霊界物語.ネット
~出口王仁三郎 大図書館~
目 次
設 定
閉じる
×
霊界物語
三鏡
大本神諭
伊都能売神諭
出口王仁三郎全集
出口王仁三郎著作集
王仁文庫
惟神の道
幼ながたり
開祖伝
聖師伝
霧の海(第六歌集)
大本七十年史
大本史料集成
神霊界
新聞記事
新月の光
その他
王仁文献考証
検索は「
王仁DB
」で
←
戻る
霊界物語
霊主体従
第1巻(子の巻)
第2巻(丑の巻)
第3巻(寅の巻)
第4巻(卯の巻)
第5巻(辰の巻)
第6巻(巳の巻)
第7巻(午の巻)
第8巻(未の巻)
第9巻(申の巻)
第10巻(酉の巻)
第11巻(戌の巻)
第12巻(亥の巻)
如意宝珠
第13巻(子の巻)
第14巻(丑の巻)
第15巻(寅の巻)
第16巻(卯の巻)
第17巻(辰の巻)
第18巻(巳の巻)
第19巻(午の巻)
第20巻(未の巻)
第21巻(申の巻)
第22巻(酉の巻)
第23巻(戌の巻)
第24巻(亥の巻)
海洋万里
第25巻(子の巻)
第26巻(丑の巻)
第27巻(寅の巻)
第28巻(卯の巻)
第29巻(辰の巻)
第30巻(巳の巻)
第31巻(午の巻)
第32巻(未の巻)
第33巻(申の巻)
第34巻(酉の巻)
第35巻(戌の巻)
第36巻(亥の巻)
舎身活躍
第37巻(子の巻)
第38巻(丑の巻)
第39巻(寅の巻)
第40巻(卯の巻)
第41巻(辰の巻)
第42巻(巳の巻)
第43巻(午の巻)
第44巻(未の巻)
第45巻(申の巻)
第46巻(酉の巻)
第47巻(戌の巻)
第48巻(亥の巻)
真善美愛
第49巻(子の巻)
第50巻(丑の巻)
第51巻(寅の巻)
第52巻(卯の巻)
第53巻(辰の巻)
第54巻(巳の巻)
第55巻(午の巻)
第56巻(未の巻)
第57巻(申の巻)
第58巻(酉の巻)
第59巻(戌の巻)
第60巻(亥の巻)
山河草木
第61巻(子の巻)
第62巻(丑の巻)
第63巻(寅の巻)
第64巻(卯の巻)上
第64巻(卯の巻)下
第65巻(辰の巻)
第66巻(巳の巻)
第67巻(午の巻)
第68巻(未の巻)
第69巻(申の巻)
第70巻(酉の巻)
第71巻(戌の巻)
第72巻(亥の巻)
特別編 入蒙記
天祥地瑞
第73巻(子の巻)
第74巻(丑の巻)
第75巻(寅の巻)
第76巻(卯の巻)
第77巻(辰の巻)
第78巻(巳の巻)
第79巻(午の巻)
第80巻(未の巻)
第81巻(申の巻)
←
戻る
第72巻(亥の巻)
序文
総説
第1篇 水波洋妖
01 老の高砂
〔1810〕
02 時化の湖
〔1811〕
03 厳の欵乃
〔1812〕
04 銀杏姫
〔1813〕
05 蛸船
〔1814〕
06 夜鷹姫
〔1815〕
07 鰹の網引
〔1816〕
第2篇 杢迂拙婦
08 街宣
〔1817〕
09 欠恋坊
〔1818〕
10 清の歌
〔1819〕
11 問答所
〔1820〕
12 懺悔の生活
〔1821〕
13 捨台演
〔1822〕
14 新宅入
〔1823〕
15 災会
〔1824〕
16 東西奔走
〔1825〕
第3篇 転化退閉
17 六樫問答
〔1826〕
18 法城渡
〔1827〕
19 旧場皈
〔1828〕
20 九官鳥
〔1829〕
21 大会合
〔1830〕
22 妖魅帰
〔1831〕
筑紫潟
余白歌
このサイトは『霊界物語』を始めとする出口王仁三郎等の著書を無料で公開しています。
(注・出口王仁三郎の全ての著述を収録しているわけではありません。未収録のものも沢山あります)
閉じる
×
この文献を王仁DBで開く
印刷用画面を開く
[?]
プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。
[×閉じる]
話者名の追加表示
[?]
セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。
[×閉じる]
追加表示する
追加表示しない
【標準】
表示できる章
テキストのタイプ
[?]
ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。
[×閉じる]
通常のテキスト
【標準】
コピー用のテキスト
その他の設定項目を表示する
ここから下を閉じる
文字サイズ
S
【標準】
M
L
フォント
フォント1
【標準】
フォント2
ルビの表示
通常表示
【標準】
括弧の中に表示
表示しない
古いブラウザでうまく表示されない時はこの設定を試してみて下さい
アンカーの表示
[?]
本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。
[×閉じる]
左側にだけ表示する
【標準】
表示しない
全てのアンカーを表示
宣伝歌
[?]
宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。
[×閉じる]
一段組
【標準】
二段組
脚注
[?]
[※]や[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。まだ少ししか付いていませんが、目障りな場合は「表示しない」設定に変えて下さい。ただし[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。
[×閉じる]
全ての脚注を開く
全ての脚注を閉じる(マーク表示)
【標準】
脚注マークを表示しない
文字の色
背景の色
ルビの色
傍点の色
[?]
底本で傍点(圏点)が付いている文字は、『霊界物語ネット』では太字で表示されますが、その色を変えます。
[×閉じる]
外字1の色
[?]
この設定は現在使われておりません。
[×閉じる]
外字2の色
[?]
文字がフォントに存在せず、画像を使っている場合がありますが、その画像の周囲の色を変えます。
[×閉じる]
→
表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。
【新着情報】
サブスクのお知らせ
霊界物語
>
第72巻
> (後付) > 筑紫潟
<<< 妖魅帰
(B)
(N)
余白歌 >>>
マーキングパネル
設定パネルで「全てのアンカーを表示」させてアンカーをクリックして下さい。
【引数の設定例】 &mky=a010-a021a034 アンカー010から021と、034を、イエローでマーキング。
霊界物語 特別篇
筑紫潟
(
つくしがた
)
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第72巻 山河草木 亥の巻
篇:
後付
よみ(新仮名遣い):
章:
筑紫潟
よみ(新仮名遣い):
つくしがた
通し章番号:
口述日:
1926(大正15)年06月29日(旧05月20日)
口述場所:
天之橋立 掬翠荘
筆録者:
北村隆光
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1929(昭和4)年4月3日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
[×閉じる]
:
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
rm729901
愛善世界社版:
289頁
八幡書店版:
第12輯 707頁
修補版:
校定版:
301頁
普及版:
116頁
初版:
ページ備考:
001
世
(
よ
)
は
烏羽玉
(
うばたま
)
の
闇
(
やみ
)
となり
002
山河
(
さんか
)
草木
(
さうもく
)
ことごとく
003
言問
(
ことと
)
ひさやぐ
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
を
004
常磐
(
ときは
)
堅磐
(
かきは
)
の
松
(
まつ
)
の
世
(
よ
)
に
005
治
(
をさ
)
めむ
為
(
た
)
めと
厳御魂
(
いづみたま
)
006
天津
(
あまつ
)
御神
(
みかみ
)
の
御言
(
みこと
)
もて
007
豊葦原
(
とよあしはら
)
の
瑞穂国
(
みづほくに
)
008
綾
(
あや
)
の
高天
(
たかま
)
に
天降
(
あも
)
りまし
009
至善
(
しぜん
)
至美
(
しび
)
なる
御教
(
みをしへ
)
を
010
蒼生
(
あをひとぐさ
)
に
説
(
と
)
き
諭
(
さと
)
し
011
朝
(
あした
)
は
東
(
ひがし
)
夜
(
よる
)
は
西
(
にし
)
012
南船
(
なんせん
)
北馬
(
ほくば
)
の
難
(
なん
)
を
越
(
こ
)
え
013
神
(
かみ
)
の
稜威
(
みいづ
)
も
伊都能売
(
いづのめ
)
の
014
天津誠
(
あまつまこと
)
を
宣
(
の
)
べませど
015
悪
(
あく
)
に
溺
(
おぼ
)
れし
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
は
016
神
(
かみ
)
の
言葉
(
ことば
)
に
服
(
まつろ
)
はで
017
力
(
ちから
)
かぎりに
刃向
(
はむか
)
ひつ
018
沐雨
(
もくう
)
櫛風
(
しつぷう
)
の
苦業
(
くげふ
)
さへ
019
水泡
(
みなわ
)
に
帰
(
き
)
せむとなせし
折
(
をり
)
020
天津
(
あまつ
)
御神
(
みかみ
)
は
畏
(
かしこ
)
くも
021
厳
(
いづ
)
の
御霊
(
みたま
)
の
杖柱
(
つゑはしら
)
022
珍
(
うづ
)
の
御教
(
みのり
)
を
助
(
たす
)
けむと
023
瑞
(
みづ
)
の
霊
(
みたま
)
を
下
(
くだ
)
しまし
024
瑞穂
(
みづほ
)
の
国
(
くに
)
の
中心
(
ちうしん
)
に
025
高天原
(
たかあまはら
)
を
築
(
きづ
)
かせつ
026
経
(
たて
)
と
緯
(
よこ
)
との
機
(
はた
)
をおり
027
心
(
こころ
)
も
清
(
きよ
)
き
紅
(
くれなゐ
)
の
028
錦
(
にしき
)
の
教
(
のり
)
を
垂
(
た
)
れたまふ
029
手段
(
てだて
)
となして
畏
(
かしこ
)
くも
030
明治
(
めいぢ
)
は
二十五
(
にじふご
)
年
(
ねん
)
より
031
天津
(
あまつ
)
御神
(
みかみ
)
の
御心
(
みこころ
)
を
032
筆
(
ふで
)
に
写
(
うつ
)
して
詳細
(
つばらか
)
に
033
蒼生
(
あをひとぐさ
)
に
教
(
をし
)
へます
034
其
(
その
)
神文
(
かみぶみ
)
を
一々
(
いちいち
)
に
035
清書
(
きよがき
)
せよと
命
(
めい
)
ぜられ
036
飛
(
と
)
び
立
(
た
)
つ
許
(
ばか
)
り
勇
(
いさ
)
み
立
(
た
)
ち
037
止
(
と
)
め
度
(
ど
)
もなしに
慢心
(
まんしん
)
の
038
階段
(
かいだん
)
えちえち
攀
(
よぢ
)
登
(
のぼ
)
り
039
神
(
かみ
)
の
見出
(
みだ
)
しに
預
(
あづか
)
りし
040
吾
(
われ
)
こそ
真
(
まこと
)
の
信仰
(
しんかう
)
と
041
心
(
こころ
)
の
黒
(
くろ
)
き
黒姫
(
くろひめ
)
が
042
神書
(
みふみ
)
の
心
(
こころ
)
をとり
違
(
ちが
)
へ
043
瑞
(
みづ
)
の
霊
(
みたま
)
の
宣
(
の
)
り
言
(
ごと
)
を
044
残
(
のこ
)
らず
曲
(
まが
)
と
貶
(
へん
)
しつつ
045
小北
(
こぎた
)
の
山
(
やま
)
に
巣
(
す
)
ぐひたる
046
ウラナイ
教
(
けう
)
の
偽教主
(
にせけうしゆ
)
047
鼻高姫
(
はなたかひめ
)
と
諸共
(
もろとも
)
に
048
魔我彦
(
まがひこ
)
誘
(
いざな
)
ひ
聖地
(
せいち
)
をば
049
後
(
あと
)
に
見捨
(
みす
)
てて
出
(
い
)
でてゆく
050
いよいよ
陰謀
(
いんぼう
)
七八分
(
しちはちぶ
)
051
成功
(
せいこう
)
なさむとせし
時
(
とき
)
に
052
瑞
(
みづ
)
の
霊
(
みたま
)
は
厳
(
おごそ
)
かに
053
天
(
あま
)
の
岩屋戸
(
いはやど
)
押
(
お
)
し
開
(
ひら
)
き
054
天地
(
てんち
)
に
塞
(
ふさ
)
がる
叢雲
(
むらくも
)
を
055
伊吹
(
いぶき
)
払
(
はら
)
ひに
払
(
はら
)
ひまし
056
御空
(
みそら
)
は
忽
(
たちま
)
ち
五色
(
いついろ
)
の
057
祥雲
(
しやううん
)
棚
(
たな
)
曳
(
び
)
き
日月
(
じつげつ
)
の
058
清
(
きよ
)
き
光
(
ひかり
)
に
曲神
(
まがかみ
)
の
059
頭
(
かしら
)
を
忽
(
たちま
)
ち
射照
(
いてら
)
せば
060
黒姫
(
くろひめ
)
身魂
(
みたま
)
に
巣食
(
すく
)
ひたる
061
常世
(
とこよ
)
の
国
(
くに
)
の
曲神
(
まがかみ
)
は
062
汚
(
けが
)
れし
身体
(
からたま
)
ぬけ
出
(
いだ
)
し
063
力
(
ちから
)
も
落
(
お
)
ちて
身体
(
からたま
)
は
064
忽
(
たちま
)
ち
神
(
かみ
)
の
冥罰
(
めいばつ
)
を
065
被
(
かうむ
)
り
百日
(
ももか
)
百夜
(
ももよさ
)
の
066
修祓
(
しうばつ
)
うけて
敢
(
あ
)
へなくも
067
命
(
いのち
)
の
親
(
おや
)
と
頼
(
たの
)
みたる
068
高山彦
(
たかやまひこ
)
を
残
(
のこ
)
し
置
(
お
)
き
069
黒白
(
あやめ
)
も
分
(
わ
)
かぬ
烏羽玉
(
うばたま
)
の
070
暗
(
くら
)
き
黄泉路
(
よみぢ
)
に
旅立
(
たびた
)
ちて
071
八衢
(
やちまた
)
街道
(
かいだう
)
の
四
(
よ
)
つ
辻
(
つじ
)
に
072
鼻高姫
(
はなたかひめ
)
の
精霊
(
せいれい
)
と
073
出会
(
でくは
)
し
種々
(
しゆじゆ
)
の
物語
(
ものがた
)
り
074
天国
(
てんごく
)
地獄
(
ぢごく
)
の
問答
(
もんだふ
)
を
075
いと
諄々
(
じゆんじゆん
)
と
初
(
はじ
)
めける
076
其
(
そ
)
の
経緯
(
いきさつ
)
を
瑞霊
(
みづみたま
)
077
或夜
(
あるよ
)
の
夢
(
ゆめ
)
に
八衢
(
やちまた
)
に
078
精霊
(
せいれい
)
出
(
い
)
でて
聞
(
き
)
き
取
(
と
)
りし
079
一伍
(
いちぶ
)
一什
(
しじふ
)
の
顛末
(
てんまつ
)
を
080
茲
(
ここ
)
にあらあら
述
(
の
)
べ
立
(
た
)
つる
081
時
(
とき
)
は
昭和
(
せうわ
)
の
第二
(
だいに
)
年
(
ねん
)
082
新
(
しん
)
の
十
(
じふ
)
月
(
ぐわつ
)
十九
(
じふく
)
日
(
にち
)
083
神
(
かみ
)
に
心
(
こころ
)
を
筑紫潟
(
つくしがた
)
084
肥前
(
ひぜん
)
の
国
(
くに
)
の
島原
(
しまばら
)
の
085
南風楼
(
なんぷうろう
)
の
二階
(
にかい
)
の
間
(
ま
)
086
北極星
(
ほくきよくせい
)
を
枕
(
まくら
)
とし
087
加藤
(
かとう
)
明子
(
はるこ
)
に
筆
(
ふで
)
とらせ
088
口
(
くち
)
解
(
ほど
)
きたる
物語
(
ものがたり
)
089
述
(
の
)
ぶるも
楽
(
たの
)
し
惟神
(
かむながら
)
090
神
(
かみ
)
のまにまに
初
(
はじ
)
めゆく
091
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
092
御霊
(
みたま
)
幸
(
さち
)
倍
(
はへ
)
坐
(
ま
)
しませよ。
093
天地
(
てんち
)
寂然
(
せきぜん
)
として
黒雲
(
くろくも
)
漲
(
みなぎ
)
り、
094
濃霧
(
のうむ
)
は
四辺
(
あたり
)
を
包
(
つつ
)
み、
095
昼
(
ひる
)
なほ
暗
(
くら
)
き
夜
(
よ
)
の
如
(
ごと
)
くにして
咫尺
(
しせき
)
を
弁
(
べん
)
ぜず、
096
蒸
(
むし
)
暑
(
あつ
)
き
嫌
(
いや
)
らしき
悪臭
(
あくしう
)
を
帯
(
お
)
びたる
空気
(
くうき
)
身辺
(
しんぺん
)
を
襲
(
おそ
)
ふ。
097
八万
(
はちまん
)
地獄
(
ぢごく
)
の
草枕
(
くさまくら
)
、
098
旅
(
たび
)
に
出
(
い
)
で
立
(
た
)
つ
黒姫
(
くろひめ
)
の
曲
(
まが
)
の
精霊
(
せいれい
)
は、
099
唯
(
ただ
)
一人
(
ひとり
)
小声
(
こごゑ
)
に
呟
(
つぶや
)
きながら、
100
猶
(
なほ
)
現界
(
げんかい
)
に
吾
(
わが
)
肉体
(
にくたい
)
のあるものと
信
(
しん
)
じ、
101
黒姫
(
くろひめ
)
『いよいよ
世
(
よ
)
の
終末
(
しうまつ
)
は
近
(
ちか
)
づけり、
102
日月
(
じつげつ
)
天
(
てん
)
に
輝
(
かがや
)
けども、
103
世道
(
せだう
)
人心
(
じんしん
)
紊乱
(
ぶんらん
)
の
極
(
きよく
)
に
達
(
たつ
)
し
104
中空
(
なかぞら
)
に
妖雲
(
えううん
)
起
(
おこ
)
りて
105
下
(
しも
)
万民
(
ばんみん
)
、
1051
飢渇
(
きかつ
)
に
苦
(
くる
)
しむ。
106
時
(
とき
)
は
今
(
いま
)
なり
時
(
とき
)
は
今
(
いま
)
なり、
107
妾
(
わらは
)
こそは、
108
厳
(
いづ
)
の
霊
(
みたま
)
の
恩命
(
おんめい
)
を
拝
(
はい
)
し、
109
此
(
この
)
暗黒
(
あんこく
)
の
世
(
よ
)
をして
110
光明
(
くわうみやう
)
世界
(
せかい
)
に
転換
(
てんくわん
)
すべき
大責任
(
だいせきにん
)
を
双肩
(
さうけん
)
に
担
(
にな
)
へり。
111
あゝ
高山彦
(
たかやまひこ
)
は、
112
何
(
なに
)
を
苦
(
くる
)
しみてか
躊躇
(
ちうちよ
)
逡巡
(
しゆんじゆん
)
する、
113
日
(
ひ
)
の
出
(
で
)
の
神
(
かみ
)
の
肉
(
にく
)
の
宮
(
みや
)
、
114
高姫司
(
たかひめつかさ
)
は
何処
(
いづこ
)
にありや。
115
神諭
(
しんゆ
)
に
云
(
い
)
ふ
世
(
よ
)
の
終
(
をは
)
りの
時
(
とき
)
至
(
いた
)
らば、
116
至誠
(
しせい
)
至実
(
しじつ
)
の
神柱
(
かむばしら
)
三
(
さん
)
人
(
にん
)
あれば
可
(
か
)
なりと
聞
(
き
)
く、
117
その
三
(
さん
)
人
(
にん
)
とは、
118
竜宮
(
りうぐう
)
の
乙姫
(
おとひめ
)
殿
(
どの
)
の
肉
(
にく
)
の
宮
(
みや
)
此
(
この
)
黒姫
(
くろひめ
)
の
身魂
(
みたま
)
を
初
(
はじ
)
め、
119
日
(
ひ
)
の
出
(
で
)
の
神
(
かみ
)
の
肉宮
(
にくみや
)
とあれます
小北山
(
こぎたやま
)
の
高姫司
(
たかひめつかさ
)
、
120
高山彦
(
たかやまひこ
)
をおきて
外
(
ほか
)
に
誠
(
まこと
)
の
神柱
(
かむばしら
)
は
世
(
よ
)
に
非
(
あら
)
じ、
121
あゝ
思
(
おも
)
へば
思
(
おも
)
へば
吾
(
わ
)
が
身魂
(
みたま
)
の
責任
(
せきにん
)
の
重
(
ぢう
)
且
(
か
)
つ
大
(
だい
)
なる、
122
古今
(
ここん
)
其
(
その
)
比
(
ひ
)
を
見
(
み
)
ず、
123
東西
(
とうざい
)
其
(
その
)
例
(
れい
)
を
聞
(
き
)
かず。
124
変性
(
へんじやう
)
女子
(
によし
)
の
身魂
(
みたま
)
と
自称
(
じしよう
)
せる
彼
(
かれ
)
贋神柱
(
にせかむばしら
)
が
末路
(
まつろ
)
を
見
(
み
)
よ、
125
彼
(
かれ
)
が
光
(
ひかり
)
は
螢火
(
ほたるび
)
にも
如
(
し
)
かず、
126
彼
(
かれ
)
若
(
も
)
し
真
(
しん
)
の
瑞霊
(
ずゐれい
)
なりせば
127
此
(
この
)
世
(
よ
)
の
終末
(
しうまつ
)
に
際
(
さい
)
し、
1271
一大
(
いちだい
)
火光
(
くわくわう
)
となりて、
128
せめては
地上
(
ちじやう
)
の
低空
(
ていくう
)
を
飛翔
(
ひしやう
)
往来
(
わうらい
)
し
万民
(
ばんみん
)
の
目
(
め
)
を
醒
(
さ
)
ませ、
129
神聖
(
しんせい
)
の
神国
(
しんこく
)
を
樹立
(
じゆりつ
)
すべきに
非
(
あら
)
ずや。
130
口先
(
くちさき
)
ばかりの
瑞霊
(
ずゐれい
)
、
131
其
(
その
)
影
(
かげ
)
の
薄
(
うす
)
きこと、
132
冬
(
ふゆ
)
の
夕日
(
ゆふひ
)
に
如
(
し
)
かず。
133
あゝ
至
(
いた
)
れり
至
(
いた
)
れり、
134
吾
(
わ
)
が
願望
(
ぐわんまう
)
の
成就
(
じやうじゆ
)
の
時期
(
じき
)
、
135
高姫
(
たかひめ
)
来
(
きた
)
れ、
136
高山彦
(
たかやまひこ
)
、
137
吾
(
われ
)
につづけ』
138
と
呼
(
よ
)
ばはりながら、
139
木枯
(
こがらし
)
荒
(
すさ
)
ぶ
茅野原
(
かやのはら
)
を、
140
神官扇
(
しんくわんあふぎ
)
を
右手
(
めて
)
に
持
(
も
)
ち、
141
左手
(
ゆんで
)
にコーランを
携
(
たづさ
)
へて、
142
八衢
(
やちまた
)
街道
(
かいだう
)
の
入口
(
いりぐち
)
に、
143
かかる
折
(
をり
)
しも
向
(
むか
)
ふより、
144
脛
(
はぎ
)
も
現
(
あら
)
はにいそいそと、
145
金剛杖
(
こんがうづゑ
)
をつき
乍
(
なが
)
ら、
146
髪
(
かみ
)
振
(
ふ
)
り
乱
(
みだ
)
しだん
尻
(
じり
)
を、
147
ぷりんぷりんと
右左
(
みぎひだり
)
、
148
振舞
(
ふりま
)
ひながらやつて
来
(
く
)
る。
149
女
(
をんな
)
は
云
(
い
)
はずと
知
(
し
)
れた
小北山
(
こぎたやま
)
、
150
日
(
ひ
)
の
出
(
で
)
の
神
(
かみ
)
と
自称
(
じしよう
)
する
高姫司
(
たかひめつかさ
)
の
精霊
(
せいれい
)
ぞ。
151
高姫
(
たかひめ
)
『マアマアマアマア、
152
黒姫
(
くろひめ
)
さまぢやないかいな。
153
此処
(
ここ
)
は
何処
(
どこ
)
ぢやと
思
(
おも
)
つて
居
(
ゐ
)
ますか。
154
生前
(
せいぜん
)
に
日
(
ひ
)
の
出
(
で
)
の
神
(
かみ
)
の
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
を、
155
半信
(
はんしん
)
半疑
(
はんぎ
)
の
態度
(
たいど
)
で
聞
(
き
)
いて
居
(
ゐ
)
たものだから
神罰
(
しんばつ
)
は
覿面
(
てきめん
)
、
156
お
前
(
まへ
)
さまはこれから
地獄
(
ぢごく
)
の
旅
(
たび
)
に
向
(
むか
)
ふのぢやないか。
157
生前
(
せいぜん
)
には
比較
(
ひかく
)
的
(
てき
)
豊満
(
ほうまん
)
の
霊衣
(
れいい
)
もすつかりと
剥脱
(
はくだつ
)
され、
158
形
(
かたち
)
ばかりの
三角形
(
さんかくけい
)
の
霊衣
(
れいい
)
を
額
(
ひたひ
)
に
頂
(
いただ
)
いて
居
(
ゐ
)
るスタイルは、
159
まるきり
地獄
(
ぢごく
)
の
八丁目
(
はつちやうめ
)
を
歩
(
ある
)
いとる
亡者
(
まうじや
)
ですよ。
160
あゝもう
今
(
いま
)
となつては
161
此
(
この
)
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
の
生宮
(
いきみや
)
も、
1611
お
前
(
まへ
)
さまを
助
(
たす
)
ける
訳
(
わけ
)
には
行
(
ゆ
)
きませぬわ、
162
マアマアマア
163
えらい
事
(
こと
)
になりましたなア』
164
と
目
(
め
)
を
丸
(
まる
)
うし、
165
口
(
くち
)
を
尖
(
とが
)
らして
名乗
(
なの
)
りかけた。
166
黒姫
(
くろひめ
)
『どこの
乞食婆
(
こじきばば
)
がやつて
来
(
く
)
るのかと
思
(
おも
)
へばお
前
(
まへ
)
さまは
高姫
(
たかひめ
)
さまぢやないか、
167
此
(
この
)
頃
(
ごろ
)
は
天地
(
てんち
)
暗澹
(
あんたん
)
として
四辺
(
しへん
)
暗
(
くら
)
く、
168
空気
(
くうき
)
が
悪
(
わる
)
いので
169
まあまあ
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
な、
170
持
(
も
)
ち
前
(
まへ
)
の
病気
(
びやうき
)
が
出
(
で
)
て
発狂
(
はつきやう
)
しなさつたのだらう。
171
些
(
ちつ
)
と
確
(
しつか
)
りして
貰
(
もら
)
はぬと
竜宮
(
りうぐう
)
の
乙姫
(
おとひめ
)
の
肉宮
(
にくみや
)
も
困
(
こま
)
るぢやありませぬか、
172
ホヽヽヽ。
173
あのまあ
小
(
こ
)
むつかしいスタイルだこと、
174
こんな
所
(
とこ
)
を
大将軍
(
たいしやうぐん
)
様
(
さま
)
にお
目
(
め
)
にかけたら
175
千
(
せん
)
年
(
ねん
)
の
恋
(
こひ
)
も
一度
(
いちど
)
にさめますぞや』
176
高姫
(
たかひめ
)
『ほつといて
下
(
くだ
)
さい、
177
黒姫
(
くろひめ
)
さま、
178
お
前
(
まへ
)
さまは
聖地
(
せいち
)
に
於
(
おい
)
て
慢心
(
まんしん
)
した
結果
(
けつくわ
)
、
179
日出
(
ひのでの
)
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
に
背
(
そむ
)
き、
180
神罰
(
しんばつ
)
を
蒙
(
かうむ
)
つて
百日
(
ももか
)
百夜
(
ももよ
)
の
修祓
(
しうばつ
)
を
受
(
う
)
け、
181
筍笠
(
たけのこがさ
)
のやうに
骨
(
ほね
)
と
皮
(
かは
)
とになつて
182
お
国替
(
くにが
)
へをなさつたのぢやないか。
183
それでもまだ
現界
(
げんかい
)
に
生
(
い
)
きて
居
(
ゐ
)
る
積
(
つも
)
りですか。
184
何
(
なん
)
とまあ
慢心
(
まんしん
)
した
身魂
(
みたま
)
の
迷
(
まよ
)
ふたのは
可愛
(
かあい
)
さうなものだなア。
185
あゝ
底津
(
そこつ
)
岩根
(
いはね
)
の
大
(
おほ
)
ミロク
様
(
さま
)
、
186
此
(
この
)
黒姫
(
くろひめ
)
さまも
一度
(
いちど
)
は
竜宮
(
りうぐう
)
の
乙姫
(
おとひめ
)
の
肉
(
にく
)
の
宮
(
みや
)
迄
(
まで
)
勤
(
つと
)
めた
神界
(
しんかい
)
の
殊勲者
(
しゆくんしや
)
ですから、
187
如何
(
いか
)
なる
罪
(
つみ
)
がありませうとも、
188
神直日
(
かむなほひ
)
大直日
(
おほなほひ
)
に
見直
(
みなほ
)
し
聞
(
き
)
き
直
(
なほ
)
し、
189
どうか
地獄
(
ぢごく
)
行
(
ゆ
)
きだけはお
許
(
ゆる
)
し
下
(
くだ
)
さいまして、
190
せめては
第三
(
だいさん
)
天国
(
てんごく
)
の
入口
(
いりぐち
)
迄
(
まで
)
なと
上
(
あげ
)
てやつて
下
(
くだ
)
さいませ、
191
惟神
(
かむながら
)
霊
(
たま
)
幸
(
ち
)
倍
(
はへ
)
坐
(
ま
)
世
(
せ
)
』
192
と
両眼
(
りやうがん
)
より
玉
(
たま
)
の
涙
(
なみだ
)
を
滴
(
したた
)
らせながら、
193
天
(
てん
)
に
向
(
むか
)
つて
合掌
(
がつしやう
)
する。
194
黒姫
(
くろひめ
)
『
高姫
(
たかひめ
)
さま、
195
確
(
しつか
)
りして
下
(
くだ
)
さい。
196
決
(
けつ
)
してこの
竜宮
(
りうぐう
)
の
乙姫
(
おとひめ
)
は
死
(
し
)
んだ
覚
(
おぼ
)
えは
御座
(
ござ
)
いませぬよ。
197
お
前
(
まへ
)
さま
余
(
あま
)
り
慢心
(
まんしん
)
が
強
(
つよ
)
くて
信仰
(
しんかう
)
に
酔
(
よ
)
つ
払
(
ぱら
)
つたものだから、
198
これ
程
(
ほど
)
ピチピチして
居
(
ゐ
)
る
私
(
わたし
)
を
亡者
(
まうじや
)
と
間違
(
まちが
)
へてゐるのですよ、
199
なる
程
(
ほど
)
百日
(
ももか
)
百夜
(
ももよ
)
の
修祓
(
しうばつ
)
を
受
(
う
)
けたのは
事実
(
じじつ
)
です。
200
併
(
しか
)
しまだ
死
(
し
)
んだ
覚
(
おぼ
)
えはありませぬ。
201
かう
常暗
(
とこやみ
)
の
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
となつては、
202
世界
(
せかい
)
万民
(
ばんみん
)
を
助
(
たす
)
ける
為
(
た
)
めに、
203
底津
(
そこつ
)
岩根
(
いはね
)
の
大
(
おほ
)
ミロク
様
(
さま
)
の
神柱
(
かむばしら
)
、
204
日出
(
ひのでの
)
神
(
かみ
)
の
生宮
(
いきみや
)
を
兼
(
かね
)
たお
前
(
まへ
)
さまが
確
(
しつか
)
りして
貰
(
もら
)
はなくちや、
205
どうしてミロクの
世
(
よ
)
が
建設
(
けんせつ
)
せられませう。
206
お
前
(
まへ
)
さまは、
207
あまり
大将軍
(
たいしやうぐん
)
さまに
現
(
うつつ
)
を
抜
(
ぬ
)
かし、
208
恋
(
こひ
)
に
眼
(
め
)
が
眩
(
くら
)
んで
千騎
(
せんき
)
一騎
(
いつき
)
の
此
(
この
)
場合
(
ばあひ
)
になつて
呆
(
はう
)
けたのでせう。
209
あゝ
高姫
(
たかひめ
)
さま、
210
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
な
方
(
かた
)
ぢやなア、
211
伊都能売
(
いづのめ
)
の
大神
(
おほかみ
)
様
(
さま
)
、
212
天
(
てん
)
の
大
(
おほ
)
ミロク
様
(
さま
)
、
213
三千
(
さんぜん
)
世界
(
せかい
)
の
人民
(
じんみん
)
が
可愛
(
かあい
)
さうと
思
(
おぼ
)
し
召
(
め
)
すなら、
214
どうぞこの
高姫
(
たかひめ
)
さまの
狂人
(
きちがひ
)
を
本心
(
ほんしん
)
に
立
(
た
)
ち
直
(
なほ
)
らして
下
(
くだ
)
さいませ、
215
高姫
(
たかひめ
)
さまさへ
元
(
もと
)
の
正気
(
しやうき
)
にお
帰
(
かへ
)
りなされば
私
(
わたし
)
の
肉体
(
にくたい
)
はいつ
国替
(
くにがへ
)
しても
構
(
かま
)
ひませぬ』
216
高姫
(
たかひめ
)
『あーあ、
217
仕方
(
しかた
)
のないものぢやな。
218
これ
程
(
ほど
)
云
(
い
)
うても
黒姫
(
くろひめ
)
さまの
精霊殿
(
せいれいどの
)
は
判
(
わか
)
らぬのかいな。
219
エヽぢれつたい、
220
惟神
(
かむながら
)
霊
(
たま
)
幸
(
ち
)
倍
(
はへ
)
坐
(
ま
)
世
(
せ
)
』
221
黒姫
(
くろひめ
)
『あゝ
高姫
(
たかひめ
)
さまも
判
(
わか
)
らぬやうになつたものぢやなア、
222
長
(
なが
)
らく
聖地
(
せいち
)
を
離
(
はな
)
れて
小北山
(
こぎたやま
)
に
陣
(
ぢん
)
どり、
223
鰯
(
いわし
)
の
昆布巻
(
こぶまき
)
になつて
居
(
ゐ
)
るものだから、
224
肝腎
(
かんじん
)
の
時
(
とき
)
に、
225
発狂
(
はつきやう
)
して
仕舞
(
しま
)
つたのだらう。
226
生
(
いき
)
て
居
(
ゐ
)
るか、
227
死
(
し
)
んで
居
(
ゐ
)
るか、
228
見分
(
みわ
)
けのつかぬやうになつては、
229
神柱
(
かむばしら
)
も
何
(
なに
)
もあつたものぢやない。
230
あゝ
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
だなア』
231
○
232
高山彦
(
たかやまひこ
)
『
朝日
(
あさひ
)
は
照
(
て
)
るとも
曇
(
くも
)
るとも
233
月
(
つき
)
は
盈
(
み
)
つとも
虧
(
か
)
くるとも
234
たとへ
大地
(
だいち
)
は
沈
(
しづ
)
むとも
235
曲津
(
まがつ
)
の
神
(
かみ
)
は
荒
(
すさ
)
ぶとも
236
誠
(
まこと
)
の
心
(
こころ
)
にや
叶
(
かな
)
はない
237
小北
(
こぎた
)
の
山
(
やま
)
より
遥々
(
はるばる
)
と
238
高姫
(
たかひめ
)
さまや
黒姫
(
くろひめ
)
が
239
山川
(
やまかは
)
千里
(
せんり
)
を
越
(
こ
)
え
乍
(
なが
)
ら
240
幾十回
(
いくじつくわい
)
と
限
(
かぎ
)
り
無
(
な
)
く
241
足
(
あし
)
を
運
(
はこ
)
びし
熱誠
(
ねつせい
)
に
242
つい
動
(
うご
)
かされ
老骨
(
ろうこつ
)
を
243
ひつさげ
乍
(
なが
)
ら
神界
(
しんかい
)
の
244
御用
(
ごよう
)
の
端
(
はし
)
に
仕
(
つか
)
へむと
245
妻子
(
つまこ
)
を
後
(
あと
)
に
振捨
(
ふりすて
)
て
246
浪花
(
なには
)
の
里
(
さと
)
に
流
(
なが
)
れ
入
(
い
)
り
247
花柳
(
くわりう
)
の
巷
(
ちまた
)
も
厭
(
いと
)
ひなく
248
神
(
かみ
)
の
御
(
おん
)
為
(
た
)
め
道
(
みち
)
の
為
(
た
)
め
249
烏
(
からす
)
のやうな
黒姫
(
くろひめ
)
を
250
老後
(
らうご
)
の
妻
(
つま
)
と
定
(
さだ
)
めつつ
251
小北
(
こぎた
)
の
山
(
やま
)
に
往
(
ゆ
)
きかへり
252
贋
(
にせ
)
の
教
(
をしへ
)
と
知
(
し
)
らずして
253
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
と
自称
(
じしよう
)
する
254
高姫
(
たかひめ
)
さまの
筆先
(
ふでさき
)
を
255
一字
(
いちじ
)
も
残
(
のこ
)
らず
読
(
よ
)
み
尽
(
つく
)
し
256
其
(
その
)
収穫
(
しうくわく
)
は
五里
(
ごり
)
霧中
(
むちう
)
257
荒野
(
あらの
)
を
彷徨
(
さまよ
)
ふ
心地
(
ここち
)
にて
258
三年
(
みとせ
)
四年
(
よとせ
)
と
過
(
す
)
ぎけるが
259
皇
(
すめ
)
大神
(
おほかみ
)
の
御心
(
みこころ
)
に
260
背
(
そむ
)
きし
為
(
た
)
めか
黒姫
(
くろひめ
)
は
261
百日
(
ももか
)
百夜
(
ももよ
)
の
苦
(
くるし
)
みを
262
身
(
み
)
に
受
(
う
)
け
乍
(
なが
)
ら
淋
(
さび
)
しげに
263
吾
(
われ
)
を
見捨
(
みす
)
てて
神去
(
かむさ
)
りぬ
264
さは
去
(
さ
)
り
乍
(
なが
)
ら
人間
(
にんげん
)
は
265
神代
(
かみよ
)
の
昔
(
むかし
)
の
因縁
(
いんねん
)
を
266
持
(
も
)
ちて
生
(
うま
)
れしものなれば
267
如何
(
いか
)
に
汚
(
きたな
)
き
黒姫
(
くろひめ
)
も
268
吾
(
わ
)
が
女房
(
にようばう
)
と
諦
(
あきら
)
めつ
269
くだらぬ
教
(
をしへ
)
を
謹
(
つつし
)
みて
270
聞
(
き
)
き
居
(
ゐ
)
たるこそ
嘆
(
うた
)
てけれ
271
今日
(
けふ
)
は
吾妹
(
わぎも
)
が
昇天
(
しようてん
)
の
272
百日祭
(
ひやくにちさい
)
になりぬれば
273
心
(
こころ
)
の
手向
(
たむけ
)
をなさむとて
274
霊
(
みたま
)
の
鎮
(
しづ
)
まる
奥津城
(
おくつき
)
に
275
花
(
はな
)
供
(
そな
)
へむと
進
(
すす
)
むなり
276
黒姫
(
くろひめ
)
果
(
はた
)
して
霊
(
れい
)
あらば
277
吾
(
われ
)
に
一言
(
ひとこと
)
今
(
いま
)
迄
(
まで
)
の
278
誤解
(
ごかい
)
を
謝
(
しや
)
せよ
天地
(
あめつち
)
の
279
神
(
かみ
)
の
御前
(
みまへ
)
に
平
(
ひ
)
れ
伏
(
ふ
)
して
280
神
(
かみ
)
に
背
(
そむ
)
きし
罪業
(
ざいごふ
)
を
281
悔
(
く
)
い
改
(
あらた
)
めて
根
(
ね
)
の
国
(
くに
)
や
282
底
(
そこ
)
の
国
(
くに
)
なる
苦
(
くる
)
しみを
283
よく
助
(
たす
)
かれよ
惟神
(
かむながら
)
284
神
(
かみ
)
は
汝
(
なんぢ
)
と
共
(
とも
)
ならば
285
必
(
かなら
)
ず
地獄
(
ぢごく
)
の
苦
(
く
)
を
逃
(
のが
)
れ
286
天津
(
あまつ
)
御国
(
みくに
)
に
安々
(
やすやす
)
と
287
神
(
かみ
)
の
助
(
たす
)
けに
昇
(
のぼ
)
るべし
288
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
289
頓生
(
とんしやう
)
菩提
(
ぼだい
)
黒姫
(
くろひめ
)
よ
290
後
(
あと
)
に
残
(
のこ
)
りし
吾
(
わ
)
が
命
(
いのち
)
291
あまり
惜
(
をし
)
くはなけれ
共
(
ども
)
292
自殺
(
じさつ
)
をなせば
天
(
てん
)
の
罪
(
つみ
)
293
自然
(
しぜん
)
に
死
(
し
)
して
汝
(
な
)
が
後
(
あと
)
を
294
慕
(
した
)
ひて
行
(
ゆ
)
かむ
其
(
その
)
日
(
ひ
)
迄
(
まで
)
295
身魂
(
みたま
)
を
研
(
みが
)
いて
天国
(
てんごく
)
の
296
神
(
かみ
)
の
御苑
(
みその
)
に
復活
(
ふくくわつ
)
し
297
半座
(
はんざ
)
を
分
(
わ
)
けて
吾
(
われ
)
待
(
ま
)
てよ
298
汝
(
なれ
)
が
昇天
(
しようてん
)
せし
後
(
のち
)
は
299
一人
(
ひとり
)
くよくよ
老
(
おい
)
の
身
(
み
)
の
300
淋
(
さび
)
しさ
勝
(
まさ
)
る
冬
(
ふゆ
)
の
夜
(
よる
)
301
衣
(
ころも
)
は
薄
(
うす
)
く
歯
(
は
)
はふるひ
302
足
(
あし
)
もわなわな
行
(
ゆ
)
き
艱
(
なや
)
む
303
この
窮状
(
きうじやう
)
を
憐
(
あはれ
)
みて
304
国治立
(
くにはるたち
)
の
大御神
(
おほみかみ
)
305
一日
(
ひとひ
)
も
早
(
はや
)
く
黒姫
(
くろひめ
)
が
306
御後
(
みあと
)
を
追
(
お
)
はせ
給
(
たま
)
へかし
307
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
308
御霊
(
みたま
)
の
恩頼
(
ふゆ
)
を
願
(
ね
)
ぎまつる』
309
斯
(
か
)
く
歌
(
うた
)
ひ
乍
(
なが
)
ら
310
高山彦
(
たかやまひこ
)
の
精霊
(
せいれい
)
は
311
枯草
(
かれくさ
)
茂
(
しげ
)
る
荒野原
(
あれのはら
)
312
杖
(
つゑ
)
を
力
(
ちから
)
にとぼとぼと
313
八衢
(
やちまた
)
さして
進
(
すす
)
み
来
(
く
)
る
314
黒姫
(
くろひめ
)
見
(
み
)
るより
狂喜
(
きやうき
)
して
315
黒姫
(
くろひめ
)
『お
前
(
まへ
)
は
吾
(
わが
)
夫
(
つま
)
高
(
たか
)
さまか
316
何処
(
どこ
)
にどうして
厶
(
ござ
)
つたの
317
合点
(
がてん
)
のゆかぬ
事
(
こと
)
許
(
ばか
)
り
318
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
の
生宮
(
いきみや
)
の
319
高姫
(
たかひめ
)
さまが
発狂
(
はつきやう
)
して
320
私
(
わたし
)
を
亡者
(
まうじや
)
と
誤解
(
ごかい
)
する
321
百万言
(
ひやくまんげん
)
を
尽
(
つく
)
せども
322
心
(
こころ
)
の
狂
(
くる
)
ふた
高姫
(
たかひめ
)
は
323
私
(
わたし
)
の
言葉
(
ことば
)
は
糠
(
ぬか
)
に
釘
(
くぎ
)
324
豆腐
(
とうふ
)
に
鎹
(
かすがひ
)
応
(
こた
)
へなく
325
如何
(
いかが
)
はせむと
思
(
おも
)
ふ
折
(
をり
)
326
かすかに
聞
(
きこ
)
ゆる
吾
(
わが
)
夫
(
つま
)
の
327
声
(
こゑ
)
を
力
(
ちから
)
に
佇
(
たたず
)
めば
328
まがふ
方
(
かた
)
なき
吾
(
わが
)
夫
(
つま
)
と
329
知
(
し
)
りたる
時
(
とき
)
の
嬉
(
うれ
)
しさは
330
百万
(
ひやくまん
)
人
(
にん
)
の
味方
(
みかた
)
をば
331
得
(
え
)
たるが
如
(
ごと
)
く
思
(
おも
)
ひます
332
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
の
生宮
(
いきみや
)
の
333
高姫
(
たかひめ
)
さまよよつく
聞
(
き
)
け
334
高山彦
(
たかやまひこ
)
のハズバンド
335
ここに
現
(
あら
)
はれます
上
(
うへ
)
は
336
私
(
わたし
)
が
亡者
(
まうじや
)
になつてるか
337
あなたが
発狂
(
はつきやう
)
して
居
(
を
)
るか
338
いと
明白
(
めいはく
)
に
分
(
わか
)
るだろう
339
まさかの
時
(
とき
)
の
助
(
たす
)
け
舟
(
ぶね
)
340
あゝ
天道
(
てんだう
)
は
人
(
ひと
)
を
殺
(
ころ
)
さない
341
あゝ
有難
(
ありがた
)
し
有難
(
ありがた
)
し
342
吾
(
わが
)
夫
(
つま
)
さま』と
縋
(
すが
)
りつく
343
高山彦
(
たかやまひこ
)
は
仰天
(
ぎやうてん
)
し
344
高山彦
(
たかやまひこ
)
『これやこれや
黒姫
(
くろひめ
)
迷
(
まよ
)
ふなよ
345
お
前
(
まへ
)
は
此
(
この
)
世
(
よ
)
の
人
(
ひと
)
でない
346
百日
(
ももか
)
百夜
(
ももよ
)
の
病
(
わづら
)
ひに
347
天命
(
てんめい
)
つきて
現界
(
げんかい
)
を
348
後
(
あと
)
に
見捨
(
みす
)
てて
行
(
い
)
つた
者
(
もの
)
349
誤解
(
ごかい
)
するな』とたしなめば
350
高姫
(
たかひめ
)
鼻
(
はな
)
をつんとかみ
351
いとも
急
(
せ
)
はしき
口元
(
くちもと
)
で
352
高姫
(
たかひめ
)
『
高山彦
(
たかやまひこ
)
がよい
証拠
(
しようこ
)
353
お
前
(
まへ
)
は
亡者
(
まうじや
)
に
違
(
ちが
)
ひない
354
早
(
はや
)
く
神言
(
かみごと
)
奏上
(
そうじやう
)
し
355
地獄
(
ぢごく
)
の
関門
(
くわんもん
)
突破
(
とつぱ
)
して
356
天国
(
てんごく
)
浄土
(
じやうど
)
に
行
(
ゆ
)
くがよい
357
高山彦
(
たかやまひこ
)
に
執着
(
しふちやく
)
を
358
のこしちやならぬ
黒姫
(
くろひめ
)
さま
359
左様
(
さやう
)
ならば』と
背
(
せ
)
を
向
(
む
)
けて
360
一目散
(
いちもくさん
)
に
駆
(
か
)
け
出
(
だ
)
せば
361
骨
(
ほね
)
と
皮
(
かは
)
との
瘠腕
(
やせうで
)
を
362
グツと
伸
(
の
)
ばして
黒姫
(
くろひめ
)
が
363
鼻高姫
(
はなたかひめ
)
の
後
(
うしろ
)
髪
(
がみ
)
364
むんずと
捉
(
つか
)
んで
引
(
ひ
)
き
戻
(
もど
)
す
365
高姫
(
たかひめ
)
地上
(
ちじやう
)
に
転倒
(
てんだう
)
し
366
高姫
(
たかひめ
)
『あゝいやらしや いやらしや
367
亡者
(
まうじや
)
になつても
此
(
この
)
通
(
とほ
)
り
368
執着心
(
しふちやくしん
)
の
深
(
ふか
)
い
婆々
(
ばば
)
369
地獄
(
ぢごく
)
に
落
(
お
)
つるは
当然
(
あたりまへ
)
370
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
は
知
(
し
)
りませぬ
371
これから
高山彦
(
たかやまひこ
)
さまに
372
とつつき
散々
(
さんざん
)
愚知
(
ぐち
)
こぼし
373
何
(
な
)
んなら
冥途
(
めいど
)
の
道
(
みち
)
づれに
374
伴
(
つ
)
れて
行
(
ゆ
)
かんせ
左様
(
さやう
)
なら』
375
悪垂口
(
あくたれぐち
)
を
叩
(
たた
)
きつつ
376
又
(
また
)
逃
(
に
)
げだすを
黒姫
(
くろひめ
)
は
377
頭
(
かしら
)
に
角
(
つの
)
を
立
(
た
)
て
乍
(
なが
)
ら
378
線香
(
せんかう
)
のやうな
手
(
て
)
を
出
(
だ
)
して
379
襟髪
(
えりがみ
)
グツと
引
(
ひ
)
き
戻
(
もど
)
す
380
高姫
(
たかひめ
)
再
(
ふたた
)
び
地
(
ち
)
の
上
(
うへ
)
に
381
転倒
(
てんだう
)
したる
其
(
その
)
刹那
(
せつな
)
382
姿
(
すがた
)
は
煙
(
けぶり
)
と
消
(
き
)
えにけり
383
高山彦
(
たかやまひこ
)
はゾツとして
384
身慄
(
みぶる
)
ひしながら
逃
(
に
)
げ
出
(
だ
)
せば
385
又
(
また
)
もや
黒姫
(
くろひめ
)
後
(
あと
)
を
追
(
お
)
ひ
386
黒姫
(
くろひめ
)
『
悪性
(
あくしやう
)
男
(
をとこ
)
のハズバンド
387
この
黒姫
(
くろひめ
)
の
黒
(
くろ
)
い
目
(
め
)
を
388
ぬすんで
日出
(
ひので
)
の
生宮
(
いきみや
)
と
389
甘
(
あま
)
い
約束
(
やくそく
)
したのだらう
390
許
(
ゆる
)
しはせない』と
云
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら
391
氷
(
こほり
)
の
如
(
ごと
)
き
冷
(
ひや
)
やかな
392
拳
(
こぶし
)
を
固
(
かた
)
めて
打
(
う
)
ちおろす
393
全身
(
ぜんしん
)
汗
(
あせ
)
にしたりつつ
394
高山彦
(
たかやまひこ
)
は
手
(
て
)
を
合
(
あは
)
せ
395
高山彦
(
たかやまひこ
)
『
黒姫
(
くろひめ
)
暫
(
しばら
)
く
待
(
ま
)
つて
呉
(
く
)
れ
396
三千
(
さんぜん
)
世界
(
せかい
)
にお
前
(
まへ
)
より
397
外
(
ほか
)
に
増
(
ま
)
す
花
(
はな
)
持
(
も
)
たぬぞや
398
左
(
さ
)
はさり
乍
(
なが
)
ら
果敢
(
はか
)
なくも
399
散
(
ち
)
り
行
(
ゆ
)
く
花
(
はな
)
は
是非
(
ぜひ
)
もなし
400
汝
(
なれ
)
が
後
(
あと
)
をば
逐
(
お
)
はむかと
401
天地
(
てんち
)
の
神
(
かみ
)
に
願
(
ねが
)
ひても
402
業因
(
ごふいん
)
未
(
いま
)
だ
尽
(
つ
)
きざるか
403
死
(
し
)
ぬにも
死
(
し
)
なれぬ
身
(
み
)
の
苦衷
(
くちう
)
404
察
(
さつ
)
してくれよ
黒姫
(
くろひめ
)
』と
405
両眼
(
りやうがん
)
涙
(
なみだ
)
を
湛
(
たた
)
へつつ
406
ことわけすれど
黒姫
(
くろひめ
)
は
407
白髪頭
(
しらがあたま
)
を
横
(
よこ
)
にふり
408
皺涸
(
しわが
)
れ
声
(
ごゑ
)
を
張
(
は
)
りあげて
409
黒姫
(
くろひめ
)
『
悪性
(
あくしやう
)
男
(
をとこ
)
のハズバンド
410
黒姫
(
くろひめ
)
愛想
(
あいさう
)
が
尽
(
つ
)
きたぞや
411
鼻高姫
(
はなたかひめ
)
の
後
(
あと
)
を
追
(
お
)
て
412
尻
(
しり
)
の
世話
(
せわ
)
でもするがよい
413
煩
(
うる
)
さい
親爺
(
おやぢ
)
』と
云
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら
414
悋気
(
りんき
)
の
角
(
つの
)
をふりたてて
415
夜叉
(
やしや
)
の
如
(
ごと
)
くに
駆
(
かけ
)
出
(
い
)
だす
416
かかる
折
(
をり
)
しも
天空
(
てんくう
)
に
417
天津
(
あまつ
)
祝詞
(
のりと
)
の
声
(
こゑ
)
聞
(
きこ
)
え
418
梅
(
うめ
)
の
花片
(
はなびら
)
ちらちらと
419
四辺
(
あたり
)
に
落
(
お
)
ちて
香
(
かん
)
ばしく
420
いと
爽
(
さはや
)
かな
音楽
(
おんがく
)
に
421
つれて
紫雲
(
しうん
)
をわけ
乍
(
なが
)
ら
422
気高
(
けだか
)
きエンゼル
悠々
(
いういう
)
と
423
下
(
くだ
)
り
来
(
く
)
るよと
見
(
み
)
る
中
(
うち
)
に
424
黒姫
(
くろひめ
)
姿
(
すがた
)
は
後
(
あと
)
もなく
425
煙
(
けぶり
)
と
消
(
き
)
えて
室内
(
しつない
)
に
426
眼
(
まなこ
)
くばれば
高姫
(
たかひめ
)
が
427
黒姫
(
くろひめ
)
霊璽
(
れいじ
)
の
前
(
まへ
)
に
座
(
ざ
)
し
428
片言交
(
かたことまじ
)
りの
祝詞
(
のりと
)
をば
429
奏上
(
そうじやう
)
しながら
涙
(
なみだ
)
ぐみ
430
ぶつぶつ
小言
(
こごと
)
を
云
(
い
)
ひ
居
(
ゐ
)
たり
431
高山彦
(
たかやまひこ
)
は
夢
(
ゆめ
)
さめて
432
ホツと
一息
(
ひといき
)
つきながら
433
鼻高姫
(
はなたかひめ
)
の
親切
(
しんせつ
)
を
434
心
(
こころ
)
の
底
(
そこ
)
より
感謝
(
かんしや
)
しつ
435
庭
(
には
)
に
出
(
い
)
づれば
大空
(
おほぞら
)
に
436
皎々
(
かうかう
)
輝
(
かがや
)
く
望
(
もち
)
の
月
(
つき
)
437
心
(
こころ
)
も
広
(
ひろ
)
く
伏
(
ふ
)
し
拝
(
をが
)
み
438
感謝
(
かんしや
)
の
祝詞
(
のりと
)
を
奏上
(
そうじやう
)
し
439
小北
(
こぎた
)
の
山
(
やま
)
へと
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く
440
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
441
御霊
(
みたま
)
の
恩頼
(
ふゆ
)
ぞ
畏
(
かしこ
)
けれ。
442
(昭和二・一〇・一九 長崎県島原町南風楼にて
加藤明子
録)
Δこのページの一番上に戻るΔ
<<< 妖魅帰
(B)
(N)
余白歌 >>>
霊界物語
>
第72巻
> (後付) > 筑紫潟
Tweet
ロシアのプーチン大統領が霊界物語に予言されていた!?<絶賛発売中>
オニド関連サイト
最新更新情報
10/22
【霊界物語ネット】
『
王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)
』をテキスト化しました。
9/18
【
飯塚弘明.com
】
飯塚弘明著『
PTC2 出口王仁三郎の霊界物語で透見する世界現象 T之巻
』発刊!
5/8
【霊界物語ネット】
霊界物語ネットに出口王仁三郎の
第六歌集『霧の海』
を掲載しました。
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【
メールアドレス
】
【筑紫潟|第72巻(亥の巻)|霊界物語/rm729901】
合言葉「みろく」を入力して下さい→