霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第二七章 沙漠(さばく)〔三七七〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第8巻 霊主体従 未の巻 篇:第4篇 巴留の国 よみ(新仮名遣い):はるのくに
章:第27章 沙漠 よみ(新仮名遣い):さばく 通し章番号:377
口述日:1922(大正11)年02月09日(旧01月13日) 口述場所: 筆録者:森良仁 校正日: 校正場所: 初版発行日:1922(大正11)年6月15日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
空には一点の雲もない青空の下、四人の宣伝使(淤縢山津見、蚊々虎、駒山彦、高彦)は数十頭の駱駝に荷物を積んで、闇山津見夫婦に別れを告げ、大沙漠を横断して巴留の都に進もうとしていた。
そのとき五月姫は見送りの歌を歌ったが、そこには、神の教えを伝えるために一緒に宣伝の旅に出たいという思いが込められていた。
闇山津見は娘の心を察して、五月姫に駱駝を引き出して与え、宣伝使たちとともに宣伝の旅に行くことを許した。
蚊々虎が出任せの宣伝歌を歌うと、沙漠に吹いていた風はぴたりと止んだ。一行は雑談にふけり、あるいは宣伝歌を歌いながら沙漠を横断し、巴留の都に到着した。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2020-06-07 14:58:21 OBC :rm0827
愛善世界社版:184頁 八幡書店版:第2輯 216頁 修補版: 校定版:186頁 普及版:82頁 初版: ページ備考:
001 蒼空(さうくう)一天(いつてん)雲翳(うんえい)()く、002天津(あまつ)()中天(ちうてん)(かがや)(たま)真昼時(まひるどき)
003 (ここ)()(にん)宣伝使(せんでんし)は、004数十頭(すうじつとう)駱駝(らくだ)数多(あまた)食物(しよくもつ)()み、005駱駝(らくだ)()にヒラリと(またが)つて闇山(くらやま)津見(づみ)夫婦(ふうふ)名残(なごり)()しみ、006大沙漠(だいさばく)横断(わうだん)して、007巴留(はる)(みやこ)(すす)まむとする(とき)008五月姫(さつきひめ)名残(なごり)()しげに門口(かどぐち)(おく)()で、
009五月姫堅磐(かきは)常磐(ときは)(かは)()
010()久方(ひさかた)大空(おほぞら)
011(あま)河原(かはら)(さを)さして
012エデンの(かは)天降(あも)りまし
013(めぐみ)(ふか)顕恩(けんおん)
014(さと)(しづ)まる南天王(なんてんわう)
015()出神(でのかみ)(あら)はれて
016四方(よも)国々(くにぐに)(くま)もなく
017(かみ)御教(みのり)(かがや)かし
018千尋(ちひろ)(うみ)(そこ)(みや)
019(たつ)(みやこ)()でまして
020憂瀬(うきせ)(なや)神人(かみびと)
021(すく)(たま)ひし生神(いきがみ)
022(をしへ)御子(みこ)宣伝使(せんでんし)
023淤縢山(おどやま)津見(づみの)(つかさ)(さま)
024その(ほか)三人(みたり)宣伝使(せんでんし)
025名残(なごり)()しき(なつ)(そら)
026五月(さつき)(やみ)()(くも)
027(こころ)(かな)しき五月姫(さつきひめ)
028()()(おも)ひの杜鵑(ほととぎす)
029(おも)ひは(おな)()(すく)
030(かみ)身魂(みたま)()()ぎし
031(わらは)(をんな)()なれども
032(かみ)御言(みこと)()(つた)
033(きよ)(つかさ)()らざらめ
034常世(とこよ)(やみ)()らさむと
035(おも)(こころ)仇曇(あだぐも)
036()らさせ(たま)淤縢山津見(おどやまづみ)
037(のり)(つかさ)宣伝使(せんでんし)
038(なれ)(みやこ)()(あと)
039(のこ)りて(なに)(たのし)まむ
040明日(あす)をも()れぬ(ひと)()
041(むな)しき月日(つきひ)(おく)るべき
042荒野(あらの)(つゆ)()ゆるとも
043沙漠(さばく)(ちり)(うづ)むとも
044世人(よびと)(おも)村肝(むらきも)
045(こころ)(くも)五月闇(さつきやみ)
046()()らさせよ宣伝使(せんでんし)
047(こゑ)しとやかに(うた)ひて、048名残(なごり)(をし)む。049闇山(くらやま)津見(づみ)はこの(うた)()いて五月姫(さつきひめ)心中(しんちう)(さつ)し、050(あらた)駱駝(らくだ)曳出(ひきだ)(きた)り、051五月姫(さつきひめ)(あた)へ、052淤縢山津見(おどやまづみ)一行(いつかう)(とも)に、053宣伝使(せんでんし)として天下(てんか)教化(けうくわ)することを(ゆる)したり。054五月姫(さつきひめ)(てん)へも(のぼ)心地(ここち)し、055(ここ)男女(なんによ)()(にん)宣伝使(せんでんし)(くつわ)(なら)べて、056さしもに(ひろ)巴留(はる)大沙漠(だいさばく)横断(わうだん)することと()りにけり。
057 (ここ)()(にん)宣伝使(せんでんし)は、058闇山(くらやま)津見(づみ)をはじめ数多(あまた)国人(くにびと)に『ウロー ウロー』の(こゑ)(おく)られ、059意気(いき)揚々(やうやう)として、060闇山(くらやま)津見(づみ)(やかた)(あと)に、061宣伝歌(せんでんか)(うた)(なが)(すす)()く。062いよいよ大沙漠(だいさばく)差懸(さしかか)りたれば、063前方(ぜんぱう)よりは(はげ)しき(かぜ)()(すさ)砂煙(すなけぶり)()て、064(おもて)()くべきやうも()かりけり。
065 蚊々虎(かがとら)大音声(だいおんじやう)()()げて、
066蚊々虎(かぜ)()()旋風(まひかぜ)()けよ
067(すな)()()(てん)まで()てよ
068(あめ)()()れイクラデモ()れよ
069たとへ沙漠(さばく)(うみ)()
070(てん)(くだ)りて(つち)()
071(つち)(のぼ)りて(てん)()
072如何(いか)なる大難(だいなん)(きた)るとも
073(かみ)(もら)うた蚊々虎(かがとら)
074この言霊(ことたま)()()らし
075()いで(はら)うて巴留(はる)(くに)
076(なび)()せなむ(かみ)(とく)
077蚊々虎(かがとら)さまの神力(しんりき)
078(いづ)れの(かみ)諸人(もろびと)
079(とら)(おほかみ)獅子(しし)(くま)
080青菜(あをな)(しほ)のその(ごと)
081(ちぢ)んで(しほ)れてペコペコと
082(あやま)()るは()(あた)
083(かぜ)()()(なん)ぼなと()けよ
084(すな)()()(なん)ぼなと()てよ
085ソンナ(こと)には(こた)へぬ(かみ)
086(こた)へぬ(はず)だよ(まこと)(かみ)
087(をしへ)(つた)へる宣伝使(せんでんし)
088淤縢山津見(おどやまづみ)司様(つかささま)
089(いさ)(こころ)駒山彦(こまやまひこ)
090天狗(てんぐ)(はな)高彦(たかひこ)
091天女(てんによ)(まが)五月姫(さつきひめ)
092ちつとも(おそ)れぬ金剛力(こんがうりき)
093蚊々虎(かがとら)さまがござるぞよ
094(すす)めや(すす)めいざ(すす)め』
095(くち)から出任(でまか)せに、096大法螺(おほぼら)()きながら駱駝(らくだ)()(またが)り、097(いきほひ)よく(かぜ)(をか)して(すす)んで()く。098(やうや)くにして(かぜ)はピタリと()んだ。099(なつ)太陽(たいやう)(また)もや煌々(くわうくわう)(かがや)(はじ)めたり。
100駒山彦(こまやまひこ)『オイオイ蚊々虎(かがとら)宣伝使(せんでんし)101豪勢(がうせい)なものだな。102(まへ)のその大法螺(おほぼら)には、103(かぜ)(かみ)だつて(なん)だつて萎縮(ゐしゆく)して(しま)ふわ。104よくも()いたものだなー』
105蚊々虎(かがとら)(むか)ふが()きよるから()いたのだ。106滅多(めつた)矢鱈(やたら)()いて、107(おい)らを砂煙(すなけぶり)(まき)よつたから、108(おれ)(また)(ひと)(かぜ)(かみ)(むか)つて、109大法螺(おほぼら)()いて()いて、110(かぜ)(かみ)もお(まへ)(たち)一緒(いつしよ)(けぶり)()いたのだよ』
111高彦(たかひこ)『ハヽヽヽ相変(あひかは)らず、112空威張(からいばり)上手(じやうづ)(をとこ)だネー』
113蚊々虎矢釜敷(やかまし)()ふない、114(さき)()(もら)はうかい。115(さき)になつて(おどろ)くな、116()んな(はたら)きをなさるか()つて()るかい』
117高彦『オホン刹那心(せつなしん)だ。118(さき)(こと)()つたつて(わか)るものか。119(いま)(うち)(せい)()して法螺(ほら)でも()いて()くが()からう。120万緑(ばんりよく)叢中(そうちゆう)紅一点(こういつてん)五月姫(さつきひめ)(をんな)宣伝使(せんでんし)()ると(おも)つて、121(にはか)元気(げんき)づきよつて、122(こゑ)自慢(じまん)法螺歌(ほらうた)(うた)つたつて、123(かぜ)(かみ)なら往生(わうじやう)するならむも、124五月姫(さつきひめ)さまはソンナ(こと)では一寸(ちよつと)()でぬぞ』
125蚊々虎馬鹿(ばか)()ふな。126オイオイ、127際限(さいげん)()いこの沙漠(さばく)だ。128一体(いつたい)何日(なんにち)(ほど)(はし)つたら、129巴留(はる)(みやこ)()くか()つて()るかい』
130高彦『ソンナ(こと)()らぬワイ。131(まへ)神懸(かむがかり)さまぢやないか、132宇宙(うちう)一切(いつさい)(こと)判明(わか)るなら、133その(くらゐ)(こと)(かがみ)()けた(ごと)()れさうなものでないか』
134 一行(いつかう)(たがひ)駱駝(らくだ)(またが)り、135(あるひ)宣伝歌(せんでんか)(うた)ひ、136雑談(ざつだん)(ふけ)りながら、137(やうや)くにして巴留(はる)(みやこ)()きにける。
138大正一一・二・九 旧一・一三 森良仁録)
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10/22【霊界物語ネット】王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)』をテキスト化しました。
5/8【霊界物語ネット】霊界物語ネットに出口王仁三郎の第六歌集『霧の海』を掲載しました。
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