霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一七章 大気津(おほげつ)(ひめ)(だん)(三)〔四八四〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第11巻 霊主体従 戌の巻 篇:第3篇 言霊解 よみ(新仮名遣い):ことたまかい
章:第17章 大気津姫の段(三) よみ(新仮名遣い):おおげつひめのだん(三) 通し章番号:484
口述日:1920(大正9)年01月17日(旧11月27日) 口述場所: 筆録者:谷村真友[#講演筆録] 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年9月10日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
素尊が大気津姫を殺した段は、大神の御法則に違反していた衣食住の方法を、根本的に改められた、ということである。
殺された大気津姫の頭に蚕が生ったということは、天地経綸の大道に奉仕する政治が行われた、ということである。
二つの目に稲種が生った、というのは、社会の上下階級という「二つの目」に、穀食がなされ、正食に還ったということである。
また宗教家であれば、顕幽一本の真理を達観して、万民を教化するに到ることを言うのである。
二つの耳に粟生り、というのは、耳とは生産機関のことである。粟生りとは、物質、霊界ともに円満に発達した、ということである。
鼻に小豆生り、というのは華美な衣服を改め、実務に適した制服を定めた、ということである。
陰に麦生り、とは、西洋は西に位置し、陰の位置にあるため、陰の穀物である麦を食する、という意味である。尻に豆生り、というのは、日本でも北海道のような寒い地方は、脂肪が豊富な豆を食する必要がある、ということである。
そして、これらの素尊の衣食改革のご提案を、神産巣日御祖神がただちに採用された、というのである。これらの素尊のご提案をもとに、天地改良の神策を樹立されたのである。
人間は、この天則に反して暴飲暴食するときは、神の宮居である身体を損なうことになるので、日々の食物には気をつけるべきである。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2021-06-11 18:44:13 OBC :rm1117
愛善世界社版:160頁 八幡書店版:第2輯 570頁 修補版: 校定版:161頁 普及版:69頁 初版: ページ備考:
初出[?]この文献の初出または底本となったと思われる文献です。[×閉じる]神霊界 > 大正10年2月1日号(第134号)【出口王仁三郎執筆】 > 皇典と現代(五)
派生[?]この文献を底本として書かれたと思われる文献です。[×閉じる]出口王仁三郎著作集 > 第二巻「変革と平和」 > 第三部 『霊界物語』の思想 > 大気津姫の段
001 『(かれ)(ころ)さえたまへる(かみ)()()れる(もの)は、002(かしら)(かひこ)()り、003(ふた)つの()稲種(いなだね)()り、004(ふた)つの(みみ)(あは)()り、005(はな)小豆(あづき)()り、006(ほと)(むぎ)()り、007(しり)大豆(まめ)()りき。008故是(かれここ)に、009神産(かむみ)巣日(むすびの)御祖(みおやの)(みこと)(これ)()らしめて、010(たね)()(たま)ひき』
011 『(ころ)さえたまへる』と()(こと)は、012大神(おほかみ)()法則(ほふそく)違反(ゐはん)せる、013汚穢(をゑ)なる衣食住(いしよくぢう)方法(はうはふ)根本(こんぽん)(てき)撤廃(てつぱい)せられたと()意義(いぎ)であります。
014 『(かみ)()()れる(もの)(かしら)(かひこ)()り』と()(こと)は、015(かしら)(すべ)国民(こくみん)(うへ)()治者(ちしや)(いひ)である。016(かひこ)言霊学(ことたまがく)(じやう)
017 は、018(かぶ)せ、019()活用(くわつよう)であつて衣服(いふく)意味(いみ)する、020また(ひかり)(かがや)き、021()(あきら)けく、022気体(きたい)透明(とうめい)言義(げんぎ)である。
023 ()(したが)()(なり)024()(そく)して(うご)かす(なり)025これも衣服(いふく)活用(くわつよう)である。
026 天津誠(あまつまこと)脳髄(なうずゐ)であり、027()活用(くわつよう)である。028(ゆゑ)万民(ばんみん)(うへ)()つべき役員(やくゐん)は、029第一(だいいち)(かひこ)(ごと)(その)()(むな)しうし、030犠牲(ぎせい)となつて国家(こくか)()めに(つく)さねばならぬ。
031 天理(てんり)人道(じんだう)(あきら)かにし、032神智(しんち)神識(しんしき)感受(かんじゆ)し、033(もつ)(かみ)一天(いつてん)万乗(ばんじやう)大君(おほきみ)純忠(じゆんちう)至誠(しせい)(ささ)げ、034(しも)人民(じんみん)愛撫(あいぶ)し、035(もつ)天津誠(あまつまこと)実行者(じつかうしや)たるの覚悟(かくご)()ち、036政治(せいぢ)完全(くわんぜん)無欠(むけつ)037錦繍(きんしう)綾羅(れうら)神機(しんき)織出(おりだ)すてふ、038天下(てんか)経綸(けいりん)大道(だいだう)奉仕(ほうし)するに(いた)瑞祥(ずゐしやう)世態(せたい)(しよう)して、039(かしら)(かひこ)()り』と()ふのであります。
040 『(ふた)つの()稲種(いなだね)()り』と()(こと)は、041()正中(せいちゆう)(つかさ)どるものである。042世界(せかい)一切(いつさい)見極(みきは)め、043善悪(ぜんあく)美醜(びしう)判明(はんめい)する神機(しんき)である。044(ふた)つの()とは左右(さいう)両眼(りやうがん)意義(いぎ)で、045(ひだり)(かみ)代表(だいへう)し、046(みぎ)(しも)代表(だいへう)する()である。047万有(ばんいう)一切(いつさい)(みな)この()()いものはない。048(しか)るに上流(じやうりう)社会(しやくわい)上流(じやうりう)のみの(こと)()り、049下流(かりう)社会(しやくわい)下流(かりう)のみの(こと)より()ないとすれば、050所謂(いはゆる)片目(かため)である。051現代(げんだい)大抵(たいてい)(みな)片目(かため)政治家(せいぢか)教育家(けういくか)(ばか)りであつて、052(ふた)つの()活用(くわつよう)()りないので、053天下(てんか)益々(ますます)無明(むみやう)054暗黒(あんこく)055常暗(とこやみ)となつて()るのである。056また顕幽(けんいう)両界(りやうかい)達観(たつくわん)()(ひと)は、057所謂(いはゆる)(ふた)つの()()るのであります。
058 稲種(いなだね)
059 成就(なりな)言霊(ことたま)で、060(だい)金剛力(こんがうりき)であり、061(もとゐ)である。
062 万物(ばんぶつ)()(すぶ)言霊(ことたま)にして、063()行届(ゆきとど)(こと)である。
064 イナはまたイネ()ひ、065五穀(ごこく)(しゆ)であり、066()である。067イネの霊返(たまかへ)しは()となる、068また(こめ)(かへ)しはとなる。069大気津(おほげつ)(ひめ)()である。070またよねとも()ふ。071よね(かへ)しもまた()であり、072(かて)(かへ)しはとなる。073(ひと)()夜分(やぶん)()るを(もつ)夜寝(よね)校定版・八幡版ではここに括弧書きで((よね))という文字を入れている。()ひ、074(いね)るを(もつ)て、075(いね)校定版・八幡版ではここに括弧書きで((いね))という文字を入れている。ると()ふ。076(ひと)()()(かたち)(せう)なるが(ゆゑ)に、077小目(こめ)(こめ))と()ふのも、078言霊学(げんれいがく)(じやう)面白(おもしろ)解釈(かいしやく)である。
079 (すべ)穀食(こくしよく)()(とき)は、080心血(しんけつ)自然(しぜん)(きよ)まりて、081(あきら)けく、082(さと)く、083顕幽(けんいう)達観(たつくわん)し、084上下(しやうか)洞察(どうさつ)し、085(もつ)天下(てんか)趨勢(すうせい)知悉(ちしつ)()るのである。086(ゆゑ)万民(ばんみん)(かしら)()つべき治者(ちしや)は、087心血(しんけつ)(きよ)め、088神智(しんち)(そな)へて、089天下(てんか)(のぞ)まねばならぬのである。090()原理(げんり)天則(てんそく)が、091(かしら)()人々(ひとびと)(わか)つて()て、092汚穢(をゑ)(しよく)(はい)皇国(くわうこく)固有(こいう)正食(せいしよく)(あらた)め、093(もつ)善政(ぜんせい)良治(りやうぢ)()くに(いた)(こと)を、094(ふた)つの()稲種(いなだね)()り』と()ふのであります。
095 また宗教家(しうけうか)なれば、096第一(だいいち)顕幽(けんいう)一本(いつぽん)真理(しんり)達観(たつくわん)して、097生死(せいし)往来(わうらい)神機(しんき)知悉(ちしつ)し、098万民(ばんみん)教化(けうくわ)するに(いた)りたるを『(ふた)つの()稲種(いなだね)()り』と()ふのであります。099顕幽(けんいう)一致(いつち)100上下(しやうか)合一(がふいつ)101陰陽(いんやう)和合(わがふ)102君民(くんみん)和平(わへい)103内外(ないぐわい)親睦(しんぼく)104神人(しんじん)合一(がふいつ)境地(きやうち)()れる真相(しんさう)(しよう)して、105また『(ふた)つの()稲種(いなだね)()り』と()(こと)出来(でき)るのであります。
106 『(ふた)つの(みみ)(あは)()り』と()(こと)は、107(ふた)つは(まへ)()べた(とほ)り、108左右(さいう)意義(いぎ)であり、109(ひだり)上流(じやうりう)110(みぎ)下流(かりう)社会(しやくわい)なる(こと)勿論(もちろん)である。111(みみ)言霊(ことたま)(つま)りはである。112農工商(のうこうしやう)三種(さんしゆ)であり、113実業(じつげふ)であり、114形体(けいたい)具足(ぐそく)言義(げんぎ)であり、115身体(しんたい)である。116(えう)するに、117一切(いつさい)生産(せいさん)機関(きくわん)総称(そうしよう)して(みみ)()ふのである。118(ゆゑ)(ひだり)資本家(しほんか)や、119大地主(おほぢぬし)意味(いみ)し、120(みぎ)(みみ)労働者(らうどうしや)や、121小作人(こさくにん)意味(いみ)するのである。122また(みみ)一方(いつぱう)よりその活用(くわつよう)調(しら)ぶる(とき)キク()(こと)主眼(しゆがん)である。123()()く、124(みみ)()く、125()()く、126(はな)()く、127(くち)()く、128(はら)()く、129(した)(さけ)()く、130(こし)()く、131これを()(みみ)()ふのである。132また霊的(れいてき)方面(はうめん)(おい)ても同一(どういつ)に、133神眼(しんがん)134神耳(しんじ)135天言(てんげん)(とう)やはり八ツ耳(やつみみ)である。136(かく)(ごと)霊体(れいたい)(とも)完全(くわんぜん)無欠(むけつ)なる、137幽顕(いうけん)十六耳(じふろくみみ)意義(いぎ)()りて十六菊(じふろくきく)()紋章(もんしやう)制定(せいてい)されたのは(もつと)深遠(しんゑん)なる御慮(みこころ)()()します(ところ)である。138(かみ)八井耳(やゐみみの)(みこと)139(ひこ)八井耳(やゐみみの)(みこと)140忍穂耳(おしほみみの)(みこと)141または聖徳(しやうとく)太子(たいし)()(みみの)(みこと)(まを)すなぞは、142みな前述(ぜんじゆつ)意義(いぎ)から、143名付(なづ)けられたものであります。
144 『(あは)()り』の
145 言霊(ことたま)大物主(おほものぬし)であります、146()であり、147顕体(けんたい)であり、148大本(たいほん)である。
149 言霊(ことたま)は、150()(ひら)(なり)151花実(くわじつ)(なり)152数多(かずおほ)(なり)活用(くわつよう)である。
153 (えう)するに『(あは)()りき』と()意義(いぎ)は、154物質(ぶつしつ)155霊界(れいかい)(とも)円満(ゑんまん)発達(はつたつ)し、156国利(こくり)民福(みんぷく)招来(せうらい)し、157鼓腹(こふく)撃壤(げきじやう)聖代(せいだい)の、158出現(しゆつげん)せし(こと)であります。159()神諭(しんゆ)に、
160(いま)人民(じんみん)(めくら)(つんぼ)(ばか)りであるから、161何程(なにほど)結構(けつこう)(まこと)()て、162()(まへ)突出(つきだ)してやりても(ひと)つも()えず、163一寸先(いつすんさき)(しん)(やみ)であるぞよ。164(かみ)世界(せかい)()(いた)して、165上下(かみしも)(そろ)へて人民(じんみん)(よろこ)ばして安楽(らく)神世(かみよ)(いた)して、166(はな)()かし、167()(むす)ばして、168(まつ)()169五六七(みろく)神世(かみよ)立直(たてなほ)して()らうと(おも)うて、170明治(めいぢ)二十五(にじふご)(ねん)から、171色々(いろいろ)(まを)して、172()ばはりて()かしても、173(みみ)(たこ)()りてをるから、174狂婆(きちがひばば)(なに)(ぬか)すと(まを)して、175(わが)()足下(あしもと)に、176()()えて()()りても、177()つとも(みみ)()れぬが、178()()じやれよ、179(いま)(めくら)()()き、180(つんぼ)(みみ)(きこ)える(やう)()りて()るが、181さうなりてから、182(にはか)周章(あわて)(かみ)(まを)(こと)()()()りても、183モウ()(あは)ぬぞよ。184()くなら(いま)(うち)()いて()かぬと、185(あと)後悔(こうくわい)()()はぬぞよ、186()(はな)()かぬ()うな、187(むご)(こと)(いま)()()るが、188(かみ)(まを)(まこと)警告(しらせ)()人民(じんみん)は、189世界(せかい)にないぞよ、190(こま)つたものであるなれど、191(これ)()いて()かして、192(みみ)()れさして()かねば、193(かみ)(やく)()まぬから、194(いや)になる(ところ)まで、195クドウ()()けるから(みみ)(あな)()掃除(さうぢ)(いた)しておくが()いぞよ』云々(うんぬん)
196とあるのは、197(みみ)(あは)()()でしめむとの、198(かみ)(さま)(ふか)思召(おぼしめ)しであります。
199 『(はな)小豆(あづき)()り』と()(こと)華美(くわび)なる衣服(いふく)(あらた)め、200実務(じつむ)(てき)する制服(せいふく)改定(かいてい)されると()(こと)である。201大臣(だいじん)大臣(だいじん)服装(ふくさう)202小臣(せうしん)小臣(せうしん)203神職(しんしよく)神職(しんしよく)204僧侶(そうりよ)僧侶(そうりよ)205軍人(ぐんじん)軍人(ぐんじん)206農工商(のうこうしやう)農工商(のうこうしやう)制服(せいふく)(さだ)め、207主人(しゆじん)主人(しゆじん)208僕婢(ぼくひ)僕婢(ぼくひ)制服(せいふく)一定(いつてい)し、209一見(いつけん)してその官吏(くわんり)たり、210宗教家(しうけうか)たり、211農夫(のうふ)たり、212主人(しゆじん)たり僕婢(ぼくひ)たり、213労働者(らうどうしや)たる(こと)の、214弁別(べんべつ)(やす)服装(ふくさう)制定(せいてい)さるる(こと)を『(はな)小豆(あづき)()り』と()ふのであります。215現代(げんだい)(ごと)服制(ふくせい)厳格(げんかく)なる定規(ていき)なく、216神職(しんしよく)僧侶(そうりよ)なぞが洋服(やうふく)着用(ちやくよう)したり、217僕婢(ぼくひ)紋附(もんつき)羽織(はおり)着流(きなが)し、218(きぬ)足袋(たび)穿(うが)大道(だいだう)(はばか)らず濶歩(くわつぽ)するが(ごと)きは、219(じつ)不真面目(ふまじめ)(いた)りにして、220亡国(ばうこく)(いん)となるのである。221アヅキ(ひか)(かがや)(こと)で、222照妙(てるたえ)223和妙(にぎたえ)なぞの、224高貴(かうき)なる織物(おりもの)であります。225顕誉(けんよ)地位(ちゐ)()真人(しんじん)である。226(ゆゑ)大臣(だいじん)とか、227神官(しんくわん)神職(しんしよく)とかの、228着用(ちやくよう)すべき衣服(いふく)である、229その()臣民(しんみん)着用(ちやくよう)すべきものでないのだ。230絹物(きぬもの)()ぬもの(なり)との滑稽語(こつけいご)は、231実際(じつさい)(いまし)めとして服膺(ふくよう)すべき言葉(ことば)である。232アヅキヅキ()キと()(こと)であつて、233治者(ちしや)たる大臣(だいじん)高官(かうくわん)および神官(しんくわん)神職(しんしよく)(かぎ)りて着用(ちやくよう)すべきものであると()(こと)を、234決定(けつてい)されたのを『(はな)小豆(あづき)()り』と()ふのであります。235(はな)人体(じんたい)()つては呼吸(いき)関門(くわんもん)であつて、236人民(じんみん)生息(せいそく)主要点(しゆえうてん)である。237(ゆゑ)一国(いつこく)安危(あんき)背負(せお)つて()てる国家(こくか)重臣(ぢゆうしん)(はな)()ふのである。238神諭(しんゆ)にも、
239()(こと)成就(じやうじゆ)(いた)したら、240(うしとら)金神(こんじん)(はな)は、241カラ天竺(てんじく)(おろか)242(てん)まで(はな)(とど)くぞよ』
243予告(よこく)されてあるのも、244世人(せじん)尊重(そんちよう)畏服(ゐふく)するとの神意(しんい)である。245世俗(せぞく)(ひと)つの功名(こうみやう)手柄(てがら)(あら)はしたる(とき)(おい)て、246(はな)(たか)うなると()ふのも(ひと)(うへ)卓絶(たくぜつ)したる意義(いぎ)である。247今日(こんにち)のやうに国家(こくか)重臣(ぢゆうしん)や、248清浄(せいじやう)なる神明(しんめい)奉仕(ほうし)する神官(しんくわん)()が、249小豆(あづき)着用(ちやくよう)せずして、250獣畜(じうちく)毛皮(けがは)(もつ)(つく)れる、251衣服(いふく)着用(ちやくよう)するなぞは、252(じつ)天則(てんそく)違反(ゐはん)行為(かうゐ)であります。
253 『(ほと)(むぎ)()り』と()(こと)は、254西洋人(せいやうじん)(むぎ)常食(じやうしよく)とすると()意義(いぎ)であります。255日本(にほん)(および)(その)()東洋(とうやう)諸国(しよこく)(やう)位置(ゐち)にある国土(こくど)であるから、256陽性(やうせい)食物(しよくもつ)たる(こめ)常食(じやうしよく)とするのが、257国土(こくど)自然(しぜん)道理(だうり)である。258西洋(せいやう)(いん)位置(ゐち)にある国土(こくど)であるから陰性(いんせい)食物(しよくもつ)たる(むぎ)常食(じやうしよく)とするのが国土(こくど)自然(しぜん)道理(だうり)である。259(ゆゑ)西洋人(せいやうじん)(むぎ)(つく)つたパンを()ひ、260東洋人(とうやうじん)(こと)日本人(にほんじん)米食(べいしよく)をするのが天賦(てんぷ)本性(ほんせい)である。261(しか)るに、262今日(こんにち)日本人(にほんじん)上流(じやうりう)()るほど西洋(せいやう)崇拝者(すうはいしや)(おほ)(あら)はれ、263文明人(ぶんめいじん)らしき顔付(かほつき)をして、264自慢(じまん)でパンに牛酪(ぎうらく)なぞを()けて無味(まづい)ものを美味(うま)さうに、265平気(へいき)()つて()るが、266(むぎ)日本(にほん)では、267牛馬(うしうま)()ふべき(もの)決定(きま)つて()るのである。268(ゆゑ)日本人(にほんじん)(こめ)()ひ、269陰所(いんしよ)たる西洋(せいやう)(うま)れた人種(じんしゆ)は、270(むぎ)()ふことに()るのが『陰所(ほと)(むぎ)()り』と()ふのであります。
271 『(しり)大豆(まめ)()りき』と()(こと)は、272(おな)日本国(にほんこく)でも北海道(ほくかいだう)などは、273日本国(にほんこく)(しり)である。274大豆(まめ)脂肪(しばう)()んだ植物(しよくぶつ)であるから、275(さむ)(くに)人間(にんげん)は、276如何(どう)しても大豆類(まめるゐ)(しよく)する必要(ひつえう)がある。277大豆(まめ)()つて()れば、278(さむ)(くに)でも健康(けんかう)(がい)すると()()うな(こと)はない。279(しか)(これ)大豆(まめ)(ばか)()ふと()意味(いみ)では()い。280(こめ)(こん)じたり(あるひ)(あぶ)つたり、281粉末(ふんまつ)にして()へば()いのである。282北海道(ほくかいだう)後志(しりべし)()国名(こくめい)のあるのも(しり)意味(いみ)であります。283筑後(ちくご)(くに)ミチノシリ()むのも、284(くに)(はし)()意味(いみ)である。285(えう)するに、286()(だん)古事記(こじき)()本文(ほんもん)は、287第一(だいいち)各自(かくじ)国土(こくど)(おう)じたる食制(しよくせい)を、288神界(しんかい)より(さだ)(たま)うたのであります。
289 『(かれ)290(ここ)神産(かむみ)巣日(むすびの)御祖(みおやの)(みこと)291(ここ)()らしめて、292(たね)()(たま)ひき』高御(たかみ)産巣日(むすびの)御祖(みおやの)(かみ)霊系(れいけい)祖神(おやがみ)であり、293神産(かむみ)巣日(むすびの)御祖(みおやの)(かみ)は、294物質界(ぶつしつかい)体系(たいけい)祖神(おやがみ)である。295(ここ)()らして』と()(こと)は、296前記(ぜんき)()本文(ほんもん)()食制(しよくせい)を、297採用(さいよう)されてと()(こと)で、298素盞嗚(すさのをの)(みこと)食物(しよくもつ)(くわん)する()定案(ていあん)を、299(ただち)()採用(さいよう)(あそ)ばした(こと)であります。300(たね)()(たま)ひき』と()(こと)は、301この食制(しよくせい)(もとゐ)として、302天地(てんち)改良(かいりやう)神策(しんさく)樹立(じゆりつ)(たま)うたと()(こと)であります。303(ゆゑ)人間(にんげん)()天則(てんそく)違反(ゐはん)して、304暴食(ばうしよく)する(とき)大切(たいせつ)なる(かみ)宮居(みやゐ)たる身体(しんたい)毀損(きそん)するやうな(こと)になつて、305天寿(てんじゆ)(まつた)うする(こと)出来(でき)ぬやうに()るのであるから、306人間(にんげん)日々(にちにち)食物(しよくもつ)には、307充分(じうぶん)注意(ちうい)(はら)()きものであります。
308大正九・一・一七 講演筆録 谷村真友
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