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第72巻(亥の巻)
序文
総説
第1篇 水波洋妖
01 老の高砂
〔1810〕
02 時化の湖
〔1811〕
03 厳の欵乃
〔1812〕
04 銀杏姫
〔1813〕
05 蛸船
〔1814〕
06 夜鷹姫
〔1815〕
07 鰹の網引
〔1816〕
第2篇 杢迂拙婦
08 街宣
〔1817〕
09 欠恋坊
〔1818〕
10 清の歌
〔1819〕
11 問答所
〔1820〕
12 懺悔の生活
〔1821〕
13 捨台演
〔1822〕
14 新宅入
〔1823〕
15 災会
〔1824〕
16 東西奔走
〔1825〕
第3篇 転化退閉
17 六樫問答
〔1826〕
18 法城渡
〔1827〕
19 旧場皈
〔1828〕
20 九官鳥
〔1829〕
21 大会合
〔1830〕
22 妖魅帰
〔1831〕
筑紫潟
余白歌
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第五章
蛸船
(
たこぶね
)
〔一八一四〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第72巻 山河草木 亥の巻
篇:
第1篇 水波洋妖
よみ(新仮名遣い):
すいはようよう
章:
第5章 蛸船
よみ(新仮名遣い):
たこぶね
通し章番号:
1814
口述日:
1926(大正15)年06月29日(旧05月20日)
口述場所:
天之橋立なかや別館
筆録者:
北村隆光
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1929(昭和4)年4月3日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
高砂丸の乗客一同は皆、常磐丸によって救出され、嵐も去った。
コブライとコオロは、自分たちを助けてくれた一行の中に玄真坊がいるのを見つけ、その正体を暴こうと、幻真坊の旧悪を歌に歌いだす。
幻真坊はもう自分は改心して三五教の宣伝使の弟子になったと説明するが、コブライとコオロは承知しない。
三人は取っ組み合いのけんかを始めるが、照国別の争いを戒める歌に仲裁される。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
rm7205
愛善世界社版:
55頁
八幡書店版:
第12輯 625頁
修補版:
校定版:
58頁
普及版:
22頁
初版:
ページ備考:
001
高砂丸
(
たかさごまる
)
の
沈没
(
ちんぼつ
)
を
見
(
み
)
てその
危難
(
きなん
)
を
救
(
すく
)
ふべく、
002
照国別
(
てるくにわけ
)
一行
(
いつかう
)
の
乗
(
の
)
れる
常磐丸
(
ときはまる
)
は
現場
(
げんば
)
に
馳
(
は
)
せつけ、
003
救
(
すく
)
ひの
綱
(
つな
)
を
投
(
な
)
げかけて
一人
(
ひとり
)
も
残
(
のこ
)
らず
吾
(
わが
)
船
(
ふね
)
に
救
(
すく
)
ひあげて
了
(
しま
)
つた。
004
一同
(
いちどう
)
の
乗客
(
じやうきやく
)
は
九死
(
きうし
)
に
一生
(
いつしやう
)
を
得
(
え
)
て
005
照国別
(
てるくにわけ
)
を
神
(
かみ
)
の
如
(
ごと
)
く
感謝
(
かんしや
)
し
尊敬
(
そんけい
)
し、
006
喜
(
よろこ
)
びの
声
(
こゑ
)
は
狭
(
せま
)
き
船中
(
せんちう
)
に
湧
(
わ
)
く
如
(
ごと
)
くであつた。
007
さしも
烈
(
はげ
)
しかりし
暴風
(
ばうふう
)
はピタリと
止
(
や
)
んで
海面
(
かいめん
)
俄
(
にはか
)
に
凪
(
な
)
ぎ
渡
(
わた
)
り、
008
恰
(
あたか
)
も
畳
(
たたみ
)
の
上
(
うへ
)
を
辷
(
すべ
)
る
如
(
ごと
)
き
光景
(
くわうけい
)
となつて
来
(
き
)
た。
009
救
(
すく
)
はれた
人々
(
ひとびと
)
の
中
(
なか
)
には
010
一旦
(
いつたん
)
玄真坊
(
げんしんばう
)
と
事
(
こと
)
を
共
(
とも
)
にせし
泥棒
(
どろばう
)
の
小頭分
(
こがしらぶん
)
コブライ、
011
コオロの
両人
(
りやうにん
)
があつた。
012
コブライ、
013
コオロの
両人
(
りやうにん
)
は
014
自分
(
じぶん
)
を
救
(
すく
)
うて
呉
(
く
)
れた
船
(
ふね
)
の
中
(
なか
)
に
泰然
(
たいぜん
)
と
坐
(
すわ
)
つてゐる
玄真坊
(
げんしんばう
)
の
姿
(
すがた
)
を
見
(
み
)
て、
015
船
(
ふね
)
の
片隅
(
かたすみ
)
に
頭
(
かしら
)
を
鳩
(
あつ
)
め
囁
(
ささや
)
き
初
(
はじ
)
めた。
016
コブライ『オイ、
017
コオロ、
018
どうやら
宣伝使
(
せんでんし
)
の
側
(
そば
)
に
神
(
かみ
)
さま
然
(
ぜん
)
と
口
(
くち
)
を
へ
の
字
(
じ
)
に
曲
(
ま
)
げて
坐
(
すわ
)
り
込
(
こ
)
んでゐる
男
(
をとこ
)
は
玄真坊
(
げんしんばう
)
ぢやなからうかのう』
019
コオロ『
俺
(
おれ
)
も
最前
(
さいぜん
)
から、
020
よう
似
(
に
)
た
奴
(
やつ
)
だと
思
(
おも
)
つて
考
(
かんが
)
へてゐるのだが、
021
何分
(
なにぶん
)
尊
(
たふと
)
い
宣伝使
(
せんでんし
)
の
側
(
そば
)
に
虱
(
しらみ
)
の
卵
(
たまご
)
見
(
み
)
たいに、
022
しがみついて
離
(
はな
)
れぬものだから、
023
「オイ、
024
どうだ」と
声
(
こゑ
)
をかける
訳
(
わけ
)
にも
行
(
ゆ
)
かず、
025
俺
(
おれ
)
の
僻目
(
ひがめ
)
ぢやなからうか、
026
若
(
も
)
しも
人違
(
ひとちが
)
ひではないかと
控
(
ひか
)
へてゐたが、
027
どうもよく
似
(
に
)
てゐるやうだ。
028
縦
(
たて
)
から
見
(
み
)
ても
横
(
よこ
)
から
見
(
み
)
ても、
029
何処
(
どこ
)
から
観察
(
くわんさつ
)
しても
熟視
(
じゆくし
)
しても、
030
調査
(
てうさ
)
しても、
031
正真
(
しやうしん
)
正銘
(
しやうめい
)
の
玄真坊
(
げんしんばう
)
とより
思
(
おも
)
はれないぢやないか。
032
ここで
一
(
ひと
)
つ、
033
歌
(
うた
)
でもよんで、
034
彼奴
(
あいつ
)
を
此処
(
ここ
)
へつり
出
(
だ
)
す
工夫
(
くふう
)
をしようぢやないか』
035
コ『
一旦
(
いつたん
)
は
俺
(
おれ
)
等
(
たち
)
に
辛
(
つら
)
い
目
(
め
)
を
見
(
み
)
せよつた
敵
(
かたき
)
だと
云
(
い
)
つても
036
俺
(
おれ
)
の
命
(
いのち
)
を
助
(
たす
)
けてくれた
仲間
(
なかま
)
だから、
037
あつて
過
(
す
)
ぎた
事
(
こと
)
はモウ
忘
(
わす
)
れようぢやないか。
038
過越
(
すぎこし
)
苦労
(
くらう
)
は
禁物
(
きんもつ
)
だと
三五教
(
あななひけう
)
でも
教
(
をし
)
へてるからのう』
039
コオ『
何
(
なに
)
、
040
彼奴
(
あいつ
)
が
玄真坊
(
げんしんばう
)
とすれや、
041
旧悪
(
きうあく
)
の
露顕
(
ろけん
)
を
恐
(
おそ
)
れて
俺
(
おれ
)
達
(
たち
)
を
助
(
たす
)
けるものかい。
042
キツト
俺
(
おれ
)
等
(
たち
)
ア
水
(
みづ
)
を
呑
(
の
)
んで
誰
(
たれ
)
に
助
(
たす
)
けて
貰
(
もら
)
つたか
夢現
(
ゆめうつつ
)
で
分
(
わか
)
らなかつたが、
043
彼奴
(
あいつ
)
に
助
(
たす
)
けて
貰
(
もら
)
つた
気
(
き
)
づかひは
毛頭
(
まうとう
)
なからうよ。
044
もし
玄真坊
(
げんしんばう
)
が
俺
(
おれ
)
等
(
たち
)
と
見
(
み
)
たならば、
045
助
(
たす
)
けるふりして
水
(
みづ
)
の
中
(
なか
)
へ
投
(
はう
)
り
込
(
こ
)
んだに
違
(
ちが
)
ひない。
046
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
、
047
俺
(
おれ
)
等
(
たち
)
二人
(
ふたり
)
は
玄真坊
(
げんしんばう
)
にとつては、
048
非常
(
ひじやう
)
の
邪魔物
(
じやまもの
)
で
目
(
め
)
の
上
(
うへ
)
の
瘤
(
こぶ
)
だからのう』
049
コ『
如何
(
いか
)
にも、
050
そらさうだ。
051
彼奴
(
あいつ
)
に
助
(
たす
)
けて
貰
(
もら
)
つたのでないとすれや、
052
何
(
なに
)
も
憚
(
はばか
)
る
事
(
こと
)
はない。
053
ここで
一
(
ひと
)
つ
054
彼奴
(
あいつ
)
の
旧悪
(
きうあく
)
を
歌
(
うた
)
つて
宣伝使
(
せんでんし
)
さまに
訴
(
うつた
)
へようぢやないか』
055
コオ『そんなら
俺
(
おれ
)
が
一口
(
ひとくち
)
云
(
い
)
ふから、
056
あと
又
(
また
)
お
前
(
まへ
)
が
一口
(
ひとくち
)
歌
(
うた
)
へ、
057
俺
(
おれ
)
が
一口
(
ひとくち
)
お
前
(
まへ
)
が
一口
(
ひとくち
)
、
058
交
(
かは
)
り
代
(
がは
)
りに
歌
(
うた
)
ひさへすれや
片見
(
かたみ
)
怨
(
うら
)
みがなくて
可
(
い
)
いだらう。
059
サア
初
(
はじ
)
めるぞ』
060
と
云
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら、
061
少
(
すこ
)
しばかり
立膝
(
たてひざ
)
をして、
062
玄真坊
(
げんしんばう
)
の
面
(
つら
)
を
睨
(
にら
)
みつけ
乍
(
なが
)
ら
歌
(
うた
)
ひ
初
(
はじ
)
めた。
063
コ『ここは
名
(
な
)
に
負
(
お
)
ふハルの
海
(
うみ
)
』
064
コオ『ヨーイヨーイ ヨイトサヨイトサ』
065
コ『
往来
(
ゆきき
)
の
船
(
ふね
)
も
沢山
(
たくさん
)
に
066
竿舵
(
さをかぢ
)
干
(
ほ
)
さず
続
(
つづ
)
いてる』
067
コオ『ヨーイヨーイ ヨイトサヨイトサ』
068
コ『
高砂丸
(
たかさごまる
)
に
乗
(
の
)
り
込
(
こ
)
んで
069
ドテライ
時化
(
しけ
)
に
出会
(
でつくは
)
し
070
船
(
ふね
)
は
忽
(
たちま
)
ち
転覆
(
てんぷく
)
し
071
水
(
みづ
)
に
流
(
なが
)
されブクブクと
072
已
(
すで
)
に
土左衛門
(
どざゑもん
)
となりかけた』
073
コオ『ヨーイヨーイ ヨイトサヨイトサ』
074
コ『オイ、
075
後
(
あと
)
はお
前
(
まへ
)
の
番
(
ばん
)
だ、
076
俺
(
おれ
)
が
囃役
(
はやしやく
)
だ』
077
コオ『ヨシヨシ
之
(
これ
)
からが
正念場
(
しやうねんば
)
だ、
078
シツカリ
囃
(
はや
)
せよ。
079
天道
(
てんだう
)
は
人
(
ひと
)
を
殺
(
ころ
)
さない
080
救
(
すく
)
ひの
船
(
ふね
)
が
現
(
あら
)
はれて
081
一人
(
ひとり
)
も
残
(
のこ
)
らず
常磐丸
(
ときはまる
)
082
助
(
たす
)
けて
下
(
くだ
)
さつた
有難
(
ありがた
)
さ』
083
コ『ヨーイヨーイ ヨイトサヨイトサ』
084
コオ『
中
(
なか
)
に
一
(
ひと
)
つの
不思議
(
ふしぎ
)
さは
085
人並
(
ひとなみ
)
勝
(
すぐ
)
れた
大男
(
おほをとこ
)
086
天下
(
てんか
)
無双
(
むさう
)
の
貴婦人
(
きふじん
)
と
087
海
(
うみ
)
に
飛
(
と
)
び
込
(
こ
)
み
忽
(
たちま
)
ちに
088
虎
(
とら
)
か
獅子
(
しし
)
かと
云
(
い
)
ふやうな
089
怪体
(
けつたい
)
な
姿
(
すがた
)
を
現
(
あら
)
はして
090
荒波
(
あらなみ
)
かき
別
(
わ
)
けブクブクと
091
逃
(
に
)
げて
行
(
い
)
つたのが
面白
(
おもしろ
)
い
092
此奴
(
こいつ
)
ア
又
(
また
)
どうした
者
(
もの
)
だらう
093
狐
(
きつね
)
狸
(
たぬき
)
の
化
(
ば
)
けたのと
094
一緒
(
いつしよ
)
に
船
(
ふね
)
に
乗
(
の
)
りしため
095
彼
(
あ
)
のやうな
時化
(
しけ
)
に
会
(
あ
)
うたのか』
096
コ『ヨーイヨーイ ヨイトサヨイトサ』
097
コオ『それは
如何
(
どう
)
でもよいとして
098
肝腎要
(
かんじんかなめ
)
の
生命
(
いのち
)
をば
099
助
(
たす
)
けて
貰
(
もら
)
うた
嬉
(
うれ
)
しさに
100
感謝
(
かんしや
)
の
歌
(
うた
)
を
歌
(
うた
)
ひませう
101
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
102
照国別
(
てるくにわけ
)
とか
云
(
い
)
ふお
方
(
かた
)
103
吾
(
わが
)
身
(
み
)
の
危難
(
きなん
)
を
顧
(
かへり
)
みず
104
伊猛
(
いたけ
)
り
狂
(
くる
)
ふ
荒波
(
あらなみ
)
を
105
物
(
もの
)
ともせずに
乗
(
の
)
りきつて
106
危
(
あやふ
)
き
人
(
ひと
)
の
生命
(
せいめい
)
を
107
守
(
まも
)
らせ
玉
(
たま
)
ふは
生神
(
いきがみ
)
か
108
但
(
ただ
)
しは
神
(
かみ
)
の
御
(
ご
)
化身
(
けしん
)
か
109
お
礼
(
れい
)
は
言葉
(
ことば
)
に
尽
(
つく
)
されぬ
110
幾重
(
いくへ
)
も
感謝
(
かんしや
)
し
奉
(
たてまつ
)
る』
111
コ『ヨイヨイ ヨイトサヨイトサ』
112
コオ『それに
一
(
ひと
)
つの
不思議
(
ふしぎ
)
さは
113
オーラの
山
(
やま
)
に
立籠
(
たてこも
)
り
114
世人
(
よびと
)
を
欺
(
あざむ
)
く
星下
(
ほしくだ
)
し
115
怪体
(
けたい
)
な
芸当
(
げいたう
)
演
(
えん
)
じたる
116
贋天帝
(
にせてんてい
)
の
贋化身
(
にせけしん
)
117
天下
(
てんか
)
唯一
(
ゆゐいつ
)
の
贋救主
(
にせきうしゆ
)
118
玄真坊
(
げんしんばう
)
のデレ
助
(
すけ
)
が
119
すました
顔
(
かほ
)
して
乗
(
の
)
つてゐる
120
こんな
汚
(
けが
)
れた
身魂
(
みたま
)
奴
(
め
)
が
121
ハルの
湖原
(
うなばら
)
渡
(
わた
)
りなば
122
又
(
また
)
もや
竜神
(
りうじん
)
腹
(
はら
)
立
(
た
)
てて
123
荒風
(
あらかぜ
)
起
(
おこ
)
し
浪
(
なみ
)
立
(
た
)
てて
124
舟
(
ふね
)
を
覆
(
かへ
)
すに
違
(
ちが
)
ひない
125
思
(
おも
)
へば
思
(
おも
)
へば
恐
(
おそろ
)
しや
126
悪魔
(
あくま
)
の
権化
(
ごんげ
)
の
玄真坊
(
げんしんばう
)
127
オーラの
山
(
やま
)
を
失敗
(
しくじ
)
つて
128
谷蟆山
(
たにぐくやま
)
に
迷
(
まよ
)
ひ
込
(
こ
)
み
129
スガの
港
(
みなと
)
のダリヤ
姫
(
ひめ
)
130
手
(
て
)
ごめにせむと
息捲
(
いきま
)
きつ
131
きつい
肱鉄
(
ひぢてつ
)
喰
(
く
)
はされて
132
性懲
(
しやうこ
)
りもなく
附
(
つ
)
け
狙
(
ねら
)
ふ
133
蛙
(
かはづ
)
の
面
(
つら
)
に
水
(
みづ
)
とやら
134
恥
(
はぢ
)
を
知
(
し
)
らない
売僧
(
まいす
)
坊主
(
ばうず
)
135
タラハン
城
(
じやう
)
へと
乗
(
の
)
り
込
(
こ
)
んで
136
左守
(
さもり
)
の
司
(
かみ
)
に
駄々
(
だだ
)
をこね
137
無理
(
むり
)
難題
(
なんだい
)
を
吹
(
ふ
)
きかけて
138
しこたま
金
(
かね
)
を
奪
(
うば
)
ひとり
139
追手
(
おつて
)
に
追
(
お
)
はれてドンブリと
140
深谷川
(
ふかたにがは
)
に
身
(
み
)
を
沈
(
しづ
)
め
141
一度
(
いちど
)
は
幽冥
(
いうめい
)
旅行
(
りよかう
)
まで
142
やつて
来
(
こ
)
よつた
曲者
(
くせもの
)
よ
143
又
(
また
)
もや
娑婆
(
しやば
)
に
舞
(
ま
)
ひ
戻
(
もど
)
り
144
吾々
(
われわれ
)
二人
(
ふたり
)
を
誑
(
たぶら
)
かし
145
千草
(
ちぐさ
)
の
姫
(
ひめ
)
とか
云
(
い
)
ふ
奴
(
やつ
)
に
146
うつつを
抜
(
ぬ
)
かし
巾着
(
きんちやく
)
を
147
しめて
殺
(
ころ
)
されたりと
聞
(
き
)
く
148
その
糞坊主
(
くそばうず
)
が
泰然
(
たいぜん
)
と
149
常磐
(
ときは
)
の
丸
(
まる
)
に
坐
(
すわ
)
り
込
(
こ
)
み
150
横柄面
(
わうへいづら
)
を
下
(
さ
)
げよつて』
151
コ『ヨイヨイ ヨイトサヨイトサ』
152
コオ『すましてけつかる
憎
(
にく
)
らしさ
153
これこれまうし
宣伝使
(
せんでんし
)
154
怪体
(
けたい
)
な
奴
(
やつ
)
が
居
(
を
)
りまする
155
其奴
(
そいつ
)
は
油断
(
ゆだん
)
がなりませぬ
156
女
(
をんな
)
と
見
(
み
)
たら
娘
(
むすめ
)
でも
157
人
(
ひと
)
の
女房
(
にようばう
)
でも
構
(
かま
)
はない
158
目尻
(
めじり
)
を
下
(
さ
)
げて
涎
(
よだれ
)
くり
159
物
(
もの
)
に
致
(
いた
)
さなおかぬ
奴
(
やつ
)
160
彼奴
(
あいつ
)
が
船
(
ふね
)
に
居
(
を
)
る
限
(
かぎ
)
り
161
此
(
この
)
船中
(
せんちう
)
の
御
(
ご
)
一同
(
いちどう
)
162
懐中
(
くわいちう
)
用心
(
ようじん
)
なさいませ
163
私
(
わたし
)
も
一度
(
いちど
)
は
泥棒
(
どろばう
)
の
164
仲間
(
なかま
)
に
這入
(
はい
)
つた
事
(
こと
)
あれど
165
改心
(
かいしん
)
致
(
いた
)
した
其
(
その
)
上
(
うへ
)
は
166
決
(
けつ
)
して
後
(
あと
)
へは
戻
(
もど
)
らない
167
これこれこの
通
(
とほ
)
り
修験者
(
しうげんじや
)
168
蓑笠
(
みのかさ
)
つけて
居
(
を
)
りまする
169
人
(
ひと
)
の
門戸
(
もんこ
)
に
立
(
た
)
ち
乍
(
なが
)
ら
170
お
経
(
きやう
)
を
読
(
よ
)
んで
世
(
よ
)
を
渡
(
わた
)
る
171
改心組
(
かいしんぐみ
)
の
吾々
(
われわれ
)
は
172
決
(
けつ
)
して
心配
(
しんぱい
)
要
(
い
)
りませぬ』
173
コ『ヨイヨイ ヨイトサヨイトサ』
174
コオ『
彼処
(
あそこ
)
にけつかる
糞坊主
(
くそばうず
)
175
天帝
(
てんてい
)
の
化身
(
けしん
)
と
化
(
ば
)
け
込
(
こ
)
んで
176
人
(
ひと
)
をたばかる
大泥棒
(
おほどろばう
)
177
重
(
かさ
)
ねて
懐中物
(
くわいちうぶつ
)
御
(
ご
)
用心
(
ようじん
)
178
命
(
いのち
)
助
(
たす
)
けて
貰
(
もら
)
ひました
179
お
礼
(
れい
)
に
宣伝使
(
せんでんし
)
に
玄真坊
(
げんしんばう
)
180
ありし
昔
(
むかし
)
の
悪行
(
あくかう
)
を
181
根
(
ねつ
)
から
葉
(
はつ
)
から
曝
(
さら
)
け
出
(
だ
)
し
182
謹
(
つつし
)
み
訴
(
うつた
)
へ
奉
(
たてまつ
)
る
183
天地
(
てんち
)
の
神
(
かみ
)
も
御
(
ご
)
照覧
(
せうらん
)
184
コブライ、コオロの
申
(
まを
)
す
事
(
こと
)
185
決
(
けつ
)
して
偽
(
いつは
)
りありませぬ
186
お
礼
(
れい
)
に
気
(
き
)
をつけおきまする
187
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
188
御霊
(
みたま
)
幸
(
さちは
)
ひましませよ』
189
コ『ヨイヨイ ヨイトサヨイトサ』
190
玄真坊
(
げんしんばう
)
はたまりかねてや、
191
ツカツカと
座
(
ざ
)
を
立
(
た
)
つて
二人
(
ふたり
)
の
側
(
そば
)
に
寄
(
よ
)
り
添
(
そ
)
ひ、
192
言葉
(
ことば
)
も
低
(
ひく
)
う
丁寧
(
ていねい
)
に、
193
『ヤア、
194
コオロさまに、
195
コブライさま、
196
先
(
ま
)
づ
先
(
ま
)
づ
御
(
ご
)
壮健
(
さうけん
)
でお
目出度
(
めでた
)
う。
197
イヤモウ、
198
キツウ
膏
(
あぶら
)
を
皆
(
みな
)
さまの
前
(
まへ
)
でとられました。
199
もう
此
(
この
)
辺
(
へん
)
でどうか
御
(
ご
)
勘弁
(
かんべん
)
を
願
(
ねが
)
い
度
(
た
)
いものですな』
200
コブ『ヘン…これ
位
(
くらゐ
)
で
御
(
ご
)
勘弁
(
かんべん
)
が
願
(
ねがひ
)
い
度
(
た
)
いものですな…ソラ、
201
ナーン
吐
(
ぬ
)
かしてけつかる。
202
これや
貴様
(
きさま
)
、
203
俺
(
おれ
)
をえらい
目
(
め
)
に
遭
(
あ
)
はした
事
(
こと
)
は
覚
(
おぼ
)
えて
居
(
ゐ
)
るだらうな。
204
サア
之
(
これ
)
から
貴様
(
きさま
)
の
生首
(
なまくび
)
を
引
(
ひ
)
つこ
抜
(
ぬ
)
いてチツト
不恰好
(
ぶかつかう
)
だけど、
205
煙草入
(
たばこいれ
)
の
根付
(
ねつけ
)
にしてやるから、
206
因果腰
(
いんぐわごし
)
を
定
(
き
)
めて
居
(
を
)
れ。
207
のうコオロ、
208
さうでもせぬと、
209
腹
(
はら
)
の
虫
(
むし
)
が
承知
(
しようち
)
せぬぢやないか』
210
コオ『ウンそらさうだとも、
211
こんな
奴
(
やつ
)
を
助
(
たす
)
けてたまるものか。
212
此奴
(
こいつ
)
の
所在
(
ありか
)
をどこ
迄
(
まで
)
も
探
(
さが
)
し
出
(
だ
)
して、
213
怨
(
うら
)
みをはらさにやおかぬと、
214
修験者
(
しゆげんじや
)
と
迄
(
まで
)
なり
下
(
さが
)
つて
居
(
を
)
つたのだもの、
215
今日
(
こんにち
)
会
(
あ
)
つたのは
優曇華
(
うどんげ
)
の
花
(
はな
)
咲
(
さ
)
く
春
(
はる
)
に
会
(
あ
)
つたやうなものだ。
216
サア
玄真坊
(
げんしんばう
)
、
217
返答
(
へんたふ
)
はドヽヽヽどうだい』
218
と
握
(
にぎ
)
り
拳
(
こぶし
)
で
胸
(
むね
)
を
三
(
み
)
つ
四
(
よ
)
つ
打
(
う
)
ち
乍
(
なが
)
ら
雄猛
(
をたけ
)
びする
其
(
そ
)
の
可笑
(
をか
)
しさ。
219
蠑螈
(
いもり
)
が
井戸
(
ゐど
)
の
底
(
そこ
)
から
放
(
ほ
)
り
上
(
あ
)
げられて、
220
踊
(
をど
)
つて
居
(
ゐ
)
るやうなスタイルである。
221
玄真坊
(
げんしんばう
)
『ヤア
本当
(
ほんたう
)
に
悪
(
わる
)
かつた、
222
済
(
す
)
まなかつた。
223
然
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら
之
(
これ
)
も
因縁
(
いんねん
)
づくぢやと
見直
(
みなほ
)
し、
224
聞直
(
ききなほ
)
し、
225
何卒
(
どうぞ
)
俺
(
わし
)
の
罪
(
つみ
)
を
許
(
ゆる
)
してくれ。
226
俺
(
おれ
)
もな、
227
スツカリ
改心
(
かいしん
)
して
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
のお
弟子
(
でし
)
となつたのだから、
228
俺
(
おれ
)
に
指
(
ゆび
)
一本
(
いつぽん
)
触
(
さ
)
えてもヤツパリ
宣伝使
(
せんでんし
)
様
(
さま
)
に
御
(
ご
)
無礼
(
ぶれい
)
した
事
(
こと
)
になるのだからのう』
229
コ『ヘン、
230
虎
(
とら
)
の
威
(
ゐ
)
をかる
野良狐
(
のらぎつね
)
奴
(
め
)
が、
231
うまく、
232
ぬけやうとしても、
233
玩具
(
おもちや
)
の
脇差
(
わきざし
)
だ、
234
ぬきさしならないぞ。
235
サア
之
(
これ
)
から
荒料理
(
あられうり
)
だ。
236
オイ、
237
コオロ、
238
此
(
この
)
船中
(
せんちう
)
の
無聊
(
むれう
)
を
慰
(
なぐさ
)
むるために、
239
チツト
古
(
ふる
)
いけれど
蛸
(
たこ
)
一匹
(
いつぴき
)
料理
(
れうり
)
して、
240
皆
(
みな
)
さまにお
目
(
め
)
にかけようぢやないか』
241
コオ『
航路
(
かうろ
)
の
安全
(
あんぜん
)
を
祈
(
いの
)
るため
竜神
(
りうじん
)
さまにこの
蛸
(
たこ
)
を
料理
(
れうり
)
して、
242
お
供
(
そな
)
へするのも
信心
(
しんじん
)
の
一
(
ひと
)
つだ。
243
又
(
また
)
あんな
時化
(
しけ
)
がくると
叶
(
かな
)
はないからのう、
244
イツヒヽヽヽ
小気味
(
こぎみ
)
のいい
事
(
こと
)
だワイ』
245
玄
(
げん
)
『オイ、
246
コブライ、
247
コオロの
両人
(
りやうにん
)
、
248
本真剣
(
ほんしんけん
)
に
俺
(
おれ
)
を
料理
(
れうり
)
するつもりか、
249
エー、
250
それなら、
251
それで
此方
(
こちら
)
にも
一
(
ひと
)
つの
覚悟
(
かくご
)
がある。
252
無抵抗
(
むていかう
)
主義
(
しゆぎ
)
の
三五教
(
あななひけう
)
に
入信
(
にふしん
)
した
俺
(
おれ
)
だけど、
253
正当
(
せいたう
)
防衛
(
ばうゑい
)
は
許
(
ゆる
)
されてあるから、
254
小泥棒
(
こどろぼう
)
の
一匹
(
いつぴき
)
や
二匹
(
にひき
)
255
ばらす
位
(
くらゐ
)
、
2551
何
(
なん
)
の
手間隙
(
てまひま
)
要
(
い
)
るものか。
256
サア
見事
(
みごと
)
相手
(
あひて
)
になるならなつて
見
(
み
)
よ』
257
と
団栗眼
(
どんぐりまなこ
)
をむき
出
(
だ
)
し
仁王立
(
にわうだ
)
ちになつて
船底
(
ふなそこ
)
に
四股
(
しこ
)
を
踏鳴
(
ふみな
)
らしてゐる。
258
コオロ、
259
コブライの
両人
(
りやうにん
)
は、
260
『
何
(
なに
)
、
261
猪口才
(
ちよこざい
)
な、
262
売僧
(
まいす
)
坊主
(
ばうず
)
』
263
と
云
(
い
)
ふより
早
(
はや
)
く、
264
一人
(
ひとり
)
は
首
(
くび
)
つ
玉
(
たま
)
に
喰
(
くら
)
ひつき、
265
一人
(
ひとり
)
は
足
(
あし
)
を
引
(
ひつ
)
攫
(
さら
)
へ、
266
せまい
船
(
ふね
)
の
中
(
なか
)
で
転
(
こ
)
けつ
輾
(
まろ
)
びつ
一場
(
いちぢやう
)
の
活劇
(
くわつげき
)
を
演
(
えん
)
じ
出
(
だ
)
した。
267
照国別
(
てるくにわけ
)
は
此
(
この
)
体
(
てい
)
を
見
(
み
)
るより、
268
『
争
(
あらそ
)
ひは
枉津
(
まがつ
)
の
神
(
かみ
)
の
仕業
(
しわざ
)
ぞや
269
静
(
しづ
)
かなるこそ
神
(
かみ
)
の
御心
(
みこころ
)
。
270
憎
(
にく
)
まれて
憎
(
にく
)
み
返
(
かへ
)
すは
枉神
(
まがかみ
)
の
271
醜
(
しこ
)
の
業
(
わざ
)
なり
畏
(
おそ
)
れつつしめ。
272
よき
事
(
こと
)
と
悪
(
あ
)
しき
事柄
(
ことがら
)
行
(
ゆ
)
き
交
(
か
)
ひて
273
此
(
この
)
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
は
開
(
ひら
)
け
行
(
ゆ
)
くなり』
274
コオロ、
275
コブライの
二人
(
ふたり
)
は
此
(
この
)
歌
(
うた
)
を
聞
(
き
)
くより、
276
パツト
手
(
て
)
を
放
(
はな
)
せば
玄真坊
(
げんしんばう
)
は
鼻汁
(
はな
)
をすすり
乍
(
なが
)
らヤツトの
事
(
こと
)
で
起
(
お
)
き
上
(
あが
)
り、
277
『
有難
(
ありがた
)
し
照国別
(
てるくにわけ
)
の
師
(
し
)
の
君
(
きみ
)
の
278
生言霊
(
いくことたま
)
に
命
(
いのち
)
拾
(
ひろ
)
ひぬ。
279
コブライやコオロの
君
(
きみ
)
に
殴
(
なぐ
)
られて
280
罪
(
つみ
)
消
(
き
)
えなむと
思
(
おも
)
へば
嬉
(
うれ
)
し』
281
コオ『
吾
(
わが
)
命
(
いのち
)
助
(
たす
)
け
玉
(
たま
)
ひし
師
(
し
)
の
君
(
きみ
)
の
282
厳言霊
(
いづことたま
)
に
反
(
そむ
)
くよしなし』
283
コ『
憎
(
にく
)
い
奴
(
やつ
)
とは
思
(
おも
)
へども
宣伝使
(
せんでんし
)
284
待
(
ま
)
てとの
声
(
こゑ
)
に
力
(
ちから
)
抜
(
ぬ
)
けたり』
285
照国
(
てるくに
)
『
争
(
あらそ
)
ひの
雲
(
くも
)
も
漸
(
やうや
)
く
晴
(
は
)
れ
行
(
ゆ
)
きて
286
誠
(
まこと
)
のかがみ
照
(
て
)
るぞ
目出度
(
めでた
)
き』
287
照公
(
てるこう
)
『
不思議
(
ふしぎ
)
なる
神
(
かみ
)
の
助
(
たす
)
けに
会
(
あ
)
ひ
乍
(
なが
)
ら
288
尚
(
なほ
)
も
争
(
あらそ
)
ふ
人心
(
ひとごころ
)
かな』
289
梅公
(
うめこう
)
『ただ
人
(
びと
)
の
心
(
こころ
)
は
広
(
ひろ
)
く
押
(
お
)
し
並
(
な
)
べて
290
今
(
いま
)
目
(
め
)
の
前
(
まへ
)
に
三人
(
みたり
)
の
姿
(
すがた
)
よ。
291
晴
(
は
)
れて
又
(
また
)
曇
(
くも
)
る
五月
(
さつき
)
の
大空
(
おほぞら
)
に
292
さも
似
(
に
)
たるかな
人
(
ひと
)
の
心
(
こころ
)
は』
293
梅公別
(
うめこうわけ
)
は
照国別
(
てるくにわけ
)
に
少時
(
しばし
)
の
暇
(
いとま
)
を
乞
(
こ
)
ひ、
294
救
(
すく
)
ふべき
人
(
ひと
)
ありと
言挙
(
ことあ
)
げし
乍
(
なが
)
ら
浜辺
(
はまべ
)
の
町
(
まち
)
に
舟
(
ふね
)
を
横
(
よこ
)
たへ、
295
一先
(
ひとま
)
づ
上陸
(
じやうりく
)
し、
296
更
(
さら
)
に
小舟
(
こぶね
)
を
借
(
か
)
り
受
(
う
)
け
297
湖中
(
こちう
)
に
浮
(
うか
)
ぶ
太魔
(
たま
)
の
島
(
しま
)
を
指
(
さ
)
して
艪
(
ろ
)
を
操
(
あやつ
)
り
乍
(
なが
)
ら
別
(
わか
)
れ
行
(
ゆ
)
く。
298
常磐丸
(
ときはまる
)
は
順風
(
じゆんぷう
)
に
帆
(
ほ
)
を
上
(
あ
)
げ
乍
(
なが
)
らスガの
港
(
みなと
)
を
指
(
さ
)
して
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
299
(
大正一五・六・二九
旧五・二〇
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北村隆光
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