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第72巻(亥の巻)
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第75巻(寅の巻)
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第59巻(戌の巻)
序
総説歌
第1篇 毀誉の雲翳
01 逆艪
〔1501〕
02 歌垣
〔1502〕
03 蜜議
〔1503〕
04 陰使
〔1504〕
05 有升
〔1505〕
第2篇 厄気悋々
06 雲隠
〔1506〕
07 焚付
〔1507〕
08 暗傷
〔1508〕
09 暗内
〔1509〕
10 変金
〔1510〕
11 黒白
〔1511〕
12 狐穴
〔1512〕
第3篇 地底の歓声
13 案知
〔1513〕
14 舗照
〔1514〕
15 和歌意
〔1515〕
16 開窟
〔1516〕
17 倉明
〔1517〕
第4篇 六根猩々
18 手苦番
〔1518〕
19 猩々舟
〔1519〕
20 海竜王
〔1520〕
21 客々舟
〔1521〕
22 五葉松
〔1522〕
23 鳩首
〔1523〕
24 隆光
〔1524〕
25 歓呼
〔1525〕
余白歌
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第九章
暗内
(
あんない
)
〔一五〇九〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第59巻 真善美愛 戌の巻
篇:
第2篇 厄気悋々
よみ(新仮名遣い):
やっきりんりん
章:
第9章 暗内
よみ(新仮名遣い):
あんない
通し章番号:
1509
口述日:
1923(大正12)年04月01日(旧02月16日)
口述場所:
皆生温泉 浜屋
筆録者:
北村隆光
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1925(大正14)年7月8日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
玉国別と真純彦は、長途の旅路につかれて振る舞い酒に酔い、その夜は熟睡してしまった。翌朝、神殿で祝詞を奏上した後休んでいると、バーチルが急いでやってきた。そして三千彦、伊太彦、デビス姫がいなくなっており、どうやらバラモン軍に連れ去られたようだと告げた。
バーチルは、三人を取り戻すために村中から人を呼んで玉国別に加勢しようと申し出た。玉国別は村人に怪我人が出てはいけない、と真純彦と二人で乗り込むことに決めた。
二人が出立しようとしていると、テクがやってきた。テクはこれまで悪いことばかりしてきたが、玉国別からいただいた酒を飲んだらすっかり改心してしまったと話した。そして、チルテルの館にはあちこちに落とし穴があるから、自分が案内役として同行しようと申し出た。
バーチルは、アンチーが暇を申し出たから、代わりに本当に番頭になってくれとテクに申し出て、テクも承諾した。アンチーもと一緒にチルテル館に乗り込みたいと申し出たので、玉国別は承諾した。
四人は作戦会議を開いた。アンチーは、チルテルにはいろいろな企みがあるだろうから、できる限り事前に様子を探って、夕暮れ以降に忍び込んだ方がよいだろうと提案した。アンチーの案が採用され、テクが斥候となって館の様子を探ってくることになった。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
rm5909
愛善世界社版:
117頁
八幡書店版:
第10輯 526頁
修補版:
校定版:
123頁
普及版:
初版:
ページ備考:
001
玉国別
(
たまくにわけ
)
、
002
真純彦
(
ますみひこ
)
は
長途
(
ちやうと
)
の
海路
(
うなぢ
)
に
草臥
(
くたび
)
れきつた
上
(
うへ
)
、
003
振舞酒
(
ふるまひざけ
)
にグツタリ
酔
(
よ
)
ふて
其
(
その
)
夜
(
よ
)
は
潰
(
つぶ
)
れた
様
(
やう
)
に
熟睡
(
じゆくすゐ
)
して
了
(
しま
)
つた。
004
先
(
ま
)
づ
手洗
(
てうづ
)
を
使
(
つか
)
ひ
口
(
くち
)
をすすぎ、
005
東天
(
とうてん
)
を
拝
(
はい
)
し、
006
次
(
つ
)
いで
神殿
(
しんでん
)
に
進
(
すす
)
み
祝詞
(
のりと
)
を
奏上
(
そうじやう
)
し、
007
暫
(
しば
)
らく
休息
(
きうそく
)
して
居
(
ゐ
)
る。
008
そこへバーチルは
顔色
(
がんしよく
)
を
変
(
か
)
へて
出
(
い
)
で
来
(
きた
)
り、
009
バーチル『もし
先生
(
せんせい
)
様
(
さま
)
、
010
大変
(
たいへん
)
な
事
(
こと
)
が
出来
(
しゆつたい
)
致
(
いた
)
しました。
011
誠
(
まこと
)
に
申訳
(
まをしわけ
)
のない
事
(
こと
)
で
厶
(
ござ
)
います』
012
玉国
(
たまくに
)
『
大変
(
たいへん
)
とは
何事
(
なにごと
)
で
厶
(
ござ
)
いますか』
013
バーチル『はい、
014
私
(
わたし
)
もグツタリと
草臥
(
くたび
)
れて、
015
よく
寝込
(
ねこ
)
んで
了
(
しま
)
ひましたので、
016
夜中
(
やちう
)
の
出来事
(
できごと
)
は
少
(
すこ
)
しも
存
(
ぞん
)
じませぬが、
017
三千彦
(
みちひこ
)
様
(
さま
)
、
018
伊太彦
(
いたひこ
)
様
(
さま
)
、
019
デビス
姫
(
ひめ
)
様
(
さま
)
のお
三方
(
さんかた
)
が、
020
何程
(
なにほど
)
そこらを
探
(
さが
)
しても
行衛
(
ゆくゑ
)
が
分
(
わか
)
りませぬ。
021
里人
(
さとびと
)
の
話
(
はなし
)
によりますと
022
裏門口
(
うらもんぐち
)
を
開
(
ひら
)
いてバラモンの
軍人
(
ぐんじん
)
が
三人
(
さんにん
)
様
(
さま
)
をフン
縛
(
じば
)
り
帰
(
かへ
)
つたとの
事
(
こと
)
、
023
実
(
じつ
)
に
申訳
(
まをしわけ
)
のない
事
(
こと
)
を
致
(
いた
)
しました』
024
玉国
(
たまくに
)
『
何
(
なに
)
、
025
三
(
さん
)
人
(
にん
)
がバラモン
軍
(
ぐん
)
に
誘
(
さそ
)
はれたと、
026
やア、
027
それは
大変
(
たいへん
)
だ。
028
真純彦
(
ますみひこ
)
、
029
こりやかうしては
居
(
を
)
られまい。
030
之
(
これ
)
から
両人
(
りやうにん
)
がバラモンの
関所
(
せきしよ
)
に
押掛
(
おしか
)
けて
行
(
い
)
つて
様子
(
やうす
)
を
探
(
さぐ
)
つて
見
(
み
)
ようぢやないか』
031
真純
(
ますみ
)
『
如何
(
いか
)
にも
大変
(
たいへん
)
な
事
(
こと
)
が
出来
(
しゆつたい
)
致
(
いた
)
しました。
032
さア
参
(
まゐ
)
りませう』
033
バーチル『もし
先生
(
せんせい
)
様
(
さま
)
、
034
一寸
(
ちよつと
)
お
待
(
ま
)
ち
下
(
くだ
)
さいませ。
035
バラモンの
関所
(
せきしよ
)
には
一中隊
(
いつちうたい
)
の
勇猛
(
ゆうまう
)
なる
兵士
(
へいし
)
が
抱
(
かか
)
へて
厶
(
ござ
)
いますから、
036
お
二人
(
ふたり
)
様
(
さま
)
では
険難
(
けんのん
)
で
厶
(
ござ
)
いませう。
037
幸
(
さいは
)
ひ
斯
(
か
)
うして
村中
(
むらぢう
)
の
者
(
もの
)
が
昼夜
(
ひるよる
)
の
別
(
べつ
)
なく、
038
祝
(
いはひ
)
に
来
(
き
)
て
居
(
を
)
りますから
039
此
(
この
)
中
(
うち
)
から
強
(
つよ
)
い
者
(
もの
)
を
選
(
えら
)
むで
数十
(
すうじふ
)
人
(
にん
)
お
連
(
つ
)
れになつてはどうでせう。
040
私
(
わたし
)
も
命
(
いのち
)
を
助
(
たす
)
けて
貰
(
もら
)
つた
御
(
ご
)
恩返
(
おんがへ
)
しに
今度
(
こんど
)
は
命
(
いのち
)
を
捨
(
す
)
てます。
041
何卒
(
どうぞ
)
さうなすつて
下
(
くだ
)
さいませぬか』
042
玉国
(
たまくに
)
『いや、
043
決
(
けつ
)
して
御
(
ご
)
心配
(
しんぱい
)
下
(
くだ
)
さいますな。
044
又
(
また
)
宣伝使
(
せんでんし
)
が
貴方
(
あなた
)
等
(
がた
)
の
助力
(
じよりよく
)
によつて
多数
(
たすう
)
を
恃
(
たの
)
むで
押掛
(
おしか
)
けたと
云
(
い
)
はれては
済
(
す
)
みませぬ。
045
又
(
また
)
一方
(
いつぱう
)
は
武器
(
ぶき
)
を
持
(
も
)
つたもの、
046
里人
(
さとびと
)
に
怪我
(
けが
)
でもあつては
済
(
す
)
みませぬから
047
吾々
(
われわれ
)
両人
(
りやうにん
)
が
直接
(
ちよくせつ
)
に
出掛
(
でか
)
けませう』
048
バーチル『さう
仰有
(
おつしや
)
れば
是非
(
ぜひ
)
が
厶
(
ござ
)
いませぬ。
049
代
(
かは
)
りに
私
(
わたし
)
がお
伴
(
とも
)
を
致
(
いた
)
しませう』
050
玉国
(
たまくに
)
『いや、
051
それには
及
(
およ
)
びませぬ。
052
然
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら
僅
(
わづ
)
かに
二人
(
ふたり
)
、
053
敵
(
てき
)
の
中
(
なか
)
へ
参
(
まゐ
)
るので
厶
(
ござ
)
いますから
054
之
(
これ
)
がお
顔
(
かほ
)
の
見納
(
みをさ
)
めになるかも
知
(
し
)
れませぬ。
055
何卒
(
どうぞ
)
貴方
(
あなた
)
は
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
御心
(
みこころ
)
をよくお
覚
(
さと
)
りなさつて、
056
此
(
この
)
里人
(
さとびと
)
を
導
(
みちび
)
き
可愛
(
かあい
)
がつておやりなさいませ』
057
かかる
所
(
ところ
)
へサーベル
姫
(
ひめ
)
は
襖
(
ふすま
)
をソツと
押開
(
おしひら
)
き
058
涙
(
なみだ
)
と
共
(
とも
)
に
転
(
ころ
)
げる
様
(
やう
)
にして
入
(
い
)
り
来
(
きた
)
り、
059
サーベル『
玉国別
(
たまくにわけ
)
様
(
さま
)
、
060
真純彦
(
ますみひこ
)
様
(
さま
)
、
061
大変
(
たいへん
)
な
事
(
こと
)
が
出来
(
しゆつたい
)
致
(
いた
)
しました。
062
何卒
(
どうぞ
)
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
御
(
ご
)
神徳
(
しんとく
)
によつて
御
(
お
)
三方
(
さんかた
)
を
救
(
すく
)
ひ
出
(
だ
)
し、
063
無事
(
ぶじ
)
にお
帰
(
かへ
)
り
下
(
くだ
)
さいませ。
064
妾
(
わらは
)
は
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
を
念
(
ねん
)
じ
無事
(
ぶじ
)
の
成功
(
せいこう
)
を
祈
(
いの
)
ります』
065
玉国別
(
たまくにわけ
)
『
有難
(
ありがた
)
し
君
(
きみ
)
が
情
(
なさけ
)
の
厚衣
(
あつごろも
)
066
身
(
み
)
に
纒
(
まと
)
ひつつ
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
くべし。
067
真心
(
まごころ
)
を
深
(
ふか
)
く
包
(
つつ
)
みし
衣手
(
ころもで
)
に
068
薙
(
な
)
ぎて
屠
(
ほふ
)
らむ
醜
(
しこ
)
の
輩
(
たぶれ
)
を』
069
真純彦
(
ますみひこ
)
『
曲神
(
まがかみ
)
に
苦
(
くる
)
しめられし
吾
(
わが
)
友
(
とも
)
を
070
助
(
たす
)
けに
行
(
ゆ
)
かむ
神
(
かみ
)
のまにまに。
071
大神
(
おほかみ
)
の
御前
(
みまへ
)
に
額
(
ぬかづ
)
き
願
(
ね
)
ぎ
申
(
まを
)
す
072
此
(
この
)
首途
(
かどいで
)
を
真幸
(
まさき
)
くあれよと』
073
バーチル『
真心
(
まごころ
)
を
籠
(
こ
)
めて
打出
(
うちだ
)
す
言霊
(
ことたま
)
に
074
刃向
(
はむか
)
ふ
仇
(
あだ
)
の
如何
(
いか
)
であるべき。
075
さり
乍
(
なが
)
ら
心
(
こころ
)
配
(
くば
)
りて
出
(
い
)
でませよ
076
企
(
たく
)
みも
深
(
ふか
)
き
陥穽
(
おとしあな
)
あれば』
077
サーベル
姫
(
ひめ
)
『
玉国別
(
たまくにわけ
)
神
(
かみ
)
の
命
(
みこと
)
よ
真純彦
(
ますみひこ
)
よ
078
仇
(
あだ
)
の
館
(
やかた
)
に
気
(
き
)
を
配
(
くば
)
りませ』
079
玉国別
(
たまくにわけ
)
『
有難
(
ありがた
)
し
神
(
かみ
)
に
捧
(
ささ
)
げし
吾
(
わが
)
命
(
いのち
)
080
よし
捨
(
す
)
つるとも
如何
(
いか
)
で
恐
(
おそ
)
れむ』
081
真純彦
(
ますみひこ
)
『
皇神
(
すめかみ
)
の
縁
(
えにし
)
の
糸
(
いと
)
に
結
(
むす
)
ばれし
082
身
(
み
)
ながら
今
(
いま
)
は
解
(
と
)
けむとぞする』
083
バーチル『
吾
(
わが
)
僕
(
しもべ
)
アンチー
連
(
つ
)
れて
出
(
い
)
でませよ
084
彼
(
かれ
)
は
力
(
ちから
)
の
強
(
つよ
)
き
益良夫
(
ますらを
)
』
085
玉国別
(
たまくにわけ
)
『
吾
(
わが
)
道
(
みち
)
は
人
(
ひと
)
を
頼
(
たよ
)
らず
杖
(
つゑ
)
につかず
086
只
(
ただ
)
真心
(
まごころ
)
に
進
(
すす
)
むのみなり。
087
折角
(
せつかく
)
の
思召
(
おぼしめし
)
をば
無
(
な
)
みするは
088
心
(
こころ
)
済
(
す
)
まねど
許
(
ゆる
)
し
玉
(
たま
)
はれ。
089
三千彦
(
みちひこ
)
は
嘸
(
さぞ
)
今頃
(
いまごろ
)
は
仇人
(
あだびと
)
と
090
厳
(
いづ
)
の
言霊
(
ことたま
)
打
(
う
)
ち
合
(
あ
)
ひ
居
(
ゐ
)
るらむ』
091
真純彦
(
ますみひこ
)
『
言霊
(
ことたま
)
の
戦
(
たたか
)
ひなれば
恐
(
おそ
)
れまじ
092
兇器
(
きようき
)
を
持
(
も
)
ちし
敵
(
てき
)
の
陣中
(
ぢんちう
)
も。
093
曲神
(
まがかみ
)
の
憑
(
うつ
)
りきつたる
仇人
(
あだびと
)
を
094
言向
(
ことむけ
)
和
(
やは
)
す
日
(
ひ
)
とはなりぬる』
095
アンチー『
神司
(
かむづかさ
)
吾
(
わ
)
れを
召
(
め
)
し
連
(
つ
)
れ
出
(
い
)
でまして
096
真心
(
まごころ
)
の
限
(
かぎ
)
りを
尽
(
つく
)
させ
玉
(
たま
)
へ。
097
よしやよし
命
(
いのち
)
を
敵
(
てき
)
に
渡
(
わた
)
すとも
098
いかで
悔
(
く
)
いなむ
捨
(
す
)
てし
此
(
この
)
身
(
み
)
は』
099
玉国別
(
たまくにわけ
)
『
玉
(
たま
)
の
緒
(
を
)
の
命
(
いのち
)
に
代
(
か
)
へて
嬉
(
うれ
)
しきは
100
汝
(
なれ
)
が
心
(
こころ
)
の
誠
(
まこと
)
なりけり』
101
斯
(
か
)
く
互
(
たがひ
)
に
歌
(
うた
)
を
取交
(
とりかは
)
し、
102
玉国別
(
たまくにわけ
)
、
103
真純彦
(
ますみひこ
)
は
今
(
いま
)
や
宣伝使
(
せんでんし
)
の
服
(
ふく
)
を
脱
(
ぬ
)
ぎ、
104
バーチルの
与
(
あた
)
へたる
衣服
(
いふく
)
と
着替
(
きか
)
へ
乍
(
なが
)
ら
立出
(
たちい
)
でむとする
所
(
ところ
)
へ、
105
泥酔者
(
よひどれ
)
のテクはツカツカと
現
(
あら
)
はれ
来
(
きた
)
り、
106
テク『ヘー、
107
御免
(
ごめん
)
なさいませ。
108
私
(
わたし
)
は
今日
(
けふ
)
迄
(
まで
)
はバラモン
教
(
けう
)
の
目付役
(
めつけやく
)
の
下
(
した
)
を
働
(
はたら
)
くスパイで
厶
(
ござ
)
いました。
109
一方
(
いつぱう
)
には
海賊
(
かいぞく
)
の
張本人
(
ちやうほんにん
)
ヤッコスと
兄弟分
(
きやうだいぶん
)
となり、
110
種々
(
いろいろ
)
雑多
(
ざつた
)
と、
111
よくない
事
(
こと
)
許
(
ばか
)
りやつて
居
(
ゐ
)
ましたが、
112
玉国別
(
たまくにわけ
)
様
(
さま
)
に
何
(
なん
)
とも
知
(
し
)
れぬ
般若湯
(
はんにやたう
)
を
頂
(
いただ
)
き、
113
それから
心
(
こころ
)
に
潜
(
ひそ
)
む
鬼
(
おに
)
が
私
(
わたし
)
の
身内
(
しんない
)
から
逐転
(
ちくてん
)
しまして、
114
今
(
いま
)
は
全
(
まつた
)
く
人間心
(
にんげんごころ
)
に
立帰
(
たちかへ
)
りました。
115
就
(
つ
)
きましてはチルテルの
邸
(
やしき
)
には
沢山
(
たくさん
)
の
陥穽
(
おとしあな
)
が
厶
(
ござ
)
いますれば
116
此
(
この
)
テクが
御
(
ご
)
案内
(
あんない
)
を
致
(
いた
)
しませう。
117
うつかり
行
(
ゆ
)
かうものなら
118
えらい
目
(
め
)
に
会
(
あ
)
ひます。
119
その
秘密
(
ひみつ
)
を
知
(
し
)
つてるのは
外
(
ほか
)
には
厶
(
ござ
)
いませぬ。
120
関所
(
せきしよ
)
を
守
(
まも
)
つてる
軍人
(
ぐんじん
)
の
外
(
ほか
)
は
誰
(
たれ
)
も
知
(
し
)
りませぬから
121
お
危
(
あぶな
)
う
厶
(
ござ
)
います』
122
玉国
(
たまくに
)
『おう、
123
お
前
(
まへ
)
はテクさまだつたな。
124
や、
125
有難
(
ありがた
)
う、
126
それ
程
(
ほど
)
沢山
(
たくさん
)
に
陥穽
(
おとしあな
)
が
拵
(
こしら
)
へてあるかな』
127
テク『ヘーヘー、
128
彼方
(
あちら
)
にも
此方
(
こちら
)
にも
陥穽
(
おとしあな
)
許
(
ばか
)
りで
厶
(
ござ
)
います。
129
あんな
所
(
ところ
)
へ
落
(
お
)
ちたが
最後
(
さいご
)
、
130
上
(
あが
)
る
事
(
こと
)
は
出来
(
でき
)
ませぬ。
131
さうして
此頃
(
このごろ
)
は
何
(
なん
)
とも
知
(
し
)
れぬ
美
(
うつく
)
しい
女
(
をんな
)
の
方
(
かた
)
が
離家
(
はなれ
)
に
只
(
ただ
)
一人
(
ひとり
)
居
(
を
)
られます。
132
さうして
其
(
その
)
お
名
(
な
)
は
初稚姫
(
はつわかひめ
)
様
(
さま
)
だとか
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
で
厶
(
ござ
)
います。
133
関守
(
せきもり
)
のキャプテンがその
女
(
をんな
)
に
現
(
うつつ
)
を
抜
(
ぬ
)
かし、
134
それが
為
(
ため
)
に
夫婦
(
ふうふ
)
喧嘩
(
げんくわ
)
がおつ
初
(
ぱじ
)
まり、
135
いや、
1351
もう
136
内部
(
ないぶ
)
の
醜態
(
しうたい
)
と
云
(
い
)
つたら
話
(
はなし
)
になりませぬ』
137
玉国
(
たまくに
)
『なに、
138
初稚姫
(
はつわかひめ
)
様
(
さま
)
が
厶
(
ござ
)
ると
云
(
い
)
ふのか。
139
どんな
年格好
(
としかつかう
)
なお
方
(
かた
)
だ』
140
テク『はい、
141
明瞭
(
はつきり
)
は
分
(
わか
)
りませぬが
142
一寸
(
ちよつと
)
見
(
み
)
た
所
(
ところ
)
では
十七八
(
じふしちはつ
)
才
(
さい
)
かと
思
(
おも
)
ひます。
143
然
(
しか
)
し
何処
(
どこ
)
ともなく
十五六
(
じふごろく
)
才
(
さい
)
の
幼
(
をさな
)
い
所
(
ところ
)
も
厶
(
ござ
)
いますし、
144
体中
(
からだぢう
)
宝石
(
はうせき
)
を
以
(
もつ
)
て
飾
(
かざ
)
つて
居
(
を
)
られます。
145
それはそれは
綺麗
(
きれい
)
なお
方
(
かた
)
ですよ』
146
玉国
(
たまくに
)
『はてな、
147
初稚姫
(
はつわかひめ
)
様
(
さま
)
は、
148
そんな
宝石
(
はうせき
)
等
(
など
)
を
身
(
み
)
に
飾
(
かざ
)
る
様
(
やう
)
なお
方
(
かた
)
ぢやないと
聞
(
き
)
いて
居
(
ゐ
)
る。
149
大方
(
おほかた
)
同名
(
どうめい
)
異人
(
いじん
)
だらう。
150
なア
真純彦
(
ますみひこ
)
』
151
真純
(
ますみ
)
『そら、
152
さうで
厶
(
ござ
)
いませう。
153
世間
(
せけん
)
に
同
(
おな
)
じ
名
(
な
)
は
何程
(
いくら
)
も
厶
(
ござ
)
いますからな』
154
玉国
(
たまくに
)
『あ、
155
そんなら
屋敷
(
やしき
)
の
案内
(
あんない
)
をお
願
(
ねが
)
ひしようかな』
156
テク『いや
早速
(
さつそく
)
の
御
(
ご
)
承知
(
しようち
)
、
157
有難
(
ありがた
)
う
厶
(
ござ
)
います。
158
大抵
(
たいてい
)
の
所
(
とこ
)
は
皆
(
みな
)
私
(
わたし
)
が
知
(
し
)
つて
居
(
を
)
りますから、
159
私
(
わたし
)
の
後
(
あと
)
に
跟
(
つ
)
いて
来
(
き
)
て
下
(
くだ
)
さいますれば
160
メツタに
不調法
(
ぶてうはふ
)
はさせませぬ。
161
そして
彼
(
あ
)
の
女
(
をんな
)
に
一度
(
いちど
)
お
会
(
あ
)
ひになれば
真偽
(
しんぎ
)
が
分
(
わか
)
るでせう。
162
大方
(
おほかた
)
貴方
(
あなた
)
のお
弟子
(
でし
)
は
陥穽
(
おとしあな
)
に
落
(
お
)
ち
込
(
こ
)
みなさつたかも
知
(
し
)
れませぬ。
163
うつかりして
居
(
ゐ
)
ると
命
(
いのち
)
が
怪
(
あや
)
しう
厶
(
ござ
)
います。
164
沢山
(
たくさん
)
な
兵士
(
へいし
)
が
寄
(
よ
)
つて
上
(
うへ
)
から
石
(
いし
)
を
投
(
な
)
げ
込
(
こ
)
むのですから、
165
堪
(
たま
)
つたものぢやありませぬわ』
166
バーチル『テクさま、
167
お
前
(
まへ
)
さまはアキスから
聞
(
き
)
けば
宅
(
うち
)
の
番頭
(
ばんとう
)
になつたと
云
(
い
)
つて
居
(
ゐ
)
られたさうだが
168
本当
(
ほんたう
)
に
番頭
(
ばんとう
)
になつて
呉
(
く
)
れますか。
169
アンチーも
暫
(
しばら
)
く
休
(
やす
)
まして
下
(
くだ
)
さいと
云
(
い
)
つてるから、
170
お
前
(
まへ
)
さまが
番頭頭
(
ばんとうがしら
)
になつて
下
(
くだ
)
さらば
大変
(
たいへん
)
都合
(
つがふ
)
が
宜
(
よろ
)
しいがな』
171
テク『
承知
(
しようち
)
致
(
いた
)
しやした。
172
貴方
(
あなた
)
からお
言葉
(
ことば
)
のかからぬ
中
(
うち
)
から
已
(
すで
)
に
番頭
(
ばんとう
)
と
一人
(
ひとり
)
で
定
(
きめ
)
て
居
(
を
)
りますから
173
何
(
なん
)
の
異議
(
いぎ
)
が
厶
(
ござ
)
いませう。
174
もとは
悪人
(
あくにん
)
で
厶
(
ござ
)
りましたが
175
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
光
(
ひかり
)
に
照
(
て
)
らされて
最早
(
もはや
)
悪
(
あく
)
が
恐
(
おそろ
)
しくなり、
176
その
罪亡
(
つみほろぼ
)
しに
一
(
ひと
)
つでも
善事
(
ぜんじ
)
を
行
(
おこな
)
ひ
度
(
た
)
いと
決心
(
けつしん
)
をして
居
(
を
)
りますから
177
何卒
(
どうぞ
)
宜
(
よろ
)
しくお
願
(
ねが
)
ひ
申
(
まを
)
します。
178
サア
玉国別
(
たまくにわけ
)
様
(
さま
)
、
179
真純彦
(
ますみひこ
)
様
(
さま
)
、
180
参
(
まゐ
)
りませう』
181
アンチー『
是非
(
ぜひ
)
とも
私
(
わたし
)
をお
伴
(
とも
)
に
願
(
ねが
)
ひます』
182
玉国
(
たまくに
)
『それ
程
(
ほど
)
仰
(
おほ
)
せらるるなれば
御
(
ご
)
同行
(
どうかう
)
を
願
(
ねが
)
ひませう』
183
とバーチル
夫婦
(
ふうふ
)
に
暇
(
いとま
)
を
告
(
つ
)
げ、
184
裏口
(
うらぐち
)
より
一行
(
いつかう
)
四
(
よ
)
人
(
にん
)
キヨの
関守
(
せきもり
)
チルテルが
館
(
やかた
)
を
指
(
さ
)
して
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
185
テクは
先頭
(
せんとう
)
に
立
(
た
)
ちヤッコス
踊
(
をどり
)
をし
乍
(
なが
)
ら
186
心
(
こころ
)
イソイソ
歌
(
うた
)
ひ
初
(
はじ
)
めた。
187
テク『バラモン
教
(
けう
)
のキャプテンが
188
部下
(
ぶか
)
に
使
(
つか
)
はれ
犬
(
いぬ
)
となり
189
彼方
(
かなた
)
此方
(
こなた
)
と
湖辺
(
うみべ
)
をば
190
尋
(
たづ
)
ねまはりて
三五
(
あななひ
)
の
191
神
(
かみ
)
の
司
(
つかさ
)
や
信徒
(
まめひと
)
を
192
一人
(
ひとり
)
も
残
(
のこ
)
さずフン
縛
(
じば
)
り
193
キヨの
関所
(
せきしよ
)
へ
連
(
つ
)
れ
行
(
ゆ
)
きて
194
褒美
(
はうび
)
の
金
(
かね
)
を
沢山
(
どつさり
)
と
195
頂
(
いただ
)
き
好
(
す
)
きなお
酒
(
さけ
)
をば
196
飲
(
の
)
んで
浮世
(
うきよ
)
を
面白
(
おもしろ
)
く
197
暮
(
くら
)
さむものと
心
(
こころ
)
をば
198
鬼
(
おに
)
や
大蛇
(
をろち
)
と
変化
(
へんげ
)
させ
199
悪
(
あく
)
の
道
(
みち
)
のみ
辿
(
たど
)
りたる
200
悪党
(
あくたう
)
無頼
(
ぶらい
)
の
此
(
この
)
テクも
201
玉国別
(
たまくにわけ
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
202
厚
(
あつ
)
き
心
(
こころ
)
に
感服
(
かんぷく
)
し
203
迷
(
まよ
)
ひの
夢
(
ゆめ
)
も
覚
(
さ
)
め
果
(
は
)
てて
204
バーチルさまの
家
(
いへ
)
の
子
(
こ
)
と
205
仕
(
つか
)
ふる
身
(
み
)
とはなりにけり
206
バラモン
教
(
けう
)
の
関守
(
せきもり
)
が
207
如何
(
いか
)
程
(
ほど
)
神力
(
しんりき
)
あるとても
208
如何
(
いか
)
で
及
(
およ
)
ばむ
三五
(
あななひ
)
の
209
誠
(
まこと
)
一
(
ひと
)
つの
言霊
(
ことたま
)
に
210
敵
(
てき
)
する
事
(
こと
)
は
出来
(
でき
)
よまい
211
屋敷
(
やしき
)
の
中
(
なか
)
に
沢山
(
たくさん
)
の
212
陥穽
(
おとしあな
)
をば
穿
(
うが
)
ちつつ
213
三五教
(
あななひけう
)
やウラル
教
(
けう
)
214
道
(
みち
)
の
教
(
をしへ
)
のピュリタンを
215
否応
(
いやおう
)
云
(
い
)
はさずフン
縛
(
じば
)
り
216
皆
(
みな
)
悉
(
ことごと
)
く
陥穽
(
かんせい
)
に
217
落
(
おと
)
して
喜
(
よろこ
)
ぶ
悪神
(
あくがみ
)
の
218
醜
(
しこ
)
の
器
(
うつは
)
となり
果
(
は
)
てし
219
チルテル
司
(
つかさ
)
は
魔
(
ま
)
か
鬼
(
おに
)
か
220
思
(
おも
)
ひ
廻
(
まは
)
せば
恐
(
おそろ
)
しや
221
かかる
悪魔
(
あくま
)
を
逸早
(
いちはや
)
く
222
亡
(
ほろ
)
ぼし
尽
(
つく
)
し
世
(
よ
)
の
人
(
ひと
)
の
223
災難
(
なやみ
)
を
早
(
はや
)
く
救
(
すく
)
はねば
224
イヅミの
国
(
くに
)
の
人々
(
ひとびと
)
は
225
枕
(
まくら
)
も
高
(
たか
)
く
眠
(
ねむ
)
れない
226
吾
(
われ
)
も
元
(
もと
)
より
悪人
(
あくにん
)
の
227
種
(
たね
)
ではなけれど
止
(
や
)
むを
得
(
え
)
ず
228
バラモン
教
(
けう
)
の
勢力
(
せいりよく
)
に
229
刃向
(
はむか
)
ひ
其
(
その
)
身
(
み
)
の
不幸
(
ふかう
)
をば
230
招
(
まね
)
かむ
事
(
こと
)
を
恐
(
おそ
)
れてゆ
231
心
(
こころ
)
にもなき
間諜
(
いぬ
)
となり
232
吾
(
わが
)
良心
(
りやうしん
)
に
責
(
せめ
)
られて
233
苦
(
くる
)
しき
月日
(
つきひ
)
を
送
(
おく
)
りつつ
234
せつなき
思
(
おも
)
ひを
消
(
け
)
さむとて
235
朝
(
あさ
)
から
晩
(
ばん
)
まで
酒
(
さけ
)
を
飲
(
の
)
み
236
浮世
(
うきよ
)
の
中
(
なか
)
を
夢現
(
ゆめうつつ
)
237
三分
(
さんぶ
)
五厘
(
ごりん
)
に
暮
(
くら
)
さむと
238
金
(
かね
)
さへあれば
自棄酒
(
やけざけ
)
を
239
呻
(
あふ
)
つて
過
(
すご
)
す
浅間
(
あさま
)
しさ
240
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
241
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐ
)
みの
幸
(
さちは
)
ひて
242
愈
(
いよいよ
)
今日
(
けふ
)
は
三五
(
あななひ
)
の
243
貴
(
うず
)
の
司
(
つかさ
)
の
先走
(
さきばし
)
り
244
今
(
いま
)
迄
(
まで
)
犯
(
をか
)
せし
罪科
(
つみとが
)
を
245
償
(
つぐな
)
ひまつる
今
(
いま
)
や
時
(
とき
)
246
皇
(
すめ
)
大神
(
おほかみ
)
よ
大神
(
おほかみ
)
よ
247
テクの
心
(
こころ
)
を
憐
(
あは
)
れみて
248
今度
(
こんど
)
の
御用
(
ごよう
)
を
恙
(
つつが
)
なく
249
遂
(
と
)
げさせ
玉
(
たま
)
へ
惟神
(
かむながら
)
250
仮令
(
たとへ
)
天地
(
てんち
)
は
変
(
かは
)
るとも
251
一旦
(
いつたん
)
神
(
かみ
)
の
御
(
おん
)
前
(
まへ
)
に
252
罪
(
つみ
)
を
悔
(
く
)
いたる
此
(
この
)
テクは
253
汚
(
きたな
)
き
心
(
こころ
)
を
露
(
つゆ
)
持
(
も
)
たじ
254
敵
(
てき
)
は
如何
(
いか
)
なる
謀計
(
ぼうけい
)
を
255
廻
(
めぐ
)
らし
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
を
攻
(
せ
)
むるとも
256
何
(
なに
)
か
恐
(
おそ
)
れむ
神心
(
かみごころ
)
257
振
(
ふる
)
ひ
起
(
おこ
)
して
何処
(
どこ
)
迄
(
まで
)
も
258
神
(
かみ
)
の
御
(
おん
)
為
(
ため
)
世
(
よ
)
の
為
(
ため
)
に
259
悪魔
(
あくま
)
の
棲
(
すぐ
)
ひしチルテルの
260
醜
(
しこ
)
の
司
(
つかさ
)
を
懲
(
こら
)
しめて
261
世人
(
よびと
)
の
為
(
ため
)
に
災
(
わざはい
)
を
262
除
(
のぞ
)
かせ
玉
(
たま
)
へ
惟神
(
かむながら
)
263
御伴
(
みとも
)
に
仕
(
つか
)
へし
此
(
この
)
テクが
264
真心
(
まごころ
)
捧
(
ささ
)
げて
願
(
ね
)
ぎ
奉
(
まつ
)
る
265
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
266
御霊
(
みたま
)
幸
(
さちは
)
ひましませよ』
267
アンチーは
又
(
また
)
歌
(
うた
)
ふ。
268
アンチー『
三
(
さん
)
年
(
ねん
)
振
(
ぶ
)
りに
吾
(
わが
)
主人
(
あるじ
)
269
バーチルさまに
廻
(
めぐ
)
り
会
(
あ
)
ひ
270
喜
(
よろこ
)
び
勇
(
いさ
)
む
間
(
ま
)
もあらず
271
命
(
いのち
)
の
親
(
おや
)
の
神司
(
かむづかさ
)
272
危
(
あやふ
)
き
敵
(
てき
)
の
館
(
やかた
)
へと
273
出
(
い
)
でます
君
(
きみ
)
を
案
(
あん
)
じつつ
274
主人
(
あるじ
)
の
君
(
きみ
)
の
許
(
ゆる
)
し
受
(
う
)
け
275
お
伴
(
とも
)
に
仕
(
つか
)
へ
進
(
すす
)
む
身
(
み
)
は
276
如何
(
いか
)
なる
曲
(
まが
)
の
企
(
たく
)
みをも
277
如何
(
いか
)
で
恐
(
おそ
)
れむ
敷島
(
しきしま
)
の
278
大和
(
やまと
)
男子
(
をのこ
)
の
魂
(
たましひ
)
を
279
現
(
あら
)
はしまつりて
高恩
(
かうおん
)
の
280
万分一
(
まんぶんいち
)
に
報
(
むく
)
ふべし
281
キヨの
港
(
みなと
)
は
遠
(
とほ
)
けれど
282
勝手
(
かつて
)
覚
(
おぼ
)
えし
抜
(
ぬ
)
け
道
(
みち
)
を
283
進
(
すす
)
むで
行
(
ゆ
)
けば
一時
(
ひととき
)
の
284
間
(
うち
)
には
容易
(
たやす
)
く
達
(
たつ
)
すべし
285
さはさり
乍
(
なが
)
ら
真昼中
(
まひるなか
)
286
敵
(
てき
)
の
館
(
やかた
)
へ
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く
287
これが
第一
(
だいいち
)
険難
(
けんのん
)
だ
288
日暮
(
ひぐ
)
れを
待
(
ま
)
つてボツボツと
289
隅
(
すみ
)
から
隅
(
すみ
)
まで
探索
(
たんさく
)
し
290
三千彦
(
みちひこ
)
さまの
所在
(
ありか
)
をば
291
探
(
さが
)
し
求
(
もと
)
めた
其
(
その
)
上
(
うへ
)
で
292
あらむ
限
(
かぎ
)
りのベストをば
293
尽
(
つく
)
すもあまり
遅
(
おそ
)
からじ
294
玉国別
(
たまくにわけ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
295
真純
(
ますみ
)
の
彦
(
ひこ
)
の
神司
(
かむづかさ
)
296
新番頭
(
しんばんとう
)
のテクさまよ
297
貴方
(
あなた
)
の
御
(
ご
)
意見
(
いけん
)
詳細
(
まつぶ
)
さに
298
お
知
(
し
)
らせなさつて
下
(
くだ
)
されや
299
敵
(
てき
)
にも
深
(
ふか
)
い
企
(
たく
)
みあり
300
軽々
(
かるがる
)
しくも
進
(
すす
)
みなば
301
臍
(
ほぞ
)
を
噛
(
か
)
むとも
及
(
およ
)
ぶなき
302
大失敗
(
だいしつぱい
)
を
招
(
まね
)
くべし
303
省
(
かへり
)
み
玉
(
たま
)
へ
神司
(
かむづかさ
)
304
此
(
この
)
アンチーは
意外
(
いぐわい
)
にも
305
卑怯
(
ひけふ
)
な
男
(
をとこ
)
と
皆
(
みな
)
さまは
306
思召
(
おぼしめ
)
すかは
知
(
し
)
らねども
307
注意
(
ちうい
)
の
上
(
うへ
)
に
注意
(
ちうい
)
して
308
行
(
ゆ
)
かねばならぬ
敵
(
てき
)
の
中
(
なか
)
309
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
310
何
(
いづ
)
れにしても
大神
(
おほかみ
)
の
311
力
(
ちから
)
に
頼
(
たよ
)
り
進
(
すす
)
むべし
312
玉国別
(
たまくにわけ
)
の
御
(
おん
)
前
(
まへ
)
に
313
更
(
あらた
)
め
伺
(
うかが
)
ひ
奉
(
たてまつ
)
る』
314
と
歌
(
うた
)
ひ
終
(
をは
)
り、
315
玉国別
(
たまくにわけ
)
の
意見
(
いけん
)
を
求
(
もと
)
めた。
316
玉国別
(
たまくにわけ
)
はアンチーの
言葉
(
ことば
)
に
一理
(
いちり
)
ありとなし、
317
途上
(
とじやう
)
に
佇
(
たたず
)
みて
暫
(
しば
)
し
思案
(
しあん
)
を
廻
(
めぐ
)
らして
居
(
ゐ
)
る。
318
テクは
無雑作
(
むざふさ
)
に
口
(
くち
)
を
開
(
ひら
)
いて、
319
テク『もし、
320
皆様
(
みなさま
)
、
321
私
(
わたし
)
は
幸
(
さいは
)
い
種々
(
いろいろ
)
の
関係
(
くわんけい
)
上
(
じやう
)
チルテルに
接近
(
せつきん
)
せなくてはなりませぬ。
322
それについては
色々
(
いろいろ
)
とチルテルの
腹
(
はら
)
を
探
(
さぐ
)
り、
323
又
(
また
)
敵
(
てき
)
の
様子
(
やうす
)
や
三千彦
(
みちひこ
)
様
(
さま
)
以下
(
いか
)
の
所在
(
ありか
)
を
探索
(
たんさく
)
するに
余程
(
よほど
)
便宜
(
べんぎ
)
を
持
(
も
)
つて
居
(
を
)
りますから、
324
貴方
(
あなた
)
は
暫
(
しば
)
らく
此
(
この
)
密林
(
みつりん
)
に
日
(
ひ
)
の
暮
(
く
)
るる
迄
(
まで
)
御
(
ご
)
休息
(
きうそく
)
を
願
(
ねが
)
ひ、
325
私
(
わたし
)
が
一応
(
いちおう
)
取調
(
とりしら
)
べた
上
(
うへ
)
、
326
日
(
ひ
)
が
暮
(
く
)
れてからお
出掛
(
でか
)
けになつた
方
(
はう
)
がよからうと
在
(
ぞん
)
じますが
327
貴方
(
あなた
)
等
(
がた
)
のお
考
(
かんがへ
)
は
如何
(
いかが
)
で
厶
(
ござ
)
いませうか』
328
玉国
(
たまくに
)
『
成程
(
なるほど
)
、
329
却
(
かへ
)
つて
夜分
(
やぶん
)
の
方
(
はう
)
が
宜
(
よ
)
いかも
知
(
し
)
れない。
330
御
(
ご
)
神諭
(
しんゆ
)
にも「
今
(
いま
)
迄
(
まで
)
は
日
(
ひ
)
の
暮
(
くれ
)
が
悪
(
わる
)
いと
申
(
まを
)
したが
331
之
(
これ
)
からは
日
(
ひ
)
の
暮
(
くれ
)
に
初
(
はじ
)
めた
事
(
こと
)
は
何事
(
なにごと
)
もよい」とお
示
(
しめ
)
しになつて
居
(
ゐ
)
る。
332
そんならテクさま、
333
御
(
ご
)
苦労
(
くらう
)
乍
(
なが
)
らチルテルの
館
(
やかた
)
に
罷
(
まかり
)
越
(
こ
)
し、
334
能
(
あた
)
ふ
限
(
かぎ
)
りの
偵察
(
ていさつ
)
をして
下
(
くだ
)
さい。
335
それまで
此
(
こ
)
の
森蔭
(
もりかげ
)
に
祈願
(
きぐわん
)
をして
待
(
ま
)
つて
居
(
を
)
りませう』
336
テク『いや、
337
早速
(
さつそく
)
の
御
(
ご
)
同意
(
どうい
)
、
338
有難
(
ありがた
)
う
厶
(
ござ
)
います。
339
それなら
此
(
この
)
テクがうまく
様子
(
やうす
)
を
探
(
さぐ
)
つて
参
(
まゐ
)
ります。
340
何卒
(
どうぞ
)
此
(
この
)
森
(
もり
)
の
奥
(
おく
)
で
悠
(
ゆつく
)
りと
休息
(
きうそく
)
をして
待
(
ま
)
つて
居
(
ゐ
)
て
下
(
くだ
)
さい。
341
左様
(
さやう
)
なら』
342
と
云
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら
尻
(
しり
)
引紮
(
ひつから
)
げ
343
トントントンと
夏草
(
なつくさ
)
茂
(
しげ
)
る
細
(
ほそ
)
い
野道
(
のみち
)
を
駆
(
か
)
け
出
(
だ
)
した。
344
三
(
さん
)
人
(
にん
)
は
森
(
もり
)
の
木蔭
(
こかげ
)
に
腰
(
こし
)
を
下
(
おろ
)
し、
345
時
(
とき
)
の
至
(
いた
)
るを
待
(
ま
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
346
(
大正一二・四・一
旧二・一六
於皆生温泉浜屋
北村隆光
録)
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