霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
目 次設 定
設定
印刷用画面を開く [?]プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。[×閉じる]
話者名の追加表示 [?]セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。[×閉じる]
表示できる章
テキストのタイプ [?]ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。[×閉じる]

文字サイズ
フォント

ルビの表示



アンカーの表示 [?]本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。[×閉じる]


宣伝歌 [?]宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。[×閉じる]
脚注 [?][※]や[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。まだ少ししか付いていませんが、目障りな場合は「表示しない」設定に変えて下さい。ただし[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。[×閉じる]


文字の色
背景の色
ルビの色
傍点の色 [?]底本で傍点(圏点)が付いている文字は、『霊界物語ネット』では太字で表示されますが、その色を変えます。[×閉じる]
外字1の色 [?]この設定は現在使われておりません。[×閉じる]
外字2の色 [?]文字がフォントに存在せず、画像を使っている場合がありますが、その画像の周囲の色を変えます。[×閉じる]

  

表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。


【新着情報】サブスクのお知らせ
マーキングパネル
設定パネルで「全てのアンカーを表示」させてアンカーをクリックして下さい。

【引数の設定例】 &mky=a010-a021a034  アンカー010から021と、034を、イエローでマーキング。

          

第三章 グロスの(しま)〔一九五九〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第78巻 天祥地瑞 巳の巻 篇:第1篇 波濤の神光 よみ(新仮名遣い):はとうのしんこう
章:第3章 グロスの島 よみ(新仮名遣い):ぐろすのしま 通し章番号:1959
口述日:1933(昭和8)年12月20日(旧11月4日) 口述場所:大阪分院蒼雲閣 筆録者:谷前清子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1934(昭和9)年5月5日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
紫微天界はまだ国土が稚く、国の形も完全には定まっていなかったので、あちこちに妖邪の気が凝り固まって、種々の異様の動植物を生み、それがまた妖邪の気を四方に飛散させていた。
主の大神は、完全無欠の神の国を開設しようと、天之道立の神、太元顕津男の神の二柱に、霊界現界の神業を委任した。
天之道立の神は惟神の大道を宣布し、顕津男の神は国土を治める司神を造ろうと国土を巡った。
邪神の中には、数個の頭を持った竜や大蛇がおり、翼の生えた虎、狼、熊などが水陸両面に住んでいるものもおり、容易に正しい神の経綸を許さなかった。
そこで、主の大神は、これらの妖魔を根底的に言向け和し征服全滅しようと、英雄的な資質を持った神々を、紫微天界の四方に派遣していた。
御樋代神はすべて女神であったが、みな優美な姿とはうらはらに、勇猛剛直で神代の英雄神のみが選ばれていたので、その行動が雄々しいことは何も不思議なことでないのである。
朝香比女の神の乗った磐楠船は、日のたそがれるころ、曲津神が集まるというグロスの島に近づいた。曲神の島は、突然黒煙を四方に吹き散らし、海面を闇に包んで船さえも見えないほどになってしまった。
このグロスの島には、ゴロス、グロノスという二大曲津神があり、数多の醜神を使役して、隙あらば他の島を侵そうとかまえていた。
御樋代神の船が島に近づいてきたので、ゴロス、グロノスはあらゆる曲神を呼び集め、必死に船が近づくのを妨害しようと猛り狂っていた。
朝香比女の神は、いかに曲神が抵抗しようとも、真火と言霊により、征服しよう、と歌った。そして、闇が近づく黄昏時を避けて、明日の朝を待った。
すると、グロスの島から沸き立つ黒雲は次第次第に雲の峰が湧くように膨れ広がり、あたりの海面を真の闇と包んでしまった。そして、青白い火団が、船の周囲を蛍合戦のように飛び狂い、凄惨の気が漂ってきた。
朝香比女は少しも驚かず、平然として曲神の業を眺めながら、歌を歌った。最後に天晴比女の神が天の数歌を歌い、大空の月をあらわして曲神を照らし現そう、と歌うと、黒雲は風に吹き散らされ、天空に明るく清い月影が浮かび照らした。
グロノス、ゴロスは夜が明けるまでに船を滅ぼそうと死力を尽くし、長大な竜蛇の姿を現し、剣のような角をかざしながら、船に向かって火焔を吐いた。
朝香比女の神は平然として微笑みながら、暁まではこの船に休み安らう、と歌った。
各神々は、グロスの島に向かって明日の征途を楽しみながら歌を歌い、眠らずに船の上に安座して、さまざまなことを面白おかしく語り合い、夜明けを待っていた。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm7803
愛善世界社版: 八幡書店版:第14輯 41頁 修補版: 校定版:48頁 普及版: 初版: ページ備考:
001 紫微(しび)天界(てんかい)(いま)国土(くに)(わか)く、002国形(くにがた)完全(くわんぜん)には端々(はしばし)(いた)りては(さだ)まらざりければ、003あちこちの稚国原(わかくにはら)には妖邪(えうじや)()()(かた)まりて種々(しゆじゆ)動植物(どうしよくぶつ)()み、004(とく)異様(いやう)動物(どうぶつ)数多(あまた)棲息(せいそく)して妖邪(えうじや)()四方(よも)飛散(ひさん)せしめ、005森羅(しんら)万象(ばんしやう)発育(はついく)(さまた)ぐるも是非(ぜひ)なき次第(しだい)なりける。
006 ここに()大神(おほかみ)完全(くわんぜん)無欠(むけつ)(かみ)(くに)開設(かいせつ)(たま)はむとして、007天之(あめの)道立(みちたつ)(かみ)008太元(おほもと)顕津男(あきつを)(かみ)二柱(ふたはしら)霊界(れいかい)現界(げんかい)神業(みわざ)委任(ゐにん)(たま)ひければ、009天之(あめの)道立(みちたつ)(かみ)惟神(かむながら)大道(だいだう)宣布(せんぷ)し、010日夜(にちや)()ませ(たま)はず、011顕津男(あきつを)(かみ)国土(くに)(をさ)むべき司神(つかさがみ)(つく)らむとして、012国土(くに)のあちこちを経廻(へめぐ)(たま)ひ、013()(かみ)()ませ(くば)()(たま)ひし御樋代(みひしろ)(がみ)見合(みあ)ひまして、014国魂神(くにたまがみ)()みの神業(みわざ)にいそしみ(たま)神定(かむさだ)めとはなりける。
015 邪神(じやしん)(なか)には数箇(すうこ)(かしら)をもてる(りう)あり、016大蛇(をろち)あり、017(また)(つばさ)()えし(とら)あり、018(おほかみ)019(くま)(など)ありて(しま)(なか)棲息(せいそく)し、020水陸(すゐりく)両方面(りやうはうめん)()ねて()まへるなどありて、021容易(ようい)(ただ)しき(かみ)日々(にちにち)経綸(けいりん)(ゆる)さざりける。022(ゆゑ)()大神(おほかみ)はこの妖魔(えうま)根底(こんてい)(てき)言向(ことむ)けやはし、023征服(せいふく)し、024全滅(ぜんめつ)せしめむとして英雄(えいゆう)(てき)素質(そしつ)()たせる神々(かみがみ)紫微(しび)天界(てんかい)四方(しはう)派遣(はけん)(たま)へるなりける。
025 御樋代(みひしろ)(かみ)(すべ)女神(めがみ)にましませども、026いづれも優美(いうび)なる容姿(ようし)()ず、027勇猛(ゆうまう)剛直(がうちよく)にして神代(じんだい)英雄神(えいゆうしん)のみを(えら)まし(たま)ひければ、028その()行動(かうどう)雄々(をを)しくましますことは自然(しぜん)道理(だうり)におはしましけるぞ(かしこ)けれ。
029万里(まで)島根(しまね)永久(とこしへ)
030基礎(きそ)(かた)むる御樋代(みひしろ)
031八柱神(やはしらがみ)()れませる
032朝香(あさか)比女神(ひめがみ)雄々(をを)しくも
033(なが)旅路(たびぢ)()(たま)
034(もも)(なや)みをしのびつつ
035あなたこなたの国形(くにがた)
036𪫧怜(うまら)委曲(つばら)(かた)めつつ
037狭野(さぬ)島ケ根(しまがね)()()へて
038天中(あめなか)比古(ひこ)(つかさ)とし
039いよいよ(すす)んで万里(まで)(しま)
040この稚国土(わかぐに)(かた)めむと
041御樋代(みひしろ)(がみ)(むか)へられ
042万里(まで)(をか)なる聖所(すがどこ)
043生言霊(いくことたま)をとり(かは)
044国土(くに)(たから)燧石(ひうちいし)
045田族(たから)比女(ひめ)(おく)らせつ
046七日(なぬか)七夜(ななよ)逗留(とうりう)
047(やうや)()へて御来矢(みくりや)
048(はま)より(ふね)()らせつつ
049永久(とは)(わか)れを()しみまし
050万里(まで)海原(うなばら)静々(しづしづ)
051波路(なみぢ)()けて(すす)みます
052ああ惟神(かむながら)々々(かむながら)
053(かみ)言霊(ことたま)(さち)はひて
054朝香(あさか)比女(ひめ)(つつが)なく
055(みづ)御霊(みたま)()れませる
056雲霧(くもきり)(ふか)西方(にしかた)
057国土(くに)()でます物語(ものがたり)
058𪫧怜(うまら)委曲(つばら)()ちもなく
059()べさせ(たま)へと瑞月(ずゐげつ)
060蒼雲閣(さううんかく)端坐(たんざ)して
061生言霊(いくことたま)(さち)はひを
062大本皇(おほもとすめら)大神(おほかみ)
063御前(みまへ)(かしこ)()(まつ)
064うすき冬陽(ふゆび)(かがや)ける
065蒼雲閣(さううんかく)清庭(すがには)
066(われ)()()れば大空(おほぞら)
067(とどろ)かせつつ三台(さんだい)
068飛行機(ひかうき)(きた)りて()(くる)
069非常時(ひじやうじ)日本(につぽん)光景(くわうけい)
070しみじみ(われ)(おも)はせり
071ああ惟神(かむながら)々々(かむながら)
072わが()べてゆく物語(ものがたり)
073生言霊(いくことたま)(さち)はひて
074非常時(ひじやうじ)日本(につぽん)(すく)ふべき
075よすがとなれば(みち)(ため)
076御国(みくに)(ため)(さち)はひと
077(つつし)(ゐやま)()べてゆく
078(わが)言霊(ことたま)(さち)あれよ
079(わが)言霊(ことたま)生命(いのち)あれ。
080 朝香(あさか)比女(ひめ)(かみ)()らせ(たま)へる磐楠舟(いはくすぶね)は、081大小(たいせう)島々(しまじま)(みぎ)(ひだり)()ひながら()黄昏(たそが)るる(ころ)082曲神(まがかみ)(あつ)まると(きこ)えたるグロスの(しま)(ちか)より(たま)へば、083()にし()曲神(まがかみ)(しま)(にはか)黒烟(こくえん)四方(よも)()()らし、084海面(うみのも)(やみ)(つつ)みて御舟(みふね)さへ()えずなりにける。
085 このグロスの(しま)には、086ゴロスと()猛悪(まうあく)なる大蛇(をろち)(かみ)棲息(せいそく)して、087数多(あまた)醜神(しこがみ)使役(しえき)し、088(すき)あらば(すべ)ての島々(しまじま)(をか)さむとしつつ()ちかまへ()たるに、089(いま)御樋代(みひしろ)(がみ)御舟(みふね)090この(しま)(ちか)づきければ、091グロスの(しま)曲津(まがつ)(かみ)グロノス、092ゴロスの二巨頭(にきよとう)は、093あらゆる曲神(まがかみ)()(あつ)め、094必死(ひつし)となりて御舟(みふね)(ちか)づくを妨害(ばうがい)せむと伊猛(いたけ)(くる)ひける。
095 朝香(あさか)比女(ひめ)(かみ)御歌(みうた)()ませ(たま)ふ。
096二百浬(にひやくカイリ)(われ)(わた)()黄昏(たそが)れつ
097グロスの(しま)(ちか)づきしはや
098(この)(しま)にグロノス、ゴロスの曲津(まがつ)(かみ)
099(ひそ)むと()きて(ふね)よせにける
100曲津見(まがつみ)はここを先途(せんど)黒烟(こくえん)
101()()らしつつ四方(よも)(つつ)めり
102言霊(ことたま)水火(いき)(ひか)りと鋭敏鳴出(うなりづ)
103(かみ)のたまひし燧石(ひうち)にかためむ
104曲神(まがかみ)(いきほひ)如何(いか)(たけ)くとも
105()をもて()かば容易(ようい)(ほろ)びむ
106曲神(まがかみ)如何(いか)(いきほひ)(つよ)くとも
107真言(まこと)(ちから)なきものぞかし
108黄昏(たそがれ)(やみ)(たたか)不便(ふべん)さに
109(なみ)にうかびて(あした)()たばや』
110 初頭(うぶがみ)比古(ひこ)(かみ)御歌(みうた)()ませ(たま)ふ。
111比女神(ひめがみ)神言(みこと)(かしこ)曲神(まがかみ)
112朝日(あさひ)()ちて(ほろぼ)すぞよき
113天界(かみくに)にさやる曲津(まがつ)(たね)をたやし
114(やす)神国(みくに)(さだ)(まつ)らむ
115黄昏(たそがれ)(やみ)海原(うなばら)(ことごと)
116(つつ)めど(われ)には()をもてりけり
117(おん)(ふね)真火(まひ)()らして明方(あけがた)
118(しづか)()たむ()(しま)(ちか)
119面白(おもしろ)海路(うなぢ)(たび)曲神(まがかみ)
120(もも)のいたづら()つつ(すす)むも』
121 起立(おきたつ)比古(ひこ)(かみ)御歌(みうた)()ませ(たま)ふ。
122狭野(さぬ)(しま)魔神(まがみ)もここに(あつ)まりて
123行手(ゆくて)にさやると伊猛(いたけ)るならむ
124黒雲(くろくも)(まく)(つつ)めど(わが)(ふね)
125真火(まひ)(ひか)りに(やす)かりにけり
126()(がた)()ちていよいよ()(しま)
127()(ほろぼ)すと(おも)へば(たの)しき
128曲神(まがかみ)(わが)上陸(じやうりく)()()ちて
129服従(まつろ)(きた)れしからば(ゆる)さむ
130比女神(ひめがみ)(なれ)()生命(いのち)()ひうけて
131真言(まこと)(みち)(すく)(たす)けむ
132一夜(ひとよさ)生命(いのち)()へば曲神(まがかみ)
133()こそあはれになりにけるかな』
134 グロスの(しま)より()()黒雲(くろくも)は、135次第(しだい)々々(しだい)(くも)(みね)()(ごと)くふくれ(あが)り、136(ひろ)ごり、137四辺(あたり)海面(うみのも)(しん)(やみ)(つつ)み、138青白(あをじろ)火団(くわだん)御舟(みふね)周囲(しうゐ)螢合戦(ほたるがつせん)(ごと)()()(くる)ひめぐり、139凄惨(せいさん)()(やみ)(とも)(ただよ)ひにける。
140 朝香(あさか)比女(ひめ)(かみ)(すこ)しも(おどろ)(たま)はず、141平然(へいぜん)として曲神(まがかみ)種々(くさぐさ)(わざ)御覧(みそなは)しながら、142御歌(みうた)()ませ(たま)ふ。
143面白(おもしろ)曲神(まがみ)なるかも(やみ)(うみ)
144青白(あをじろ)()となりて()べるも
145曲神(まがかみ)()青白(あをじろ)(ひか)りなし
146鬼火(おにび)陰火(いんくわ)(あつ)からぬかな
147()(たま)()れども(ひか)らず(あつ)からず
148海月(くらげ)(ごと)くただよへるかも
149明日(あす)さらばグロノス、ゴロスを言向(ことむ)けて
150この()(しま)(きよ)めむと(おも)
151八潮路(やしほぢ)(なが)旅路(たびぢ)(つか)れはてて
152曲津(まが)のすさびを()るは(たの)しき
153百千万(ひやくせんまん)火団(くわだん)となりて(たけ)(くる)
154(さま)面白(おもしろ)(ふね)()()
155()(ふね)(なみ)(うか)べど(うご)かざり
156生言霊(いくことたま)(いかり)につなげば』
157 立世(たつよ)比女(ひめ)(かみ)御歌(みうた)()ませ(たま)ふ。
158炎々(えんえん)御空(みそら)(つき)をかくしつつ
159()島ケ根(しまがね)黒雲(くろくも)()ちたつ
160曲神(まがかみ)黒雲(くろくも)(おこ)しおく(ふか)
161しのびつ()ぢつ(くる)ふなるらむ
162曲神(まがかみ)数多(あまた)(つど)へるグロスの(しま)
163今日(けふ)(めづら)しく黄昏(たそが)れて()
164黄昏(たそがれ)(うみ)にうつらぬ()(たま)
165(まさ)しく陰火(いんくわ)のしるしなりけり
166真火(まひ)なれば(なみ)(そこ)まで(かがや)かむを
167青白(あをじろ)きのみ(ひか)りだになし
168言霊(ことたま)()ける(ひかり)()らされて
169グロノス、ゴロスも(ほろ)()すべし
170御樋代(みひしろ)(かみ)()でましに()(しま)
171(きよ)きすがしき国土(くに)(うま)れむ』
172 天晴(あめはれ)比女(ひめ)(かみ)御歌(みうた)()ませ(たま)ふ。
173(われ)こそは御供(みとも)(つか)ふる天晴(あめはれ)
174比女神(ひめがみ)なるよ御空(みそら)()らさむ
175(ひと)(ふた)()()(いつ)(むゆ)(なな)()(ここの)(たり)
176百千万(ももちよろづ)(かみ)(つど)ひませ
177大空(おほぞら)(つき)()らして()(しま)
178曲津見(まがつみ)(かしら)(あら)はさむかも』
179 ()(うた)(たま)ふや、180()(しま)上空(じやうくう)(つつ)みし黒雲(くろくも)次第(しだい)々々(しだい)科戸(しなど)(かぜ)()()らされて、181天空(てんくう)(あか)(きよ)円満(ゑんまん)清朗(せいらう)月影(つきかげ)(うか)ばせ(たま)ひ、182(なみ)(そこ)(ふか)(かがや)(たま)ひける。
183 ここにグロノス、184ゴロスの曲津(まがつ)(かみ)()()くるまでに御舟(みふね)(かみ)(たち)(ほろぼ)しくれむと死力(しりよく)(つく)一百有余(いつぴやくいうよ)(じゆん)竜蛇(りうだ)姿(すがた)(あらは)し、185数頭(すうとう)(かしら)には各自(おのもおのも)太刀(たち)(ごと)(つの)をかざしながら、186(しき)りに御舟(みふね)(むか)つて火焔(くわえん)()光景(くわうけい)はもの(すご)きまでに()えにける。
187 朝香(あさか)比女(ひめ)(かみ)平然(へいぜん)として微笑(ほほゑ)みながら御歌(みうた)()ませ(たま)ふ。
188(いさ)ましやグロノス、ゴロスの雄猛(をたけ)びは
189(わが)()(たび)をなぐさめにける
190()()けど(つの)はふれども()()れど
191(われ)には(なん)(なや)(おぼ)えず
192(ちから)(かぎ)雄猛(をたけ)(くる)曲神(まがかみ)
193(こころ)(おも)へばあはれなるかも
194()(かく)(あかつき)まではこの(ふね)
195(われ)(やす)らはむ(こころ)(やす)けく』
196 初頭(うぶがみ)比古(ひこ)(かみ)御歌(みうた)()ませ(たま)ふ。
197一夜(ひとよさ)生命(いのち)(おも)へば曲神(まがかみ)
198最後(いまは)(すさ)びあはれなるかな
199常闇(とこやみ)をうすら()らして曲神(まがかみ)
200あまたの(くち)より(ほのほ)()くも
201(ひかり)にぶき松明(たいまつ)()へば面白(おもしろ)
202(つき)御空(みそら)(かがや)(たま)へど
203月読(つきよみ)(ひか)りますますさやかにて
204()島ケ根(しまがね)(くも)はあせたり
205ところどころ魔神(まがみ)()()黒雲(くろくも)
206次第(しだい)々々(しだい)にうすらぎしはや
207()くの(ごと)(あさ)奸計(たくみ)曲神(まがかみ)
208雄猛(をたけ)()れば雄心(をごころ)わくも
209明日(あす)さればこの島ケ根(しまがね)(ことごと)
210()(きよ)むべし曲神(まがみ)退(しりぞ)け』
211 起立(おきたつ)比古(ひこ)(かみ)御歌(みうた)()ませ(たま)ふ。
212海中(わだなか)永久(とは)(うか)べる()(しま)
213(くも)()れけり(つき)(ひか)りに
214(つき)()ゆる万里(まで)海原(うなばら)(うか)びたる
215グロスの(しま)(また)()れけり
216この(しま)(おも)ひしよりは(ひろ)くして
217あまたの曲神(まがみ)(さわ)(まは)れり
218この(しま)()大神(おほかみ)()みませる
219生島(いくしま)なれば(きよ)(まつ)らむ
220日並(けなら)べて(かみ)神業(みわざ)(つか)へつつ
221(また)(たの)しき明日(あす)(むか)へつ』
222 立世(たつよ)比女(ひめ)(かみ)御歌(みうた)()ませ(たま)ふ。
223黒雲(くろくも)(しま)のあちこちに(ふと)(たか)
224()てども明日(あす)跡形(あとかた)もなけむ
225黒雲(くろくも)(とき)じく(おこ)して天地(あめつち)
226水火(いき)(にご)せる曲神(まがみ)(しま)かも
227この(しま)曲神(まがみ)ことごと言向(ことむ)けて
228(わか)国原(くにはら)()むは(たの)しも
229この(しま)御樋代(みひしろ)(がみ)(こも)らすと
230()きしは(ゆめ)黒雲(くろくも)()ちたつ
231御樋代(みひしろ)(かみ)悪魔(あくま)雄猛(をたけ)びに
232(しば)御姿(みかげ)をかくし(たま)ふか』
233 天晴(あめはれ)比女(ひめ)(かみ)御歌(みうた)()ませ(たま)ふ。
234(あめ)(つち)生言霊(いくことたま)御光(みひか)りに
235()らして(わか)国土(くに)()まばや
236天晴(あめはれ)比女(ひめ)(かみ)御供(みとも)(つか)へつつ
237この島ケ根(しまがね)(くも)()らさむ』
238 (かく)神々(かみがみ)はグロスの(しま)(むか)つて明日(あす)征途(きため)(たの)しみながら御歌(みうた)()ませつつ、239一目(ひとめ)(ねむ)らせ(たま)はず磐楠舟(いはくすぶね)(うへ)安坐(あんざ)して、240種々(くさぐさ)のことを面白(おもしろ)可笑(をか)しく(かた)()ひつつ()明方(あけがた)(しづか)()たせ(たま)ひけるぞ(かしこ)けれ。
241昭和八・一二・二〇 旧一一・四 於大阪分院蒼雲閣 谷前清子謹録)
目で読むのに疲れたら耳で聴こう!霊界物語の朗読ユーチューブ
オニド関連サイト最新更新情報
10/22【霊界物語ネット】王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)』をテキスト化しました。
5/8【霊界物語ネット】霊界物語ネットに出口王仁三郎の第六歌集『霧の海』を掲載しました。
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【メールアドレス
合言葉「みろく」を入力して下さい→  
霊界物語ネットは飯塚弘明が運営しています。【メールアドレス】 / 動作に不具合や誤字脱字等を発見されましたら是非お知らせ下さるようお願い申し上げます。 / 本サイトに掲載されている霊界物語等の著作物の電子データは飯塚弘明ほか、多数の方々の協力によって作られました。(スペシャルサンクス) / 本サイトの著作権(デザイン、プログラム、凡例等)は飯塚弘明にあります。出口王仁三郎の著作物(霊界物語等)の著作権は保護期間が過ぎていますのでご自由にお使いいただいて構いません。ただし一部分を引用するのではなく、本サイト掲載の大部分を利用して電子書籍等に転用する場合には、必ず出典と連絡先を記して下さい。→「本サイト掲載文献の利用について」 / 出口王仁三郎の著作物は明治~昭和初期に書かれたものです。現代においては差別的と見なされる言葉や表現もありますが、当時の時代背景を鑑みてそのままにしてあります。 / プライバシーポリシー
(C) 2007-2024 Iizuka Hiroaki