦人
(
きふじん
)
とは
云
(
い
)
へませぬよ。
205
活眼
(
くわつがん
)
を
開
(
ひら
)
いて
社会
(
しやくわい
)
の
裏面
(
りめん
)
を
能
(
よ
)
く
観察
(
くわんさつ
)
して
御覧
(
ごらん
)
なさい。
206
私
(
わたし
)
の
如
(
ごと
)
きは
恒河
(
こうが
)
の
砂
(
すな
)
の
僅
(
わづか
)
な
其
(
その
)
一粒
(
いちりう
)
が
現
(
あら
)
はれた
位
(
くらゐ
)
なものです。
207
こんな
事
(
こと
)
が
罪
(
つみ
)
になるのならば、
208
今日
(
こんにち
)
の
社会
(
しやくわい
)
は
全部
(
ぜんぶ
)
罪
(
つみ
)
の
社会
(
しやくわい
)
ですよ。
209
男本位
(
をとこほんゐ
)
の
圧制
(
あつせい
)
的
(
てき
)
社会
(
しやくわい
)
の
制度
(
せいど
)
を
根本
(
こんぽん
)
改革
(
かいかく
)
し、
210
痛
(
いた
)
ましい
虐
(
しひた
)
げられた
女
(
をんな
)
の
社会
(
しやくわい
)
を
造
(
つく
)
る
為
(
ため
)
の
犠牲
(
ぎせい
)
に、
211
私
(
わたし
)
は
現
(
あらは
)
れて
来
(
き
)
たものです。
212
日々
(
にちにち
)
の
新聞紙
(
しんぶんし
)
を
御覧
(
ごらん
)
なさい。
213
大抵
(
たいてい
)
三件
(
さんけん
)
か
五件
(
ごけん
)
、
214
多
(
おほ
)
い
時
(
とき
)
には
十件
(
じつけん
)
許
(
ばか
)
りも
密通
(
みつつう
)
沙汰
(
ざた
)
や
情死
(
じやうし
)
沙汰
(
ざた
)
を
報道
(
ほうだう
)
してゐるぢやありませぬか。
215
新聞紙
(
しんぶんし
)
上
(
じやう
)
に
現
(
あら
)
はれる
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
の
出来事
(
できごと
)
と
云
(
い
)
ふものはホンの
其
(
その
)
中
(
うち
)
の
一
(
いち
)
小部分
(
せうぶぶん
)
に
限
(
かぎ
)
られてるのです。
216
それから
考
(
かんが
)
へてみましても、
217
新聞紙
(
しんぶんし
)
上
(
じやう
)
に
現
(
あらは
)
れてゐない
悲哀
(
ひあい
)
なる
姦通
(
かんつう
)
事件
(
じけん
)
や
情死
(
じやうし
)
沙汰
(
ざた
)
は
幾
(
いく
)
ら
行
(
おこな
)
はれつつあるか
知
(
し
)
れますまい。
218
なぜ
斯
(
か
)
うした
痛
(
いた
)
ましい
事件
(
じけん
)
が
頻々
(
ひんぴん
)
と
起
(
おこ
)
るのであらうか。
219
此
(
この
)
問題
(
もんだい
)
に
対
(
たい
)
して
何人
(
なにびと
)
が
責任
(
せきにん
)
を
負
(
お
)
はねばならぬか、
220
もし
責任
(
せきにん
)
を
負
(
お
)
はねばならぬとすれば、
221
それは
男
(
をとこ
)
でせうか
女
(
をんな
)
でせうか。
222
言
(
い
)
ふ
迄
(
まで
)
もなく、
223
社会
(
しやくわい
)
全般
(
ぜんぱん
)
が
責任者
(
せきにんしや
)
でなければなりますまい』
224
赤
(
あか
)
『さうすると、
225
お
前
(
まへ
)
の
今度
(
こんど
)
の
不始末
(
ふしだら
)
事件
(
じけん
)
も、
226
社会
(
しやくわい
)
が
負
(
お
)
はねばならぬといふのか。
227
チツと
勝手
(
かつて
)
な
理窟
(
りくつ
)
ぢやないか』
228
鎌子
(
かまこ
)
『さうですとも、
229
よく
考
(
かんが
)
へて
御覧
(
ごらん
)
なさいませ。
230
現在
(
げんざい
)
の
社会
(
しやくわい
)
組織
(
そしき
)
といふものは、
231
すべてが
貴族
(
きぞく
)
本位
(
ほんゐ
)
、
232
資産家
(
しさんか
)
本位
(
ほんゐ
)
は
申
(
まを
)
すに
及
(
およ
)
ばず、
233
男子
(
だんし
)
本位
(
ほんゐ
)
で
強
(
つよ
)
い
者勝
(
ものがち
)
で
厶
(
ござ
)
いませう。
234
特
(
とく
)
に
男女
(
だんぢよ
)
の
関係
(
くわんけい
)
に
付
(
つ
)
いては、
235
今日
(
こんにち
)
の
制度
(
せいど
)
は
何
(
なに
)
もかも
男
(
をとこ
)
に
取
(
と
)
つては
有利
(
いうり
)
な
事柄
(
ことがら
)
計
(
ばか
)
りです。
236
そして
女
(
をんな
)
に
対
(
たい
)
しては
何
(
なん
)
等
(
ら
)
の
特権
(
とくけん
)
も
与
(
あた
)
へられて
居
(
を
)
りませぬ。
237
実
(
じつ
)
に
不公平
(
ふこうへい
)
至極
(
しごく
)
な
社会
(
しやくわい
)
制度
(
せいど
)
で、
238
女
(
をんな
)
に
取
(
と
)
つて
之
(
これ
)
程
(
ほど
)
不利益
(
ふりえき
)
な
悲惨
(
ひさん
)
な
事
(
こと
)
はありませぬ。
239
なぜ
斯
(
か
)
うした
不公平
(
ふこうへい
)
を、
240
男
(
をとこ
)
と
女
(
をんな
)
の
間
(
あひだ
)
に
設
(
まう
)
けておかねばならないのか、
241
其
(
その
)
理由
(
りいう
)
を
知
(
し
)
るに
私
(
わたし
)
達
(
たち
)
は
苦
(
くるし
)
む
者
(
もの
)
です。
242
ですから
一度
(
いちど
)
夫婦間
(
ふうふかん
)
に
或
(
ある
)
事情
(
じじやう
)
から
離婚
(
りこん
)
問題
(
もんだい
)
が
持上
(
もちあが
)
つたが
最後
(
さいご
)
、
243
何時
(
いつ
)
も
男
(
をとこ
)
は
有利
(
いうり
)
の
位地
(
ゐち
)
に
立
(
た
)
ち、
244
女
(
をんな
)
は
其
(
その
)
反対
(
はんたい
)
の
立場
(
たちば
)
におかれて、
245
泣寝入
(
なきねいり
)
の
体
(
てい
)
ですよ。
246
女
(
をんな
)
は
自分
(
じぶん
)
に
正当
(
せいたう
)
の
理
(
り
)
があつても、
247
男
(
をとこ
)
の
立場
(
たちば
)
になつて、
248
而
(
しか
)
も
男
(
をとこ
)
にのみ
有利
(
いうり
)
に
定
(
き
)
められた
現代
(
げんだい
)
の
法律
(
はふりつ
)
では、
249
少
(
すこ
)
しも
女
(
をんな
)
の
正当
(
せいたう
)
な
申
(
まを
)
し
出
(
い
)
でを
聞入
(
ききい
)
れてくれませぬ。
250
どこ
迄
(
まで
)
も
女
(
をんな
)
は
男
(
をとこ
)
に
従属
(
じゆうぞく
)
したものだといふ
観念
(
くわんねん
)
の
下
(
もと
)
に、
251
かうした
問題
(
もんだい
)
に
対
(
たい
)
しても、
252
男
(
をとこ
)
の
方
(
はう
)
を
上
(
うへ
)
にして
断定
(
だんてい
)
を
下
(
くだ
)
す
事
(
こと
)
になつてますが、
253
果
(
はた
)
して
之
(
これ
)
が
正
(
ただ
)
しいと
云
(
い
)
はれませうか。
254
道徳
(
だうとく
)
でも
法律
(
はふりつ
)
でも、
255
男女
(
だんぢよ
)
平等
(
びやうどう
)
に
行
(
おこな
)
はなければならないと、
256
吾々
(
われわれ
)
女性
(
ぢよせい
)
は
絶叫
(
ぜつけう
)
してゐるのです。
257
女
(
をんな
)
の
立場
(
たちば
)
からすれば、
258
どうしてもさう
叫
(
さけ
)
ばずには
居
(
ゐ
)
られないでせう。
259
併
(
しか
)
し
元々
(
もともと
)
男
(
をとこ
)
と
女
(
をんな
)
の
間
(
あひだ
)
に、
260
さうした
差別
(
さべつ
)
が
勝手
(
かつて
)
に
設
(
まう
)
けられたのですから、
261
云
(
い
)
はば
無理
(
むり
)
非道
(
ひだう
)
な
公平
(
こうへい
)
を
欠
(
か
)
いだものと
言
(
い
)
はねばなりませぬ。
262
だから
女
(
をんな
)
は
女
(
をんな
)
としての
権利
(
けんり
)
があります。
263
其
(
その
)
権利
(
けんり
)
を
女
(
をんな
)
の
方
(
はう
)
から、
264
そんなに
遠慮
(
ゑんりよ
)
したり、
265
自分
(
じぶん
)
自
(
みづか
)
らを
卑下
(
ひげ
)
したりするには
当
(
あた
)
らないと
思
(
おも
)
ひます。
266
どこ
迄
(
まで
)
も
一個
(
いつこ
)
の
人間
(
にんげん
)
として、
267
男
(
をとこ
)
と
同等
(
どうとう
)
の
考
(
かんが
)
へで
押
(
お
)
し
進
(
すす
)
んでゆけば、
268
それで
可
(
い
)
い
事
(
こと
)
ぢやありませぬか。
269
そこに
女
(
をんな
)
としての
生命
(
せいめい
)
があり、
270
自由
(
じいう
)
があり、
271
幸福
(
かうふく
)
があるので、
272
それこそ
女
(
をんな
)
としての
本来
(
ほんらい
)
の
持
(
も
)
つ
可
(
べ
)
きものなのです。
273
男女
(
だんぢよ
)
関係
(
くわんけい
)
計
(
ばか
)
りでなく、
274
今日
(
こんにち
)
の
制度
(
せいど
)
は
弱肉
(
じやくにく
)
強食
(
きやうしよく
)
、
275
優勝
(
いうしよう
)
劣敗
(
れつぱい
)
の
悪制度
(
あくせいど
)
が
行
(
おこな
)
はれて
居
(
を
)
りますから、
276
吾々
(
われわれ
)
はカウントの
家
(
いへ
)
に
生
(
うま
)
れたのを
幸
(
さいは
)
ひ、
277
誤
(
あやま
)
れる
古
(
ふる
)
き
道徳
(
だうとく
)
や
形式
(
けいしき
)
を
打破
(
だは
)
して、
278
新
(
あたら
)
しい
社会
(
しやくわい
)
の
光明
(
くわうみやう
)
となる
考
(
かんが
)
へで、
279
女一人
(
をんないちにん
)
としての
本能
(
ほんのう
)
を
発揮
(
はつき
)
した
計
(
ばか
)
りです』
280
赤
(
あか
)
『どうも
挨拶
(
あいさつ
)
の
仕方
(
しかた
)
がない、
281
併
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら
左様
(
さやう
)
な
考
(
かんが
)
へでは
社会
(
しやくわい
)
の
秩序
(
ちつじよ
)
が
紊
(
みだ
)
れるから、
282
ヤツパリ
男尊
(
だんそん
)
女卑
(
ぢよひ
)
の
法則
(
はふそく
)
を
守
(
まも
)
らねばなりませぬぞ。
283
何程
(
なにほど
)
男女
(
だんぢよ
)
同権
(
どうけん
)
だと
云
(
い
)
つても、
284
夫婦
(
ふうふ
)
となつて
家庭
(
かてい
)
を
作
(
つく
)
る
上
(
うへ
)
は、
285
夫唱
(
ふしやう
)
婦従
(
ふじゆう
)
の
法則
(
はふそく
)
に
従
(
したが
)
ひ、
286
茲
(
ここ
)
に
始
(
はじ
)
めて
男尊
(
だんそん
)
女卑
(
ぢよひ
)
、
287
所謂
(
いはゆる
)
夫婦
(
ふうふ
)
不同権
(
ふどうけん
)
の
域
(
ゐき
)
に
入
(
い
)
るのだ。
288
不都合
(
ふつがふ
)
千万
(
せんばん
)
な
夫
(
をつと
)
の
目
(
め
)
を
盗
(
ぬす
)
み、
289
雇人
(
やとひにん
)
と
姦通
(
かんつう
)
をしておき
乍
(
なが
)
ら、
290
社会
(
しやくわい
)
の
目
(
め
)
を
醒
(
さ
)
ますの、
291
新社会
(
しんしやくわい
)
の
光明
(
くわうみやう
)
となるとは
怪
(
け
)
しからぬ
言
(
い
)
ひ
解
(
わ
)
けだ。
292
お
前
(
まへ
)
の
云
(
い
)
ふ
通
(
とほ
)
りに、
293
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
がなるのなれば、
294
第一
(
だいいち
)
家庭
(
かてい
)
が
紊
(
みだ
)
れ、
295
姦通
(
かんつう
)
は
白昼
(
はくちう
)
公然
(
こうぜん
)
と
行
(
おこな
)
はれ、
296
嫉妬
(
しつと
)
紛争
(
ふんさう
)
の
絶
(
た
)
え
間
(
ま
)
がなくなるではないか』
297
鎌子
(
かまこ
)
『
相愛
(
さうあい
)
の
男女
(
だんぢよ
)
が
夫婦
(
ふうふ
)
となつたのならば、
298
決
(
けつ
)
して
何程
(
なにほど
)
解放
(
かいはう
)
的
(
てき
)
にしておかうが、
299
法律
(
はふりつ
)
がなからうが
大丈夫
(
だいぢやうぶ
)
ですが、
300
今日
(
こんにち
)
の
如
(
ごと
)
き
圧迫
(
あつぱく
)
結婚
(
けつこん
)
、
301
財産
(
ざいさん
)
結婚
(
けつこん
)
、
302
門閥
(
もんばつ
)
結婚
(
けつこん
)
、
303
本人
(
ほんにん
)
以外
(
いぐわい
)
の
者
(
もの
)
の
定
(
さだ
)
めた
結婚
(
けつこん
)
には、
304
真
(
しん
)
に
夫婦
(
ふうふ
)
としての
互
(
たがひ
)
の
貞操
(
ていさう
)
を
保持
(
ほぢ
)
する
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
ぬぢやありませぬか。
305
愛
(
あい
)
のない
結婚
(
けつこん
)
を
強
(
しひ
)
るが
為
(
ため
)
に、
306
遂
(
つひ
)
に
抑
(
おさ
)
へ
切
(
き
)
れなくなつて、
307
かやうな
問題
(
もんだい
)
が
起
(
おこ
)
るのですよ。
308
それだから
此
(
この
)
責任
(
せきにん
)
を
社会
(
しやくわい
)
が
負
(
お
)
はねばならないと、
309
私
(
わたし
)
は
主張
(
しゆちやう
)
致
(
いた
)
します』
310
赤
(
あか
)
『
併
(
しか
)
しお
前
(
まへ
)
はまだ、
311
生命
(
せいめい
)
が
現界
(
げんかい
)
に
残
(
のこ
)
つてるから、
312
今日
(
こんにち
)
は
余
(
あま
)
り
追及
(
つゐきふ
)
する
事
(
こと
)
は
避
(
さ
)
けておかう。
313
併
(
しか
)
し
現界
(
げんかい
)
へ
帰
(
かへ
)
つたら、
314
能
(
よ
)
く
胸
(
むね
)
に
手
(
て
)
を
当
(
あ
)
てて、
315
自分
(
じぶん
)
の
誤
(
あやま
)
れる
思想
(
しさう
)
を
考索
(
かうさく
)
し、
316
今
(
いま
)
の
夫
(
をつと
)
に
貞節
(
ていせつ
)
を
尽
(
つく
)
さねばなりませぬぞ。
317
妻
(
つま
)
の
方
(
はう
)
から
真心
(
まごころ
)
を
以
(
もつ
)
て
向
(
むか
)
へば、
318
夫
(
をつと
)
は
必
(
かなら
)
ず
妻
(
つま
)
を
親愛
(
しんあい
)
する
者
(
もの
)
だ』
319
鎌子
(
かまこ
)
『
私
(
わたし
)
の
夫
(
をつと
)
はどれ
丈
(
だけ
)
辛
(
つら
)
く
当
(
あた
)
つても、
320
気
(
き
)
の
好
(
よ
)
いノロ
作
(
さく
)
だから、
321
うるさい
程
(
ほど
)
親愛
(
しんあい
)
しようとします、
322
それが
私
(
わたし
)
は
厭
(
いや
)
なんですよ。
323
よう
考
(
かんが
)
へて
御覧
(
ごらん
)
なさい、
324
恋人
(
こひびと
)
と
心中
(
しんぢう
)
をせむとして
死
(
しに
)
そこねた
其
(
その
)
女房
(
にようばう
)
を、
325
一言
(
ひとこと
)
も
立腹
(
りつぷく
)
せず、
326
世間
(
せけん
)
の
恥
(
はぢ
)
も
考
(
かんが
)
へず、
327
下僕
(
しもべ
)
の
如
(
ごと
)
き
態度
(
たいど
)
を
以
(
もつ
)
て
病院
(
びやうゐん
)
で
介抱
(
かいほう
)
するのですもの、
328
其
(
その
)
ノロさ
加減
(
かげん
)
と
云
(
い
)
つたら、
329
私
(
わたし
)
は
益々
(
ますます
)
愛想
(
あいさう
)
が
尽
(
つ
)
きました。
330
どうしてもチツと
許
(
ばか
)
りは
苦味
(
にがみ
)
の
走
(
はし
)
つたヒリリとした
所
(
ところ
)
がなければ、
331
女
(
をんな
)
は
決
(
けつ
)
して
男
(
をとこ
)
に
愛
(
あい
)
を
注
(
そそ
)
ぐ
者
(
もの
)
ぢやありませぬ。
332
甘酒
(
あまざけ
)
だつて、
333
ヤツパリ
椒
(
はじかみ
)
をすつて
入
(
い
)
れたり、
334
或
(
あるひ
)
は
山葵
(
わさび
)
などの
辛味
(
からみ
)
を
調和
(
てうわ
)
せなくちや、
335
本当
(
ほんたう
)
の
甘酒
(
あまざけ
)
の
味
(
あぢ
)
がありますまい。
336
甘
(
あま
)
い
計
(
ばか
)
りで
辛味
(
からみ
)
の
入
(
はい
)
つてゐない
甘酒
(
あまざけ
)
は
一口
(
ひとくち
)
は
宜
(
よろ
)
しいが、
337
三口
(
みくち
)
四口
(
よくち
)
呑
(
の
)
みますと、
338
ヘドになつて
出
(
で
)
ますからね。
339
エエエエ、
340
あの
難
(
むつか
)
しい
顔
(
かほ
)
わいの、
341
丁度
(
ちやうど
)
私
(
わたし
)
の
父
(
ちち
)
のやうなお
方
(
かた
)
ですなア。
342
仰有
(
おつしや
)
る
事
(
こと
)
も
能
(
よ
)
う
似
(
に
)
てゐますワ。
343
其
(
その
)
癖
(
くせ
)
蔭
(
かげ
)
では
六助
(
ろくすけ
)
さま
以上
(
いじやう
)
の
事
(
こと
)
をやつてるでせう。
344
私
(
わたし
)
の
父
(
ちち
)
だつてさうですもの、
345
ホホホホホ』
346
赤
(
あか
)
は
采配
(
さいはい
)
を
以
(
もつ
)
て、
347
赤の守衛
『
馬鹿
(
ばか
)
ツ』と
一喝
(
いつかつ
)
、
348
鎌子
(
かまこ
)
の
頭部
(
とうぶ
)
を
目
(
め
)
がけて
打下
(
うちお
)
ろす
途端
(
とたん
)
に、
349
鎌子
(
かまこ
)
の
精霊
(
せいれい
)
はパツと
消
(
き
)
えて
元
(
もと
)
の
肉体
(
にくたい
)
へ
復
(
かへ
)
つた。
350
(
大正一二・二・二三
旧一・八
於竜宮館
松村真澄
録)
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