霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第三一章 九山(きうざん)八海(はつかい)〔三一〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第1巻 霊主体従 子の巻 篇:第4篇 竜宮占領戦 よみ(新仮名遣い):りゅうぐうせんりょうせん
章:第31章 九山八海 よみ(新仮名遣い):きゅうざんはっかい 通し章番号:31
口述日:1921(大正10)年10月22日(旧09月22日) 口述場所: 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1921(大正10)年12月30日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
大八洲彦命は一度天教山に退却した。稲山彦は潮満の珠をもって天教山を水没させようとした。地上はたちまち泥の海と化した。
このとき天神が雲間より現れて、魔軍に火弾を投げて発射し、天教山の神軍を応援した。泥海に火弾は効果を発揮しなかったが、白煙が立ち上ってそれが敵軍を悩ませた。
稲山彦は潮満の珠によってますます水かさを増して、天教山は危機に瀕した。ここにおいて稲山彦は降伏の文書を天教山に送り、大八洲彦命が竜宮の職をなげうつか、自殺するか選択を迫った。
大八洲彦命は天運ここに尽きたと覚悟を決めて、まさに自殺をしようとしたその刹那、東の空から天教山に下ってきた足玉彦、斎代姫、磐楠彦の三部将は風軍を引き連れ、大風を引き起こした。
水は天教山からさかしまに、稲山彦の陣取る天保山に打ち寄せた。さらに竜神を引き連れた部将神たちが、水を天保山に発射して応援した。
稲山彦は潮満の珠を取り出して、再び天教山に水をあふれさせた。水はたちまち大八洲彦命の首の辺りまでも浸すほどになってしまった。
このとき突然、天教山は大音響とともに高く突出し、逆に邪神の陣取る天保山は水中深く没してしまった。天教山は、富士の神山となった。
天教山の頂上から鮮麗な光輝が立ち上ると、木花姫命を頭とする天人たちが現れ、大八洲彦命に真澄の珠を与えた。
天教山が天高く突出したのは、国常立尊が蓮華台上で雄たけびしたもうた神業の結果である。天保山の陥落した跡が、今の日本海となった。
九山とは、九天に届くばかりの高山を意味し、八海とは、八方に海をめぐらした国土の意味である。ゆえに、秋津島根の国土を、九山八海の霊地と称するのである。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm0131
愛善世界社版:174頁 八幡書店版:第1輯 108頁 修補版: 校定版:175頁 普及版:91頁 初版: ページ備考:
001 大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)は、002杉松彦(すぎまつひこ)003若松彦(わかまつひこ)004時彦(ときひこ)005元照彦(もとてるひこ)部将(ぶしやう)とともに、006八島別(やしまわけ)(あら)はれし天教山(てんけうざん)()きかへし、007ここに防戦(ばうせん)準備(じゆんび)()りかかつた。008稲山彦(いなやまひこ)大虎彦(おほとらひこ)獅子王(ししわう)応援(おうゑん)()(かち)(じやう)じ、009天教山(てんけうざん)八方(はつぱう)より()りまいた。
010 稲山彦(いなやまひこ)潮満(しほみつ)(たま)をもつて、011天教山(てんけうざん)水中(すゐちゆう)(ぼつ)せしめむとした。012地上(ちじやう)はたちまち見渡(みわた)すかぎり(どろ)(うみ)一変(いつぺん)した。013このとき天空(てんくう)(たか)く、014(ひがし)(かた)より花照姫(はなてるひめ)015大足彦(おほだるひこ)016奇玉彦(くしたまひこ)天神(てんしん)(めい)によりてはるかの雲間(くもま)より(あら)はれ、017魔軍(まぐん)にむかつて火弾(くわだん)発射(はつしや)し、018天教山(てんけうざん)神軍(しんぐん)応援(おうゑん)した。019されど一面(いちめん)泥海(どろうみ)(くわ)したる地上(ちじやう)には、020()ちた火弾(くわだん)的確(てきかく)にその(かう)(そう)せなかつた。021ただジユンジユンと(あや)しき(おと)()てて()えてゆくばかりである。022されど白煙(はくえん)濛々(もうもう)()(のぼ)りて、023四辺(しへん)()ざすその(いきほひ)(するど)さに(てき)しかねて、024敵軍(てきぐん)(すく)なからず(なや)まされた。
025 このとき稲山彦(いなやまひこ)(ひき)ゆる魔軍(まぐん)天保山(てんぱうざん)(のぼ)り、026まづ潮満(しほみつ)(たま)をもつて、027ますます水量(みづかさ)()さしめた。028天教山(てんけうざん)危機(きき)(ひん)し、029神軍(しんぐん)生命(せいめい)一瞬(いつしゆん)(あひだ)(せま)つてきた。030(をり)しも杉松彦(すぎまつひこ)031若松彦(わかまつひこ)032時彦(ときひこ)は、033天教山(てんけうざん)にすむ(からす)(あし)神書(しんしよ)(くく)りつけ、034天保山(てんぱうざん)(むか)つて降服(かうふく)()(つた)へしめた。035(からす)使(つかひ)()けた稲山彦(いなやまひこ)は、036意気(いき)揚々(やうやう)として諸部将(しよぶしやう)(あつ)会議(くわいぎ)(ひら)いた。037その結果(けつくわ)は、
038大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)竜宮城(りゆうぐうじやう)管理(くわんり)(しよく)(なげう)つか、039さもなくば自殺(じさつ)せよ。040しからば部下(ぶか)神軍(しんぐん)生命(せいめい)救助(きうじよ)せむ』
041との返信(へんしん)となつて(あら)はれた。042この返信(へんしん)(たづさ)へて(からす)天教山(てんけうざん)(かへ)つてきた。043神書(しんしよ)()たる杉松彦(すぎまつひこ)044若松彦(わかまつひこ)045時彦(ときひこ)(ひそ)かに協議(けふぎ)して、046自己(じこ)生命(せいめい)(すく)はむために大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)自殺(じさつ)をせまつた。
047 大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)(てん)(あふ)()()し、048部下(ぶか)神司(かみがみ)らの薄情(はくじやう)冷酷(れいこく)と、049不忠(ふちゆう)不義(ふぎ)行動(かうどう)長歎(ちやうたん)し、050いよいよ自分(じぶん)天運(てんうん)(まつた)()きたるものと覚悟(かくご)して、051(いま)(まさ)自殺(じさつ)せむとする(とき)しもあれ、052(ひがし)(そら)(あた)つて足玉彦(たるたまひこ)053斎代姫(ときよひめ)054磐樟彦(いわくすひこ)三部将(さんぶしやう)はあまたの風軍(ふうぐん)()きつれ、
055『しばらく、056しばらく』
057大音声(だいおんじやう)()ばはりつつ、058天教山(てんけうざん)にむかつて(さい)急速力(きふそくりよく)をもつて(くだ)つてきた。059忽然(こつぜん)として大風(たいふう)()きおこり、060()せきたる激浪(げきらう)怒濤(どたう)八方(はつぱう)()(まく)つた。061泥水(どろみづ)(かぜ)()きまくられて、062天教山(てんけうざん)(ふもと)水量(みづかさ)にはかに(げん)じ、063その余波(よは)大山(おほやま)のごとき巨浪(きよらう)(おこ)して、064(さか)しまに天保山(てんぱうざん)()()せた。
065 天保山(てんぱうざん)魔軍(まぐん)潮干(しほひる)(たま)水中(すゐちゆう)(とう)じて、066その(みづ)減退(げんたい)せしめむとした。067西(にし)(てん)よりは道貫彦(みちつらひこ)068玉照彦(たまてるひこ)069立山彦(たてやまひこ)数万(すうまん)竜神(りゆうじん)()きつれ、070天保山(てんぱうざん)にむかつて大水(おほみづ)発射(はつしや)した。071さしもの潮干(しほひる)(たま)(かう)(そう)せず、072(みづ)刻々(こくこく)()すばかりである。073これに(はん)して天教山(てんけうざん)(ほとん)山麓(さんろく)まで減水(げんすゐ)してしまつた。074南方(なんぱう)よりは白雲(はくうん)()りて、075速国彦(はやくにひこ)076戸山彦(とやまひこ)077谷山彦(たにやまひこ)三柱(みはしら)神将(しんしやう)は、078あまたの雷神(らいじん)をしたがへ、079天保山(てんぱうざん)(そら)(たか)()(とどろ)天地(てんち)(くづ)るるばかりの大音響(だいおんきやう)(はつ)して威喝(ゐかつ)(こころ)みた。
080 ここに稲山彦(いなやまひこ)は、081天保山(てんぱうさん)(じやう)()ちて潮満(しほみつ)(たま)()りいだし、082一生(いつしやう)懸命(けんめい)天教山(てんけうざん)(はう)にむかつて()げつけた。083(みづ)はたちまち氾濫(はんらん)して天教山(てんけうざん)水中(すゐちゆう)(おちい)り、084大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)(くび)のあたりまでも(ひた)すにいたつた。
085 泥水(どろみづ)はなほもますます()える(いきほひ)である。086このとき東北(とうほく)(あた)つて、087天地(てんち)六合(りくがふ)(くづ)るるばかりの大音響(だいおんきやう)とともに大地震(だいぢしん)となり、088天保山(てんぱうざん)()るみるうちに水中(すゐちゆう)(ふか)没頭(ぼつとう)し、089同時(どうじ)天教山(てんけうざん)雲表(うんぺう)(たか)突出(とつしゆつ)した。090これが富士(ふじ)神山(しんざん)である。
091 (とき)しも(やま)頂上(ちやうじやう)より、092鮮麗(せんれい)たとふるに(もの)なき一大(いちだい)光輝(くわうき)(にじ)のごとく()(のぼ)つた。093その(ひかり)(うへ)(たか)(のぼ)りゆくほど(あふぎ)(ひら)きしごとく(ひろ)がり、094中天(ちゆうてん)において五色(ごしき)(くも)をおこし、095(くも)()(ひら)いて威厳(ゐげん)(たか)(うつく)しき天人(てんにん)無数(むすう)(あら)はれたまひ、096その天人(てんにん)山上(さんじやう)()てる大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)(まへ)(くだ)真澄(ますみ)(たま)(あた)へられた。097その天人(てんにん)頭首(かしら)木花姫(このはなひめの)(みこと)であつた。
098 この神山(しんざん)の、099(てん)(たか)噴出(ふきだ)したのは国常立(くにとこたちの)(みこと)蓮華台(れんげだい)(じやう)(おい)雄健(をたけ)びし(たま)ひし神業(しんげふ)結果(けつくわ)である。100その(とき)現代(げんだい)日本(にほん)国土(こくど)九山(きうざん)八海(はつかい)となつて、101環海(くわんかい)七五三(しは)(がき)秀妻(ほづま)(くに)となつたのである。
102 天保山(てんぱうざん)陥落(かんらく)したその(あと)が、103(いま)日本海(にほんかい)となつた。104また九山(きうざん)とは、105九天(きうてん)にとどくばかりの高山(かうざん)意味(いみ)であり、106八海(はつかい)とは、107八方(はつぱう)(うみ)をめぐらした国土(こくど)意味(いみ)である。108ゆゑに秋津(あきつ)島根(しまね)国土(こくど)そのものは、109九山(きうざん)八海(はつかい)霊地(れいち)(とな)ふるのである。
110大正一〇・一〇・二二 旧九・二二 加藤明子録)
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10/22【霊界物語ネット】王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)』をテキスト化しました。
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