霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第二三章 保食神(うけもちのかみ)〔四九〇〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第11巻 霊主体従 戌の巻 篇:第4篇 満目荒寥 よみ(新仮名遣い):まんもくこうりょう
章:第23章 保食神 よみ(新仮名遣い):うけもちのかみ 通し章番号:490
口述日:1922(大正11)年03月03日(旧02月05日) 口述場所: 筆録者:谷村真友 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年9月10日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
黄泉比良坂の戦いで、大自在天陣営は日の出神に言向け和されて、御神業に使えることとなった。
そのため、悪鬼邪神たちは集結してウラル彦一派にますます憑依した。ウラル山、コーカス山、アーメニヤに根拠を構えて体主霊従の限りを尽くした。体主霊従人種のことを、大気津姫というのである。
ウラル彦一派は、コーカス山に荘厳な宮殿を建設した。これを顕国の宮という。
その落成に際して、さすがのウラル彦も天地の神明を恐れ、大地の霊魂である金勝要神、大地の霊力である国治立命、大地の霊体である素盞嗚命の神霊を祭ることになった。
三日三晩もの祭典が始まり、八王、ヒッコス、クスの神らは酒におぼれて歌い踊り狂った。宮や踏み荒らされてしまったが、邪神に惑わされた神人らはまったく気がつかなかった。
祭典が始まると、顕国の宮は恐ろしい大音響をたてて鳴動を始めた。ウラル姫は神が喜んでいるものとして、泥まみれのまま神殿に拝し、祝詞を上げた。
数千の群集は酒を飲んで酔いつぶれ、そこらじゅうを騒ぎまわっている。
そこに、悠然として現れた三五教の松竹梅の宣伝使、石凝姥神、天之目一箇神、於縢山津見神、時置師神、八彦神、鴨彦神らは口をそろえて一同に改心を促す宣伝歌を歌った。すると、神殿の鳴動はぴたりと止んだ。
ウラル姫はたちまち鬼女と化し、部下を引き連れて鳥船に乗り、アーメニヤを指して逃げていった。
一同は改めて神殿に拝して感謝を捧げると、鬼武彦を始めとする五柱の白狐神らが現れた。石凝姥神、天之目一箇神、天之児屋根神は、神殿に捧げてあった五穀を白狐にくわえさせ、世界の各地に種を蒔かしめた。
この神殿に国治立命、素盞嗚命、金勝要神を祭り、飯成(いひなり)の宮と称えることになった。
神殿が鳴動したのは、邪神の供物に神が怒りを表したのであった。
白狐が世界各地に蒔いた種は、これまでの穀物よりも優れたものになった。これ以降、白狐を稲荷の神と称えるようになった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2020-08-11 19:53:49 OBC :rm1123
愛善世界社版:219頁 八幡書店版:第2輯 592頁 修補版: 校定版:223頁 普及版:96頁 初版: ページ備考:
001 黄泉(よもつ)比良坂(ひらさか)(たたかひ)に、002常世(とこよ)(くに)総大将(そうだいしやう)大国彦(おほくにひこの)(みこと)003大国姫(おほくにひめの)(みこと)その()神々(かみがみ)(のこ)らず()出神(でのかみ)神言(みこと)言向(ことむけ)(やは)され、004()(あらた)めて(かみ)御業(みわざ)(つか)(まつ)ることとなつた。005(その)()八岐(やまた)大蛇(をろち)や、006金毛(きんまう)九尾(きうび)悪狐(あくこ)007邪鬼(じやき)008醜女(しこめ)009探女(さぐめ)曲神(まがかみ)暴威(ばうゐ)(たくま)しうする根拠地(こんきよち)なるウラル(さん)()(あつ)まり、010ウラル(ひこ)011ウラル(ひめ)(はじ)め、012部下(ぶか)憑依(ひようい)して(その)心魂(しんこん)益々(ますます)悪化(あくくわ)混濁(こんだく)せしめ体主(たいしゆ)霊従(れいじう)013我利(がり)一遍(いつぺん)行動(かうどう)益々(ますます)(さか)んに(おこな)はしめつつあつたのである。014悪蛇(あくだ)015悪鬼(あくき)016悪狐(あくこ)(とう)曲津(まがつ)(かみ)はウラル(さん)017コーカス(ざん)018アーメニヤの三ケ所(さんかしよ)本城(ほんじやう)(かま)へ、019(こと)にコーカス(ざん)には荘厳(さうごん)美麗(びれい)なる金殿(きんでん)玉楼(ぎよくろう)数多(あまた)()(なら)べ、020ウラル(ひこ)幕下(ばくか)神々(かみがみ)は、021(ここ)(おのおの)根拠(こんきよ)(つく)り、022酒池(しゆち)肉林(にくりん)快楽(くわいらく)(ふけ)り、023贅沢(ぜいたく)(かぎ)りを(つく)し、024天下(てんか)我物顔(わがものがほ)振舞(ふるま)我利(がり)々々(がり)亡者(まうぢや)隠処(かくれが)となつてしまつた。025かかる衣食住(いしよくぢう)(ぜい)(つく)体主(たいしゆ)霊従(れいじう)人種(じんしゆ)(しよう)して、026大気津(おほげつ)(ひめの)(みこと)()ふなり。
027 大気津(おほげつ)(ひめ)一隊(いつたい)は、028山中(さんちゆう)(もつと)風景(ふうけい)()地点(ちてん)(えら)み、029荘厳(さうごん)なる宮殿(きうでん)建設(けんせつ)する()め、030数多(あまた)大工(だいく)(あつ)め、031昼夜(ちうや)全力(ぜんりよく)(つく)して、032宮殿(きうでん)造営(ざうえい)(かか)り、033(やうや)立派(りつぱ)なる神殿(しんでん)落成(らくせい)し、034(いよいよ)神霊(しんれい)鎮祭(ちんさい)する(こと)となりぬ。035流石(さすが)のウラル(ひこ)夫婦(ふうふ)も、036天地(てんち)神明(しんめい)(おそ)れてや()第一(だいいち)国魂(くにたま)(かみ)として、037大地(だいち)霊魂(れいこん)なる金勝要(きんかつかねの)大神(おほかみ)(はじ)め、038大地(だいち)霊力(れいりよく)なる国治立(くにはるたちの)(みこと)(およ)大地(だいち)霊体(れいたい)なる素盞嗚(すさのをの)(みこと)神霊(しんれい)鎮祭(ちんさい)する(こと)となつたのである。039数多(あまた)八王神(やつこすがみ)(きそ)うて(いね)040(むぎ)041(まめ)042(あは)043(きび)(はじ)非時(ときじく)()()044(その)()果物(くだもの)045()(あら)きもの、046(にご)きもの、047鰭広物(はたのひろもの)048鰭狭物(はたのさもの)049沖津(おきつ)藻菜(もは)050辺津(へつ)藻菜(もは)051甘菜(あまな)052辛菜(からな)(いた)るまで、053(ひと)()して(もと)めしめ、054各自(てんで)大宮(おほみや)(まへ)(そな)(たてまつ)(こと)とした。055(この)(みや)顕国(うつしくに)(みや)()ふ。056(この)祭典(さいてん)三日(みつか)三夜(みよさ)(わた)力行(りきかう)された。057数多(あまた)八王神(やつこすがみ)058ヒツコス、059クスの(かみ)(たち)は、060祝意(しゆくい)(へう)する()め、061(さけ)(おぼ)れ、062(あるひ)(うた)ひ、063(あるひ)(をど)()(くる)(さま)064(あたか)狂人(きやうじん)(あつ)まりの(ごと)状態(じやうたい)なりき。
065 顕国(うつしくに)(みや)祭典(さいてん)(はじ)まると(とも)に、066()()はれぬ(おそ)ろしき音響(おんきやう)()てて(うな)(はじ)めたり。067ウラル(ひめ)(まつた)(かみ)()(よろこ)びとして(いさ)み、068酒宴(しゆえん)(ふけ)りつつあつた。069八百(はつぴやく)有余(いうよ)八王神(やつこすがみ)(はじ)め、070幾千万(いくせんまん)のヒツコス、071クスの(かみ)は、
072『サアサアヨイヂヤナイカヨイヂヤナイカ
073()うてもヨイヂヤナイカ
074()いてもヨイヂヤナイカ
075(わら)つてもヨイヂヤナイカ
076(おこ)つてもヨイヂヤナイカ
077()んでもヨイヂヤナイカ
078()けてもヨイヂヤナイカ
079(みや)(うな)つてもヨイヂヤナイカ
080天地(てんち)(かへ)つてもヨイヂヤナイカヨイヂヤナイカ
081(やま)()れてもヨイヂヤナイカヨイヂヤナイカ
082三五教(あななひけう)でもヨイヂヤナイカヨイヂヤナイカ
083ウラル(けう)でもヨイヂヤナイカヨイヂヤナイカ
084(かつ)てもヨイヂヤナイカ
085()けてもヨイヂヤナイカ
086(なん)でもヨイヂヤナイカ
087三日(みつか)のお(まつ)四日(よつか)でも、五日(いつか)でも
088十日(とをか)でもヨイヂヤナイカ
089(ひと)はどうでもヨイヂヤナイカヨイヂヤナイカ
090自分(じぶん)()けよければヨイヂヤナイカヨイヂヤナイカ
091ウラルの(をしへ)三千(さんぜん)世界(せかい)
092一番(いちばん)ヨイヂヤナイカヨイヂヤナイカヨイヂヤナイカ
093ヨイヤサのヨイトサツサ
094()めよ(さわ)げよ一寸先(いつすんさき)(やみ)
095(やみ)(あと)には(つき)()
096(つき)はつきぢやが(うん)()
097()きてもヨイヂヤナイカ
098(ほろ)んでもヨイヂヤナイカ
099(たふ)せばヨイヂヤナイカ
100三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)
101無我(むが)夢中(むちう)になつて、102昼夜(ちうや)(べつ)なく数多(あまた)八王神(やつこすがみ)103ヒツコスやクスの(かみ)()に、104数多(あまた)邪神(じやしん)(うつ)つて(さけ)(まは)る。105八王神(やつこすがみ)綺麗(きれい)(やかた)も、106数多(あまた)のヒツコスに土足(どそく)(まま)()みにじられて(をど)(くる)はれ、107(ふすま)(たふ)れ、108障子(しやうじ)(やぶ)れ、109()(こは)れ、110(ゆか)(おと)され、111敷物(しきもの)(どろ)まぶれ、112着物(きもの)勝手(かつて)気儘(きまま)取出(とりだ)され、113()(つぶ)され、114雪解(ゆきとけ)泥中(どろなか)()(まま)()つて(ころ)げられ、115()(もの)()(あら)され、116(たから)()みにじられ、117(だい)乱痴気(らんちき)(さわ)ぎが(はじ)まつた、118されどもウラル(ひめ)(はじ)数多(あまた)八王神(やつこすがみ)は、119(いづ)れも悪魔(あくま)精神(せいしん)左右(さいう)せられて()るから、120(みんな)()()になつてヒツコス、121クスの(かみ)(とも)()をつなぎ(をど)(くる)ふ。122(かほ)着物(きもの)(どろ)まぶれになつて()る。123顕国(うつしくに)(みや)刻々(こくこく)鳴動(めいどう)(はげ)しくなつて()た。124ウラル(ひめ)(どろ)まぶれの体躯(からだ)()()かず、125(たちま)顕国(うつしくに)(みや)(まへ)(すす)み、
126ウラル(ひめ)『コーカス(ざん)千木(ちぎ)(たか)
127大宮柱(おほみやばしら)(ふと)しりて
128(つか)(まつ)れる(かみ)(みや)
129(うつ)しき(くに)御霊(みたま)たる
130(はや)須佐之男(すさのを)大御神(おほみかみ)
131国治立(くにはるたち)大御神(おほみかみ)
132金勝要(きんかつかね)大神(おほかみ)
133三魂(みたま)永遠(とは)(しづ)まりて
134(かみ)稜威(みいづ)のアーメニヤ
135コーカス(ざん)やウラル(さん)
136ウラルの(ひこ)御教(みをしへ)
137天地(あめつち)四方(よも)(かがや)かし
138(わが)()(まも)何時迄(いつまで)
139(この)()(まも)何時迄(いつまで)
140(うつ)しの(みや)(うな)(ごゑ)
141(さだ)めし(かみ)御心(みこころ)
142(かな)(たま)ひし()しるしか
143日々(ひび)(いや)()(うな)(ごゑ)
144ウラルの(ひめ)功績(いさをし)
145天地(てんち)(かがや)祥兆(しやうてう)
146嗚呼(ああ)有難(ありがた)有難(ありがた)
147天教山(てんけうざん)地教山(ちけうざん)
148黄金山(わうごんざん)万寿山(まんじゆざん)
149()れに(つど)へる曲神(まがかみ)
150(まが)身魂(みたま)(たひら)げて
151ウラルの(かみ)御教(みをしへ)
152(こころ)(そこ)よりまつろはせ
153(あま)(した)をば(おだや)かに
154(まも)らせ(たま)三柱(みはしら)
155(あが)大神(おほかみ)皇神(すめかみ)
156(かみ)稜威(みいづ)(さち)はひて
157(とほ)神世(かみよ)(むかし)より
158(ためし)もあらぬコーカスの
159(やま)(かがや)(うづ)(みや)
160神酒(みき)(みかのへ)(たか)しりて
161(みか)(はら)をば()(なら)
162荒稲(あらしね)和稲(にぎしね)(むぎ)(まめ)
163(ひえ)(きび)蕎麦(そば)種々(くさぐさ)
164甘菜(あまな)辛菜(からな)無花果(いちじゆく)
165()()(もも)果物(くだもの)
166(しし)(ひつじ)(やま)(とり)
167(きじ)(ひよどり)(はと)(すずめ)
168沖津(おきつ)(もも)()辺津(へつ)藻菜(もは)
169種々(くさぐさ)(そな)へし(そな)(もの)
170(こころ)(たひ)らに(やす)らかに
171赤丹(あかに)()にと(きこ)()
172(かみ)(おもて)(あら)はれて
173ウラルの(かみ)御教(みをしへ)
174堅磐(かきは)常盤(ときは)(まも)れかし
175(ぜん)(あく)とを立別(たてわけ)
176(この)()(つく)りし(くに)(おや)
177国治立(くにはるたち)大神(おほかみ)
178(かみ)御前(みまへ)四方(よも)(くに)
179(もも)民草(たみぐさ)(ことごと)
180コーカス(ざん)()(もう)
181ウラルの(かみ)御教(みをしへ)
182(うしほ)(ごと)(つど)()
183(わが)()(さち)(まも)れかし
184アヽ三柱(みはしら)大神(おほかみ)
185アヽ三柱(みはしら)皇神(すめかみ)
186(こころ)(ばか)りの御幣帛(みてぐら)
187(ささ)げて(まつ)るウラル(ひこ)
188ウラルの(ひめ)真心(まごころ)
189()きに()けさせ(たま)へかし
190()きに()けさせ(たま)へかし』
191一生(いつしやう)懸命(けんめい)神前(しんぜん)拝跪(はいき)して(いの)つて()る。192(この)(とき)数多(あまた)八王神(やつこすがみ)193ヒツコス、194クスの(かみ)神殿(しんでん)(うしほ)(ごと)(あつ)まり(きた)り、195(また)もや、
196『ヨイヂヤナイカヨイヂヤナイカヨイヂヤナイカ
197(みや)はどうでもヨイヂヤナイカ
198(さけ)さへ()んだらヨイヂヤナイカ
199()めよ()()一寸先(いつすんさき)(やみ)
200(あと)はどうでもヨイヂヤナイカ
201(やみ)(あと)には(つき)()
202(うん)(つき)でもヨイヂヤナイカ
203この()(つき)でもヨイヂヤナイカ
204ウラルの(ひめ)(どろ)まぶれ
205(わら)うて()るのもヨイヂヤナイカ
206(うへ)でも(した)でもヨイヂヤナイカ
207八王(やつこす)でもビツコスでもヨイヂヤナイカ
208三五教(あななひけう)でもヨイヂヤナイカ
209ウラル(けう)()ててもヨイヂヤナイカ
210(みや)(うな)つてもヨイヂヤナイカ
211(つぶ)れた(ところ)でヨイヂヤナイカ
212(さけ)一番(いちばん)ヨイヂヤナイカ
213ヨイヂヤナイカヨイヂヤナイカヨイヂヤナイカ』
214数千(すうせん)群衆(ぐんしう)口々(くちぐち)()(つぶ)れ、215(どろ)にまぶれ、216上下(じやうげ)区別(くべつ)なく飛廻(とびまは)跳狂(はねくる)(をど)(さわ)いで()る。217かかる(ところ)神殿(しんでん)さして悠然(いうぜん)(あら)はれ()でたる三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)218(まつ)(たけ)(うめ)(はじ)めとし、219石凝姥(いしこりどめの)(かみ)220天之(あめの)目一箇(まひとつの)(かみ)221淤縢山(おどやま)津見(づみの)(かみ)222時置師(ときおかしの)(かみ)223八彦(やつひこの)(かみ)224鴨彦(かもひこの)(かみ)(くち)(そろ)へて、
225(かみ)(おもて)(あら)はれて
226(ぜん)(あく)とを立別(たてわ)ける
227(この)()(つく)りし神直日(かむなほひ)
228(こころ)(ひろ)大直日(おほなほひ)
229(ただ)何事(なにごと)(ひと)()
230直日(なほひ)見直(みなほ)聞直(ききなほ)
231コーカス(ざん)(あつ)まりし
232ウラルの(ひめ)(はじ)めとし
233(もも)八王神(やつこす)、ヒツコスや
234クスの(かみ)まで皇神(すめかみ)
235御水火(みいき)(はや)(よみがへ)
236(しこ)身魂(みたま)立替(たてか)へて
237大気津(おほげつ)(ひめ)曲業(まがわざ)
238直日(なほひ)見直(みなほ)()(なほ)
239(かみ)(われ)()(とも)()
240(しこ)曲津(まがつ)(ほろ)(とき)
241八十(やそ)醜女(しこめ)(ほろ)(とき)
242八岐(やまた)大蛇(をろち)曲鬼(まがおに)
243(しこ)(きつね)千万(ちよろづ)
244(まが)身魂(みたま)皇神(すめかみ)
245(かみ)御前(みまへ)()(いだ)
246(まなこ)(さま)()(ひら)
247(うつ)しの(くに)大宮(おほみや)
248(しづ)まり(たま)三柱(みはしら)
249(かみ)(いか)りは()(あた)
250天地(てんち)(ひび)(うな)(ごゑ)
251(ゑひ)(さま)せや()()ませ
252(むね)(とばり)押開(おしあ)けて
253(そら)(かがや)朝日子(あさひこ)
254()出神(でのかみ)真心(まごころ)
255(かへ)れよ(かへ)諸人(もろびと)
256ウラルの(ひこ)よウラル(ひめ)
257(かみ)(なんぢ)(すく)はむと
258千々(ちぢ)(こころ)(くだ)かせつ
259(われ)()(つか)はし(たま)ふなり
260(われ)()(かみ)(おん)使(つかひ)
261三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)
262宣伝(せんでん)万歌(ばんか)言霊(ことたま)
263(たま)真柱(まはしら)立直(たてなほ)
264(いち)()(はや)立替(たてか)へよ
265身魂(みたま)立替(たてか)立直(たてなほ)
266体主(たいしゆ)霊従(れいじう)立直(たてなほ)
267大気津(おほげつ)(ひめ)(おこな)ひを
268今日(けふ)(かぎ)りに立直(たてなほ)
269(てん)(ふる)()(ゆる)
270(やま)()()()るるとも
271(まこと)(かみ)(まこと)ある
272(なれ)身魂(みたま)(すく)ふらむ
273一日(ひとひ)(はや)(あらた)めよ
274一日(ひとひ)(はや)()(なほ)せ』
275言葉(ことば)(さはや)かに(うた)(をは)つた。276神殿(しんでん)鳴動(めいどう)(この)宣伝歌(せんでんか)(とも)にピタリと()んだ。277ウラル(ひめ)(かみ)(たちま)鬼女(きぢよ)(へん)じ、278(くも)()び、279(かぜ)(おこ)し、280(あめ)()らし四辺(しへん)(やみ)(つつ)み、281八王神(やつこす)282ヒツコス引連(ひきつ)れて、283(あめ)磐船(いはふね)284鳥船(とりふね)(その)()(まか)せ、285アーメニヤ、286ウラルの(やま)()して(くも)(かすみ)()()りたり。287(まつ)(たけ)(うめ)(はじ)宣伝使(せんでんし)一同(いちどう)は、288(あらた)めて神殿(しんでん)祝詞(のりと)奏上(そうじやう)し、289神徳(しんとく)感謝(かんしや)する(をり)しも(この)()(あら)はれた五柱(いつはしら)(かみ)がある。290()れば鬼武彦(おにたけひこ)291勝彦(かつひこ)292秋月姫(あきづきひめ)293深雪姫(みゆきひめ)294橘姫(たちばなひめ)であつた。295(いづ)れも(みな)鬼武彦(おにたけひこ)(ひき)ゐる白狐(びやくこ)化身(けしん)である。296流石(さすが)奸智(かんち)()けたる金毛(きんまう)九尾(きうび)悪狐(あくこ)も、297白狐(びやくこ)鬼武彦(おにたけひこ)298(あさひ)299高倉(たかくら)300月日(つきひ)神力(しんりき)には(かな)はず、301ウラル(ひめ)(とも)(この)()()てて()()つてしまつたのである。
302 (ここ)石凝姥(いしこりどめの)(かみ)303天之(あめの)目一箇(まひとつの)(かみ)304天之(あめの)児屋根(こやねの)(かみ)は、305高倉(たかくら)以下(いか)白狐(びやくこ)(むか)顕国(うつしくに)(みや)(ささ)(まつ)れる(いね)306(むぎ)307(まめ)308(きび)309(あは)()(くは)へしめ、310世界(せかい)各地(かくち)播種(はんしゆ)せしめたり。
311 国治立(くにはるたちの)(みこと)312(かむ)素盞嗚(すさのをの)(みこと)313金勝要(きんかつかね)三柱(みはしら)(まつ)り、314顕国(うつしくに)(みや)(あらた)めて飯成(いひなり)(みや)(とな)へたり。315(みや)鳴動(めいどう)したる理由(りいう)は、316(いづ)れも体主(たいしゆ)霊従(れいじう)(けが)れたる八王神(やつこす)供物(くもつ)なれば、317(かみ)(いか)りて(これ)()けさせ(たま)はざりし()めなり。
318 白狐(びやくこ)五穀(ごこく)()四方(しはう)(くば)り、319世界(せかい)五穀(ごこく)種子(しゆし)播布(はんぷ)したり。320これより以前(いぜん)にも五穀(ごこく)各地(かくち)(みの)れども、321(いま)此処(ここ)(そな)へられたる五穀(ごこく)種子(しゆし)(すぐ)れて()(もの)なりし(ゆゑ)なり。
322 (いま)()(いた)るまで白狐(びやくこ)稲荷(いなり)(かみ)()ふは(この)()(もとづ)くものと()るべし。
323大正一一・三・三 旧二・五 谷村真友録)
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