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第75巻(寅の巻)
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第68巻(未の巻)
序文
総説
第1篇 名花移植
01 貞操論
〔1725〕
02 恋盗詞
〔1726〕
03 山出女
〔1727〕
04 茶湯の艶
〔1728〕
第2篇 恋火狼火
05 変装太子
〔1729〕
06 信夫恋
〔1730〕
07 茶火酌
〔1731〕
08 帰鬼逸迫
〔1732〕
第3篇 民声魔声
09 衡平運動
〔1733〕
10 宗匠財
〔1734〕
11 宮山嵐
〔1735〕
12 妻狼の囁
〔1736〕
13 蛙の口
〔1737〕
第4篇 月光徹雲
14 会者浄離
〔1738〕
15 破粋者
〔1739〕
16 戦伝歌
〔1740〕
17 地の岩戸
〔1741〕
第5篇 神風駘蕩
18 救の網
〔1742〕
19 紅の川
〔1743〕
20 破滅
〔1744〕
21 祭政一致
〔1745〕
余白歌
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第一九章
紅
(
あけ
)
の
川
(
かは
)
〔一七四三〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第68巻 山河草木 未の巻
篇:
第5篇 神風駘蕩
よみ(新仮名遣い):
しんぷうたいとう
章:
第19章 紅の川
よみ(新仮名遣い):
あけのかわ
通し章番号:
1743
口述日:
1925(大正14)年01月30日(旧01月7日)
口述場所:
月光閣
筆録者:
松村真澄
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1926(大正15)年9月30日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
右守の手下、カークとサーマンは、太子とスバール姫が梅公別に助け出され、城に向かっていることを右守に注進しようと、インデス河の川辺を走っていた。
そこへ、右守の弟エールが、王女バンナを捜索しているのにでっくわした。カークとサーマンの報告を聞いたエールは、右守の計画の一大事と、梅公別一行を待ち伏せて、太子を亡き者にしてしまおうとたくらむ。
エールは社の陰から太子を狙って切り付けるが、太子は身をかわす。バランスはエールを捕まえ、急流に投げ込んでしまった。カーク、サーマンはそれを見て一目散に逃げ出してしまう。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
rm6819
愛善世界社版:
258頁
八幡書店版:
第12輯 248頁
修補版:
校定版:
263頁
普及版:
69頁
初版:
ページ備考:
001
カーク、
002
サーマンの
二人
(
ふたり
)
はインデス
河
(
がは
)
の
河辺
(
かはべり
)
を
膝栗毛
(
ひざくりげ
)
に
鞭
(
むち
)
うち
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
に
走
(
はし
)
り
行
(
ゆ
)
く。
003
右手
(
めて
)
の
草村
(
くさむら
)
より
手招
(
てまね
)
きして『オーイオーイ』と
叫
(
さけ
)
ぶ
者
(
もの
)
がある。
004
二人
(
ふたり
)
は
聞覚
(
ききをぼえ
)
のある
声
(
こゑ
)
と
立
(
たち
)
とまつて、
005
息
(
いき
)
をついでゐた。
006
そこへ
萱草
(
かやくさ
)
を
分
(
わ
)
けて、
007
のそりのそりとやつて
来
(
き
)
たのは
右守司
(
うもりのかみ
)
サクレンスが
弟
(
おとうと
)
エールであつた。
008
二人
(
ふたり
)
はエールの
顔
(
かほ
)
を
見
(
み
)
るより、
009
地上
(
ちじやう
)
に
蹲
(
うづく
)
まり、
010
カーク『これはこれは、
011
エールの
君様
(
きみさま
)
、
012
思
(
おも
)
はぬ
所
(
ところ
)
でお
目
(
め
)
にかかりました。
013
貴方
(
あなた
)
は
又
(
また
)
斯様
(
かやう
)
な
所
(
ところ
)
に
何
(
なに
)
をしてゐらつしやるのですか』
014
エール『イヤ、
015
一寸
(
ちよつと
)
秘密
(
ひみつ
)
の
用向
(
ようむき
)
があつて』
016
カ『
秘密
(
ひみつ
)
の
御
(
ご
)
用向
(
ようむき
)
と
仰有
(
おつしや
)
るのは、
017
アリナの
行衛
(
ゆくゑ
)
を
捜
(
さが
)
してゐられるのでせう。
018
貴
(
たつと
)
き
御
(
おん
)
身
(
み
)
を
以
(
もつ
)
て
供
(
とも
)
をも
連
(
つ
)
れず、
019
只
(
ただ
)
一人
(
ひとり
)
なぜ
斯
(
か
)
やうな
所
(
ところ
)
にお
出
(
で
)
ばりになつてゐられるのですか』
020
エ『イヤ、
021
アリナの
行衛
(
ゆくゑ
)
も
捜索
(
そうさく
)
せなくてはならぬが、
022
王女
(
わうぢよ
)
バンナ
姫
(
ひめ
)
様
(
さま
)
のお
行衛
(
ゆくゑ
)
を
尋
(
たづ
)
ねて、
023
此処
(
ここ
)
迄
(
まで
)
やつて
来
(
き
)
たのだ。
024
此
(
この
)
少
(
すこ
)
し
先方
(
むかふ
)
に
賤
(
しづ
)
の
岩屋
(
いはや
)
と
云
(
い
)
つて
岩窟
(
がんくつ
)
がある。
025
此処
(
ここ
)
はカラピン
王
(
わう
)
様
(
さま
)
の
御
(
ご
)
先祖
(
せんぞ
)
の
奥津城
(
おくつき
)
の
跡
(
あと
)
、
026
それ
故
(
ゆゑ
)
若
(
もし
)
や、
027
バンナ
姫
(
ひめ
)
様
(
さま
)
がお
参
(
まゐ
)
りになつてゐるのではあるまいかと、
028
只
(
ただ
)
一人
(
ひとり
)
ワザとに
捜
(
さが
)
しに
来
(
き
)
たのだ』
029
カ『
姫
(
ひめ
)
様
(
さま
)
は、
030
そしてゐられましたか』
031
エ『イヤ、
032
お
姿
(
すがた
)
が
見
(
み
)
えないのだ。
033
あゝ
困
(
こま
)
つた
事
(
こと
)
だワイ。
034
併
(
しか
)
しお
前
(
まへ
)
は
秋野
(
あきの
)
ケ
原
(
はら
)
の
水車
(
すいしや
)
小屋
(
ごや
)
の
番
(
ばん
)
を
仰
(
おほ
)
せつかつてゐた
筈
(
はず
)
だが、
035
どうして
又
(
また
)
帰
(
かへ
)
つて
来
(
き
)
たのだ』
036
カ『
之
(
これ
)
に
付
(
つ
)
いては
大変
(
たいへん
)
な
珍事
(
ちんじ
)
が
突発
(
とつぱつ
)
致
(
いた
)
しました。
037
それ
故
(
ゆゑ
)
御
(
ご
)
報告
(
ほうこく
)
がてら、
038
帰
(
かへ
)
つたので
厶
(
ござ
)
います』
039
エ『
椿事
(
ちんじ
)
とは
何事
(
なにごと
)
だ。
040
民衆
(
みんしう
)
救護団
(
きうごだん
)
でもやつて
来
(
き
)
て、
041
太子
(
たいし
)
を
奪
(
うばひ
)
取
(
と
)
つたのではないか』
042
カ『ハイヽヽヽイエヽヽヽー、
043
さうでも
厶
(
ござ
)
いませぬが、
044
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
がやつて
参
(
まゐ
)
りまして、
045
太子
(
たいし
)
殿下
(
でんか
)
及
(
および
)
スバール
姫
(
ひめ
)
を
救
(
すく
)
ひ
出
(
だ
)
し、
046
たつた
今
(
いま
)
駒
(
こま
)
に
跨
(
またが
)
つて、
047
ここを
通
(
とほ
)
るで
厶
(
ござ
)
いませう。
048
太子
(
たいし
)
が
城内
(
じやうない
)
へ
帰
(
かへ
)
られたならば、
049
先
(
ま
)
づ
第一
(
だいいち
)
に
右守司
(
うもりのかみ
)
様
(
さま
)
の
御
(
ご
)
迷惑
(
めいわく
)
、
050
用意
(
ようい
)
を
遊
(
あそ
)
ばさねばなるまいと、
051
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
に
御
(
ご
)
注進
(
ちうしん
)
に
帰
(
かへ
)
る
途中
(
とちう
)
で
厶
(
ござ
)
います』
052
エ『ヤ、
053
其奴
(
そいつ
)
ア
大変
(
たいへん
)
だ。
054
オイ
両人
(
りやうにん
)
、
055
事
(
こと
)
成就
(
じやうじゆ
)
の
上
(
うへ
)
は
汝
(
なんぢ
)
を
立派
(
りつぱ
)
な
役
(
やく
)
に
使
(
つか
)
うてやるから、
056
どうだ、
057
此
(
この
)
少
(
すこ
)
し
向方
(
むかふ
)
に、
058
一方
(
いつぱう
)
は
河
(
かは
)
、
059
一方
(
いつぱう
)
は
岩山
(
いはやま
)
、
060
其処
(
そこ
)
には
古
(
ふる
)
ぼけた
宮
(
みや
)
が
建
(
た
)
つてゐる。
061
之
(
これ
)
から
其
(
その
)
宮
(
みや
)
の
後
(
うしろ
)
に
三
(
さん
)
人
(
にん
)
忍
(
しの
)
び
居
(
を
)
り、
062
太子
(
たいし
)
の
帰
(
かへ
)
るのを
待伏
(
まちぶ
)
せ、
063
太子
(
たいし
)
の
命
(
いのち
)
を
取
(
と
)
つて
了
(
しま
)
ふか、
064
但
(
ただ
)
しは
激流
(
げきりう
)
へ
投込
(
なげこ
)
むか、
065
何
(
なん
)
とかして
片付
(
かたづ
)
けねば
成
(
な
)
らぬ、
066
どうだ、
067
俺
(
おれ
)
の
命
(
めい
)
を
聞
(
き
)
くか』
068
カ『ハヽヽヽヽイ、
069
貴方
(
あなた
)
の
御
(
ご
)
命令
(
めいれい
)
なれば、
070
決
(
けつ
)
して
否
(
いなみ
)
は
致
(
いた
)
しませぬが、
071
三五
(
あななひ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
といふ
奴
(
やつ
)
、
072
到底
(
たうてい
)
一筋縄
(
ひとすぢなは
)
ではゆかぬ
奴
(
やつ
)
で
厶
(
ござ
)
いますから、
073
用心
(
ようじん
)
をせなくちやなりませぬ』
074
エ『ナアニ、
075
あの
地点
(
ちてん
)
は
攻
(
せ
)
むるに
難
(
かた
)
く
防
(
ふせ
)
ぐに
易
(
やす
)
きタラハン
国
(
ごく
)
第一
(
だいいち
)
の
険要
(
けんえう
)
の
喉首
(
のどくび
)
だ。
076
彼処
(
あこ
)
にさへをれば、
077
仮令
(
たとへ
)
千万
(
せんまん
)
人
(
にん
)
の
敵
(
てき
)
が
来
(
き
)
ても
大丈夫
(
だいぢやうぶ
)
だよ』
078
カ『
如何
(
いか
)
にも
左様
(
さやう
)
、
079
成程
(
なるほど
)
御尤
(
ごもつと
)
も。
080
オイ、
081
サーマン
汝
(
きさま
)
どうだ。
082
御
(
ご
)
命令
(
めいれい
)
を
奉
(
ほう
)
ずるかな』
083
サ『そら……、
084
俺
(
おれ
)
だつて、
085
出世
(
しゆつせ
)
のしたいのは
同
(
おな
)
じ
事
(
こと
)
だ。
086
そんな
安全
(
あんぜん
)
な
所
(
ところ
)
なら、
087
俺
(
おれ
)
も
御用
(
ごよう
)
を
承
(
うけたま
)
はらうかい』
088
エ『ヤ、
089
両人
(
りやうにん
)
共
(
とも
)
、
090
合点
(
がつてん
)
がいたなれば、
091
早
(
はや
)
く
岩山
(
いはやま
)
の
森
(
もり
)
迄
(
まで
)
行
(
ゆ
)
かう。
092
軈
(
やが
)
て
太子
(
たいし
)
の
一行
(
いつかう
)
が
帰
(
かへ
)
つて
来
(
く
)
る
時分
(
じぶん
)
だらう』
093
といひ
乍
(
なが
)
ら
岩山
(
いはやま
)
の
森
(
もり
)
を
指
(
さ
)
して
走
(
はし
)
り
行
(
ゆ
)
く。
094
一方
(
いつぱう
)
アリナは
体中
(
からだぢう
)
、
095
肉付
(
にくつき
)
のよいブクブクとした
柔
(
やは
)
らかな
背中
(
せなか
)
に
負
(
お
)
はれ、
096
何
(
なん
)
となく
妙
(
めう
)
な
気分
(
きぶん
)
がして
来出
(
きだ
)
した。
097
そしてバランスも
亦
(
また
)
アリナのどこ
共
(
とも
)
なく
男
(
をとこ
)
らしく、
098
凛々
(
りり
)
しい
姿
(
すがた
)
に、
099
……
此
(
この
)
男
(
をとこ
)
ならば……といふ
様
(
やう
)
な
妙
(
めう
)
な
気
(
き
)
になつて
居
(
ゐ
)
た。
100
太子
(
たいし
)
は
声
(
こゑ
)
も
涼
(
すず
)
しく、
101
馬上
(
ばじやう
)
豊
(
ゆた
)
かに
月光
(
げつくわう
)
を
浴
(
あ
)
び
乍
(
なが
)
ら
行進歌
(
かうしんか
)
を
歌
(
うた
)
ふ。
102
『あゝ
有難
(
ありがた
)
し
有難
(
ありがた
)
し
103
九死
(
きうし
)
一生
(
いつしやう
)
の
苦
(
くるし
)
みを
104
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
105
梅公司
(
うめこうつかさ
)
に
助
(
たす
)
けられ
106
妹背
(
いもせ
)
の
縁
(
えにし
)
も
恙
(
つつが
)
なく
107
再
(
ふたた
)
びここに
相生
(
あひおひ
)
の
108
松
(
まつ
)
の
緑
(
みどり
)
の
色
(
いろ
)
深
(
ふか
)
く
109
駿馬
(
しゆんめ
)
に
跨
(
またが
)
り
戞々
(
かつかつ
)
と
110
峰
(
みね
)
の
嵐
(
あらし
)
に
吹
(
ふ
)
かれつつ
111
インデス
河
(
がは
)
の
河辺
(
かはべり
)
を
112
勇
(
いさ
)
み
進
(
すす
)
んで
上
(
のぼ
)
る
内
(
うち
)
113
心
(
こころ
)
は
頓
(
とみ
)
に
冴
(
さ
)
えわたり
114
神
(
かみ
)
のまします
天国
(
てんごく
)
の
115
旅路
(
たびぢ
)
を
進
(
すす
)
む
心地
(
ここち
)
せり
116
月
(
つき
)
の
光
(
ひかり
)
は
波
(
なみ
)
の
上
(
へ
)
に
117
瞬
(
またた
)
き
初
(
そ
)
めて
麗
(
うるは
)
しく
118
飛沫
(
ひまつ
)
の
音
(
おと
)
はタラハンの
119
国家
(
こくか
)
復興
(
ふくこう
)
を
歌
(
うた
)
ふ
如
(
ごと
)
120
耳
(
みみ
)
をすまして
聞
(
きこ
)
え
来
(
く
)
る
121
あゝ
勇
(
いさ
)
ましや
勇
(
いさ
)
ましや
122
神
(
かみ
)
が
表
(
おもて
)
に
現
(
あら
)
はれて
123
善
(
ぜん
)
と
悪
(
あく
)
とを
立別
(
たてわ
)
けて
124
吾
(
わが
)
旧国
(
きうこく
)
を
根底
(
ねそこ
)
より
125
改
(
あらた
)
め
給
(
たま
)
ひ
民衆
(
みんしう
)
の
126
永
(
なが
)
き
平和
(
へいわ
)
と
幸福
(
かうふく
)
を
127
与
(
あた
)
へ
給
(
たま
)
ふぞ
嬉
(
うれ
)
しけれ
128
吾
(
わが
)
師
(
し
)
の
君
(
きみ
)
に
従
(
したが
)
ひて
129
川辺
(
かはべ
)
の
森
(
もり
)
に
来
(
き
)
てみれば
130
月夜
(
つきよ
)
に
瞬
(
またた
)
く
篝火
(
かがりび
)
の
131
影
(
かげ
)
に
寄
(
よ
)
りそふ
数十
(
すうじふ
)
人
(
にん
)
132
何
(
なに
)
をなすやと
伺
(
うかが
)
へば
133
網
(
あみ
)
にかかりし
旅人
(
たびびと
)
の
134
死骸
(
しがい
)
をあぶり
肉体
(
からたま
)
の
135
命
(
いのち
)
を
救
(
すく
)
ひ
助
(
たす
)
けむと
136
民衆団
(
みんしうだん
)
の
団長
(
だんちやう
)
が
137
力
(
ちから
)
限
(
かぎ
)
りに
介抱
(
かいはう
)
し
138
心
(
こころ
)
を
砕
(
くだ
)
く
折
(
をり
)
もあれ
139
吾
(
わが
)
師
(
し
)
の
君
(
きみ
)
の
言霊
(
ことたま
)
に
140
死人
(
しにん
)
は
漸
(
やうや
)
く
甦
(
よみがへ
)
り
141
よくよくみれば
吾
(
わが
)
慕
(
した
)
ふ
142
賢
(
かしこ
)
き
友
(
とも
)
のアリナなり
143
アリナは
漸
(
やうや
)
く
元気
(
げんき
)
づき
144
バランス
団長
(
だんちやう
)
に
負
(
お
)
はれつつ
145
河辺
(
かはべ
)
を
伝
(
つた
)
ひスタスタと
146
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
一行
(
いつかう
)
に
加
(
くは
)
はりて
147
此処
(
ここ
)
迄
(
まで
)
無事
(
ぶじ
)
に
帰
(
かへ
)
りけり
148
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
149
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
の
尊
(
たふと
)
さよ
150
向方
(
むかふ
)
に
見
(
み
)
ゆる
岩山
(
いはやま
)
の
151
神
(
かみ
)
を
祀
(
まつ
)
りし
森
(
もり
)
のかげ
152
吾
(
われ
)
等
(
ら
)
は
其処
(
そこ
)
迄
(
まで
)
駆
(
か
)
けつけて
153
一先
(
ひとま
)
づ
息
(
いき
)
を
休
(
やす
)
めつつ
154
神
(
かみ
)
のまにまに
城内
(
じやうない
)
へ
155
轡
(
くつわ
)
を
並
(
なら
)
べて
帰
(
かへ
)
るべし
156
あゝ
楽
(
たの
)
もしや
楽
(
たの
)
もしや
157
一陽
(
いちやう
)
来復
(
らいふく
)
春
(
はる
)
は
来
(
き
)
ぬ
158
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
159
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
はひましませよ』
160
斯
(
か
)
く
歌
(
うた
)
ひつつ、
161
駒
(
こま
)
の
足音
(
あしおと
)
に
大地
(
だいち
)
を
響
(
ひび
)
かせ
乍
(
なが
)
ら、
162
漸
(
やうや
)
くにして
岩山
(
いはやま
)
の
森蔭
(
もりかげ
)
、
163
古
(
ふる
)
き
社
(
やしろ
)
の
前
(
まへ
)
に
着
(
つ
)
いた。
164
太子
(
たいし
)
一行
(
いつかう
)
はバランスやアリナの
身
(
み
)
の
疲
(
つか
)
れを
休養
(
きうやう
)
さすべく、
165
ワザと
此処
(
ここ
)
に
駒
(
こま
)
を
止
(
とど
)
めたのである。
166
梅公別
(
うめこうわけ
)
は
早
(
はや
)
くも
此
(
この
)
古社
(
ふるやしろ
)
の
後
(
うしろ
)
に
怪
(
あや
)
しき
者
(
もの
)
ありと
勘付
(
かんづ
)
いたが、
167
まさかの
時
(
とき
)
には
言霊
(
ことたま
)
を
以
(
もつ
)
て
霊縛
(
れいばく
)
せむものとタカをくくつて、
168
何食
(
なにく
)
はぬ
顔
(
かほ
)
し
乍
(
なが
)
ら、
169
一行
(
いつかう
)
五
(
ご
)
人
(
にん
)
一
(
いち
)
の
字
(
じ
)
形
(
がた
)
になつて
社前
(
しやぜん
)
の
敷石
(
しきいし
)
に
腰
(
こし
)
打
(
うち
)
かけ、
170
煙草
(
たばこ
)
を
燻
(
くゆ
)
らして
居
(
ゐ
)
た。
171
社
(
やしろ
)
の
後
(
うしろ
)
には
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
囁
(
ささや
)
き
声
(
ごゑ
)
、
172
エ『オイ、
173
カーク、
174
来
(
き
)
たぞ
来
(
き
)
たぞ。
175
サア
俺
(
おれ
)
に
忠義
(
ちうぎ
)
を
尽
(
つく
)
すのは
今
(
いま
)
だ。
176
彼
(
あ
)
の
正中
(
まんなか
)
に
居
(
ゐ
)
る
奴
(
やつ
)
が
太子
(
たいし
)
だ、
177
彼奴
(
あいつ
)
を
矢庭
(
やには
)
に
此
(
この
)
刀
(
かたな
)
を
以
(
もつ
)
て
袈裟掛
(
けさがけ
)
に
切
(
き
)
り
捨
(
す
)
てるのだ。
178
それさへすれば
外
(
ほか
)
の
奴
(
やつ
)
アどうでもよいから、
179
サア
行
(
ゆ
)
け
行
(
ゆ
)
け』
180
カ『ハイ、
181
参
(
まゐ
)
ります。
182
併
(
しか
)
し、
183
旦那
(
だんな
)
様
(
さま
)
、
184
私
(
わたし
)
に
跟
(
つ
)
いて
来
(
き
)
て
下
(
くだ
)
さい。
185
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
つても
向方
(
むかふ
)
は
五
(
ご
)
人
(
にん
)
、
186
そんな
所
(
ところ
)
へ
私
(
わたし
)
一人
(
ひとり
)
行
(
い
)
つた
所
(
ところ
)
で
駄目
(
だめ
)
で
厶
(
ござ
)
いますからなア』
187
エ『エー、
188
気
(
き
)
の
弱
(
よわ
)
い
奴
(
やつ
)
だな、
189
そんならサーマンと
一緒
(
いつしよ
)
に
飛
(
とび
)
出
(
だ
)
して
行
(
ゆ
)
け』
190
サ『ハイ
行
(
ゆ
)
かぬこた
厶
(
ござ
)
いませぬが、
191
何
(
なん
)
だか
手足
(
てあし
)
がワナワナ
致
(
いた
)
しまして、
192
怖
(
こは
)
くつて
堪
(
たま
)
りませぬワ』
193
エ『チヨツ、
194
エー
口
(
くち
)
許
(
ばか
)
りの
代物
(
しろもの
)
だなア。
195
サア
俺
(
おれ
)
に
跟
(
つ
)
いて
来
(
こ
)
い。
196
そして
俺
(
おれ
)
の
手
(
て
)
ぎわを
見
(
み
)
るがよい』
197
と
云
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら、
198
バラバラと
不意
(
ふい
)
に
立
(
たち
)
出
(
い
)
で、
199
木下蔭
(
こしたかげ
)
を
力
(
ちから
)
に
太子
(
たいし
)
を
目
(
め
)
がけて、
200
暗
(
やみ
)
に
閃
(
ひらめ
)
く
白刃
(
はくじん
)
の
雷
(
いなづま
)
、
201
アワヤ
太子
(
たいし
)
は
真二
(
まつぷた
)
つと
思
(
おも
)
ひきや、
202
ヒラリと
体
(
たい
)
をかはし、
203
太子
(
たいし
)
は、
2031
『
曲者
(
くせもの
)
、
204
待
(
ま
)
てツ』
2041
と
大喝
(
だいかつ
)
したり。
205
バランスは
之
(
これ
)
を
見
(
み
)
るよりエールの
腕
(
うで
)
を
強力
(
がうりき
)
に
任
(
まか
)
して
撲
(
なぐ
)
りつけたる
206
其
(
その
)
途端
(
とたん
)
に
腕
(
うで
)
はしびれ、
207
白刃
(
はくじん
)
はガチヤリと
大地
(
だいち
)
に
落
(
お
)
ちた。
208
バランスはエールの
首筋
(
くびすぢ
)
を
掴
(
つか
)
んで
高
(
たか
)
く
差上
(
さしあ
)
げ
乍
(
なが
)
ら、
209
川辺
(
かはべり
)
に
持
(
もち
)
行
(
ゆ
)
き、
210
月
(
つき
)
に
曲者
(
くせもの
)
の
面
(
つら
)
を
照
(
てら
)
してみれば、
211
擬
(
まが
)
ふ
方
(
かた
)
なきエールなりける。
212
バラ『もしもし、
213
宣伝使
(
せんでんし
)
様
(
さま
)
、
214
太子
(
たいし
)
様
(
さま
)
、
215
一寸
(
ちよつと
)
御覧
(
ごらん
)
なさいませ。
216
此
(
この
)
面
(
つら
)
は
右守
(
うもり
)
の
弟
(
おとうと
)
エールの
様
(
やう
)
に
思
(
おも
)
ひますが、
217
お
査
(
しら
)
べ
下
(
くだ
)
さいませぬか』
218
太子
(
たいし
)
外
(
ほか
)
四
(
よ
)
人
(
にん
)
はバラバラとバランスの
側
(
そば
)
に
駆
(
か
)
けより、
219
曲者
(
くせもの
)
の
面
(
つら
)
を
眺
(
なが
)
め、
220
太
(
たい
)
『ヤ、
221
如何
(
いか
)
にも
此奴
(
こいつ
)
はエールだ。
222
怪
(
け
)
しからぬ
事
(
こと
)
を
致
(
いた
)
す、
223
悪党
(
あくたう
)
奴
(
め
)
』
224
バラ『
殿下
(
でんか
)
の
御
(
ご
)
証明
(
しようめい
)
がある
以上
(
いじやう
)
は、
225
此
(
この
)
エール、
226
此
(
この
)
世
(
よ
)
に
活
(
い
)
かしておく
代物
(
しろもの
)
では
厶
(
ござ
)
いませぬ。
227
此奴
(
こいつ
)
の
面
(
つら
)
には
剣難
(
けんなん
)
の
相
(
さう
)
が
現
(
あら
)
はれてゐます。
228
何
(
いづ
)
れ
遠
(
とほ
)
からぬ
内
(
うち
)
、
229
漁業
(
ぎよげふ
)
団員
(
だんゐん
)
に
命
(
いのち
)
を
取
(
と
)
られる
奴
(
やつ
)
、
230
エー
邪魔臭
(
じやまくさ
)
い、
231
太子
(
たいし
)
様
(
さま
)
御
(
お
)
許
(
ゆる
)
し』
232
といひ
乍
(
なが
)
ら、
233
激流
(
げきりう
)
目
(
め
)
がけて、
234
小石
(
こいし
)
を
投
(
な
)
ぐるが
如
(
ごと
)
く、
2341
ドンブリと
投
(
なげ
)
込
(
こ
)
んだ。
235
エールは
投
(
なげ
)
込
(
こ
)
まれた
途端
(
とたん
)
に、
236
川中
(
かはなか
)
の
突
(
つき
)
出
(
で
)
た
石
(
いし
)
に
脳天
(
なうてん
)
を
打割
(
うちわ
)
り
川水
(
かはみづ
)
を
紅
(
あけ
)
に
染
(
そめ
)
て、
237
ドンドンと
流
(
なが
)
れて
了
(
しま
)
つた。
238
此
(
この
)
隙
(
すき
)
にカーク、
239
サーマンの
二人
(
ふたり
)
は
一生
(
いつしやう
)
懸命
(
けんめい
)
倒
(
こ
)
けつ
転
(
まろ
)
びつ、
240
命
(
いのち
)
あつての
物種
(
ものだね
)
と
右守
(
うもり
)
の
館
(
やかた
)
を
指
(
さ
)
して
逃
(
に
)
げてゆく。
241
(
大正一四・一・七
新一・三〇
於月光閣
松村真澄
録)
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