第三五章 一輪の秘密〔三五〕
インフォメーション
著者:出口王仁三郎
巻:霊界物語 第1巻 霊主体従 子の巻
篇:第4篇 竜宮占領戦
よみ(新仮名遣い):りゅうぐうせんりょうせん
章:第35章 一輪の秘密
よみ(新仮名遣い):いちりんのひみつ
通し章番号:35
口述日:1921(大正10)年10月23日(旧09月23日)
口述場所:
筆録者:外山豊二
校正日:
校正場所:
初版発行日:1921(大正10)年12月30日
概要:
舞台:
あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]:厳の御魂の大神はシナイ山で魔軍を破り、大八洲彦命は各地の山の戦闘で敵を破り、天教山で三個の神宝を得て竜宮城に帰還した。続いてエデンの園に割拠していた竹熊の魔軍を破った。
神界は一時的に平和に治まったが、魔軍は常に、三個の神宝を狙っていた。
そこで、艮の金神国常立尊は、山脈が十字型を作っている地球の中心・蓮華台上に登られ、頭上の冠に神気をこめて海上に投げた。
これが冠島となった。この島の各所から稲が豊かに実ったため、稲原(いばら)の冠島と呼ばれた。またの名を茨の冠と言う。また、竜宮島とも言う。
また、履いていた沓に神気を込めて投げると、沓島となった。沓島は一名、鬼門島と言う。
国常立尊は、厳の御魂・金勝要神に命じて、この二つの島に三個の神宝を隠させた。
潮満の珠は、厳の御魂である。「いづ」は泉の「いづ」である。泉のように清らかな神水が無限に湧出する神宝である。これをヨハネの御魂という。
潮干の珠は、瑞の御魂である。また、キリストの御魂という。「みづ」は「みいづの御魂」という意味である。みいづの御魂は、火の活動を万有に対して、無限に発射する。世界を清める活用がある。
稚姫君命、大八洲彦命、金勝要神は、三個の神宝を携帯して竜宮島に渡り、神殿を建てて納めた。潮満の珠は紅色であり、豊玉姫神という。また潮干の珠は純白であり、玉依姫神という。冠島は、海原彦神(綿津見神)を国魂として守護せしめた。
続いて、沓島に真澄の珠を納めた。国魂の神である、国の御柱神に守護せしめた。
いずれの宝も、世界の終末に際して、世界改造のために大神が御使用になる神宝である。これを使用する神業が、一輪の秘密である。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]:
備考:
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データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :rm0135
愛善世界社版:188頁
八幡書店版:第1輯 113頁
修補版:
校定版:188頁
普及版:98頁
初版:
ページ備考:
001 厳の御魂の大神は、002シナイ山の戦闘に魔軍を潰走せしめ、003ひとまづ竜宮城へ凱旋されたのは前述のとほりである。
004 さて大八洲彦命は天山、005崑崙山、006天保山の敵を潰滅し、007天教山に現はれ、008三個の神宝を得て竜宮城に帰還し、009つづいてエデンの園に集まれる竹熊の魔軍を破り、010一時は神界も平和に治まつた。011されど竹熊の魔軍は勢やむを得ずして影を潜めたるのみなれば、012何どき謀計をもつて再挙を試みるやも計りがたき状況であつた。013まづ第一に魔軍の恐るるものは三個の神宝である。014ゆゑに魔軍は百方画策をめぐらし、015或ひは探女を放ち、016醜女を使ひ、017この珠を吾が手に奪はむとの計画は一時も弛めなかつた。
018 茲に艮の金神国常立尊は、019山脈十字形をなせる地球の中心蓮華台上に登られ、020四方の国型を見そなはし、021天に向つて神言を奏上し、022頭上の冠を握り、023これに神気をこめて海上に投げ遣りたまうた。024その冠は海中に落ちて一孤島を形成した。025これを冠島といふ。026しかして冠の各処より稲を生じ、027米もゆたかに穰るやうになつた。028ゆゑにこの島を稲原の冠といひ、029また茨の冠ともいふ。
030 つぎに大地に向つて神言を奏上したまひ、031その穿せる沓を握り海中に抛げうちたまうた。032沓は化して一孤島を形成した。033ゆゑにこれを沓島といふ。034冠島は一名竜宮島ともいひ、035沓島は一名鬼門島ともいふ。
036 ここに国常立尊は厳の御魂、037瑞の御魂および金勝要神に言依さしたまひて、038この両島に三個の神宝を秘め置かせたまうた。
039 潮満の珠はまた厳の御魂といふ。040いづとは泉のいづの意であつて、041泉のごとく清鮮なる神水の無限に湧出する宝玉である。042これをまたヨハネの御魂といふ。043つぎに潮干の珠はこれを瑞の御魂といひ、044またキリストの御魂といふ。045みづの御魂はみいづの御魂の意である。046みいづの御魂は無限に火の活動を万有に発射し、047世界を清むるの活用である。048要するに水の動くは火の御魂があるゆゑであり、049また火の燃ゆるは水の精魂があるからである。050しかして火は天にして水は地である。051故に天は尊く地は卑し。052ヨハネが水をもつて洗礼を施すといふは、053体をさして言へる詞にして、054尊き火の活動を隠されてをるのである。055またキリストが霊(霊は火なり)をもつて洗礼を施すといふは、056キリストの体をいへるものにして、057その精魂たる水をいひしに非ず。
058 ここに稚姫君命、059大八洲彦命、060金勝要大神は、061三個の神宝を各自に携帯して、062目無堅間の船に乗り、063小島別、064杉山別、065富彦、066武熊別、067鷹取の神司を引率して、068まづこの竜宮ケ嶋に渡りたまうた。069しかして竜宮ケ嶋には厳の御魂なる潮満の珠を、070大宮柱太敷立て納めたまひ、071また瑞の御魂なる潮干の珠とともに、072この宮殿に納めたまうた。073この潮満の珠の又の名を豊玉姫神といひ、074潮干の珠の又の名を玉依姫神といふ。075かくて潮満の珠は紅色を帯び、076潮干の珠は純白色である。
077 国常立尊は冠島の国魂の神に命じて、078この神宝を永遠に守護せしめたまうた。079この島の国魂の御名を海原彦神といひ、080又の御名を綿津見神といふ。081つぎに沓島に渡りたまひて真澄の珠を永遠に納めたまひ、082国の御柱神をして之を守護せしめられた。083国の御柱神は鬼門ケ島の国魂の又の御名である。
084 いづれも世界の終末に際し、085世界改造のため大神の御使用になる珍の御宝である。086しかして之を使用さるる御神業がすなはち一輪の秘密である。
087 この両島はあまたの善神皆竜と変じ、088鰐と化して四辺を守り、089他神の近づくを許されないのである。
090(大正一〇・一〇・二三 旧九・二三 外山豊二録)