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第66巻(巳の巻)
第67巻(午の巻)
第68巻(未の巻)
第69巻(申の巻)
第70巻(酉の巻)
第71巻(戌の巻)
第72巻(亥の巻)
特別編 入蒙記
天祥地瑞
第73巻(子の巻)
第74巻(丑の巻)
第75巻(寅の巻)
第76巻(卯の巻)
第77巻(辰の巻)
第78巻(巳の巻)
第79巻(午の巻)
第80巻(未の巻)
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第76巻(卯の巻)
序文
総説
日本所伝の天地開闢説
支那の開闢説
波斯の宇宙創造説
希臘の天地開闢説
エヂプトの開闢説
メキシコナフア族の天地創造説
マヤ族の万物創造説
北欧に於ける宇宙創造説
太平洋西北岸創造説
英領北亜米利加創造説
亜弗利加神話
ヘブライ天地創造説
パレスチン創造説
ミクロネシヤ創造説
インドネシヤ創造説
第1篇 春風駘蕩
01 高宮参拝
〔1918〕
02 魔の渓流
〔1919〕
03 行進歌
〔1920〕
04 怪しの巌山
〔1921〕
05 露の宿
〔1922〕
第2篇 晩春の神庭
06 報告祭
〔1923〕
07 外苑の逍遥
〔1924〕
08 善言美霊
〔1925〕
第3篇 孤軍奮闘
09 闇の河畔
〔1926〕
10 二本松の蔭
〔1927〕
11 栄城の山彦
〔1928〕
12 山上の祈り
〔1929〕
13 朝駒の別れ
〔1930〕
14 磐楠舟
〔1931〕
15 御舟巌
〔1932〕
余白歌
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パレスチン
創造
(
さうざう
)
説
(
せつ
)
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第76巻 天祥地瑞 卯の巻
篇:
前付
よみ(新仮名遣い):
章:
パレスチン創造説
よみ(新仮名遣い):
ぱれすちんそうぞうせつ
通し章番号:
口述日:
1933(昭和8)年12月08日(旧10月21日)
口述場所:
水明閣
筆録者:
谷前清子
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1934(昭和9)年3月23日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
rm760015
愛善世界社版:
八幡書店版:
第13輯 475頁
修補版:
校定版:
106頁
普及版:
初版:
ページ備考:
001
昔
(
むかし
)
神
(
かみ
)
が
世界
(
せかい
)
のさまざまの
地方
(
ちはう
)
から、
002
さまざまの
土
(
つち
)
を
採
(
と
)
つて、
003
最初
(
さいしよ
)
の
人
(
ひと
)
であるアダムを
造
(
つく
)
つた。
004
神
(
かみ
)
はアダムを
造
(
つく
)
り
上
(
あ
)
げると、
005
大地
(
だいち
)
の
上
(
うへ
)
に
横
(
よこた
)
へた。
006
アダムは
人形
(
にんぎやう
)
のやうに
動
(
うご
)
かないで
四十
(
しじふ
)
日
(
にち
)
が
間
(
あひだ
)
地面
(
ぢべた
)
に
倒
(
たふ
)
れたままにしてゐた。
007
神
(
かみ
)
は
天使
(
てんし
)
たちを
呼
(
よ
)
びよせて、
008
『わしがこの
男
(
をとこ
)
を
活
(
い
)
きて
動
(
うご
)
くやうにするから、
009
動
(
うご
)
き
出
(
だ
)
したら、
010
みんな
大事
(
だいじ
)
に
崇
(
あが
)
め
尊
(
たふと
)
ばなくてはならぬ』
011
と
言
(
い
)
つた。
012
そしてアダムの
鼻
(
はな
)
の
孔
(
あな
)
から
息
(
いき
)
を
吹
(
ふ
)
き
込
(
こ
)
むと、
013
忽
(
たちま
)
ち
生命
(
せいめい
)
が
体中
(
からだぢう
)
に
入
(
はい
)
つて
活
(
い
)
きて
動
(
うご
)
くやうになつた。
014
それを
見
(
み
)
ると、
015
天使
(
てんし
)
たちはみんなこれを
崇
(
あが
)
め
尊
(
たふと
)
んだが、
016
ただイブリスといふものだけは、
017
傲然
(
がうぜん
)
と
構
(
かま
)
へてゐた。
018
神
(
かみ
)
はそれを
見
(
み
)
て、
019
『イブリス、
020
そなたはなぜアダムを
崇
(
あが
)
め
尊
(
たふと
)
ばないのぢや』
021
と
責
(
せ
)
めた。
022
『たかが
土
(
つち
)
から
出来
(
でき
)
たものに、
023
頭
(
あたま
)
を
下
(
さ
)
げるのは
嫌
(
きら
)
ひです』
024
とイブリスが
答
(
こた
)
へた。
025
これを
聞
(
き
)
くと、
026
神
(
かみ
)
は
非常
(
ひじやう
)
に
怒
(
おこ
)
つて、
027
『わしの
言
(
い
)
ひつけに
背
(
そむ
)
くものは、
028
ここに
住
(
す
)
ませて
置
(
お
)
くわけには
行
(
い
)
かぬ』
029
と
言
(
い
)
つて、
030
イブリスを
楽園
(
らくゑん
)
から
追
(
お
)
ひ
出
(
だ
)
してしまつた。
031
イブリスは、
032
ひどくアダムを
恨
(
うら
)
んで、
033
『おれが
楽園
(
らくゑん
)
から
追
(
お
)
ひ
出
(
だ
)
されたのは、
034
全
(
まつた
)
くアダムのせゐだ。
035
このままにしては
置
(
お
)
かぬぞ』
036
と
言
(
い
)
つて、
037
魔王
(
まわう
)
サタンとなつて、
038
アダムの
子孫
(
しそん
)
である
人間
(
にんげん
)
に
執念深
(
しふねんぶか
)
く
仇
(
あだ
)
をするやうになつた。
039
神
(
かみ
)
はアダムを
男女
(
だんぢよ
)
両性
(
りやうせい
)
にこしらへたのであつた。
040
で、
041
体
(
からだ
)
の
半分
(
はんぶん
)
は
男
(
をとこ
)
で、
042
他
(
た
)
の
半分
(
はんぶん
)
は
女
(
をんな
)
であつた。
043
暫
(
しばら
)
くの
間
(
あひだ
)
さうしてゐるうちに、
044
やがて
二
(
ふた
)
つに
分
(
わか
)
れて、
045
立派
(
りつぱ
)
な
男
(
をとこ
)
と
立派
(
りつぱ
)
な
女
(
をんな
)
とになつた。
046
男
(
をとこ
)
はやはりアダムと
呼
(
よ
)
ばれ、
047
女
(
をんな
)
はリリスまたエル・カリネーと
呼
(
よ
)
ばれた。
048
リリスは
猶太人
(
ユダヤじん
)
が
呼
(
よ
)
ぶ
名
(
な
)
であり、
049
エル・カリネーは
亜拉比亜
(
アラビア
)
人
(
じん
)
の
呼
(
よ
)
ぶ
名
(
な
)
であつた。
050
二人
(
ふたり
)
は
神
(
かみ
)
の
言
(
い
)
ひつけに
従
(
したが
)
つて
夫婦
(
ふうふ
)
となつた。
051
しかし
仲
(
なか
)
がよくなかつた。
052
アダムが、
053
『お
前
(
まへ
)
は
女
(
をんな
)
だから、
054
わしの
言
(
い
)
ふことに
従
(
したが
)
はなくてはならぬ』
055
と
言
(
い
)
ふと、
056
エル・カリネーはつんとして、
057
『いやですよ。
058
そんなことは
出来
(
でき
)
ませんよ』
059
と
言
(
い
)
つた。
060
『なぜだね』
061
『だつて、
062
あなたもわたしも
同
(
おな
)
じ
土
(
つち
)
から
出来
(
でき
)
たのでせう。
063
だから、
064
あなたはわたしに
命令
(
めいれい
)
する
権利
(
けんり
)
なんかありませんわ』
065
エル・カリネーはかう
言
(
い
)
つて、
066
どうしてもアダムの
言
(
い
)
ひつけに
従
(
したが
)
はないので、
067
神
(
かみ
)
が
怒
(
おこ
)
つて、
068
楽園
(
らくゑん
)
から
追
(
お
)
ひ
出
(
だ
)
した。
069
エル・カリネーは、
070
自分
(
じぶん
)
より
先
(
さき
)
に
楽園
(
らくゑん
)
から
追
(
お
)
ひ
出
(
だ
)
されたイブリスの
許
(
もと
)
に
訪
(
たづ
)
ねて
行
(
い
)
つて、
071
その
妻
(
つま
)
となつた。
072
そして
二人
(
ふたり
)
の
間
(
あひだ
)
に
沢山
(
たくさん
)
の
悪魔
(
あくま
)
が
生
(
うま
)
れて、
073
永久
(
えいきう
)
に
人間
(
にんげん
)
の
敵
(
てき
)
となつた。
074
エル・カリネーを
追
(
お
)
ひのけた
神
(
かみ
)
は、
075
アダムのために
新
(
あら
)
たに
一人
(
ひとり
)
の
女
(
をんな
)
をこしらへることにした。
076
しかしアダムと
同
(
おな
)
じやうに
土
(
つち
)
で
造
(
つく
)
つては、
077
また
夫婦
(
ふうふ
)
の
仲
(
なか
)
が
睦
(
むつ
)
まじく
行
(
い
)
かぬと
考
(
かんが
)
へたので、
078
今度
(
こんど
)
はアダムを
眠
(
ねむ
)
らせて、
079
そのひまにアダムの
肋骨
(
ろくこつ
)
を
引
(
ひ
)
きぬいて、
080
それで
女
(
をんな
)
をこしらへた。
081
この
女
(
をんな
)
が
即
(
すなは
)
ちエバである。
082
二人
(
ふたり
)
は
夫婦
(
ふうふ
)
となつた。
083
エバはよくアダムの
言
(
い
)
ふことを
聞
(
き
)
いたので、
084
二人
(
ふたり
)
は
楽園
(
らくゑん
)
の
中
(
なか
)
で
楽
(
たの
)
しい
月日
(
つきひ
)
を
送
(
おく
)
ることが
出来
(
でき
)
た。
085
それを
見
(
み
)
たイブリスは、
086
『よし、
087
おれが
邪魔
(
じやま
)
をしてやるぞ』
088
と
言
(
い
)
つて、
089
そつと
楽園
(
らくゑん
)
に
忍
(
しの
)
び
込
(
こ
)
んだ。
090
『うかうかしてゐて
神
(
かみ
)
に
見
(
み
)
つかると
大事
(
おほごと
)
だ。
091
どこかに
身
(
み
)
を
隠
(
かく
)
すところはないか
知
(
し
)
ら』
092
イブリスはかう
思
(
おも
)
つて、
093
あたりを
見廻
(
みまは
)
すと、
094
一匹
(
いつぴき
)
の
蛇
(
へび
)
が
目
(
め
)
についた。
095
『うん、
096
いい
隠家
(
かくれや
)
が
見
(
み
)
つかつた』
097
イブリスはかう
言
(
い
)
つて、
098
忽
(
たちま
)
ち
姿
(
すがた
)
を
小
(
ちひ
)
さくして、
099
蛇
(
へび
)
の
牙
(
きば
)
にあいてゐる
空洞
(
うつろ
)
に
入
(
い
)
り
込
(
こ
)
んだ。
100
そして
蛇
(
へび
)
の
口
(
くち
)
を
借
(
か
)
りて、
101
うまくエバに
取
(
と
)
り
入
(
い
)
つて、
102
『エバさん、
103
楽園
(
らくゑん
)
にある
小麦
(
こむぎ
)
を
食
(
た
)
べてごらん』
104
と
勧
(
すす
)
めた。
105
エバは
驚
(
おどろ
)
いて、
106
『とんでもない。
107
小麦
(
こむぎ
)
は
禁制
(
きんせい
)
の
食物
(
しよくもつ
)
です。
108
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
から
食
(
た
)
べてはならぬと
堅
(
かた
)
く
申
(
まを
)
しつけられてゐるのです』
109
と
言
(
い
)
つた。
110
『そんなことを
言
(
い
)
はないで、
111
まあ
食
(
た
)
べてごらん。
112
素敵
(
すてき
)
においしいんですよ』
113
と、
114
蛇
(
へび
)
がしつこく
勧
(
すす
)
めた。
115
エバもつひにその
気
(
き
)
になつて
食
(
た
)
べて
見
(
み
)
ると、
116
非常
(
ひじやう
)
にいい
味
(
あぢ
)
がするのでたうとう
夫
(
をつと
)
のアダムを
説
(
と
)
き
伏
(
ふ
)
せて
之
(
これ
)
を
食
(
く
)
はせた。
117
神
(
かみ
)
はすぐにそれを
知
(
し
)
つた。
118
そしてアダムとエバとイブリスと
蛇
(
へび
)
とを
楽園
(
らくゑん
)
から
追
(
お
)
ひ
出
(
だ
)
した。
119
しかしアダムは
楽園
(
らくゑん
)
を
出
(
で
)
るときに、
120
神
(
かみ
)
の
目
(
め
)
を
盗
(
ぬす
)
んで、
121
一
(
ひと
)
つの
鉄床
(
かなどこ
)
と
二本
(
にほん
)
の
火箸
(
ひばし
)
と
二
(
ふた
)
つの
槌
(
つち
)
と
一本
(
いつぽん
)
の
針
(
はり
)
とを
持
(
も
)
ち
出
(
だ
)
した。
122
アダムは「
後悔
(
こうくわい
)
の
門
(
もん
)
」から
追
(
お
)
ひ
出
(
だ
)
され、
123
エバは「
哀憐
(
あいれん
)
の
門
(
もん
)
」から
追
(
お
)
ひ
出
(
だ
)
され、
124
イブリスは「
呪
(
のろ
)
ひの
門
(
もん
)
」から
追
(
お
)
ひ
出
(
だ
)
され、
125
蛇
(
へび
)
は「
災
(
わざは
)
ひの
門
(
もん
)
」から
追
(
お
)
ひ
出
(
だ
)
された。
126
そしてアダムはセレンディブ(
今日
(
こんにち
)
の
錫蘭
(
セイロン
)
)に
降
(
くだ
)
り、
127
エバはジダーに
降
(
くだ
)
り、
128
イブリスはアカバーに
降
(
くだ
)
り、
129
蛇
(
へび
)
は
波斯
(
ペルシヤ
)
のイスファハンに
降
(
くだ
)
つた。
130
かうして、
131
アダムとエバとは、
132
永
(
なが
)
い
間
(
あひだ
)
はなればなれになつて
暮
(
くら
)
してゐたが、
133
二百
(
にひやく
)
年
(
ねん
)
たつてからメツカの
近
(
ちか
)
くに
聳
(
そび
)
えてゐる「
認
(
みと
)
めの
山
(
やま
)
」アラファット
山
(
さん
)
で、
134
はしなくも
再会
(
さいくわい
)
することになつた。
135
アダムは
楽園
(
らくゑん
)
で
犯
(
をか
)
した
罪
(
つみ
)
を
心
(
こころ
)
から
悔
(
く
)
いてゐたので、
136
天使
(
てんし
)
ガブリエルが
可哀
(
かあい
)
さうだと
思
(
おも
)
つて、
137
彼
(
かれ
)
をアラファット
山
(
さん
)
に
導
(
みちび
)
いて、
138
エバを
見出
(
みいだ
)
さしめたのであつた。
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