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第11巻(戌の巻)
言霊反
凡例
信天翁(二)
総説歌
第1篇 長駆進撃
01 クス野ケ原
〔468〕
02 一目お化
〔469〕
03 死生観
〔470〕
04 梅の花
〔471〕
05 大風呂敷
〔472〕
06 奇の都
〔473〕
07 露の宿
〔474〕
第2篇 意気揚々
08 明志丸
〔475〕
09 虎猫
〔476〕
10 立聞
〔477〕
11 表教
〔478〕
12 松と梅
〔479〕
13 転腹
〔480〕
14 鏡丸
〔481〕
第3篇 言霊解
15 大気津姫の段(一)
〔482〕
16 大気津姫の段(二)
〔483〕
17 大気津姫の段(三)
〔484〕
第4篇 満目荒寥
18 琵琶の湖
〔485〕
19 汐干丸
〔486〕
20 醜の窟
〔487〕
21 俄改心
〔488〕
22 征矢の雨
〔489〕
23 保食神
〔490〕
第5篇 乾坤清明
24 顕国宮
〔491〕
25 巫の舞
〔492〕
26 橘の舞
〔493〕
27 太玉松
〔494〕
28 二夫婦
〔495〕
29 千秋楽
〔496〕
余白歌
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第11巻
> 第1篇 長駆進撃 > 第1章 クス野ケ原
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第一章 クス
野
(
の
)
ケ
原
(
はら
)
〔四六八〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第11巻 霊主体従 戌の巻
篇:
第1篇 長駆進撃
よみ(新仮名遣い):
ちょうくしんげき
章:
第1章 クス野ケ原
よみ(新仮名遣い):
くすのがはら
通し章番号:
468
口述日:
1922(大正11)年02月28日(旧02月02日)
口述場所:
筆録者:
桜井重雄
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年9月10日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
青雲の別の宣伝使こと天児屋根神司は、高彦と名を改めて、ウラル教の本拠であるアーメニヤに宣伝をなそうと、アルタイ山のふもとのクス野ケ原にやってきた。
日も暮れてきて、ここで一夜を明かそうとした高彦の前に、巨大な一つ目の怪物が襲いかかろうとしていた。
高彦は心静かに宣伝歌を歌い始め、次第に高唱すると、怪物は小さくなっていき、消えてしまった。見れば、怪しい影が雲別けて空に逃げていくのが見えた。
高彦は怪物を追い払って改めて寝ようとすると、何者か杖で体を打つ者がある。驚いて一喝すると、それは鉄谷村の時公だった。
鉄谷村の村長・鉄彦は、三五教の宣伝使となってアーメニヤに宣伝に赴いたが、村では鉄彦の奥方が病気になってしまい、時公はそのことを主人の鉄彦に伝えに、後を追いかけてきたのであった。
高彦は東彦と名乗り、時公と一緒にアーメニヤに向かうことになった。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2020-10-07 18:31:41
OBC :
rm1101
愛善世界社版:
9頁
八幡書店版:
第2輯 517頁
修補版:
校定版:
9頁
普及版:
3頁
初版:
ページ備考:
001
天
(
あま
)
の
原
(
はら
)
澄
(
すみ
)
きり
渡
(
わた
)
る
青雲
(
あをくも
)
の
002
別
(
わけ
)
の
命
(
みこと
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
003
名
(
な
)
も
高彦
(
たかひこ
)
と
改
(
あらた
)
めて
004
岩戸
(
いはと
)
の
前
(
まへ
)
にいさをしを
005
いや
永遠
(
とこしへ
)
に
建
(
たて
)
ましし
006
天
(
あめの
)
児屋根
(
こやね
)
の
神司
(
かむつかさ
)
007
ウラルの
山
(
やま
)
やアーメニヤ
008
醜
(
しこ
)
の
本拠
(
ほんきよ
)
と
立籠
(
たてこも
)
る
009
ウラルの
彦
(
ひこ
)
やウラル
姫
(
ひめ
)
010
八十
(
やそ
)
の
曲津
(
まがつ
)
を
言向
(
ことむ
)
けて
011
豊葦原
(
とよあしはら
)
の
瑞穂国
(
みづほくに
)
012
隈
(
くま
)
なく
澄
(
す
)
まし
照
(
てら
)
さむと
013
黄金山
(
わうごんざん
)
を
立出
(
たちい
)
でて
014
天
(
あま
)
の
真名井
(
まなゐ
)
を
打渡
(
うちわた
)
り
015
波
(
なみ
)
にさらはれ
雨
(
あめ
)
に
濡
(
ぬ
)
れ
016
吹
(
ふ
)
きくる
風
(
かぜ
)
に
梳
(
くしけづ
)
り
017
山川
(
やまかは
)
幾
(
いく
)
つ
打越
(
うちこ
)
えて
018
神
(
かみ
)
の
稜威
(
みいづ
)
もアルタイの
019
山
(
やま
)
より
落
(
お
)
つる
宇智野
(
うちの
)
川
(
がは
)
020
渡
(
わた
)
りてここにクス
野原
(
のはら
)
021
一望
(
いちばう
)
千
(
せん
)
里
(
り
)
の
草
(
くさ
)
の
野
(
の
)
に
022
月日
(
つきひ
)
を
重
(
かさ
)
ねて
進
(
すす
)
み
来
(
く
)
る。
023
目
(
め
)
も
届
(
とど
)
かぬ
限
(
かぎ
)
りの
薄野
(
すすきの
)
を
分
(
わ
)
けて、
024
ことさら
寒
(
さむ
)
き
木枯
(
こがらし
)
に
吹
(
ふ
)
かれながら、
025
疲
(
つか
)
れし
足
(
あし
)
を
とぼ
とぼと、
026
虎
(
とら
)
狼
(
おほかみ
)
のうそぶく
声
(
こゑ
)
を
目
(
め
)
あてに、
027
宣伝歌
(
せんでんか
)
を
歌
(
うた
)
ひながら
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
028
日
(
ひ
)
は
黄昏
(
たそがれ
)
に
近
(
ちか
)
づきて、
029
夜気
(
やき
)
陰々
(
いんいん
)
と
身
(
み
)
に
迫
(
せま
)
る。
030
百鳥
(
ももとり
)
の
声
(
こゑ
)
もピタリと
止
(
や
)
んで、
031
猛
(
たけ
)
き
獣
(
けもの
)
の
声
(
こゑ
)
は
刻々
(
こくこく
)
に
高
(
たか
)
く
聞
(
きこ
)
え
来
(
き
)
たりぬ。
032
高彦
(
たかひこ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
は、
033
一夜
(
いちや
)
をここに
明
(
あ
)
かさむと
枯野
(
かれの
)
ケ
原
(
はら
)
を
衾
(
しとね
)
とし、
034
顔
(
かほ
)
に
笠
(
かさ
)
を
蓋
(
おほ
)
ひ
簑
(
みの
)
を
被
(
かぶ
)
つて
睡
(
まどろ
)
むうち、
035
何処
(
どこ
)
ともなく
胸騒
(
むなさわ
)
ぎがして
来
(
き
)
た。
036
フト
目
(
め
)
を
開
(
ひら
)
けば、
037
見上
(
みあ
)
ぐるばかりの
大怪物
(
だいくわいぶつ
)
、
038
額
(
ひたひ
)
の
中央
(
ちうあう
)
に
鏡
(
かがみ
)
の
如
(
ごと
)
き
一
(
ひと
)
つ
目
(
め
)
を
光
(
ひか
)
らし、
039
鼻
(
はな
)
は
神楽
(
かぐら
)
獅子
(
じし
)
の
如
(
ごと
)
く、
040
口
(
くち
)
は
耳
(
みみ
)
まで
裂
(
さ
)
け、
041
青藍色
(
せいらんしよく
)
の
面
(
つら
)
をして、
042
高彦
(
たかひこ
)
を
睨
(
にら
)
みつけた。
043
高彦
(
たかひこ
)
は
仰臥
(
あふぐわ
)
せしまま
黙然
(
もくねん
)
として
一
(
ひと
)
つ
目
(
め
)
の
怪物
(
くわいぶつ
)
を
目
(
め
)
も
放
(
はな
)
たず
見
(
み
)
つめてゐた。
044
怪物
(
くわいぶつ
)
は
毛
(
け
)
だらけの
真黒
(
まつくろ
)
な
手
(
て
)
を
差
(
さ
)
し
伸
(
の
)
べて、
045
高彦
(
たかひこ
)
の
胸
(
むね
)
を
一掴
(
ひとつか
)
みにせむと
迫
(
せま
)
り
来
(
く
)
る。
046
高彦
(
たかひこ
)
は
心静
(
こころしづ
)
かに
宣伝歌
(
せんでんか
)
を
唱
(
とな
)
へた。
047
怪物
(
くわいぶつ
)
は
怪
(
あや
)
しき
声
(
こゑ
)
を
出
(
だ
)
して、
048
前後
(
ぜんご
)
左右
(
さいう
)
にキリキリ
舞
(
ま
)
ひを
始
(
はじ
)
めた。
049
高彦
(
たかひこ
)
は
益々
(
ますます
)
宣伝歌
(
せんでんか
)
を
高唱
(
かうしやう
)
する。
050
怪物
(
くわいぶつ
)
は
次第
(
しだい
)
々々
(
しだい
)
にその
容積
(
ようせき
)
を
減
(
げん
)
じ、
051
終
(
つひ
)
には
白
(
しろ
)
き
煙
(
けむり
)
の
如
(
ごと
)
き
玉
(
たま
)
となつて
次第
(
しだい
)
々々
(
しだい
)
に
消
(
き
)
え
失
(
う
)
せた。
052
中空
(
ちうくう
)
を
眺
(
なが
)
むれば、
053
怪
(
あや
)
しき
黒影
(
くろかげ
)
魚鱗
(
ぎよりん
)
の
淡雲
(
たんうん
)
を
分
(
わ
)
けて
昇
(
のぼ
)
り
行
(
ゆ
)
く。
054
高彦
(
たかひこ
)
『あゝウラル
山
(
さん
)
の
鬼
(
おに
)
奴
(
め
)
が、
055
折角
(
せつかく
)
疲
(
つか
)
れを
休
(
やす
)
めて
好
(
よ
)
い
塩梅
(
あんばい
)
に
眠
(
ねむ
)
つてゐたのに、
056
安眠
(
あんみん
)
の
妨害
(
ばうがい
)
を
致
(
いた
)
しよつた。
057
このクスの
野
(
の
)
は
油断
(
ゆだん
)
のできない
所
(
ところ
)
だと
聞
(
き
)
いてゐた。
058
ヤア、
059
もう
少
(
すこ
)
し
夜
(
よ
)
が
明
(
あ
)
けるのに
間
(
ま
)
もあるから、
060
モウ
一
(
ひ
)
と
寝入
(
ねい
)
りしてから
行
(
ゆ
)
くこととしよう』
061
と
又
(
また
)
もやコロリと
横
(
よこ
)
たはり、
062
後
(
あと
)
は
白河
(
しらかは
)
夜船
(
よぶね
)
、
063
鼾声
(
かんせい
)
雷
(
らい
)
の
如
(
ごと
)
く
四辺
(
あたり
)
を
響
(
ひび
)
かしてゐる。
064
この
時
(
とき
)
、
065
何者
(
なにもの
)
ともなく
高彦
(
たかひこ
)
の
身体
(
しんたい
)
を
目
(
め
)
がけて、
066
杖
(
つゑ
)
をもつて
力
(
ちから
)
限
(
かぎ
)
りに
打
(
う
)
つものがある。
067
高彦
(
たかひこ
)
は
驚
(
おどろ
)
いてスツクと
立上
(
たちあが
)
り、
068
高彦
『
無礼者
(
ぶれいもの
)
ツ』
069
と
一喝
(
いつかつ
)
したるに、
070
一人
(
ひとり
)
の
大男
(
おほをとこ
)
は、
071
時公
『バヽヽヽ
化物
(
ばけもの
)
奴
(
め
)
が、
072
馬鹿
(
ばか
)
にするな。
073
その
手
(
て
)
は
食
(
く
)
はぬぞ。
074
俺
(
おれ
)
を
どなた
と
思
(
おも
)
うて
居
(
ゐ
)
るか、
075
恐
(
おそ
)
れ
多
(
おほ
)
くも、
076
鉄谷村
(
かなたにむら
)
の
酋長
(
しうちやう
)
鉄彦
(
かなひこ
)
が
門番
(
もんばん
)
、
077
今
(
いま
)
こそ
少
(
すこ
)
し
年
(
とし
)
はとつたれ、
078
これでも
若
(
わか
)
い
時
(
とき
)
は
小相撲
(
こずまう
)
の
一
(
ひと
)
つもとつた
近所
(
きんじよ
)
界隈
(
かいわい
)
に
名
(
な
)
の
通
(
とほ
)
つた
時公
(
ときこう
)
さんだぞ。
079
何
(
なん
)
だツ、
080
最前
(
さいぜん
)
も
一
(
ひと
)
つ
目
(
め
)
の
化物
(
ばけもの
)
となつて、
081
大
(
おほ
)
きな
無恰好
(
ぶかつかう
)
な
口
(
くち
)
を
開
(
ひら
)
きやがつて、
082
青
(
あを
)
い
面
(
つら
)
してこの
方
(
はう
)
さまを
喝
(
おど
)
かしよつたが、
083
この
時
(
とき
)
さまの
宣伝歌
(
せんでんか
)
の
言霊
(
ことたま
)
によつて、
084
雲
(
くも
)
を
霞
(
かすみ
)
と
逃
(
に
)
げたそのザマは
何
(
なん
)
だ。
085
今度
(
こんど
)
は
手品
(
てじな
)
を
変
(
か
)
へやがつて、
086
石凝姥
(
いしこりどめ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
の
真似
(
まね
)
をさらして、
087
こンな
所
(
ところ
)
に
横
(
よこ
)
たはつて
鼾
(
いびき
)
をかいてゐやがるんだ。
088
もう
承知
(
しようち
)
せん。
089
貴様
(
きさま
)
はアルタイ
山
(
ざん
)
の
蛇掴
(
へびつか
)
みの
子分
(
こぶん
)
だらう。
090
親分
(
おやぶん
)
の
蛇掴
(
へびつか
)
みでさへも、
091
時公
(
ときこう
)
さまの
御
(
ご
)
威勢
(
ゐせい
)
に
恐
(
おそ
)
れ、
092
青白
(
あをじろ
)
い
光
(
ひかり
)
となつてザマの
悪
(
わる
)
い
褌
(
ふんどし
)
を
垂
(
た
)
らしやがつて、
093
アーメニヤとかいふ
国
(
くに
)
へ
逃
(
に
)
げ
帰
(
かへ
)
りやがつた
位
(
くらゐ
)
だ。
094
サア、
095
目
(
め
)
を
剥
(
む
)
け、
096
舌
(
した
)
を
出
(
だ
)
せ、
097
そんな
事
(
こと
)
でビツクリするやうな
時
(
とき
)
さまとは
違
(
ちが
)
ふぞ。
098
あまり
見損
(
みぞこ
)
なひをすな』
099
高彦
(
たかひこ
)
『ヤア、
100
時
(
とき
)
さまとやら、
101
我々
(
われわれ
)
は
化物
(
ばけもの
)
ではありませぬ』
102
時公
(
ときこう
)
は
一寸
(
ちよつと
)
舌
(
した
)
を
出
(
だ
)
し、
103
頤
(
あご
)
を
しやく
つて、
104
時公
『ヤア、
105
時
(
とき
)
さまとやら、
106
我々
(
われわれ
)
は
化物
(
ばけもの
)
ではありませぬ。
107
……とケツかるワイ。
108
その
手
(
て
)
は
桑名
(
くはな
)
の
焼蛤
(
やきはまぐり
)
だ。
109
グヅグヅぬかすと、
110
この
杖
(
つゑ
)
がお
見舞
(
みま
)
ひ
申
(
まを
)
すぞ。
111
目
(
め
)
の
玉
(
たま
)
奴
(
め
)
が』
112
高彦
(
たかひこ
)
『これはこれは
化物
(
ばけもの
)
とのお
見違
(
みちが
)
ひ、
113
決
(
けつ
)
して
決
(
けつ
)
して
左様
(
さやう
)
の
者
(
もの
)
ではござらぬ。
114
我々
(
われわれ
)
も
今
(
いま
)
その
一
(
ひと
)
つ
目
(
め
)
小僧
(
こぞう
)
に
出会
(
であ
)
つたところだ。
115
せつかく
安眠
(
あんみん
)
してをるのに、
116
中途
(
ちうと
)
で
起
(
おこ
)
され、
117
眠
(
ねむ
)
たくて
目
(
め
)
の
工合
(
ぐあひ
)
が……』
118
時公
(
ときこう
)
『オツト……
御免
(
ごめん
)
だ。
119
目
(
め
)
の
話
(
はなし
)
は
止
(
や
)
めた
止
(
や
)
めた。
120
こつちも
一寸
(
ちよつと
)
めい
わくだから……』
121
高彦
『
何分
(
なにぶん
)
眠
(
ねむ
)
りが
足
(
た
)
らぬものだから、
122
熱
(
ねつ
)
が
出
(
で
)
て
舌
(
した
)
が
もつれ
……』
123
時公
『オイオイ、
124
その
舌
(
した
)
はもう
言
(
い
)
ふな。
125
俺
(
おれ
)
もあの
舌
(
した
)
にはギヨツと
した
』
126
高彦
『
何分
(
なにぶん
)
長途
(
ちやうと
)
の
旅
(
たび
)
で
疲
(
つか
)
れたものだから、
127
お
前
(
まへ
)
さんが
見
(
み
)
たら
人間
(
にんげん
)
らしくもなからうが……わしの
顔
(
かほ
)
は
蒼白
(
あをじろ
)
く
見
(
み
)
えるだらう。
128
それでお
前
(
まへ
)
が
疑
(
うたが
)
ふのは……』
129
時公
『
疑
(
うたが
)
ふも
疑
(
うたが
)
はぬもあつたものかい。
130
顔
(
かほ
)
の
蒼
(
あを
)
い
白
(
しろ
)
いは
言
(
い
)
ふな。
131
貴様
(
きさま
)
は
大方
(
おほかた
)
蛇掴
(
へびつかみ
)
の
兄弟分
(
きやうだいぶん
)
だらう。
132
今
(
いま
)
は
一体
(
いつたい
)
何
(
なん
)
といふ
名
(
な
)
だ』
133
高彦(東彦を偽称)
『
我
(
われ
)
は
東彦
(
あづまひこ
)
と
申
(
まを
)
す
者
(
もの
)
』
[
※
ここで高彦は東彦(石凝姥の旧名)と仮に名乗るが、第4章で本名の高彦を名乗る
]
134
時公
(
ときこう
)
『ザマ
見
(
み
)
やがれ。
135
白状
(
はくじやう
)
しよつた。
136
アクマ
彦
(
ひこ
)
奴
(
め
)
が。
137
蛙
(
かへる
)
は
我
(
われ
)
と
我
(
わ
)
が
口
(
くち
)
から
白状
(
はくじやう
)
したが、
138
もうアクマと
知
(
し
)
つた
以上
(
いじやう
)
は、
139
俺
(
おれ
)
は
善
(
ぜん
)
にも
強
(
つよ
)
ければ
悪
(
あく
)
にも
強
(
つよ
)
い
時
(
とき
)
さまだ。
140
あくま
で
打
(
う
)
ちこらしてやる。
141
俺
(
おれ
)
の
顔
(
かほ
)
を
冥途
(
めいど
)
の
土産
(
みやげ
)
に
穴
(
あな
)
の
あくま
で
見
(
み
)
ておけ。
142
根
(
ね
)
の
国
(
くに
)
底
(
そこ
)
の
国
(
くに
)
へ
行
(
い
)
つてもこの
時
(
とき
)
さんのやうな
強
(
つよ
)
いお
方
(
かた
)
は
滅多
(
めつた
)
にありやせぬぞ』
143
と
言
(
い
)
ひながら、
144
携
(
たづさ
)
へた
鉄棒
(
てつぼう
)
をもつて
打
(
う
)
つてかかる。
145
東彦
(
あづまひこ
)
は
笠
(
かさ
)
をもつて、
146
その
棒
(
ぼう
)
を
右
(
みぎ
)
に
左
(
ひだり
)
に
避
(
さ
)
け
乍
(
なが
)
ら、
147
時公
(
ときこう
)
の
足
(
あし
)
を
さらへ
た。
148
時公
(
ときこう
)
はズデンドーと
仰向
(
あふむ
)
けに
倒
(
たふ
)
れた。
149
東彦
(
あづまひこ
)
は、
150
東彦(本当は高彦)
『ウン』
151
と
一声
(
ひとこゑ
)
霊縛
(
れいばく
)
をかけたるに
時公
(
ときこう
)
は、
152
時公
『オイ、
153
目
(
め
)
の
玉
(
たま
)
、
154
アクマ
彦
(
ひこ
)
、
155
何
(
ど
)
うしよるのだ。
156
貴様
(
きさま
)
わりとは
悪戯
(
ふざ
)
けた
事
(
こと
)
をしよる。
157
身体
(
からだ
)
はアルタイ
山
(
さん
)
の
鬼
(
おに
)
の
化石
(
くわせき
)
のやうになつちやつたが、
158
目
(
め
)
と
口
(
くち
)
と
耳
(
みみ
)
とは
しつかり
してをるぞ。
159
貴様
(
きさま
)
は
一
(
ひと
)
つ
目
(
め
)
だ。
160
俺
(
おれ
)
は
二
(
ふた
)
つ
目
(
め
)
だ。
161
睨
(
にら
)
み
殺
(
ころ
)
してやらうか』
162
東彦
(
あづまひこ
)
(本当は高彦)
『アハヽヽヽ、
163
やあ、
164
時
(
とき
)
さまとやら、
165
私
(
わたくし
)
を
信
(
しん
)
じて
下
(
くだ
)
さい。
166
私
(
わたくし
)
も
つい
最前
(
さいぜん
)
のこと、
167
その
一
(
ひと
)
つ
目
(
め
)
小僧
(
こぞう
)
に
出会
(
であ
)
つたのだ。
168
が、
169
お
前
(
まへ
)
さんも
途中
(
とちう
)
で
出会
(
であ
)
つて
来
(
き
)
たのか』
170
時公
(
ときこう
)
は
俄
(
にはか
)
に
調子
(
てうし
)
をかへて、
171
時公
『ハイハイ、
172
一目
(
ひとめ
)
見
(
み
)
るよりビツクリ
仰天
(
ぎやうてん
)
せむとせしが、
173
待
(
ま
)
て
暫
(
しば
)
し、
174
アルタイ
山
(
ざん
)
の
蛇掴
(
へびつか
)
みでさへも、
175
この
時
(
とき
)
さまの
鼻息
(
はないき
)
で
吹
(
ふ
)
き
散
(
ち
)
らしたのだ。
176
何
(
なん
)
だ、
177
一
(
ひと
)
つ
目
(
め
)
の
化物
(
ばけもの
)
位
(
くらゐ
)
と
思
(
おも
)
ひ
直
(
なほ
)
してここまでやつて
来
(
き
)
たが、
178
何
(
なん
)
だか
膝頭
(
ひざがしら
)
が
こそば
くて、
179
笑
(
わら
)
うたり
泣
(
な
)
いたりしやがつて、
180
時
(
とき
)
さんは
怒
(
おこ
)
る、
181
膝坊主
(
ひざばうず
)
は
泣
(
な
)
き
笑
(
わら
)
ひする。
182
酒
(
さけ
)
も
飲
(
の
)
まぬに、
183
一人
(
ひとり
)
で
三
(
さん
)
人
(
にん
)
上戸
(
じやうご
)
を
勤
(
つと
)
めて
来
(
き
)
ました。
184
私
(
わたくし
)
の
主人
(
しゆじん
)
は
鉄彦
(
かなひこ
)
というて、
185
それはそれは
余
(
あま
)
り
偉
(
えら
)
うない
豪傑
(
がうけつ
)
ですが、
186
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
の
あななひ
をしてな、
187
アナ
有
(
あ
)
り
難
(
がた
)
いとか
何
(
なん
)
とか
言
(
い
)
つて
石凝姥
(
いしこりどめ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
と、
188
何
(
なん
)
でも
名
(
な
)
は
忘
(
わす
)
れたがスイスイ、
189
粋
(
すゐ
)
な
名
(
な
)
のつく
別嬪
(
べつぴん
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
と
三人
(
さんにん
)
連
(
づ
)
れで、
190
クスの
原
(
はら
)
を
向
(
むか
)
ふへ
渡
(
わた
)
ると
言
(
い
)
つて
出
(
で
)
かけました。
191
さうしたところが
俄
(
にはか
)
に
奥
(
おく
)
さまが、
192
病気
(
びやうき
)
になつたものだから、
193
オイ
時公
(
ときこう
)
、
194
お
前
(
まへ
)
は
天下
(
てんか
)
無双
(
むさう
)
の
豪傑
(
がうけつ
)
だ、
195
一
(
ひと
)
つ
目
(
め
)
小僧
(
こぞう
)
の
百匹
(
ひやつぴき
)
や
千匹
(
せんびき
)
はビクともようせぬ
奴
(
やつ
)
だから、
196
御
(
ご
)
苦労
(
くらう
)
だが
主人
(
しゆじん
)
を
呼
(
よ
)
んで
来
(
き
)
てくれと、
197
奥様
(
おくさま
)
が
手毬
(
てまり
)
のやうな
涙
(
なみだ
)
を、
198
こぼして
頼
(
たの
)
むものだから、
199
ヨシきた、
200
たとへウラル
彦
(
ひこ
)
の
軍勢
(
ぐんぜい
)
、
201
幾万
(
いくまん
)
来
(
きた
)
るとも、
202
この
時
(
とき
)
さまが
腕力
(
わんりよく
)
をもつて、
203
縦横
(
じうわう
)
無尽
(
むじん
)
に
打
(
う
)
つて
打
(
う
)
つて
打
(
う
)
ちまはし、
204
木端
(
こつぱ
)
微塵
(
みじん
)
に
砕
(
くだ
)
いてやるは
瞬
(
またた
)
くうちと
尻
(
しり
)
ひつからげ、
205
クスの
荒野
(
あらの
)
を
韋駄天
(
いだてん
)
走
(
ばし
)
り、
206
生
(
なま
)
かじりの
宣伝歌
(
せんでんか
)
を、
207
処々
(
ところどころ
)
歌
(
うた
)
つて
足拍子
(
あしべうし
)
をとり
乍
(
なが
)
らやつて
来
(
き
)
たところ、
208
向
(
むか
)
ふに
怪
(
あや
)
しき
影
(
かげ
)
がある。
209
ハーテ
訝
(
いぶか
)
しやな、
210
この
荒野
(
あれの
)
ケ
原
(
はら
)
に
現
(
あらは
)
れ
出
(
い
)
づる
怪物
(
くわいぶつ
)
は
何者
(
なにもの
)
なるぞ、
211
尋常
(
じんじやう
)
に
名
(
な
)
を
名乗
(
なの
)
れとやつて
見
(
み
)
せたり、
212
と
思
(
おも
)
つたが
何
(
なん
)
だか、
213
向
(
むか
)
ふの
舌
(
した
)
が
長
(
なが
)
うて
こつち
の
舌
(
した
)
が
捲
(
ま
)
かれたか、
214
負
(
まけ
)
たか
知
(
し
)
らないが、
215
こわばつて
一寸
(
ちよつと
)
も
時
(
とき
)
さまの
言
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
を
聞
(
き
)
きやがらぬので、
216
今度
(
こんど
)
は
目
(
め
)
の
御用
(
ごよう
)
だと、
217
クルクル
鏡
(
かがみ
)
の
如
(
ごと
)
き
両眼
(
りやうがん
)
を
開
(
ひら
)
いて
見
(
み
)
せた。
218
流石
(
さすが
)
一
(
ひと
)
つ
目
(
め
)
の
怪物
(
くわいぶつ
)
も、
219
時
(
とき
)
さんの
勇気
(
ゆうき
)
に
辟易
(
へきえき
)
し、
220
褌
(
ふんどし
)
下
(
さ
)
げて
西南
(
せいなん
)
の
天
(
てん
)
を
指
(
さ
)
して
逃
(
に
)
げ
散
(
ち
)
つたり』
221
東彦
(
あづまひこ
)
(本当は高彦)
『アハヽヽヽ、
222
面白
(
おもしろ
)
い
奴
(
やつ
)
だな』
223
時公
(
ときこう
)
『
面白
(
おもしろ
)
いか
知
(
し
)
らぬが、
224
私
(
わたくし
)
は
ねつから
面白
(
おもしろ
)
くない。
225
かう
横
(
よこ
)
に
立
(
た
)
つて
物語
(
ものがたり
)
をしても、
226
ねつからはつから
ハバがきかぬ。
227
お
前
(
まへ
)
さまも
私
(
わたくし
)
の
傍
(
そば
)
へ
来
(
き
)
て、
228
横
(
よこ
)
に
立
(
た
)
てつたら
何
(
ど
)
うだ。
229
ゆつくり
寝物語
(
ねものがたり
)
でもしようかいな』
230
東彦(本当は高彦)
『アハヽヽヽ、
231
どこまでも、
232
徹底
(
てつてい
)
した
法螺吹
(
ほらふ
)
きだな。
233
負
(
ま
)
け
惜
(
を
)
しみの
強
(
つよ
)
い
奴
(
やつ
)
だ。
234
そんなら
私
(
わたくし
)
もお
前
(
まへ
)
の
傍
(
そば
)
で、
235
夜
(
よ
)
が
明
(
あ
)
けるまで
添寝
(
そひね
)
をしてやらうか。
236
これだから
悪戯
(
いたづら
)
小僧
(
こぞう
)
を
持
(
も
)
つ
親
(
おや
)
は
困
(
こま
)
るといふのだ。
237
やあドツコイシヨ』
238
と、
239
時公
(
ときこう
)
と
枕
(
まくら
)
を
並
(
なら
)
べて、
240
ゴロンと
寝
(
ね
)
た。
241
時公
(
ときこう
)
『やあ、
242
アクマ
彦
(
ひこ
)
も
なか
なか
話
(
はな
)
せるワイ。
243
しかし、
244
お
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
だが、
245
お
時
(
とき
)
さまだと
好
(
よ
)
いけれど、
246
時公
(
ときこう
)
さまではお
気
(
き
)
に
召
(
め
)
しますまい。
247
それでも
何
(
なん
)
だか
トキ
トキとしますよ』
248
東彦
(
あづまひこ
)
(本当は高彦)
『アヽ、
249
私
(
わたくし
)
も
退屈
(
たいくつ
)
で
困
(
こま
)
つてゐたところだ。
250
霊界
(
れいかい
)
物語
(
ものがたり
)
ぢやないが、
251
一
(
ひと
)
つここで
しつぽり
と
仰向
(
あふむ
)
けになつて、
252
寝物語
(
ねものがたり
)
でもやらうかい』
253
東雲
(
しののめ
)
の
空
(
そら
)
別
(
わ
)
け
昇
(
のぼ
)
る
朝日子
(
あさひこ
)
の、
254
東彦
(
あづまひこ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
はムツクリと
起上
(
おきあが
)
り、
255
時公
(
ときこう
)
の
霊縛
(
れいばく
)
を
解
(
と
)
き、
256
二人
(
ふたり
)
は
途々
(
みちみち
)
神話
(
しんわ
)
に
耽
(
ふけ
)
りながら、
257
際限
(
さいげん
)
も
無
(
な
)
き
大野原
(
おほのはら
)
を
西
(
にし
)
へ
西
(
にし
)
へと
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
258
(
大正一一・二・二八
旧二・二
桜井重雄
録)
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