霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第二一章 志芸山祇(しぎやまづみ)〔四一四〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第9巻 霊主体従 申の巻 篇:第4篇 千山万水 よみ(新仮名遣い):せんざんばんすい
章:第21章 志芸山祇 よみ(新仮名遣い):しぎやまづみ 通し章番号:414
口述日:1922(大正11)年02月15日(旧01月19日) 口述場所: 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年7月5日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
港についたアタル丸の船客たちに、虎公は自分の悪事を懺悔し、亀に救われたことを話した。また、亀の背で熊公に懸った神様から、志芸山津見命という名を賜り、カルの国で宣伝使となるように、と告げられたことを語った。
船客たちは虎公の話を聞いて、おのおの神徳話にふけっている。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2020-06-23 22:49:51 OBC :rm0921
愛善世界社版:167頁 八幡書店版:第2輯 334頁 修補版: 校定版:173頁 普及版:69頁 初版: ページ備考:
001 七日(なぬか)七夜(ななよ)月日(つきひ)()びて、002(をり)からの南風(なんぷう)真帆(まほ)にアタルの(みなと)()()れば、003(まさ)月照(つきてる)十三夜(じふさんや)004海中(かいちう)()()げたる熊公(くまこう)005虎公(とらこう)二人(ふたり)埠頭(ふとう)()ち、006松代姫(まつよひめ)一行(いつかう)(うれ)しげに(むか)へて()る。007船客(せんきやく)二人(ふたり)(かほ)()て、
008船客『ヤアヤア、009ヨウヨウ』
010(おどろ)きの(こゑ)(はな)つにぞ、011虎公(とらこう)船客(せんきやく)一同(いちどう)(むか)ひ、
012虎公(みな)さま、013(わたくし)(つみ)(ふか)い、014この高砂島(たかさごじま)(おに)虎公(とらこう)綽名(あだな)()つた悪人(あくにん)でございます。015天網(てんまう)恢々疎(くわいくわいそ)にして()らさず、016三笠丸(みかさまる)船中(せんちう)において(いま)此処(ここ)にまします(さん)(にん)(むすめ)下人(げにん)(いつは)沢山(たくさん)(かね)(かた)()つて()()りました。017この(ひろ)高砂(たかさご)(しま)(ひと)(おほ)く、018(ふたた)びこの(かた)()はうとは(おも)ひませぬでしたのに、019(おそ)ろしや(だま)した(ひと)(おな)じアタル(まる)()(あは)せ、020暗夜(あんや)とて(すこ)しも(こころ)づかず、021(わが)(かほ)()えぬを(さいは)ひ、022(さけ)微酔(ほろよひ)機嫌(きげん)()らず()らずに(どく)()かされました。023(とき)しも、024(うるは)しき松代姫(まつよひめ)(さま)御声(みこゑ)として(いまし)めの宣伝歌(せんでんか)()かされた(とき)は、025(あな)にでも這入(はい)りたいやうな心地(ここち)(いた)しました。026十三夜(じふさんや)のお月様(つきさま)は、027雲間(くもま)()けて(わたくし)(かほ)をお(てら)(あそ)ばしたその(とき)(おそ)ろしさ。028(たちま)ちわが(とも)熊公(くまこう)大蛇彦(をろちひこ)とやらが神懸(かむがか)りし(たま)ひ、029皆様(みなさま)()らるる(とほ)り、030(わたくし)旧悪(きうあく)をすつかり摘発(あば)かれ、031()つても()ても()られなくなつて、032(いま)まで(をか)せし(つみ)(おそ)ろしさに、033(こころ)(ひそ)かに(つき)大神(おほかみ)(さま)(むか)つて懺悔(ざんげ)(いた)し、034(たま)()ねて千尋(ちひろ)(うみ)藻屑(もくず)となり、035(つみ)(あがな)はむと覚悟(かくご)()めて(うづ)まく(なみ)()()みました。036この(とき)何処(いづく)ともなく巨大(きよだい)(かめ)(あら)はれて、037(つみ)(おも)(わたくし)(すく)うて()れました。038(また)もやざんぶ身投(みな)げの(おと)039何人(なにびと)なるかと(つき)(ひかり)にすかして()れば、040(あに)(はか)らむや、041(した)しき(とも)熊公(くまこう)で、042(また)もやこの(かめ)(すく)はれたのです。043さうして熊公(くまこう)(また)もや神懸(かむがかり)となり、044(かめ)()にて()()(たふと)教訓(けうくん)(あた)えて()れました。045吾々(われわれ)のやうな利己主義(われよし)人間(にんげん)が、046どうして(かみ)御心(みこころ)(かな)ひませう。047(かへ)つてこの()(けが)れとなるから、048どうぞ()なして(くだ)さいと、049(また)もや海中(かいちう)()(をど)らして()()まむとする(とき)050熊公(くまこう)神懸(かむがかり)のままに、051(わたくし)首筋(くびすぢ)(つか)んで(かめ)背中(せなか)捻伏(ねぢふ)せ「こら虎公(とらこう)052(なんぢ)はすでに(すく)はれた、053(なんぢ)刹那(せつな)(いの)りは真剣(しんけん)だつた。054天地(てんち)神明(しんめい)感応(かんのう)した。055(いま)(なんぢ)(いま)までの悪逆(あくぎやく)無道(ぶだう)虎公(とらこう)でない、056この()(きよ)むる明礬(みやうばん)(やう)なものだ。057百石(ひやくこく)(にご)(みづ)も、058一握(ひとにぎ)りの明礬(みやうばん)(とう)ずれば清水(せいすゐ)となる。059(かみ)栄光(えいくわう)(よく)した(なんぢ)は、060これより悪魔(あくま)(たけ)(くる)泥水(どろみづ)()を、061(しほ)となり明礬(みやうばん)となつて(きよ)めよ、062()ませよ、063すべての(もの)(あぢ)(あた)へよ」と(きび)しく教訓(けうくん)されました(すゑ)064(かたじけ)なくも「(なんぢ)はこれより志芸山(しぎやま)津見(づみの)(みこと)()(たま)ふ。065カル(くに)(いた)つて宣伝使(せんでんし)となれ」と、066(おも)ひがけなき有難(ありがた)きお言葉(ことば)(いただ)き、067(ゆめ)かとばかり(わが)(こころ)(わが)()(うたが)はざるを()なかつたのです。068さうして何時(いつ)()にか、069(かめ)背中(せなか)(すく)はれた吾々(われわれ)二人(ふたり)は、070アタル(まる)先立(さきだ)つて、071無事(ぶじ)にこの(みなと)到着(たうちやく)して()ました。072されど身体(しんたい)(いし)(ごと)く、073(くび)より(した)はこの(とほ)強直(きやうちよく)して、074身体(からだ)自由(じいう)(うしな)つて()ります。075どうか(さん)(にん)宣伝使(せんでんし)(さま)076照彦(てるひこ)(さま)077この(わたくし)(ふか)(つみ)(ゆる)して(くだ)さいませ。078また(ふね)諸人(もろびと)たちよ、079(わたくし)改心(かいしん)(かがみ)として真心(まごころ)()(かへ)り、080(こころ)から(かみ)(いの)りを(ささ)げて(くだ)さい、081(さいは)宣伝使(せんでんし)がおいでなされば、082神言(かみごと)(をそ)はつて、083(あさ)(ゆふ)なに(かみ)讃美(さんび)し、084(まこと)(こころ)()(かへ)つて祈願(きぐわん)をなされませ』
085諄々(じゆんじゆん)として自分(じぶん)来歴(らいれき)()べ、086かつ改心(かいしん)(たふと)(こと)()(をは)るや(いな)や、087虎公(とらこう)身体(からだ)霊縛(れいばく)()かれて(ふたた)自由(じいう)()となりぬ。088数多(あまた)船客(せんきやく)はこの(はなし)(をは)ると(とも)(さき)(あらそ)うて上陸(じやうりく)し、089()くゆく神徳話(しんとくばなし)(ふけ)()たり。
090大正一一・二・一五 旧一・一九 加藤明子録)
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10/22【霊界物語ネット】王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)』をテキスト化しました。
5/8【霊界物語ネット】霊界物語ネットに出口王仁三郎の第六歌集『霧の海』を掲載しました。
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