霊界物語.ネット
~出口王仁三郎 大図書館~
目 次
設 定
閉じる
×
霊界物語
三鏡
大本神諭
伊都能売神諭
出口王仁三郎全集
出口王仁三郎著作集
王仁文庫
惟神の道
幼ながたり
開祖伝
聖師伝
霧の海(第六歌集)
大本七十年史
大本史料集成
神霊界
新聞記事
新月の光
その他
王仁文献考証
検索は「
王仁DB
」で
←
戻る
霊界物語
霊主体従
第1巻(子の巻)
第2巻(丑の巻)
第3巻(寅の巻)
第4巻(卯の巻)
第5巻(辰の巻)
第6巻(巳の巻)
第7巻(午の巻)
第8巻(未の巻)
第9巻(申の巻)
第10巻(酉の巻)
第11巻(戌の巻)
第12巻(亥の巻)
如意宝珠
第13巻(子の巻)
第14巻(丑の巻)
第15巻(寅の巻)
第16巻(卯の巻)
第17巻(辰の巻)
第18巻(巳の巻)
第19巻(午の巻)
第20巻(未の巻)
第21巻(申の巻)
第22巻(酉の巻)
第23巻(戌の巻)
第24巻(亥の巻)
海洋万里
第25巻(子の巻)
第26巻(丑の巻)
第27巻(寅の巻)
第28巻(卯の巻)
第29巻(辰の巻)
第30巻(巳の巻)
第31巻(午の巻)
第32巻(未の巻)
第33巻(申の巻)
第34巻(酉の巻)
第35巻(戌の巻)
第36巻(亥の巻)
舎身活躍
第37巻(子の巻)
第38巻(丑の巻)
第39巻(寅の巻)
第40巻(卯の巻)
第41巻(辰の巻)
第42巻(巳の巻)
第43巻(午の巻)
第44巻(未の巻)
第45巻(申の巻)
第46巻(酉の巻)
第47巻(戌の巻)
第48巻(亥の巻)
真善美愛
第49巻(子の巻)
第50巻(丑の巻)
第51巻(寅の巻)
第52巻(卯の巻)
第53巻(辰の巻)
第54巻(巳の巻)
第55巻(午の巻)
第56巻(未の巻)
第57巻(申の巻)
第58巻(酉の巻)
第59巻(戌の巻)
第60巻(亥の巻)
山河草木
第61巻(子の巻)
第62巻(丑の巻)
第63巻(寅の巻)
第64巻(卯の巻)上
第64巻(卯の巻)下
第65巻(辰の巻)
第66巻(巳の巻)
第67巻(午の巻)
第68巻(未の巻)
第69巻(申の巻)
第70巻(酉の巻)
第71巻(戌の巻)
第72巻(亥の巻)
特別編 入蒙記
天祥地瑞
第73巻(子の巻)
第74巻(丑の巻)
第75巻(寅の巻)
第76巻(卯の巻)
第77巻(辰の巻)
第78巻(巳の巻)
第79巻(午の巻)
第80巻(未の巻)
第81巻(申の巻)
←
戻る
第72巻(亥の巻)
序文
総説
第1篇 水波洋妖
01 老の高砂
〔1810〕
02 時化の湖
〔1811〕
03 厳の欵乃
〔1812〕
04 銀杏姫
〔1813〕
05 蛸船
〔1814〕
06 夜鷹姫
〔1815〕
07 鰹の網引
〔1816〕
第2篇 杢迂拙婦
08 街宣
〔1817〕
09 欠恋坊
〔1818〕
10 清の歌
〔1819〕
11 問答所
〔1820〕
12 懺悔の生活
〔1821〕
13 捨台演
〔1822〕
14 新宅入
〔1823〕
15 災会
〔1824〕
16 東西奔走
〔1825〕
第3篇 転化退閉
17 六樫問答
〔1826〕
18 法城渡
〔1827〕
19 旧場皈
〔1828〕
20 九官鳥
〔1829〕
21 大会合
〔1830〕
22 妖魅帰
〔1831〕
筑紫潟
余白歌
このサイトは『霊界物語』を始めとする出口王仁三郎等の著書を無料で公開しています。
(注・出口王仁三郎の全ての著述を収録しているわけではありません。未収録のものも沢山あります)
閉じる
×
この文献を王仁DBで開く
印刷用画面を開く
[?]
プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。
[×閉じる]
話者名の追加表示
[?]
セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。
[×閉じる]
追加表示する
追加表示しない
【標準】
表示できる章
テキストのタイプ
[?]
ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。
[×閉じる]
通常のテキスト
【標準】
コピー用のテキスト
その他の設定項目を表示する
ここから下を閉じる
文字サイズ
S
【標準】
M
L
フォント
フォント1
【標準】
フォント2
ルビの表示
通常表示
【標準】
括弧の中に表示
表示しない
古いブラウザでうまく表示されない時はこの設定を試してみて下さい
アンカーの表示
[?]
本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。
[×閉じる]
左側にだけ表示する
【標準】
表示しない
全てのアンカーを表示
宣伝歌
[?]
宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。
[×閉じる]
一段組
【標準】
二段組
脚注
[?]
[※]や[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。まだ少ししか付いていませんが、目障りな場合は「表示しない」設定に変えて下さい。ただし[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
全ての脚注を開く
全ての脚注を閉じる(マーク表示)
【標準】
脚注マークを表示しない
文字の色
背景の色
ルビの色
傍点の色
[?]
底本で傍点(圏点)が付いている文字は、『霊界物語ネット』では太字で表示されますが、その色を変えます。
[×閉じる]
外字1の色
[?]
この設定は現在使われておりません。
[×閉じる]
外字2の色
[?]
文字がフォントに存在せず、画像を使っている場合がありますが、その画像の周囲の色を変えます。
[×閉じる]
→
表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。
【新着情報】
10月30~31日に旧サイトから新サイトへの移行作業を行う予定です。
実験用サイト
|
サブスク
霊界物語
>
第72巻
> 第2篇 杢迂拙婦 > 第13章 捨台演
<<< 懺悔の生活
(B)
(N)
新宅入 >>>
マーキングパネル
設定パネルで「全てのアンカーを表示」させてアンカーをクリックして下さい。
【引数の設定例】 &mky=a010-a021a034 アンカー010から021と、034を、イエローでマーキング。
第一三章
捨台演
(
すてたいえん
)
〔一八二二〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第72巻 山河草木 亥の巻
篇:
第2篇 杢迂拙婦
よみ(新仮名遣い):
もくうせっぷ
章:
第13章 捨台演
よみ(新仮名遣い):
すてたいえん
通し章番号:
1822
口述日:
1926(大正15)年06月30日(旧05月21日)
口述場所:
天之橋立なかや別館
筆録者:
北村隆光
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1929(昭和4)年4月3日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
[×閉じる]
:
しかし結局キューバーは、ダリヤへの思いに負けて、ダリヤに自分の恋人になれと、強談判してしまう。ダリヤは騒ぎ出し、花香とヨリコ姫がやってきて、キューバーを責める。
キューバーはやぶれかぶれに、ヨリコの昔の悪行をお上に訴えると脅すが、逆にヨリコに証拠はどこにある、と詰め寄られてしまう。
キューバーは捨台詞をはいて、その場を立ち去った。
キューバーはダリヤの兄、イルクの屋敷に向かい、イルクや門番に当り散らして、どこかへ消えてしまった。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
rm7213
愛善世界社版:
153頁
八幡書店版:
第12輯 658頁
修補版:
校定版:
159頁
普及版:
59頁
初版:
ページ備考:
001
雪隠
(
せつちん
)
掃除
(
さうぢ
)
を
引受
(
ひきう
)
けた
002
偽改心
(
にせかいしん
)
のキユーバーは
003
玉清別
(
たまきよわけ
)
の
神司
(
かむつかさ
)
004
ダリヤの
姫
(
ひめ
)
と
相並
(
あひなら
)
び
005
祝詞
(
のりと
)
をあげる
姿
(
すがた
)
見
(
み
)
て
006
心猿
(
しんゑん
)
意馬
(
いば
)
が
狂
(
くる
)
ひ
出
(
だ
)
し
007
睦
(
むつま
)
じさうな
様子
(
やうす
)
見
(
み
)
て
008
やけて
堪
(
たま
)
らず
地団太
(
ぢだんだ
)
を
009
踏
(
ふ
)
んでは
見
(
み
)
たが
今
(
いま
)
少時
(
しばし
)
010
館
(
やかた
)
の
様子
(
やうす
)
を
考
(
かんが
)
へて
011
その
上
(
うへ
)
何
(
なん
)
とかせむものと
012
いろいろ
雑多
(
ざつた
)
とすみずみに
013
心
(
こころ
)
を
配
(
くば
)
り
居
(
ゐ
)
たるこそ
014
スガの
宮居
(
みやゐ
)
の
館
(
やかた
)
には
015
剣呑
(
けんのん
)
至極
(
しごく
)
の
代物
(
しろもの
)
ぞ
016
五日
(
いつか
)
六日
(
むゆか
)
と
経
(
た
)
つ
中
(
うち
)
に
017
キユーバーは
恋
(
こひ
)
の
焔
(
ほのほ
)
をば
018
胸
(
むね
)
に
燃
(
も
)
やしてダリヤ
姫
(
ひめ
)
019
何
(
なん
)
とか
物
(
もの
)
にせむものと
020
考
(
かんが
)
へすます
折
(
をり
)
もあれ
021
便所
(
はばかり
)
掃除
(
さうぢ
)
の
其
(
その
)
際
(
さい
)
に
022
厠
(
かはや
)
に
入
(
い
)
りしダリヤ
姫
(
ひめ
)
023
これ
幸
(
さいは
)
ひ
屈強
(
くつきやう
)
の
場合
(
ばあひ
)
ぞと
024
手洗鉢
(
てあらひばち
)
の
前
(
まへ
)
に
立
(
た
)
ち
025
柄杓
(
ひしやく
)
に
水
(
みづ
)
を
汲
(
く
)
み
乍
(
なが
)
ら
026
ダリヤの
両手
(
りやうて
)
に
注
(
そそ
)
ぎつつ
027
隙
(
すき
)
を
覗
(
うかが
)
ひ
白魚
(
しらうを
)
の
028
繊手
(
せんしゆ
)
をグツト
握
(
にぎ
)
りしめ
029
『これこれもうしダリヤさま
030
私
(
わし
)
は
貴女
(
あなた
)
に
真剣
(
しんけん
)
だ
031
私
(
わし
)
の
願
(
ねがひ
)
を
今
(
いま
)
一度
(
いちど
)
032
聞
(
き
)
いて
貰
(
もら
)
はにや
死
(
し
)
にまする
033
睾丸
(
きんたま
)
さげた
大丈夫
(
だいぢやうぶ
)
034
繊弱
(
かよわ
)
き
女
(
をんな
)
に
手
(
て
)
を
合
(
あは
)
し
035
頼
(
たの
)
むは
畢竟
(
ひつきやう
)
恋
(
こひ
)
故
(
ゆゑ
)
ぞ
036
恋
(
こひ
)
に
上下
(
じやうげ
)
の
隔
(
へだ
)
てない
037
主人
(
しゆじん
)
僕
(
しもべ
)
といろいろに
038
名
(
な
)
は
変
(
かは
)
れども
人間
(
にんげん
)
は
039
何
(
いづ
)
れも
天帝
(
てんてい
)
の
分霊
(
わけみたま
)
040
尊
(
たふと
)
い
卑
(
いや
)
しい
等
(
など
)
と
云
(
い
)
ふ
041
そんな
区別
(
くべつ
)
があるものか
042
雪隠
(
せつちん
)
掃除
(
さうぢ
)
と
侮
(
あなど
)
つて
043
私
(
わし
)
の
言
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
聞
(
き
)
かぬなら
044
此方
(
こちら
)
も
一
(
ひと
)
つ
思案
(
しあん
)
する
045
後日
(
ごじつ
)
に
臍
(
ほぞ
)
をかまぬやう
046
性念
(
しやうね
)
をすゑて
御
(
ご
)
返答
(
へんたふ
)
047
天晴
(
あつぱれ
)
なされよキユーバーが
048
乗
(
の
)
るか
反
(
そ
)
るかの
境目
(
さかひめ
)
だ
049
一人
(
ひとり
)
の
男
(
をとこ
)
を
生
(
い
)
かさうと
050
殺
(
ころ
)
さうとお
前
(
まへ
)
の
胸
(
むね
)
次第
(
しだい
)
051
醜
(
みにく
)
い
男
(
をとこ
)
と
云
(
い
)
つたとて
052
虎
(
とら
)
や
熊
(
くま
)
ではあるまいし
053
目
(
め
)
鼻
(
はな
)
口
(
くち
)
耳
(
みみ
)
眉毛
(
まゆげ
)
まで
054
立派
(
りつぱ
)
について
居
(
ゐ
)
る
男
(
をとこ
)
055
手足
(
てあし
)
の
指
(
ゆび
)
も
五本
(
ごほん
)
ある
056
お
前
(
まへ
)
も
美人
(
びじん
)
と
云
(
い
)
つたとて
057
道具
(
だうぐ
)
に
変
(
かは
)
りはあらうまい
058
早
(
はや
)
く
思案
(
しあん
)
を
定
(
き
)
めて
呉
(
く
)
れ
059
私
(
わし
)
も
男
(
をとこ
)
の
意地
(
いぢ
)
だもの
060
云
(
い
)
ひ
出
(
だ
)
した
事
(
こと
)
ア
後
(
あと
)
に
引
(
ひ
)
かぬ
061
サアサア
返答
(
へんたふ
)
』と、
詰寄
(
つめよ
)
れば
062
ダリヤの
姫
(
ひめ
)
は
打
(
うち
)
笑
(
わら
)
ひ
063
『これこれキユーバーのお
爺
(
ぢい
)
さま
064
お
前
(
まへ
)
は
本気
(
ほんき
)
で
云
(
い
)
ふのかい
065
お
酒
(
さけ
)
に
酔
(
よ
)
うて
云
(
い
)
ふのだろ
066
道理
(
だうり
)
で
顔
(
かほ
)
がチト
赤
(
あか
)
い
067
そんな
下
(
くだ
)
らぬ
囈言
(
たはごと
)
を
068
云
(
い
)
ふ
間
(
ま
)
があつたら
逸早
(
いちはや
)
く
069
屋敷
(
やしき
)
の
掃除
(
さうぢ
)
をするがよい
070
ヨリコの
姫
(
ひめ
)
さまが
聞
(
き
)
いたなら
071
甚
(
えら
)
いお
目玉
(
めだま
)
喰
(
く
)
ふだらう
072
決
(
けつ
)
して
悪
(
わる
)
い
事
(
こと
)
言
(
い
)
ひませぬ
073
その
手
(
て
)
を
放
(
はな
)
して
下
(
くだ
)
さんせ』
074
云
(
い
)
へばキユーバーは
目
(
め
)
を
剥
(
む
)
いて
075
『どうしてどうして
放
(
はな
)
さうか
076
この
手
(
て
)
を
放
(
はな
)
した
事
(
こと
)
ならば
077
お
前
(
まへ
)
は
直様
(
すぐさま
)
ヨリコ
姫
(
ひめ
)
078
女帝
(
によてい
)
の
前
(
まへ
)
に
飛
(
と
)
び
出
(
だ
)
して
079
俺
(
おれ
)
のした
事
(
こと
)
告
(
つ
)
げるだらう
080
さうなりや
俺
(
おれ
)
もこの
館
(
たち
)
に
081
お
尻
(
しり
)
を
据
(
す
)
ゑて
居
(
ゐ
)
られない
082
一旦
(
いつたん
)
弓
(
ゆみ
)
を
放
(
はな
)
れたる
083
征矢
(
そや
)
は
元
(
もと
)
へは
帰
(
かへ
)
らない
084
善
(
よ
)
き
返答
(
へんたふ
)
』と
詰寄
(
つめよ
)
れば
085
ダリヤ
金切声
(
かなきりこゑ
)
を
出
(
だ
)
し
086
『あれあれ
怖
(
こは
)
い
助
(
たす
)
けて』と
087
息
(
いき
)
を
限
(
かぎ
)
りに
呼
(
よば
)
はれば
088
花香
(
はなか
)
は
驚
(
おどろ
)
き
馳
(
は
)
せ
来
(
きた
)
り
089
此
(
この
)
有様
(
ありさま
)
を
打眺
(
うちなが
)
め
090
『
誰
(
たれ
)
かと
思
(
おも
)
へばキユーバーどん
091
ふざけた
事
(
こと
)
をするでない
092
此処
(
ここ
)
は
尊
(
たふと
)
き
神館
(
かむやかた
)
093
心得
(
こころえ
)
なさるが
宜
(
よろ
)
しからう
094
渋紙
(
しぶがみ
)
見
(
み
)
たやうな
面
(
つら
)
をして
095
天下
(
てんか
)
の
美人
(
びじん
)
の
手
(
て
)
を
握
(
にぎ
)
り
096
恋
(
こひ
)
の
鮒
(
ふな
)
のと
何
(
なん
)
のこと
097
お
前
(
まへ
)
の
面
(
つら
)
と
御
(
ご
)
相談
(
さうだん
)
098
した
上
(
うへ
)
その
手
(
て
)
を
放
(
はな
)
さんせ
099
本当
(
ほんたう
)
に
呆
(
あき
)
れた
売僧
(
まいす
)
だな
100
改心
(
かいしん
)
すると
詐
(
いつは
)
つて
101
少時
(
しばらく
)
館
(
やかた
)
に
忍
(
しの
)
び
込
(
こ
)
み
102
まめまめしくも
見
(
み
)
せかけて
103
恋
(
こひ
)
の
欲望
(
よくばう
)
を
達
(
たつ
)
せむと
104
企
(
たく
)
らみ
居
(
ゐ
)
たる
猫
(
ねこ
)
かぶり
105
お
前
(
まへ
)
のやうな
悪党
(
あくたう
)
は
106
一
(
いち
)
時
(
じ
)
も
早
(
はや
)
く
去犬
(
いぬ
)
がよい
107
しつこうその
手
(
て
)
を
放
(
はな
)
さねば
108
ヨリコの
女帝
(
によてい
)
に
告
(
つ
)
げるぞや』
109
云
(
い
)
へばキユーバーは
胴
(
どう
)
を
据
(
す
)
ゑ
110
大口
(
おほぐち
)
開
(
あ
)
けて
高笑
(
たかわら
)
ひ
111
『アツハヽヽヽハツヽヽヽ
112
こらこら
小女
(
こめつちよ
)
章魚
(
たこ
)
バイタ
113
俺
(
おれ
)
を
何方
(
どなた
)
と
心得
(
こころえ
)
る
114
大黒主
(
おほくろぬし
)
の
御
(
ご
)
信任
(
しんにん
)
115
最
(
もつと
)
も
厚
(
あつ
)
き
救世主
(
きうせいしゆ
)
116
スコブッツエン
宗
(
しう
)
の
大教祖
(
だいけうそ
)
117
キユーバーの
君
(
きみ
)
で
御座
(
ござ
)
るぞや
118
高
(
たか
)
が
知
(
し
)
れたる
薬屋
(
くすりや
)
の
119
一人娘
(
ひとりむすめ
)
や
杢兵衛
(
もくべゑ
)
の
120
はした
娘
(
むすめ
)
の
身
(
み
)
を
以
(
もつ
)
て
121
頬
(
ほほ
)
げたたたくおとましや
122
ヨリコの
姫
(
ひめ
)
が
何
(
なに
)
怖
(
こは
)
い
123
オーラの
山
(
やま
)
に
立籠
(
たてこも
)
り
124
山賊
(
さんぞく
)
稼
(
かせ
)
いだ
兇状
(
きようじやう
)
持
(
も
)
ち
125
バラモン
署
(
しよ
)
に
出頭
(
しゆつとう
)
して
126
恐
(
おそ
)
れ
乍
(
なが
)
らと
出
(
で
)
かけたら
127
一網
(
いちまう
)
打尽
(
だじん
)
貴様
(
きさま
)
等
(
ら
)
も
128
同類
(
どうるゐ
)
仲間
(
なかま
)
と
見做
(
みな
)
されて
129
暗
(
くら
)
い
牢獄
(
らうや
)
に
打
(
うち
)
込
(
こ
)
まれ
130
日
(
ひ
)
の
目
(
め
)
も
見
(
み
)
ずに
呻吟
(
しんぎん
)
し
131
喞
(
かこ
)
ち
嘆
(
なげ
)
けど
是非
(
ぜひ
)
もなく
132
忽
(
たちま
)
ち
日
(
ひ
)
陰
(
いん
)
の
罪人
(
とがにん
)
と
133
なつて
行
(
ゆ
)
くのは
目
(
ま
)
のあたり
134
それでもキユーバーの
要求
(
えうきう
)
を
135
拒絶
(
きよぜつ
)
するのか
花香姫
(
はなかひめ
)
136
ダリヤの
姫
(
ひめ
)
のあまつちよよ
137
俺
(
おれ
)
も
斯
(
か
)
うなりや
自暴自棄
(
やけくそ
)
だ
138
スガの
御殿
(
ごてん
)
を
根底
(
ねそこ
)
から
139
でんぐり
返
(
がへ
)
し
宮司
(
みやづかさ
)
140
玉清別
(
たまきよわけ
)
のデレ
親爺
(
おやぢ
)
141
吠面
(
ほえづら
)
かわかし
見
(
み
)
せてやらう』
142
等
(
など
)
と
傍若
(
ばうじやく
)
無人
(
ぶじん
)
なる
143
キユーバーの
言葉
(
ことば
)
に
呆
(
あき
)
れ
果
(
は
)
て
144
花香
(
はなか
)
は
直
(
ただ
)
ちに
奥
(
おく
)
の
間
(
ま
)
に
145
駆
(
か
)
け
込
(
こ
)
みヨリコの
前
(
まへ
)
に
出
(
い
)
で
146
キユーバーの
暴状
(
ばうじやう
)
逐一
(
ちくいち
)
に
147
話
(
はな
)
せばヨリコは
打
(
うち
)
笑
(
わら
)
ひ
148
衣紋
(
えもん
)
繕
(
つくろ
)
ひ
悠々
(
いういう
)
と
149
便所
(
べんじよ
)
の
近
(
ちか
)
くに
寄
(
よ
)
り
来
(
きた
)
り
150
『ホツホヽヽキユーバーさま
151
誠
(
まこと
)
に
親切
(
しんせつ
)
有難
(
ありがた
)
う
152
お
尻
(
いど
)
の
掃除
(
さうぢ
)
をした
上
(
うへ
)
に
153
お
手
(
て
)
迄
(
まで
)
握
(
にぎ
)
つて
洗
(
あら
)
うとは
154
ようマア
念
(
ねん
)
の
入
(
い
)
つた
事
(
こと
)
155
御
(
ご
)
親切
(
しんせつ
)
感
(
かん
)
じ
入
(
い
)
りました
156
これこれそこなダリヤさま
157
キユーバーさまの
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
を
158
心
(
こころ
)
よく
聞
(
き
)
いて
上
(
あ
)
げなされ』
159
云
(
い
)
へばダリヤは
涙声
(
なみだごゑ
)
160
『
何
(
なに
)
程
(
ほど
)
私
(
わたし
)
がスベタでも
161
卑
(
いや
)
しい
身分
(
みぶん
)
であらうとも
162
便所
(
はばかり
)
掃除
(
さうぢ
)
をするやうな
163
爺
(
ぢい
)
さまに
言葉
(
ことば
)
をかけるさへ
164
汚
(
けが
)
れるやうな
気
(
き
)
がします
165
況
(
ま
)
して
妾
(
わたし
)
を
女房
(
にようばう
)
に
166
なつて
呉
(
く
)
れとはあんまりだ
167
腹立
(
はらだ
)
ち
涙
(
なみだ
)
が
乾
(
かわ
)
き
果
(
は
)
て
168
呆
(
あき
)
れて
物
(
もの
)
が
言
(
い
)
へませぬ
169
何卒
(
なにとぞ
)
許
(
ゆる
)
して
下
(
くだ
)
さんせ』
170
ワツと
許
(
ばか
)
りに
泣
(
な
)
き
入
(
い
)
れば
171
流石
(
さすが
)
のキユーバーも
手
(
て
)
を
放
(
はな
)
し
172
ヨリコの
方
(
かた
)
に
打
(
うち
)
向
(
むか
)
ひ
173
『これこれヨリコの
女帝
(
によてい
)
さま
174
猫
(
ねこ
)
を
被
(
かぶ
)
つて
居
(
ゐ
)
た
私
(
わたし
)
175
かく
現
(
あら
)
はれし
上
(
うへ
)
からは
176
破
(
やぶ
)
れかぶれだお
前
(
まへ
)
さまの
177
首玉
(
くびたま
)
一
(
ひと
)
つを
貰
(
もら
)
はうか
178
それが
嫌
(
いや
)
なら
直様
(
すぐさま
)
に
179
バラモン
署
(
しよ
)
へと
駆
(
か
)
け
込
(
こ
)
んで
180
お
前
(
まへ
)
の
素性
(
すじやう
)
を
素破抜
(
すつぱぬ
)
き
181
縄目
(
なはめ
)
の
恥
(
はぢ
)
をかかさうか
182
如何
(
いかが
)
で
御座
(
ござ
)
る』と
洟
(
はな
)
すすり
183
肩肱
(
かたひぢ
)
怒
(
いか
)
らし
詰寄
(
つめよ
)
れば
184
ヨリコの
姫
(
ひめ
)
は
打
(
うち
)
笑
(
わら
)
ひ
185
『
妾
(
わたし
)
が
今
(
いま
)
迄
(
まで
)
悪行
(
あくぎやう
)
を
186
稼
(
かせ
)
いだ
証拠
(
しようこ
)
が
何処
(
どこ
)
にある
187
分
(
わか
)
らぬ
事
(
こと
)
を
仰有
(
おつしや
)
ると
188
正反対
(
せいはんたい
)
に
此方
(
こちら
)
から
189
お
前
(
まへ
)
をバラモンのお
役所
(
やくしよ
)
へ
190
訴
(
うつた
)
へませうかキユーバーさま
191
如何
(
いか
)
に
如何
(
いか
)
に』と、
反対
(
あべこべ
)
に
192
逆捻
(
さかねぢ
)
喰
(
く
)
はせばキユーバーは
193
少時
(
しばし
)
躊躇
(
ためら
)
ひ
息
(
いき
)
こらし
194
黙然
(
もくねん
)
として
打
(
うち
)
沈
(
しづ
)
む
195
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
196
この
顛末
(
てんまつ
)
は
如何
(
いか
)
にして
197
落着
(
らくちやく
)
するか
此
(
この
)
先
(
さき
)
の
198
成行
(
なりゆき
)
こそは
面白
(
おもしろ
)
き。
199
キユーバーは
恋
(
こひ
)
の
情火
(
じやうくわ
)
に
包
(
つつ
)
まれ
耐
(
こら
)
へきれずなり、
200
ダリヤ
姫
(
ひめ
)
の
手
(
て
)
を
握
(
にぎ
)
つて、
201
威
(
おど
)
しつ
瞞
(
すか
)
しつ
口説
(
くど
)
いて
見
(
み
)
たが、
202
挺子
(
てこ
)
でも
棒
(
ぼう
)
でも
動
(
うご
)
かないダリヤの
強情
(
がうじやう
)
にヤケを
起
(
おこ
)
し、
203
バラモン
署
(
しよ
)
に
訴
(
うつた
)
へる
等
(
など
)
と
脅喝
(
けふかつ
)
を
試
(
こころ
)
みた。
204
然
(
さ
)
れどもキユーバーの
如
(
ごと
)
き
売僧
(
まいす
)
、
205
而
(
しか
)
も
念入
(
ねんい
)
りに
出来
(
でき
)
た
醜男
(
ぶをとこ
)
には
横丁
(
よこちやう
)
の
牝犬
(
めいぬ
)
にケシかけても
飛
(
と
)
びつかない
面構
(
つらがま
)
へ、
206
況
(
ま
)
して
絶世
(
ぜつせい
)
の
美人
(
びじん
)
が
秋波
(
しうは
)
を
送
(
おく
)
る
道理
(
だうり
)
なく、
207
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
美人
(
びじん
)
に
寄
(
よ
)
つて
集
(
たか
)
つて
恥
(
はづか
)
しめられ、
208
無念
(
むねん
)
骨髄
(
こつずゐ
)
に
徹
(
てつ
)
し、
209
……もう
此
(
この
)
上
(
うへ
)
は
破
(
やぶ
)
れかぶれだ、
210
ヨリコの
素性
(
すじやう
)
を
素破抜
(
すつぱぬ
)
き、
211
バラモン
署
(
しよ
)
に
訴
(
うつた
)
へ、
212
此
(
この
)
怨
(
うらみ
)
を
晴
(
は
)
らさにやおかぬ……と
言
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら
問答所
(
もんだふどころ
)
の
看板
(
かんばん
)
を
睨
(
ね
)
めつけ、
213
それに
啖唾
(
たんつば
)
をはきかけ、
214
後足
(
あとあし
)
で
砂
(
すな
)
をひつかけ
夜叉
(
やしや
)
の
如
(
ごと
)
き
相好
(
さうがう
)
を
現
(
あら
)
はし、
215
ダリヤ
姫
(
ひめ
)
の
兄
(
あに
)
イルクに
会
(
あ
)
つて
目的
(
もくてき
)
を
達
(
たつ
)
せむものと、
216
一言
(
いちごん
)
の
挨拶
(
あいさつ
)
もなく、
217
厭
(
いや
)
らしい
捨台詞
(
すてぜりふ
)
を
残
(
のこ
)
して
此
(
この
)
場
(
ば
)
を
立
(
たち
)
去
(
さ
)
つた。
218
キユーバーは
直
(
ただち
)
に
薬屋
(
くすりや
)
の
表門
(
おもてもん
)
を
潜
(
くぐ
)
り
玄関
(
げんくわん
)
に
立
(
たち
)
塞
(
ふさが
)
り
銅羅声
(
どらごゑ
)
を
出
(
だ
)
して、
219
『
七千
(
しちせん
)
余国
(
よこく
)
の
月
(
つき
)
の
国
(
くに
)
を
御
(
ご
)
支配
(
しはい
)
遊
(
あそ
)
ばす
大黒主
(
おほくろぬし
)
の
神司
(
かむつかさ
)
のお
見出
(
みいだ
)
しに
預
(
あづか
)
つたるスコブッツエン
宗
(
しう
)
の
教祖
(
けうそ
)
キユーバーの
君
(
きみ
)
で
御座
(
ござ
)
る、
220
是非
(
ぜひ
)
主人
(
しゆじん
)
に
面会
(
めんくわい
)
な
致
(
いた
)
し
度
(
た
)
い』
221
と
呼
(
よ
)
ばはる
声
(
こゑ
)
に
番頭
(
ばんとう
)
のアルは
慇懃
(
いんぎん
)
に
出
(
い
)
で
迎
(
むか
)
へ、
222
『ヤア
何方
(
どなた
)
かと
思
(
おも
)
へばお
前
(
まへ
)
さまは、
223
お
館
(
やかた
)
の
掃除番
(
さうぢばん
)
ぢやないか、
224
ナーンぢや
吃驚
(
びつくり
)
した。
225
大黒主
(
おほくろぬし
)
だの、
226
スコブッツエン
宗
(
しう
)
の
教祖
(
けうそ
)
だ
等
(
など
)
と
大変
(
たいへん
)
な
大法螺
(
おほぼら
)
を
吹
(
ふ
)
くものだから、
227
如何
(
いか
)
なる
貴顕
(
きけん
)
紳士
(
しんし
)
がお
出
(
い
)
でかと
思
(
おも
)
つたのに、
228
何
(
なん
)
の
事
(
こと
)
だ、
229
よい
加減
(
かげん
)
に
御
(
ご
)
冗談
(
じやうだん
)
をしておかつしやい、
230
サア
早
(
はや
)
くお
館
(
やかた
)
へ
帰
(
かへ
)
つたり
帰
(
かへ
)
つたり』
231
キユ『
黙
(
だま
)
れ
番頭
(
ばんとう
)
、
232
此
(
この
)
方
(
はう
)
は
大黒主
(
おほくろぬし
)
の
片腕
(
かたうで
)
233
天然坊
(
てんねんばう
)
のキユーバーと
云
(
い
)
ふ
大
(
だい
)
救世主
(
きうせいしゆ
)
だぞ、
234
スガの
館
(
やかた
)
の
様子
(
やうす
)
を
覗
(
うかが
)
ふべく
掃除番
(
さうぢばん
)
となつて
入込
(
いりこ
)
んで
居
(
を
)
つたのだ。
235
今
(
いま
)
に
見
(
み
)
ておれ、
236
貴様
(
きさま
)
の
主人
(
しゆじん
)
も
老耄
(
おいぼれ
)
も
貴様
(
きさま
)
も
共
(
とも
)
にフン
縛
(
じば
)
つて、
237
暗
(
くら
)
い
暗
(
くら
)
い
牢獄
(
らうごく
)
へブチ
込
(
こ
)
んでやるぞ。
238
早
(
はや
)
く
此
(
この
)
方
(
はう
)
を
立派
(
りつぱ
)
な
座敷
(
ざしき
)
へ
導
(
みちび
)
け、
239
老耄
(
おいぼれ
)
や
主人
(
しゆじん
)
へ
云
(
い
)
ひ
聞
(
き
)
かす
事
(
こと
)
がある』
240
アル『
嘘
(
うそ
)
か
本真
(
ほんま
)
か
知
(
し
)
りませぬが、
241
一寸
(
ちよつと
)
此
(
この
)
由
(
よし
)
を
主人
(
しゆじん
)
に
伝
(
つた
)
へて
来
(
き
)
ますから、
242
待
(
ま
)
つて
居
(
ゐ
)
て
下
(
くだ
)
さい』
243
キユ『グヅグヅして
居
(
ゐ
)
ると
承知
(
しようち
)
ならぬぞ、
244
早
(
はや
)
く
奥
(
おく
)
に
行
(
ゆ
)
け』
245
と
叱
(
しか
)
りつける。
246
アルは
舌打
(
したう
)
ちし
乍
(
なが
)
ら、
247
『チエツ、
248
売僧
(
まいす
)
坊主
(
ばうず
)
奴
(
め
)
が』
249
と
小言
(
こごと
)
呟
(
つぶや
)
きつつ
主人
(
しゆじん
)
の
居間
(
ゐま
)
に
駆
(
か
)
け
込
(
こ
)
んだ。
250
少時
(
しばらく
)
するとイルクはスタスタ
入
(
い
)
り
来
(
きた
)
り、
251
『ヤア
誰
(
たれ
)
かと
思
(
おも
)
へば
掃除番
(
さうぢばん
)
のキユーバーだな、
252
何
(
なん
)
の
用
(
よう
)
だ。
253
俺
(
おれ
)
も
忙
(
いそが
)
しいから
長
(
なが
)
つたらしい
話
(
はなし
)
は
面倒
(
めんだう
)
だ、
254
手取
(
てつとり
)
早
(
ばや
)
く
云
(
い
)
つて
呉
(
く
)
れ』
255
キユ『こりやイルク、
256
勿体
(
もつたい
)
なくも
大黒主
(
おほくろぬし
)
様
(
さま
)
の
寵臣
(
ちようしん
)
キユーバーの
君
(
きみ
)
に
向
(
むか
)
つて、
257
立
(
た
)
ちはだかつて
物
(
もの
)
申
(
まを
)
すと
云
(
い
)
ふ
失礼
(
しつれい
)
な
事
(
こと
)
があるか、
258
控
(
ひか
)
へ
居
(
を
)
らうぞ』
259
イル『
何
(
なん
)
の
事
(
こと
)
ぢや
260
テント
訳
(
わけ
)
が
分
(
わか
)
らぬ。
261
オイ アル、
262
横町
(
よこちやう
)
の
精神
(
せいしん
)
病院
(
びやうゐん
)
へ
行
(
い
)
つて
院長
(
ゐんちやう
)
さまを
頼
(
たの
)
んで
来
(
こ
)
い』
263
キユ『
馬鹿
(
ばか
)
を
申
(
まを
)
せ、
264
グヅグヅ
致
(
いた
)
すと
当家
(
たうけ
)
は
断絶
(
だんぜつ
)
の
憂目
(
うきめ
)
に
会
(
あ
)
ふぞ、
265
今
(
いま
)
迄
(
まで
)
大黒主
(
おほくろぬし
)
の
命
(
めい
)
によつて
三五教
(
あななひけう
)
の
内幕
(
うちまく
)
を
探
(
さぐ
)
るべく
忍
(
しの
)
び
込
(
こ
)
んで
居
(
ゐ
)
たのだ。
266
探
(
さぐ
)
れば
探
(
さぐ
)
る
程
(
ほど
)
愈
(
いよいよ
)
怪
(
け
)
しからぬ
事
(
こと
)
を
致
(
いた
)
して
居
(
を
)
る。
267
大黒主
(
おほくろぬし
)
様
(
さま
)
に
対
(
たい
)
して
少
(
すこ
)
しも
敬意
(
けいい
)
を
払
(
はら
)
つて
居
(
ゐ
)
ない、
268
此
(
この
)
方
(
はう
)
が
此
(
この
)
次第
(
しだい
)
を
詳
(
つぶ
)
さに
言上
(
ごんじやう
)
しようものなら、
269
大変
(
たいへん
)
なことになるぞよ』
270
イ『ハイ、
271
如何
(
いか
)
なる
悪
(
わる
)
い
事
(
こと
)
があるかも
知
(
し
)
れませぬが、
272
信仰
(
しんかう
)
はもとより
自由
(
じいう
)
で
御座
(
ござ
)
います。
273
キユーバーさまでも
大黒主
(
おほくろぬし
)
さまでも、
274
悪
(
わる
)
い
事
(
こと
)
さへなけりやチツトも
恐
(
おそ
)
れませぬ、
275
何卒
(
どうぞ
)
お
構
(
かま
)
ひ
下
(
くだ
)
さいますな』
276
キユ『よし、
277
構
(
かま
)
うて
呉
(
く
)
れなと
申
(
まを
)
したな、
278
後
(
あと
)
で
吠面
(
ほえづら
)
かわくな』
279
と
云
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら
足
(
あし
)
の
運
(
はこ
)
びも
荒々
(
あらあら
)
しく、
280
其処
(
そこら
)
辺
(
あた
)
り
金剛杖
(
こんがうづゑ
)
にて
打壊
(
うちこは
)
し
乍
(
なが
)
ら、
281
大手
(
おほて
)
を
振
(
ふ
)
つて
表門
(
おもてもん
)
をくぐり
何処
(
いづく
)
ともなく
姿
(
すがた
)
を
隠
(
かく
)
した。
282
(
大正一五・六・三〇
旧五・二一
於天之橋立なかや旅館
北村隆光
録)
Δこのページの一番上に戻るΔ
<<< 懺悔の生活
(B)
(N)
新宅入 >>>
霊界物語
>
第72巻
> 第2篇 杢迂拙婦 > 第13章 捨台演
Tweet
絶賛発売中『超訳霊界物語2/出口王仁三郎の「身魂磨き」実践書/一人旅するスサノオの宣伝使たち』
オニド関連サイト
最新更新情報
10/22
【霊界物語ネット】
『
王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)
』をテキスト化しました。
9/18
【
飯塚弘明.com
】
飯塚弘明著『
PTC2 出口王仁三郎の霊界物語で透見する世界現象 T之巻
』発刊!
5/8
【霊界物語ネット】
霊界物語ネットに出口王仁三郎の
第六歌集『霧の海』
を掲載しました。
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【
メールアドレス
】
【13 捨台演|第72巻(亥の巻)|霊界物語/rm7213】
合言葉「みろく」を入力して下さい→