第四章 狭野の島生み〔一九三六〕
インフォメーション
著者:出口王仁三郎
巻:霊界物語 第77巻 天祥地瑞 辰の巻
篇:第1篇 万里の海原
よみ(新仮名遣い):までのうなばら
章:第4章 狭野の島生み
よみ(新仮名遣い):さぬのしまうみ
通し章番号:1936
口述日:1933(昭和8)年12月12日(旧10月25日)
口述場所:大阪分院蒼雲閣
筆録者:林弥生
校正日:
校正場所:
初版発行日:1934(昭和9)年3月30日
概要:
舞台:
あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]:神々は、朝香比女の功に魔の島がたちまち豊かな島に変わったことを賛美する歌を歌った。
朝香比女により、この島は狭野の島と名づけられた。狭野の島の経営を共に任せられた狭野彦は、国津神たちをこの島に移住させて、清き神国を造ろうと、豊富を歌った。
朝香比女は、天中比古と狭野彦をこの島に残し置き、四柱の神々とともに霧の海を順風に送られ、南へ南へと進んで行った。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる]:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
OBC :rm7704
愛善世界社版:
八幡書店版:第13輯 602頁
修補版:
校定版:60頁
普及版:
初版:
ページ備考:
001 神々は朝香比女の神の生言霊の功に、002いたく感じ給ひつつ讃美の御歌詠ませ給ふ。
003 初頭比古の神の御歌。
004『掛巻くも綾に畏き朝香比女の
005神の言霊に曲津は亡びぬ
006曲津神の災せむと待ち居たる
007島は忽ち天国となりける
008善き事に曲事いつき曲事に
009善き事いつく神世なりける
010御樋代の神と現れます朝香比女の
011神の功に戦きにけり
012曲津見は力の限りを搾り出して
013魔の島ケ根となり居たりける
014朝香比女神は曲津の奸計を
015悟りて言霊宣らせ給ひぬ
016魔の島も比女の神言に敵し得ず
018八柱の御樋代神の中にして
019朝香の比女は勝れましけむ
020かくの如生言霊の光りある
021比女神こそは御樋代なるよ
022御樋代と御名負ひませる功績は
023生言霊に現れにけり
024アの声の生言霊に生れ出でし
025われ驚きぬ比女の光に
026海原を包みし雲霧晴れにつつ
027目路の限りは波かがやけり
028魔の島は次第々々に拡ごりて
029天界の光となりにけらしな
030曲津神の潜みし島も比女神の
031御水火に生きて光り充つるも
032今日よりは樹々の木の実も穀物も
033いや茂らひて神を生かさむ
034国津神の永久の楽土と今日よりは
035生れ出でにけり狭野の島ケ根
036魔の島の名を改めて狭野の島と
037朝香の比女は名を賜ひけり
038朝香比女神の功に包まれて
040 起立比古の神は御歌詠ませ給ふ。
041『狭野の島の真中に立てる山脈は
042今日より朝日の山となりけり
043朝日照り夕日輝く朝日山に
044生ふる草木は永久に栄えむ
045駿馬の丈より高き黒き蟻の
047曲津神の頭の虱の姿ぞと
049魔の化身蟻の棲みたる浮島も
050生言霊に天界となりけり
051国土を生み国魂神を生まさむと
052旅に立たせる比女の功よ
053比女神の功は今や目の前り
054狭野の島根に拝みにけり
055天中比古神永久に鎮まりて
056狭野彦の神と世を拓きませ
057国土を生み八十嶋を生み国魂を
058生みます旅を尊しと思ふ
059御樋代は八十柱ませど比女の如
060雄々しき神はなしと思ふも
061眉目容姿美しき朝香比女神の
062貴の言霊澄みきらへるも
063立世比女神の神言の側近く
065久方の御空は清く澄みきらひ
066朝日は照れり生言霊に
067かくの如天津日のかげ照り渡る
068天界に曲津は影を止めじ
069今日よりは国津神等悉く
070世を楽しみて立ち働かむ
071山も海も生言霊の幸ひに
072栄え果てなき神の食国よ
073波の秀を右や左に飛びかひて
074百鳥千鳥も世をうたふなり
075大空の晴れ渡りしゆ真鶴は
076翼揃へて舞ひ遊ぶなり
077鳳凰は翼を朝日にかがやかせ
078わが頭辺を静かに舞へるも
079大いなる鷲の一群雲の如
080伊渡り来りて御空に勇めり
081昼月の光さへ白く冴えにつつ
082狭野の天界の栄えを照らせり
083朝香比女神の御水火に生れたる
084この神島は栄え果て無けむ』
085 立世比女の神は御歌詠ませ給ふ。
086『わが公は四方の天地を包みたる
087醜の雲霧払はせ給へり
088栄城山神の御水火に生れたる
089われはエ声の愛の神なり
090わが公の御身の廻りを朝夕に
091守りて其の美を保たせまつらむ
092何時までも花の粧ひ顔を
093保たせ給へと朝夕守らむ
094顕津男の御前に進ますわが公の
095若き姿を照らし守らな
096幾万年の末の末までやさ姿
097このまま若く居ませと祈るも
098朝夕に生言霊を宣りあげて
099公の若さを永久に守らむ
100立世比女神の神言は神々の
101よき面ざしを守る神なり』
102 天中比古の神は御歌詠ませ給ふ。
103『御樋代神生言霊に定まりし
104狭野の島根は清く生れし
105狭野の島の柱とわれは任けられて
106永久に世をひらく楽しさ
107比女神の生言霊に生れたる
108この狭野島を清く守らむ
109国津神狭野彦あれば百千々の
110種を隈なく蒔きて育てむ
111朝香比女神の神言の御供せむと
112思へど詮無きわれとなりけり
113永久の命保ちてこの島の
114主と仕へ光りとならむ
115曲津見の頭に生ひし大蟻も
116今は残らず土となりける
117この島の土はことごと黒けれど
119幾万の蟻はことごと土となりて
120狭野の島根の肥料とならむか
121地稚く国土稚けれど言霊の
122水火を凝らして固めひらかむ』
123 天晴比女の神は御歌詠ませ給ふ。
124『主の神のパ声になりしわれ故に
125天晴比女の神といふなり
126大空はパツと明るくなりにけり
127四方を包みし雲霧はれにつ
128朝香比女御樋代神に従ひて
130地稚き稚国原は霧たちて
131八十の曲津の棲処にはよき
132霧こむる稚国原をことごとく
134限りなき尊き神の御恵みに
135天晴比女と生れしわれなり
136天も地も清くはらして御尾前に
138勇ましくやさしくいます御樋代神の
139生言霊は光りなりけり
140六合を照らし清むる比女神の
142心清く神魂の清き比女神の
143御水火は光りとなりて出づるも
144かくの如尊き神は天地の
146天地を晴らし清むるわれながら
147御樋代神の光りに劣れり
148主の神ゆ御樋代神と選まれしは
149実に実に宜べよと悟らひにけり
150大いなる国土生みの神業をあちこちに
151ひらかせ給ふ比女神かしこし』
153『天津神の中に交はり国津神われは
155狭野の島をひらけと宣らす言霊を
156われ嬉しみて勤しみ仕へむ
157狭野の島は未だ稚ければ天津神
158朝な夕なに力添へ給へ
159朝香比女神の神言を畏みて
160束の間さへも忘れず勤めむ
161この島に国津神々移し植ゑて
162清き天界をひらかむと思ふ』
163 朝香比女の神は御歌詠ませ給ふ。
164『諸神の称へ言葉を聞ながら
165小さき功をわれは恥づるも
166御樋代の神と名を負ふ身ながらも
168今日よりは諸神等にたすけられて
169神業に仕ふと楽しみおもふ
170天中比古神は狭野彦を守りつつ
171ひらかせ給へ狭野ケ島根を』
172 朝香比女の神は、173かく御歌を詠ませ給ひつつ、174天中比古の神及び国津神狭野彦をこの島に残し置き、175四柱の神等とともに、176晴れ渡る霧の海原を順風に送られ、177心朗らかに南へ南へと進ませ給ひける。
178(昭和八・一二・一二 旧一〇・二五 於大阪分院蒼雲閣 林弥生謹録)