霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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発端(ほつたん)

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第1巻 霊主体従 子の巻 篇:前付 よみ(新仮名遣い):
章:発端 よみ(新仮名遣い):ほったん 通し章番号:
口述日: 口述場所: 筆録者: 校正日: 校正場所: 初版発行日:1921(大正10)年12月30日
概要: 舞台:- あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
自分は明治三十一年旧二月九日、神使に伴われて丹波穴太の霊山高熊山に、一週間の霊的修行を終えた。
それより天眼通、天耳通、自他神通、天言通、宿命通の大要を心得し、今日あるように神明の教義を明らかにするに至るまでには、ものすごい波瀾と曲折があった。
自分はただ、開教後二十四年間のいきさつを、きわめて簡単に記憶より呼び起こして、その一端を示すにとどめる。
竜宮館には、変性男子の神系と、変性女子の神系と、二大系統が、歴然と区別されている。
変性男子:
変性男子は神政出現の予言・警告を発し、苦労を重ねて神示を伝達し、水をもって身魂の洗礼を施し、救世主の再生・再臨を待っておられたのである。
救世主に対面するまで、ほとんど七年の間、野に叫びつつあった変性男子の肉宮は、女体男霊である。
五十七歳で厳の御魂の神業に参加し、明治二十五年の正月元旦から同四十五年の正月元旦まで、満二十年の水洗礼で現世の汚濁した現界・神界に洗礼を施し、世界改造の神策を顕示した。
かの欧州大戦乱も、厳の御魂の神業発動の一端であり、世界の一大警告であった。
変性女子:
変性女子の肉宮は、瑞の御魂の神業に参加奉仕し、火をもって世界万民に洗礼を施すという神務を担っている。
明治三十一年の旧二月九日をもって神業に参加し、大正七年二月九日をもって、満二十年間の霊的神業をほとんど完成した。
物質万能主義、無神論、無霊魂説に心酔する体主霊従の現代も、やや覚醒の域に達し、神霊の実在を認識する者も次第に多くなってきたのは、神霊の偉大な神機発動の結果であり、決して人智・人力の致すところではない。
変性男子の肉宮は、神政開祖(ヨハネ)の神業に入り、二十七年間、神筆を揮って霊体両界の大改造を促進し、今は霊界に入っても、その神業を継続奉仕されつつあるのである。
変性女子は三十年間の神業に奉仕し、もって五六七神政の成就を待ち、世界を善導することにより、神明の徳に浴せしめる神業を担っている。
神業の参加以来、本年をもって二十三年になるが、残る七年間こそ、もっとも重大な任務遂行の難関である。
というのも、神諭には『三十年で身魂の立替立直しをいたすぞよ』言われているが、大正十一年の正月元旦が変性男子の神業成就三十年であり、大正十七年二月九日が、変性女子の神業成就三十年である。
水洗礼によって、霊界と現界の両界の改造することが三十年、これはヨハネ(変性男子)の奉仕すべき神業である。霊魂の改造が、前後三十年を要する、という意味である。また、三十年というのは大要を示されたのであり、奉仕者の身魂の磨かれ具合によっては、期間が変更されるのもやむをえない場合もあるのである。
神諭の「身魂」とは魂のみのことではなく、身が物質界、魂が霊魂、心性、神界等を指している。すべて宇宙は霊が元であり、体が末となっている。
物質的現界の改造を断行されるのは、国祖大国常立神であり、精神界・心霊界の改造を断行されるのは、豊国主神の神権である。
霊主体従の身魂=霊の本(ひのもと)の身魂:
天地の立法にかなった行動を好んで遂行しようとする。
常に天下公共のために心身をささげ、犠牲的行動をもって本懐とする。
至真、至善、至美、至直の大精神を発揮する。
救世の神業に奉仕する神や人の身魂。
体主霊従の身魂=自己愛智(ちしき)の身魂:
私利私欲にふける。
天地の神明を畏れない。
体欲を重んじる。
衣食住にのみ心を煩わす。
利によって集まり、利によって散じる。
行動は常に的が外れている。
利己主義を強調して義務を弁えない。
慈悲を知らない。
心が猛獣のような不善の神や人の身魂。
天の大神は、最初の人体の祖として天足彦、胞場姫を造った。そして、霊主体従の神木に体主霊従(ちしき)の果実を実らせ、食べないようにと厳命したが、二人は体欲にかられて、命を犯して神の怒りに触れた。
これにより世界には体主霊従の妖気が発生し、神人界に邪悪な分子が発生することとなった。
神がわざわざ天足彦と胞場姫を試すようなことをしなければ、邪悪も生まれなかっただろう、という人がいるが、神業は一度進むべき方向が定まったら、逆行したり審判を甘くしたりということは、決してないのである。神諭に『時節には神もかなわぬ』とあるのは、このことを示しているのである。
天地の剖判から五十六億七千万年を経て、いよいよ弥勒出現の暁となった。弥勒の神が下生して三界の大革正を成就し、松の世を顕現するためには、ここに神柱を立て、苦集滅道、道法礼節を開示し、善を勧めて悪を懲らし、至仁至愛の教えを布き、世の中が太平に治まるための天則を啓示し、天意に基づいた善政を天地に広げていく時期に近づいたのである。
私は、このような重大な時期に生まれて、このような神業に奉仕することを得ることができれば、これ以上の幸いはない。
神示には、『神は万物普遍の聖霊にして、人は天地経綸の司宰なり』とある。私は今このときでなければ、いつ天地の神業に奉仕することができるだろうか。いや、今しかないのだ。
また、言霊の幸はう国、言霊の天照る国、言霊の生ける国、言霊の助ける国、神の造りしくに、神徳の充てる国に生をうけた、神国の人たちよ、あなた方もそうなのである。
神の恩の高く、深きに感謝して、国祖の大御心に報い奉らなければならない次第である。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ:苦集滅道 道法礼節 データ凡例: データ最終更新日:2020-01-09 20:18:36 OBC :rm010003
愛善世界社版:1頁 八幡書店版:第1輯 43頁 修補版: 校定版:1頁 普及版:1頁 初版: ページ備考:
001 自分(じぶん)明治(めいぢ)三十一(さんじふいち)(ねん)(きう)()(ぐわつ)九日(ここのか)002神使(しんし)(とも)なはれ丹波(たんば)穴太(あなを)霊山(れいざん)高熊山(たかくまやま)に、003(いつ)週間(しうかん)霊的(れいてき)修業(しうげふ)()へてより天眼通(てんがんつう)004天耳通(てんじつう)005自他神通(じたしんつう)006天言通(てんげんつう)007宿命通(しゆくめいつう)大要(たいえう)心得(しんとく)し、008神明(しんめい)教義(けうぎ)をして今日(こんにち)あるに(いた)らしめたるについては、009千変(せんぺん)万化(ばんくわ)波瀾(はらん)があり、010縦横(じうわう)無限(むげん)曲折(きよくせつ)がある。011旧役員(きうやくゐん)反抗(はんかう)012信者(しんじや)離反(りはん)013その(すぢ)誤解(ごかい)014宗教家(しうけうか)迫害(はくがい)015親族(しんぞく)016知友(ちいう)総攻撃(そうこうげき)017新聞(しんぶん)雑誌(ざつし)018単行本(たんかうぼん)熱罵(ねつば)嘲笑(てうせう)019(じつ)筆紙(ひつし)口舌(こうぜつ)のよくするところのものでない。020自分(じぶん)はただただ開教後(かいけうご)廿四(にじふよ)年間(ねんかん)経緯(いきさつ)を、021きわめて簡単(かんたん)記憶(きおく)より()(おこ)して、022その一端(いつたん)(しめ)すことにする。
023 竜宮館(りゆうぐうやかた)には変性(へんじやう)男子(なんし)神系(しんけい)と、024変性(へんじやう)女子(によし)神系(しんけい)との二大(にだい)系統(けいとう)が、025歴然(れきぜん)として区別(くべつ)されてゐる。026変性(へんじやう)男子(なんし)神政(しんせい)出現(しゆつげん)予言(よげん)027警告(けいこく)(はつ)し、028千辛(せんしん)万苦(ばんく)029神示(しんじ)伝達(でんたつ)し、030(みづ)をもつて身魂(みたま)洗礼(せんれい)(ほどこ)し、031救世主(キリスト)再生(さいせい)032再臨(さいりん)()つてをられた。033ヨハネの(はじ)めてキリストに対面(たいめん)するまでには、034ほとんど(しち)(ねん)(あひだ)035()(さけ)びつつあつたのである。036変性(へんじやう)男子(なんし)肉宮(にくみや)女体(によたい)男霊(だんれい)にして、037五十七(ごじふしち)(さい)はじめてここに(いづ)御魂(みたま)神業(しんげふ)参加(さんか)したまひ、038明治(めいぢ)二十五(にじふご)(ねん)(しやう)(ぐわつ)元旦(ぐわんたん)より、039(どう)四十五(しじふご)(ねん)(しやう)(ぐわつ)元旦(ぐわんたん)まで、040前後(ぜんご)(まん)二十(にじふ)年間(ねんかん)水洗礼(すゐせんれい)をもつて、041現世(げんせ)汚濁(をだく)せる霊体(れいたい)両系(りやうけい)一切(いつさい)洗礼(せんれい)(ほどこ)し、042世界(せかい)改造(かいざう)神策(しんさく)顕示(けんじ)したまうた。043かの欧洲(おうしう)大戦乱(だいせんらん)のごときは、044(いづ)御魂(みたま)神業(しんげふ)発動(はつどう)一端(いつたん)にして、045三千(さんぜん)世界(せかい)一大(いちだい)警告(けいこく)であつたと(おも)ふ。
046 変性(へんじやう)女子(によし)肉宮(にくみや)(みづ)御魂(みたま)神業(しんげふ)参加(さんか)奉仕(ほうし)し、047()をもつて世界(せかい)万民(ばんみん)洗礼(せんれい)(ほどこ)すの神務(しんむ)である。048明治(めいぢ)三十一(さんじふいち)(ねん)(きう)()(ぐわつ)九日(ここのか)をもつて神業(しんげふ)参加(さんか)し、049大正(たいしやう)(しち)(ねん)()(ぐわつ)九日(ここのか)をもつて前後(ぜんご)(まん)二十(にじふ)年間(ねんかん)霊的(れいてき)神業(しんげふ)をほとんど完成(くわんせい)した。050物質(ぶつしつ)万能(ばんのう)主義(しゆぎ)051無神(むしん)無霊魂(むれいこん)(せつ)に、052心酔(しんすゐ)累惑(るゐわく)せる体主(たいしゆ)霊従(れいじゆう)現代(げんだい)も、053やや覚醒(かくせい)(ゐき)(たつ)し、054神霊(しんれい)実在(じつざい)認識(にんしき)するもの、055()(つき)(おほ)きを(くわ)へきたれるは、056すなはち神霊(しんれい)偉大(ゐだい)なる神機(しんき)発動(はつどう)結果(けつくわ)にして、057(けつ)して人智(じんち)人力(じんりよく)(いた)すところではないと(おも)ふ。
058 変性(へんじやう)男子(なんし)肉宮(にくみや)神政開祖(ヨハネ)神業(しんげふ)()り、059爾来(じらい)二十(にじふ)有七(いうしち)年間(ねんかん)神筆(しんぴつ)(ふる)ひ、060もつて霊体(れいたい)両界(りやうかい)大改造(だいかいざう)促進(そくしん)し、061(いま)霊界(れいかい)()りても、062その神業(しんげふ)継続(けいぞく)奉仕(ほうし)されつつあるのである。
063 つぎに変性(へんじやう)女子(によし)三十(さんじふ)年間(ねんかん)神業(しんげふ)奉仕(ほうし)して、064もつて五六七(みろく)神政(しんせい)成就(じやうじゆ)()ち、065世界(せかい)善道(ぜんどう)にみちびき、066もつて神明(しんめい)徳沢(とくたく)(よく)せしむるの神業(しんげふ)である。067神業(しんげふ)奉仕(ほうし)以来(いらい)068本年(ほんねん)をもつて(まん)二十三(にじふさん)(ねん)069(のこ)(しち)(ねん)こそ(もつと)重大(ぢゆうだい)なる任務(にんむ)遂行(すゐかう)難関(なんくわん)である。070神諭(しんゆ)(いは)く、
071三十(さんじふ)(ねん)身魂(みたま)立替(たてかへ)立直(たてなほ)しをいたすぞよ』
072と。073変性(へんじやう)男子(なんし)三十(さんじふ)(ねん)神業(しんげふ)成就(じやうじゆ)は、074大正(たいしやう)十一(じふいち)(ねん)(しやう)(ぐわつ)元旦(ぐわんたん)である。075変性(へんじやう)女子(によし)三十(さんじふ)(ねん)神業(しんげふ)成就(じやうじゆ)は、076大正(たいしやう)十七(じふしち)(ねん)()(ぐわつ)九日(ここのか)である。077神諭(しんゆ)に、
078身魂(みたま)立替(たてかへ)立直(たてなほ)し』
079とあるを、080よく(かんが)へてみると、081(しゆ)として水洗礼(すゐせんれい)霊体(れいたい)両系(りやうけい)改造(かいざう)三十(さんじふ)(ねん)であつて、082これはヨハネの奉仕(ほうし)すべき神業(しんげふ)であり、083体霊(たいれい)洗礼(せんれい)霊魂(れいこん)(てき)改造(かいざう)前後(ぜんご)三十(さんじふ)(ねん)(えう)するといふ神示(しんじ)である。084しかしながら三十(さんじふ)(ねん)神示(しんじ)されたのは、085大要(たいえう)(しめ)されたもので、086(けつ)して確定(かくてい)(てき)のものではない。087伸縮(しんしゆく)遅速(ちそく)は、088たうてい(まぬが)れないと(おも)ふ。089(えう)するに、090神界(しんかい)()方針(はうしん)一定(いつてい)不変(ふへん)であつても、091天地(てんち)経綸(けいりん)司宰(しさい)たるべき奉仕者(ほうししや)身魂(みたま)研不研(けんふけん)結果(けつくわ)によつて変更(へんかう)されるのは()むをえないのである。
092神諭(しんゆ)に、
093天地(てんち)(もと)先祖(せんぞ)(かみ)(こころ)真実(ほんと)徹底了解(わかり)たものが(すこ)しありたら、094樹替(たてかへ)樹直(たてなほ)しは立派(りつぱ)にできあがるなれど、095神界(しんかい)(まこと)(わか)りた人民(じんみん)()いから、096(かみ)はいつまでも()()ることができぬから、097(はや)改心(かいしん)いたして(くだ)されよ。098一人(ひとり)(わか)りたら(みな)(もの)(わか)つてくるなれど、099肝心(かんじん)のものに(わか)らぬといふのも、100これには(なに)(ひと)つの原因(わけ)()けねばならぬぞよ。101自然(しぜん)()のつくまで()つてをれば、102神業(しぐみ)はだんだん(おく)れるばかりなり、103(こころ)から発根(ほつこん)改心(かいしん)でなければ、104(をし)へてもらうてから合点(がつてん)する身魂(みたま)では、105到底(たうてい)この御用(ごよう)(つと)まらぬぞよ。106云々(うんぬん)
107 実際(じつさい)()経綸(けいりん)(わか)つてこなくては、108空前(くうぜん)絶後(ぜつご)大神業(だいしんげふ)完全(くわんぜん)奉仕(ほうし)することはできるものではない。109()神諭(しんゆ)身魂(みたま)樹替(たてかへ)樹直(たてなほ)しといふことがある。110ミタマといへば、111霊魂(れいこん)のみのことと(おも)つてゐる(ひと)沢山(たくさん)にあるらしい。112()身体(しんたい)113または物質界(ぶつしつかい)()し、114(たま)とは霊魂(れいこん)115心性(しんせい)116神界(しんかい)(とう)()したまうたのである。117すべて宇宙(うちう)(れい)(もと)で、118(たい)(すゑ)となつてゐる。119()方面(はうめん)120物質(ぶつしつ)(てき)現界(げんかい)改造(かいざう)断行(だんかう)されるのは国祖(こくそ)大国常立(おほくにとこたちの)(かみ)であり、121精神界(せいしんかい)122神霊界(しんれいかい)改造(かいざう)断行(だんかう)したまふのは、123豊国主(とよくにぬしの)(かみ)神権(しんけん)である。124ゆゑに宇宙(うちう)一切(いつさい)霊界(れいかい)(しゆ)であり、125現界(げんかい)(じゆう)であるから、126これを(しよう)して霊主(れいしゆ)体従(たいじゆう)といふのである。
127 霊主(れいしゆ)体従(たいじゆう)身魂(みたま)()(もと)身魂(みたま)といひ、128体主(たいしゆ)霊従(れいじゆう)身魂(みたま)自己愛智(ちしき)身魂(みたま)といふ。129霊主(れいしゆ)体従(たいじゆう)身魂(みたま)は、130一切(いつさい)天地(てんち)律法(りつぱう)(かな)ひたる行動(かうどう)(この)んで遂行(すゐかう)せむとし、131(つね)天下(てんか)公共(こうきよう)のために心身(しんしん)をささげ、132犠牲(ぎせい)(てき)行動(かうどう)をもつて本懐(ほんくわい)となし、133至真(ししん)134至善(しぜん)135至美(しび)136至直(しちよく)大精神(だいせいしん)発揮(はつき)する、137救世(きうせい)神業(しんげふ)奉仕(ほうし)する(かみ)(ひと)身魂(みたま)である。138体主(たいしゆ)霊従(れいじゆう)身魂(みたま)私利(しり)私欲(しよく)にふけり、139天地(てんち)神明(しんめい)(おそ)れず、140体欲(たいよく)(おも)んじ、141衣食住(いしよくぢう)にのみ(こころ)(わづら)はし、142()によりて(あつ)まり、143()によつて(さん)じ、144その行動(かうどう)(つね)正鵠(せいかう)()き、145利己(りこ)主義(しゆぎ)強調(きやうちよう)するのほか、146一片(いつぺん)義務(ぎむ)(わきま)へず、147慈悲(じひ)()らず、148(こころ)はあたかも豺狼(さいらう)のごとき不善(ふぜん)(かみ)や、149(ひと)をいふのである。
150 (てん)大神(おほかみ)は、151最初(さいしよ)天足彦(あだるひこ)152胞場姫(えばひめ)のふたりを(つく)りて、153人体(じんたい)()となしたまひ、154霊主(れいしゆ)体従(たいじゆう)神木(しんぼく)体主霊従(ちしき)果実(くだもの)(みの)らせ、
155『この果実(くだもの)()ふべからず』
156厳命(げんめい)し、157その性質(せいしつ)のいかんを(こころ)みたまうた。158ふたりは体欲(たいよく)にかられて、159つひにその厳命(げんめい)(をか)し、160(かみ)(いか)りにふれた。
161 これより世界(せかい)体主(たいしゆ)霊従(れいじゆう)妖気(えうき)発生(はつせい)し、162神人界(しんじんかい)邪悪(じやあく)分子(ぶんし)萠芽(はうが)()るにいたつたのである。
163かくいふ(とき)は、164(ひと)あるひは()はむ。
165(かみ)全智(ぜんち)全能(ぜんのう)にして智徳(ちとく)円満(ゑんまん)なり。166なんぞ体主(たいしゆ)霊従(れいじゆう)萌芽(はうが)()りとり、167さらに霊主(れいしゆ)体従(たいじゆう)人体(じんたい)()改造(かいざう)せざりしや。168体主(たいしゆ)霊従(れいじゆう)()(なに)ゆゑに放任(はうにん)し、169もつて邪悪(じやあく)世界(せかい)をつくり、170みづからその処置(しよち)(くるし)むや。171ここにいたりて吾人(ごじん)(かみ)存在(そんざい)と、172神力(しんりき)とを(うたが)はざるを()じ』
173とは、174(じつ)巧妙(かうめう)にしてもつとも至極(しごく)議論(ぎろん)である。
175 されど神明(しんめい)には、176毫末(がうまつ)依怙(えこ)なく、177逆行(ぎやくかう)(てき)神業(しんげふ)なし。178一度(いちど)()(くだ)したる神業(しんげふ)昨日(きのふ)今日(けふ)たり(がた)きがごとく、179(ゆみ)をはなれたる()中途(ちゆうと)(かへ)りきたらざるごとく、180ふたたび(これ)更改(かうかい)するは、181天地(てんち)自然(しぜん)経緯(けいゐ)背反(はいはん)す。182ゆゑに神代(かみよ)一代(いちだい)は、183これを革正(かくせい)すること(あた)はざるところに儼然(げんぜん)たる(かみ)権威(けんゐ)をともなふのである。184また一度(いちど)()でたる神勅(しんちよく)も、185これを更改(かうかい)すべからず。186(かみ)にしてしばしばその神勅(しんちよく)更改(かうかい)(たま)ふごときことありとせば、187宇宙(うちう)秩序(ちつじよ)はここに(まつた)紊乱(ぶんらん)し、188つひには自由(じいう)放漫(はうまん)(たん)(ひら)くをもつてである。189(いにしへ)(ことわざ)にも『武士(ぶし)言葉(ことば)二言(にごん)なし』といふ。190いはんや、191宇宙(うちう)大主宰(だいしゆさい)たる、192神明(しんめい)においてをやである。193神諭(しんゆ)にも、
194時節(じせつ)には(かみ)(かな)はぬぞよ。195時節(じせつ)()てば煎豆(いりまめ)にも(はな)()時節(じせつ)(まゐ)りて、196()()ちてをりた(かみ)も、197()()(はたら)時節(じせつ)(まゐ)りたぞよ。198時節(じせつ)ほど(こわ)いものの結構(けつこう)なものは()いぞよ、199云々(うんぬん)
200(しめ)されたるがごとく、201天地(てんち)神明(しんめい)も『(とき)』の(ちから)のみは、202いかんとも()したまふことはできないのである。
203 天地(てんち)剖判(ぼうはん)(はじ)めより、204五十六(ごじふろく)(おく)七千(しちせん)(まん)(ねん)星霜(せいさう)()て、205いよいよ弥勒(みろく)出現(しゆつげん)(あかつき)となり、206弥勒(みろく)(かみ)下生(げしやう)して三界(さんかい)大革正(だいかくせい)成就(じやうじゆ)し、207(まつ)()顕現(けんげん)するため、208ここに神柱(かむばしら)をたて、209()(しふ)(めつ)(だう)()き、210(だう)(はふ)(れい)(せつ)開示(かいじ)し、211(ぜん)(すす)め、212(あく)(こら)し、213至仁(しじん)至愛(しあい)(をしへ)()き、214至治(しぢ)泰平(たいへい)天則(てんそく)啓示(けいじ)し、215天意(てんい)のままの善政(ぜんせい)天地(てんち)拡充(くわくじゆう)したまふ時期(じき)(ちか)づいてきたのである。
216 吾人(ごじん)はかかる千万(せんまん)億歳(おくざい)にわたりて、217ためしもなき聖世(せいせい)過渡(くわと)時代(じだい)(うま)()で、218神業(しんげふ)奉仕(ほうし)することを()ば、219(なに)(さいはひ)(これ)()かむやである。220神示(しんじ)にいふ。
221(かみ)万物(ばんぶつ)普遍(ふへん)聖霊(せいれい)にして、222(ひと)天地(てんち)経綸(けいりん)司宰(しさい)なり』
223と。224アゝ吾人(ごじん)はこの(とき)をおいて(いづ)れの()にか、225天地(てんち)神業(しんげふ)奉仕(ほうし)することを()む。
226 アゝ言霊(ことたま)(さち)はふ(くに)227言霊(ことたま)天照(あまて)(くに)228言霊(ことたま)()ける(くに)229言霊(ことたま)(たす)ける(くに)230(かみ)(つく)りし(くに)231神徳(しんとく)()てる(くに)(せい)()けたる神国(しんこく)(ひと)においてをや。232(かみ)(おん)(たか)く、233(ふか)きに感謝(かんしや)し、234もつて国祖(こくそ)大御心(おほみこころ)(むく)(たてまつ)らねばならぬ次第(しだい)である。
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