第二三章 歓声満天(二)〔一九五五〕
インフォメーション
著者:出口王仁三郎
巻:霊界物語 第77巻 天祥地瑞 辰の巻
篇:第4篇 歓天喜地
よみ(新仮名遣い):かんてんきち
章:第23章 歓声満天(二)
よみ(新仮名遣い):かんせいまんてん
通し章番号:1955
口述日:1933(昭和8)年12月17日(旧11月1日)
口述場所:大阪分院蒼雲閣
筆録者:白石恵子
校正日:
校正場所:
初版発行日:1934(昭和9)年3月30日
概要:
舞台:
あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]:田族比女の神は、歓喜に沸く生き物たちに向かって、この日より正式に、万里ケ島に住む生き物たちを、自分が統括することを宣言した。そして、このまだ若い国を、松の緑のよき国と栄えるよう、永遠に造り固めていくことを宣言した。
そして七柱の男神たちは、それぞれ自分の職掌にしたがって国造りを行うことを歌い、また生き物たちに、そのための心得を説いて歌い聞かせた。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :rm7723
愛善世界社版:
八幡書店版:第13輯 694頁
修補版:
校定版:398頁
普及版:
初版:
ページ備考:
001 田族比女の神は再び高殿にのぼらせ給ひ、002歓喜のあまり雀躍せる数万の生物に対して御歌詠ませ給ふ。
003『主の神の水火に生れし万里の島に
004御樋代神となりて臨みぬ
005今日までは荒ぶる神の世なりけり
006鶴の守れる国土にしあれば
007大空を自由にかけりめぐるとも
008生言霊の力なき鶴なり
009今日よりは真鶴国土の名物と
010守り育てむ松の梢に
011この島に生きとし生ける物皆を
012今日より吾は領有ぎ守らむ
013鳥獣木草のはしに至るまで
014永久に守らむ厳の力に
015この島は紫微天界の愛児なり
016造り固めて神に報いむ
017この島を造り固めて永久の
018松の緑のよき国土とせむ
019諸々の歓ぎ喜ぶさま見つつ
020この稚国土の栄えを祝ふ
021足引の山の尾包みし雲霧も
022隈なく晴れし今日ぞ清しき
023黒雲の影は隈なく空に消えて
024あした夕べを紫雲棚引け
025海を出で海に入るてふ日月の
026光さやけく神国を生かさむ
027永久の命保ちて此島は
028地震もあるな嵐も吹くな
029諸々のいより集ひて動くさまは
030打ち寄す波の秀に見ゆるかな
031御樋代の神と仕へて此の島に
032天降りし吾は国土の親なり
033生みの子のいやつぎつぎに栄えませと
034万里の島根の生ひ立ち祈るも
035瑞御霊天降り給ひて国魂の
036御子生ますまで吾は動かじ
037この丘に瑞の御霊の御舎を
038つくりて天の時を待たなむ
039平けく安らけくあれ永久に
040吾司る万里の島根は
041天地と共に栄えて遠永に
043若返り若返りつつ幾千代も
044生きて守らむ万里の島根を
045万世に動かぬ国魂神の裔は
047吾宣りし生言霊は幾代経るも
048動かざるべし主神の依さしなれば』
049 輪守比古の神は御歌詠ませ給ふ。
050『吾はしもワ声の言霊に生り出でし
051地上を開く輪守比古はや
052荒金の地のことごと生かせつつ
053森羅万象の命を守らむ
054この島は紫微天界の中心なるか
055大海原の波に浮べる
056波の音風のうなりも新しく
057響かひ来るも今日のよき日は
058この島の生きとし生ける数の限り
060天も地も新たに開けし此よき日に
061堅磐常磐の礎固めばや
062御樋代の神は今日より万里の島の
063真言の親と仰ぎまつらむ
064もろもろの百姓よ御樋代神は
065吾等が真言の親と崇めよ』
066 霊山比古の神は御歌詠ませ給ふ。
067『この島を開き初めたる百蛙
068百の鼠の功は尊き
069主の神の水火に生れし百蛙
070鼠は神国を守る神はや
071御樋代の神現れませる今日よりは
072安けく生きよ蛙よ鼠よ
073馬も牛も山を下りて広野原に
074安き命を保ちつ働け
075国津神数多この国土に植ゑ移し
076鼠蛙を守り神とせむ
077国津神を知食さむと主の神は
078御樋代神を天降らせ給ひぬ
079国魂の神を生まむと御樋代の
080神はこの土に天降りましける
081吾公の御供に仕へて霊山比古の
082神もこの土に降り来つるよ
083万里ケ島のすべての生物を安らかに
084守り育つと吾公天降らせり
085百蛙百の鼠よ今日よりは
086まこと捧げて公に仕へよ』
087 若春比古の神は御歌詠ませ給ふ。
088『濛々と雲霧たちて曲津見の
089猛り狂ひし島は晴れたり
090吾公の生言霊の御光に
091照らされ曲津見は亡び失せけり
092春夏秋冬とつぎつぎ天地は
093めぐりて神国の栄えはてなき
094青雲の棚引く極み白雲の
095向伏す限りは公の国土なり
096この国土に命を保つものみなは
097公の恵みに浴せざるなし』
098 保宗比古の神は御歌詠ませ給ふ。
099『めでたさの限りなるかも天地の
100水火清まりて曲津は失せぬる
101国津神の姿見えねど鳥獣
102蛙の声は地上に満ちたり
103八十日日はあれども今日の生ける日は
104天の足日よ世の創めなるよ
105貴身と小身親子の道を永久に
106定むる今日の言祝ぎ尊し
107高殿は天の浮橋よ浮橋に
108立たせて千代の固めを宣らす公
109右左上と下との差別をたてて
110正しく清く国土開くべし
111高き低きの差別なければ神の国は
112また乱るべし曲津わき出でで』
113 直道比古の神は御歌詠ませ給ふ。
114『鳥の尾のいやながながと包みたる
115雲霧はれて新国土生れぬ
116新しき国土のはじめの言祝ぎの
117庭にかためむ貴身小身の道
118貴身大身小身田身の道を明らかに
119たてて拓かむ万里の島根を
120今日よりは万里の島根を改めて
121万里の神国と永久に讃へむ
122万里の海に浮べる百の島々は
123この新国土の御子なりにけり
124国魂の神生れまししあかつきは
125万世変らぬ貴身と仕へむ』
126 正道比古の神は御歌詠ませ給ふ。
127『天地の神の心を心とし
128貴身小身親子の正道開かむ
129貴身大身小身と田身とのことごとは
130主の大神を親とし仕へよ
131田族比女神は吾等が親にして
132万世動かぬ貴身にましける
133吾公の御稜威は天地に輝きて
134万里の神国に荒ぶる神なし
135牛馬は田畑を耕し蛙鼠は
136穀物らの命を守れ
137永久に蛙は田を守り鼠等は
138木草を守りて安らかに住めよ』
139 雲川比古の神は御歌詠ませ給ふ。
140『ありがたき神世となりけり万世に
141動かぬ貴身と親あれませり
142貴身と讃へ親と尊み師とたのみ
143永久に生きなむ生きの命を
144水清く風澄みきりて日月の
145光明るき万里の神国よ
146限りなき広き荒野をまつぶさに
147開きて命の神苑となさばや
148うごなはるすべての生物の祝ふ声
149この新しき国原に満てり
150もろもろの言祝ぐ声は牛頭ケ峰
151白馬ケ岳に高き木霊す』
152 かく神々は、153各自祝歌をうたひ高殿を下らせ給ひければ、154あらゆる生物は心安らけく何の憚りもなく各自が得手々々をつくして、155踊り狂ひ歌ひさへづり、156その歓声は天地も震ぐばかりなりけり。
157(昭和八・一二・一七 旧一一・一 於大阪分院蒼雲閣 白石恵子謹録)