霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第二二章 妖行(えうかう)〔一六五一〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第64巻上 山河草木 卯の巻上 篇:第4篇 遠近不二 よみ(新仮名遣い):えんきんふじ
章:第22章 妖行 よみ(新仮名遣い):ようこう 通し章番号:1651
口述日:1923(大正12)年07月13日(旧05月30日) 口述場所: 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1925(大正14)年10月16日
概要: 舞台:小北山のユラリ教 あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる] 主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2017-12-06 17:03:19 OBC :rm64a22
愛善世界社版:242頁 八幡書店版:第11輯 467頁 修補版: 校定版:243頁 普及版:62頁 初版: ページ備考:
001 守宮別(やもりわけ)は、002竹彦(たけひこ)(かほ)()(うれ)しさうに、
003守宮別『ヤア竹彦(たけひこ)さま、004よう()(くだ)さいました。005相変(あひかは)らず()出神(でのかみ)崇拝(すうはい)をやつて()られますかな』
006竹彦『ハイ、007()出神(でのかみ)崇拝(すうはい)層一層(そういつそう)熱烈(ねつれつ)にやつて()ます。008(しか)()出神(でのかみ)にもいろいろありましてねえ、009(わたくし)(この)(ごろ)(しん)()出神(でのかみ)発見(はつけん)しましたので大道会(おほみちくわい)()ふのを(ひら)きパンフレツト宣伝(せんでん)をやつて()ます』
010守宮別成程(なるほど)そいつは今日(こんにち)時代(じだい)(てき)した適当(てきたう)のやり(かた)でせう。011(ちつ)()れますかな』
012竹彦『ハイ、013地黙社(ちもくしや)毎号(まいがう)一千部(いつせんぶ)ばかり印刷(いんさつ)して()ますが、014羽根(はね)()えて()んで()きますよ。015(とら)さまのお筆先(ふでさき)とは余程(よほど)効力(かうりよく)があるやうですわ。016アハヽヽヽ』
017守宮別『どうか(わたくし)(ひと)使(つか)つて(いただ)()いものですなア。018(じつ)(ところ)はこんな(ふる)めかしい宣伝法(せんでんはふ)はお(とら)さまの(まへ)だが(いや)になつたのですよ。019目先(めさき)()えぬ盲滅法(めくらめつぱふ)のやり(かた)では(ろう)して(かう)なく時勢(じせい)におくれるばかりで(つま)りませぬもの』
020 お(とら)(つら)(ふく)らし、021かつかになつて(こゑ)せわしく、
022お寅『これ(たけ)さま、023横田(よこた)はりもの()024守宮別(やもりわけ)さまを(くは)へて()のうと(おも)つても、025いつかないつかな(この)(とら)(はな)しませぬぞや。026(まへ)さまは(せい)()して勝手(かつて)にパンなと()りなさい。027これ守宮別(やもりわけ)さま、028取違(とりちがひ)してはいけませぬよ。029悪神(わるがみ)が、030(かげ)(おと)させやうと(おも)つて、031いろいろと()けて変性(へんじやう)女子(によし)系統(ひつぽう)()()るのですよ。032グヅグヅして()ると、033(しり)()(まで)ぬかれて(しま)ひますよ。034(まへ)さまはそんなに(うつ)()だから(こま)るのだ』
035守宮別『これお(とら)さま、036(なん)()(ひら)けない(こと)()ふのだい。037(まへ)さまも()出神(でのかみ)生宮(いきみや)ぢやないか。038()(なか)()(なが)(つき)()(ほし)(うつ)ると()ふぢやないか、039天地(てんち)惟神(かむながら)(うつ)つて()くのが天地(てんち)(をしへ)ぢやないか。040守宮別(やもりわけ)自由(じいう)意志(いし)(まで)束縛(そくばく)して(もら)つちや(こま)りますよ』
041竹彦『お(とら)さまも守宮別(やもりわけ)さまがをられなくなつたので、042(ちつ)とは()()れただらうと(おも)つて()つたのに、043矢張(やつぱ)り、044ちつとも(うご)いて()りませぬなア。045(みづ)でも(あま)一所(ひとところ)停滞(ていたい)して()るとぼうふらがわきますよ』
046お寅『こりや横田(よこた)はり(もの)竹公(たけこう)047(なに)つべこべ()出神(でのかみ)(むか)つて小言(こごと)(ほざ)くのだ。048人民(じんみん)()つた(こと)かい。049パン()がこんな(ところ)()(ところ)ぢやない。050雑誌(ざつし)()(こと)()ふと()神業(しんげふ)邪魔(じやま)になるからトツトと()んで(くだ)さい』
051竹彦(わたし)守宮別(やもりわけ)さまに(よう)があつて()たのだ。052上海(シヤンハイ)から手紙(てがみ)(もら)つたので(いま)(いま)かと()つて()たのだ。053(かま)うて(くだ)さるな。054(わたし)守宮別(やもりわけ)さまに()ひさへすればよいのだ』
055お寅『これ守宮別(やもりわけ)さま、056(まへ)さまは横田(よこた)はり(もの)竹公(たけこう)(ところ)()()か。057これお(はな)さま、058(まへ)(なん)とかして加勢(かせい)をせぬかいな。059竹公(たけこう)(やつ)060(くは)へて()かうとしよるだないか』
061お花横田(よこた)062おつとどつこい竹彦(たけひこ)さま、063ちつと()出神(でのかみ)さまの仰有(おつしや)(こと)()いて()きなさるがよからうぞえ、064(あと)後悔(こうくわい)してもお(はな)()りませぬからなア』
065竹彦『ヘン、066(かま)うて(くだ)さいますな。067どうせ横役(よこやく)先走(さきばし)りを(つと)めて()横田(よこた)はり(もの)だから、068(とら)さまの()()りさうな(こと)はありませぬわい。069(また)(とら)さまの乾児(こぶん)になつた(ところ)(すゑ)見込(みこみ)()いから(つま)りませぬでなア。070それよりも守宮別(やもりわけ)さま、071貴方(あなた)(なが)らく世界(せかい)漫遊(まんいう)をして()られたのだから、072(なに)(めづら)しい(はなし)()かして(くだ)さい。073パンフレツトの材料(ざいれう)にしたいのですからなア』
074守宮別『ハイ、075是非(ぜひ)()いて(もら)はなければならない(こと)御座(ござ)いますよ』
076()はうとするのを、077(とら)守宮別(やもりわけ)(くち)()()て、
078お寅『これはしたり、079さうズケズケとこんな(やつ)(しやべ)るぢやありませぬぞ。080秘密(ひみつ)はどこ(まで)秘密(ひみつ)です。081これ竹公(たけこう)さま、082守宮別(やもりわけ)さまをパンの材料(ざいれう)にせうとは(あま)(むし)がよ()ぎるぢやありませぬか。083(まへ)さまが此処(ここ)()ると空気(くうき)(まで)(けが)れる。084此処(ここ)(なん)(おも)ふて御座(ござ)る。085誠生粋(まこときつすゐ)水晶(すいしやう)身魂(みたま)()小北山(こぎたやま)霊地(れいち)御座(ござ)るぞ。086四足(よつあし)身魂(みたま)()(ところ)では御座(ござ)いませぬぞや』
087守宮別『アハヽヽヽ、088此奴(こいつ)面白(おもしろ)い、089一杯(いつぱい)(さけ)()んで、090(この)活劇(くわつげき)()たら(うま)からうなア。091(とき)竹彦(たけひこ)さま、092上海(シヤンハイ)新聞(しんぶん)()(ところ)093(せう)アジアのエルサレムにはキリストの再臨(さいりん)(ちか)づいた。094日出島(ひのでじま)から救世主(きうせいしゆ)(あら)はれるとか()つて、095大変(たいへん)(さわ)いで()るさうですよ。096()ういふ(こと)をパンフレツトにお()しになれば、097ずいぶん()れるでせう』
098竹彦『ヤ、099そいつはよい(こと)()かして(もら)ひました。100どうか(くは)しく原稿(げんかう)()いて(くだ)さいな、101酒手(さかて)(ぐらゐ)()しますから』
102守宮別承知(しようち)(いた)しました。103二三(にさん)日中(にちぢう)()いて郵送(ゆうそう)(いた)しませう』
104 お(とら)聞耳(ききみみ)たてて、
105お寅(なに)106救世主(きうせいしゆ)聖地(せいち)(くだ)るとな。107そして()出神(でのかみ)(あら)はれるとな。108そしてそれはどこの(くに)から(あら)はれると()つて()ましたか』
109守宮別(なん)でも上海(シヤンハイ)()た、110ロンドンタイムスの記事(きじ)によると、111日出島(ひのでじま)桶伏山(をけぶせやま)(ひがし)のお(みや)112パレスチナのエルサレムが西(にし)(みや)だと()(こと)です。113そして(その)西(にし)(みや)救世主(きうせいしゆ)()降臨(かうりん)になると()つて大変(たいへん)(さわ)いで()ます。114ミロクの()余程(よほど)接近(せつきん)したと()えますわい』
115お寅『そして(その)救世主(きうせいしゆ)()(わか)つて()るのかい』
116守宮別(わか)つて()ります。117その先走(さきばし)りとして聖地(せいち)からブラバーサが()うの(むかし)()つて()るさうです。118やがてウヅンバラチヤンダーさまが救世主(きうせいしゆ)として(あら)はれるのでせう』
119お寅『ヤアそれは大変(たいへん)だ。120アンナ(もの)救世主(きうせいしゆ)にならうものなら世界(せかい)(やみ)だ。121肝腎要(かんじんかなめ)救世主(きうせいしゆ)底津(そこつ)岩根(いはね)(おほ)ミロク(さま)()出神(でのかみ)より()いのだ。122エヽ()()かぬ(ひと)だなア。123上海(シヤンハイ)(まで)()つて()るのなら、124モウ一歩(ひとあし)だ。125一歩先(ひとあしさき)()つて救世主(きうせいしゆ)は、126小北山(こぎたやま)(あら)はれて()るとなぜ演説(えんぜつ)をして()なかつたのかい。127(さけ)ばかり(くら)つて(をんな)(はう)けて()るからこんな(こと)になるのだ。128アヽ大事(だいじ)(こと)矢張(やつぱ)人任(ひとまか)せではいけない。129サア(これ)から、130()出神(でのかみ)生宮(いきみや)救世主(きうせいしゆ)として(あら)はれませう。131(はな)さま、132曲彦(まがひこ)さま、133守宮別(やもりわけ)さま、134サア(わたくし)()いて()なさい。135馬関(ばくわん)から(ふね)()朝鮮(てうせん)136支那(しな)(とほ)りシベリヤを横断(わうだん)して(はや)(まゐ)りませう。137グヅグヅして()ると(また)横役(よこやく)にアフンとする(やう)()()はされますよ。138エヽ()()める(こと)だわい』
139竹彦『どうか(わたし)()れて()つて(くだ)さい』
140守宮別()同道(どうだう)(ねが)へば結構(けつこう)ですな』
141お寅『これ守宮別(やもりわけ)さま、142コンナ(やつ)()れていつてどうなりますか。143絶対(ぜつたい)にお(とも)はなりませぬ』
144竹彦『ハヽヽヽ、145()まんけれど吾々(われわれ)兄弟分(きやうだいぶん)がチヤンと(さき)()つて()るのだから、146(べつ)につれて()つて(もら)はなくてもよろしい。147(みづ)御霊(みたま)のお(とも)して堂々(だうだう)()()みませうかい。148(とら)さま、149エルサレム(まで)()つて赤恥(あかはぢ)()いて()なさい。150()もそこ(まで)()ると徹底(てつてい)して面白(おもしろ)い。151滑稽味(こつけいみ)があつて面白(おもしろ)い。152ウフヽヽヽ』
153 お(とら)夜叉(やしや)(ごと)くになり、
154お寅『エヽ横田(よこた)はり(もの)曲竹(まがたけ)()155(けが)らはしいわい』
156()(なが)棕櫚箒(しゆろばうき)()()しプツプツと(つば)()きかける真似(まね)をする。157竹彦(たけひこ)(あま)りの(こと)()いた(くち)もすぼまらず、158クツクツ(わら)(なが)深編笠(ふかあみがさ)(かぶ)つて聖地(せいち)(まゐ)るべく小北山(こぎたやま)停車場(ていしやぢやう)へと()(いそ)いだ。159(あと)にお(とら)不用(ふよう)衣類(いるゐ)道具(だうぐ)や、160世界(せかい)大門(おほもん)(しる)した鋳物(いもの)大火鉢(おほひばち)(まで)売飛(うりと)ばし、161兵站部(へいたんぶ)(つと)めて()高山某(たかやまぼう)から若干(じやくかん)旅費(りよひ)受取(うけと)り、162(やうや)旅費(りよひ)調(ととの)へてお(とら)163(はな)164守宮別(やもりわけ)165曲彦(まがひこ)()(にん)小北山(こぎたやま)停車場(ていしやぢやう)へと(いそ)ぎける。
166大正一二・七・一三 旧五・三〇 加藤明子録)
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