霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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序文(じよぶん)

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第77巻 天祥地瑞 辰の巻 篇:前付 よみ(新仮名遣い):
章:序文 よみ(新仮名遣い):じょぶん 通し章番号:
口述日:1933(昭和8)年12月12日(旧10月25日) 口述場所:大阪分院蒼雲閣 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1934(昭和9)年3月30日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
各国には、その国に合った建国の精神があるように、日本には固有の大和魂というものがある。
吾(出口聖師)は、明治三十一年より、その大和魂の宣揚に努めてきた。今、大和魂を奉じる団体が沢山現れてきたことは、喜ばしいことである。
東方に位置し、万世一系の国家として他に類を見ない日本国とすれば、自身が持っている国民精神=大和魂に基づいてこそ、日本の文化文物の特異性を世界に訴え、賞賛を受けることができるのである。
今日、大和魂を発奮して国民が覚醒しなければ、その輝きも徳も失われてしまう、と叫ぶ向きもあるが、堅固で純粋な大和魂はそう簡単に消えたり磨り減ったりするものではない。むしろ、常に明るく澄んで、磨かれつつ光を放っているのである。
では、大和魂がどのようなものであるかというと、忠孝、信義、友愛、大侠、義勇、正義、自由、それぞれが、純真な意識的行動によって、発現される=大和魂なのである。
日本の比類ない国体を護り、国家を支持する精神はすべて、このような国民性が持っている、誇りと矜持なのである。それこそが、日本人の国民性のみが占有する、独占的な特質なのであり、他のいかなる国民も、真似をしたり奪ったりできないところである。
たとえて言えば、これは大和魂が約束する、絶対に侵すことの出来ないひとつの手形である。もしもこの手形を手放す者があるとすれば、大和魂=国民的精神は奪い去られ、精神的財産は跡形もなく消えうせるということになる。
現代日本に生を受け営みつつ、これを手放す精神的亡者があるとすれば、それは日本精神を賊し冒涜するものであり、筆者としては心外千万の沙汰である。
顧みて、欧米の文明が日本(精神)に何をもたらしたか。理知や物質的・機械的なものは先走り、上滑るほどに盛りだくさんであった。欧米文明の心酔者は、それに幻惑され、愛溺し、重宝がった。その結果残ったのは、思想の偏りと荒廃くらいなものである。そんな状況の中、ややもすれば、この思想の変遷を助長し促進して、とんでもない方向へ脱線し奔放をほしいままにする一部の国民さえ現れたのである。
基本的に、欧米文明の長所を取り短所を大和魂で補う、ということの正しさは、いかに古臭い学者といえども、もはや否認する道理もない。しかし、短を補うのではなく、あまりに長所を盲信し、機械と物質のロボットと化してしまったことによって、脱線・奔放をほしいままにする「似非自由主義者」という怪物が、のさばり出すようになってしまった。
つまり、常軌を逸した状態が、ただ政治や経済組織の上に見られるだけでなく、人間の思想の上にも存在するようになってしまった。まことに呪わしい世相・人間世界となってしまったのである。
具体的に、どのような異常状態が、現在の人間精神にあるかと言うと、欧米文明をあまりに広範に取り入れてしまった結果、欧米文明の長所が本来どこにあったか、という指標が狂ってしまった。そうして終に、脱線し歯止めがなくなり、ありのままの姿をさらけ出してしまった。その結果が左翼化、共産主義化である。
左翼・共産主義が、資本主義の是正を叫び、統制経済の確立を叫ぶのは、既存の組織のあり方を正すという点では、一つの努力とみなすことはできる。しかし、大局的に大きく物事を見たときに、果たしてそのような方向で大和魂は、発揚したり、その豊かな味わいを発揮したりできるのだろうか。
左翼的・共産主義的な是正ではなく、先祖に報い始めに返る精神で是正をしていかなければ、日本の国民精神は滅亡してしまうかもしれない。
このような事態の中、皇国日本の真の精神と、天壌無窮の皇室の尊厳とをあまねく国民に現し、そうすることで、この非常時に直面している国民同胞を迷いから醒ますために、『天祥地瑞』の神書を著したのである。東洋、特に日本の天地開闢・宇宙創造説を、西洋諸国と比べて見ても、海外のものは根拠のない神話物語であり、これを見ても非文明的である理由がわかるであろう。
さて、この巻は、八柱の御樋代神の一人、朝香比女神が、スウヤトゴル山で太元顕津男の神と再会し、英雄的活動により大曲津見を言向けやわし、新しい国土を経営し国魂神を生み出でますという、紫微天界での大活動の序幕の物語である。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm770001
愛善世界社版: 八幡書店版:第13輯 583頁 修補版: 校定版:前付 1頁 普及版: 初版: ページ備考:
派生[?]この文献を底本として書かれたと思われる文献です。[×閉じる]出口王仁三郎全集 > 第一巻 皇道編 > 第八篇 瑞祥 > 第九章 日本精神
001 近来(きんらい)(やうや)世間(せけん)日本(やまと)(だましひ)発揚(はつやう)国民(こくみん)精神(せいしん)高調(かうてう)(はか)らむとする種々(しゆじゆ)団体(だんたい)発生(はつせい)したるを()く。002まことに慶賀(けいが)すべき現象(げんしやう)である。
003 吾人(ごじん)明治(めいぢ)三十一(さんじふいち)(ねん)より今日(こんにち)(いた)前後(ぜんご)三十六(さんじふろく)年間(ねんかん)004日本(やまと)(だましひ)高調(かうてう)皇道(くわうだう)宣揚(せんやう)のために一大(いちだい)獅子吼(ししく)(つづ)けつつ万難(ばんなん)(はい)して(すす)んで()たが、005(てん)(とき)(いた)りて現代(げんだい)日本国(にほんこく)(てう)非常時(ひじやうじ)直面(ちよくめん)したれば、006国民(こくみん)各階級(かくかいきふ)(つう)じて日本(にほん)精神(せいしん)作興(さくこう)007国民(こくみん)精神(せいしん)高調(かうてう)云為(うんゐ)する(もの)()(つき)(おほ)きを(くは)ふるに(いた)りたるこそ皇国(くわうこく)日本(にほん)更生(かうせい)先駆(せんく)として結構(けつこう)なことであると(おも)ふ。008(しか)日本(にほん)には日本(にほん)固有(こいう)精神(せいしん)があり、009欧羅巴(ヨーロツパ)にはヨーロッパの精神(せいしん)があり、010亜米利加(アメリカ)にはアメリカ精神(せいしん)()ふものがあつて、011建国(けんこく)大精神(だいせいしん)として国民(こくみん)伝統性(でんとうせい)象徴(しやうちよう)すべき(こと)()ふまでもないことである。
012 (こと)東方(とうはう)(くに)し、013万世(ばんせい)一系(いつけい)国家(こくか)として万邦(ばんぱう)冠絶(くわんぜつ)する日本国(にほんこく)とすれば、014われわれのみの(いう)する国民(こくみん)精神(せいしん)015(すなは)日本(やまと)(だましひ)でなくては、016(わが)文物(ぶんぶつ)制度(せいど)諸々(もろもろ)特異性(とくいせい)が、017世界(せかい)万邦(ばんぱう)強記(きやうき)され驚嘆(きやうたん)さるる(はず)はないのである。
018 (とく)日本(やまと)(だましひ)高調(かうてう)によつて、019国民(こくみん)覚醒(かくせい)(もと)めなければ、020わが日本(やまと)(だましひ)光暉(くわうき)もなく徳沢(とくたく)もないと主張(しゆちやう)する人々(ひとびと)もあるやうだが、021(しか)もわが日本(にほん)国民(こくみん)には牢固(らうこ)たる日本(やまと)(だましひ)022純乎(じゆんこ)たる国民(こくみん)精神(せいしん)なるものは、023(けつ)して(もろ)消磨(せうま)(また)喪失(さうしつ)すべきものとは(だん)じられない、024のみならず、025この精神(せいしん)には益々(ますます)(たか)(きよ)()明澄(めいちよう)常住(じやうぢう)坐臥(ざぐわ)026(みが)きをかけられ光暉(くわうき)(はな)ちつつあるものと()なければならない。
027 日本(やまと)(だましひ)なるものは忠孝(ちうかう)028信義(しんぎ)029友愛(いうあい)030大侠(たいけふ)031義勇(ぎゆう)032正義(せいぎ)033自由(じいう)各自(かくじ)純真(じゆんしん)意識(いしき)行動(かうどう)によつて発励(はつれい)さるるを本義(ほんぎ)とする。034(わが)万邦(ばんぱう)比類(ひるゐ)なき国体(こくたい)(まも)国家(こくか)支持(しぢ)する精神(せいしん)は、035(ことごと)(みな)これら国民性(こくみんせい)固有(こいう)する負誇(ふこ)矜持(きんぢ)であつて、036()国民(こくみん)()()(うば)ふべからざる独占(どくせん)(てき)所有権(しよいうけん)である。037この占有権(せんいうけん)には絶対(ぜつたい)保障(ほしやう)がなくてはならない。038(すなは)日本(やまと)(だましひ)約束(やくそく)する(ひと)つの手形(てがた)である。039この絶対(ぜつたい)不可侵(ふかしん)(てき)手形(てがた)既成(きせい)宗教(しうけう)(てき)信仰心(しんかうしん)裏書(うらがき)によつて容易(ようい)手放(てばな)されぬ。040もし手放(てばな)すものがありとするならば、041(ここ)日本(やまと)(だましひ)(すなは)国民(こくみん)精神(せいしん)(うば)()られて、042国民(こくみん)()(ところ)精神(せいしん)(てき)財産(ざいさん)043精神(せいしん)(てき)衣糧(いりやう)跡形(あとかた)もなく()()せるであらう。044(しか)り、045この精神(せいしん)(てき)亡者(まうじや)046精神(せいしん)(てき)自殺者(じさつしや)現代(げんだい)日本国(にほんこく)(せい)()(せい)(いとな)みつつありとせば、047それは日本(にほん)精神(せいしん)(ぞく)()冒涜(ばうとく)するもので心外(しんぐわい)千万(せんばん)沙汰(さた)である。
048 (かへり)みれば欧米(おうべい)文明(ぶんめい)なるものは(はた)して日本(にほん)何物(なにもの)をもたらしたか、049(ただ)その文明(ぶんめい)心酔者(しんすゐしや)先走(さきばし)上辷(うはすべ)りたる理智(りち)本能(ほんのう)物質(ぶつしつ)(てき)機械(きかい)(てき)なる盛装(せいさう)眩惑(げんわく)し、050愛溺(あいでき)し、051重宝(ちようはう)がつただけの事象(じしやう)(みと)められようが、052()るところ(のこ)さるるものは、053思想(しさう)偏傾(へんけい)荒頽(くわうたい)とを()()(くらゐ)のもので、054この(かん)(やや)もすれば思想(しさう)変遷(へんせん)助長(じよちやう)促進(そくしん)して、055あらぬ方面(はうめん)への脱線(だつせん)056奔放(ほんぱう)体現(たいげん)する一部(いちぶ)国民(こくみん)なしとは断言(だんげん)されない。
057 欧米(おうべい)文明(ぶんめい)(ちやう)()(たん)(おぎな)ふと()本来(ほんらい)意義(いぎ)は、058如何(いか)固陋(ころう)(きう)道学者(だうがくしや)(いへど)否認(ひにん)すべき道理(だうり)がない。059けれども(たん)(おぎな)ふの程度(ていど)()え、060(あま)りに長所(ちやうしよ)盲信(まうしん)した機械(きかい)物質(ぶつしつ)のロボツト(くわ)せしことによつて、061脱線(だつせん)(てき)思想家(しさうか)(しやう)じ、062自恣(じし)奔放(ほんぱう)なる似而非(えせ)自由(じいう)主義者(しゆぎしや)怪物(くわいぶつ)がのさばり()すやうになつた。063これで()ると、064(およ)()変態(へんたい)(しよう)()べき範囲(はんゐ)(おい)て、065(ただ)政治(せいぢ)(うへ)経済(けいざい)組織(そしき)(うへ)にのみ(とき)変態(へんたい)(しよう)(くわん)()事実(じじつ)発生(はつせい)記憶(きおく)する以外(いぐわい)(おい)て、066人間(にんげん)思想(しさう)(うへ)にも(また)変態(へんたい)(てき)事実(じじつ)存在(そんざい)否認(ひにん)されぬこととなる。067(まこと)(のろ)はしい世相(せさう)であり人間(にんげん)世界(せかい)である。
068 (なに)をか人間(にんげん)思想(しさう)変態(へんたい)事象(じしやう)ありと()ふか。069いはゆる欧米(おうべい)文明(ぶんめい)のあまりに広範囲(くわうはんゐ)無際限(むさいげん)にとり()れられた(ため)に、070その長所(ちやうしよ)標識(へうしき)(くる)()して、071(つひ)脱線(だつせん)奔放(ほんぱう)のありの(まま)のすがたをさらけ()してしまつた。072(すなは)国民(こくみん)思想(しさう)一部(いちぶ)に、073左傾(さけい)赤化(せきくわ)する事実(じじつ)認定(にんてい)首肯(しゆこう)するものは、074これを思想(しさう)荒頽(くわうたい)(てき)変態(へんたい)事象(じしやう)として指摘(してき)するに(あへ)(はばか)らざるべしと(おも)ふ。075資本(しほん)主義(しゆぎ)是正(ぜせい)076統制(とうせい)経済(けいざい)確立(かくりつ)077これらの組織(そしき)(てき)努力(どりよく)は、078組織(そしき)構成(こうせい)歪曲(わいきよく)(ただ)(うへ)には(いつ)努力(どりよく)には相違(さうゐ)ないが、079高所(かうしよ)大局(たいきよく)から()(わが)日本(やまと)(だましひ)はこれと(とも)発揚(はつやう)豊潤味(ほうじゆんみ)(しめ)しつつあるであらうか。080一部(いちぶ)左傾(さけい)赤化(せきくわ)歪曲(わいきよく)精神(せいしん)から報本(はうほん)反始(はんし)(てき)是正(ぜせい)努力(どりよく)せなければ、081(わが)日本(にほん)国民(こくみん)精神(せいしん)全体(ぜんたい)滅亡(めつばう)せしむるに(いた)るやも(はか)(がた)いのである。
082 ()かる事態(じたい)にある皇国(くわうこく)日本(にほん)真精神(しんせいしん)と、083天壌(てんじやう)無窮(むきう)皇室(くわうしつ)尊厳(そんげん)とを(あまね)国民(こくみん)示現(じげん)し、084(もつ)非常時(ひじやうじ)直面(ちよくめん)せる同胞(どうはう)(たい)迷夢(めいむ)()まさしめむがために、085(ここ)に『天祥(てんしやう)地瑞(ちずゐ)』の神書(しんしよ)(あら)はしたる次第(しだい)である。086東洋(とうやう)(とく)皇国(くわうこく)日本(にほん)天地(てんち)開闢(かいびやく)宇宙(うちう)創造説(さうざうせつ)西洋(せいやう)諸国(しよこく)(せつ)とを比較(ひかく)()るも、087海外(かいぐわい)諸国(しよこく)論説(ろんせつ)根拠(こんきよ)なき神話(しんわ)物語(ものがたり)にして、088非文明(ひぶんめい)(きは)まれる理由(りゆう)(さと)()るであらう。
089 (さて)本巻(ほんくわん)八柱(やはしら)御樋代(みひしろ)(がみ)一柱(ひとはしら)なる朝香(あさか)比女神(ひめがみ)英雄(えいゆう)(てき)活動(くわつどう)より、090西方(にしかた)国土(くに)巡生中(じゆんせいちう)なる太元(おほもと)顕津男(あきつを)(かみ)とスウヤトゴルの(やま)(くわい)し、091大曲津見(おほまがつみ)言向(ことむ)(やは)し、092(うるは)しき(あたら)しき国土(くに)経営(けいえい)し、093国魂神(くにたまがみ)()()でますといふ紫微(しび)天界(てんかい)()ける大活動(だいくわつどう)序幕(じよまく)(てき)物語(ものがたり)である。
094   昭和八年十二月十日 旧十月二十三日   於大阪分院 口述者識
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