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第66巻(巳の巻)
第67巻(午の巻)
第68巻(未の巻)
第69巻(申の巻)
第70巻(酉の巻)
第71巻(戌の巻)
第72巻(亥の巻)
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天祥地瑞
第73巻(子の巻)
第74巻(丑の巻)
第75巻(寅の巻)
第76巻(卯の巻)
第77巻(辰の巻)
第78巻(巳の巻)
第79巻(午の巻)
第80巻(未の巻)
第81巻(申の巻)
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第8巻(未の巻)
序文
凡例
総説
第1篇 智利の都
01 朝日丸
〔351〕
02 五十韻
〔352〕
03 身魂相応
〔353〕
04 烏の妻
〔354〕
05 三人世の元
〔355〕
06 火の玉
〔356〕
第2篇 四十八文字
07 蛸入道
〔357〕
08 改心祈願
〔358〕
09 鏡の池
〔359〕
10 仮名手本
〔360〕
第3篇 秘露より巴留へ
11 海の竜宮
〔361〕
12 身代り
〔362〕
13 修羅場
〔363〕
14 秘露の邂逅
〔364〕
15 ブラジル峠
〔365〕
16 霊縛
〔366〕
17 敵味方
〔367〕
18 巴留の関守
〔368〕
第4篇 巴留の国
19 刹那心
〔369〕
20 張子の虎
〔370〕
21 滝の村
〔371〕
22 五月姫
〔372〕
23 黒頭巾
〔373〕
24 盲目審神
〔374〕
25 火の車
〔375〕
26 讃嘆
〔376〕
27 沙漠
〔377〕
28 玉詩異
〔378〕
29 原山祇
〔379〕
第5篇 宇都の国
30 珍山峠
〔380〕
31 谷間の温泉
〔381〕
32 朝の紅顔
〔382〕
33 天上眉毛
〔383〕
34 烏天狗
〔384〕
35 一二三世
〔385〕
36 大蛇の背
〔386〕
37 珍山彦
〔387〕
38 華燭の典
〔388〕
第6篇 黄泉比良坂
39 言霊解一
〔389〕
40 言霊解二
〔390〕
41 言霊解三
〔391〕
42 言霊解四
〔392〕
43 言霊解五
〔393〕
余白歌
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第一章
朝日丸
(
あさひまる
)
〔三五一〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第8巻 霊主体従 未の巻
篇:
第1篇 智利の都
よみ(新仮名遣い):
てるのみやこ
章:
第1章 朝日丸
よみ(新仮名遣い):
あさひまる
通し章番号:
351
口述日:
1922(大正11)年02月06日(旧01月10日)
口述場所:
筆録者:
外山豊二
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年6月15日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
天下の絶景の海を、筑紫から智利の国に向かう船の中で、猿世彦と駒山彦が、来し方を思い互いに相手の失敗をなじりあっていた。猿世彦、駒山彦は常世彦の部下として、大八洲彦命や言霊別命ら天使の神業を邪魔して竜宮城と戦った邪神であった。
猿世彦はスペリオル湖で元照別に捉えられ、凍える湖に投げ入れられて木乃伊となり、言霊別命に助けられて方法の体で逃げ帰った過去を、駒山彦らにからかわれている。
船中の女客が、猿世彦・駒山彦の連れの宣伝使に、三五教の教えを説いてくれ、と頼みかけた。
連れの宣伝使は清彦(清熊)であった。清彦はかつて鬼城山で駒山彦らの仲間として悪事を働いていたが、どうしたわけか三五教の宣伝使となっていたのである。
猿世彦は清彦の昔の悪事を上げたてて、宣伝の邪魔をする。清彦はそれを笑い飛ばして猿世彦の昔の失敗をなじる。
かくして雑談のうちに、船中の夜はふけて行った。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2020-05-30 21:27:18
OBC :
rm0801
愛善世界社版:
5頁
八幡書店版:
第2輯 153頁
修補版:
校定版:
7頁
普及版:
3頁
初版:
ページ備考:
001
ひがしや
西
(
にし
)
や
北
(
きた
)
南
(
みなみ
)
002
のどかな
春
(
はる
)
の
海面
(
かいめん
)
を
003
出船
(
でふね
)
入船
(
いりふね
)
真帆
(
まほ
)
片帆
(
かたほ
)
004
のり
行
(
ゆ
)
く
男子
(
をのこ
)
女子
(
をみなご
)
の
005
かげも
静
(
しづ
)
かに
揺
(
ゆ
)
られつつ
006
みづさへ
清
(
きよ
)
き
浪
(
なみ
)
の
上
(
うへ
)
007
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
008
乗
(
の
)
せ
行
(
ゆ
)
く
船
(
ふね
)
は
朝日丸
(
あさひまる
)
009
御稜威
(
みいづ
)
も
高
(
たか
)
き
高砂
(
たかさご
)
の
010
智利
(
てる
)
の
都
(
みやこ
)
に
進
(
すす
)
むなり
011
折
(
をり
)
から
吹
(
ふ
)
きくる
東風
(
こちかぜ
)
に、
012
船脚
(
ふなあし
)
早
(
はや
)
く
海面
(
かいめん
)
に
漂
(
ただよ
)
ふ
大小
(
だいせう
)
無数
(
むすう
)
の
島影
(
しまかげ
)
を
右
(
みぎ
)
に
避
(
さ
)
け、
013
左
(
ひだり
)
に
曲
(
まが
)
り、
014
舟人
(
ふなびと
)
の
楫取
(
かぢと
)
り
巧
(
たくみ
)
に
天下
(
てんか
)
の
絶景
(
ぜつけい
)
を
進
(
すす
)
みゆく。
015
東海
(
とうかい
)
の
波
(
なみ
)
を
蹴
(
け
)
つて
踊
(
をど
)
り
出
(
い
)
でたる
太陽
(
たいやう
)
も、
016
漸
(
やうや
)
く
西天
(
せいてん
)
にその
姿
(
すがた
)
を
没
(
かく
)
し、
017
海面
(
かいめん
)
は
烏羽玉
(
うばたま
)
の
暗
(
やみ
)
と
化
(
くわ
)
したり。
018
大小
(
だいせう
)
無数
(
むすう
)
の
漁火
(
いさりび
)
は、
019
海面
(
かいめん
)
に
明滅
(
めいめつ
)
し
漁夫
(
ぎよふ
)
の
叫
(
さけ
)
ぶ
声
(
こゑ
)
は、
020
猛
(
たけ
)
り
狂
(
くる
)
ふ
浪
(
なみ
)
の
音
(
おと
)
かと
疑
(
うたが
)
はるる
許
(
ばか
)
りなり。
021
漁火
(
いさりび
)
の
光
(
ひかり
)
は
長
(
なが
)
く
海中
(
かいちゆう
)
に
垂
(
た
)
れ、
022
浪
(
なみ
)
に
揺
(
ゆ
)
られて
蛟竜
(
かうりう
)
の
海底
(
かいてい
)
より
水面
(
すゐめん
)
に
昇
(
のぼ
)
るが
如
(
ごと
)
く、
023
その
壮観
(
さうくわん
)
譬
(
たと
)
ふるに
物
(
もの
)
なく、
024
海底
(
かいてい
)
の
竜宮
(
りうぐう
)
も
忽
(
たちま
)
ち
霊光
(
れいくわう
)
の
燈火
(
とうくわ
)
を
点
(
てん
)
ずるかとばかり
疑
(
うたが
)
はるるに
至
(
いた
)
りけり。
025
数多
(
あまた
)
の
船客
(
せんきやく
)
は、
026
この
光景
(
くわうけい
)
を
眺
(
なが
)
めて
雑談
(
ざつだん
)
に
耽
(
ふけ
)
る。
027
甲
(
かふ
)
『おい、
028
猿世彦
(
さるよひこ
)
、
029
スペリオル
湖
(
こ
)
を
渡
(
わた
)
つた
時
(
とき
)
と
此
(
こ
)
の
海
(
うみ
)
を
渡
(
わた
)
る
時
(
とき
)
と、
030
何
(
ど
)
れ
丈
(
だけ
)
心持
(
こころもち
)
が
違
(
ちが
)
ふか』
031
猿世彦
(
さるよひこ
)
『ソンナことを
誰
(
たれ
)
に
聴
(
き
)
いたか、
032
そりや
他人
(
ひと
)
の
事
(
こと
)
だよ。
033
貴様
(
きさま
)
は
高白山
(
かうはくざん
)
で
如何
(
どう
)
だつたい』
034
駒山彦
(
こまやまひこ
)
『
高白山
(
かうはくざん
)
は
高白山
(
かうはくざん
)
だ。
035
浪
(
なみ
)
の
上
(
うへ
)
を
渡
(
わた
)
る
時
(
とき
)
に
山
(
やま
)
の
話
(
はなし
)
をする
奴
(
やつ
)
があるかい。
036
木乃伊
(
みいら
)
の
化物
(
ばけもの
)
の
話
(
はなし
)
なつと
聴
(
き
)
かして
貰
(
もら
)
はうかい』
037
丙
(
へい
)
(清彦)
『
互
(
たがひ
)
にソンナ
昔
(
むかし
)
の
碌
(
ろく
)
でもない
失敗談
(
しつぱいだん
)
を
繰返
(
くりかへ
)
すよりも、
038
もつと
気
(
き
)
の
利
(
き
)
いた
話
(
はなし
)
をしたら
何
(
ど
)
うだい』
039
駒山彦
(
こまやまひこ
)
『ウン、
040
貴様
(
きさま
)
はなんでも
三五教
(
あななひけう
)
とかの
信者
(
しんじや
)
になつたと
云
(
い
)
ふことだが、
041
三五教
(
あななひけう
)
の
教理
(
けうり
)
を
偉
(
えら
)
さうに
宣伝使
(
せんでんし
)
気取
(
きど
)
りで、
042
そこら
中
(
ぢう
)
で
喋
(
しやべ
)
つて
居
(
ゐ
)
ると
云
(
い
)
ふことだが、
043
一辺
(
いちぺん
)
俺
(
おれ
)
にも
聴
(
き
)
かして
呉
(
く
)
れないか』
044
丙
(
へい
)
(清彦)
『
貴様
(
きさま
)
のやうなウラル
彦
(
ひこ
)
や、
045
美山彦
(
みやまひこ
)
の
崇敬者
(
すうけいしや
)
に
説教
(
せつけう
)
は
禁物
(
きんもつ
)
だ。
046
又
(
また
)
海
(
うみ
)
の
上
(
うへ
)
でソンナ
話
(
はなし
)
を
始
(
はじ
)
めると、
047
木乃伊
(
みいら
)
になると
困
(
こま
)
るから
止
(
や
)
めて
置
(
お
)
かうかい。
048
俺
(
おれ
)
を「
貴様
(
きさま
)
は
今
(
いま
)
信者
(
しんじや
)
だ」と
言
(
い
)
うたが、
049
乞食
(
こじき
)
の
子
(
こ
)
でも
三
(
さん
)
年
(
ねん
)
すれば
三
(
み
)
つになると
云
(
い
)
ふことを
知
(
し
)
らないのか。
050
初
(
はじ
)
めは
信者
(
しんじや
)
でも
今
(
いま
)
は
立派
(
りつぱ
)
な
押
(
おし
)
も
押
(
お
)
されもせぬ
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
様
(
さま
)
だ。
051
「おい、
052
聴
(
き
)
かせろ」なんてソンナ
失礼
(
しつれい
)
なことを、
053
生神
(
いきがみ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
に
向
(
むか
)
つて
云
(
い
)
ふ
奴
(
やつ
)
があるかい。
054
吾々
(
われわれ
)
は
畏
(
おそ
)
れ
多
(
おほ
)
くも、
055
天教山
(
てんけうざん
)
の
木
(
こ
)
の
花姫
(
はなひめの
)
命
(
みこと
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
じやぞ』
056
猿世彦
(
さるよひこ
)
『さうだらう、
057
気違
(
きちが
)
ひの
癲狂山
(
てんきやうざん
)
だらう』
058
丙
(
へい
)
(清彦)
『
木乃伊
(
みいら
)
の
知
(
し
)
つたことかい。
059
木乃伊
(
みいら
)
が
海
(
うみ
)
へ
嵌
(
はま
)
りよつて、
060
化
(
ば
)
けて
鱪
(
しいら
)
になると
云
(
い
)
ふことがある。
061
彼
(
あ
)
の
日
(
ひ
)
の
光
(
ひかり
)
に
照
(
てら
)
して
見
(
み
)
よ。
062
海
(
うみ
)
の
底
(
そこ
)
に
沢山
(
たくさん
)
貴様
(
きさま
)
の
友達
(
ともだち
)
が
泳
(
およ
)
いで
居
(
ゐ
)
るわい、
063
木乃伊
(
みいら
)
が
鱪
(
しいら
)
になつて、
064
鱪
(
しいら
)
の
頭
(
あたま
)
に
虱
(
しいら
)
が
生
(
わい
)
て
世界
(
せかい
)
の
事
(
こと
)
は、
065
何一
(
なにひと
)
つ
鱪
(
しいら
)
の
盲目神
(
めくらがみ
)
が
三五教
(
あななひけう
)
の
教理
(
けうり
)
を
聴
(
き
)
いたところで
分
(
わか
)
るものでない。
066
言
(
い
)
はぬは
言
(
い
)
ふに
弥
(
いや
)
勝
(
まさ
)
るだよ』
067
猿世彦
(
さるよひこ
)
は
面
(
つら
)
膨
(
ふく
)
らして、
068
丙
(
へい
)
の
顔
(
かほ
)
を
睨
(
にら
)
みつける。
069
其
(
そ
)
の
膨
(
ふく
)
れ
面
(
づら
)
は、
070
漁火
(
いさりび
)
に
照
(
てら
)
されて
面白
(
おもしろ
)
く
明瞭
(
はつきり
)
と
見
(
み
)
えたり。
071
(清彦)
『よう、
072
猿世
(
さるよ
)
、
073
大分
(
だいぶ
)
に
膨
(
ふく
)
れて
居
(
ゐ
)
るな』
074
と
云
(
い
)
はれて、
075
猿世彦
(
さるよひこ
)
はますます
膨
(
ふく
)
れる。
076
暗
(
やみ
)
の
中
(
なか
)
から
二三
(
にさん
)
人
(
にん
)
の
女
(
をんな
)
の
声
(
こゑ
)
として、
077
『やあ、
078
貴方
(
あなた
)
は
承
(
うけたま
)
はれば
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
とか
聴
(
き
)
きましたが、
079
斯
(
か
)
うして
広
(
ひろ
)
い
海
(
うみ
)
を
無難
(
ぶなん
)
に
気楽
(
きらく
)
に
渡
(
わた
)
らして
頂
(
いただ
)
くのも、
080
皆
(
みんな
)
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
の
御
(
お
)
神徳
(
かげ
)
だと
思
(
おも
)
ひます。
081
斯
(
か
)
う
云
(
い
)
ふ
結構
(
けつこう
)
な
機会
(
をり
)
はありませぬ、
082
何卒
(
どうぞ
)
一
(
ひと
)
つ
三五教
(
あななひけう
)
の
教
(
をしへ
)
を
聴
(
き
)
かして
下
(
くだ
)
さいませぬか。
083
吾々
(
われわれ
)
は
熊襲
(
くまそ
)
の
国
(
くに
)
の
者
(
もの
)
であります』
084
と
誠心
(
まごころ
)
から
頼
(
たの
)
み
入
(
い
)
るにぞ、
085
宣伝使
(
せんでんし
)
は
二人
(
ふたり
)
に
構
(
かま
)
はず、
086
(清彦)
『
何
(
いづ
)
れの
方
(
かた
)
か、
087
何分
(
なにぶん
)
暗夜
(
やみよ
)
の
事
(
こと
)
とて
御
(
お
)
顔
(
かほ
)
も
分
(
わか
)
りませぬが、
088
私
(
わたくし
)
は
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
の
卵
(
たまご
)
ですよ。
089
最前
(
さいぜん
)
から
二人
(
ふたり
)
の
男
(
をとこ
)
が、
090
余
(
あんま
)
り
豪
(
えら
)
さうに
法螺
(
ほら
)
を
吹
(
ふ
)
くものですから、
091
俺
(
おれ
)
は
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
だと
威張
(
ゐば
)
つて
見
(
み
)
せたものの
私
(
わたくし
)
も
熊襲
(
くまそ
)
の
者
(
もの
)
で、
092
未
(
ま
)
だ
宣伝使
(
せんでんし
)
の
卵
(
たまご
)
で
自称
(
じしよう
)
候補者
(
こうほしや
)
です。
093
何
(
なん
)
でも
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
とか
云
(
い
)
ふ
立派
(
りつぱ
)
な
宣伝使
(
せんでんし
)
が、
094
高砂
(
たかさご
)
の
島
(
しま
)
へ
行
(
ゆ
)
かれたとか、
095
行
(
ゆ
)
かれるとか
云
(
い
)
ふことを、
096
風
(
かぜ
)
の
便
(
たよ
)
りに
聞
(
き
)
いたので
高砂
(
たかさご
)
の
智利
(
てる
)
の
都
(
みやこ
)
に
行
(
い
)
つて、
097
其
(
そ
)
の
御
(
お
)
方
(
かた
)
に
会
(
あ
)
つて
見
(
み
)
たいと
思
(
おも
)
ふのです』
098
暗黒
(
くらがり
)
の
中
(
なか
)
より
女
(
をんな
)
の
声
(
こゑ
)
、
099
『
貴方
(
あなた
)
は
其所
(
そこ
)
までの
御
(
ご
)
熱心
(
ねつしん
)
なら、
100
三五教
(
あななひけう
)
の
教理
(
けうり
)
は
少
(
すこ
)
しは
御存
(
ごぞん
)
じでせう。
101
一歩
(
ひとあし
)
でも
先
(
さき
)
に
聴
(
き
)
いた
者
(
もの
)
は
先輩
(
せんぱい
)
ですから、
102
貴方
(
あなた
)
の
御
(
お
)
聴
(
き
)
きになつた
事
(
こと
)
だけなつと
話
(
はな
)
して
下
(
くだ
)
さい』
103
猿世彦
(
さるよひこ
)
『
世間
(
せけん
)
には、
104
物好
(
ものず
)
きもあるものだなあ。
105
何方
(
どなた
)
か
知
(
し
)
らぬが、
106
コンナ
宣伝使
(
せんでんし
)
に
聴
(
き
)
いたつて
何
(
なに
)
が
分
(
わか
)
るものか。
107
この
男
(
をとこ
)
はな、
108
偉
(
えら
)
さうな
面付
(
つらつき
)
して
宣伝使
(
せんでんし
)
の
卵
(
たまご
)
だと
言
(
い
)
つて、
109
傲然
(
がうぜん
)
と
構
(
かま
)
へて
居
(
ゐ
)
るが、
110
此奴
(
こいつ
)
の
素性
(
すじやう
)
を
洗
(
あら
)
つて
見
(
み
)
れば、
111
元
(
もと
)
は
竜宮城
(
りうぐうじやう
)
に
居
(
を
)
つて、
112
其処
(
そこ
)
を
追
(
お
)
ひ
出
(
だ
)
され、
113
鬼城山
(
きじやうざん
)
の
食客
(
しよくかく
)
をしてゐて、
114
鬼城山
(
きじやうざん
)
でまた
失敗
(
しつぱい
)
をやつて
縮尻
(
しくじ
)
つて、
115
改心
(
かいしん
)
したとか
云
(
い
)
つて
常世
(
とこよ
)
の
国
(
くに
)
を
遁
(
に
)
げ
出
(
だ
)
し、
116
筑紫
(
つくし
)
の
国
(
くに
)
で
馬鹿
(
ばか
)
の
限
(
かぎ
)
り、
117
悪
(
あく
)
の
限
(
かぎ
)
りを
尽
(
つく
)
して
再
(
ふたた
)
び
元
(
もと
)
の
古巣
(
ふるす
)
へ
帰
(
かへ
)
る
所
(
ところ
)
なのですよ。
118
此奴
(
こいつ
)
は
清彦
(
きよひこ
)
ナンテ
名
(
な
)
は
立派
(
りつぱ
)
だが、
119
実
(
じつ
)
は
濁彦
(
にごりひこ
)
の、
120
泥彦
(
どろひこ
)
の、
121
穴彦
(
あなひこ
)
といふ
男
(
をとこ
)
だ。
122
彼岸
(
ひがん
)
過
(
す
)
ぎの
蛇
(
へび
)
の
様
(
やう
)
に、
123
穴
(
あな
)
ばつかり
狙
(
ねら
)
つて
居
(
ゐ
)
るのだ。
124
貴方
(
あなた
)
は
女
(
をんな
)
の
方
(
かた
)
と
見
(
み
)
えますが、
125
コンナ
奴
(
やつ
)
に
相手
(
あひて
)
になりなさるな。
126
穴恐
(
あなおそ
)
ろしい
奴
(
やつ
)
ですよ。
127
此奴
(
こいつ
)
は
うまうま
ハマる
穴
(
あな
)
が
無
(
な
)
いので
穴無
(
あなな
)
い
教
(
けう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
ナンテ
吐
(
ぬ
)
かすのだ。
128
アハヽヽヽ』
129
と
大口
(
おほぐち
)
を
開
(
あ
)
けて
力
(
ちから
)
一杯
(
いつぱい
)
嘲
(
あざけ
)
りける。
130
清彦
(
きよひこ
)
『コラ
猿
(
さる
)
、
131
何
(
なに
)
を
吐
(
ぬ
)
かすか。
132
貴様
(
きさま
)
も
鬼城山
(
きじやうざん
)
で
国照姫
(
くにてるひめ
)
の
御
(
ご
)
主人面
(
しゆじんづら
)
をして
偉
(
えら
)
さうに
構
(
かま
)
へて
居
(
を
)
つたが、
133
何時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
にやら
棒振彦
(
ぼうふりひこ
)
にその
位地
(
ゐち
)
を
奪
(
と
)
られよつて、
134
馬鹿
(
ばか
)
の
美山彦
(
みやまひこ
)
の
家来
(
けらい
)
となり、
135
どどのつまりは
大勢
(
おほぜい
)
のものに
愛想
(
あいさう
)
を
尽
(
つ
)
かされて、
136
いよいよ
鬼城山
(
きじやうざん
)
を
泣
(
な
)
く
泣
(
な
)
く
猿世彦
(
さるよひこ
)
の
馬鹿者
(
ばかもの
)
、
137
他
(
ひと
)
の
穴
(
あな
)
をほぜくると
自分
(
じぶん
)
の
穴
(
あな
)
が
出
(
で
)
て
来
(
く
)
るぞ。
138
俺
(
おれ
)
は
縦
(
たて
)
から
見
(
み
)
ても
横
(
よこ
)
から
見
(
み
)
ても
立派
(
りつぱ
)
な
智仁勇
(
ちじんゆう
)
兼備
(
けんび
)
の
穴
(
あな
)
の
無
(
な
)
い
男
(
をとこ
)
だ。
139
それで
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
様
(
さま
)
だ。
140
穴
(
あな
)
を
出
(
で
)
て
穴
(
あな
)
に
入
(
い
)
るまで
穴
(
あな
)
の
世話
(
せわ
)
穴
(
あな
)
おもしろき
穴
(
あな
)
の
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
141
人
(
ひと
)
の
穴
(
あな
)
は、
142
探
(
さぐ
)
らむがよからうぞ。
143
ナンボ
猿世彦
(
さるよひこ
)
でも、
144
猿
(
さる
)
の
人真似
(
ひとまね
)
ばかりしよつて
恥
(
はぢ
)
を
掻
(
か
)
くよりも、
145
これから
改心
(
かいしん
)
して
庚申
(
かうしん
)
さまの
眷属
(
けんぞく
)
のやうに
見猿
(
みざる
)
、
146
聞
(
き
)
か
猿
(
ざる
)
、
147
言
(
い
)
は
猿
(
ざる
)
を
守
(
まも
)
るが、
148
貴様
(
きさま
)
の
利益
(
ため
)
だ。
149
愚図
(
ぐず
)
々々
(
ぐず
)
言
(
い
)
うと
又
(
また
)
木乃伊
(
みいら
)
にしてやらうか』
150
斯
(
か
)
くの
如
(
ごと
)
く
雑談
(
ざつだん
)
に
耽
(
ふけ
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
151
春
(
はる
)
の
夜
(
よ
)
は
短
(
みじか
)
く
明
(
あ
)
けて
再
(
ふたた
)
び
東天
(
とうてん
)
に
陽
(
ひ
)
の
影
(
かげ
)
が
映
(
さ
)
し、
152
一同
(
いちどう
)
の
顔
(
かほ
)
にも
夜
(
よ
)
が
明
(
あ
)
けたやうに
元気
(
げんき
)
輝
(
かがや
)
きにけり。
153
(
大正一一・二・六
旧一・一〇
外山豊二
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