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皇国の言霊
インフォメーション
題名:
皇国の言霊
著者:
出口王仁三郎
ページ:
215
概要:
備考:
「人類愛善新聞」昭和六年九月二三日号所収「言霊の幸わう国」を再編したものと思われる
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
B123900c073
001
総て言葉といふものは、
002
われわれの生活上にも政治的にも、
003
最も必要なものである。
004
また皇国日本の昔からの教にも、
005
日本は言霊の幸ふ国、
006
言霊の助くる国、
007
言霊の生ける国、
008
或ひは言霊の天照国と云って、
009
日本に生まれ出でた人々は何れも七十五声の正音のみを自由自在に応用し、
010
かつ全く円満精朗で、
011
言葉に権威を伴って居り、
012
魂が入ってゐるのである。
013
森羅万象ことごとくみな言霊の助けによりて生まれたるなり
014
例へば日本の言葉で「山」といふ事を云へば、
015
すぐ山を連想し得るやうに「ヤ」と「マ」の言葉の中に、
016
その意味と力が含まれてゐる。
017
それで言霊の幸ふ国と云ふのである。
018
これに反し、
019
外国人の声音はその数少なく、
020
かつ濁、
021
半濁、
022
拗、
023
促、
024
鼻音等はなはだ多く、
025
不正不規律である。
026
この頃の日本の言葉には、
027
漢語が交じったり、
028
英語や仏語等が入ったりして、
029
何処の言葉が解らぬやうに乱れてゐる。
030
それが為に日本の思想が乱れ、
031
政治が乱れ、
032
宗教が乱れ、
033
風俗が紊れ、
034
一切のものがみな混乱状態となり、
035
中心といふものが無くなったのである。
036
主の神の生言霊の大原理知らずば天地の成り立ち解らず
037
総て宇宙にはアイウエオの五大母音があって、
038
間断なく鳴り鳴りて鳴り止まず、
039
天地の造化に任じつつあるのであるが、
040
大声は
耳裡
(
じり
)
に入らず、
041
一般人にはこれを
聞知
(
ぶんち
)
し得ないのである。
042
もし神霊学を極め、
043
鎮魂と帰神の神術に通じ、
044
言霊の妙用を知るときは、
045
この五大母音を明瞭に聞く事を得るのである。
046
言霊の正しき人は久方の天の恵みを満たせる神なり
047
神は万物普遍の霊であって、
048
言霊であり、
049
霊である。
050
しかして宇宙に充ち満つるが故にミチ(道)とも云ふのである。
051
人は天地経綸の司宰者として生を享けたものであるから、
052
この言霊の妙用を解してこれを実地に応用する時は、
053
天地万物を自在に動かす事を得べく、
054
地震、
055
風雨、
056
雷電を駆使するが如きは実に易々たる業である。
057
然るに、
058
言霊の助け幸ひ天照る国に生まれて来て、
059
天下修斎の天職ある我が国民がこれを解しないと云ふことは実に歎かはしい次第である。
060
新約全書の、
061
062
「
太初
(
はじめ
)
に
道
(
ことば
)
あり、
063
道は神と
偕
(
とも
)
にあり、
064
道は即ち神なり、
065
この道は太初に神と偕にありき、
066
万の物これによりて造らる、
067
造られたるものに一つとしてこれによらで造られしはなし、
068
これに
生
(
いのち
)
あり、
069
この生は人の光なり、
070
光は
暗
(
くらき
)
に照り、
071
暗はこれを
暁
(
さと
)
らざりき云々」
072
と云ふ章は、
073
この皇国言霊の消息を漏らしたもので、
074
この一章を見ても如何に言霊の至貴至重であって、
075
万有の根本たるかを窺知することが出来る。
076
現在の日本及び世界の混乱不統一は、
077
要するに言霊の混乱不統一にその源を発してゐるのであるから、
078
日本から先づ言葉をすっかり統一し、
079
海外諸国にまで正しい日本語を宣伝し、
080
それによって世界一家の基礎を固めねばならぬ。
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