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神人の心

インフォメーション
題名:神人の心 著者:出口王仁三郎
ページ:44
概要: 備考:霊界物語第二二巻総説の抜萃 タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :B123900c016
001 真心とは天地の先祖の大神の大精神に合致したる清浄心である。002至仁至愛にして万事に心を配り意を注ぎ、003善事に会ふも凶事に遇ふも、004大山(たいざん)の泰然として動かざるが如く、005びくつかず、006あせらず、007物質欲に淡泊(あは)く、008心神を安静に保ち、009何事も天意を以て(もと)となし、010人と争はず、011よく耐へ忍び、012宇宙万有一切を我が身魂(しんこん)の所有となし、013春夏秋冬昼夜、014風雨雷電霜雪、015何れも言霊の御稜威に服従するまでに到らば、016始めて神心を発揚し得たのである。
017 また小三災の飢病戦、018大三災の風水火に攻められ、019如何なる艱苦の淵に沈む時ありとも介意せず、020幸運に向ふも油断せず、021生死一如と心得、022生死に対しては昼夜の往来を見るが如く、023世事一切を神明の御心に任せ、024好みなく憎しみなく、025義を見ては進み、026利を見て心を悩まさず、027心魂常に安静にして人事を見ること流水の如く、028天地の自然を楽しみ、029小我を棄て大我に合し、030才智に頼らず、031天の時に応じ、032神意に随ひ、033天下公共のために捨身の活動を為し、034万難にたゆまず屈せず、035善を思ひ、036善を云ひ、037善を行ひ、038奇魂(くしみたま)の真智を照らして大人(たいじん)の行ひを備へ、039物を以て物を見極め、040他人の自己(おのれ)に等しからむことを欲せず、041心中常に蒼空の如く、042海洋の如く、043二六時中意志内にのみ向ひ、044自己(おのれ)の独り知る所を慎み、045その力量才覚を人に知られむことを望まず、046天地の大道に従って世に処し、047善言美辞を用ひ、048光風霽月(こうふうせいげつ)少しの遅滞なく、049神明の代表者たる品位を保ち、050自然にして世界を輝かし、051心神虚しくして一点の私心なき時は、052その胸中に永遠無窮の神国あり。
053 至善至美至真の行動を励み、054善者または老者を友とし、055これを尊み敬ひ、056悪人愚者劣者を憐れみ、057精神上にはたまた物質上に恵み救ひ、058富貴を羨まず貧賤を厭はず侮らず、059天分に安んじ、060社会のために焦慮して最善をつくし、061富貴に処しては神国のために心魂を傾け、062貧に処しては簡易なる生活に感謝し、063我欲貪欲心を戒め、064他を害せず傷つけず、065失敗来たるも自暴自棄せず、066天命を楽しみ、067人たるの天職を尽し生業を励み、068天下修斎の大神業に参加する時といへども、069頭脳を冷静に治めて周章(あわ)てず騒がず、070心魂洋々として大海の如く、071天の空しうして百鳥の飛翔するに任せ、072海の広大にして魚族の遊踊(いうよう)するに任するが如く、073不動にして寛仁大度(かんじんたいど)の精神を養ひ、074神政成就の神業を輔佐し、075たとへ善事と見るも神界の律法に照合(てら)して、076悪しければ断じてこれを為さず、077天意に従って一々最善の行動を採り、078昆虫といへどもみだりに傷害せず、079至仁至愛の真情(まごころ)を以て万有を守る。080また乱世に乗じて野望を起こさず、081至公至平の精神を持するの人格そなはりたる時は、082すなはち神人(しんじん)にして、083その心魂は即ち真心であり神心である。
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