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第61巻(子の巻)
第62巻(丑の巻)
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第65巻(辰の巻)
第66巻(巳の巻)
第67巻(午の巻)
第68巻(未の巻)
第69巻(申の巻)
第70巻(酉の巻)
第71巻(戌の巻)
第72巻(亥の巻)
特別編 入蒙記
天祥地瑞
第73巻(子の巻)
第74巻(丑の巻)
第75巻(寅の巻)
第76巻(卯の巻)
第77巻(辰の巻)
第78巻(巳の巻)
第79巻(午の巻)
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第73巻(子の巻)
序文
総説
第1篇 紫微天界
01 天之峯火夫の神
〔1832〕
02 高天原
〔1833〕
03 天之高火男の神
〔1834〕
04 ⦿の神声
〔1835〕
05 言幸比古の神
〔1836〕
06 言幸比女の神
〔1837〕
07 太祓
〔1838〕
08 国生み神生みの段
〔1839〕
09 香具の木の実
〔1840〕
10 婚ぎの御歌
〔1841〕
11 紫微の宮司
〔1842〕
12 水火の活動
〔1843〕
13 神の述懐歌(一)
〔1844〕
14 神の述懐歌(二)
〔1845〕
第2篇 高照神風
15 国生みの旅
〔1846〕
16 八洲の河
〔1847〕
17 駒の嘶き
〔1848〕
18 佐田の辻
〔1849〕
19 高日の宮
〔1850〕
20 廻り逢ひ
〔1851〕
21 禊の段
〔1852〕
22 御子生みの段
〔1853〕
23 中の高滝
〔1854〕
24 天国の旅
〔1855〕
25 言霊の滝
〔1856〕
第3篇 東雲神国
26 主神の降臨
〔1857〕
27 神秘の扉
〔1858〕
28 心内大蛇
〔1859〕
29 無花果
〔1860〕
30 日向の河波
〔1861〕
31 夕暮の館
〔1862〕
32 玉泉の月
〔1863〕
33 四馬の遠乗
〔1864〕
34 国魂の発生
〔1865〕
35 四鳥の別れ
〔1866〕
36 荒野の駿馬
〔1867〕
37 玉手の清宮
〔1868〕
余白歌
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天之峯火夫の神 >>>
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総説
(
そうせつ
)
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第73巻 天祥地瑞 子の巻
篇:
前付
よみ(新仮名遣い):
章:
総説
よみ(新仮名遣い):
そうせつ
通し章番号:
口述日:
1933(昭和8)年10月04日(旧08月15日)
口述場所:
天恩郷 千歳庵
筆録者:
加藤明子
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1933(昭和8)年11月22日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
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」にあります。
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:
主な登場人物
[?]
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :
rm730002
愛善世界社版:
八幡書店版:
第13輯 29頁
修補版:
校定版:
1頁
普及版:
初版:
ページ備考:
派生
[?]
この文献を底本として書かれたと思われる文献です。
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:
出口王仁三郎全集 > 第一巻 皇道編 > 第八篇 瑞祥 > 第一章 厳の御霊と瑞の御霊
001
三千
(
さんぜん
)
大千
(
だいせん
)
世界
(
せかい
)
の
大宇宙
(
だいうちう
)
を
創造
(
さうざう
)
し
給
(
たま
)
ひし
大国常立
(
おほくにとこたち
)
の
大神
(
おほかみ
)
は、
002
ウ
声
(
ごゑ
)
の
言霊
(
ことたま
)
の
御水火
(
みいき
)
より
天之
(
あめの
)
道立
(
みちたつ
)
の
神
(
かみ
)
を
生
(
う
)
みたまひ、
003
宇宙
(
うちう
)
の
世界
(
せかい
)
を
教
(
をし
)
へ
導
(
みちび
)
き
給
(
たま
)
ひたるが、
004
数百億
(
すうひやくおく
)
年
(
ねん
)
の
後
(
のち
)
に
至
(
いた
)
りて、
005
稚姫君
(
わかひめぎみの
)
命
(
みこと
)
の
霊性
(
れいせい
)
の
御霊代
(
みひしろ
)
として
尊
(
たふと
)
き
神人
(
しんじん
)
と
顕現
(
けんげん
)
し、
006
三千
(
さんぜん
)
世界
(
せかい
)
の
修理
(
しうり
)
固成
(
こせい
)
を
言依
(
ことよ
)
さし
給
(
たま
)
ひ、
007
又
(
また
)
ア
の
言霊
(
ことたま
)
より
生
(
な
)
り
出
(
い
)
でし
太元
(
おほもと
)
顕津男
(
あきつを
)
の
神
(
かみ
)
の
御霊
(
みたま
)
も
神人
(
しんじん
)
と
現
(
あらは
)
れ、
008
共
(
とも
)
に
神業
(
みわざ
)
を
励
(
はげ
)
み
給
(
たま
)
ひける。
009
天
(
てん
)
の
時
(
とき
)
茲
(
ここ
)
に
到
(
いた
)
りて
厳
(
いづ
)
の
御霊
(
みたま
)
稚姫君
(
わかひめぎみの
)
命
(
みこと
)
は
再
(
ふたた
)
び
天津
(
あまつ
)
御国
(
みくに
)
に
帰
(
かへ
)
り
給
(
たま
)
ひ、
010
厳
(
いづ
)
の
御霊
(
みたま
)
の
神業
(
みわざ
)
一切
(
いつさい
)
を
瑞
(
みづ
)
の
御霊
(
みたま
)
に
受
(
う
)
け
継
(
つ
)
がせ
給
(
たま
)
ひける。
011
ここに
厳
(
いづ
)
の
御霊
(
みたま
)
瑞
(
みづ
)
の
御霊
(
みたま
)
の
活動
(
はたらき
)
を
合
(
あは
)
して
伊都能売
(
いづのめ
)
の
御霊
(
みたま
)
と
現
(
あらは
)
れ、
012
万劫
(
まんごふ
)
末代
(
まつだい
)
の
教
(
をしへ
)
を
固
(
かた
)
むる
神業
(
みわざ
)
に
奉仕
(
ほうし
)
せしめ
給
(
たま
)
ひたるなり。
013
厳
(
いづ
)
の
御霊
(
みたま
)
は
荒魂
(
あらみたま
)
の
勇
(
ゆう
)
と
和魂
(
にぎみたま
)
の
親
(
しん
)
を
主
(
しゆ
)
とし、
014
奇魂
(
くしみたま
)
の
智
(
ち
)
と
幸魂
(
さちみたま
)
の
愛
(
あい
)
は
従
(
じう
)
となりて
活
(
はたら
)
き
給
(
たま
)
ひ、
015
瑞
(
みづ
)
の
御霊
(
みたま
)
は
奇魂
(
くしみたま
)
の
智
(
ち
)
と
幸魂
(
さちみたま
)
の
愛
(
あい
)
主
(
しゆ
)
となり、
016
荒魂
(
あらみたま
)
の
勇
(
ゆう
)
と
和魂
(
にぎみたま
)
の
親
(
しん
)
は
従
(
じう
)
となりて
世
(
よ
)
に
現
(
あらは
)
れ、
017
今
(
いま
)
や
破
(
やぶ
)
れむとする
天地
(
てんち
)
を
修理
(
しうり
)
固成
(
こせい
)
すべく
現
(
あらは
)
れ
出
(
い
)
でたるなり。
018
而
(
しか
)
して
厳
(
いづ
)
の
御霊
(
みたま
)
は
経
(
たて
)
の
神業
(
みわざ
)
なれば
言行
(
げんかう
)
共
(
とも
)
に
一々
(
いちいち
)
万々
(
ばんばん
)
確固
(
かくこ
)
不易
(
ふえき
)
なるに
反
(
はん
)
し、
019
瑞
(
みづ
)
の
御霊
(
みたま
)
の
神業
(
みわざ
)
は
操縦
(
さうじう
)
与奪
(
よだつ
)
其権
(
そのけん
)
有我
(
われにあり
)
の
力徳
(
りきとく
)
を
以
(
もつ
)
て
神業
(
みわざ
)
に
奉仕
(
ほうし
)
し
給
(
たま
)
ふ
神定
(
かむさだ
)
めなり。
020
神諭
(
しんゆ
)
にも、
021
経
(
たて
)
の
御用
(
ごよう
)
はビクとも
動
(
うご
)
かれず
鵜
(
う
)
の
毛
(
け
)
の
露
(
つゆ
)
程
(
ほど
)
も
変
(
かは
)
らぬが、
022
瑞
(
みづ
)
の
御霊
(
みたま
)
は
緯
(
よこ
)
の
御用
(
ごよう
)
なれば
機
(
はた
)
の
緯糸
(
よこいと
)
のごとく、
023
右
(
みぎ
)
に
左
(
ひだり
)
に
千変
(
せんぺん
)
万化
(
ばんくわ
)
の
活動
(
はたらき
)
あることを
示
(
しめ
)
されたり。
024
しかるに
今
(
いま
)
や
伊都能売
(
いづのめ
)
の
御霊
(
みたま
)
と
顕現
(
けんげん
)
したれば、
025
経緯
(
たてよこ
)
両
(
りやう
)
方面
(
はうめん
)
を
合
(
あは
)
して
神代
(
かみよ
)
の
顕現
(
けんげん
)
に
従事
(
じうじ
)
し
給
(
たま
)
ふこととなりたれば、
026
益々
(
ますます
)
その
行動
(
かうどう
)
の
変幻
(
へんげん
)
出没
(
しゆつぼつ
)
自由
(
じいう
)
自在
(
じざい
)
なるは
到底
(
たうてい
)
凡夫
(
ぼんぷ
)
の
窺知
(
きち
)
し
得
(
う
)
べきものにあらず。
027
斯
(
か
)
くして
大宇宙
(
だいうちう
)
の
神界
(
しんかい
)
治
(
をさ
)
まり、
028
三千
(
さんぜん
)
世界
(
せかい
)
の
更生
(
かうせい
)
となりて、
029
全地上
(
ぜんちじやう
)
の
更生
(
かうせい
)
の
神業
(
みわざ
)
は
成就
(
じやうじゆ
)
すべきなり。
030
この
消息
(
せうそく
)
を
知
(
し
)
らずして
大神業
(
おほみわざ
)
に
奉仕
(
ほうし
)
せむとするものは、
031
恰
(
あたか
)
も
木
(
き
)
に
拠
(
よ
)
つて
魚
(
うを
)
を
求
(
もと
)
むる
如
(
ごと
)
く、
032
海底
(
かいてい
)
に
野菜
(
やさい
)
を
探
(
さぐ
)
り、
033
田園
(
でんゑん
)
に
蛤
(
はまぐり
)
を
漁
(
あさ
)
るが
如
(
ごと
)
し。
034
神
(
かみ
)
は
至大
(
しだい
)
無外
(
むぐわい
)
至小
(
しせう
)
無内
(
むない
)
在所
(
あるところ
)
如無
(
なきがごとく
)
不在所
(
あらざるところ
)
如無底
(
なきがごとしてい
)
のものなれば、
035
従来
(
じうらい
)
の
各種
(
かくしゆ
)
の
宗教
(
しうけう
)
や
賢哲
(
けんてつ
)
の
道徳率
(
だうとくりつ
)
を
標準
(
へうじゆん
)
としては、
036
伊都能売
(
いづのめの
)
神
(
かみ
)
の
御神業
(
みみわざ
)
は
知
(
し
)
り
得
(
う
)
べき
限
(
かぎ
)
りにあらず。
037
例
(
たと
)
へば
機
(
はた
)
を
織
(
お
)
るにしても
経糸
(
たていと
)
はビクとも
処
(
ところ
)
を
変
(
へん
)
ぜず
緊張
(
きんちやう
)
し
切
(
き
)
りて
棚
(
たな
)
にかかり、
038
緯糸
(
よこいと
)
は
管
(
くだ
)
に
巻
(
ま
)
かれ
杼
(
ひ
)
に
呑
(
の
)
まれて
小
(
ちひ
)
さき
穴
(
あな
)
より
一筋
(
ひとすぢ
)
の
糸
(
いと
)
を
吐
(
は
)
き
出
(
だ
)
し、
039
右
(
みぎ
)
に
左
(
ひだり
)
に
経糸
(
たていと
)
の
間
(
あひだ
)
を
潜
(
くぐ
)
り
立派
(
りつぱ
)
なる
綾
(
あや
)
の
機
(
はた
)
を
織上
(
おりあ
)
ぐる
如
(
ごと
)
きものなり。
040
機
(
はた
)
を
織
(
お
)
る
緯糸
(
よこいと
)
は
一度
(
いちど
)
通
(
つう
)
ずれば
二度
(
にど
)
三度
(
さんど
)
筬
(
をさ
)
にて
厳
(
きび
)
しく
打
(
う
)
たれつつ、
041
ここに
初
(
はじ
)
めて
機
(
はた
)
の
経綸
(
しぐみ
)
は
出来上
(
できあが
)
るものなり。
042
綾機
(
あやはた
)
の
緯糸
(
よこいと
)
こそは
苦
(
くる
)
しけれ
043
一
(
ひと
)
つ
通
(
とほ
)
せば
三度
(
みたび
)
打
(
う
)
たれつ
044
神界
(
しんかい
)
の
深遠
(
しんゑん
)
微妙
(
びめう
)
なる
経綸
(
けいりん
)
については
千変
(
せんぺん
)
万化
(
ばんくわ
)
極
(
きは
)
まりなく、
045
善悪
(
ぜんあく
)
相混
(
あひこん
)
じ
美醜
(
びしう
)
互
(
たがひ
)
に
交
(
まじは
)
りて
完全
(
くわんぜん
)
なる
天地
(
てんち
)
は
造
(
つく
)
られつつあるなり。
046
伊都能売
(
いづのめの
)
神
(
かみ
)
の
神霊
(
しんれい
)
も
亦
(
また
)
その
如
(
ごと
)
く
三十三
(
さんじふさん
)
相
(
さう
)
は
言
(
い
)
ふも
更
(
さら
)
なり、
047
幾百千
(
いくひやくせん
)
相
(
さう
)
にも
限
(
かぎ
)
りなく
臨機
(
りんき
)
応変
(
おうへん
)
して
神業
(
みわざ
)
に
依
(
よ
)
さし
給
(
たま
)
へば、
048
凡人
(
ぼんじん
)
小智
(
せうち
)
の
窺知
(
きち
)
すべき
限
(
かぎ
)
りにあらざるを
知
(
し
)
るべし。
049
且
(
か
)
つ
厳
(
いづ
)
の
御霊
(
みたま
)
の
教
(
をしへ
)
は
神人
(
しんじん
)
一般
(
いつぱん
)
に
対
(
たい
)
し、
050
仁義
(
じんぎ
)
道徳
(
だうとく
)
を
教
(
をし
)
へ
夫婦
(
ふうふ
)
の
制度
(
せいど
)
を
固
(
かた
)
め、
051
仮
(
かり
)
にも
犯
(
をか
)
すべからざるの
神律
(
しんりつ
)
なり。
052
故
(
ゆゑ
)
に
瑞
(
みづ
)
の
御霊
(
みたま
)
の
大神
(
おほかみ
)
は
紫微
(
しび
)
天界
(
てんかい
)
の
初
(
はじ
)
めより
太元
(
おほもと
)
顕津男
(
あきつを
)
の
神
(
かみ
)
と
現
(
あ
)
れまして、
053
国生
(
くにう
)
み
神生
(
かみう
)
みの
神業
(
みわざ
)
に
奉仕
(
ほうし
)
し
給
(
たま
)
ひ、
054
万代
(
ばんだい
)
不動
(
ふどう
)
の
経綸
(
けいりん
)
を
行
(
おこな
)
ひ
給
(
たま
)
ひつつ
若返
(
わかがへ
)
り
若返
(
わかがへ
)
りつつ
末世
(
まつせ
)
に
至
(
いた
)
るまでも
活動
(
はたらき
)
給
(
たま
)
ふなり。
055
其
(
その
)
間
(
かん
)
幾回
(
いくくわい
)
となく
肉体
(
にくたい
)
を
以
(
もつ
)
て
宇宙
(
うちう
)
の
天界
(
てんかい
)
に
出没
(
しゆつぼつ
)
し、
056
無始
(
むし
)
無終
(
むしう
)
に
其
(
そ
)
の
経綸
(
けいりん
)
を
続
(
つづ
)
かせ
給
(
たま
)
へば、
057
他
(
た
)
の
神々
(
かみがみ
)
は
決
(
けつ
)
して
其
(
そ
)
の
行為
(
かうゐ
)
に
習
(
なら
)
ふべからざるを
主
(
ス
)
の
神
(
かみ
)
より
厳定
(
げんてい
)
されつつ
今日
(
こんにち
)
に
至
(
いた
)
れるなり。
058
神諭
(
しんゆ
)
に
経
(
たて
)
の
御用
(
ごよう
)
は
少
(
すこ
)
しも
動
(
うご
)
かされず
変
(
か
)
へられないが、
059
緯
(
よこ
)
の
御用
(
ごよう
)
は
人間
(
にんげん
)
の
知恵
(
ちゑ
)
や
学問
(
がくもん
)
にては
悟
(
さと
)
り
得
(
う
)
べきものにあらざれば、
060
神
(
かみ
)
に
仕
(
つか
)
ふる
信徒
(
まめひと
)
達
(
たち
)
は
其
(
そ
)
の
心
(
こころ
)
にて
奉仕
(
ほうし
)
せざれば
神界
(
しんかい
)
経綸
(
けいりん
)
の
邪魔
(
じやま
)
となると
示
(
しめ
)
されてあるのは、
061
此
(
この
)
間
(
かん
)
の
消息
(
せうそく
)
を
伝
(
つた
)
へられたるものなり。
062
故
(
ゆゑ
)
に
本書
(
ほんしよ
)
は
有徳
(
うとく
)
の
信者
(
しんじや
)
又
(
また
)
は
上根
(
じやうこん
)
の
身魂
(
みたま
)
にして
神理
(
しんり
)
を
解
(
かい
)
し
得
(
う
)
る
底
(
てい
)
の
身魂
(
みたま
)
にあらざれば
授与
(
じゆよ
)
せざるものとす。
063
この
物語
(
ものがたり
)
を
読
(
よ
)
みて
神理
(
しんり
)
を
覚悟
(
かくご
)
する
人士
(
じんし
)
は
従来
(
じうらい
)
の
心
(
こころ
)
の
持方
(
もちかた
)
を
一掃
(
いつさう
)
し、
064
三千
(
さんぜん
)
世界
(
せかい
)
更生
(
かうせい
)
の
為
(
ため
)
に
其
(
そ
)
の
力
(
ちから
)
を
添
(
そ
)
へられむ
事
(
こと
)
を
希望
(
きばう
)
して
止
(
や
)
まざるなり。
065
賢哲
(
けんてつ
)
の
所謂
(
いはゆる
)
中庸
(
ちうよう
)
、
066
中和
(
ちうわ
)
、
067
大中
(
たいちう
)
、
068
其
(
そ
)
の
中
(
ちう
)
は
神府
(
しんぷ
)
の
中
(
ちう
)
とは
大
(
おほい
)
に
異
(
かは
)
れり。
069
故
(
ゆゑ
)
に
現代人
(
げんだいじん
)
の
見
(
み
)
て
善
(
ぜん
)
と
為
(
な
)
す
事
(
こと
)
も、
070
神
(
かみ
)
の
眼
(
め
)
より
視
(
み
)
て
悪
(
あく
)
なる
事
(
こと
)
あり、
071
又
(
また
)
現代人
(
げんだいじん
)
の
目
(
め
)
より
悪
(
あく
)
と
視
(
み
)
ることも
神界
(
しんかい
)
にては
善
(
ぜん
)
と
為
(
な
)
すことあり。
072
是
(
これ
)
を
善悪
(
ぜんあく
)
不二
(
ふじ
)
の
真諦
(
しんたい
)
といふ、
073
嗚呼
(
ああ
)
惟神
(
かむながら
)
霊
(
たま
)
幸倍
(
ちはへ
)
坐世
(
ませ
)
。
074
いよいよ
本巻
(
ほんくわん
)
よりは、
075
我
(
わが
)
古事記
(
こじき
)
に
現
(
あらは
)
れたる
天之
(
あめの
)
御中主
(
みなかぬしの
)
神
(
かみ
)
以前
(
いぜん
)
の
天界
(
てんかい
)
の
有様
(
ありさま
)
を
略述
(
りやくじゆつ
)
し、
076
以
(
もつ
)
て
皇神国
(
すめらみくに
)
の
尊厳
(
そんげん
)
無比
(
むひ
)
なるを
知
(
し
)
らしめむとするものなり。
077
本書
(
ほんしよ
)
は
富士
(
ふじ
)
文庫
(
ぶんこ
)
に
明記
(
めいき
)
されたる
天
(
あま
)
の
世
(
よ
)
を
初
(
はじ
)
めとし、
078
天之
(
あめの
)
御中之世
(
みなかのよ
)
、
079
地神
(
ちしん
)
五代
(
ごだい
)
の
世
(
よ
)
より
今日
(
こんにち
)
に
至
(
いた
)
る
万世
(
ばんせい
)
一系
(
いつけい
)
の
国体
(
こくたい
)
と、
080
皇室
(
くわうしつ
)
の
神
(
かみ
)
より
出
(
い
)
でまして
尊厳
(
そんげん
)
無比
(
むひ
)
なる
理由
(
りゆう
)
を
闡明
(
せんめい
)
せむとするものにして、
081
先
(
ま
)
づ
天
(
あま
)
の
世
(
よ
)
より
言霊学
(
ことたまがく
)
の
応用
(
おうよう
)
により
著
(
あら
)
はせるものなれば、
082
決
(
けつ
)
して
根拠
(
こんきよ
)
なき
架空
(
かくう
)
の
説
(
せつ
)
にあらざるを
知
(
し
)
るべし。
083
富士
(
ふじ
)
文庫
(
ぶんこ
)
神皇記
(
しんのうき
)
の
天
(
あま
)
の
世
(
よ
)
の
神
(
かみ
)
の
御名
(
みな
)
を
列記
(
れつき
)
すれば、
084
一
天之
(
あまの
)
峯火夫
(
みねひをの
)
神
(
かみ
)
085
二
天之
(
あめの
)
高火男
(
たかひをの
)
神
(
かみ
)
086
三
天之
(
あめの
)
高地火
(
たかちほの
)
神
(
かみ
)
087
四
天之
(
あめの
)
高木
(
たかぎ
)
比古
(
ひこの
)
神
(
かみ
)
088
五
天之
(
あめの
)
草男
(
くさをの
)
神
(
かみ
)
089
六
天之
(
あめの
)
高原男
(
たかはらをの
)
神
(
かみ
)
090
七
天之
(
あめの
)
御柱
(
みはしら
)
比古
(
ひこの
)
神
(
かみ
)
091
以上
(
いじやう
)
七柱
(
ななはしら
)
の
天神
(
てんじん
)
七代
(
しちだい
)
を
天
(
あま
)
の
世
(
よ
)
と
称
(
しよう
)
し、
092
天之
(
あめの
)
御中主
(
みなかぬしの
)
神
(
かみ
)
より
以下
(
いか
)
七代
(
しちだい
)
を
天之
(
あめの
)
御中之世
(
みなかのよ
)
と
称
(
とな
)
へ
奉
(
まつ
)
るなり。
093
茲
(
ここ
)
に
皇国
(
くわうこく
)
固有
(
こいう
)
の
言霊学
(
げんれいがく
)
の
力
(
ちから
)
をかりて、
094
大虚空
(
だいこくう
)
に
於
(
お
)
ける
最初
(
さいしよ
)
の
神々
(
かみがみ
)
の
御
(
ご
)
活動
(
くわつどう
)
を
謹写
(
きんしや
)
せむとして
著
(
あら
)
はしたる
物語
(
ものがたり
)
なり。
095
又
(
また
)
神生
(
かみう
)
み
国生
(
くにう
)
みの
物語
(
ものがたり
)
も、
096
最初
(
さいしよ
)
の
神々
(
かみがみ
)
は
幽
(
いう
)
の
幽
(
いう
)
に
坐
(
ま
)
しませば、
097
現代人
(
げんだいじん
)
の
如
(
ごと
)
く
肉体
(
にくたい
)
を
保
(
たも
)
ち
給
(
たま
)
はず
全
(
まつた
)
く
気体
(
きたい
)
に
坐
(
ま
)
しますが
故
(
ゆゑ
)
に、
098
現代人
(
げんだいじん
)
の
如
(
ごと
)
く
男女
(
だんぢよ
)
の
関係
(
くわんけい
)
は
無
(
な
)
く、
099
只
(
ただ
)
言霊
(
ことたま
)
の
水火
(
いき
)
と
水火
(
いき
)
を
結
(
むす
)
び
合
(
あは
)
せて
国
(
くに
)
を
生
(
う
)
み
神
(
かみ
)
を
生
(
う
)
み
給
(
たま
)
ひしを
知
(
し
)
るべし。
100
最初
(
さいしよ
)
の
神々
(
かみがみ
)
は
何
(
いづ
)
れも
幽体
(
いうたい
)
隠神
(
いんしん
)
に
坐
(
ま
)
すが
故
(
ゆゑ
)
に、
101
男神
(
をがみ
)
は
比古
(
ひこ
)
を
附
(
ふ
)
し、
102
女神
(
めがみ
)
は
比女
(
ひめ
)
の
字
(
じ
)
を
藉
(
か
)
り
顕
(
あらは
)
しあれば、
103
後世
(
こうせい
)
に
於
(
お
)
ける
彦神
(
ひこがみ
)
姫神
(
ひめがみ
)
とは
大
(
おほい
)
に
異
(
こと
)
なれるを
知
(
し
)
るべきなり。
104
太元
(
おほもと
)
顕津男
(
あきつを
)
の
神
(
かみ
)
の
神名
(
しんめい
)
は、
105
ア
声
(
ごゑ
)
の
言霊
(
ことたま
)
南西
(
なんせい
)
に
活
(
はたら
)
き
給
(
たま
)
ひて
顕
(
あらは
)
れ
給
(
たま
)
ふ
神名
(
しんめい
)
にして、
106
国
(
くに
)
を
生
(
う
)
み
神
(
かみ
)
を
生
(
う
)
まし
給
(
たま
)
ふと
雖
(
いへど
)
も、
107
国
(
くに
)
を
開拓
(
かいたく
)
し
玉
(
たま
)
ふ
神業
(
みわざ
)
を
国生
(
くにう
)
みと
言
(
い
)
ひ、
108
国魂
(
くにたま
)
の
神
(
かみ
)
を
選
(
えら
)
ませ
又
(
また
)
は
生
(
うま
)
せ
給
(
たま
)
ふを
神生
(
かみう
)
みと
称
(
とな
)
へ
奉
(
まつ
)
るは、
109
皇典
(
くわうてん
)
古事記
(
こじき
)
の
御
(
ご
)
本文
(
ほんぶん
)
に
徴
(
ちよう
)
するも
明白
(
めいはく
)
なり。
110
又
(
また
)
八十
(
やそ
)
比女神
(
ひめがみ
)
の
国生
(
くにう
)
み
神生
(
かみう
)
みの
神業
(
みわざ
)
も、
111
只
(
ただ
)
単
(
たん
)
に
言霊
(
ことたま
)
の
水火
(
いき
)
の
組合
(
くみあは
)
せによりて、
112
言霊神
(
ことたまがみ
)
の
生
(
な
)
り
出
(
い
)
で
給
(
たま
)
ふ
根本
(
こんぽん
)
の
御神業
(
みみわざ
)
なるを
知
(
し
)
るべし。
113
(
昭和八・一〇・四
旧八・一五
於高天閣
森良仁
謹録)
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