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惟神の道
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[11]世界に範を示せ
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[15]自主的精神に基け
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不言の教
インフォメーション
題名:
不言の教
著者:
出口王仁三郎
ページ:
221
概要:
備考:
出典不明
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
B123900c075
001
我が皇国の
教
(
をしへ
)
は天地開闢と共にあって、
002
その古きこと限りなく、
003
かつ日に日に新たにして終りなき終りに至るまで、
004
永遠無窮に続いてゐるのである。
005
教育の御勅語に「之ヲ古今ニ通シテ謬ラス之ヲ中外ニ施シテ悖ラス」とお示しになった「斯ノ道」が即ち我が皇国の教である。
006
然るに古今の漢学者、
007
洋学者などは我が国には固有の教法が無いから外国の教に則らなければならぬなどと云ってゐるが、
008
これは外国の学問のみに目が眩れて、
009
我が国と云ふものを知らなかった為で、
010
これが為に、
011
今日の如き暗黒無道の世の中になったのである。
012
元来我が皇国の教は天地惟神の道であるから、
013
言語や文字によって伝へられたものではなく、
014
人生自然の間に行はれ、
015
伝へられて来たのであって不言の教である。
016
臣が「海行かば
水
(
み
)
づく
屍
(
かばね
)
山行かば草むす屍
大君
(
おほぎみ
)
の
辺
(
へ
)
にこそ死なめ」と歌へば、
017
君は「急ぐなる秋の
褥衣
(
しとね
)
の音にこそ夜寒の民をも知れ」と詠じ給ひ、
018
また親が唱ふれば直ちに子はこれに和して、
019
君臣父子の間に一物の介在することなく、
020
臣は君の心を心とし、
021
子は親の志を志として、
022
夫婦相睦び兄弟相扶け、
023
本来の至情を以て家を成し国を造ってゐるのである。
024
西行法師が伊勢神宮に詣でて「何事のおはしますかは知らねども忝けなさに涙こぼるる」と詠じたが、
025
我が国民の君父に対する至情は、
026
道理や理屈の上から割り出したものではなく、
027
心の真底から流れ出て、
028
それが克く忠となり克く孝となり、
029
何事の有無をも問はないのである。
030
故に我が神国には古来、
031
外国のやうな複雑な政治学も法律学もなく宗教道徳などの言葉もなく、
032
ただ惟神の大道あるのみである。
033
万葉集の十三に「蜻島倭之国者神柄跡言挙不為国」云々などあって後世の如き
喧
(
やかま
)
しい言議論説もなくして、
034
しかも大家族大和楽の世界を現出してゐたのである。
035
要するに我が神国は敬神崇祖の思想によりて結合されてゐるのである。
036
即ち神は吾らの祖先であり、
037
宇宙の創造者摂理者であり、
038
また君は神の直系で吾らの総本家であらせらるると云ふ観念が、
039
純忠にして至孝なる国民性と相契合して成り立ってゐるのである。
040
故に我が国の政治は外国のそれとは大いに異なり「
祭事
(
まつりごと
)
」なのである。
041
なほこれを広く考へると、
042
臣が君を思ひ、
043
子が親を慕ひ、
044
妻が夫を恋ひ、
045
弟が兄を
懐
(
おも
)
ふなど、
046
みなその至情を致す時は、
047
やはりマツリである。
048
これによってまた君臣父兄が愛撫の情を垂れるのはいはゆる感応であり、
049
感応によって更にまた敬虔思慕の情を起し、
050
その情を致すによって更にまた感応を垂れると云ふふうに、
051
マツリの真義が
神人
(
しんじん
)
の間に始まって、
052
万事万端に及ぼし行く時は、
053
家に風波が起ったり、
054
国に争乱が起ると云ふことはないのである。
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