霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第六章 招待(せうたい)〔五〇二〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第12巻 霊主体従 亥の巻 篇:第1篇 天岩戸開(一) よみ(新仮名遣い):あまのいわとびらき(一)
章:第6章 招待 よみ(新仮名遣い):しょうたい 通し章番号:502
口述日:1922(大正11)年03月06日(旧02月08日) 口述場所: 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年9月30日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
宣伝使一行は、酋長・夏山彦の饗応を受けた。
蚊取別が滑稽な宣伝歌を歌って場をにぎわす。後からその場にやってきた初公も、自分の改心を読み込んだ宣伝歌を歌う。その様子のおかしさに、一同は笑い転げた。
一行は夏山彦に別れを告げて、白瀬川の悪魔を言向け和しに出立した。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2020-11-13 17:17:50 OBC :rm1206
愛善世界社版:48頁 八幡書店版:第2輯 643頁 修補版: 校定版:50頁 普及版:20頁 初版: ページ備考:
001 ()(にん)宣伝使(せんでんし)夏山彦(なつやまひこ)案内(あんない)()(おく)()(せう)ぜられ、002()もなく鄭重(ていちよう)なる馳走(ちそう)(はこ)ばれた。003夏山彦(なつやまひこ)(うやうや)しく一同(いちどう)(まへ)(あら)はれ()たり、
004夏山彦貴方(あなた)がたは()(しん)ずる三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)(さま)005かかる見苦(みぐる)しき荒家(あばらや)を、006よくもお(たづ)(くだ)さいました。007何卒(なにとぞ)ゆつくりと御飯(ごはん)()(あが)つて、008(はなし)()かして(くだ)さいませ』
009蚊取別(かとりわけ)『ヤアこれはこれは、010(おも)ひがけなき()馳走(ちそう)011(おそ)()つてござる。012その(おそ)()つた(ついで)には昨夜(さくや)国魂(くにたま)(もり)騒動(さうだう)013貴方(あなた)随分(ずゐぶん)(おそ)()つたやうな為体(ていたらく)(しり)()をかけ、014サツサと四十八(しじふはつ)()(おく)()()してお(かへ)りになりましたな。015ああいふ乱暴(らんばう)(さけ)(ゑひ)相手(あひて)にしても(つま)りませぬ。016サツサと()げるが一番(いちばん)(かしこ)いやり(かた)(まけ)てのく(ひと)(よわ)しと(おも)ふなよ、017智慧(ちゑ)(ちから)(つよ)ければなり」だ。018アハヽヽヽヽ』
019夏山彦(なつやまひこ)昨夜(さくや)町内(ちやうない)(もの)が、020あまり()陽気(やうき)(わる)いので、021難儀(なんぎ)(いた)して()りますので、022これは(なに)かお天道(てんだう)(さま)のお(しか)りを()けて()るのであらうと(おも)ひ、023神酒(みき)(こと)()せて、024国魂(くにたま)宮様(みやさま)にお(まゐ)りをさし、025(すこ)しでも敬神(けいしん)(ねん)(おこ)させようと(おも)つて(にはか)布令(ふれい)(まは)し、026この(まち)富豪(ふがう)春公(はるこう)()(をとこ)(さけ)献納(けんなふ)させて祭典(さいてん)(いとな)みました。027(いま)人間(にんげん)(かみ)(さま)(まゐ)れと()うたところが、028(まゐ)るものは一人(ひとり)もありませぬ。029(さけ)()まれると()ふので(みな)やつて()たのですよ。030本当(ほんたう)(こま)つたものです。031(みな)八岐(やまた)大蛇(をろち)とか、032金毛(きんまう)九尾(きうび)(きつね)とかの悪神(あくがみ)捕虜(とりこ)となつて仕舞(しま)つて()るのですから、033始末(しまつ)()へないのです。034(さけ)()めば(くだ)()(ねつ)()く、035(おこ)る、036(あば)れる、037喧嘩(けんくわ)をする、038いやもう酋長(しうちやう)(やく)(ほね)()れたものです』
039高光彦(たかてるひこ)『これだけ悪魔(あくま)(はびこ)()(なか)にもかかはらず、040酋長(しうちやう)貴方(あなた)(かみ)(さま)信仰(しんかう)されると()(こと)()きまして余程(よほど)我々(われわれ)心強(こころづよ)くなりました。041こんな常闇(とこやみ)()(なか)になつて()たら到底(たうてい)人間(にんげん)(ちから)でどうする(こと)出来(でき)ませぬ。042(かみ)(さま)のお(ちから)()りるより(みち)はありますまい』
043夏山彦(なつやまひこ)(あふ)せの(とほ)りです。044しかし(こま)つた(こと)には筑紫(つくし)(しま)(とよ)(くに)(なが)れる白瀬川(しらせがは)()つの(たき)大変(たいへん)悪魔(あくま)(あら)はれて、045其処(そこ)から黒雲(くろくも)(おこ)妖気(えうき)()て、046数多(あまた)人民(じんみん)(くる)しめます。047どうかして(これ)言向(ことむ)(やは)したいものですが、048我々(われわれ)(ちから)には到底(たうてい)およばないと断念(だんねん)して、049(いち)(にち)(はや)神力(しんりき)(つよ)宣伝使(せんでんし)がお(いで)になつて言向(ことむ)(やは)して(くだ)さるやうと、050(あさ)(ゆふ)(かみ)(さま)(いの)つて()ました。051その甲斐(かひ)あつて今日(けふ)結構(けつこう)宣伝使(せんでんし)が、052しかも()(にん)()れ、053この荒家(あばらや)にお()(くだ)さつたのは、054(まつた)(かみ)(さま)(たふと)()(めぐ)み』
055()ひながら落涙(らくるゐ)(むせ)ぶ。
056高光彦(たかてるひこ)『ともかく悪魔(あくま)退治(たいぢ)前祝(まへいは)ひとして一同(いちどう)()(そろ)うて宣伝歌(せんでんか)(うた)ひませう。057サアサア蚊取別(かとりわけ)さま貴方(あなた)から(うた)つて(くだ)さい』
058蚊取別(かとりわけ)『よろしい、059あまり(わたくし)(こゑ)(きこ)(すぎ)るので悪魔(あくま)(たき)から()げると(こま)るから、060まづ三等(さんとう)(くらゐ)(こゑ)()して(うた)つて()ませう。061貴方(あなた)がたは本当(ほんたう)(わたくし)言霊(ことたま)()いた(こと)はありますまいが、062上中下(じやうちうげ)三段(さんだん)言霊(ことたま)(つか)()け、063マア一番(いちばん)安価(やすい)ところで(ねが)ひませうかい。064アハヽヽヽヽ』
065一人(ひとり)(わら)ひながら元気(げんき)よく()(あが)り、066(すこ)(ひく)(こゑ)で、
067蚊取別三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)
068高光(たかてる)玉光(たまてる)国光(くにてる)
069(かみ)(つかさ)蚊取別(かとりわけ)
070三人(みたり)四人(よつたり)四柱(よはしら)
071(この)()(はしら)(あら)はれた
072神力(しんりき)(つよ)宣伝使(せんでんし)
073(なか)()()蚊取別(かとりわけ)
074(かみ)(みこと)(あめ)(した)
075四方(よも)国々(くにぐに)かけ(めぐ)
076(かみ)(つかさ)(ぬき)んでて
077姿(すがた)(すぐ)れた(くろ)(かほ)
078(あたま)(すぐ)れてよく(ひか)
079こんな(かほ)でも女房(にようばう)
080人並(ひとなみ)(すぐ)れて(うつく)しい
081天女(てんによ)のやうな祝姫(はふりひめ)
082高光彦(たかてるひこ)『モシモシ蚊取別(かとりわけ)さま、083そんな宣伝歌(せんでんか)がありますか、084(おく)さまのお(のろ)けは()めて(もら)ひませうかい』
085蚊取別(かとりわけ)『ヤア、086あまり堅苦(かたくる)しい(こと)()ふと(かた)()る。087マア一寸(ちよつと)愛想(あいさう)白瀬川(しらせがは)悪魔(あくま)誤魔化(ごまくわ)すために(うた)つて()たのです。088肝腎要(かんじんかなめ)宣伝歌(せんでんか)正念場(しやうねんば)にならぬと()せませぬ。089それよりも高光(たかてる)さま、090貴方(あなた)()()上等(じやうとう)言霊(ことたま)()して(うた)つて(くだ)さいナ』
091 初公(はつこう)は、092ヌツ(この)()(あら)はれ(きた)り、
093初公(はつこう)『ヤア(みな)さま、094遅刻(ちこく)(いた)しました。095遅刻(ちこく)した罰金(ばつきん)ホヤホヤ宣伝使(せんでんし)(ひと)(うた)はして(くだ)さいませぬか』
096高光彦(たかてるひこ)『ヤアよい(ところ)(たす)(ぶね)()た。097(はつ)さまどうぞ(たの)みます』
098初公(はつこう)宣伝歌(せんでんか)今日(けふ)本当(ほんたう)(はつ)ですから彼方(あちら)はつ此方(こちら)はつはつはつするやうな(こと)()ふかも()れませぬ。099(ぜん)もつて(わん)もつて(はし)もつてお(ことわ)(まを)して()きます』
100蚊取別(かとりわけ)『コラコラ脱線(だつせん)するな。101(すぐ)()(こと)()ふから(こま)る。102ちと真面目(まじめ)にならぬか』
103初公(はつこう)『ハイハイ、104(たしか)承知(しようち)(つかまつ)りまして御座(ござ)いますで御座(ござ)いまするで御座(ござ)います』
105蚊取別(かとりわけ)『アハヽヽヽ、106まする、107ますると、108ますます可笑(おか)しい胡魔(ごま)する(をとこ)だなア』
109初公(はつこう)(はつ)にお()きに(たつ)しまする宣伝歌(せんでんか)()は、110まづもつて()(とほ)りで御座(ござ)いまする。111
112初公『イホの(みやこ)主宰神(つかさがみ)
113夏山彦(なつやまひこ)酋長(しうちやう)
114(ひと)(あたま)春公(はるこう)
115(とも)(まゐ)つた(かみ)(まへ)
116(どぜう)のやうに(ひと)()
117(さけ)(ころ)そと(うま)くない
118(さけ)をどつさり()つて()
119()めよ(さわ)げよ(うた)へよ()へよ
120()うて(くだ)まけ改心(かいしん)せいと
121(なに)()ふやら(わか)らない
122(まち)(やつ)()(ごふ)()やし
123()くやら(わら)ふやら(おこ)るやら
124()んだり()ねたり()(くる)
125(ゑひ)(まは)つてそろそろと
126(ひと)(あたま)春公(はるこう)
127(こめ)()せと強請(ねだ)つたら
128(なん)ぢやかんぢやと(かぶり)ふる
129此処(ここ)()()蚊取別(かとりわけ)
130(しぶ)かみさまのやうな(かほ)
131服装(なり)似合(にあは)ぬよい(こゑ)
132(うた)(うた)つて面白(おもしろ)
133両手(りやうて)()むで指先(ゆびさき)
134ウンと一声(ひとこゑ)(はつ)さまも
135(まち)(やつ)()一時(いつとき)
136化石(くわせき)のやうな(たま)(しば)
137これや(たま)らぬと各自(めいめい)
138()をむき(はな)をむくひまに
139夏山彦(なつやまひこ)酋長(しうちやう)
140春公(はるこう)(やつ)()んで()
141サア仕舞(しま)つたと(おも)ふうち
142この(さん)(にん)(あら)はれて
143ウンとも()はず蚊取別(かとりわけ)
144(みな)(からだ)をぐにやぐにやに
145(もと)(かへ)して()れた(ゆゑ)
146(この)(はつ)さまも(おどろ)いて
147()(にん)(かた)(とも)となり
148(やうや)此処(ここ)へやつて()
149サアこれからはこれからは
150(かみ)神力(しんりき)()()けて
151白瀬(しらせ)(かは)()(だき)
152(さや)魔神(まがみ)(ことごと)
153天地(てんち)(かみ)言霊(ことたま)
154伊吹(いぶき)(はら)うて()(なか)
155(くも)りや(ちり)()(きよ)
156(あま)岩戸(いはと)押開(おしひら)
157いかい手柄(てがら)をたててやろ
158これが初公(はつこう)第一(だいいち)
159後前(あとさき)にない(たの)しみぢや
160(かみ)(おもて)(あら)はれて
161(ぜん)(あく)とを()()ける
162(この)()(つく)りし神直日(かむなほひ)
163御霊(みたま)(ひろ)大直日(おほなほひ)
164直日(なほひ)(かみ)御教(みをしへ)
165如何(いか)なる(あく)曲神(まがかみ)
166()いたら往生(わうじやう)せにや()まぬ
167サアこれからはこれからは
168()いて()いて()(まく)
169天地(てんち)(きよ)めて(かみ)()
170(はじ)めて()ます(はつ)さまの
171行末(ゆくすゑ)こそは(たの)もしい
172行末(ゆくすゑ)こそは(たの)もしい
173七十五(しちじふご)(メートル)(かぜ)じやもの』
174 一同(いちどう)初公(はつこう)()つきの可笑(をか)しさに(はら)(かか)へて(わら)ひこける。
175 宣伝使(せんでんし)一行(いつかう)初公(はつこう)(したが)へ、176夏山彦(なつやまひこ)(わか)れを()げ、177白瀬川(しらせがは)(いち)(たき)さして(いきほひ)()んで(すす)()く。
178大正一一・三・六 旧二・八 加藤明子録)
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