霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第二一章 大会合(だいくわいがふ)〔一八三〇〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第72巻 山河草木 亥の巻 篇:第3篇 転化退閉 よみ(新仮名遣い):てんかたいへい
章:第21章 大会合 よみ(新仮名遣い):だいかいごう 通し章番号:1830
口述日:1926(大正15)年07月01日(旧05月22日) 口述場所:天之橋立なかや別館 筆録者:北村隆光 校正日: 校正場所: 初版発行日:1929(昭和4)年4月3日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる] 主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2019-02-15 13:11:10 OBC :rm7221
愛善世界社版:259頁 八幡書店版:第12輯 695頁 修補版: 校定版:271頁 普及版:102頁 初版: ページ備考:
001 スガの(みなと)百万(ひやくまん)長者(ちやうじや)(きこ)えたる薬種(やくしゆ)問屋(どひや)(おく)()には、002若主人(わかしゆじん)のイルクを(はじ)老父(らうふ)のアリスにダリヤ(ひめ)003ヨリコ(ひめ)004花香姫(はなかひめ)005門番(もんばん)のアル、006エス(およ)びスガの(みや)神司(かむつかさ)たりし玉清別(たまきよわけ)(まで)(くび)(あつ)めて密談(みつだん)(ふけ)つてゐる。
007ヨリコ『アリス(さま)008イルク(さま)009(その)()(みな)さまに、010(わらは)はお(わび)(いた)さねばなりませぬ、011折角(せつかく)大枚(たいまい)なお(かね)()して、012立派(りつぱ)なお(みや)(つく)つて(いただ)き、013道場(だうぢやう)(あるじ)(まで)()けられまして、014()(あま)光栄(くわうえい)(よく)して()りましたが、015ツイ(わらは)慢心(まんしん)より宗教(しうけう)問答所(もんだふどころ)(など)看板(かんばん)(かか)げたのが(わざはひ)(もと)となり、016(わらは)(はじ)玉清別(たまきよわけ)(さま)017ダリヤ(ひめ)(さま)018(およ)()一門(いちもん)(たい)し、019非常(ひじやう)損害(そんがい)をおかけ(いた)(その)(つみ)(まこと)万死(ばんし)(あたひ)(いた)します。020熟々(つらつら)(かんが)へますれば021オーラ(さん)立籠(たてこも)泥棒(どろばう)親分(おやぶん)とまでなつて悪事(あくじ)悪行(あくかう)敢行(かんかう)して()(つみ)(ふか)(からだ)022どうして(かみ)(さま)のお屋敷(やしき)(つと)める(こと)出来(でき)ませう。023折角(せつかく)聖地(せいち)もウラナイ(けう)高姫(たかひめ)さまに(わた)さねばならないやうな破目(はめ)になりました。024これ(みな)(わらは)(いた)らぬ(つみ)御座(ござ)いますから025何卒(なにとぞ)々々(なにとぞ)(おも)存分(ぞんぶん)()成敗(せいばい)(ねが)ひたう御座(ござ)います』
026アリス『ヨリコ(ひめ)(さま)027左様(さやう)なお心遣(こころづかひ)()無用(むよう)にして(くだ)さい。028三万(さんまん)五万(ごまん)(かね)使(つか)つてお(みや)()てた(ところ)で、029(べつ)(わたくし)(たく)財産(しんしやう)(かたむ)くと()(わけ)でもなし、030一旦(いつたん)031ウラナイ(けう)(わた)した以上(いじやう)是非(ぜひ)なしとして、032(ふたた)以前(いぜん)幾層倍(いくそうばい)()した立派(りつぱ)()神殿(しんでん)(つく)()げ、033ウラナイ(けう)(むか)ふを()つて()せてやらうぢやありませぬか。034なア(せがれ)035(まへ)はどう(おも)ふか、036()いては()(したが)へと()(こと)もあるから、037(まへ)意見(いけん)(まか)しておく』
038イルク『当家(たうけ)財産(ざいさん)は、039もとより(つみ)(かたま)りで出来(でき)たのですから、040何程(なにほど)立派(りつぱ)なお(みや)()てても、041(かみ)(さま)御用(ごよう)()たないのは必然(ひつぜん)結果(けつくわ)です。042(けつ)して(わたくし)()しいとは(おも)ひませぬ。043(かみ)(さま)()(ゆる)しあれば、044当家(たうけ)財産(ざいさん)全部(ぜんぶ)()()して立派(りつぱ)なお(みや)(つく)()御座(ござ)います』
045アリ『成程(なるほど)046(せがれ)()(とほ)りだ、047(まへ)(なに)()一任(いちにん)しておく。048(みな)さま、049(せがれ)とトツクリ相談(さうだん)して(くだ)さい、050(わたくし)老年(としより)()051失礼(しつれい)(いた)しまして、052離棟(はなれ)(やす)まして(もら)ひます』
053座敷杖(ざしきづゑ)をつき(なが)054()(あが)りの(からだ)()()つて離棟(はなれ)をさして()でて()く。
055玉清(たまきよ)(わたくし)永年(ながねん)(あひだ)神谷村(かみたにむら)苦労(くらう)艱難(かんなん)(いた)し、056(なん)とかして三五(あななひ)(みち)再興(さいこう)させ()いものと千辛(せんしん)万慮(ばんりよ)結果(けつくわ)057当家(たうけ)発起(ほつき)によつて立派(りつぱ)(みや)()(あが)り、058大神(おほかみ)(さま)神司(かむづかさ)となり、059先祖(せんぞ)(げふ)をつむ(こと)になつて大変(たいへん)(よろこ)(いさ)んで奉仕(ほうし)して()りましたが、060モウかうなれば、061(なん)とも(いた)(かた)御座(ござ)いませぬ。062(わたくし)はこれより神谷村(かみたにむら)(たち)(かへ)り、063もとの(ごと)里庄(りしやう)をつとめ、064村民(そんみん)安堵(あんど)させてやりませう』
065ダリヤ『モシ、066玉清別(たまきよわけ)(さま)067あまりお()(みじか)いぢやありませぬか。068どうぞ(しばら)く、069(なん)とか(きま)(まで)()つてゐて(くだ)さいませ。070やがて()もなく、071三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)がお()(あそ)ばすでせうから、072その(うへ)トツクリ()相談(さうだん)(あそ)ばしての(うへ)(こと)(ねが)()御座(ござ)います』
073玉清(たまきよ)敗軍(はいぐん)(しやう)(へい)(かた)らず、074(しか)らば少時(しばらく)言葉(ことば)(あま)へ、075逗留(とうりう)さして(いただ)きませう』
076アル『モシ若旦那(わかだんな)さま、077(けつ)して()心配(しんぱい)()りませぬよ、078キツトあの高姫(たかひめ)()(やつ)079(いま)尻尾(しつぽ)()しますからマア(しばら)()つてゐて(くだ)さい。080(わたくし)とエスとが一生(いつしやう)懸命(けんめい)彼奴(あいつ)素性(すじやう)探索(たんさく)してゐます。081モウここ十日(とをか)()たない(うち)に、082キツト杢助(もくすけ)夫婦(ふうふ)(たた)()して御覧(ごらん)()れます。083キユーバーの野郎(やらう)(くさ)代物(しろもの)です。084少時(しばらく)成行(なりゆき)(まか)して()てゐたらどうでせう』
085イルク『いかにも、086彼奴(あいつ)ア、087(わたくし)(あや)しい(やつ)だと(おも)つてゐる、088キツト(かみ)(さま)善悪(ぜんあく)(さば)いて(くだ)さるだらう。089大国常立(おほくにとこたちの)(みこと)(さま)090(かむ)素盞嗚(すさのをの)(みこと)(さま)は、091あのやうな悪人(あくにん)聖場(せいぢやう)(まか)して、092安閑(あんかん)()御座(ござ)るやうな、093ヘドロい(かみ)(さま)ぢや御座(ござ)いますまい』
094 ()(はな)してゐる(ところ)へドヤドヤと()(きた)るは三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)照国別(てるくにわけ)095照公(てるこう)096玄真坊(げんしんばう)097コオロ、098コブライの五人(ごにん)()れであつた。
099照国(てるくに)御免(ごめん)なさいませ、100拙者(せつしや)三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)照国別(てるくにわけ)御座(ござ)います。101梅公(うめこう)何時(いつ)やらは、102いかいお世話(せわ)(あづか)つたさうで御座(ござ)いますが、103まだ(かれ)当家(たうけ)へは(かへ)つて()りませぬか』
104イル『ハイ、105貴方(あなた)(うはさ)(たか)照国別(てるくにわけ)宣伝使(せんでんし)(さま)御座(ござ)いましたか、106(わたくし)当家(たうけ)(あるじ)107イルクと(まを)します、108いい(ところ)()(くだ)さいました。109サアサアどうか(おく)へお(とほ)(くだ)さいませ』
110照公(てるこう)拙者(せつしや)照国別(てるくにわけ)(さま)弟子(でし)111照公(てるこう)(まを)します、112何分(なにぶん)(よろ)しく』
113玄真(げんしん)拙者(せつしや)玄真坊(げんしんばう)(まを)修験者(しうげんじや)御座(ござ)います、114何分(なにぶん)よろしく()見知(みし)りおき(くだ)さいまして以後(いご)()懇意(こんい)(ねが)ひます』
115コオ『奴輩(やつがれ)はコオロと(まを)す、116あまり、117()くもない、118(わる)くもない三品(さんぴん)野郎(やらう)でげす。119不思議(ふしぎ)にも照国別(てるくにわけ)(さま)一行(いつかう)難船(なんせん)した(ところ)(たす)けられお(とも)になつて(まゐ)りました。120どうか門番(もんばん)にでも使(つか)つてやつて(くだ)さい』
121コブ『奴輩(やつがれ)はコブライと(まを)しまして、122チツト(ばか)()()れたやうな、123()れぬやうな侠客(けふかく)渡世(とせい)(いた)しますもので御座(ござ)います。124何分(なにぶん)よろしくお(ねがひ)(まを)します』
125イル『ヤア皆様(みなさま)126よくこそお()(くだ)さいました。127(なに)()もあれ照国別(てるくにわけ)宣伝使(せんでんし)(さま)(とも)(おく)へお(とほ)(くだ)さい、128チツト(ばか)当家(たうけ)には心配事(しんぱいごと)(おこ)りまして、129相談(さうだん)最中(さいちう)御座(ござ)います』
130照公(てるこう)『いかなる()心配(しんぱい)()りませぬが、131(さいは)先生(せんせい)もゐらつしやるし、132(およ)ばず(なが)らお(ちから)になりませう』
133イル『ハイ、134有難(ありがた)御座(ござ)います。135何分(なにぶん)よろしく』
136挨拶(あいさつ)し、137(みづか)(ちや)()菓子(くわし)()し、138(ちから)(かぎ)りに饗応(きやうおう)する。
139照国(てるくに)当家(たうけ)非常(ひじやう)旧家(きうか)()えますな、140庭石(にはいし)(こけ)むしたる(おもむき)()ひ、141石燈籠(いしどうろう)()ひ、142(たび)(つか)れを(なぐさ)むるには屈強(くつきやう)のお座敷(ざしき)143イヤ、144どうも立派(りつぱ)なお座敷(ざしき)(けが)して()みませぬ』
145イル『(なに)仰有(おつしや)います。146()(かげ)もなき破家(あばらや)(かご)()げられまして、147一家(いつか)一門(いちもん)光栄(くわうえい)(これ)()ぎたる(こと)御座(ござ)いませぬ。148子孫(しそん)(だい)(まで)()(つた)へて(よろこ)ぶで御座(ござ)いませう』
149玉清(たまきよ)(わたくし)神谷村(かみたにむら)玉清別(たまきよわけ)(まを)三五教(あななひけう)信者(しんじや)御座(ござ)います。150照国別(てるくにわけ)(さま)とやら、151何卒(なにとぞ)々々(なにとぞ)見知(みし)りおかれまして、152今後(こんご)(とも)153よろしく()指導(しだう)(ほど)をお(ねがひ)(まを)します』
154照国(てるくに)『ヤア貴方(あなた)(うはさ)(うけたま)はつた玉清別(たまきよわけ)(さま)御座(ござ)いますか、155これは(めづら)しい(ところ)でお()にかかりました。156何分(なにぶん)よろしくお(ねがひ)(いた)します。157(とき)にイルクさま、158(いま)一寸(ちよつと)(うけたま)はれば当家(たうけ)には(なに)取込事(とりこみごと)があつて()相談(さうだん)最中(さいちう)だと()きましたが、159どうかお邪魔(じやま)になれば(せき)(はづ)しますから』
160イル『イヤ、161(けつ)して()心配(しんぱい)には(およ)びませぬ、162(じつ)(ところ)はスガの(みや)(けん)()きまして……』
163一伍(いちぶ)一什(しじふ)詳細(しやうさい)物語(ものがた)つた。
164 照国別(てるくにわけ)は「ウーン」と()つたきり双手(もろて)()んで少時(しばし)思案(しあん)にくれて()たが、165(なに)()するところあるものの(ごと)(ひざ)をハタと()()()(うなづ)いて、
166『ヤ、167(わか)りました、168どうか(わたくし)(まか)して(くだ)さい、169この解決(かいけつ)はキツトつけて()げませう』
170イル『何分(なにぶん)よろしく、171(たの)(まを)します』
172ヨリ『照国別(てるくにわけ)宣伝使(せんでんし)(さま)173(わらは)貴方(あなた)()弟子(でし)梅公別(うめこうわけ)さまに非常(ひじやう)なお世話(せわ)(あづか)つたもので御座(ござ)います。174此処(ここ)()りまするのは花香(はなか)()つて(わらは)(いもうと)御座(ござ)いますが、175不思議(ふしぎ)(えん)梅公別(うめこうわけ)(さま)(つま)にして(いただ)(こと)内定(ないてい)してゐるもので御座(ござ)います。176何分(なにぶん)よろしく()とりなしをお(ねがひ)(まを)()げます』
177照国(てるくに)『ヤ、178かねて梅公別(うめこうわけ)からヨリコ(ひめ)(さま)(こと)花香姫(はなかひめ)(さま)(こと)()いて()ります、179何事(なにごと)(かみ)(さま)思召(おぼしめし)次第(しだい)ですからな』
180花香(はなか)『これはこれはお師匠(ししやう)(さま)181(はじ)めてお()にかかります。182(わらは)(いま)(あね)(まを)しました(とほ)り、183梅公別(うめこうわけ)さまに大変(たいへん)()贔屓(ひいき)(あづか)つてゐる花香(はなか)御座(ござ)います。184何分(なにぶん)よろしく……今後(こんご)のお世話(せわ)をお(ねがひ)(まを)しまする』
185 ()(たがひ)挨拶(あいさつ)なせる(をり)しも、186梅公別(うめこうわけ)宣伝使(せんでんし)(おも)たげに(おほ)きな葛籠(つづら)背負(せお)ひ、187エチエチ()(きた)り、
188梅公(うめこう)『ア、189御免(ごめん)なさい、190梅公別(うめこうわけ)です、191大変(たいへん)()無沙汰(ぶさた)(いた)しました』
192 番頭(ばんとう)のアルは(あたま)をピヨコピヨコ()(なが)ら、
193『ヤア、194よう()(くだ)さいました、195先生(せんせい)196若旦那(わかだんな)(さま)も、197大旦那(おほだんな)(さま)大変(たいへん)198先生(せんせい)のお()しをお()ちで御座(ござ)いました。199(これ)から一寸(ちよつと)(おく)(まを)して()ますから』
200梅公(うめこう)『イヤ、201それには(およ)びませぬ、202照国別(てるくにわけ)宣伝使(せんでんし)()えてゐるでせう。203……(わたくし)(はう)から(うかが)ひます』
204と、205大葛籠(おほつづら)玄関(げんくわん)にソツと(おろ)し、206案内(あんない)もなく奥内(おくない)さしてニコニコし(なが)(すす)()る。
207梅公(うめこう)『ヤ、208先生(せんせい)(はじ)(みな)さま、209()一同(いちどう)210(はや)御座(ござ)いましたね』
211照国(てるくに)『ヤ、212(いま)当家(たうけ)(うかが)つた(ところ)だ、213(じつ)はお(まへ)が、214あの暴風雨(しけ)小舟(こぶね)()して(なみ)(うへ)()えて(しま)つたものだから、215(すこ)(ばか)心配(しんぱい)してゐたのだ。216ヤ、217無事(ぶじ)結構(けつこう)々々(けつこう)218花香姫(はなかひめ)()()()安心(あんしん)だらう』
219ヨリ『梅公別(うめこうわけ)先生(せんせい)(さま)220(ひさ)しう()()にかかりませぬ、221()()()無事(ぶじ)でお目出度(めでた)御座(ござ)います。222花香(はなか)大変(たいへん)にお(まち)(まを)した様子(やうす)御座(ござ)います、223これ花香(はなか)224(はや)()挨拶(あいさつ)(まを)さないか』
225 花香姫(はなかひめ)(かほ)(あか)らめ(なが)(はづか)しさうに()をついて、
226『アノ、227旦那(だんな)(さま)228イーエ、229梅公別(うめこうわけ)宣伝使(せんでんし)(さま)230(ひさ)しう御座(ござ)います、231(わたし)232どれ(ほど)()つてゐたか()れませぬのよ』
233 梅公別(うめこうわけ)無雑作(むざふさ)愛想(あいそ)よく、
234『ヤ、235(おく)さま、236イヤ(おく)さまと()つては()まないが、237花香姫(はなかひめ)さま、238()()()壮健(さうけん)でお目出度(めでた)う、239(わたし)だつてヤツパリ花香(はなか)さまの(こと)何時(いつ)でも(わす)れてゐやしませぬよ』
240花香(はなか)『ハイ、241有難(ありがた)御座(ござ)います。242そのお言葉(ことば)()いて得心(とくしん)(いた)しました』
243照公(てるこう)『オイ、244梅公(うめこう)245馬鹿(ばか)にすない、246(なに)かおごつて(もら)はうかい。247(おれ)(まへ)で、248おやすくない(ところ)()せつけやがつて、249あまりひどいぢやないか、250アツハヽヽ』
251ヨリ『梅公別(うめこうわけ)さま、252当然(あたりまへ)ですわね、253これ花香(はなか)さま、254(なに)もオヂオヂする(こと)はありませぬよ、255()()(こと)あれば(ひと)さまの(なか)でも(かま)はない、256ドシドシ()つたがよい、257(はばか)りながら(ねえ)さまがついて()りますからな』
258照公(てるこう)『ヤ、259これは(たま)らぬ、260(めん)261小手(こて)262(どう)263(つき)御座(ござ)るワイ。264ヤ、265()うなりやいよいよ敗北(はいぼく)だ。266照公(てるこう)砲台(はうだい)沈黙(ちんもく)せなくちやなるまい、267ウツフヽヽヽ』
268梅公(うめこう)仇話(あだばなし)(さて)おいて269海上(かいじやう)からほのかにスガ(やま)聖地(せいち)()れば(あや)しい(くも)()つてゐました。270(なに)(かは)つた(こと)はありませぬかな』
271イル『ハイ、272(さつ)しの(とほ)り、273その(こと)()きまして(いま)274相談会(さうだんくわい)(ひら)いて()つた(ところ)御座(ござ)います』
275梅公(うめこう)高姫(たかひめ)276杢助(もくすけ)277キユーバー(とう)悪人(あくにん)聖地(せいち)占領(せんりやう)せむとしてゐるのでせう』
278イル『ハイ、279(すで)占領(せんりやう)されて(しま)つたのです。280最早(もはや)(いま)となつては、281()()しやうも御座(ござ)いませぬので……』
282梅公(うめこう)(けつ)して心配(しんぱい)なさるな、283梅公別(うめこうわけ)がキツト解決(かいけつ)をつけませう、284悪人輩(あくにんばら)一言(いちごん)のもとに(たた)()し、285もとの聖地(せいち)回復(くわいふく)せむは(わが)方寸(はうすん)御座(ござ)います。286ヨリコさまもダリヤさまも、287玉清別(たまきよわけ)さまも安心(あんしん)して(くだ)さい、288キツトもとの(とほ)りにしてお()にかけませう。289大方(おほかた)290高姫(たかひめ)()(やつ)291ヨリコさまの素性(すじやう)(あら)ひ、292理窟(りくつ)づくめに()()したのでせう』
293ヨ『ハイ、294(さつ)しの(とほり)御座(ござ)います。295何分(なにぶん)(けが)れた(みたま)御座(ござ)いますから296聖場(せいぢやう)(まも)(など)()(だい)それた(こと)出来(でき)ませぬ、297(わたし)慢心(まんしん)から(がら)にも()はぬ宮仕(みやづかへ)(いた)しまして聖場(せいぢやう)(けが)し、298(みな)さまに(たい)申訳(まをしわけ)がないので、299この(とほ)(しほ)(かへ)つてゐるので御座(ござ)います』
300梅公(うめこう)(むかし)(むかし)301(いま)(いま)302仮令(たとへ)如何(いか)なる悪事(あくじ)があつても、303()(あらた)めた以上(いじやう)白無垢(しろむく)同然(どうぜん)304一点(いつてん)(つみ)(けが)れもあらう(はず)がありませぬ、305左様(さやう)()心配(しんぱい)()無用(むよう)になさいませ』
306(なぐさ)めおき、307照国別(てるくにわけ)308イルク、309玉清別(たまきよわけ)別室(べつしつ)(まね)き、310高姫(たかひめ)追放(つゐはう)計画(けいくわく)密議(みつぎ)をこらし悠然(いうぜん)として(ふたた)びもとの()(かへ)(きた)り、
311梅公(うめこう)大空(おほぞら)(ふさ)がる黒雲(くろくも)()(はら)
312月日(つきひ)(てら)科戸辺(しなどべ)(かみ)
313よしやよし(しこ)黒雲(くろくも)(つつ)むとも
314科戸辺(しなどべ)(かみ)()きや(はら)はむ』
315 これより一同(いちどう)はスガ(やま)回復(くわいふく)策戦(さくせん)計画(けいくわく)準備(じゆんび)各々(おのおの)手分(てわ)けをして(とり)かかり、316明日(みやうにち)()して大挙(たいきよ)スガ(やま)神軍(しんぐん)(すす)むる(こと)とした。317あゝ惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
318大正一五・七・一 旧五・二二 於天之橋立なかや旅館 北村隆光録)
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10/22【霊界物語ネット】王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)』をテキスト化しました。
5/8【霊界物語ネット】霊界物語ネットに出口王仁三郎の第六歌集『霧の海』を掲載しました。
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