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[10]現代と天の岩戸隠れ
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[17]永遠の生命
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[19]敬神と愛国
[20]日本国民の本性に復れ
[21]神国と太古の文明
[22]言霊の活用
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[66]満蒙出征の辞
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[72]帝国と皇国
[73]皇国の言霊
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[75]不言の教
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[77]皇道の神政策
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[81]神聖運動について
[82]皇国民に激す
[83]勇往邁進あるのみ
[84]汚穢物を取除け
[85]皇道の輝くところ
[86]神聖無比の皇国
[87]天立君主立憲国
[88]皇国の姿に還れ
[89]宗教と政治
[90]天国の国体や如何
[91]ダニエルの予言と神国日本
[92]霊の本の力
[93]皇典と財政経済の真諦
[94]皇典の奥義に徹せよ
[95]愛善の実行
[96]日本人の信仰
[97]昭和神聖の意義
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日本国民の本性に復れ
インフォメーション
題名:
日本国民の本性に復れ
著者:
出口王仁三郎
ページ:
56
概要:
備考:
『神霊界』大正七年七月一五日号所収「宗教の害毒」の抜萃
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
B123900c020
001
宗教の目的とは何ぞ、
002
人をして生活の真意義を得せしむるにあり、
003
敢へて問ふ、
004
これを得せしむるは何のためぞやと。
005
宗教家は必ずいはむ、
006
娑婆即寂光土のためなりと。
007
又いはむ、
008
この世に天国を出現せしめむがためなりと。
009
しかり、
010
宗教の目的はこれをおいて他に無かるべし。
011
これこの目的のために
孜々
(
しし
)
として、
012
布教に従事する所以なるべし。
013
既に目的あれば、
014
これに到達すべき手段を講ぜざるべからず。
015
即ち彼岸に渡らむにはまづ
舟楫
(
しうしふ
)
[
※
舟で物を運ぶこと
]
を
艤
(
ぎ
)
するを要す。
016
特に自己のみならず、
017
同胞ひいては国家を満たさむと欲するには、
018
相当の方法を講じ、
019
充分なる設備を為さざるべからざるなり。
020
しかるに一般宗教家は、
021
果たしてこの方法を講じ、
022
設備を考へ、
023
しかして後に、
024
その目的に向って、
025
衆生同胞を済度すべく努力しつつありや。
026
吾人の視る所を以てすれば、
027
元来宗教なるものは、
028
その教祖がその国土に応じ、
029
その時代に適する教義を立てたるものなり。
030
されば甲国に適する宗教必ずしも乙国に適するにあらず。
031
また上古の人心を救ひたる宗教、
032
必ずしも現代を
濟
(
すく
)
ふとは言ふべからず。
033
事物はみな国によりて相違し、
034
時によりて変遷す。
035
故に数千年前に起これる異国の宗教を持ち来たりて、
036
これを以て我が現代の人心に真意義真生命を与へ、
037
以て天国浄土を出現せしめむとするもはなはだ難し。
038
これ吾人が現代宗教家のその職に努力すればするほど怪訝に堪へずとする所以なり。
039
およそ風俗世情を異にする国土において、
040
平等なる目的に達するには、
041
手段に差別ありべきこと自然の数なり。
042
宗教家及び多くの学者は言ふ、
043
曰く万教は帰一なり、
044
諸悪莫作業善奉行なり、
045
至善に
止
(
とど
)
まるにあり、
046
己の欲せざる所は人に施すことなかれ、
047
己の好む所はこれを人に施すべし、
048
東西人情相同じく古今一軌、
049
何ぞ必ずしも宗教の別を論ぜんや」と、
050
しかれどもこれ
一
(
いち
)
を知つて未だその二を知らざるの論なり。
051
共通する所あればとて、
052
直ちに同一なりとは断ずべからず。
053
相違する所を求むればあくまでも相違すべし。
054
目的同一なればとて、
055
その手段の何れにても可なりとは言ふべからず。
056
人情国風に適する手段に依るにあらざれば、
057
到底宗教の目的を到達実現し
得
(
う
)
べくもあらず。
058
これあたかも生命を繋ぐの糧なればとて、
059
人をして猫の食を喰はしめ、
060
猫をして
草木
(
さうもく
)
の肥料を食はしむべからざるが如くならむのみ。
061
陸行には車に依り、
062
海行者は舟に依らざるべからず。
063
かくて目的平等なりといへども、
064
その手段に至つては時と処とに応じて差別を生ずることとなるなり。
065
故に曰く、
066
平等なる目的を達するには、
067
手段自ら差別を生ずるに至る。
068
一国に最も適する宗教はその国の宗教なり。
069
宗教は何れもその国その時代の思想上の産物なり。
070
されば最適なる宗教は発生時代におけるその国の宗教なり。
071
故に如何なる宗教にても、
072
他国に入るに及びては必ず意義又は形式において、
073
すくなからず変遷するを常とす。
074
これあたかも虫類の保護色の如きものなり。
075
これを仏教について見るに、
076
その支那に入るや支那色に変じ、
077
また我が国に来るに及びては日本色に変化したり。
078
基督教は伝来日なほ浅しといへども、
079
将来においては、
080
また必ずやかくの如くなるに至らむ。
081
ここにおいて宗教家は言ふなるべし、
082
仏教は既に印度、
083
支那のそれにあらずして日本的仏教となりたるなり。
084
故に日本に適当なる宗教は、
085
仏教をおいて他にあること無し、
086
また基督教も今や日本的基督教たらむとする過渡時代にあり、
087
故に後世日本の思想を統一するに適当なるは、
088
世界的宗教たる基督教に
若
(
し
)
くはなしと。
089
豈
(
あに
)
それ
然
(
しか
)
らむや。
090
元来宗教なるものは、
091
仏教にもあれ基督教にもあれ、
092
人と神(仏と人、
093
大我と小我)との融合一致に重きを置くものなり。
094
即ち四諦観といひ三位一体説と云ふも、
095
その意義において異ることあるなし。
096
いはゆる天人合一を主とするにあるのみ。
097
従つて現在の国家、
098
国民、
099
君臣、
100
父子の関係を、
101
ややもすれば軽々看過せむとす。
102
如何に宗教家諸君が気張りて、
103
仏典、
104
聖書の中より五倫五常に関する語を
抽
(
ぬ
)
き集めたりとて、
105
そは決して諸君が奉ずる宗教の主とする所のものにはあらじ。
106
これ元来仏教、
107
基督教の
生国
(
せいこく
)
が五倫五常の国にあらざるが故に、
108
その然るべきはむしろ当然の結果なりといふべきなり。
109
我が国はこれに反して、
110
五倫五常が主にして、
111
神人契合
(
しんじんけいがふ
)
の如きはむしろ従たるものなり。
112
外教
(
ぐわいけう
)
にては五倫五常を捨てても神人契合を得るかは知らざれども、
113
我が国にては決してこれを得べからず。
114
されば神人の契合を得むと欲せば、
115
まづ五倫五常を全くするはこれ我が神の道にして、
116
外教のそれとは全く表裏相反するものなり。
117
しかもその道たるや、
118
後世聖人、
119
君子なる者が、
120
必要に応じて立てたる道に非ずして、
121
天地開闢以来伝はれる神ながらの大道たるなり。
122
神は、
123
この道の本源を人の本性に
分賦
(
ぶんぷ
)
し給へり。
124
これを名づけて至誠といふ。
125
この至誠君臣の間に発して義となり、
126
父子
(
ふし
)
の間に発して
親
(
しん
)
となり、
127
夫婦の間に発して和となり、
128
兄弟
(
けいてい
)
の間に発して友となり、
129
朋友の間に発して信となり、
130
毫
(
がう
)
も紛乱する所あること無きなり。
131
故に教へずして家自ら
和
(
やは
)
らぎ、
132
令せずして国自ら治まる。
133
これを以てその国体や美なり、
134
その国土や浄土なり、
135
その国家や天国たるなり。
136
これをまた我が国不文の教とはいふなり。
137
然るに今宗教家は、
138
この浄土の国を出現せしめむが為に、
139
最良の手段たる我が固有の大道を捨てて、
140
縁遠き他国の宗教布教に没頭す。
141
これなほ
湿
(
しつ
)
を
悪
(
にく
)
みて低きに居り、
142
火を消さむと欲して油を注ぐが如き類のみ。
143
豈
(
あに
)
奇ならずや。
144
もし宗教家にして真に国家を愛し、
145
衆生同胞を憐み、
146
天国浄土を出現せしめむと欲すとせば、
147
すべからく先づ従来奉ずる所の宗教的偏見を捨てて、
148
上
(
かみ
)
皇室の行はせらるる本義に則り
奉
(
たてまつ
)
るべきなり。
149
これその目的たる天国浄土を出現すべき最良、
150
最捷径
(
さいせうけい
)
の方法にして、
151
また釈迦、
152
基督の本旨に
協
(
かな
)
ふ所以ともなりぬベし。
153
元来宇宙の間には迷悟あること無し。
154
しかるに宗教家はいふなるベし、
155
日本の道はいはゆる不言の教なるが故に、
156
迷へる者をして悟らしめ、
157
悲しむものに慰安を与ふるの方法無し、
158
これその欠点なり、
159
我が宗教はこの欠陥を
填補
(
てんぽ
)
するものなりと。
160
然らば問はむ、
161
宗教発生以来、
162
果してよく迷へる者を慰め得たりしかと。
163
宗教ありて迷者悲者、
164
その跡を絶つといはば、
165
宗教発生以前はみな迷者悲者のみなりしか、
166
思ふに宗教ありとて迷ふ者は迷ひ、
167
宗教無しとて悟る者は悟るべし。
168
喜怒哀楽は人の天性なり。
169
山はこれ山、
170
水はこれ水、
171
豈
(
あに
)
微々たる宗教によりてこれを左右し得ん哉。
172
しかるに世の宗教家は巧辞を弄し、
173
甘言を揮つて説法すらく、
174
迷ヘる者よ来れ、
175
悟を与へむ、
176
悲しむ者よ来れ、
177
慰めを得せしめむと。
178
これいはゆる晴天に風雨を呼び、
179
平水
(
へいすゐ
)
に波浪を起すものにして、
180
人心はかへつてこれがために迷乱を生ずるを免れ得ざるものなり。
181
ひるがへつて宗教家の平常を観れば、
182
その多くは、
183
伝道の傍ら、
184
あるひは愚民を欺きてその膏血を搾り、
185
あるひは外国の走狗となりて、
186
共に国民性を
害
(
そこな
)
ひつつあるにあらずや。
187
それ盗賊は世の重罪なり、
188
しかもこれを謀反に比すればその罪軽し。
189
謀反は天下の大罪なり、
190
しかもこれを宗教家の罪に比すれば小にして軽し。
191
何となれば、
192
盗賊謀反は自らその罪を標榜してこれを行ひ、
193
人また皆これを知るが故にあるひは恐れあるひは戒む。
194
天誅至るに及びて罪悪自ら明らかとなるに反し、
195
彼の
欺民
(
ぎみん
)
走狗の徒に至りては、
196
人これを知らざるのみならず、
197
天下こぞつてこれを
誉
(
ほ
)
む。
198
ただにこれを誉むるのみならずしてこれを信奉す。
199
その害一時に現出すること無しといへども、
200
その一たび現はるるに及びては、
201
国家の命脈また危ふからむとす。
202
これを獅子身中の虫に比するもあへて
失当
(
しつたう
)
にあらざるを覚ゆるものなり。
203
吾人はまたここに問ふベきことあり、
204
宗教家は今日の思想界を如何に観つつありやと。
205
釈迦の出でし時よりも、
206
基督の起りし時よりも、
207
孔子の遊説せし時よりも、
208
現代はなほ一層はなはだしき迷乱時代なるを知らずや。
209
この迷乱の時代を救ひて国民思想を統一せむには、
210
唯一の皇道あるのみ。
211
宗教家にしてもしこれを知りながら、
212
ことさらにその宗教を布教すとならば国家の賊なり。
213
もし知らずして布教すとならば天下の愚なり。
214
けだし今日多くの宗教家は真に民生を
念
(
おも
)
ひ、
215
国家を
憂
(
うれ
)
ふるの至誠より迸出せる熱涙の布教にあらずして、
216
布教のための布教を事とする徒のみ。
217
世の賢明なる宗教家よ、
218
日本の国土において、
219
陛下の臣民として祖神の子孫として生を享けたる上は、
220
この秋に当りて
宜
(
よろ
)
しく国家の将来を鑑み、
221
利を捨て義を取り、
222
私
(
わたくし
)
を去り
公
(
おほやけ
)
に就き、
223
以て神州清潔の民となり、
224
天壌無窮の皇運を扶翼し奉るベきにあらずや。
225
聖書に、
226
それ我れ来るは、
227
人をその父に背かせ、
228
子をその母に背かせ、
229
娘をその姑に背かせむが為なり。
230
我よりも父母を
愛
(
いつくし
)
むものは、
231
我に
協
(
かな
)
はざるものなり、
232
我よりも子女を愛むものは、
233
我に協はざるものなり」とあるが、
234
真面目
(
まじめ
)
にこの教に従ふものとすれば、
235
父母を見れば尊し、
236
妻子
(
めこ
)
を見ればめぐしうつくしとする我が国民の本性を破壊するものなり。
237
その本性を
枉
(
ま
)
げ、
238
倫常を
無
(
な
)
みし、
239
強ひて直に天父に従はむとするもの、
240
その国民性、
241
果たして
真面目
(
しんめんもく
)
なりといふを得べきか。
242
我が国
儒仏
(
じゅぶつ
)
伝来以降、
243
はなはだ
人性
(
じんせい
)
の
真面目
(
しんめんもく
)
を欠きたり。
244
鈴の屋翁
[
※
本居宣長のこと
]
が「きもむかふ心さくじりなかなかにからの
教
(
をしへ
)
ぞ人
悪
(
あし
)
くする」「からざまのさかしら心うつりてぞ
世人
(
よびと
)
の心
悪
(
あし
)
くなりぬる」と
物
(
もの
)
せられたる、
245
まことに所以なきにあらず。
246
人あるひは言はむ、
247
儒仏は我が国に文化を導き、
248
今日の大和錦を織り成したるものなりと、
249
他人の力を藉りて
角
(
つの
)
を
矯
(
た
)
めたるは可なりといへども、
250
牛を殺せばつひに何らの益かある。
251
儒仏によりて制度文物の美を成したるは可なり。
252
しかれども、
253
国の命脈を維持する国民性を麻痺せしめたるの害は、
254
挙げて数ふベからずとす。
255
元来我が国民性は天真爛漫なるが故に、
256
濶達なり、
257
雄壮なり。
258
素盞嗚尊、
259
五十猛尊の韓国経営といひ、
260
少彦名命の海外経営といひ、
261
神功皇后の三韓征討といひ、
262
その他外に
軍
(
いくさ
)
に従ひ、
263
大胆不敵なる
調伊企儺
(
つきのいきな
)
[
※
?~562年。
264
百済からの渡来人の子孫で、
265
新羅征討軍の武将
]
の如きあり、
266
また婦女としての
大葉子
(
おおばこ
)
[
※
調伊企儺の妻
]
の如きあり、
267
毫
(
がう
)
も外教浸潤後における島国的にして意気地無き根性にはあらざりしなり。
268
請ふ、
269
天照大御神に
曰
(
まを
)
し
奉
(
たてまつ
)
る祈年祭の祝詞を荘誦せよ。
270
皇神
(
すめかみ
)
の
見霽
(
みはるか
)
します四方の国は、
271
天の壁立つ極み、
272
国の
退
(
そ
)
ぎ立つ限り、
273
青雲の棚引く極み、
274
白雲の
墜居
(
おりゐ
)
向伏す限り、
275
青海原は
棹舵
(
さおかぢ
)
干さず、
276
舟の
艫
(
へ
)
の至り
留
(
とどま
)
る極み、
277
大海原に舟満ちつづけて、
278
陸
(
くが
)
より往く道は
荷緒
(
にのを
)
結ひ堅めて、
279
磐根木根
(
いはねきね
)
履
(
ふ
)
みさくみて、
280
馬の爪の至り留る限り、
281
長道
(
ながぢ
)
間
(
ひま
)
無く立ちつづけて、
282
狭
(
さ
)
き国は広く、
283
峻
(
さか
)
しき国は
平
(
たひら
)
けく、
284
遠けき国は
八十綱
(
やそつな
)
打ち掛けて引き寄する事の如く、
285
皇大御神
(
すめおほみかみ
)
の寄さし
奉
(
まつ
)
らば云々
286
と、
287
何ぞその語の勇壮にして意気の濶達なる。
288
これ実に我が上古臣民の理想を代表するものにあらずや。
289
しかるに儒教
入
(
い
)
りて禅譲の風を伝へ、
290
老荘の
学
(
がく
)
来りて
許由巣父
(
きょいうさうほ
)
[
※
栄貴を忌み嫌うこと
]
の
徒
(
と
)
生じ、
291
仏教渡りて悲観厭世の
俗
(
ぞく
)
興り、
292
真面目
(
しんめんもく
)
の本性を
晦蒙
(
くわいもう
)
すると共に、
293
雄壮濶達の気象
衰
(
おと
)
ふるに至りたり。
294
彼の、
295
臣下として王位を左右したるは
伊尹
(
いいん
)
[
※
古代中国(殷)の名相
]
の徒にあらずや。
296
畏俗先生と称して山間に
遁
(
のが
)
れたるは
許由
(
きょいう
)
[
※
古代中国の伝説の賢人
]
の徒にあらずや。
297
しかして円頂黒衣以て世を遁れたるものに至りては枚挙にいとまあらず。
298
仏者に言はしむれば、
299
仏教には小乗あり大乗あり、
300
中古時代の仏教は多く独善的の小乗なりしが故に
弊
(
へい
)
ありしかど、
301
大乗的教義に至りてはしからずと。
302
しかれども仏教の入門は、
303
到底悲観的厭世主義なるを免がるる能はず、
304
出家にあらざれば道を得る能はずとするを主義とす。
305
教祖釈迦を初め、
306
あらゆる祖師達、
307
何れか家を出でずして得道したる。
308
これを詮ずるに、
309
仏教は
四諦
(
したい
)
、
310
即ち、
311
苦集滅道を以て
綱目
(
かうもく
)
とし、
312
その苦観を以て関門とするは争ふべからざる所なり。
313
これ実に中古以来、
314
我が国民性を麻痺せしめたる毒薬にして、
315
その証今日の印度を見れば、
316
自ら思ひ半ばに過ぎむ。
317
天命は性にして、
318
性に
率
(
したが
)
ふを道といひ、
319
道を修むるを
教
(
けう
)
といふ以上、
320
我が国の道は我が国民性に
率
(
したが
)
ひ、
321
我が国の
教
(
をしへ
)
は我が国の道を修めざるベからず。
322
しかして今日の基督教はもちろん、
323
儒教、
324
老荘の教は、
325
すでに我が国民性に
協
(
かな
)
はずとすれば、
326
我が国においては
惟神
(
かむながら
)
の
大道
(
だいだう
)
これあるのみとなるべきはずなり。
327
孝徳天皇大化三年の
詔
(
みことのり
)
に曰く、
328
329
「惟神も
我
(
あ
)
が子
応治
(
しら
)
さむと
故
(
こと
)
寄させき、
330
これを以て天地の初めより、
331
君
(
きみ
)
と
臨
(
しら
)
す国なり、
332
始めて国を
治
(
し
)
らせし
皇祖
(
すめみおや
)
の時より、
333
天下大同、
334
都
(
すべ
)
て彼これいふことなかりき云々」
335
と。
336
近藤芳樹翁これを解きて曰く、
337
338
「
掛巻
(
かけまく
)
もかしこけれど、
339
我が豊葦原の中国は、
340
天照皇大神の
御任
(
みよさし
)
のまにまに、
341
万世
(
よろづよ
)
を
遠長
(
とほなが
)
く
統御
(
しろしめす
)
べき
美邦
(
うましくに
)
にしあれば、
342
天下
(
あめのした
)
の
臣庶
(
おほみたから
)
皆
性
(
せい
)
を
天神
(
あまつかみ
)
の
産霊
(
むすび
)
に成して、
343
心
直
(
なほ
)
く、
344
身を
真井
(
まなゐ
)
の清水に
濯
(
すす
)
ぎてその
体
(
たい
)
潔ければ、
345
穢悪
(
きたな
)
く
枉曲
(
まが
)
れる者をさをさ無くて、
346
臣連
(
おみむらじ
)
伴造
(
とものみやつこ
)
国造
(
くにのみやつこ
)
諸々
朝
(
みかど
)
を
輔
(
たす
)
け、
347
世を
治
(
をさ
)
むべき家に
業
(
わざ
)
を伝へ、
348
臣連
(
おみむらじ
)
はその
姓
(
かばね
)
のまにまに
仕奉
(
つかへまつ
)
り、
349
出でては君を尊び、
350
友と睦び、
351
入
(
い
)
りては
父兄
(
おや
)
につかへ
夫婦
(
めをと
)
相いつくしむ、
352
神代ながらの無為の教にたがひめあらでなむ、
353
これを惟神の道といふ」
354
これ実に我が国民性に
率
(
したが
)
ふ所の道にして、
355
五倫五常一致の本義なり。
356
されば五倫を尊ばざるは我が国の教にあらず。
357
五常を重んぜざるは我が国の道にあらず。
358
我が国の教にあらずしてこれを奉じ、
359
我が国の道にあらずしてこれに
遒
(
したが
)
ふ。
360
これ本性を
枉
(
ま
)
げ
君親
(
くんしん
)
を
無
(
な
)
みするものにして、
361
畢竟
(
ひつきやう
)
乱臣賊子たるを免れず。
362
人あるひは言はむ、
363
時勢の推移に連れて文物また変遷す、
364
昭和の今日において、
365
上古の道を論ずるは愚なりと。
366
道
豈
(
あに
)
時の古今に依つて変ずるものならむや。
367
およそ世の単位は人なり。
368
人の思想の変遷につれて時勢もまた変遷するは免るベからざるも、
369
吾人のいはゆる道には非ざるなり。
370
古語に曰く、
371
一人
(
いちにん
)
仁に興ると。
372
故に一人にても過去の過ちを悔い、
373
今日の行ひを修むるものあらば、
374
漸次
(
ぜんじ
)
一家一村一国に及ぼし、
375
つひには世の趨勢をも一変すべし。
376
しかしてその事たるや、
377
これを遠くに求むるにあらずして、
378
近くこれを自己の本性真情に求め、
379
これを難きに施さずして、
380
易き君臣父子の間に行ふにあるなり。
381
人すでに一たび真情を発す、
382
鼎鑊
(
ていくわく
)
[
*
底本は「鼎钁」。
383
重罪人を煮殺す道具で、
384
転じて極刑の意
]
も飴の如く、
385
水火
(
すゐくわ
)
も蒲団の如くならむ。
386
何を苦しんで生死を離れ何の
遑
(
いとま
)
ありて天国を
希
(
ねが
)
はむ。
387
思ふに我が国の現状思想界の混乱その極に達せむとす。
388
曰く耶蘇、
389
曰く仏、
390
曰く儒、
391
曰く俗神道、
392
曰く東洋哲学、
393
曰く西洋哲学と、
394
しかしてその内また各宗各派各主義に分れ、
395
甲論乙駁、
396
喧擾紛争してやむ時無きなり。
397
祝詞にいはゆる
磐根樹根立草
(
いはねきねたちくさ
)
の
片葉
(
かきは
)
をも
言問
(
ことと
)
ふの世なり。
398
宜
(
むべ
)
なるかな人心の
帰趨
(
きすう
)
統一せられざるや。
399
これを要するに、
400
今日の宗教家、
401
哲学者らは、
402
人心統一の必要はこれを感じながら、
403
一面にはその生存のために世を欺き名を
衒
(
くら
)
ひ、
404
一面には深く天地の大道を究めざるがために、
405
その帰結点を得ざるものなりとす。
406
一般世人に至りては、
407
ただ彼らの言にこれ聴くのみ。
408
もししからずとならば、
409
爾曹
(
なんぢ
)
が従来の教に固着するの
陋
(
ろう
)
と、
410
主義に束縛せらるるの弊とを離れ、
411
日本国民の本性に復帰すべきなり。
412
日本国民の本性に復帰してこれを発揚し、
413
以て天壌無窮の皇運を扶翼し奉る、
414
これを惟神の大道とはいふなり。
415
惟神の大道を離れて、
416
しかして日本国民たらむとするも
得
(
う
)
べからざるなり。
417
もし強ひて仏耶その他の教を奉ぜむとならば、
418
乞ふ各々その国民となれ。
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