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[15]自主的精神に基け
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天国の国体や如何
インフォメーション
題名:
天国の国体や如何
著者:
出口王仁三郎
ページ:
290
概要:
備考:
出典不明
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
B123900c090
001
予はかつて基督教の有名なる牧師達に、
002
天国の国体や
如何
(
いかん
)
、
003
天国の政体や如何、
004
を詰問したことがある。
005
しかし
何人
(
なんぴと
)
も、
006
予の詰問に対して満足なる解答を与ふる者は無かった。
007
「天国は近づけり」と教へ「天になる如く地にも成らせ給へ」と祈るといへども、
008
その天国の状態が判らないでは、
009
おそらく地上に天国が建設された時に狼狽するであらうと思はれる。
010
治乱興亡幾千載、
011
総ての人類が
翹望
(
げうばう
)
し、
012
幾多の聖賢が胸に描いた理想天国の国体は、
013
実に大日本皇国の神聖なる国体そのものであり、
014
仰ぐも畏き神の御国の政体は、
015
実に皇道日本マツリゴトの義にほかならない所以を覚るべきである。
016
心を空しくして神に祈り、
017
吾らは天孫の臣であり神国の民であるてふ自覚に生きよ、
018
しかしてありし日の日本、
019
またあらしむべき日本の真の姿を凝視せよ。
020
吾らは祖先に神を通じて同胞であり、
021
頭上に日の御子を戴いて一体であるのだ。
022
神は吾らの父であり皇室はその御本家にましますのである。
023
「海行かば水づく
屍
(
かばね
)
、
024
山行かば草むす屍、
025
大君の
辺
(
へ
)
にこそ死なめ」と民歌へば「急ぐなる秋の
褥衣
(
しとね
)
にこそ夜寒の民の心をも知れ」と君詠じ給ひ「たらちねの親の守りと相添ふる心ばかりは関な
止
(
とど
)
めそ」と親唱ふれば「父母も花にもかもや草枕旅は行くとも捧げて行かむ」と子これに和す美はしの至情、
026
これをしも天国といはずして何れに天国を求めむとするか。
027
これに対して諸外国の状態や如何。
028
君臣の義を解するに権利義務の規約を以て律し、
029
国家の本姿を理するに利益主義の観念を以て基とする。
030
かかる現実に立脚して理想の天国を求むる者が、
031
雲より下るメシヤを祈り待つはまた当然である。
032
しかし吾々神州の民は、
033
ありし日の正しき日本、
034
あらしむるべき真の日本を建設することによって天国を地上に移すことが出来るのである。
035
皇国の政体は祭政一致である。
036
これが即ち天国の政体なのである。
037
祭政一致の真意義は、
038
神と国と君と民との「
真釣
(
まつり
)
ごと」である。
039
度衡
(
はかり
)
に物をかけて相等しく真釣合ふ神人合一の義である。
040
かるが故に大祓は国家治要の根本義であって、
041
大嘗祭はまことにその至重の祭事たるべきものである。
042
しかして大祓には大潔斎と中潔斎と小潔斎の三つがある。
043
小潔斎は一身を清め一家を清める法にして、
044
中潔斎は国土を払ふものにして、
045
大潔斎は天地の妖気を払ひ
乾坤
(
けんこん
)
を清むるものをいふのである。
046
故に我が国のマツリゴトは最高天国の姿をそのまま移写したるものであって、
047
地上天国とは皇国日本惟神の国体をいふのである。
048
されば天津日嗣天皇御即位の大典は、
049
天地御継承の一大秘事であって、
050
天津金木によって研鑽されたる
御儀相
(
おんぎさう
)
は、
051
その幽玄荘厳なる、
052
実に天国自然の大神秘を示させ給へるものである。
053
天国を説き神の国を口にする者は、
054
先づ皇国日本の国体を研鑽しマツリの本義を究明すべきであって、
055
然らざる地上天国論はことごとく蜃気の楼閣に等しきものである。
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