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第66巻(巳の巻)
第67巻(午の巻)
第68巻(未の巻)
第69巻(申の巻)
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第71巻(戌の巻)
第72巻(亥の巻)
特別編 入蒙記
天祥地瑞
第73巻(子の巻)
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第75巻(寅の巻)
第76巻(卯の巻)
第77巻(辰の巻)
第78巻(巳の巻)
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第54巻(巳の巻)
序文
総説
第1篇 神授の継嗣
01 子宝
〔1387〕
02 日出前
〔1388〕
03 懸引
〔1389〕
04 理妻
〔1390〕
05 万違
〔1391〕
06 執念
〔1392〕
第2篇 恋愛無涯
07 婚談
〔1393〕
08 祝莚
〔1394〕
09 花祝
〔1395〕
10 万亀柱
〔1396〕
第3篇 猪倉城寨
11 道晴別
〔1397〕
12 妖瞑酒
〔1398〕
13 岩情
〔1399〕
14 暗窟
〔1400〕
第4篇 関所の玉石
15 愚恋
〔1401〕
16 百円
〔1402〕
17 火救団
〔1403〕
第5篇 神光増進
18 真信
〔1404〕
19 流調
〔1405〕
20 建替
〔1406〕
21 鼻向
〔1407〕
22 凱旋
〔1408〕
附録 神文
余白歌
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第二一章
鼻向
(
はなむけ
)
〔一四〇七〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第54巻 真善美愛 巳の巻
篇:
第5篇 神光増進
よみ(新仮名遣い):
しんこうぞうしん
章:
第21章 鼻向
よみ(新仮名遣い):
はなむけ
通し章番号:
1407
口述日:
1923(大正12)年02月23日(旧01月8日)
口述場所:
竜宮館
筆録者:
北村隆光
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1925(大正14)年3月26日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
治国別一行は、刹帝利の催した直会に臨み、盛大な酒宴に一夜を明かした。
あくる朝未明のうちに、刹帝利をはじめ一同はビクトル山の神殿に初詣をした。竜彦はたちまち神懸りになって天教山の木花姫命の霊を宿し、ビク国はすでに安泰となったこと、バラモン軍にとらわれた庄屋の娘の救出に向かった晴公が危難に陥っていることを伝えた。
治国別は刹帝利に、神勅のとおり舎弟を救出に向かうために暇乞いをした。刹帝利は馬の用意を申し出た。出立にあたって刹帝利は別れの盃に涙を流し見送りの歌を歌った。ビク国の重臣たちもそれぞれ名残を惜しみ、治国別一行も返歌を返し、名残を惜しんだ。
治国別一行は代わる代わる宣伝歌や進行歌を歌いながら、玉木の里のテームス館に着いた。治国別は万公の軽口を戒め、松彦がテームスの表門を叩いた。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
rm5421
愛善世界社版:
261頁
八幡書店版:
第9輯 713頁
修補版:
校定版:
267頁
普及版:
117頁
初版:
ページ備考:
001
治国別
(
はるくにわけ
)
一行
(
いつかう
)
は
刹帝利
(
せつていり
)
の
催
(
もよほ
)
したホーフスの
直会
(
なほらひ
)
の
会
(
くわい
)
に
臨
(
のぞ
)
み、
002
盛大
(
せいだい
)
なる
酒宴
(
しゆえん
)
を
終
(
をは
)
り
一夜
(
いちや
)
をここに
明
(
あ
)
かした。
003
朝未明
(
あさまだき
)
よりビクトル
山
(
さん
)
の
神殿
(
しんでん
)
に
王
(
わう
)
を
始
(
はじ
)
め
一同
(
いちどう
)
は
初詣
(
はつまゐり
)
をした。
004
竜彦
(
たつひこ
)
は
忽
(
たちま
)
ち
神懸
(
かむがかり
)
となつて
云
(
い
)
ふ。
005
竜彦
(
たつひこ
)
『
吾
(
われ
)
は
天教山
(
てんけうざん
)
の
木花姫
(
このはなひめの
)
命
(
みこと
)
である。
006
汝
(
なんぢ
)
治国別
(
はるくにわけ
)
、
007
最早
(
もはや
)
ビクの
国
(
くに
)
は
風塵
(
ふうぢん
)
治
(
をさ
)
まり
後顧
(
こうこ
)
の
憂
(
うれ
)
ひなければ、
008
一刻
(
いつこく
)
も
早
(
はや
)
く
西
(
にし
)
に
向
(
むか
)
つて
出立
(
しゆつたつ
)
せよ。
009
汝
(
なんぢ
)
が
徒弟
(
とてい
)
道晴別
(
みちはるわけ
)
は
玉木村
(
たまきむら
)
の
里庄
(
りしやう
)
テームスの
娘
(
むすめ
)
スミエル、
010
スガールの
両人
(
りやうにん
)
が、
011
バラモン
軍
(
ぐん
)
のゼネラル、
012
鬼春別
(
おにはるわけ
)
、
013
久米彦
(
くめひこ
)
一派
(
いつぱ
)
に
奪
(
うば
)
はれたるを
救
(
すく
)
はむとして、
014
却
(
かへつ
)
て、
015
岩窟内
(
がんくつない
)
の
深
(
ふか
)
き
穴
(
あな
)
に
墜
(
おと
)
し
入
(
い
)
れられむとして
居
(
ゐ
)
るから、
016
一時
(
いちぢ
)
も
早
(
はや
)
く
猪倉山
(
ゐのくらやま
)
に
立向
(
たちむか
)
ふべし。
017
時
(
とき
)
遅
(
おく
)
れては
一大事
(
いちだいじ
)
、
018
松彦
(
まつひこ
)
、
019
竜彦
(
たつひこ
)
、
020
万公
(
まんこう
)
も
共
(
とも
)
に
救援
(
きうゑん
)
に
向
(
むか
)
ふべし』
021
と
宣
(
の
)
らせ
給
(
たま
)
ひ
神上
(
かむあ
)
がり
玉
(
たま
)
うた。
022
治国別
(
はるくにわけ
)
は
此
(
この
)
神勅
(
しんちよく
)
を
聞
(
き
)
いて
吾
(
わが
)
徒弟
(
とてい
)
の
晴公
(
はるこう
)
が
道晴別
(
みちはるわけ
)
となり
憐
(
あは
)
れなる
女
(
をんな
)
を
救
(
すく
)
はむが
為
(
ため
)
に
敵
(
てき
)
の
術中
(
ぢゆつちう
)
に
陥
(
おちい
)
りたる
事
(
こと
)
を
覚
(
さと
)
り、
023
此
(
この
)
由
(
よし
)
を
刹帝利
(
せつていり
)
に
告
(
つ
)
げて
時
(
とき
)
を
移
(
うつ
)
さず
出立
(
しゆつたつ
)
する
事
(
こと
)
となつた。
024
治国
(
はるくに
)
『
只今
(
ただいま
)
お
聞
(
き
)
きの
通
(
とほ
)
り
神勅
(
しんちよく
)
が
下
(
さが
)
りましたから、
025
長
(
なが
)
らくお
世話
(
せわ
)
に
預
(
あづ
)
かりましたが、
026
之
(
これ
)
でお
暇
(
いとま
)
を
致
(
いた
)
します』
027
刹帝
(
せつてい
)
『
長
(
なが
)
らくお
世話
(
せわ
)
に
預
(
あづ
)
かりましてお
礼
(
れい
)
の
申上
(
まをしあげ
)
様
(
やう
)
も
厶
(
ござ
)
いませぬ。
028
併
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら
此
(
この
)
儘
(
まま
)
お
別
(
わか
)
れ
申
(
まを
)
すのは
実
(
じつ
)
に
本意
(
ほい
)
無
(
な
)
う
厶
(
ござ
)
りますれば、
029
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
一度
(
いちど
)
ホーフスにお
帰
(
かへ
)
りの
上
(
うへ
)
、
030
袂別
(
べいべつ
)
の
盃
(
さかづき
)
を
取交
(
とりかは
)
し
度
(
た
)
う
厶
(
ござ
)
ります。
031
あまり
廻
(
まは
)
り
道
(
みち
)
でもありませぬからお
寄
(
よ
)
り
下
(
くだ
)
さい。
032
又
(
また
)
お
急
(
いそ
)
ぎとならば
馬
(
うま
)
の
用意
(
ようい
)
も
致
(
いた
)
さねばなりませぬから』
033
治国
(
はるくに
)
『
然
(
しか
)
らば
折角
(
せつかく
)
の
思召
(
おぼしめし
)
、
034
此
(
この
)
まま
徒歩
(
とほ
)
で
急
(
いそ
)
ぐよりもお
馬
(
うま
)
を
拝借
(
はいしやく
)
すれば
非常
(
ひじやう
)
に
便利
(
べんり
)
が
宜
(
よろ
)
しう
厶
(
ござ
)
います。
035
然
(
しか
)
らば
今
(
いま
)
一応
(
いちおう
)
お
世話
(
せわ
)
になりませう』
036
と
一行
(
いつかう
)
四
(
よ
)
人
(
にん
)
は
刹帝利
(
せつていり
)
以下
(
いか
)
の
役員
(
やくゐん
)
と
共
(
とも
)
に
急
(
いそ
)
ぎホーフスに
帰
(
かへ
)
つた。
037
左守司
(
さもりのかみ
)
は
部下
(
ぶか
)
に
命
(
めい
)
じ
名馬
(
めいば
)
を
四頭
(
しとう
)
選
(
え
)
り
出
(
だ
)
して、
038
一行
(
いつかう
)
が
出立
(
しゆつたつ
)
の
用意
(
ようい
)
を
急
(
いそ
)
いでゐる。
039
刹帝利
(
せつていり
)
は
別
(
わか
)
れを
惜
(
をし
)
み
涙
(
なみだ
)
を
流
(
なが
)
し
乍
(
なが
)
ら、
040
自
(
みづか
)
ら
盃
(
さかづき
)
をとつて
治国別
(
はるくにわけ
)
に
渡
(
わた
)
し、
041
酒
(
さけ
)
をなみなみと
酌
(
つ
)
いで
袂別
(
べいべつ
)
の
式
(
しき
)
を
挙
(
あ
)
げた。
042
刹帝利
(
せつていり
)
『
何時
(
いつ
)
迄
(
まで
)
も
君
(
きみ
)
の
御影
(
みかげ
)
を
拝
(
をが
)
まむと
043
思
(
おも
)
ひし
事
(
こと
)
の
水泡
(
みなわ
)
となりぬる。
044
さりながら
君
(
きみ
)
の
残
(
のこ
)
せし
勲功
(
いさをし
)
は
045
万代
(
よろづよ
)
迄
(
まで
)
も
朽
(
く
)
つる
事
(
こと
)
なし。
046
かねてより
斯
(
か
)
くある
事
(
こと
)
と
知
(
し
)
り
乍
(
なが
)
ら
047
今更
(
いまさら
)
の
如
(
ごと
)
悲
(
かな
)
しかりけり』
048
治国別
(
はるくにわけ
)
『
七十路
(
ななそじ
)
を
越
(
こ
)
えさせ
玉
(
たま
)
ふ
身
(
み
)
なれども
049
健
(
まめ
)
やかに
在
(
ま
)
す
御姿
(
みすがた
)
ぞ
嬉
(
うれ
)
しき。
050
村肝
(
むらきも
)
の
心
(
こころ
)
を
後
(
あと
)
に
残
(
のこ
)
しつつ
051
進
(
すす
)
みて
行
(
ゆ
)
かむ
神
(
かみ
)
の
大道
(
おほぢ
)
に。
052
ヒルナ
姫
(
ひめ
)
治国別
(
はるくにわけ
)
は
只今
(
ただいま
)
ゆ
053
君
(
きみ
)
に
別
(
わか
)
れて
旅
(
たび
)
に
出
(
い
)
でむとす。
054
願
(
ねが
)
はくば
国王
(
こきし
)
の
君
(
きみ
)
を
朝夕
(
あさゆふ
)
に
055
心
(
こころ
)
配
(
くば
)
らせ
守
(
まも
)
らせ
玉
(
たま
)
へ』
056
ヒルナ
姫
(
ひめ
)
『なつかしき
治国別
(
はるくにわけ
)
の
神司
(
かむつかさ
)
057
別
(
わか
)
れむとして
涙
(
なみだ
)
こぼるる。
058
吾
(
わが
)
君
(
きみ
)
の
身
(
み
)
に
附
(
つ
)
き
添
(
そ
)
ひて
朝夕
(
あさゆふ
)
に
059
守
(
まも
)
り
守
(
まも
)
らむ
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐ
)
みに。
060
治国
(
はるくに
)
の
別
(
わけ
)
の
司
(
つかさ
)
よ
松彦
(
まつひこ
)
よ
061
竜彦
(
たつひこ
)
万公
(
まんこう
)
健
(
まめ
)
やかに
在
(
ま
)
せ』
062
松彦
(
まつひこ
)
『
千代
(
ちよ
)
八千代
(
やちよ
)
動
(
うご
)
かぬビクの
国柱
(
くにばしら
)
063
立
(
た
)
てさせ
玉
(
たま
)
へ
神
(
かみ
)
を
祈
(
いの
)
りて。
064
いざさらば
吾
(
わが
)
師
(
し
)
の
君
(
きみ
)
と
諸共
(
もろとも
)
に
065
駒
(
こま
)
に
鞭
(
むちう
)
ち
別
(
わか
)
れ
行
(
ゆ
)
かなむ』
066
タルマン『
天地
(
あめつち
)
の
神
(
かみ
)
の
力
(
ちから
)
を
身
(
み
)
に
受
(
う
)
けて
067
進
(
すす
)
ませ
玉
(
たま
)
へ
月
(
つき
)
の
御国
(
みくに
)
へ。
068
治国
(
はるくに
)
の
別
(
わけ
)
の
命
(
みこと
)
は
神
(
かみ
)
にませば
069
如何
(
いか
)
なる
曲
(
まが
)
もさやらざるらむ。
070
吾
(
わが
)
君
(
きみ
)
は
云
(
い
)
ふも
更
(
さら
)
なり
此
(
この
)
国
(
くに
)
の
071
司
(
つかさ
)
や
民
(
たみ
)
は
如何
(
いか
)
に
嘆
(
なげ
)
かむ。
072
さり
乍
(
なが
)
ら
心
(
こころ
)
安
(
やす
)
けく
思召
(
おぼしめ
)
せ
073
君
(
わが
)
師
(
し
)
の
教
(
をしへ
)
厚
(
あつ
)
く
守
(
まも
)
れば』
074
治国別
(
はるくにわけ
)
『
有難
(
ありがた
)
し
別
(
わか
)
れに
臨
(
のぞ
)
み
一言
(
ひとこと
)
の
075
言
(
こと
)
の
葉
(
は
)
さへも
出
(
い
)
でぬ
悲
(
かな
)
しさ。
076
さり
乍
(
なが
)
ら
神
(
かみ
)
の
賜
(
たま
)
ひし
魂
(
たましひ
)
は
077
これの
御国
(
みくに
)
にとどまりて
守
(
まも
)
る』
078
左守
(
さもり
)
『
治国
(
はるくに
)
の
別
(
わけ
)
の
命
(
みこと
)
よ
心
(
こころ
)
して
079
進
(
すす
)
ませ
玉
(
たま
)
へ
醜野
(
しこの
)
ケ
原
(
はら
)
を。
080
バラモンの
又
(
また
)
もや
醜
(
しこ
)
の
軍人
(
いくさびと
)
081
払
(
はら
)
はむとして
出
(
い
)
でます
君
(
きみ
)
よ。
082
健気
(
けなげ
)
なる
教
(
をしへ
)
の
司
(
つかさ
)
の
首途
(
いでたち
)
を
083
見送
(
みおく
)
る
吾
(
われ
)
ぞ
涙
(
なみだ
)
こぼるる』
084
治国別
(
はるくにわけ
)
『
大神
(
おほかみ
)
の
厚
(
あつ
)
き
恵
(
めぐ
)
みに
抱
(
いだ
)
かれて
085
進
(
すす
)
みて
行
(
ゆ
)
かむ
心
(
こころ
)
安
(
やす
)
かれ』
086
右守
(
うもり
)
『
常暗
(
とこやみ
)
の
世
(
よ
)
を
照
(
て
)
らします
神司
(
かむつかさ
)
087
今
(
いま
)
は
果敢
(
あへ
)
なく
別
(
わか
)
れむとする。
088
今
(
いま
)
暫
(
しば
)
し
輿
(
ひつぎ
)
を
止
(
とど
)
め
玉
(
たま
)
へかしと
089
頼
(
たの
)
む
甲斐
(
かひ
)
なき
今日
(
けふ
)
の
首途
(
いでまし
)
。
090
君
(
きみ
)
往
(
ゆ
)
かばこれのホーフスは
忽
(
たちま
)
ちに
091
火
(
ひ
)
の
消
(
き
)
えしごと
淋
(
さび
)
しくならむ』
092
治国別
(
はるくにわけ
)
『
仮令
(
たとへ
)
吾
(
われ
)
ビクの
御国
(
みくに
)
を
去
(
さ
)
るとても
093
神
(
かみ
)
ましませば
淋
(
さび
)
しからまじ。
094
願
(
ねが
)
はくば
右守
(
うもり
)
の
司
(
かみ
)
よ
国王
(
こきし
)
の
君
(
きみ
)
に
095
誠心
(
まごころ
)
捧
(
ささ
)
げ
仕
(
つか
)
へ
玉
(
たま
)
はれ。
096
三五
(
あななひ
)
の
神
(
かみ
)
の
大道
(
おほぢ
)
を
夢
(
ゆめ
)
にだに
097
忘
(
わす
)
れ
玉
(
たま
)
ふな
夢
(
ゆめ
)
にも
現
(
うつつ
)
にも』
098
竜彦
(
たつひこ
)
『いざさらば
君
(
きみ
)
の
館
(
やかた
)
を
竜彦
(
たつひこ
)
も
099
神
(
かみ
)
のまにまに
別
(
わか
)
れ
行
(
ゆ
)
かなむ。
100
刹帝利
(
せつていり
)
百
(
もも
)
の
司
(
つかさ
)
の
人々
(
ひとびと
)
に
101
袂
(
たもと
)
を
分
(
わか
)
ち
行
(
ゆ
)
くぞ
悲
(
かな
)
しき。
102
さり
乍
(
なが
)
ら
道晴別
(
みちはるわけ
)
を
救
(
すく
)
はずば
103
神
(
かみ
)
の
司
(
つかさ
)
の
道
(
みち
)
が
立
(
た
)
たねば』
104
右守
(
うもり
)
『
竜彦
(
たつひこ
)
の
神
(
かみ
)
の
司
(
つかさ
)
の
御
(
おん
)
言葉
(
ことば
)
105
聞
(
き
)
くにつけても
勇
(
いさ
)
ましきかな』
106
万公
(
まんこう
)
『
万代
(
よろづよ
)
もいと
健
(
すこや
)
かにましませと
107
祈
(
いの
)
るは
誠心
(
まことごころ
)
なりけり』
108
ハルナ『
吾国
(
わがくに
)
の
艱難
(
なやみ
)
を
払
(
はら
)
ひ
吾
(
わが
)
君
(
きみ
)
を
109
助
(
たす
)
け
玉
(
たま
)
ひし
人
(
ひと
)
ぞ
尊
(
たふと
)
き。
110
万代
(
よろづよ
)
も
御側
(
みそば
)
に
仕
(
つか
)
へまつらむと
111
思
(
おも
)
ひし
甲斐
(
かひ
)
なく
別
(
わか
)
れむとぞする。
112
願
(
ねが
)
はくば
三五教
(
あななひけう
)
の
神司
(
かむつかさ
)
113
ビクの
御国
(
みくに
)
を
忘
(
わす
)
れ
玉
(
たま
)
ふな』
114
治国別
(
はるくにわけ
)
『いかにして
神
(
かみ
)
のまします
神国
(
かみくに
)
を
115
神
(
かみ
)
の
司
(
つかさ
)
の
忘
(
わす
)
れるべきかは』
116
カルナ
姫
(
ひめ
)
『
大神
(
おほかみ
)
の
恵
(
めぐ
)
みの
露
(
つゆ
)
に
霑
(
うるほ
)
ひし
117
人
(
ひと
)
の
悉
(
ことごと
)
さぞや
嘆
(
なげ
)
かむ。
118
吾
(
われ
)
も
亦
(
また
)
今日
(
けふ
)
の
別
(
わか
)
れを
何
(
なん
)
となく
119
涙
(
なみだ
)
ぐまれぬ
惜
(
をし
)
まれにける』
120
斯
(
か
)
く
互
(
たがひ
)
に
歌
(
うた
)
を
取
(
と
)
り
交
(
かは
)
し、
121
早
(
はや
)
くも
刹帝利
(
せつていり
)
より
賜
(
たま
)
はつた
駿馬
(
しゆんめ
)
に
跨
(
またが
)
り、
122
轡
(
くつわ
)
を
並
(
なら
)
べて
四
(
よ
)
人
(
にん
)
の
師弟
(
してい
)
は
別
(
わか
)
れを
告
(
つ
)
げ
鞭
(
むち
)
を
上
(
あ
)
げて
一目散
(
いちもくさん
)
に
大原野
(
だいげんや
)
を
駆
(
かけ
)
り
行
(
ゆ
)
く。
123
後
(
あと
)
見送
(
みおく
)
つて
一同
(
いちどう
)
は
両手
(
りやうて
)
を
合
(
あは
)
せ
感謝
(
かんしや
)
の
涙
(
なみだ
)
に
声
(
こゑ
)
を
曇
(
くも
)
らせてゐた。
124
治国別
(
はるくにわけ
)
の
一行
(
いつかう
)
は
125
神
(
かみ
)
の
御言
(
みこと
)
を
畏
(
かしこ
)
みて
126
ビクの
国王
(
こきし
)
や
司
(
つかさ
)
等
(
ら
)
に
127
暇
(
いとま
)
を
告
(
つ
)
げて
潔
(
いさぎよ
)
く
128
心
(
こころ
)
尽
(
つく
)
しの
駒
(
こま
)
に
乗
(
の
)
り
129
轡
(
くつわ
)
を
並
(
なら
)
べ
戞々
(
かつかつ
)
と
130
青葉
(
あをば
)
茂
(
しげ
)
れる
露
(
つゆ
)
の
道
(
みち
)
131
初夏
(
しよか
)
の
微風
(
びふう
)
に
面
(
おもて
)
をば
132
なめられ
乍
(
なが
)
ら
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く
133
瞬
(
またた
)
く
間
(
うち
)
に
五十
(
ごじふ
)
里
(
り
)
の
134
原野
(
げんや
)
を
踏
(
ふ
)
み
越
(
こ
)
え
猪倉
(
ゐのくら
)
の
135
魔神
(
まがみ
)
の
籠
(
こも
)
る
峰続
(
みねつづ
)
き
136
シメジ
峠
(
たうげ
)
の
麓
(
ふもと
)
まで
137
早
(
はや
)
くも
無事
(
ぶじ
)
に
着
(
つ
)
きにけり
138
ここに
四
(
よ
)
人
(
にん
)
は
蹄
(
ひづめ
)
をば
139
とどめて
大地
(
だいち
)
に
飛
(
と
)
び
下
(
お
)
りつ
140
馬首
(
ばしゆ
)
をば
東
(
ひがし
)
に
差向
(
さしむ
)
けて
141
一鞭
(
ひとむち
)
あつればさしもの
名馬
(
めいば
)
142
もと
来
(
き
)
し
道
(
みち
)
へ
引返
(
ひつかへ
)
し
143
名残
(
なごり
)
惜
(
をし
)
げに
嘶
(
いなな
)
きつ
144
一目散
(
いちもくさん
)
に
帰
(
かへ
)
り
行
(
ゆ
)
く
145
治国別
(
はるくにわけ
)
の
一行
(
いつかう
)
は
146
シメジ
峠
(
たうげ
)
の
急坂
(
きふはん
)
を
147
エンヤラヤツと
登
(
のぼ
)
りつめ
148
暫
(
しば
)
し
汗
(
あせ
)
をばいれ
乍
(
なが
)
ら
149
四方
(
よも
)
の
景色
(
けしき
)
を
打眺
(
うちなが
)
め
150
絵
(
ゑ
)
に
見
(
み
)
る
様
(
やう
)
な
風色
(
ふうしよく
)
に
151
旅
(
たび
)
の
疲
(
つか
)
れを
癒
(
い
)
やしけり
152
少時
(
しばらく
)
ありて
一行
(
いつかう
)
は
153
立板
(
たていた
)
なせる
坂道
(
さかみち
)
を
154
行進歌
(
かうしんか
)
をば
歌
(
うた
)
ひつつ
155
注意
(
ちうい
)
し
乍
(
なが
)
ら
降
(
くだ
)
り
行
(
ゆ
)
く。
156
万公
(
まんこう
)
は
先
(
さき
)
に
立
(
た
)
ち
一歩
(
ひとあし
)
々々
(
ひとあし
)
調子
(
てうし
)
をとつて
歌
(
うた
)
ひ
出
(
だ
)
した。
157
万公
(
まんこう
)
『バラモン
軍
(
ぐん
)
の
将軍
(
しやうぐん
)
と
158
威張
(
ゐば
)
り
散
(
ち
)
らした
両人
(
りやうにん
)
が
159
ビクの
国
(
くに
)
をば
退
(
やら
)
はれて
160
命
(
いのち
)
からがらドツコイシヨ
161
卑怯
(
ひけふ
)
未練
(
みれん
)
に
猪倉
(
ゐのくら
)
の
162
山
(
やま
)
に
漸
(
やうや
)
う
落延
(
おちの
)
びて
163
土竜
(
むぐら
)
の
様
(
やう
)
な
穴住
(
あなず
)
まひ
164
三千
(
さんぜん
)
余
(
よ
)
騎
(
き
)
を
引率
(
いんそつ
)
し
165
さも
強
(
つよ
)
さうに
構
(
かま
)
へゐる
166
その
権幕
(
けんまく
)
と
反対
(
はんたい
)
に
167
僅
(
わづ
)
か
四
(
よ
)
人
(
にん
)
の
神司
(
かむづかさ
)
168
打出
(
うちだ
)
す
厳
(
いづ
)
の
言霊
(
ことたま
)
に
169
恐
(
おそ
)
れて
逃
(
に
)
げ
出
(
だ
)
す
卑怯
(
ひけふ
)
さよ
170
いざ
之
(
これ
)
よりはフサの
国
(
くに
)
171
玉木
(
たまき
)
の
村
(
むら
)
に
立向
(
たちむか
)
ひ
172
始終
(
しじう
)
の
様子
(
やうす
)
を
探索
(
たんさく
)
し
173
吾
(
わが
)
師
(
し
)
の
君
(
きみ
)
に
従
(
したが
)
ひて
174
魔神
(
まがみ
)
の
住
(
す
)
まへる
岩窟
(
がんくつ
)
に
175
一大
(
いちだい
)
騒動
(
さうどう
)
起
(
おこ
)
すべく
176
進
(
すす
)
みて
行
(
ゆ
)
かむ
楽
(
たの
)
しさよ
177
ア、ウントコドツコイ
危
(
あぶ
)
ないぞ
178
松彦
(
まつひこ
)
さまよ、
竜彦
(
たつひこ
)
よ
179
貴方
(
あなた
)
は
足
(
あし
)
が
弱
(
よわ
)
い
故
(
ゆゑ
)
180
用心
(
ようじん
)
なさるが
宜
(
よろ
)
しかろ
181
これこれ
御覧
(
ごらん
)
この
坂
(
さか
)
は
182
一方
(
いつぱう
)
は
断岩
(
だんがん
)
屹立
(
きつりつ
)
し
183
一方
(
いつぱう
)
は
千尋
(
ちひろ
)
の
谷
(
たに
)
の
底
(
そこ
)
184
岩石
(
がんせき
)
起伏
(
きふく
)
の
間
(
あひだ
)
をば
185
飛沫
(
ひまつ
)
を
飛
(
と
)
ばす
水
(
みづ
)
の
音
(
おと
)
186
見
(
み
)
るさへ
胆
(
たん
)
が
寒
(
さむ
)
くなる
187
命
(
いのち
)
あつての
物種
(
ものだね
)
だ
188
必
(
かなら
)
ず
怪我
(
けが
)
の
無
(
な
)
い
様
(
やう
)
に
189
大神
(
おほかみ
)
様
(
さま
)
に
太祝詞
(
ふとのりと
)
190
唱
(
とな
)
へ
上
(
あ
)
げつつ
下
(
くだ
)
りませ
191
ア、ウントコドツコイドツコイシヨ
192
これ
程
(
ほど
)
難所
(
なんしよ
)
が
又
(
また
)
と
世
(
よ
)
に
193
如何
(
どう
)
してあらうか
親不知
(
おやしらず
)
194
子不知
(
こしらず
)
峠
(
たうげ
)
を
行
(
ゆ
)
く
様
(
やう
)
だ
195
命知
(
いのちし
)
らずの
宣伝使
(
せんでんし
)
196
とは
云
(
い
)
ふものの
肉体
(
にくたい
)
が
197
なくては
神業
(
しんげふ
)
勤
(
つと
)
まらぬ
198
人
(
ひと
)
の
体
(
からだ
)
は
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
199
御
(
ご
)
使用
(
しよう
)
遊
(
あそ
)
ばす
傀儡
(
からくり
)
だ
200
此
(
この
)
傀儡
(
からくり
)
を
何処
(
どこ
)
までも
201
立派
(
りつぱ
)
に
保護
(
ほご
)
し
奉
(
たてまつ
)
り
202
大黒主
(
おほくろぬし
)
が
三五
(
あななひ
)
の
203
教
(
をしへ
)
の
道
(
みち
)
に
服
(
まつろ
)
ひて
204
誠心
(
まことごころ
)
に
復
(
かへ
)
るまで
205
大必要
(
だいひつえう
)
の
此
(
この
)
体
(
からだ
)
206
守
(
まも
)
らせ
玉
(
たま
)
へ
惟神
(
かむながら
)
207
神
(
かみ
)
の
御前
(
みまへ
)
に
願
(
ね
)
ぎまつる
208
朝日
(
あさひ
)
は
照
(
て
)
るとも
曇
(
くも
)
るとも
209
月
(
つき
)
は
盈
(
み
)
つとも
虧
(
か
)
くるとも
210
仮令
(
たとへ
)
大地
(
だいち
)
は
沈
(
しづ
)
むとも
211
神
(
かみ
)
の
任
(
よさ
)
しの
使命
(
しめい
)
をば
212
果
(
はた
)
さにやおかぬ
益良夫
(
ますらを
)
の
213
赤
(
あか
)
き
心
(
こころ
)
を
臠
(
みそなは
)
し
214
猪倉山
(
ゐのくらやま
)
は
云
(
い
)
ふも
更
(
さら
)
215
黄金山
(
わうごんざん
)
や
大雲山
(
だいうんざん
)
216
寄
(
よ
)
り
来
(
く
)
る
曲津
(
まがつ
)
を
言向
(
ことむ
)
けて
217
太
(
ふと
)
しき
勲功
(
いさを
)
を
万代
(
よろづよ
)
に
218
立
(
た
)
てさせ
玉
(
たま
)
へ
惟神
(
かむながら
)
219
亀
(
かめ
)
の
齢
(
よはひ
)
の
万公
(
まんこう
)
が
220
真心
(
まごころ
)
こめて
願
(
ね
)
ぎまつる
221
ウントコドツコイ ドツコイシヨ
222
皆
(
みな
)
さま
気
(
き
)
をつけなさいませ
223
シメジ
峠
(
たうげ
)
で
第一
(
だいいち
)
の
224
ここが
難所
(
なんしよ
)
と
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
だ
225
足許
(
あしもと
)
大切
(
だいじ
)
に
頼
(
たの
)
みます
226
ア、ウントコドツコイ、アイタツタ
227
あんまり
歌
(
うた
)
に
気
(
き
)
をとられ
228
注意
(
ちうい
)
を
与
(
あた
)
へた
万公
(
まんこう
)
が
229
第一番
(
だいいちばん
)
に
転
(
こ
)
けよつた
230
アイタタタツタこれや
如何
(
どう
)
ぢや
231
お
尻
(
けつ
)
の
皮
(
かは
)
が
剥
(
む
)
けた
様
(
やう
)
だ
232
これも
全
(
まつた
)
く
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
233
私
(
わたし
)
の
体
(
からだ
)
に
降
(
ふ
)
り
来
(
きた
)
る
234
大厄難
(
だいやくなん
)
を
小難
(
せうなん
)
に
235
見直
(
みなほ
)
しましたお
蔭
(
かげ
)
だろ
236
ああ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
237
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はひましませよ』
238
治国別
(
はるくにわけ
)
一行
(
いつかう
)
は
交
(
かは
)
る
交
(
がは
)
る
宣伝歌
(
せんでんか
)
や
進行歌
(
しんかうか
)
を
歌
(
うた
)
ひ
乍
(
なが
)
ら、
239
漸
(
やうや
)
くにして
玉木
(
たまき
)
の
里
(
さと
)
のテームスの
館
(
やかた
)
に
着
(
つ
)
いた。
240
邸内
(
ていない
)
は
老木
(
らうぼく
)
鬱蒼
(
うつさう
)
として
際限
(
さいげん
)
もなく
広
(
ひろ
)
く、
241
立派
(
りつぱ
)
な
建物
(
たてもの
)
が
沢山
(
たくさん
)
に
立並
(
たちなら
)
んでゐた。
242
されども
何処
(
どこ
)
ともなく
此
(
この
)
館
(
やかた
)
の
内
(
うち
)
に
憂事
(
うれひごと
)
が
包
(
つつ
)
まれて
居
(
ゐ
)
る
様
(
やう
)
な
気配
(
けはい
)
がしてゐる。
243
万公
(
まんこう
)
『もし
先生
(
せんせい
)
、
244
ここが
木花姫
(
このはなひめ
)
様
(
さま
)
がお
示
(
しめ
)
しになつた、
245
玉木
(
たまき
)
の
村
(
むら
)
の
里庄
(
りしやう
)
テームスの
館
(
やかた
)
と
見
(
み
)
えますな。
246
二人
(
ふたり
)
の
娘
(
むすめ
)
が
捕
(
とら
)
はれて
居
(
ゐ
)
るので
心配
(
しんぱい
)
があると
見
(
み
)
え、
247
立派
(
りつぱ
)
な
家
(
いへ
)
の
棟
(
むね
)
までが
何
(
なん
)
だか
力無
(
ちからな
)
げに
俯向
(
うつむ
)
いて
嘆
(
なげ
)
いてゐる
様
(
やう
)
に
見
(
み
)
えますな。
248
何時
(
いつ
)
も
先生
(
せんせい
)
は
人
(
ひと
)
の
家
(
いへ
)
の
屋根
(
やね
)
を
見
(
み
)
たら
其処
(
そこ
)
の
宅
(
うち
)
は
栄
(
さか
)
える
家
(
いへ
)
か、
249
衰
(
おとろ
)
へる
家
(
いへ
)
か、
250
喜
(
よろこ
)
びがあるか、
251
悲
(
かな
)
しみがあるか、
252
分
(
わか
)
るものだと
仰有
(
おつしや
)
いましたが、
253
如何
(
いか
)
にも
其
(
その
)
通
(
とほ
)
り、
254
何
(
なん
)
とはなしに
家
(
いへ
)
迄
(
まで
)
が
心配
(
しんぱい
)
にしてゐるぢやありませぬか』
255
治国
(
はるくに
)
『
万公
(
まんこう
)
、
256
こんな
処
(
ところ
)
で
左様
(
さやう
)
な
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
ふものでない。
257
之
(
これ
)
からテームスの
館
(
やかた
)
へ
行
(
ゆ
)
けば
決
(
けつ
)
して
喋
(
しやべ
)
つてはいかぬぞ。
258
治国別
(
はるくにわけ
)
が
命令
(
めいれい
)
する
迄
(
まで
)
普通
(
ふつう
)
一般
(
いつぱん
)
の
挨拶
(
あいさつ
)
だけしたら
黙
(
だま
)
つてゐるのだ。
259
脱線
(
だつせん
)
だらけの
事
(
こと
)
を
喋
(
しやべ
)
り
立
(
た
)
てると
却
(
かへつ
)
てお
前
(
まへ
)
の
人格
(
じんかく
)
を
軽
(
かる
)
く
見
(
み
)
られ、
260
ひいては
私
(
わし
)
迄
(
まで
)
が
恥
(
はづか
)
しい
目
(
め
)
をせなくてはならぬから
屹度
(
きつと
)
慎
(
つつし
)
んでくれよ』
261
万公
(
まんこう
)
『はい、
262
慎
(
つつし
)
みます。
263
万口
(
まんこう
)
と
云
(
い
)
へば
万
(
まん
)
の
口
(
くち
)
ですから
一口
(
ひとくち
)
づつ
云
(
い
)
つても
万口
(
まんくち
)
並
(
なら
)
べ
様
(
やう
)
と
思
(
おも
)
へば、
264
随分
(
ずいぶん
)
量
(
りやう
)
が
多
(
おほ
)
うなりますからな』
265
松彦
(
まつひこ
)
『アハハハハハさア
先生
(
せんせい
)
の
御
(
お
)
言葉
(
ことば
)
の
通
(
とほ
)
り、
266
これから
万口
(
まんこう
)
ぢやない、
267
篏口令
(
かんこうれい
)
だ』
268
と
云
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら
表門
(
おもてもん
)
に
立
(
た
)
ちトントンと
拳
(
こぶし
)
を
以
(
もつ
)
て
訪
(
おとづ
)
れた。
269
(
大正一二・二・二三
旧一・八
於竜宮館
北村隆光
録)
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