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[11]世界に範を示せ
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惟神の真理
インフォメーション
題名:
惟神の真理
著者:
出口王仁三郎
ページ:
92
概要:
備考:
霊界物語第四六巻第一七章「惟神の道」の後半とほぼ同じ
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
B123900c027
001
人間がこの世に生れ来り、
002
美醜強弱貧富貴賤の区別がつくのも決して人間業でない。
003
何れもみな惟神のよさしのままに、
004
それ相応の霊徳をもつて地上に蒔きつけられたものである。
005
富める者はどこまでも富み、
006
貧しき者はどこまでも貧しいのは、
007
その霊の内分的関係から来るものであつて、
008
決して外分的関係より作り出されるものでない。
009
貧しき霊の人間が現界に活動し、
010
巨万の富を積み、
011
金殿玉楼に安臥し、
012
富貴を一世に誇るといへども、
013
依然としてその霊と肉とは貧しき境遇を脱する事は出来ない。
014
それはちやうどいかに醜婦が絶世の美人の容貌にならむと、
015
紅白粉
(
べにおしろい
)
を施し、
016
美
(
うる
)
はしき衣服を装ひ、
017
あらむ限りの人力を尽すといへども、
018
醜女は依然として醜女たるの域を脱せざると同一である。
019
鼻の低い者はいかに隆鼻術を施すとも到底駄目に
了
(
をは
)
る如く、
020
貧者はどこまでも貧者である。
021
すべて貧富の二者は物質的のみに局限されたものでない。
022
真に富める人は一箪の食一瓢の飲を以て天地の恵を楽しみ、
023
綽々
(
しゃくしゃく
)
として余裕を存し、
024
天空海濶たる気分に漂ふ。
025
いかに巨万の財宝を積むとも、
026
神より見て貧しき者はその心平かならず豊かならず、
027
常に窮乏を告げ、
028
欲の上にも欲にかわき、
029
一時たりとも安心立命することが出来ない。
030
金の番人、
031
守銭奴たるの域にあくせくとして迷ふのみである。
032
また
天稟
(
てんびん
)
の美人は美人としての惟神的特性が備はつてゐるのである。
033
美人の慎むべき徳として、
034
吾れ以外の醜婦に対しなるべく美ならざるやう、
035
艶
(
えん
)
ならざるやう努むるを以て、
036
道徳的の根本律としてゐるのは、
037
惟神の真理を悟らざる世迷ひ言である。
038
美人はますます装ひを尽せば、
039
ますますその美を増し、
040
神または人をして喜悦渇仰の念を沸かさしむるものである。
041
これが即ち美人として生れ来りし自然の特性である。
042
これを十二分に発揮するのが惟神の真理である。
043
また醜婦は決して美人を妬みそねまず、
044
自分の醜をなるべく装ひ、
045
人に不快の念を起さしめず、
046
かつまた美人に対して尊敬の念を払ふのが醜婦としての道徳である。
047
富者となり貧者となり、
048
貴人となり賤民となり、
049
美人となり醜婦となり、
050
智者となり愚者と生れ来るも、
051
みな宿世の自ら生み出したる因果律によつて来るものなれば、
052
各自にその最善を尽し、
053
賤民は賤民としての本分を守り、
054
貴人は貴人としての徳能を発揮し、
055
富者は富者としての徳を現はし、
056
貧者は貧者としての本分を守るのが天地惟神の大道である。
057
かくの如く上下の万民が一致的にその本分を守るにおいては、
058
神示にいはゆる
桝
(
ます
)
かけ引きならして、
059
運否のなき五六七の世が現出するのである。
060
私がかくの如き説をなす時は、
061
頑迷固陋の倫理学者、
062
道徳学者らは、
063
必ず異端邪説として排斥するであらう。
064
しかしながら天地の真理、
065
惟神の大道たる以上は、
066
如何ともすることが出来ないのである。
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