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真の宗教
インフォメーション
題名:
真の宗教
著者:
出口王仁三郎
ページ:
77
概要:
備考:
水鏡所収「真の宗教」とほぼ同じ
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
B123900c023
001
宗教の宗の字は、
002
国語にて
宗
(
むね
)
と訓ず、
003
宇宙一切の経緯を示すと云ふ意味である。
004
ウ冠のウは、
005
天地万有一切を生み出す神の経綸と云ふ言霊であり、
006
下の
示す
と云ふ字は、
007
天地人開くと云ふ意味である。
008
宗教と云ふ意味は天地人一切に関する根本の真理を開示し、
009
神の意志によつて人心を導き、
010
民ををさめ、
011
一切の万有を安息せしむべき意味が含まれてゐる。
012
故に宗教は、
013
天文、
014
地文、
015
政治、
016
教育、
017
芸術、
018
経済、
019
その他ありとあらゆるものに対し、
020
根本的解決を与ふるものの謂ひである。
021
今までの既成宗教は何れも天に傾き、
022
地に傾き、
023
あるひは心に傾き、
024
そして一切の人間界と乖離して居る傾きがある。
025
現実界を疎外し
厭離穢土
(
えんりゐど
)
だとか、
026
苦の世界だとか、
027
火宅土とか、
028
種々軽侮的扱ひをなし、
029
しかして目に見えない霊界を讃美渇仰し、
030
人間生活の要諦にふれて居ないものばかりである。
031
中には立派な宗教と現代人が思つてゐる教理は、
032
人間の慣性たる五倫五常の道を専ら説いて宗教の本旨に
副
(
かな
)
つたもののやうに思つてゐるのが多い。
033
試しの道の心得だとか、
034
八ツのほこりだとか、
035
五戒十戒だとか、
036
地上の人間に対し禁慾的の教理を教へ、
037
神仏は非常に尊きもの、
038
恐るべきものとして、
039
ほとんど人間の近づく事が出来ないものの如く習慣づけて来たものである。
040
人間は生まれながらにして善悪正邪の区別は知つてゐる。
041
教ふるものは今日の曇りきつた人間の知識を以て測知すべからざる真理を教へてこそ、
042
初めて宗教の価値もあり権威もあるのである。
043
バイブルを調べても、
044
釈迦の一切経を調べて見ても、
045
いたづらに文句を長たらしく並べたのみで、
046
これと云ふ一つの竜頭を認める事が出来ない。
047
故に既成宗教を調ぶれば調ぶるほど、
048
迷ひを生ずるのみであつて、
049
いたづらに時間を空費するのみである。
050
故に今日まで、
051
宗教が人心によい感化を与へた事は少々あつても、
052
至粋至純なる天賦の精霊を混濁せしめたことも甚大である。
053
さうして今まで地上は宗教あるが故に残虐なる宗教戦も、
054
度々繰返された。
055
要するに宗教なるものは地上一切の経綸に対し、
056
根本的に指導すべき使命をもつて居るものでなくてはならないのである。
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