霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第二九章 天津神(あまつかみ)神算(しんさん)鬼謀(きぼう)〔二九〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第1巻 霊主体従 子の巻 篇:第4篇 竜宮占領戦 よみ(新仮名遣い):りゅうぐうせんりょうせん
章:第29章 天津神の神算鬼謀 よみ(新仮名遣い):あまつかみのしんさんきぼう 通し章番号:29
口述日:1921(大正10)年10月22日(旧09月22日) 口述場所: 筆録者:桜井重雄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1921(大正10)年12月30日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
大八洲彦命は少数の神軍とともに、広大な原野を東に進軍していた。すると、常世彦が魔軍を指揮して四方から火を放った。
進退きわまった大八洲彦命は真澄の珠を空中に投げた。珠は爆裂して数十万の星となった。星は地上に落下すると数十万の神軍となった。神軍の発射する言霊によって火炎は消滅し、後には魔軍の死骸が累々と横たわっていた。
大八洲彦命は、胸長彦の残党が立て籠もる天保山を討とうとしていた。しかし真澄の珠から現れた神軍は、残らず天に帰ってしまった。
大八洲彦命は多いに落胆したが、そこに二柱の女神が命の前に降り、加勢を頼むような心持では、到底このたびの神業はならない、これは天の大神の試練である、と神示を下した。
大八洲彦命は援軍が来ないことを観念したが、天教山に八島別が球援軍を組織していることを知らなかった。一方胸長彦は天保山が攻撃されることを恐れ、大八洲彦命に偽って一度帰順して、天教山の八島別軍を殲滅しようと計画を立てた。そして、天教山に敵軍が現れたと大八洲彦命を欺こうとした。
大八洲彦命は胸長彦一派の偽りの帰順を受け入れ、両軍あわせて天教山に攻め込んだ。しかし、先鋒の胸長彦軍は八島別軍によって殲滅されてしまった。
この様子を見た大八洲彦命は、天教山に帰順の神書を送った。この神書を見て、八島別は大八洲彦命の消息を知り、自分は命の救援軍を組織してきたのだ、と命に伝えた。
大八洲彦命は真相を知って喜び、天に向かって神言を奏上した。こうして、敵軍を殲滅した天津神の神算鬼謀は実に感嘆の次第である。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm0129
愛善世界社版:166頁 八幡書店版:第1輯 106頁 修補版: 校定版:167頁 普及版:87頁 初版: ページ備考:
001 神界(しんかい)場面(ばめん)は、002ガラリ一転(いつてん)した。003大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)少数(せうすう)神軍(しんぐん)とともに、004広大(くわうだい)無辺(むへん)原野(げんや)(あら)はれた。005そして一隊(いつたい)引率(ひきつ)れ、006(ひがし)(ひがし)へと進軍(しんぐん)された。007その(はて)しもない原野(げんや)には()(ぼつ)するばかりの種々(いろいろ)(くさ)茫々(ばうばう)(しげ)つてゐる。008その刹那(せつな)009諸方(しよはう)より()()があがつた。010しかも(かぜ)非常(ひじやう)強烈(きやうれつ)旋風(せんぷう)である。011(てん)一方(いつぱう)(のぞ)めば、012常世彦(とこよひこ)(あら)はれ軍扇(ぐんせん)をもつて数多(あまた)魔軍(まぐん)指揮(しき)してゐる。
013 ()諸方(しよはう)より()(せま)り、014(けぶり)とともに大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)一隊(いつたい)(つつ)んでしまつた。015ここに大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)進退(しんたい)これ(きは)まり、016自分(じぶん)珍蔵(ちんざう)してゐる真澄(ますみ)(たま)を、017中空(ちゆうくう)にむかつて()げつけられた。018その(たま)中空(ちゆうくう)爆裂(ばくれつ)して数十万(すうじふまん)(ほし)となつた。019この(ほし)(のこ)らず地上(ちじやう)落下(らくか)して威儀(ゐぎ)儼然(げんぜん)たる数十万(すうじふまん)神軍(しんぐん)(くわ)した。020さうしてその神軍(しんぐん)は、021一斉(いつせい)百雷(ひやくらい)一度(いちど)にとどろくごとき巨大(きよだい)なる言霊(ことたま)発射(はつしや)した。022それと同時(どうじ)に、023さしも猛烈(まうれつ)なる曠野(くわうや)火焔(くわえん)ぱつたり消滅(せうめつ)し、024(たけ)(たか)(くさ)はことごとく()(はら)はれた。025魔軍(まぐん)死骸(しがい)四方(しはう)八方(はつぱう)黒焦(くろこげ)となつて累々(るゐるゐ)(よこ)たはつてゐた。
026 それから大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)一隊(いつたい)はだんだん(ひがし)(むか)つて(すす)んでいつた。027そこに(また)もや(ひと)つの(おほ)きな(やま)出現(しゆつげん)してゐる。028この(やま)には()胸長彦(むねながひこ)残党(ざんたう)()()もり、029再挙(さいきよ)(はか)つてゐた。
030 この(やま)天保山(てんぱうざん)といふ。031胸長彦(むねながひこ)はこんどは安熊(やすくま)032高杉別(たかすぎわけ)033桃作(ももさく)034虎若(とらわか)035黒姫(くろひめ)部将(ぶしやう)として、036大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)一隊(いつたい)()()たむとしてゐた。037このとき真澄(ますみ)(たま)より(あら)はれたる数十万(すうじふまん)軍勢(ぐんぜい)(のこ)らず(てん)(かへ)つてしまつた。038せつかく勢力(せいりよく)()て、039勇気(ゆうき)百倍(ひやくばい)せる大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)非常(ひじやう)失望(しつばう)落胆(らくたん)して、040(てん)にむかひ(ふたた)神軍(しんぐん)降下(かうか)せむことを哀願(あいぐわん)された。041(をり)しも(てん)よりは紫雲(しうん)()()つて容姿(ようし)端麗(たんれい)白髪(はくはつ)神使(しんし)が、042二柱(ふたはしら)(じつ)(うる)はしい女神(めがみ)をしたがへ大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)(まへ)にお(くだ)りになり、043(おごそ)かに天津(あまつ)(かみ)(めい)(つた)へられた。044その命令(めいれい)意味(いみ)は、
045大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)今度(こんど)世界(せかい)修理(しうり)固成(こせい)をなして、046国常立(くにとこたちの)大神(おほかみ)神業(しんげふ)奉仕(ほうし)したまふ(うへ)において、047加勢(かせい)(ちから)(たの)むやうなことであつては、048この神業(しんげふ)到底(たうてい)完全(くわんぜん)成功(せいこう)せぬ。049それゆゑ大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)胆力(たんりよく)修錬(しうれん)のため、050わざとに神軍(しんぐん)()()げさせ、051孤立(こりつ)無援(むゑん)地位(ちゐ)()たしめたのは(かみ)(ふか)()仁慈(じんじ)である』
052()ひをはり、053(てん)使(つかひ)()()すごとく姿(すがた)をかくしたまうた。
054 天保山(てんぱうざん)のはるか東北(とうほく)にあたつて天教山(てんけうざん)といふのがある。055そこには八島別(やしまわけ)が、056天神(てんじん)(めい)により、057大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)救援(きうゑん)すべく計画(けいくわく)されて、058あまたの神軍(しんぐん)引率(いんそつ)してをられた。
059 大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)(いま)神使(しんし)教示(けうじ)()き、060もはや(てん)よりの救援隊(きうゑんたい)は、061一神(いつしん)(きた)らぬものと断念(だんねん)されてゐた。062そのために天教山(てんけうざん)八島別(やしまわけ)軍勢(ぐんぜい)を、063わが援軍(ゑんぐん)なりとは(すこ)しも()づかず、064かへつて天保山(てんぱうざん)別働隊(べつどうたい)のやうに(おも)はれたのである。
065 一方(いつぱう)胸長彦(むねながひこ)は、066天保山(てんぱうざん)陣営(ぢんえい)強圧(きやうあつ)さるることを(おそ)れて、067いろいろと謀議(ぼうぎ)()らした結果(けつくわ)068まづ第一(だいいち)大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)(いつは)つて帰順(きじゆん)し、069(みこと)とともに八島別(やしまわけ)陣営(ぢんえい)なる天教山(てんけうざん)殲滅(せんめつ)せむことを(くはだ)てたのである。070そこで胸長彦(むねながひこ)安熊(やすくま)071桃作(ももさく)072虎若(とらわか)三部将(さんぶしやう)軍使(ぐんし)として大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)陣営(ぢんえい)(つか)はして、073帰順(きじゆん)()(へう)し、074かつ天教山(てんけうざん)には大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)にとつて、075強敵(きやうてき)(あら)はれたことを注進(ちうしん)した。
076 大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)陣営(ぢんえい)は、077原野(げんや)中心(ちゆうしん)にあつて非常(ひじやう)不利(ふり)位置(ゐち)であつた。078もし天教山(てんけうざん)(うへ)より一斉(いつせい)射撃(しやげき)()けたならば、079大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)一隊(いつたい)は、080全滅(ぜんめつ)さるる(おそ)れがあつたのである。081さういふ立場(たちば)()ちいたれる大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)は、082(わた)りに(ふね)快諾(くわいだく)されてここに和睦(わぼく)をなし、083胸長彦(むねながひこ)とともに天教山(てんけうざん)攻撃(こうげき)することとなつた。
084 天教山(てんけうざん)(はう)においては、085胸長彦(むねながひこ)先頭(せんとう)()ちて()()るのを()て、086てつきり敵軍(てきぐん)相違(さうゐ)なしと(おも)ひ、087山上(さんじやう)より大風(おほかぜ)(おこ)し、088岩石(がんせき)()ばし、089()めくる敵軍(てきぐん)散々(さんざん)(なや)ました。090しかも先頭(せんとう)()つた胸長彦(むねながひこ)軍隊(ぐんたい)は、091第一戦(だいいつせん)において(ほとん)滅亡(めつぼう)されてしまつた。
092 その(つぎ)第二軍(だいにぐん)として(あら)はれたるは、093大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)軍勢(ぐんぜい)であつた。094(みこと)数十羽(すうじつぱ)(からす)使(つか)つて、095天教山(てんけうざん)なる八島別(やしまわけ)にたいし、096帰順(きじゆん)すべく神書(しんしよ)(したた)め、097(あし)(くく)りつけて(はな)たれた。098(からす)空中(くうちゆう)(たか)()ひあがるとともに天教山(てんけうざん)(のぼ)り、099八島別(やしまわけ)伝達(でんたつ)した。100八島別(やしまわけの)(みこと)はその伝達(でんたつ)()んで、101はじめて大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)消息(せうそく)()り、102かつ、
103自分(じぶん)(てん)(めい)により、104大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)救援(きうゑん)()たものである』
105との信書(しんしよ)()いて、106(おな)じく(からす)(あし)(くく)りつけて(はな)した。107(からす)はにはかに金色(こんじき)(とび)(かは)り、108四方(しはう)(てら)しつつ大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)(まへ)(くだ)つてきた。
109 ここにおいて(はじ)めて相互(さうご)真相(しんさう)がわかり、110大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)(ぐん)歓喜(くわんき)のあまり(てん)にむかつて神言(かみこと)奏上(そうじやう)した。
111 その(こゑ)天教山(てんけうざん)八島別(やしまわけ)陣営(ぢんえい)()みきるごとくに(ひび)きわたつたので、112八島別(やしまわけ)(やま)(くだ)らず、113そのまま諸軍勢(しよぐんぜい)()()(てん)一方(いつぱう)姿(すがた)をかくしてしまつた。114かくのごとくして敵軍(てきぐん)殲滅(せんめつ)せしめたまひし天津(あまつ)(かみ)神算(しんさん)鬼謀(きぼう)は、115(じつ)感歎(かんたん)次第(しだい)である。
116大正一〇・一〇・二二 旧九・二二 桜井重雄録)
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10/22【霊界物語ネット】王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)』をテキスト化しました。
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