霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第二一章 客々舟(きやつきやぶね)〔一五二一〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第59巻 真善美愛 戌の巻 篇:第4篇 六根猩々 よみ(新仮名遣い):ろっこんしょうじょう
章:第21章 客々舟 よみ(新仮名遣い):きゃっきゃぶね 通し章番号:1521
口述日:1923(大正12)年04月03日(旧02月18日) 口述場所:皆生温泉 浜屋 筆録者:北村隆光 校正日: 校正場所: 初版発行日:1925(大正14)年7月8日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
伊太彦は宣伝歌を朗々と歌い、自分の猩々ヶ島での活躍を滑稽交じりに織り交ぜる。猩々たちは拍子を取る。舟は数万の魚族に送られて南を指して帰って行く。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm5921
愛善世界社版:268頁 八幡書店版:第10輯 579頁 修補版: 校定版:284頁 普及版: 初版: ページ備考:
001猩々王(しやうじやうわう)肉体(にくたい)
002(ほろ)びし姿(すがた)()るよりも
003海竜王(さあがらりうわう)雀踊(こをどり)
004猩々島(しやうじやうじま)()(のぼ)
005小猿(こざる)(むれ)(ことごと)
006()(くら)はむと蜒々(えんえん)
007(からだ)(ふと)弥長(いやなが)
008(しま)のかための岩石(がんせき)
009三周(みまは)四周(よまは)()きつきて
010(おほ)きな(くち)()(なが)
011(ひと)つも(のこ)さず丸呑(まるの)みに
012なさむものぞと(ひか)()
013数多(あまた)猩々(しやうじやう)(おどろ)いて
014狼狽(うろた)(さわ)ぎキヤツキヤツと
015悲鳴(ひめい)をあげてヤッコスや
016ハール、サボールの(まへ)()
017(すく)ひを()へば(さん)(にん)
018猩々(しやうじやう)よりか()大事(だいじ)
019仮令(たとへ)悪竜(あくりう)()はるるも
020(あた)(かぎ)りの抵抗(ていかう)
021(こころ)(その)()万一(まんいち)
022僥倖(げうかう)せむと磯端(いそばた)
023(いし)(つか)んでバラバラと
024悪竜(あくりう)目蒐(めが)けて()ちつける
025三百(さんびやく)有余(いうよ)猩々(しやうじやう)
026(さる)人真似(ひとまね)各自(めいめい)
027(いし)()にして()げつける
028流石(さすが)悪竜(あくりう)面喰(めんくら)
029少時(しばし)(ためら)(をり)もあれ
030三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)
031伊太彦(いたひこ)(つかさ)(あら)はれて
032天津(あまつ)祝詞(のりと)奏上(そうじやう)
033(いづ)言霊(ことたま)()()()(よつ)
034(いつ)(むゆ)(なな)()(ここの)(たり)
035(もも)()(よろづ)(こゑ)(とも)
036(うち)()言霊(ことたま)(いし)(たま)
037()()(りう)(からだ)より
038黒煙(こくえん)濛々(もうもう)(たち)(のぼ)
039(かた)(うろこ)(あひだ)より
040紅蓮(ぐれん)(した)()(いだ)
041その極熱(ごくねつ)()へかねて
042海竜王(さあがらりうわう)岩山(いはやま)
043(くだ)りてバツサリ海中(かいちう)
044姿(すがた)(かく)せし(うれ)しさよ
045ヤッコス、ハール、サボールは
046ハツと(むね)をば()()ろし
047伊太彦(いたひこ)(つかさ)(ひき)ゐたる
048二十(にじふ)(ふね)(うち)(むか)
049両手(りやうて)(あは)せて感涙(かんるい)
050(むせ)びかへるぞ(あは)れなれ
051数多(あまた)猩々(しやうじやう)()(あは)
052伊太彦(いたひこ)(つかさ)(うち)(むか)
053キヤツキヤツキヤツと(とき)(こゑ)
054(うれ)(なみだ)()(さけ)
055(たちま)湖水(こすゐ)()(かへ)
056熱湯(ねつとう)(ごと)くなり(かは)
057大小(だいせう)無数(むすう)鱗族(うろくづ)
058(みな)水面(すいめん)にポカポカと
059(はら)(かや)して(うか)()
060伊太彦(いたひこ)(これ)(あは)れみて
061(たちま)天地(てんち)大神(おほかみ)
062(むか)つて祝詞(のりと)奏上(そうじやう)
063(ひと)(ふた)()()(いつ)()
064(なな)()(ここの)(たり)(もも)()
065(よろづ)(こゑ)千万(ちよろづ)
066(うみ)(うか)びし鱗族(うろくづ)
067(たちま)元気(げんき)恢復(くわいふく)
068溌溂(はつらつ)として()(まは)
069一同(いちどう)(かうべ)(なら)べつつ
070感謝(かんしや)()をば(へう)しける
071(かみ)使(つかひ)伊太彦(いたひこ)
072(しま)(のこ)りし(さん)(にん)
073(かみ)御子(みこ)をば相救(あひすく)
074天王(てんわう)(もり)眷族(けんぞく)
075(つか)へまつりし数百(すうひやく)
076猩々(しやうじやう)(いのち)救済(きうさい)
077(うみ)(うか)べる鱗族(うろくづ)
078生命(せいめい)までも(すく)ひつつ
079真善(しんぜん)美愛(びあい)神業(しんげふ)
080()極端(きよくたん)発揮(はつき)して
081(こころ)(いさ)(なみ)(うへ)
082天津(あまつ)(かみ)(たち)国津(くにつ)(かみ)
083三五教(あななひけう)(まも)ります
084(もも)のエンゼル神使(かみつかひ)
085その(ほか)(うみ)神々(かみがみ)
086感謝(かんしや)祝詞(のりと)(ささ)げつつ
087科戸(しなど)(かぜ)(おく)られて
088(こころ)いそいそ(かへ)()
089かかる(ためし)はあら(たふ)
090天地(あめつち)(ひら)けし(はじ)めより
091(また)世界(せかい)荒波(あらなみ)
092(うへ)()(わた)(かみ)(ふね)
093()にも目出度(めでた)次第(しだい)なり
094あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
095御霊(みたま)(さち)はひましまして
096この物語(ものがたり)詳細(まつぶさ)
097(みづ)()らさずスクスクと
098()べさせ(たま)へと瑞月(ずゐげつ)
099(たたみ)(なみ)(うか)びたる
100長方形(ちやうはうけい)方舟(はこぶね)
101(よこ)たはりつつ(かぢ)をとり
102敷島(しきしま)煙草(たばこ)のマストより
103(ゆが)まぬ(けぶり)()(なが)
104()(ぐわつ)三日(みつか)北村(きたむら)の 北村隆光
105(りうりう)(ひか)朝日影(あさひかげ)
106(せな)()びつつ()べて()
107伯耆(はうき)(くに)米子駅(よなごえき)
108(いち)()(なかば)(へだ)てたる
109()さへ目出(めで)たき皆生村(かいけむら)
110浜屋(はまや)旅館(りよくわん)二階(にかい)()
111()きた神代(かみよ)(ひき)うつし
112処女(しよぢよ)著作(ちよさく)物語(ものがたり)
113諄々(じゆんじゆん)ここに()べて()
114(この)()(つく)りし神直日(かむなほひ)
115(こころ)(ひろ)大直日(おほなほひ)
116(ただ)何事(なにごと)(ひと)()
117直日(なほひ)見直(みなほ)()(なほ)
118()(あやま)ちは()(なほ)
119三五教(あななひけう)大御神(おほみかみ)
120三十万(さんじふまん)(ねん)(すゑ)()
121(うま)()でたる瑞月(ずゐげつ)
122雲霧(くもきり)()けて(おぼろ)げに
123()(つた)()物語(ものがたり)
124脱線(だつせん)誤謬(ごびう)(おほ)くとも
125(ひろ)(こころ)()(なほ)
126(ゆる)させ(たま)惟神(かむながら)
127(かみ)のまにまに()(すす)
128そも瑞月(ずゐげつ)(この)(さと)
129一行(いつかう)()(にん)(きた)りしゆ
130(ためし)もあらぬ豊漁(ほうれふ)
131(さと)男女(なんによ)(ささや)くを
132()くともなしに()()れば
133大本教(おほもとけう)(かみ)(さま)
134(この)()(きた)りませしより
135この神徳(しんとく)村人(むらびと)
136(いただ)きたりと口々(くちぐち)
137(かた)()るこそ(ゆか)しけれ
138日本海(につぽんかい)(つら)なりし
139夜見(よみ)浜辺(はまべ)(なみ)(きよ)
140日本国(につぽんごく)(かなめ)ぞと
141海底(かいてい)(ふか)()()でし
142簸野川上(ひのかはかみ)大山(だいせん)
143(きよ)姿(すがた)天空(てんくう)
144(ゆき)(ころも)(かぶ)りつつ
145(うみ)(のぞ)いた水鏡(みづかがみ)
146(てん)清浄(しやうじやう)()清浄(しやうじやう)
147(まつ)(はやし)海水(かいすい)
148(ひと)身魂(みたま)六根(ろくこん)
149(みな)清浄(しやうじやう)(きよ)めつつ
150猩々島(しやうじやうじま)物語(ものがたり)
151(こころ)(いさ)みて()(つた)
152(なみ)太平(たいへい)(つづみ)うち
153(きよ)めの(うみ)(ちり)もなく
154竜宮海(りうぐうかい)乙姫(おとひめ)
155数多(あまた)魚族(ぎよぞく)(おく)らせつ
156方舟(はこぶね)ならぬ猩々舟(しやうじやうぶね)
157幾百万(いくひやくまん)とも(かぎ)りなく
158大小(だいせう)無数(むすう)鱗族(うろくづ)
159ピンピンシヤンシヤン()(なが)
160神船(みふね)()して(すす)()
161あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
162御霊(みたま)(さち)はひましませよ。
163 伊太彦(いたひこ)(こゑ)(きよ)らかに(うた)ふ。164猩々(しやうじやう)(こゑ)(そろ)へて拍子(ひやうし)をとる。
165伊太彦(いたひこ)天津(あまつ)御空(みそら)(かげ)(うつ)
166(ちり)もとどめぬキヨの(うみ)
167二十(にじふ)(ふね)相並(あひなら)
168猩々(しやうじやう)(しま)(たち)(むか)
169天王(てんのう)(もり)眷族(けんぞく)
170三百(さんびやく)三十三(さんじふさん)(にん)
171人一(にんいち)化九(ばけきう)(さん)(にん)
172(やうや)(すく)(かへ)()
173キヤツキヤツキヤツキヤツ キヤツキヤツキヤツ
174ドンドコ ドンドコ ドコドコドン
175(なみ)(しづか)(をさ)まりて
176一直線(いつちよくせん)水平(すいへい)
177(うへ)(すべ)()(この)(ふね)
178天津(あまつ)御国(みくに)(たす)(ぶね)
179処女(しよぢよ)航路(かうろ)猩々隊(しやうじやうたい)
180二十(にじふ)(ふね)満載(まんさい)
181(さけ)(かがみ)()(はな)
182勝手(かつて)次第(しだい)()(なが)
183天国(てんごく)浄土(じやうど)光景(くわうけい)
184(いま)()のあたり(なが)めつつ
185(ひと)(けもの)化物(ばけもの)
186(よろこ)(いさ)今日(けふ)(そら)
187()にも目出度(めでた)次第(しだい)(なり)
188キヤツキヤツキヤツキヤツ キヤツキヤツキヤツ
189ドンドコ ドンドコ ドコドコドン
190三五教(あななひけう)(つか)へてゆ
191(この)伊太彦(いたひこ)行先(ゆくさき)
192瓢軽者(へうきんもの)狼狽者(あわてもの)
193出洒張(でしやばり)(もの)(わら)はれて
194玉国別(たまくにわけ)()(きみ)
195軽蔑(けいべつ)されて()たけれど
196(たれ)(はばか)らぬ今日(けふ)こそは
197一人(ひとり)舞台(ぶたい)艦長(かんちやう)さま
198何程(なにほど)(おほ)きいと()つたとて
199(うし)尻尾(しつぽ)になるよりも
200(とり)(あたま)になるがよい
201凱旋(がいせん)将軍(しやうぐん)伊太彦(いたひこ)
202(この)武者振(むしやぶり)逸早(いちはや)
203(わが)()(きみ)真純彦(ますみひこ)
204三千彦(みちひこ)夫婦(ふうふ)()らせ()
205あゝ(いさ)ましや(いさ)ましや
206今日(けふ)天地(てんち)殊更(ことさら)
207(きよ)(すず)しく(ひろ)()
208キヤツキヤツキヤツキヤツ キヤツキヤツキヤツ
209ドンドコ ドンドコ ドコドコドン
210(ひと)には一度(いちど)()ふて()
211(うま)には(かなら)()つて()
212何処(どこ)何処(いづく)()んな(ひと)
213(かく)してあるか()れないと
214三五教(あななひけう)筆先(ふでさき)
215明瞭(はつき)(あら)はれ()りまする
216誰様(どなた)(こと)かと(おも)ふたら
217一行(いつかう)(なか)沓取(くつとり)
218自分(じぶん)でさへも(しん)じたる
219(この)伊太彦(いたひこ)(こと)だつた
220真純(ますみ)(ひこ)三千彦(みちひこ)
221何程(なにほど)(えら)いと()つたとて
222三百(さんびやく)有余(いうよ)団体(だんたい)
223(かしら)となつて権力(けんりよく)
224()(まは)したる(こと)はない
225(おれ)身魂(みたま)(なん)として
226清浄(しやうじやう)のものであつただろ
227キヤツキヤツキヤツキヤツ キヤツキヤツキヤツ
228ドンドコ ドンドコ ドコドコドン
229いや()(しば)()(しば)
230三百(さんびやく)(にん)(かしら)ぢやと
231何程(なにほど)メートル()げたとて
232あンな(かほ)した人間(にんげん)
233統率(とうそつ)したとて(えら)さうに
234威張(ゐば)れた道理(だうり)ぢやない(ほど)
235(ひと)(つら)した(やつ)ならば
236乞食(こじき)でも泥棒(どろばう)でも(かま)やせぬ
237(かしら)になつたら面白(おもしろ)
238一寸(ちよつと)此奴(こいつ)閉口(へいこう)
239とは()ふものの(たましひ)
240矢張(やつぱ)(ひと)(すぐ)れたる
241猩々(しやうじやう)さまと()ふからは
242チツとは(ほこ)つてもよいだらう
243こんな(こと)(まで)(かんが)へりや
244(にはか)(ちから)()ちて()
245(おほ)きな(かほ)してベラベラと
246(ほこ)(わけ)にはゆくまいぞ
247玉国別(たまくにわけ)()(きみ)
248(なれ)身魂(みたま)相応(さうおう)ぢやと
249(えり)(むか)へにやつたぞと
250もしも一言(ひとこと)仰有(おつしや)らば
251それこそサツパリ(みづ)(あわ)
252真純(ますみ)(ひこ)三千彦(みちひこ)
253デビスの(ひめ)殊更(ことさら)
254馬鹿(ばか)にされるに(ちが)ひない
255(おも)へば(おも)へば阿呆(あほ)らしや
256阿呆(あほ)()はれる(かな)しさに
257せめてはマストを(はだか)にし
258阿帆(あほ)()をば()(おろ)
259(うで)(ちから)()(かへ)
260(おれ)勇気(ゆうき)はこんなもの
261あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
262(かみ)のまにまに(まか)します
263キヤツキヤツキヤツキヤツ キヤツキヤツキヤツ
264ドンドコ ドンドコ ドコドコドン。
265都々逸(どどいつ)調(てう)(なみ)(しづ)まるキヨメの(うみ)
266 (みづ)御魂(みたま)水鏡(みづかがみ)
267水鏡(みづかがみ)、チヨイと(のぞ)けばアラ不思議(ふしぎ)
268 (おれ)(つら)まで(しわ)()る。
269その(はず)ぢや、(なみ)(うへ)()(この)(ふね)
270 (いた)(いた)との()(あは)せ。
271年並(としなみ)()らぬ姿(すがた)(なみ)()
272 人並(ひとなみ)(すぐ)れた(わが)ちから』
273(うた)(なが)274長柄(ながえ)(しやく)(さけ)をグイグイひつかけつつ275数万(すうまん)魚族(ぎよぞく)(おく)られて(みなみ)をさして(かへ)()く。
276大正一二・四・三 旧二・一八 於皆生温泉浜屋 北村隆光録)
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