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惟神の道
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霊の本の力
インフォメーション
題名:
霊の本の力
著者:
出口王仁三郎
ページ:
297
概要:
備考:
「神聖」昭和一〇年七月号所収「『神聖運動』とは何か」の「皇道外交の確立」の抜萃・再編
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
B123900c092
001
霊界とは想念の世界であつて時間空間を超越した絶対界である。
002
現実世界は総て神霊世界の移写でありまた縮図である。
003
霊界即ち(判り易くいへば)精神界の真象を写し出したのが現界即ち自然界である。
004
故に現界を称してウツシ世と言ふのである。
005
例へば一万三千尺の富士山の姿を小さな写真にうつし出した時、
006
その写真がいはゆる現界即ちウツシ世であるのである。
007
故にわづか一間四方くらゐの神社の内陣でも、
008
神霊界においては、
009
ほとんど現界人の標度で見たならば十里四方も二十里四方もある広大なるものである。
010
また一尺足らずの小さい祭壇でも、
011
八百万の神々や祖先の神霊が
狭隘
(
けふあい
)
を感じ給はずして鎮まり給ふのは、
012
すべて霊界は情動想念の世界であつて自由自在に想念の延長をなし得るからである。
013
我が国を日の本と称するのは
霊
(
ひ
)
の
本
(
もと
)
の意なのである。
014
霊
(
れい
)
の字は
産霊神
(
むすびのかみ
)
、
015
直霊魂
(
なほひのみたま
)
の如く和訓ではヒと云ふのである。
016
それに対して外国のことはこれをカラの国といひ、
017
カラとは殻であり空であり体である。
018
この消息がハツキリと解つたならば日本と世界の関係も自ら明かとなるべきものである。
019
日本の国土は全世界に比較したならば小さい、
020
その人口も少ない。
021
物質的に現界的に見るならば世界のうちの一存在に過ぎない。
022
しかしこれを神霊界から見る時は全世界に拡大する偉大性を持つてゐるのである。
023
ことに満洲事変の勃発と共に我が国民が日本精神に覚醒するや、
024
国威の伸張はまことに素晴しいものがある。
025
国が小さいからと云つてまた人口が少ないからと云つて吾々は少しも臆することはない。
026
国民が無限の延長性を有する
日本
(
やまと
)
魂
(
だましひ
)
に生き切る時に、
027
全世界は皇国の大御稜威に
順
(
まつろ
)
ふやうになつて来るものである。
028
今日までに我が国は東西古今の一切の文明を吸収して来た。
029
その為に幾多の犠牲を払つたことは史実の明示する所である。
030
しかしそれはあだかも心臓が汚れたる血液を浄化して再び全身に送り出して四肢五体を養つてゐるやうに、
031
不撓不屈
(
ふたうふくつ
)
の苦闘は日本天賦の使命なのである。
032
今日の我が国内は、
033
あまりにも汚れた血液を浄化しようとする、
034
心臓の活動さながらの状態であつて、
035
これが立派な血液に仕上げられた暁には、
036
また強圧なる力を以て毛細管にまで送り出されねばならぬのである。
037
それには
一方
(
ひとかた
)
ならぬ努力と奮闘を必要とすることは勿論である。
038
しかし日本人が霊の本の精神力に生きて、
039
これを全世界に拡大延長する気力を得たならば、
040
この漂ヘるカラの国々を救ふことは決して難かしい問題ではないのである。
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