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救世主義
インフォメーション
題名:
救世主義
著者:
出口王仁三郎
ページ:
25
概要:
備考:
出典不明
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
B123900c009
001
愛善主義は真の救世主義であります。
002
悪人を悪人として罰し、
003
善人を善人として賞するのは、
004
現実界即ち自然界の人為的法則で、
005
愛善そのものとは非常に遠いものであって、
006
かうしたやり方では到底世を救ふことは出来ないのであります。
007
現世相は日一日と悪化して、
008
国と国、
009
民族と民族間の軋轢や忌まはしい闘争がますます露骨に演ぜられ、
010
産業、
011
経済、
012
思想、
013
政治、
014
一切の世相に一大変動は免れぬ状態にまでさし迫って来たのであります。
015
この際この時、
016
国民はしっかりと腹帯を締めてこの難局に善処しなければならぬ。
017
それには先づ救世主義であるところの愛善主義即ち
伊都能売
(
いづのめ
)
主義に依らねばなりませぬ。
018
伊都能売神の救世の主義は、
019
第一に慈顔我が身を反省して罪悪の淵に自身を沈没せしめぬこと、
020
次には慈顔我が一家を顧みて、
021
以て常に平和と幸福を増進せしむること、
022
次には慈顔我が一国を愛して国利民福の大精神を発揮し実行せしむこと、
023
次には慈顔宇宙人類を愛善して内外東西洋の別なく福利せしめむとするの大精神を発揮すること、
024
次には慈顔一切の蒼生万類を見て現世の汚濁を脱却せしめ、
025
永遠無窮に大光明に
入
(
い
)
らしむること、
026
次には天神の愛善と信真とを理解せしめて不老不死なる天国又は霊国に安住し復活せむと焦慮することであって、
027
これ即ち慈顔衆生を
みそなはす
所以のものであり、
028
この心を体得し得念した上は、
029
人生は実に実に福寿無量にして歓喜悦楽の妙境に安住し得るのであります。
030
愛善主義なるものは、
031
要するに、
032
人生即ち現実の世界を中心として教ふる所の神教であって、
033
この現世に即して永遠無窮の天国生活の真諦を味ははしむるもので、
034
幽玄微妙
不可言
(
ふかげん
)
なる真理に住する秘奥を現生命に即して永遠の真生命を実得せしむる聖教であります。
035
あくまでも現世をして妙楽の光明世界と為すの大楽天主義であって、
036
厭世的隠遁的趣味は愛善主義即ち伊都能売主義には断じてないのであります。
037
観音経の「光明
普
(
あまね
)
く世界を照らし慈顔衆生をみそなはして
化益一機
(
けやくいちき
)
を漏らすことなし」とあるは、
038
これ即ち愛善主義にして、
039
この信仰は非常なる楽天主義で、
040
地獄的思想は微塵もない。
041
またこの教義には恐ろしいとか、
042
厭
(
いと
)
ふべきこととか、
043
忌まはしきものは寸毫も包含してゐないのであります。
044
既成宗教には、
045
実に厭ふべき一種の脅喝があり、
046
方便があり、
047
虚構があり、
048
誘惑的言句が現はれてをりまして、
049
総て人間を恐怖せしめ、
050
至粋至純なる天成の大和魂を軟化し、
051
立派なる男子の睾丸を
抜取
(
ばっしゅ
)
し、
052
女子を罪穢の権化の如く軽蔑し、
053
人間の勇猛心を挫折せしめ、
054
弱国弱兵の原動力となったものばかりであります。
055
しかるに伊都能売信仰においては、
056
現幽共に
大光明境
(
だいくわうみやうきやう
)
に住し、
057
化益一機
(
けやくいちき
)
を漏らすことなく、
058
触るるところ、
059
往くところ、
060
見るところ、
061
聞くところ、
062
一切ことごとくみな愛善の法悦と救ひの網の中に摂り収めてしまふといふ真の信仰であるが故に、
063
楽天であり、
064
大安心であり、
065
憂苦する所なく、
066
恐怖する所なく、
067
愛善の徳と信真の光に依って固められたる難攻不落の堅城鉄壁であり、
068
人生一切の後ろ楯であり、
069
現界にゐながらにして一大光明世界に仮住する真の救世教であります。
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