第一七章 真言の力(二)〔一八八五〕
インフォメーション
著者:出口王仁三郎
巻:霊界物語 第74巻 天祥地瑞 丑の巻
篇:第2篇 真鶴新国
よみ(新仮名遣い):まなづるしんこく
章:第17章 真言の力(二)
よみ(新仮名遣い):まことのちから
通し章番号:1885
口述日:1933(昭和8)年10月27日(旧09月9日)
口述場所:水明閣
筆録者:森良仁
校正日:
校正場所:
初版発行日:1934(昭和9)年1月5日
概要:
舞台:
あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]:従者の神々はさらに、御子誕生を祝い、そして国生みの神である玉野比女との神業への期待を歌った。
一行は駒に乗り、玉野の森の聖所をさして進んでいった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]:
備考:
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データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :rm7417
愛善世界社版:
八幡書店版:第13輯 232頁
修補版:
校定版:267頁
普及版:
初版:
ページ備考:
001 産玉の神は、002凪ぎ渡る湖面に写る天津日影を打ち仰ぎ、003四方の光景を讃美しながら、004御歌うたはせ給ふ。
005『久方の天は晴れたり荒金の
006地はよみがへる真鶴の国よ
007主の神の依さし給ひし天国の
008態ありありとわが目に生くるも
009凄まじく浪逆巻きし湖原も
010凪ぎ渡りたる鏡の湖はも
011月影は草にしのべど天津日の
012豊栄昇る稚き国原
013鳳凰は高く翼を天に搏ち
014鶴は清しく鳴き渡る国
015湖の面を真白に染めて白鳥の
016遊べる姿はわが目にさやけし
017湖の青空の蒼にも染まらずに
018あはれ白鳥浪に游げる
019白鳥の湖面に遊ぶ態見れば
020蓮の華の咲けるがに思ふ
021遠く近く浪に浮べる白鳥の
022限りも知らぬ今朝の喜び
023国土未だ稚くはあれど瑞御霊
024出でます大野は栄えの色見ゆ
025天地の中にこんもり浮びたる
026玉野の森の緑さやけし
027瑞御霊生代の比女神と真心の
028合せ鏡に御子孕みましぬ
029目出度さの限りなりけり産玉の
030神の功に御子を守らむ
031安々と生みます吉日寿ぎて
032産玉神は御歌まゐらす
033永久に生れます御子よ幸くませ
035千早振る神の依さしに生れませる
036御子はくはしく賢しくましませ
037瑞御霊神に仕へて吾は今
038御子孕みます吉日にあひぬる
039真鶴の稚き国原固めむと
040経綸の御子は宿りましけむ
041久方の空の蒼みに溶け入りて
042今日の楽しき幸にあふかな
043久方の御空は高し湖深し
044瑞の御霊の恵はあつし
045広き厚き大御心を照らしまして
046生代の比女を生かし給へり
047生代比女の神よ今日より御腹なる
048御子に朝夕心を配らせ給へ
049この御子の生れます上は真鶴の
050稚き国原いや栄ゆべし
051御供に仕へて遠く渡りこし
052吾は始めて生甲斐を思ふ
053産玉の神の司と任けられて
054産の御霊の御子を守らむ
055神々の孕ます御子を平かに
056いと安らけく生ませ奉らむ
057産玉の神なる吾は産の神
058万代までも産子を守らむ
059天地の中に生れし真鶴の
060稚き国原に生れます御子はも
061大空に天津日輝き地の上に
062百草萌ゆる稚国原よ
063はしけやし真鶴の国の中空に
064神代を祝ひて鳳凰舞ふなり
065玉野森常磐の松の繁り枝に
066御子を育つる真鶴の群
067八十日日はあれども今日の生日こそ
068ためしもあらぬ喜びに満つるも
069願くは千代万代に栄えませ
070真鶴の名を負ひし国原』
071 魂機張の神は御歌詠ませ給ふ。
072『たまきはる生命の限り天地の
073真言の道に吾は仕へむ
074孕ませる御子の生命を永久に
075守り生かさむ魂機張の神は
076一片のあだ雲もなく澄みきらふ
077御空の下に満つる喜び
078洋々と凪ぎ渡りたる湖の面に
079浮き浮き遊べる白鳥あはれ
080天地も寿ぎますか中空に
081真鶴鳳凰舞ひつ遊びつ
082九皐に清く響ける真鶴の
083声に生るる千歳の喜び
084勇ましき姿なりけり湖の面を
085駒立て並べ渡らす姿は
086竜頭に豊に立ちて浪の穂を
087進ませ給ひし女神の尊さ
088瑞御霊あとに従ひ駿馬に
089夜の湖原やすく渡りし
090駿馬の嘶き今朝は殊更に
091澄みきらひつつ朝日はかがよふ
092若楊の風に髪をば梳る
093姿は生代の比女に似たるも
094青苔の浪を洗ひて天津風
095おもむろに吹く玉野湖はも
096次々に汀は広くなりにつつ
098瑞御霊国土造りますしるしにや
100そよと吹く風にも靡く葭葦の
101縺れて生くる天地の道
102縺れ合ひ絡み合ひつつ葭と葦は
103天地の水火をささやきてをり
104さらさらと葦の葉渡る風の音に
105のりて匂へる白梅の香
106白梅は所狭きまで玉野森の
107彼方此方に笑へる目出度さ
108白梅の花は清しも芳しも
109生代の比女の粧ひに似て
110白梅の花の唇吸ふ蝶の
111心やさしき瑞御霊かも
112打ち仰ぐ御空は清く澄みきらひ
113地は青草の萌ゆる楽土よ
114斯かる世の斯かる神業に仕ふるも
116まだ国土は稚くあれども天渡る
118くはし御子今や御腹に宿りまして
119国土の柱と立ちます尊さ
120たまきはる御子の生命を永久に
121守りて吾は仕へ奉らむ
122山に野に満ち足らひたる主の神の
123恵の露に栄ゆる神等』
124 結比合の神は御歌詠ませ給ふ。
125『久方の天津高宮晴れ渡り
126スの言霊は鳴り響くなり
127言霊の清しき水火を結び合せ
128生れます真鶴の国のさやけさ
129愛善の天界なれば夜嵐も
130生言霊に吹き止みにける
131恋雲の深く包みし比女神の
132心は晴れぬ生言霊に
133天津真言籠らずあれば言霊の
134水火も曇りて露だも光らず
135一時のなだめ言葉は久方の
136天津真言の水火にかなはず
137瑞御霊なだめの言葉を打ち消して
138天津真言に比女を生かせり
139毛筋ほども偽りのなき天界に
140その場のがれの言葉は応はず
141目前吾は真言の言霊の
142力を見たり光を拝めり
143久方の天津真言と国津真言
144結び合せて栄ゆる道なり
145天津日の豊栄昇る神国に
146如何で許さむなだめ言葉を
147善悪の差別をただし天地の
148神を導く世なれば安し
149水火と水火結び合せの神となり
150国土生み神生みの神業守らむ』
151 美味素の神は御歌詠ませ給ふ。
152『スの声の言霊𪫧怜に宣り上げて
153この稚国土を拓き固めむ
154美味素の神と現れ吾は今
155真鶴国の真秀良場に立つ
156真鶴の国の真秀良場玉野森に
157国土生みますと待たせる女神よ
158玉野森常磐の松の白きまで
159巣ぐへる鶴の声澄みきらふ
160真鶴の只一声のひびかひに
161静まりかへる百千鳥かも
162夜の湖駒の背に乗り渡り来て
163主の大神の恵を思ふ
164主の神の生ませ給ひし国原に
165邪曲の猛びの如何であるべき
166村肝の心曇りて邪曲を生み
167禍を生む神代なりにけり
168神々の迷ひの水火の集りて
169天地の水火汚すは恐し』
170 真言厳の神は御歌詠ませ給ふ。
171『厳しくも雄々しくもあるか瑞御霊
172雄心照りて御子孕みませり
173生代比女神の真言の現れて
174瑞の御霊の露を宿せり
175万代の末の末まで光るらむ
176これの目出度き神嘉言かも
177草も木も生言霊に靡きつつ
178花咲き満ちて晴れ渡る国土
179そよと吹く科戸の風の芳しさ
180経綸の花の咲き満てる国土
181白梅の花の粧ひ岐美に見る
182今日の湖畔の清しき眺めよ
183目の限り大野の原は晴れ渡り
184真鶴山は空に聳えつ
185国中比古の神の功に真鶴の
186山の常磐樹繁らへるかも』
187 一行の神々は歓びに満ち、188天地の光景を讃美しながら、189再び駒の背に跨り、190程遠からぬ玉野の森の聖所をさして進ませ給ふぞ勇ましき。
191(昭和八・一〇・二七 旧九・九 於水明閣 森良仁謹録)