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第73巻(子の巻)
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第75巻(寅の巻)
第76巻(卯の巻)
第77巻(辰の巻)
第78巻(巳の巻)
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第81巻(申の巻)
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第72巻(亥の巻)
序文
総説
第1篇 水波洋妖
01 老の高砂
〔1810〕
02 時化の湖
〔1811〕
03 厳の欵乃
〔1812〕
04 銀杏姫
〔1813〕
05 蛸船
〔1814〕
06 夜鷹姫
〔1815〕
07 鰹の網引
〔1816〕
第2篇 杢迂拙婦
08 街宣
〔1817〕
09 欠恋坊
〔1818〕
10 清の歌
〔1819〕
11 問答所
〔1820〕
12 懺悔の生活
〔1821〕
13 捨台演
〔1822〕
14 新宅入
〔1823〕
15 災会
〔1824〕
16 東西奔走
〔1825〕
第3篇 転化退閉
17 六樫問答
〔1826〕
18 法城渡
〔1827〕
19 旧場皈
〔1828〕
20 九官鳥
〔1829〕
21 大会合
〔1830〕
22 妖魅帰
〔1831〕
筑紫潟
余白歌
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第一九章
旧場皈
(
きうばがへり
)
〔一八二八〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第72巻 山河草木 亥の巻
篇:
第3篇 転化退閉
よみ(新仮名遣い):
てんかたいへい
章:
第19章 旧場皈
よみ(新仮名遣い):
きゅうばがえり
通し章番号:
1828
口述日:
1926(大正15)年07月01日(旧05月22日)
口述場所:
天之橋立なかや別館
筆録者:
北村隆光
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1929(昭和4)年4月3日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
主な登場人物
[?]
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2019-02-14 14:41:40
OBC :
rm7219
愛善世界社版:
237頁
八幡書店版:
第12輯 687頁
修補版:
校定版:
248頁
普及版:
92頁
初版:
ページ備考:
001
千草
(
ちぐさ
)
の
高姫
(
たかひめ
)
、
002
キユーバーの
両人
(
りやうにん
)
は
意気
(
いき
)
衝天
(
しようてん
)
、
003
猛火
(
まうくわ
)
の
燎原
(
れうげん
)
を
焼
(
や
)
くが
如
(
ごと
)
き
荒
(
あら
)
つぽい
鼻息
(
はないき
)
で、
004
玉清別
(
たまきよわけ
)
以下
(
いか
)
、
005
スガの
宮
(
みや
)
の
関係者
(
くわんけいしや
)
一人
(
ひとり
)
も
残
(
のこ
)
らず
叩
(
たた
)
き
出
(
だ
)
し、
006
天
(
てん
)
から
降
(
ふ
)
つて
湧
(
わ
)
いたる
儲
(
まうけ
)
ものに、
007
嬉
(
うれ
)
しさ
余
(
あま
)
つて
現
(
うつつ
)
三太郎
(
さんたらう
)
となり、
008
杢助
(
もくすけ
)
が
北町
(
きたまち
)
のウラナイ
教
(
けう
)
本部
(
ほんぶ
)
に
寝
(
ね
)
てゐる
事
(
こと
)
も
打
(
うち
)
忘
(
わす
)
れ、
009
あまり
虫
(
むし
)
は
好
(
す
)
かねども、
010
言霊戦
(
ことたません
)
の
大勝利
(
だいしようり
)
を
得
(
え
)
せしめた
原動力
(
げんどうりよく
)
とも
云
(
い
)
ふべき
天然坊
(
てんねんばう
)
のキユーバーを
此上
(
こよ
)
なきものと
褒
(
ほ
)
めそやし、
011
聖場
(
せいぢやう
)
に
立籠
(
たてこも
)
つて
天下
(
てんか
)
併呑
(
へいどん
)
の
夢
(
ゆめ
)
をむさぼつてゐた。
012
キユ『モシ、
013
生宮
(
いきみや
)
様
(
さま
)
、
014
キユーバーの
働
(
はたら
)
きはチツト
許
(
ばか
)
り
腕
(
うで
)
が
冴
(
さ
)
えてゐるでせう、
015
決
(
けつ
)
して
生宮
(
いきみや
)
様
(
さま
)
御
(
ご
)
一人
(
いちにん
)
のお
手柄
(
てがら
)
ぢや
御座
(
ござ
)
りますまい』
016
高
(
たか
)
『そら、
017
さうだとも、
018
車
(
くるま
)
も
両輪
(
りやうりん
)
なければ
運転
(
うんてん
)
しない、
019
人間
(
にんげん
)
も
二本
(
にほん
)
の
脚
(
あし
)
がなけりや
歩
(
ある
)
けない
道理
(
だうり
)
だからな』
020
キユ『そら、
021
さうでせうとも、
022
お
飯
(
まんま
)
食
(
た
)
べる
時
(
とき
)
でも
片手
(
かたて
)
ぢや
駄目
(
だめ
)
ですからな。
023
箸
(
はし
)
だつて
二本
(
にほん
)
なくちや、
024
香
(
かう
)
の
物
(
もの
)
だつて、
025
はさむ
事
(
こと
)
は
出来
(
でき
)
ませぬ。
026
神代
(
かみよ
)
の
昔
(
むかし
)
027
那岐
(
なぎ
)
、
0271
那美
(
なみ
)
二尊
(
にそん
)
は
天浮橋
(
あまのうきはし
)
に
立
(
た
)
つて
陰陽
(
いんやう
)
の
息
(
いき
)
を
合
(
あは
)
せて
028
いろいろの
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
をお
造
(
つく
)
り
遊
(
あそ
)
ばしたものですもの。
029
どうです、
030
ここで
旧交
(
きうかう
)
を
温
(
あたた
)
めて
拙僧
(
せつそう
)
は
伊邪那岐
(
いざなぎの
)
命
(
みこと
)
となり、
031
生宮
(
いきみや
)
様
(
さま
)
は
伊邪那美
(
いざなみの
)
命
(
みこと
)
となり、
032
トルマン
国
(
ごく
)
を
振出
(
ふりだ
)
しに
印度
(
いんど
)
七千
(
しちせん
)
余国
(
よこく
)
は
申
(
まを
)
すも
更
(
さら
)
なり、
033
此
(
この
)
地
(
ち
)
のあらむ
限
(
かぎ
)
り
鵬翼
(
ほうよく
)
を
伸
(
のば
)
さうぢやありませぬか。
034
貴方
(
あなた
)
もトルマン
国
(
ごく
)
の
王妃
(
わうひ
)
となり
遊
(
あそ
)
ばした、
0341
腕利
(
うでき
)
きだから、
035
その
位
(
くらゐ
)
の
事
(
こと
)
は、
036
お
考
(
かんが
)
へでせうな』
037
高
(
たか
)
『そんなことア、
038
キユーバーさま、
039
云
(
い
)
ふ
丈
(
だ
)
け
野暮
(
やぼ
)
だよ。
040
三千
(
さんぜん
)
世界
(
せかい
)
の
救世主
(
きうせいしゆ
)
、
041
底津
(
そこつ
)
岩根
(
いはね
)
の
大弥勒
(
おほみろく
)
ぢやないか、
042
此
(
この
)
生宮
(
いきみや
)
は
天
(
てん
)
も
構
(
かま
)
へば
地
(
ち
)
も
構
(
かま
)
ふ、
043
五十六
(
ごじふろく
)
億
(
おく
)
七千万
(
しちせんまん
)
の
小宇宙
(
せううちう
)
をも
統一
(
とういつ
)
する
天来
(
てんらい
)
の
神柱
(
かむばしら
)
だもの、
044
このチツポケな
地球
(
ちきう
)
位
(
ぐらゐ
)
、
045
統一
(
とういつ
)
したつて、
046
広大
(
くわうだい
)
無遍
(
むへん
)
の
宇宙
(
うちう
)
に
比
(
くら
)
ぶれば
虱
(
しらみ
)
の
眉毛
(
まゆげ
)
に
生
(
わ
)
いた
虫
(
むし
)
の
放
(
ひ
)
つた
糞
(
くそ
)
に
生
(
わ
)
いた
虫
(
むし
)
の、
047
その
虫
(
むし
)
の
糞
(
くそ
)
に
生
(
わ
)
いた
虫
(
むし
)
の
放
(
ひ
)
つた
糞
(
くそ
)
位
(
くらゐ
)
のものだよ』
048
キユ『
何
(
なん
)
とマア
大
(
おほ
)
きな
事
(
こと
)
を
仰有
(
おつしや
)
るかと
思
(
おも
)
へば
049
小
(
ちひ
)
さい
事
(
こと
)
迄
(
まで
)
御
(
ご
)
説法
(
せつぽふ
)
遊
(
あそ
)
ばすのですな』
050
高
(
たか
)
『きまつた
事
(
こと
)
だよ、
051
至大
(
しだい
)
無外
(
むぐわい
)
、
052
至小
(
しせう
)
無内
(
むない
)
の
弥勒
(
みろく
)
の
御
(
ご
)
神権
(
しんけん
)
を
具備
(
ぐび
)
してゐる
救世主
(
きうせいしゆ
)
ですもの』
053
キユ『
生宮
(
いきみや
)
さまの
広大
(
くわうだい
)
無遍
(
むへん
)
な
抱負
(
はうふ
)
には、
054
いかな
此
(
この
)
キユーバーも
舌
(
した
)
をまきましたよ。
055
このキユーバーだつてハルナの
都
(
みやこ
)
に
権勢
(
けんせい
)
並
(
なら
)
びなき
七千
(
しちせん
)
余国
(
よこく
)
の
大棟梁
(
だいとうりやう
)
、
056
大黒主
(
おほくろぬし
)
様
(
さま
)
の
片腕
(
かたうで
)
ですもの』
057
高
(
たか
)
『これこれキユーバーさま、
058
大弥勒
(
おほみろく
)
さまの
前
(
まへ
)
でそんな
小
(
ち
)
つぽけな
事
(
こと
)
はやめて
下
(
くだ
)
さい。
059
此
(
この
)
神
(
かみ
)
は
小
(
ちひ
)
さい
事
(
こと
)
は
嫌
(
きら
)
ひであるぞよ。
060
大
(
おほ
)
きな
事
(
こと
)
を
致
(
いた
)
す
神
(
かみ
)
であるぞよ、
061
昔
(
むかし
)
からまだ
此
(
この
)
世
(
よ
)
にない
事
(
こと
)
を
致
(
いた
)
す
神
(
かみ
)
であるぞよ』
062
キユ『
三五教
(
あななひけう
)
のお
筆先
(
ふでさき
)
そつくりぢやありませぬか、
063
フツフヽヽヽ。
064
時
(
とき
)
に
生宮
(
いきみや
)
さま、
065
あの
杢助
(
もくすけ
)
とか
云
(
い
)
ふ
第二号
(
だいにがう
)
をどうするつもりですか』
066
高
(
たか
)
『ア、
067
あまり
嬉
(
うれ
)
しくつて、
068
時置師
(
ときおかし
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
を
念頭
(
ねんとう
)
から
遺失
(
ゐしつ
)
して
居
(
を
)
つた。
069
ヤアこりやかうしては
居
(
を
)
られませぬ、
070
キユーバーさま、
071
お
前
(
まへ
)
さま、
0711
ここに
待
(
ま
)
つて
居
(
を
)
つて
下
(
くだ
)
さい。
072
此
(
この
)
成功
(
せいこう
)
を
夫
(
をつと
)
に
聞
(
き
)
かして
喜
(
よろこ
)
ばすため、
073
一寸
(
ちよつと
)
北町
(
きたまち
)
迄
(
まで
)
行
(
い
)
つて
来
(
き
)
ますから』
074
キユ『モシモシ
高姫
(
たかひめ
)
さま、
075
私
(
わたし
)
の
前
(
まへ
)
で、
0751
あまりひどいぢやありませぬか、
076
第一号
(
だいいちがう
)
をほつたらかしておいて、
077
第二号
(
だいにがう
)
に
秋波
(
しうは
)
を
送
(
おく
)
るなんて、
078
チツト
許
(
ばか
)
り
聞
(
きこ
)
えませぬな、
079
何
(
なん
)
ぼ
行
(
ゆ
)
かうと
仰有
(
おつしや
)
つても、
080
此
(
この
)
キユーバーが
放
(
はな
)
しませぬよ』
081
高
(
たか
)
『お
前
(
まへ
)
さま、
082
自惚
(
うぬぼれ
)
もいい
加減
(
かげん
)
にしておきなさい、
083
一号
(
いちがう
)
処
(
どころ
)
か、
084
八号
(
はちがう
)
ですよ、
085
要
(
えう
)
するに
天保銭
(
てんぽせん
)
だからな』
086
キユ『
此奴
(
こいつ
)
アひどい、
087
二文
(
にもん
)
足
(
た
)
らぬと
仰有
(
おつしや
)
るのですか、
088
貴女
(
あなた
)
の
目
(
め
)
には、
089
それほど
此
(
この
)
キユーバーが
馬鹿
(
ばか
)
に
見
(
み
)
えますかい』
090
高
(
たか
)
『
何
(
なに
)
、
091
馬鹿
(
ばか
)
処
(
どこ
)
かいな、
092
八文
(
はちもん
)
と
云
(
い
)
つたら
大変
(
たいへん
)
立派
(
りつぱ
)
な
人
(
ひと
)
だと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
だよ、
093
ダンダン
筋
(
すぢ
)
の
法被
(
はつぴ
)
を
着
(
き
)
た
仲仕
(
なかし
)
や
労働者
(
らうどうしや
)
や、
094
旗持
(
はたも
)
ちを
一文奴
(
いちもんやつこ
)
と
云
(
い
)
ふだらう。
095
一文奴
(
いちもんやつこ
)
で
普通
(
ふつう
)
の
人間
(
にんげん
)
だ。
096
小説
(
せうせつ
)
を
作
(
つく
)
つたり、
097
新聞
(
しんぶん
)
の
記事
(
きじ
)
を
書
(
か
)
いたり、
098
雑誌
(
ざつし
)
を
著
(
あらは
)
す
学者
(
がくしや
)
を
三文
(
さんもん
)
文士
(
ぶんし
)
と
云
(
い
)
うだらう。
099
三文
(
さんもん
)
文士
(
ぶんし
)
にならうと
思
(
おも
)
へば
大学
(
だいがく
)
の
門
(
もん
)
をくぐつて
来
(
こ
)
にや、
100
さう、
1001
安々
(
やすやす
)
とは、
1002
なれませぬからな。
101
それから、
102
ハルナの
都
(
みやこ
)
のお
役所
(
やくしよ
)
にも
諮問
(
しもん
)
(
四文
(
しもん
)
)
機関
(
きくわん
)
と
云
(
い
)
ふものがあるだらう、
103
諮問
(
しもん
)
機関
(
きくわん
)
に
集
(
あつ
)
まつて
居
(
ゐ
)
る
人
(
ひと
)
は
大黒主
(
おほくろぬし
)
さまのお
尋
(
たづ
)
ねに
一々
(
いちいち
)
答
(
こた
)
へると
云
(
い
)
ふ
智者
(
ちしや
)
学者
(
がくしや
)
だ。
104
それから、
105
も
一文
(
いちもん
)
上
(
うへ
)
に
顧問
(
こもん
)
(
五文
(
ごもん
)
)
官
(
くわん
)
と
云
(
い
)
ふのがある』
106
キユ『モシモシ
高姫
(
たかひめ
)
さま、
107
顧問
(
こもん
)
と
五文
(
ごもん
)
とは
違
(
ちが
)
ひますぜ』
108
高
(
たか
)
『
顧問
(
こもん
)
でも
五文
(
ごもん
)
でも、
109
いいぢやないか、
110
甲
(
かふ
)
も
乙
(
おつ
)
も
互
(
たがひ
)
に
勝敗
(
しようはい
)
、
111
優劣
(
いうれつ
)
、
112
高下
(
かうげ
)
のない
相手
(
あひて
)
同志
(
どうし
)
を
指
(
さ
)
して
五文
(
ごもん
)
と
五文
(
ごもん
)
と
云
(
い
)
ふぢやないか、
113
さうだから
五文
(
ごもん
)
の
人間
(
にんげん
)
は
最
(
もつと
)
も
立派
(
りつぱ
)
なものだ。
114
其
(
その
)
上
(
うへ
)
が
六文
(
ろくもん
)
だ、
115
六文銭
(
ろくもんせん
)
は、
116
軍術
(
ぐんじゆつ
)
の
達人
(
たつじん
)
真田
(
さなだ
)
幸村
(
ゆきむら
)
の
旗印
(
はたじるし
)
だよ。
117
真田
(
さなだ
)
と
云
(
い
)
ふ
人物
(
じんぶつ
)
は
後世
(
こうせい
)
迄
(
まで
)
名
(
な
)
を
轟
(
とどろ
)
かした
大阪陣
(
おほさかぢん
)
の
参謀長
(
さんぼうちやう
)
だ。
118
七文
(
しちもん
)
と
云
(
い
)
ふのはなア、
119
昨日
(
きのふ
)
俺
(
わし
)
がヨリコ
姫
(
ひめ
)
をこつぴどく
問
(
と
)
ひつめただらう、
120
あれが
七文
(
しちもん
)
だ』
121
キユ『そら、
122
質問
(
しつもん
)
と
違
(
ちが
)
ひますか』
123
高
(
たか
)
『
質問
(
しつもん
)
でも
七文
(
しちもん
)
でも
ツ
と
チ
との
違
(
ちが
)
ひぢやないか、
124
そんな
七六
(
しちむ
)
つかしい
質問
(
しつもん
)
はやめて
下
(
くだ
)
さい。
125
その
一文
(
いちもん
)
上
(
うへ
)
が
八文
(
はちもん
)
だ、
126
八文
(
はちもん
)
が
一番
(
いちばん
)
結構
(
けつこう
)
だよ。
127
も
一文
(
いちもん
)
ふやすと、
128
苦悶
(
くもん
)
と
云
(
い
)
つて
苦
(
くるし
)
み
悶
(
もだ
)
えねばならぬからな、
129
も
一文
(
いちもん
)
ふやすと、
130
十文
(
じふもん
)
だ、
131
銃文
(
じふもん
)
と
云
(
い
)
つたら
鉄砲
(
てつぱう
)
の
穴
(
あな
)
だ、
132
尻
(
しり
)
の
穴
(
あな
)
もヤツパリ
銃門
(
じうもん
)
の
中
(
うち
)
だよ』
133
キユ『
何
(
なん
)
とマアお
前
(
まへ
)
さまの
口
(
くち
)
にかかつたら
此
(
この
)
キユーバーも
盾
(
たて
)
つけませぬワ、
134
然
(
しか
)
しこの
八文
(
はちもん
)
をどうして
下
(
くだ
)
さるつもりですか。
135
よもや
八門
(
はちもん
)
遁甲
(
とんかふ
)
の
術
(
じゆつ
)
を
以
(
もつ
)
て
拙僧
(
せつそう
)
を、
136
埒外
(
らちぐわい
)
へ
放逐
(
はうちく
)
するやうな
事
(
こと
)
はありますまいね』
137
高
(
たか
)
『マア
心配
(
しんぱい
)
しなさるな。
138
今回
(
こんくわい
)
の
功労
(
こうらう
)
に
免
(
めん
)
じてチヨイチヨイお
尻
(
いど
)
位
(
くらゐ
)
は、
139
ふかして、
1391
あげますワ、
140
大弥勒
(
おほみろく
)
さまのお
尻
(
いど
)
をふかうと
思
(
おも
)
へば
並
(
なみ
)
や
大抵
(
たいてい
)
の
事
(
こと
)
では
拭
(
ふ
)
けませぬぞや。
141
ヨリコ
女帝
(
によてい
)
のお
前
(
まへ
)
さまはお
尻
(
いど
)
の
掃除
(
さうぢ
)
をやつて
居
(
を
)
つたさうだが、
142
あのやうな、
143
アタ
汚
(
きたな
)
いお
尻
(
しり
)
の
掃除
(
さうぢ
)
をしてゐるより、
144
大弥勒
(
おほみろく
)
さまの
神徳
(
しんとく
)
のこもつた
御
(
お
)
肥料
(
こえ
)
さまの
掃除
(
さうぢ
)
をさして
貰
(
もら
)
ふ
方
(
はう
)
が
145
何
(
なに
)
程
(
ほど
)
光栄
(
くわうえい
)
だか
出世
(
しゆつせ
)
だか
知
(
し
)
れませぬよ、
146
ホツホヽヽヽ』
147
キユ『エー、
148
人
(
ひと
)
をお
前
(
まへ
)
さまは
馬鹿
(
ばか
)
にしてゐるのだな』
149
かく
話
(
はな
)
してゐる
所
(
ところ
)
へ
杢助
(
もくすけ
)
の
妖幻坊
(
えうげんばう
)
は
高姫
(
たかひめ
)
の
帰
(
かへ
)
りが
遅
(
おそ
)
いので、
150
スガ
山
(
やま
)
のトロトロ
阪
(
ざか
)
をエチエチ
上
(
のぼ
)
り
乍
(
なが
)
ら
館
(
やかた
)
の
前
(
まへ
)
までやつて
来
(
き
)
た。
151
玄関口
(
げんくわんぐち
)
に
佇
(
たたず
)
んで
様子
(
やうす
)
を
聞
(
き
)
けば、
152
境内
(
けいだい
)
はシンとして
人影
(
ひとかげ
)
もなく、
153
静
(
しづ
)
まり
返
(
かへ
)
り、
154
閑古鳥
(
かんこどり
)
が
鳴
(
な
)
いてゐる。
155
然
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら
館
(
やかた
)
の
奥
(
おく
)
の
方
(
はう
)
にコソコソと
囁
(
ささや
)
く
声
(
こゑ
)
が
聞
(
きこ
)
ゆるやうにもあるので、
156
ソツと
館
(
やかた
)
の
裏
(
うら
)
へまはり、
157
窓
(
まど
)
から
中
(
なか
)
を
覗
(
のぞ
)
いて
見
(
み
)
ると
酒
(
さけ
)
肴
(
さかな
)
を
真中
(
まんなか
)
におき、
158
高姫
(
たかひめ
)
、
159
キユーバーが
意茶
(
いちや
)
ついたり
揶揄
(
からか
)
つたり、
160
面白
(
おもしろ
)
さうに
話
(
はな
)
し
合
(
あ
)
つてゐる。
161
妖幻坊
(
えうげんばう
)
は
腹
(
はら
)
が
立
(
た
)
つて
堪
(
たま
)
らず
162
雷
(
らい
)
のやうな
声
(
こゑ
)
を
出
(
だ
)
して
窓
(
まど
)
の
外
(
そと
)
から、
163
『コラツ』
164
と
一声
(
いつせい
)
叫
(
さけ
)
ぶや
否
(
いな
)
や、
165
キユーバーは
驚
(
おどろ
)
いて
一間
(
いつけん
)
許
(
ばか
)
りも
飛
(
と
)
び
上
(
あが
)
り、
166
天井裏
(
てんじやううら
)
で
禿頭
(
はげあたま
)
をカツンと
打
(
う
)
ち、
167
再
(
ふたた
)
び
板
(
いた
)
の
間
(
ま
)
に
蛙
(
かはづ
)
をぶつつけたやうになつて、
168
手足
(
てあし
)
をピリピリとふるはせ、
169
ふんのびて
了
(
しま
)
つた。
170
流石
(
さすが
)
、
171
高姫
(
たかひめ
)
はビクとも
動
(
うご
)
かず
静
(
しづか
)
に
窓
(
まど
)
の
外
(
そと
)
を
覗
(
のぞ
)
き、
172
『ホツホヽヽヽ
何
(
なん
)
ですか
杢
(
もく
)
チヤン、
173
そんな
大
(
おほ
)
きな
声
(
こゑ
)
を
出
(
だ
)
したつて、
174
聾
(
つんぼ
)
はゐやしませぬよ。
175
高姫
(
たかひめ
)
の
耳
(
みみ
)
は
蚯蚓
(
みみづ
)
の
泣声
(
なきごゑ
)
でも
聞
(
きこ
)
えるのですからね、
176
どうか
騒
(
さわ
)
がないでゐて
下
(
くだ
)
さい。
177
今
(
いま
)
この
坊主
(
ばうず
)
をうまくちよろまかして、
178
三五教
(
あななひけう
)
が
百
(
ひやく
)
日
(
にち
)
百夜
(
ひやくや
)
の
丹精
(
たんせい
)
を
凝
(
こ
)
らし、
179
建
(
た
)
て
上
(
あ
)
げた
此
(
この
)
神館
(
かむやかた
)
を、
180
スツカリと
証文
(
しようもん
)
つきで
貰
(
もら
)
つたのですからね、
181
マアお
這入
(
はい
)
りなさい、
182
人
(
ひと
)
が
見
(
み
)
たら、
183
見
(
み
)
つともないから』
184
と
平気
(
へいき
)
な
顔
(
かほ
)
で
構
(
かま
)
へてゐる。
185
杢助
(
もくすけ
)
は
表
(
おもて
)
にまはり
玄関口
(
げんくわんぐち
)
より
大手
(
おほて
)
を
振
(
ふ
)
つて
入
(
い
)
り
来
(
きた
)
り、
186
『
一昨日
(
おととひ
)
の
日
(
ひ
)
の
暮
(
くれ
)
に、
187
此
(
この
)
坊主
(
ばうず
)
と
出
(
で
)
たぎり、
188
今日
(
けふ
)
になつても
帰
(
かへ
)
つて
来
(
こ
)
ないものだから、
189
チツト
許
(
ばか
)
り
気
(
き
)
がかりでならないので、
190
スガの
町々
(
まちまち
)
を
尋
(
たづ
)
ねまはり、
191
もう
尋
(
たづ
)
ねる
処
(
ところ
)
がないものだから、
192
此処
(
ここ
)
へやつて
来
(
く
)
れや
193
キユーバーの
野郎
(
やらう
)
をつかまへて、
194
何
(
なん
)
だか
妙
(
めう
)
な
目
(
め
)
つかひをやつてゐたぢやないか』
195
高
(
たか
)
『
杢
(
もく
)
チヤン、
196
そんな
野暮
(
やぼ
)
な
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
ふのぢやありませぬよ。
197
此
(
この
)
間
(
あひだ
)
も
貴方
(
あなた
)
に
云
(
い
)
つた
通
(
とほ
)
り、
198
此
(
この
)
キユーバーと
云
(
い
)
ふ
山子
(
やまこ
)
坊主
(
ばうず
)
は、
199
一寸
(
ちよつと
)
ばかり
小利口
(
こりこう
)
な
奴
(
やつ
)
だから、
200
うまくちよろまかして
使
(
つか
)
ひ
倒
(
たふ
)
し、
201
今日
(
けふ
)
の
成功
(
せいこう
)
を
勝
(
か
)
ち
得
(
え
)
たのですからね。
202
まだまだ
此奴
(
こいつ
)
を
使
(
つか
)
はにやならぬ
用
(
よう
)
がありますので、
203
一寸
(
ちよつと
)
いやな
奴
(
やつ
)
だけど
色目
(
いろめ
)
を
遣
(
つか
)
つて、
204
つらく
つてゐるのですよ。
205
天下
(
てんか
)
無双
(
むさう
)
の
英雄
(
えいゆう
)
豪傑
(
がうけつ
)
時置師
(
ときおかし
)
の
神
(
かみ
)
さまのやうな
立派
(
りつぱ
)
な
夫
(
をつと
)
があるのに、
206
どうしてこんな
蛙
(
かはづ
)
の
泣
(
な
)
き
損
(
そこ
)
ねたやうな
面
(
つら
)
した
売僧
(
まいす
)
坊主
(
ばうず
)
に、
207
指
(
ゆび
)
一本
(
いつぽん
)
でも
支
(
さ
)
へさす
気遣
(
きづかひ
)
がありますか。
208
そこは
貴方
(
あなた
)
の
御
(
ご
)
判断
(
はんだん
)
に
任
(
まか
)
せますから、
209
マア
御
(
ご
)
機嫌
(
きげん
)
を
直
(
なほ
)
して
一杯
(
いつぱい
)
飲
(
の
)
んで
下
(
くだ
)
さい。
210
今日
(
けふ
)
から
此
(
この
)
館
(
やかた
)
は
時置師
(
ときおかし
)
の
神
(
かみ
)
さまの
領有権
(
りやういうけん
)
が
出来
(
でき
)
たのですからな、
211
高姫
(
たかひめ
)
の
腕前
(
うでまへ
)
も
随分
(
ずゐぶん
)
凄
(
すご
)
いものでせう。
212
ホツホヽヽヽ』
213
杢
(
もく
)
『オイ、
214
このキユーバーをこの
儘
(
まま
)
にしておけば
縡切
(
ことき
)
れて
了
(
しま
)
ふぞ、
215
お
前
(
まへ
)
の
得意
(
とくい
)
な
活
(
くわつ
)
とかを
入
(
い
)
れて、
216
蘇生
(
そせい
)
さしてやつたらどうだい』
217
高
(
たか
)
『
杢
(
もく
)
チヤン、
218
そんな
心配
(
しんぱい
)
要
(
い
)
りませぬよ、
219
田圃
(
たんぽ
)
の
蛙
(
かへる
)
を
掴
(
つか
)
んで
大地
(
だいち
)
で
投
(
な
)
げて
御覧
(
ごらん
)
なさい。
220
丁度
(
ちやうど
)
此
(
この
)
通
(
とほ
)
り
手足
(
てあし
)
をのばしてビリビリとふるひ
一
(
いち
)
時
(
じ
)
は
目
(
め
)
をまはかしますが、
221
暫
(
しばら
)
くすると
目
(
め
)
を
開
(
あ
)
け
222
古池
(
ふるいけ
)
の
中
(
なか
)
へドンブリコと
飛
(
と
)
び
入
(
い
)
り、
223
アナタガタ アナタガタ オレキ オレキと
泣
(
な
)
くぢやありませぬか』
224
杢
(
もく
)
『キユーバーも
蛙
(
かへる
)
に
例
(
たと
)
へられや、
225
チツト
許
(
ばか
)
り
可愛想
(
かあいさう
)
だ。
226
命
(
いのち
)
に
別条
(
べつでう
)
さへなけれや、
227
いいやうなものの、
228
あまり
殺生
(
せつしやう
)
ぢやないか』
229
高
(
たか
)
『
何
(
なに
)
が
殺生
(
せつしやう
)
ですか、
230
自分
(
じぶん
)
が
勝手
(
かつて
)
に
飛
(
と
)
び
上
(
あが
)
つて
勝手
(
かつて
)
にフン
伸
(
のび
)
たのですもの、
231
チツトも
吾々
(
われわれ
)
にかかり
合
(
あひ
)
はないのですからな。
232
キユーバーが
自由
(
じいう
)
の
権利
(
けんり
)
を
振
(
ふ
)
つて
空中
(
くうちう
)
舞
(
まひ
)
上
(
あが
)
りの
術
(
じゆつ
)
を
演
(
えん
)
じ
233
吾々
(
われわれ
)
夫婦
(
ふうふ
)
の
酒
(
さけ
)
の
肴
(
さかな
)
になつてゐるのですもの』
234
斯
(
か
)
く
話
(
はな
)
す
折
(
をり
)
しも
死真似
(
しにまね
)
をしてゐたキユーバーはムクムクと
起
(
お
)
き
上
(
あが
)
り、
235
ワザと
空
(
そら
)
とぼけたやうな
顔
(
かほ
)
して、
236
キユ『アーア、
237
飛行機
(
ひかうき
)
に
乗
(
の
)
つて
大空中
(
たいくうちう
)
を
巡行
(
じゆんかう
)
してゐたと
思
(
おも
)
へば、
238
俄
(
にはか
)
に
雷鳴
(
らいめい
)
轟
(
とどろ
)
き
暴風
(
ばうふう
)
吹
(
ふ
)
きまくり、
239
飛行機
(
ひかうき
)
諸共
(
もろとも
)
地上
(
ちじやう
)
へ
転落
(
てんらく
)
し、
240
五体
(
ごたい
)
は
滅茶
(
めちや
)
々々
(
めちや
)
になつたと
思
(
おも
)
へばヤツパリ
夢
(
ゆめ
)
だつたかな。
241
これも
全
(
まつた
)
く
生宮
(
いきみや
)
様
(
さま
)
と
時置師
(
ときおかし
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
恩頼
(
みたまのふゆ
)
だ、
242
南無
(
なむ
)
生神
(
いきがみ
)
大明神
(
だいみやうじん
)
帰命
(
きめう
)
頂礼
(
ちやうらい
)
謹請
(
ごんじやう
)
再拝
(
さいはい
)
謹請
(
ごんじやう
)
再拝
(
さいはい
)
』
243
杢
(
もく
)
『ウツフヽヽヽ
何
(
なん
)
とマア、
244
怪体
(
けたい
)
な
坊主
(
ばうず
)
だのう、
245
一種
(
いつしゆ
)
異様
(
いやう
)
の
奇病
(
きびやう
)
があると
見
(
み
)
える。
246
かう
云
(
い
)
ふ
病気
(
びやうき
)
は
親
(
おや
)
のある
間
(
うち
)
に
癒
(
なほ
)
しておかぬと
一生
(
いつしやう
)
不治
(
ふぢ
)
の
難病
(
なんびやう
)
になるかも
知
(
し
)
れないよ、
247
ワツハヽヽヽ』
248
高
(
たか
)
『ホツホヽヽヽこれキユーバーさま、
249
本当
(
ほんたう
)
にお
前
(
まへ
)
さまは
身
(
み
)
の
軽
(
かる
)
い
方
(
かた
)
ですね。
250
妾
(
わたし
)
又
(
また
)
、
251
お
神
(
かむ
)
がかりかと
思
(
おも
)
つて
居
(
を
)
りましたよ』
252
妖幻坊
(
えうげんばう
)
は
膝
(
ひざ
)
を
立直
(
たてなほ
)
し、
253
居直
(
ゐなほ
)
り
気味
(
ぎみ
)
になつて、
254
『オイ、
255
天然坊
(
てんねんばう
)
のキユーバー、
256
俺
(
おれ
)
の
女房
(
にようばう
)
を
掴
(
つか
)
まへて
何
(
なに
)
を
云
(
い
)
つて
居
(
ゐ
)
たのだ、
257
三文
(
さんもん
)
だの、
258
五文
(
ごもん
)
だの、
259
八文
(
はちもん
)
だのと、
260
何
(
なん
)
の
事
(
こと
)
だい。
261
其方
(
そつち
)
の
出
(
で
)
やうによつては
俺
(
おれ
)
にも
一
(
ひと
)
つの
虫
(
むし
)
がある、
262
サアきつぱりとこの
杢助
(
もくすけ
)
の
前
(
まへ
)
で
白状
(
はくじやう
)
せい』
263
キユ『メヽヽヽ
滅相
(
めつさう
)
な、
264
尊
(
たふと
)
い
尊
(
たふと
)
い
265
結構
(
けつこう
)
な
結構
(
けつこう
)
な
266
生宮
(
いきみや
)
さまに
対
(
たい
)
し、
267
私
(
わたし
)
のやうな
下劣
(
げれつ
)
な
貧僧
(
ひんそう
)
が
恋
(
こひ
)
の
鮒
(
ふな
)
のと、
268
そんな
大
(
だい
)
それた
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
ますか、
269
お
言葉
(
ことば
)
交
(
かは
)
すも
恐
(
おそ
)
れ
多
(
おほ
)
いと
存
(
ぞん
)
じ
忠実
(
ちうじつ
)
に
勤
(
つと
)
めてゐますよ。
270
何卒
(
どうぞ
)
悪
(
わる
)
くはとらないやうにして
下
(
くだ
)
さいませ。
271
何
(
なに
)
は
兎
(
と
)
もあれ、
2711
千草
(
ちぐさ
)
の
高姫
(
たかひめ
)
さまに、
272
うまくたらし
使
(
づかひ
)
にされてゐるのですからな。
273
何
(
いづ
)
れ
行先
(
ゆくさき
)
はお
払
(
はらひ
)
箱
(
ばこ
)
だと
覚悟
(
かくご
)
を
定
(
き
)
めて
居
(
を
)
ります』
274
妖
(
えう
)
『こりや、
275
高姫
(
たかひめ
)
、
276
キユーバーの
申
(
まを
)
すことに、
277
間違
(
まちが
)
ひなけりや
今日
(
けふ
)
は
之
(
これ
)
で
忘
(
わす
)
れて
遣
(
つか
)
はす。
278
然
(
しか
)
し
乍
(
なが
)
ら
279
此奴
(
こいつ
)
を
此処
(
ここ
)
に
於
(
おい
)
てはチツト
許
(
ばか
)
り
都合
(
つがふ
)
が
悪
(
わる
)
い。
280
幸
(
さいは
)
ひ
北町
(
きたまち
)
の
本部
(
ほんぶ
)
が
空
(
あ
)
く
事
(
こと
)
になるから、
281
あれをキユーバーに
呉
(
く
)
れてやつたらどうだ』
282
高
(
たか
)
『
杢助
(
もくすけ
)
さまさへ
御
(
ご
)
承知
(
しようち
)
なら、
283
呉
(
く
)
れてやりませう、
284
此
(
この
)
館
(
やかた
)
を
占領
(
せんりやう
)
したのも
其
(
その
)
一部分
(
いちぶぶん
)
はキユーバーさまの
斡旋
(
あつせん
)
努力
(
どりよく
)
与
(
あづか
)
つて
功
(
こう
)
ありと
云
(
い
)
ふものですからな』
285
杢
(
もく
)
『オイ、
286
キユーバー、
287
お
前
(
まへ
)
の
功労
(
こうらう
)
に
免
(
めん
)
じて
北
(
きた
)
町
(
まち
)
の
神館
(
かむやかた
)
を
与
(
あた
)
へるから、
288
直
(
すぐ
)
様
(
さま
)
帰
(
かへ
)
つて
休息
(
きうそく
)
したが
宜
(
よ
)
からう。
289
神殿
(
しんでん
)
も
諸道具
(
しよだうぐ
)
一切
(
いつさい
)
も
附
(
つ
)
け
与
(
あた
)
へるから
有難
(
ありがた
)
く
頂戴
(
ちやうだい
)
せい』
290
キユ『ハイ、
291
有難
(
ありがた
)
う
御座
(
ござ
)
います、
292
それでは
頂戴
(
ちやうだい
)
致
(
いた
)
しませう。
293
十分
(
じふぶん
)
に
念入
(
ねんいり
)
に
掃除
(
さうぢ
)
をしておきますから、
294
どうぞ、
295
時折
(
ときをり
)
はお
遊
(
あそ
)
びにお
出
(
い
)
で
下
(
くだ
)
さいませ』
296
妖
(
えう
)
『いや、
297
これ
程
(
ほど
)
立派
(
りつぱ
)
な
神館
(
かむやかた
)
が
手
(
て
)
に
入
(
い
)
つた
以上
(
いじやう
)
は
最早
(
もはや
)
必要
(
ひつえう
)
を
認
(
みと
)
めぬ、
298
又
(
また
)
行
(
ゆ
)
く
必要
(
ひつえう
)
もない、
299
お
前
(
まへ
)
の
勝手
(
かつて
)
にしたが
宜
(
よ
)
からう』
300
云
(
い
)
へばキユーバーは
喜
(
よろこ
)
んで
301
頭
(
あたま
)
ペコペコ
下
(
さ
)
げ
乍
(
なが
)
ら
302
『ウラナイ
教
(
けう
)
の
神館
(
かむやかた
)
303
有難
(
ありがた
)
く
頂戴
(
ちやうだい
)
致
(
いた
)
します
304
左様
(
さやう
)
御座
(
ござ
)
ればお
二人
(
ふたり
)
さま
305
後
(
あと
)
でゆるゆるお
楽
(
たのし
)
み』
306
等
(
など
)
と
言葉
(
ことば
)
を
残
(
のこ
)
しつつ
307
北町
(
きたまち
)
さしていそいそと
308
大手
(
おほて
)
を
振
(
ふ
)
つて
帰
(
かへ
)
り
行
(
ゆ
)
く。
309
(
大正一五・七・一
旧五・二二
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北村隆光
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